JPH11136133A - ベクトル量子化法 - Google Patents

ベクトル量子化法

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JPH11136133A
JPH11136133A JP9295130A JP29513097A JPH11136133A JP H11136133 A JPH11136133 A JP H11136133A JP 9295130 A JP9295130 A JP 9295130A JP 29513097 A JP29513097 A JP 29513097A JP H11136133 A JPH11136133 A JP H11136133A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音声符号化装置等に使用されるベクトル量子
化法において、少ないビット数でも、音質の劣化を認識
しにくいベクトル量子化を行うことを目的とする。 【解決手段】 入力ベクトル11を用いて量子化ターゲ
ットを算出するターゲット抽出部12と、量子化ターゲ
ットを符号化するとともに復号化ベクトルを求める量子
化部13と、入力ベクトルと復号化ベクトルとの歪を計
算する歪計算部14と、歪の比較から符号を決定して伝
送するとともに復号化ベクトル格納部17の内容を更新
する比較部15を備えることにより、聴感上劣化を感じ
ないように重み付け探索を行うことができ、低ビットレ
ートにおいても聴感的に歪を聞こえ難くすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声符号化装置、
楽音符号化装置、画像符号化装置等におけるパラメータ
のベクトル量子化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下では、携帯電話等で用いられる低ビ
ットレート音声符号化技術について従来の技術を説明す
る。
【0003】携帯電話等のディジタル移動通信の分野で
は加入者の増加に対処するために低ビットレートの音声
の圧縮符号化法が求められており、各研究機関において
研究開発が進んでいる。日本国内においては、モトロー
ラ社の開発したビットレート11.2kbpsのVSE
LP、NTT移動通信網株式会社の開発したビットレー
ト5.6kbpsのPSI−CELPという符号化方式
が携帯電話の標準方式として採用され、製品化されてい
る。また国際的には、1997年にITU−TがNTT
とフランステレコムの方式の折衷案であるCS−ACE
LPを8kbpsの国際標準音声符号化方式G.729
に選定した。これらの音声符号化方式は、いずれもCE
LP(Code Exited Linear Pre
diction: M.R.Schroeder ”High Quality Spee
ch at Low Bit Rates” Proc.ICASSP'85 pp.937-940 に
記載されている)という方式を改良したものである。こ
れは音声を音源情報と声道情報とに分離し、音源情報に
ついては符号帳に格納された複数の音源サンプルのイン
デクスによって符号化し、声道情報についてはLPC
(線形予測係数)を符号化するということと、音源情報
符号化の際には声道情報を加味して入力音声と比較を行
なうという方法(A−b−S:Analysis by
Synthesis)を採用していることに特徴があ
る。
【0004】ここで、CELP方式の基本的アルゴリズ
ムについて説明する。図4はCELP方式の符号化装置
の機能ブロック図である。まず、LPC分析部30にお
いて、入力された音声データ31に対して自己相関分析
とLPC分析を行なうことによってLPC係数を得、ま
た得られたLPC係数の符号化を行ないLPC符号を
得、また得られたLPC符号を復号化して復号化LPC
係数を得る。次に、音源作成部32において、適応符号
帳33と確率的符号帳34に格納された音源サンプル
(それぞれ適応コードベクトル(または、適応音源)と
確率的コードベクトル(または、確率的音源)と呼ぶ)
を取り出し、それぞれをLPC合成部35へ送る。更
に、LPC合成部35において、音源作成部32で得ら
れた2つの音源に対して、LPC分析部30で得られた
復号化LPC係数によってフィルタリングを行ない2つ
の合成音を得る。更に、比較部36においては、LPC
合成部35で得られた2つの合成音と入力音声31との
関係を分析し、2つの合成音の最適値(最適ゲイン)を
求め、その最適ゲインによってパワー調整したそれぞれ
の合成音を加算して総合合成音を得、その総合合成音と
入力音声の距離計算を行なう。また更に、適応符号帳3
3と確率的符号帳34の全ての音源サンプルに対して音
源作成部32、LPC合成部35を機能させることによ
って得られる多くの合成音と入力音声31との距離計算
を行ない、その結果得られる距離の中で最も小さいとき
の音源サンプルのインデクスを求める。また更に、得ら
れた最適ゲインと、音源サンプルのインデクス、さらに
そのインデクスに対応する2つの音源をパラメータ符号
化部37へ送る。パラメータ符号化部37では、最適ゲ
インの符号化を行なうことによってゲイン符号を得、L
PC符号、音源サンプルのインデクスをまとめて伝送路
38へ送る。また、ゲイン符号とインデクスに対応する
2つの音源から実際の音源信号を作成し、それを適応符
号帳33に格納すると同時に古い音源サンプルを破棄す
る。なお、LPC合成部35においては、線形予測係数
や高域強調フィルタや長期予測係数(入力音声の長期予
測分析を行なうことによって得られる)を用いた聴感重
み付けフィルターを併用するのが一般的である。また、
適応符号帳と確率的符号帳に対する音源探索は、分析区
間を更に細かく分けた区間(サブフレームと呼ばれる)
で行われるのが一般的である。
【0005】ここでベクトル量子化(VQ)について説
明する。上記アルゴリズムにおけるLPC分析部30で
のLPCの符号化は、通常LSP(線スペクトル対)等
の符号化しやすいパラメータベクトルに変換して、ユー
クリッド距離や重み付きユークリッド距離によってベク
トル量子化(VQ)するのが一般的である。
【0006】以下にユークリッド距離を用いたベクトル
量子化アルゴリズムについて示す。アルゴリズムのブロ
ック図を図5に示す。
【0007】予め、様々な量子化ターゲットの中心的サ
ンプル(コードベクトル)が複数格納されたベクトル符
号帳40を作成しておく。これは、一般には、多くの音
声データを分析して得られた多数のベクトルを基に、L
BGアルゴリズム(IEEETRANSACTIONS
ON COMMUNICATIONS,VOL.CO
M−28,NO.1,PP84−95,JANUARY
1980)によって作成する。
【0008】まず、距離計算部41において、量子化タ
ーゲットのベクトル42とベクトル符号帳40に格納さ
れたコードベクトルとの距離を計算する。距離の式を以
下の(数1)に示す。
【0009】
【数1】
【0010】次に探索部43において、各コードベクト
ルとの距離を比較し最も距離の小さいコードベクトルの
番号をベクトルの符号44とする。すなわち、ベクトル
符号帳40と距離計算部41を制御し、ベクトル符号帳
40に格納された全てのコードベクトルの中で最も距離
の小さくなるコードベクトルの番号を求め、これをベク
トルの符号44とする。
【0011】一方、復号器(デコーダ)では、伝送され
てきたベクトルの符号に基づいてコードベクトルを求め
ることによって復号化する。
【0012】以上のアルゴリズムにより、統計的に偏り
のあるパラメータ列(ベクトル)を効率よく符号化する
ことが出来る。しかし、このままでは符号化歪は大き
い。そこで、時間的に連続しているベクトルを次々と符
号化して伝送する場合(例えば、携帯電話の音声コーデ
ックがこの場合に相当する)で、連続するベクトルの間
に相関がある場合は、ある時間のベクトルを過去に符号
化し復号化した復号化ベクトルを使用して符号化する方
法が用いられることが多い。この方法は予測ベクトル量
子化(予測VQ)と呼ばれる。
【0013】以下に予測VQについて説明する。機能ブ
ロック図を図6に示す。予測VQは、過去に符号化・復
号化して得られたベクトル(合成ベクトル)を用いて予
測を行ない、その予測誤差をベクトル量子化するアルゴ
リズムである。
【0014】予め、予測誤差ベクトルの中心的サンプル
(コードベクトル)が複数格納されたベクトル符号帳5
0を作成しておく(多くの予測誤差ベクトルに対して上
記VQの符号帳と同様のアルゴリズムを適用することに
よって作成する)。
【0015】まず、量子化ターゲットのベクトル51に
対して予測部52で予測を行なう。予測は状態格納部5
3に格納された過去の合成ベクトルを用いて行ない、得
られた予測誤差ベクトルを距離計算部54へ送る。ここ
では、予測の形態として、予測次数1次で固定係数によ
る予測を挙げる。この予測を用いた場合の予測誤差ベク
トル算出の式を以下の(数2)に示す。
【0016】
【数2】
【0017】上記式において、予測係数βは0<β<1
の値であるのが一般的である。次に、距離計算部54に
おいて、予測部52で得られた予測誤差ベクトルとベク
トル符号帳50に格納されたコードベクトルとの距離を
計算する。距離の式を以下の(数3)に示す。
【0018】
【数3】
【0019】次に探索部55において、各コードベクト
ルとの距離を比較し最も距離の小さいコードベクトルの
番号をベクトルの符号56とする。すなわち、ベクトル
符号帳50と距離計算部54を制御し、ベクトル符号帳
50に格納された全てのコードベクトルの中で最も距離
の小さくなるコードベクトルの番号を求め、これをベク
トルの符号56とする。更に、最終的符号に基づきベク
トル符号帳50から得られたコードベクトルと状態格納
部53に格納された過去の復号化ベクトルを用いてベク
トルの復号化を行ない、得られた合成ベクトルを用いて
状態格納部53の内容を更新する。したがって、次の符
号化を行なう時には、ここで復号化したベクトルが予測
に使用される。
【0020】上記の予測形態の例(予測次数1次、固定
係数)の復号化は以下の(数4)により行なう。
【0021】
【数4】
【0022】一方、復号器(デコーダ)では、伝送され
てきたベクトルの符号に基づいてコードベクトルを求め
ることによって復号化する。復号器には予め符号器と同
じベクトル符号帳と状態格納部を用意し、上記符号化ア
ルゴリズムにおける探索部の復号化機能と同様のアルゴ
リズムで復号化を行なう。
【0023】予測VQは現在の音声符号化に頻繁に使用
されており、この技術によって8kbps程度の低ビッ
トレートの音声符号化が実現できるようになった。しか
し、さらなる低レート化(例えば4kbps程度の超低
ビットレート)を行なうと、符号化歪が増加し音質の劣
化を招いていた。
【0024】また、予測VQと組合わせて頻繁に用いら
れるベクトル量子化法として「多段ベクトル量子化(多
段VQ)」がある。多段VQとは、ターゲットのVQを
行なった後復号化を行ない、ターゲットとの差(符号化
歪ベクトルと呼ぶ)を求め、これを更にVQしていく方
法である。
【0025】以下に多段VQについて、段数が2段の場
合を例に説明する。機能ブロック図を図7に示す。
【0026】予め、様々な量子化ターゲットの中心的サ
ンプル(コードベクトル)が複数格納されたベクトル符
号帳A60、ベクトル符号帳B61を作成しておく。こ
れは、一般には、多くの音声データを分析して得られた
多数のベクトルを基に、LBGアルゴリズム(IEEE
TRANSACTIONS ON COMMUNIC
ATIONS,VOL.COM−28,NO.1,PP
84−95,JANUARY 1980)によって作成
する。ただし、ベクトル符号帳A60の学習用母集団は
多くの量子化ターゲットの集合であるが、ベクトル符号
帳B61の学習用母集団は上記多くの量子化ターゲット
に対してベクトル符号帳Aで符号化を行なった時の符号
化歪ベクトルの集合である。
【0027】まず、距離計算部A62において、量子化
ターゲットのベクトル63とベクトル符号帳A60に格
納されたコードベクトルAとの距離を計算する。距離の
式を以下の(数5)に示す。
【0028】
【数5】
【0029】そして、探索部A64において、各コード
ベクトルAとの距離を比較し最も距離の小さいコードベ
クトルAの番号をコードベクトルAの符号とする。すな
わち、ベクトル符号帳A60と距離計算部A62を制御
し、ベクトル符号帳A60に格納された全てのコードベ
クトルAの中で最も距離の小さくなるコードベクトルA
の番号を求める。そして、得られたコードベクトルAの
符号をベクトルの符号65として伝送路へ送り、また、
このコードベクトルの符号Aを基に、ベクトル符号帳A
60から復号化ベクトルAを得て距離計算部B66へ送
る。
【0030】探索部A64より復号化ベクトルAを得た
距離計算部B66は、量子化ターゲットのベクトル63
から、探索部A64より得られた復号化ベクトルAを減
ずることによって符号化歪ベクトルを得、これとベクト
ル符号帳B61に格納されたコードベクトルBとの距離
を計算する。距離の式を以下の(数6)に示す。
【0031】
【数6】
【0032】そして、探索部B67において、各コード
ベクトルBとの距離を比較し最も距離の小さいコードベ
クトルBの番号をベクトルの符号65として伝送路へ送
る。すなわち、ベクトル符号帳B61と距離計算部B6
6を制御し、ベクトル符号帳B61に格納された全ての
コードベクトルBの中で最も距離の小さくなるコードベ
クトルBの番号を求め、これをコードベクトルBの符号
とする。そして、コードベクトルAとコードベクトルB
の符号を合わせてベクトルの符号65として伝送路へ送
る。
【0033】一方、復号器(デコーダ)では、伝送され
てきたコードベクトルの符号A、Bに基づいて復号化ベ
クトルA、Bを求め、それらを加算することによって復
号化を行なう。
【0034】上記多段VQは、少ない計算量で多くのコ
ードベクトルとマッチングできる効率の良いベクトル量
子化法であるが、それぞれの段のマッチングはopen
で行なわれるためにその性能が十分でなかった。1段目
(ベクトル符号帳Aの探索)において複数候補を残し
て、それぞれの候補について2段目の探索(ベクトル符
号帳Bの探索)を行なうという方法も考えられるが計算
量が大きくなってしまう。この多段VQを用いて計算量
を大きく増やさずに性能向上を実現するためには、2段
目のコードベクトルを1段目のコードベクトルに適応さ
せるという方法が望ましいが、そのような方法は従来存
在しなかった。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】VQと予測VQによ
り、パラメータの効率的な圧縮符号化が実現出来、8k
bps程度の低ビットレートの音声符号化が実現できる
ようになった。しかし、さらなる低レート化(例えば4
kbps程度の超低ビットレート)を行なうと、符号化
歪が増加し音質の劣化を招いていた。これは、符号化歪
がそのまま音質の劣化につながるというこれまでのVQ
の特徴に起因していた。よって、ある程度の符号化歪が
避けられない低ビットレート符号化では、「符号化歪が
大きくなっても音質の劣化が認識しにくい」という特徴
を有するVQが望まれる。しかし、そのような方法は存
在していなかった。
【0036】また、近年頻繁に用いられる、多段VQ
は、少ない計算量で多くのコードベクトルとマッチング
できる効率の良いベクトル量子化法であるが、それぞれ
の段のマッチングはopenで行なわれるためにその性
能が十分でなかった。1段目において複数候補を残し
て、それぞれの候補について2段目の探索を行なうとい
う方法も考えられるが、それでは計算量が大きくなって
しまう。この多段VQを用いて計算量を大きく増やさず
に性能向上を実現するためには、2段目のコードベクト
ルを1段目のコードベクトルに適応させるという方法が
望ましいが、そのような方法は従来存在しなかった。
【0037】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
に本発明は、時間的に連続した複数のベクトルを入力ベ
クトルとし、入力ベクトルと復号化ベクトル格納部に格
納された過去の復号化ベクトルから量子化ターゲットベ
クトルを算出するターゲット抽出部、ターゲット抽出部
で算出された量子化ターゲットベクトルを符号化(量子
化)し符号を得ると共に、上記符号を復号化して得られ
る復号化ベクトルと上記符号を歪計算部へ送る量子化
部、得られた復号化ベクトルと入力ベクトルから歪を計
算し、得られた歪と上記符号と復号化ベクトルを比較部
へ送る歪計算部、復号化ベクトルが格納されていること
を特徴とする復号化ベクトル格納部、ターゲット抽出部
と量子化部と歪計算部と復号化ベクトル格納部を制御し
ながら得られた歪を比較し、最終的符号を決定して伝送
路に送り、更に伝送路に送られる符号に対応する復号化
ベクトルによって復号化ベクトル格納部の内容を更新す
る比較部を備えるように構成したものである。
【0038】また、更に、比較部により制御され、入力
ベクトルと復号化ベクトル格納部に格納された過去の復
号化ベクトルに基づき、入力ベクトルの値を再計算する
ベクトル平滑化部を備えるように構成したものである。
【0039】また、本発明は、多段ベクトル量子化にお
いて、1段目のコードベクトルに対応するスカラー量が
格納されているアンプ格納部、2段目の符号化を行なう
前に、アンプ格納部から1段目の符号に依存したアンプ
リチュードを得て、これを2段目のコードベクトルに乗
じてマッチングを行なう距離計算部を備えるように構成
したものである。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、時間的に連続した複数のベクトルを入力ベクトルと
し、前記入力ベクトルと復号化ベクトル格納部に格納さ
れた過去の復号化ベクトルとから量子化ターゲットベク
トルを算出するターゲット抽出部と、前記量子化ターゲ
ットベクトルを符号化し符号を得ると共に、前記符号を
復号化して得られた復号化ベクトルと前記符号とを歪計
算部へ送る量子化部と、前記得られた復号化ベクトルと
前記入力ベクトルとから歪を計算し、前記歪と前記符号
と前記得られた復号化ベクトルを比較部へ送る歪計算部
と、復号化ベクトルを格納する復号化ベクトル格納部
と、前記ターゲット抽出部と前記量子化部と前記歪計算
部と前記復号化ベクトル格納部とを制御しながら前記歪
を比較し、最終的符号を決定して伝送路に送り、更に前
記伝送路に送られる符号に対応する復号化ベクトルによ
って前記復号化ベクトル格納部の内容を更新する比較部
を備えることを特徴とするベクトル量子化法であり、タ
ーゲット抽出部の特徴により聴感上劣化を感じないよう
に重み付け探索を行なうことが可能になるという作用を
有する。
【0041】本発明の請求項2に記載の発明は、比較部
により制御され、入力ベクトルと復号化ベクトル格納部
に格納された過去の復号化ベクトルに基づき、入力ベク
トルの値を再計算するベクトル平滑化部を備えることを
特徴とする請求項1記載のベクトル量子化法であり、V
Q歪が大きい場合にその劣化の方向を聴感的により感じ
ない方向に制御することが可能になるという作用を有す
る。
【0042】本発明の請求項3に記載の発明は、量子化
ターゲットベクトルを、符号帳に格納された複数のコー
ドベクトルの和で符号化する多段ベクトル量子化におい
て、1段目のコードベクトルに対応するスカラー量が格
納されているアンプ格納部と、2段目の符号化を行なう
前に、前記アンプ格納部から1段目の符号に依存したア
ンプリチュードを得て、これを2段目のコードベクトル
に乗じてマッチングを行なう距離計算部とを有する量子
化部を備えることを特徴とするベクトル量子化法であ
り、アンプ格納部と距離計算部の特徴により比較的少な
い計算量で2段目のコードベクトルを1段目に適応させ
ることにより符号化歪をより小さくすることが出来ると
いう作用を有する。
【0043】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図3を用いて説明する。 (実施の形態1)以下に、本発明の第1の実施の形態に
ついて説明する。
【0044】図1は、本実施の形態におけるベクトル量
子化法の機能ブロック図である。図1において、11は
入力ベクトル、12はターゲット抽出部、13は量子化
部、14は歪計算部、15は比較部、16は伝送路、1
7は復号化ベクトル格納部である。
【0045】以下にアルゴリズムを説明する。なお、本
実施の形態において、量子化部13は従来の技術に記載
した予測VQにより量子化を行なうものとする。すなわ
ち、予め、量子化部13で使用する符号帳を、従来の技
術のVQ、予測VQの符号帳作成方法と同様の方法で作
成しておく。
【0046】まず、ターゲット抽出部12において、入
力ベクトル11を基に量子化ターゲットを算出する。ここ
で、ターゲット抽出方法について詳細に説明する。
【0047】ここで、本実施の形態における「入力ベク
トル」は、符号化対象フレームを分析して得られるパラ
メータベクトルと、1つ未来のフレームから同様にして
得られるパラメータベクトルの、計2種類のベクトルに
より構成する。ターゲット抽出部12は上記入力ベクト
ルと、復号化ベクトル格納部17に格納された前のフレ
ームの復号化ベクトルを用いて量子化ターゲットを算出
する。算出方法の例を以下の(数7)に示す。
【0048】
【数7】
【0049】上記ターゲット抽出方法の考え方を以下に
示す。従来のVQでは、現フレームのパラメータベクト
ルSt,iをターゲットXiとし、(数1)の式によってマ
ッチングを行なう。したがって、従来例では符号化歪が
そのまま音質の劣化に繋がってしまう。これは、予測V
Q等の工夫をしてもある程度の符号化歪が避けられない
超低ビットレートの符号化では大きな問題となってい
た。そこで、本実施の形態では、聴感的に誤りを感じ難
い方向として前後の復号化ベクトルの中点に着目し、こ
れに復号化ベクトルを誘導することによって聴感的向上
を実現する。これは、パラメータベクトルの補間特性が
良好な場合、時間的な連続性が聴感的に劣化に聞こえ難
い特性を利用したものである。この様子を以下のベクト
ル空間の図(図2)に示す。
【0050】まず、1つ前のフレームの復号化ベクトル
をdi とし、未来のパラメータベクトルをSt+1,i とす
ると(実際は未来の復号化ベクトルが望ましいが、現フ
レームでは符号化できないので、パラメータベクトルを
代用する)、コードベクトルCn,i(1)はコードベクトル
Cn,i(2)よりもパラメータベクトルSt,i に近いが、実
際はCn,i(2)はdi とSt+1,i を結んだ線上に近いため
にCn,i(1)よりも劣化が聞こえにくい。したがってこの
性質を利用し、ターゲットXi をSt,i からdi とSt+
1,i の中点にある程度近付いた位置のベクトルとすれ
ば、復号化ベクトルは聴感的に歪の少ない方向へ誘導さ
れる。
【0051】そして本実施の形態では、このターゲット
の移動を以下の評価式(数8)を導入することによって
実現する。
【0052】
【数8】
【0053】上記(数8)の前半は従来のVQの評価式
であり、後半は聴感重みの成分である。上記評価式で量
子化を行なうために各Xi で評価式を微分し、微分した
ものを0とすると、(数7)が得られる。
【0054】なお、重み付け係数pは正の定数であり、
0の時従来法と同様であり、無限大の時ターゲットは完
全に中点となる。なお、pがあまりに大きいとターゲッ
トが現フレームのパラメータベクトルSt,i から大きく
離れてしまい、聴感的に明瞭度が低下する。復号化音声
の試聴実験により、0.5<p<1.0で良好な性能が
得られることを確認している。
【0055】次に、量子化部13においてターゲット抽
出部12で得られた量子化ターゲットの量子化を行な
い、ベクトルの符号を求めると共に、復号化ベクトルを
求め、符号と共に歪計算部14へ送る。なお、本実施の
形態では、量子化の方法として予測VQを用いる。予測
VQのアルゴリズムは従来の技術に記載したものと同様
である。
【0056】歪計算部14においては、量子化部13で
得られた復号化ベクトルと入力ベクトル11と復号化ベ
クトル格納部17に格納された前のフレームの復号化ベ
クトルから、聴感重み付け符号化歪を計算する。計算式
を以下の(数9)に示す。
【0057】
【数9】
【0058】(数9)において、重み係数pはターゲッ
ト抽出部12で用いたターゲットの算出式の係数と同じ
である。そして、上記重み付け符号化歪の値と復号化ベ
クトルとベクトルの符号とを比較部15へ送る。
【0059】比較部15は、歪計算部14から送られた
ベクトルの符号を伝送路16へ送り、更に歪計算部14
から送られた復号化ベクトルを用いて復号化ベクトル格
納部17の内容を更新する。
【0060】したがって、本実施の形態により、ターゲ
ット抽出部の特徴により聴感上劣化を感じないように重
み付け探索を行なうことが可能になる。
【0061】なお、これまでは本発明を携帯電話等で用
いられる低ビットレート音声符号化技術へ適応した場合
の説明を行なったが、本発明は音声符号化だけでなく、
楽音符号化装置や画像符号化装置における比較的補間性
の良いパラメータのベクトル量子化にも用いることもで
きる。
【0062】(実施の形態2)次に、前記第1の実施の
形態を更に改良した第2の実施の形態について説明す
る。本実施の形態における構成は、前記第1の実施の形
態による構成にベクトル平滑化部18を付加した、図1
に示すものである。この構成において、ターゲット抽出
部12は、比較部15の制御を受けてベクトル平滑化部
17へ入力ベクトル11を送り、ベクトル平滑化部18
で変更された入力ベクトルを受けてターゲットの再抽出
を行なう機能をも有する。
【0063】比較部15では、歪計算部14より送られ
た重み付け符号化歪の値と比較部内部に用意されている
基準値とを比較する。この比較結果によって処理は2通
りに分かれる。
【0064】基準値未満の場合は歪計算部14から送ら
れたベクトルの符号を伝送路16へ送り、更に、歪計算
部14より送られた復号化ベクトルを用いて復号化ベク
トル格納部17の内容を更新する。この更新は復号化ベ
クトル格納部17の内容を、得られた復号化ベクトルで
書き換えることにより行なう。そして、次のフレームの
パラメータの符号化へ進む。
【0065】一方基準値以上の場合は、ベクトル平滑化
部18を制御して、入力ベクトルに変更を加え、ターゲ
ット抽出部12、量子化部13、歪計算部14を再び機
能させて再符号化を行なう。したがって、比較部15に
おいて基準値未満になるまで、符号化処理は繰り返され
る。ただし、何度繰り返しても基準値未満にならないこ
とがあるので、比較部15は内部にカウンターを保有
し、基準値以上と判定された回数をカウントし、一定数
以上になると符号化の繰り返しを中止して、基準値未満
の場合の処理とカウンターのクリアを行なう。
【0066】ベクトル平滑化部18では、比較部15の
制御を受け、ターゲット抽出部12より得た入力ベクト
ルと復号化ベクトル格納部17より得た前のフレームの
復号化ベクトルから、入力ベクトルの1つである現フレ
ームのパラメータベクトルSt,i を以下の(数10)に
よって変更し、変更された入力ベクトルをターゲット抽
出部12へ送る。
【0067】
【数10】
【0068】上記qは平滑化係数であり、現フレームの
パラメータベクトルを前のフレームの復号化ベクトルと
未来のフレームのパラメータベクトルの中点に近づける
度合いを表わす。符号化実験により、0.2<q<0.
4で比較部15の内部の繰り返し数の上限値が5〜8回
で良好な性能が得られることを確認している。
【0069】ここで、本実施の形態では量子化部13に
予測VQを用いるが、上記平滑化によって、歪計算部1
4で得られる重み付け符号化歪は小さくなる可能性が高
い。なぜなら、平滑化によって量子化ターゲットは前の
フレームの復号化ベクトルにより近付くからである。し
たがって比較部15の制御による符号化の繰り返しによ
り、比較部15の歪の比較で基準値未満になる可能性が
増加していく。
【0070】また、復号器(デコーダ)では、予め符号
器の量子化部に対応する復号部を用意しておき、伝送路
から送られてきたベクトルの符号に基づいて復号化を行
う。
【0071】また、本実施の形態をCELP符号化のL
SPパラメータの量子化(量子化部は予測VQ)に適用
して音声の符号化・復号化実験を行なった。その結果、
聴感的に音質が向上するのはもちろんのこと、客観値
(S/N比)をも向上させることができることを確認し
た。これは、ベクトル平滑化を有する符号化の繰り返し
処理により、スペクトルが激しく変化する場合でも予測
VQの符号化歪を押さえられるという効果があるためで
ある。従来の予測VQは過去の合成ベクトルから予測す
るために、話し始めの部分等のスペクトルが急激に変化
する部分のスペクトル歪はかえって大きくなってしまう
という欠点を持っていた。しかし、本実施の形態を適用
すると、歪の大きい場合は歪が少なくなるまで平滑化を
行なうために、ターゲットは実際のパラメータベクトル
からは多少離れるが、符号化歪は小さくなるので、トー
タルとして音声を復号化した時の劣化が少なくなるとい
う効果が得られる。したがって、本実施の形態により、
聴感的音質向上のみならず、客観値をも向上させること
ができる。
【0072】したがって、本実施の形態では、比較部と
ベクトル平滑化部の特徴によりVQ歪が大きい場合にそ
の劣化の方向を聴感的により感じない方向に制御するこ
とが可能になり、また、量子化部に予測VQを用いた場
合には符号化歪が小さくなるまで平滑化+符号化を繰り
返すことにより客観値をも向上させることが出来る。
【0073】なお、これまでは本発明を携帯電話等で用
いられる低ビットレート音声符号化技術へ適応した場合
の説明を行なったが、本発明は音声符号化だけでなく、
楽音符号化装置や画像符号化装置における比較的補間性
の良いパラメータのベクトル量子化にも用いることもで
きる。
【0074】(実施の形態3)以下に、本発明の第3の
実施の形態について説明する。
【0075】符号器のアルゴリズムは量子化部13の機
能を除いて前記第1の実施の形態または前記第2の実施
の形態と同様である。本実施の形態においては、量子化
方法として多段予測VQを用いることとする。本実施の
形態における全体構成は、図1と同様であるが、量子化
部13の機能ブロック図は、図3に示すとおりである。
【0076】予め、予測誤差ベクトルの中心的サンプル
(コードベクトル)が複数格納されたベクトル符号帳A
19、ベクトル符号帳B20を作成しておく。これら
は、多くの学習用の予測誤差ベクトルに対して、従来例
の「多段VQ」の符号帳作成方法と同様のアルゴリズム
を適用することによって作成する。
【0077】まず、量子化ターゲットのベクトル21に
対して予測部22で予測を行なう。予測は状態格納部2
3に格納された過去の合成ベクトルを用いて行ない、得
られた予測誤差ベクトルを距離計算部A24と距離計算
部B25へ送る。本実施の形態では、予測の形態とし
て、予測次数1次で固定係数による予測を挙げる。この
予測を用いた場合の予測誤差ベクトル算出の式を以下の
(数11)に示す。
【0078】
【数11】
【0079】上記式において、予測係数βは0<β<1
の値であるのが一般的である。次に、距離計算部A24
において、予測部22で得られた予測誤差ベクトルとベ
クトル符号帳A19に格納されたコードベクトルAとの
距離を計算する。距離の式を以下の(数12)に示す。
【0080】
【数12】
【0081】そして、探索部A26において、各コード
ベクトルAとの距離を比較し最も距離の小さいコードベ
クトルAの番号をコードベクトルAの符号とする。すな
わち、ベクトル符号帳A19と距離計算部A24を制御
し、ベクトル符号帳A19に格納された全てのコードベ
クトルの中で最も距離の小さくなるコードベクトルAの
番号を求め、これをコードベクトルAの符号とする。そ
して、コードベクトルAの符号と、これを参照してベク
トル符号帳A19より得られた復号化ベクトルAとを距
離計算部B25へ送る。また、コードベクトルAの符号
を伝送路、探索部B27へ送る。
【0082】距離計算部B25は、予測誤差ベクトル
と、探索部A26より得られた復号化ベクトルAとから
符号化歪ベクトルを得、また、探索部A26より得られ
たコードベクトルAの符号を参照してアンプ格納部28
からアンプリチュードを得、そして、上記符号化歪ベク
トルとベクトル符号帳B20に格納されたコードベクト
ルBに上記アンプリチュードを乗じたものとの距離を計
算し、その距離を探索部B27へ送る。距離の式を以下
の(数13)に示す。
【0083】
【数13】
【0084】そして、探索部B27において、各コード
ベクトルBとの距離を比較し最も距離の小さいコードベ
クトルBの番号をコードベクトルBの符号とする。すな
わち、ベクトル符号帳B20と距離計算部B25とを制
御し、ベクトル符号帳B20に格納された全てのコード
ベクトルBの中で最も距離の小さくなるコードベクトル
Bの番号を求め、これをコードベクトルBの符号とす
る。そして、コードベクトルAとコードベクトルBの符
号を合わせて、ベクトルの符号29とする。
【0085】更に探索部B27は、コードベクトルA、
Bの符号に基づきベクトル符号帳A19とベクトル符号
帳B20から得られた復号化ベクトルA、Bと、アンプ
格納部28から得られたアンプリチュードと、状態格納
部23に格納された過去の復号化ベクトルを用いてベク
トルの復号化を行ない、得られた合成ベクトルを用いて
状態格納部23の内容を更新する。(したがって、次の
符号化を行なう時には、ここで復号化したベクトルが予
測に使用される。)本実施の形態の予測(予測次数1
次、固定係数)における復号化は以下の(数14)によ
り行なう。
【0086】
【数14】
【0087】また、アンプ格納部28に格納するアンプ
リチュードは予め設定しておくが、この設定方法につい
て以下に示す。アンプリチュードは多くの音声データに
対して符号化を行ない、1段目のコードベクトルの各符
号について以下の(数15)の符号化歪の合計を求め、
これが最小になるように学習することによって設定す
る。
【0088】
【数15】
【0089】すなわち、符号化後、上記(数15)の歪
を各アンプリチュードで微分した値がゼロになるように
設定し直すことでアンプリチュードの学習を行なう。そ
して、上記符号化+学習を繰り返すことによって、最も
適当なアンプリチュードの値を求める。
【0090】一方、復号器(デコーダ)では、伝送され
てきたベクトルの符号に基づいてコードベクトルを求め
ることによって復号化する。復号器は符号器と同じベク
トル符号帳A、Bとアンプ格納部と状態格納部とを有
し、上記符号化アルゴリズムにおける探索部Bの復号化
機能と同様のアルゴリズムで復号化を行なう。
【0091】したがって、本実施の形態では、アンプ格
納部と距離計算部の特徴により比較的少ない計算量で2
段目のコードベクトルを1段目に適応させることで符号
化歪をより小さくすることが出来る。
【0092】なお、これまでは本発明を携帯電話等で用
いられる低ビットレート音声符号化技術へ適応した場合
の説明を行なったが、本発明は音声符号化だけでなく、
楽音符号化装置や画像符号化装置における比較的補間性
の良いパラメータのベクトル量子化にも用いることもで
きる。
【0093】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ターゲ
ット抽出部の特徴により聴感上劣化を感じないように重
み付け探索を行なうことが可能になり、また、比較部と
ベクトル平滑化部の特徴によりVQ歪が大きい場合にそ
の劣化の方向を聴感的により感じない方向に制御するこ
とが可能となる。また、量子化部に予測VQを用いた場
合には符号化歪が小さくなるまで平滑化+符号化を繰り
返すことにより客観値をも向上させることが出来る。ま
た、本発明によれば、アンプ格納部と距離計算部の特徴
により比較的少ない計算量で2段目のコードベクトルを
1段目に適応させることで符号化歪をより小さくするこ
とが出来、また、いずれの発明も音声符号化だけでなく
楽音符号化装置や画像符号化装置における比較的補間性
の良いパラメータのベクトル量子化にも用いることがで
き、広い応用範囲において従来得られなかった格別の効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1または第2の実施の形態における
ベクトル量子化法の機能ブロック図
【図2】本発明の第1または第2の実施の形態における
ターゲット抽出部の原理を示す概念図
【図3】本発明の第3の実施の形態におけるベクトル量
子化法の量子化部の機能ブロック図
【図4】従来のCELP方式に基づく音声符号化装置の
機能ブロック図
【図5】従来のベクトル量子化(VQ)の機能ブロック
【図6】従来の予測ベクトル量子化(予測VQ)の機能
ブロック図
【図7】従来の多段ベクトル量子化(多段VQ)の機能
ブロック図
【符号の説明】
11 入力ベクトル 12 ターゲット抽出部 13 量子化部 14 歪計算部 15 比較部 16 伝送路 17 復号化ベクトル格納部 18 ベクトル平滑化部 19 ベクトル符号帳A 20 ベクトル符号帳B 21 量子化ターゲット 22 予測部 23 状態格納部 24 距離計算部A 25 距離計算部B 26 探索部A 27 探索部B 28 アンプ格納部 29 ベクトルの符号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間的に連続した複数のベクトルを入力
    ベクトルとし、前記入力ベクトルと復号化ベクトル格納
    部に格納された過去の復号化ベクトルとから量子化ター
    ゲットベクトルを算出するターゲット抽出部と、前記量
    子化ターゲットベクトルを符号化し符号を得ると共に、
    前記符号を復号化して得られた復号化ベクトルと前記符
    号とを歪計算部へ送る量子化部と、前記得られた復号化
    ベクトルと前記入力ベクトルとから歪を計算し、前記歪
    と前記符号と前記得られた復号化ベクトルを比較部へ送
    る歪計算部と、復号化ベクトルを格納する復号化ベクト
    ル格納部と、前記ターゲット抽出部と前記量子化部と前
    記歪計算部と前記復号化ベクトル格納部とを制御しなが
    ら前記歪を比較し、最終的符号を決定して伝送路に送
    り、更に前記伝送路に送られる符号に対応する復号化ベ
    クトルによって前記復号化ベクトル格納部の内容を更新
    する比較部を備えることを特徴とするベクトル量子化
    法。
  2. 【請求項2】 比較部により制御され、入力ベクトルと
    復号化ベクトル格納部に格納された過去の復号化ベクト
    ルに基づき、入力ベクトルの値を再計算するベクトル平
    滑化部を備えることを特徴とする請求項1記載のベクト
    ル量子化法。
  3. 【請求項3】 量子化ターゲットベクトルを、符号帳に
    格納された複数のコードベクトルの和で符号化する多段
    ベクトル量子化において、1段目のコードベクトルに対
    応するスカラー量が格納されているアンプ格納部と、2
    段目の符号化を行なう前に、前記アンプ格納部から1段
    目の符号に依存したアンプリチュードを得て、これを2
    段目のコードベクトルに乗じてマッチングを行なう距離
    計算部とを有する量子化部を備えることを特徴とするベ
    クトル量子化法。
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