JPH11130572A - 土壌微生物代謝液の製造方法、その製造装置、有機性廃水処理方法及びその処理装置 - Google Patents

土壌微生物代謝液の製造方法、その製造装置、有機性廃水処理方法及びその処理装置

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JPH11130572A
JPH11130572A JP10205761A JP20576198A JPH11130572A JP H11130572 A JPH11130572 A JP H11130572A JP 10205761 A JP10205761 A JP 10205761A JP 20576198 A JP20576198 A JP 20576198A JP H11130572 A JPH11130572 A JP H11130572A
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microorganisms
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Ryoichi Nakagawa
凉一 中川
Kaori Fujimoto
かおり 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地域環境に対する微生物の適応性を確保する
ことができ、かつ、簡易な方法で安定処理が可能な土壌
微生物代謝液の製造方法、その製造装置、有機性廃水処
理方法、及びその処理装置を提供する。 【解決手段】 土壌微生物代謝液の製造方法は、ミネラ
ルを含有する水に土壌性従属栄養細菌を作用させ、曝気
下において微生物処理することにより、活性化された土
壌性従属栄養細菌とその代謝物を主成分とする土壌微生
物代謝液を製造する方法であり、前記土壌性従属栄養細
菌は地域固有の腐植土によって供給し、かつ、土壌微生
物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体と、水素イオ
ン濃度を中性状態に調整する陰イオンを合わせて作用さ
せるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性化された土壌
性従属栄養細菌とその代謝物を主たる成分とする土壌微
生物代謝液を製造する方法、その製造装置、有機性廃水
処理方法及びその処理装置に関し、特に、地域環境に対
する微生物の適応性を確保することができ、かつ、簡易
な方法で安定処理が可能な土壌微生物代謝液の製造方
法、その製造装置、有機性廃水処理方法及びその処理装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】活性化された土壌性従属栄養細菌とその
代謝物を主たる成分とする土壌微生物代謝液は、主とし
て農業における環境保全・修復事業等に土壌改良液肥と
して用いられる生物資材である。その製造方法は、従
来、畜産堆肥から製造する技術(特願平3−45500
号公報)や、畜産の尿系排泄物による技術(特開平6−
56566号公報)等バイオリアクター方式が提案され
ている。この技術は、土壌性微生物の増殖促進のために
岩石を用いること、及び、土壌腐植又は、土壌腐植系資
材を充填したリアクターを曝気して代謝液を得るもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、土壌微
生物代謝液は微生物生菌の作用によって得られるもので
あることから、気候等の環境条件が異なる地方・地域に
よっては作用効果が相違し、地域環境との不一致による
微生物活性の低下によって所期の効果を得られないこと
があり、現場での取扱や管理が難しい製品が多く、その
取扱いの困難性により大きなコスト負担を強いられるこ
ととなる。また、企業等の研究室内で純粋培養された生
菌や生物資材は、自然界のなかで果たす作用、機序につ
いて未解明な点が多く、一般的な使用は問題がある。
【0004】本発明の目的は、地域環境に対する微生物
の適応性を確保することができ、かつ、簡易な方法で安
定処理が可能な土壌微生物代謝液の製造方法、その製造
装置、有機性廃水処理方法及びその処理装置及びその処
理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、ミネラルを含有する水に土壌性従属栄養細菌を作用
させ、曝気下において微生物処理することにより、活性
化された土壌性従属栄養細菌とその代謝物を主成分とす
る土壌微生物代謝液を製造する方法において、前記土壌
性従属栄養細菌は地域固有の腐植土によって供給し、か
つ、土壌微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体
と、水素イオン濃度を中性状態に調整する陰イオンを合
わせて作用させつつ微生物処理を行う。
【0006】上記土壌微生物代謝液の製造方法は、土壌
微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体による棲
息担体と地域の腐植土中の土壌性従属栄養細菌の代謝物
とによる地域固有の棲息環境の再現によって地域固有の
土壌性従属栄養細菌が確実に活性化され、このとき、中
性化作用をなす陰イオンを作用させることにより、水素
イオン濃度が土壌性従属栄養細菌の活動に適する略中性
に整えられることから、供給原水の水質に左右されるこ
となく細菌の活性化が促進され、簡易、確実に微生物代
謝液を製造することができる。また、微生物処理の際に
生理活性帯域の遠赤外線を作用させつつ処理することに
より、その遠赤外線の生理活性作用によって重畳的に微
生物を活性化することができる。
【0007】土壌性従属栄養細菌を供給する微生物処理
部材と、水中に空気を送り込む曝気手段とを備え、ミネ
ラルを含有する水に作用させることにより、活性化され
た土壌性従属栄養細菌とその代謝物を主成分とする土壌
微生物代謝液を製造する装置を構成し、前記微生物処理
部材は、地域固有の腐植土によって形成し、かつ、土壌
微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体と、陰イ
オンを放射して水素イオン濃度を中性状態に調整する陰
イオン放射部材を同装置に付加したものは、土壌微生物
の棲息に適する微細孔を形成した気孔体による棲息担体
と地域の腐植土中の土壌性従属栄養細菌の代謝物とによ
る地域固有の棲息環境の再現によって地域の腐植土に基
づく土壌性従属栄養細菌が確実に活性化され、このと
き、中性化作用をなす陰イオンを作用させることによ
り、水素イオン濃度が土壌性従属栄養細菌の活動に適す
る略中性に整えられることから、供給原水の水質に左右
されることなく、細菌の活性化が促進され、簡易、確実
に微生物代謝液を製造することができる。
【0008】生理活性帯域の遠赤外線を放射する遠赤外
線放射手段を付加したものは、その遠赤外線の生理活性
作用によって重畳的に微生物を活性化することができる
ので、微生物代謝液を効率的に製造することができる。
微生物増殖の必須因子をなすミネラルを供給するミネラ
ル部材を付加したものは、ミネラル部材によって微生物
の増殖代謝が図られるので、供給原水のミネラル成分が
少なくても微生物代謝液を製造することができる。前記
ミネラル部材が酵素態ミネラルを含む植物体によるもの
は、入手が容易な植物素材によって生体安全性を確保し
つつ、吸収性の良い酵素態ミネラルによって微生物の増
殖を促進することができる。前記植物体が、ササ、スギ
ナおよびカヤ、または、その一部の乾燥体をなすもの
は、山野からきわめて容易に入手しうる植物素材によっ
て生体安全性を確保しつつ、吸収性の良い酵素態ミネラ
ルによって微生物の増殖を促進することができる。
【0009】畜尿等の有機廃水を受け、その雑菌を抑え
て液相を調整する調整工程と、調整された有機廃水中の
有機物を分解するとともに汚泥を分離処理する有機物処
理工程と、分離した汚泥を分解するとともに受水側に戻
す汚泥処理工程とからなる有機性廃水の処理方法におい
て、前記有機物処理工程は、水素イオン濃度を中性状態
に調整する陰イオン放射下で土壌微生物の棲息に適する
微細孔を形成した気孔体と同一植生地域の腐植質と植物
ミネラルを作用させることにより、棲息条件と増殖条件
が整えられるので、有機物は地域に合わせた土壌菌によ
り無理なく能率良く分解処理される。
【0010】畜尿等の有機廃水を受け、その雑菌を抑え
て液相を調整する調整手段と、調整された有機廃水中の
有機物を分解するとともに汚泥を分離処理する有機物処
理手段と、分離した汚泥を分解するとともに受水側に戻
す汚泥処理手段とからなる有機性廃水の処理装置におい
て、前記有機物処理手段は、水素イオン濃度を中性状態
に調整する陰イオン放射部材と、土壌微生物の棲息に適
する微細孔を形成した気孔体と、同一植生地域に産する
腐植質と、植物ミネラルとを処理槽に備えることによ
り、棲息条件と増殖条件が整えられるので、有機物は地
域に合わせた土壌菌により無理なく能率良く分解処理さ
れる。
【0011】前記植物ミネラルは、その供給形態として
酵素態ミネラルを含む草本性植物体を用いることによ
り、土壌菌が能率良くミネラルを吸収同化しうるので、
入手が容易で生体安全性を有する草本性植物体を用いた
安全簡便な方法で微生物処理を連鎖的に促進することが
できる。
【0012】前記調整手段は、水素イオン濃度を中性状
態に調整する陰イオン放射手段と土壌微生物の棲息に適
する微細孔を形成した気孔体とを備えた処理槽に同一植
生地域に産する腐植質と酵素態ミネラルを含む抗菌性の
草本性植物体を備えることにより、土壌菌が無理なく活
性化されて雑菌が効果的に抑えられる。前記草本性植物
体は、同一植生地域に産するものを用いることにより、
地域本来の環境が整えられるので、土壌菌が最高に活性
化される。
【0013】前記汚泥処理手段は、球菌を馴養する木材
チップを備える処理槽によって構成することにより、活
性汚泥による抑制を受けることなく木材チップの導管内
の球菌の活性が確保されて汚泥が能率良く分解されるの
で、入手が容易で生体安全性を有する木材チップを用い
た安全簡便な方法で汚泥の廃棄を要することなく処理サ
イクルを維持することができる。前記有機物処理手段の
分離処理液を受けて脱色する脱色手段を設けることによ
り、代謝液の取扱い性が確保される。
【0014】
【発明の実施の形態】土壌微生物代謝液の製造方法は、
ミネラルを含有する水に土壌性従属栄養細菌を作用さ
せ、曝気下において微生物処理することにより、活性化
された土壌性従属栄養細菌とその代謝物を主成分とする
土壌微生物代謝液を製造する方法であり、土壌性従属栄
養細菌は地域固有の腐植土によって供給し、かつ、土壌
微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体と、水素
イオン濃度を中性状態に調整する陰イオンを合わせて作
用させることによる。
【0015】上記土壌微生物代謝液の製造方法は、土壌
微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体による棲
息担体と地域の腐植土中の土壌性従属栄養細菌の代謝物
とによる地域固有の棲息環境の再現によって地域固有の
土壌性従属栄養細菌が確実に活性化され、このとき、中
性化作用をなす陰イオンを作用させることにより、水素
イオン濃度が土壌性従属栄養細菌の活動に適する略中性
に整えられることから、供給原水の水質に左右されるこ
となく細菌の活性化が促進され、簡易、確実に微生物代
謝液を製造することができる。
【0016】前記微生物処理の際に生理活性帯域の遠赤
外線を作用させつつ処理する場合は、その遠赤外線の生
理活性作用によって重畳的に微生物を活性化することが
できるので、微生物代謝液を効率的に製造することがで
きる。
【0017】上記方法による壌微生物代謝液の製造装置
は、土壌性従属栄養細菌を供給する微生物処理部材と、
水中に空気を送り込む曝気手段と、陰イオン放射部材を
備えて構成し、ミネラルを含有する水に作用させること
により、活性化された土壌性従属栄養細菌とその代謝物
を主成分とする土壌微生物代謝液を製造する装置であ
る。
【0018】気孔体は、土壌微生物の棲息に適する微細
孔によって土壌微生物の棲息担体をなす。具体的には、
70μmの微細孔を形成した発泡アクリル材等の合成樹
脂製の散気板や散気管、針状結晶化処理によるコンクリ
ート材によって形成する。気孔体は、単独部材として水
中に投入し、また、容器状に形成してその中に関連構成
部材を収容するべく、かつ、土壌微生物の棲息担体とし
て原水の流通を確保して構成する。
【0019】微生物処理部材は、地域固有の腐植土によ
って形成し、地域の腐植土は、地方、地域において農業
・除草剤などの汚染を免れている森林、林地、神社林な
どの腐葉土、または、湖沼の低土などから採取して散気
管等に充填し、または、針状結晶化処理によるコンクリ
ートに添加して形成する。この微生物処理部材は、種菌
となる地域固有の土壌性従属栄養細菌を含み、共に含ま
れる同土壌性従属栄養細菌の代謝物による菌叢制御作用
により、他の雑菌の活性を押さえることができる。
【0020】陰イオン放射部材は陰イオンを放射するセ
ラミックス等を粉状に形成し、気孔体の形成時に添加
し、または、気孔体容器内に充填する。土壌性従属栄養
細菌の培養増殖に必須の第一の栄養素は水であり、この
帯電性を帯びた陰イオン気孔体等に曝気を加え、陰イオ
ンを発生させることにより水素イオン濃度を中性状態に
調整する作用をなし、水又は有機系排水の水質特性が一
般の菌叢について活性を示すpH6.5〜7.5の水素
イオン濃度帯の微生物活性pHに常態的に調整される。
【0021】上記土壌微生物代謝液の製造装置は、土壌
微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体による棲
息担体と地域の腐植土中の土壌性従属栄養細菌の代謝物
とによる地域固有の棲息環境の再現によって地域の腐植
土に基づく土壌性従属栄養細菌が確実に活性化され、こ
のとき、中性化作用をなす陰イオンを作用させることに
より、水素イオン濃度が土壌性従属栄養細菌の活動に適
する略中性に整えられることから、供給原水の水質に左
右されることなく、細菌の活性化が促進され、簡易、確
実に微生物代謝液を製造することができる。
【0022】上記装置は、さらに、生理活性帯域の遠赤
外線を放射する遠赤外線放射手段を気孔体に混入し、ま
たは、気孔体内に充填して構成し、また、微生物増殖の
必須因子をなすミネラルを供給するミネラル部材を付加
して構成する。
【0023】遠赤外線放射手段を付加した場合は、4〜
12μmの育成波長帯域の遠赤外線の生理活性作用によ
って重畳的に微生物を活性化することができるので、微
生物代謝液を効率的に製造することができる。
【0024】ミネラル部材を付加した場合は、ミネラル
部材によって微生物の増殖代謝が図られるので、供給原
水のミネラル成分が少なくても微生物代謝液を製造する
ことができる。
【0025】上記ミネラル部材は、酵素態ミネラルを含
む植物体によって形成することにより、入手が容易な植
物素材によって生体安全性を確保しつつ、吸収性の良い
酵素態ミネラルによって微生物の増殖を促進することが
できる。また、適用の目的に応じて畜産の尿系排泄物等
の有機排水を使用する。
【0026】自然界においてはササ等の特定の根茎植物
は複合的にアミノ酸を生合成し、また、スギナ等の特定
のシダ植物は細胞内で大量のケイ酸カルシウムを生合成
している。このことから、地方・地域で採取できる植物
由来のアミノ酸、ビタミンなどの酵素及び酵素態ミネラ
ルや痕跡ミネラルを、土壌性従属栄養細菌の培養、増殖
因子を用いることによって、安価で簡便に土着微生物と
その代謝液を得ることができる。
【0027】植物は土壌中に根を伸長させ、根端の成長
点を剥離しながら、これを土壌性従属栄養細菌の餌とし
て与える。この剥離された成長点及び老化細胞は植物細
胞内で生合成された糖・アミノ酸、ビタミンはもとよ
り、酵素態ミネラルを含み、さらに、根毛から酵素態芳
香を発散しながら土壌微生物を根圏に集め増殖させる。
一方、微生物は植物が直接吸収しにくい銅・亜鉛・など
の不可給態を溶かして、吸収しやすくし、根が届かない
養分を媒介し共生根圏を形成する。したがって、表土生
態のなかで土壌性従属栄養細菌の共生及び増殖因子は植
物由来のアミノ酸、ビタミン、酵素態ミネラル依存がき
わめて多い。
【0028】このように、植物は、土壌性従属栄養細菌
が棲息する表土層およそ30cm帯の生態系のなかで、
土壌性従属栄養細菌との相互共生関係が最も強く、ある
種の被覆植物は、一切の肥料を施さない畑地において、
石炭、酸化マグネシウム、カリ、燐酸、窒素などの鉱物
質を10t生合成した記録(イングランド・ロザムステ
ッド農業研究大学)の報告があるように、根から表土及
び心土から栄養素を吸収・同化する。
【0029】ミネラルの吸収精度についてみると、pp
m単位(1ppmは1/100万・1 の溶液に1mg
の溶解状態)の精度では16〜18ミネラル、ppb単
位(1ppbは1/100万ppm)となると72〜7
3種類の痕跡ミネラルを吸収・同化しているという川田
薫(科学技術庁、さきがけ研究21)の研究がある。
【0030】さらに、土壌性従属栄養細菌の栄養源は動
植物の有機物遺体である。I・V・チューリンらの調査
によれば、森林土壌中で枯れ死する根の重量は3〜5t
/ha、同量の3〜5t/haの落葉枝が土壌に還元さ
れ、死滅する微生物の細胞質は年間で1t/haに達
し、動物遺体は数100kg/haであり、植物細胞壁
のペクチン質、可溶性糖類やミネラル、セルロース、ヘ
ミセルロースなどを土壌性従属栄養細菌は分解・吸収・
生合成して腐植質土壌を生成している。
【0031】このように、地方・地域の土壌性従属栄養
細菌(土着微生物)と微生物の増殖因子を含む完全栄養
源として植物由来の酵素及び酵素態ミネラルを4〜12
ミクロンの吸収・育成波長を放射する陰イオン気孔体に
充填する。この気孔体を水中に沈潜させて曝気し、水素
イオン濃度を気孔体において自動調整しながら、気孔体
を微生物の担体として培養、増殖することにより、水の
構造そのものが生命体の育成波長をもち、且つ、微生物
のもつ環境調整作用としての抗菌性、そして、生理活性
代謝産物を含む溶液に変成する。
【0032】前述の方法により製造した土壌微生物代謝
液は、活性化された土壌性従属栄養細菌とその代謝物を
主成分とし、環境を調整する作用と、植物・動物の生理
代謝を促進する作用を有する。
【0033】環境を調整する作用は、土壌性従属栄養細
菌の自己生存のための防衛機能に基づき、雑菌の増殖抑
制、滅菌の作用である。微生物は栄養源を摂取し、生体
内で生合成を行い、ストレプトマイシン、オーレオマイ
シン、グロポスピリンなどの代謝物を排出し、生態系内
の物質と物理化学反応を行わせて土壌性従属栄養細菌の
生存、繁栄に適した環境を整序する。その結果、大腸
菌、ブドウ状球菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌、赤痢
菌などに対して抑制、滅菌作用を発揮する。
【0034】植物・動物の生理代謝を促進する作用は、
その主たる生長促進産物をなすビタミン類、オーキシン
類、ジカルボ酸類等を生産することに基づく。これらオ
ーキシンや低分子有機酸類を低濃度で用いれば、植物の
根系、種子の発芽力を高め、細胞生育を刺激し、良質に
して収量を高める農業・環境改善の有効な作用を及ぼす
ものである。
【0035】上記作用をもつ活性水は、腐敗菌の発生し
やすい厨房、畜産用棟舎、屠蓄物、各種処理施設などに
おいて塩素に変わって、生体に安全な環境改善抗菌水と
して広く活用できる。
【0036】農業面においては、多発しているウィルス
性病原菌を抑制しながら土壌性微生物の活性化と植物の
生理活性をもつ高機能農業用水として広く用いることも
できる。また、屎尿、畜産排水及び固形廃棄物、食品加
工工場などの有機系排水(廃棄物)はアンモニア生成
菌、硫黄細菌などの酸化分解にともなってガス化し悪臭
を発生させるが、上記同様の気孔体を浄化槽内に沈降さ
せて連続又は間欠的に曝気を施すことによって有機系排
水の水素イオン濃度を調整し、排水中の大腸菌や各種病
原菌、悪臭因となるアンモニア生成菌、硫黄細菌を抑制
・滅菌する。
【0037】さらに、有機系排水中に同気孔体を沈潜さ
せて連続または間欠曝気を施すことによって、排水中の
有機物を、土壌性従属栄養細菌が炭素源、エネルギー源
として増殖し、その代謝物質によって抗菌力をもつ動植
物生理活性水を得ることができる。この溶液はチッソ、
リン、カリ、痕跡微量要素の溶液であるため、希釈して
用いれば有用な液状肥料として用いることができる。
【0038】上記溶液の溶解成分を、活性炭、ゼオライ
ト、セラミックなどを用いて吸着又は、分解処理を施せ
ば、畜産や中小工場の有機排水の簡易浄化処理装置とし
ても利活用できる。
【0039】上記土壌微生物代謝液の製造装置は、処理
槽として構成する他、家庭等の汲取り型トイレ、既設浄
化槽、活性汚泥法による浄化槽等の内部に沈設して水質
安定化による浄化力を向上することができる。浮きを一
体に構成し、エアレーション用ポンプとその電源用ソー
ラーパネルを設けて自律浮体型に構成した場合は、農業
用水を代謝液化し、また、養殖池、一般の湖沼・池、ゴ
ルフ場景観池、庭園等の浄化に使用することができる。
【0040】
【実施例】以下本発明の実施の効果を測定結果により説
明する。遠赤外陰イオン材を添加して円筒型気孔体を形
成し、この気孔体に地域の腐植土で採取した土壌性従属
栄養細菌、酵素態ミネラルを含む植物を充填して装置を
構成し、これを浄化槽に沈潜させて曝気を加え、有機排
水について微生物処理した例である。
【0041】図1は水素イオン濃度、図2はアンモニア
濃度を示す。排水溝の原水pHが日によって変動してい
るにもかかわらず、気孔体設置後2日を経過した後、p
H7.2〜7.0帯で常態中性帯で安定化され、臭気
は、アンモニアガスでみると、設置後2〜3日に水素イ
オン濃度と相関するように、アンモニアガスが急速に低
減化していることがわかる。
【0042】図3は気孔体設置後の細菌数の推移を示
す。浄化槽内の原水中に棲息する大腸菌群は当初の1.
3×10個/ミリリットルから5日後に30≧に急減
し、これに変わって、地域で採取し気孔体内に充填した
土壌性従属栄養細菌のうち放線菌群が増殖を示している
ことが確認された。なお、大腸菌群はデスオキシコール
酸塩培地、放線菌群はワックマン培地による。
【0043】次に、土壌微生物代謝液の生理活性効果を
みるため、従来の化成肥料栽培と対比してほうれん草の
栽培実験を行った結果は以下のとおりである。土壌微生
物代謝液栽培区は、化成肥料も農薬も全く用いることな
く、気孔体を設置して14日を経過した排水の500倍
の希釈水を用いてほうれん草の栽培を行うことにより、
一株の収量が対照の化成肥料栽培区の略2倍の値を得
た。これから明らかなように、気孔体を用いて有機排水
を変成した希釈溶液が、土壌性微生物が生合成する代謝
溶液化がほうれん草の生理活性をもたらしていることが
わかる。
【0044】以上に説明したように、本発明の方法を用
いて、その地方、地域で採取できる土壌微生物をその増
殖因子としての植物由来の酵素及び酵素態ミネラル(特
に、ササ、スギナ、カヤ)を用いて簡便に培養・増殖で
きることが確認された。この結果、悪臭、病原菌の発生
因、河川汚濁の原因となっている家庭、工場、畜産など
の有機系排水を無害化し、その抗菌性、動植物の生理活
性効果を用いて、有用な環境浄化と農業資材を地方・地
域において手近に得られるようになる。
【0045】次に、代謝液の製造装置および有機性廃水
処理装置の構成例について説明する。図4は本発明の代
謝液処理装置の構成例を示す説明図である。代謝液処理
装置1は、水Aを受ける処理槽2と、この処理槽2内に
水中に空気を送り込む曝気手段3と、気孔体4、ミネラ
ル部材5を備えて構成する。
【0046】気孔体4は、針状結晶コンクリートによっ
て形成した容器に処理槽2の設置地域と同一の植性をな
す地域で入手した土壌性従属栄養細菌とその代謝物の混
合物である腐植質、陰イオンを放射する鉱物、および必
要により遠赤外線を放射する鉱物を詰めて構成し、また
は、詰める代りにセメントに混ぜて一体に針状結晶化し
たものである。
【0047】ミネラル部材5は、ササ、スギナ、カヤ、
ヨシ等の酵素態ミネラルを多く含有する植物体を、針状
結晶コンクリート製の容器に詰めて構成する。この植物
体は、処理槽2の設置地域と同一の植性をなす地域で生
育したもの、特に、上記腐植質の近傍に生育するものが
最適である。上記構成の代謝液処理装置1にミネラルを
含有する水Aを受け、曝気調節することにより、土壌微
生物が活性化され、製造された代謝液Bを取り出す。こ
の時、ある程度の有機質を付加することにより、さら
に、代謝が促進される。
【0048】図5は本発明の有機廃水処理装置の構成例
を示す説明図である。前記同様の部材はその符号を付
し、詳細の説明を省略する。有機廃水処理装置11は、
前記代謝液処理装置を中心としてその前後に有機物処理
のための前処理と有機物処理結果物を処理するための後
処理を付加したものであり、調整処理槽12、有機物処
理槽13、汚泥分解処理槽14を循環連結するべく流路
によって連結構成し、有機物処理槽13の上澄部を受け
る脱色処理槽15を必要に応じて設ける。
【0049】調整処理槽12は、有機廃水Cを受ける処
理槽2と、この処理槽2内に水中に空気を送り込む曝気
手段3と、気孔体4、ミネラル部材21を備えて構成す
る。気孔体4は前記代謝液処理装置の場合と同様に構成
する。ミネラル部材21は、ササ等の抗菌性を有する植
物体を使用することの他は前記ミネラル部材5と同様で
ある。
【0050】有機物処理槽13は前記代謝液処理装置1
によって構成し、底部から汚泥分解処理槽14に送る一
方、上澄部を取出路22から脱色処理槽15に送る。こ
の有機物処理槽13は、調整された有機廃水中の有機物
を曝気下で分解し、代謝液化するとともに汚泥を分離処
理する。この有機物分解処理により、河川の放流基準を
満たす水質を確保することができる。
【0051】汚泥分解処理槽14は、球菌を馴養するス
ギ等の木材チップ23を備える処理槽2によって構成す
る。有機物処理槽13の底部の取出路24から堆積した
汚泥を受け、この汚泥を木材チップの導管内に棲息する
球菌によって分解する。また、サイクル全体のバランス
をとるために、処理後の水を分離部25から延びる取出
路26によって調整処理槽12に戻す。
【0052】活性汚泥によって抑制される球菌は、この
汚泥分解処理槽14による隔離環境において活性汚泥に
よる抑制を受けることなく活性が確保されて汚泥が能率
良く分解される。したがって、汚泥の廃棄を要すること
なく処理サイクルが維持される。
【0053】脱色処理槽15は、脱色作用を有する岩石
や鉱物による脱色部材27を内設した処理槽2からな
る。有機物処理槽13によって得られた代謝液の特有の
色を、代謝液の適用の対象に応じ、または、放流する河
川の状況に応じて必要な範囲で脱色処理する。
【0054】上記構成例によって明らかなように、本発
明は、従属栄養細菌を含む土壌と地域固有の腐植質と植
物粉末(ミネラル質)とを水中に浸漬し、曝気すること
を共通の特徴とする。この場合、地域固有の土壌菌によ
り、さらに地域固有の植物体による酵素態ミネラルとの
組合わせによる地域固有の環境条件の再現により、安定
した微生物作用を確保しうることに基づくものである。
【0055】「地域固有」とは、本来その地域に普通に
存在する一般的なものを意味し、すなわち、植生を同じ
くする範囲に存在することを要件とするものであること
から、その地域のみに存在する特別のものに限定する意
ではない。
【0056】土壌中に生息する酵母菌、乳酸菌、放線
菌、糸状菌等の有用従属栄養細菌類は、それらが更に多
数の種類に別れ、そのコロニーが混在して、互いに利用
しながら一種の複合社会を形成し、場合によっては食物
連鎖のなかで共存している。そこで、従属栄養細菌を含
む土壌のみ、または地域固有の土壌に加えて腐植質を土
壌微生物の棲息に適した微細孔を有する多孔質体に充填
し、外部から必要な酸素、食物及び栄養素を供給する
と、代謝物を盛んに分泌すると同時に、継続的に土壌微
生物が繁殖する。
【0057】多孔質体は、数μmから数十μmの微細な
孔を持った、通水性と通気性とをもった軽石などの自然
石やセメントを結合剤とした人工構造物である。これに
土壌菌を担持するには、自然石を泥状にした菌体の懸濁
液に浸漬し、減圧にして多孔質体中の空気を抜いた後に
常圧に戻すことで担体内部にまで植菌することができ
る。人工構造物は、土壌菌を多く含む土にフライアッシ
ュやケイ砂と発泡材としてのアルミニウム粉、セメント
を適量混合して所定の形状に成形したものを使う。混合
する土に草炭から得られる腐植質を混ぜておくことも好
ましい。
【0058】流入水にアンモニアが多く含まれている
と、硝化菌の作用で亜硝酸や硝酸が生成し、多孔質体表
面付近の液のPHが低下して微生物の活性が低下するこ
とがある。そこで、反応槽に充填する多孔質体の一部
や、多孔質体の酸素供給が少ない内部に脱窒菌を優先的
に馴養しておくと、生成した硝酸が窒素ガスに還元さ
れ、PHの低下を阻止することができる。なお、脱窒菌
の馴養は、多孔質体を硝酸イオンと脱窒菌が異化するB
OD成分を多く含む液中におき、嫌気状態で液を撹拌す
ることで行える。
【0059】腐植質は、前記のように、多孔質体に混入
することでもよいが、別にポリビニールアルコールやカ
ラギーナン又はCMCを糊剤にして成形したものを籠に
入れて液中に吊るすべく構成しても効果は同様である。
土壌微生物の繁殖や代謝物の生産に必要な栄養素として
は、シリカやカルシウム等のミネラルやリン酸塩などが
必要であるといわれているが、その詳細は必ずしも明ら
かではない。しかし、本発明者らは経験的に腐植質に加
えて植物の粉末、例えばササ、スギナ、カヤ、アシ等を
添加すると、土壌菌の繁殖や代謝物の生産が促進され、
かつ、反応が安定して維持されることを見出した。とく
に、その地域に生息する土壌菌はその地域に自生するサ
サ、スギナ、カヤ、アシ等の草類に蓄積されているミネ
ラル分やサポニン、その他の微量有用性を利用すること
で、従来、原因が不明であった微生物の性能低下を防止
しうることが北海道等の寒冷地を含む多くの実地テスト
により、上記植物が自生する範囲について検証された。
【0060】上記植物、特に草類の葉、茎、根は山野か
らきわめて容易にしかも安価に入手することができ、乾
燥して高速カッターで切断すると簡単に粉末にすること
ができる。この草類に含まれるミネラル分は、もともと
土壌性微生物に摂取されたものが、根から植物体に吸収
されたものであるので、微生物にとってきわめて利用し
やすい形態と組成を備えているものと思われる。
【0061】本発明を構成する設備としては、原水の流
入口と代謝液の流出口を備えた処理槽内に、酵母菌、乳
酸菌、放線菌、糸状菌等の従属栄養細菌を含む土壌を担
持した多孔質体と、腐植質と植物粉末とを水中に浸漬
し、空気吹き出しノズルから空気を連続的に又は間欠的
に吹き出し、微生物の成育に必要な酸素の供給と処理液
の撹拌とを行うための曝気手段とを備えている。
【0062】流入水が高濃度の有機性廃水である場合
は、土壌菌及び処理槽内で繁殖する活性汚泥によって、
有機物が好気的に効率よく分解除去される。処理槽を多
段に設け、後段または最終の槽から分離した余剰汚泥を
前段又は初槽に戻すなどして、各槽のMLSS濃度を制
御すると、有機物の分解は安定して継続する。なお、反
応系に土壌菌の代謝物が常に添加されるため、懸濁固体
分の凝集性が高く、固液分離が容易で、清澄な処理液が
得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明の土壌微生物代謝液の製造方法、
その製造装置、有機性廃水処理方法及びその処理装置及
びその処理装置は以下の効果を奏する。土壌微生物の棲
息に適する微細孔を形成した気孔体による棲息担体と地
域の腐植土中の土壌性従属栄養細菌の代謝物とによる地
域固有の棲息環境の再現によって地域固有の土壌性従属
栄養細菌が確実に活性化され、このとき、中性化作用を
なす陰イオンを作用させることにより、水素イオン濃度
が土壌性従属栄養細菌の活動に適する略中性に整えられ
ることから、供給原水の水質に左右されることなく細菌
の活性化が促進され、簡易、確実に微生物代謝液を製造
することができ、また、微生物処理の際に生理活性帯域
の遠赤外線を作用させつつ処理することにより、その遠
赤外線の生理活性作用によって重畳的に微生物を活性化
することができる。
【0064】土壌性従属栄養細菌を供給する微生物処理
部材と、水中に空気を送り込む曝気手段とを備え、ミネ
ラルを含有する水に作用させることにより、活性化され
た土壌性従属栄養細菌とその代謝物を主成分とする土壌
微生物代謝液を製造する装置において、前記微生物処理
部材は、地域固有の腐植土によって形成し、かつ、土壌
微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体と、陰イ
オンを放射して水素イオン濃度を中性状態に調整する陰
イオン放射部材を同装置に付加して土壌微生物代謝液の
製造装置を構成した場合は、土壌微生物の棲息に適する
微細孔を形成した気孔体による棲息担体と地域の腐植土
中の土壌性従属栄養細菌の代謝物とによる地域固有の棲
息環境の再現によって地域の腐植土に基づく土壌性従属
栄養細菌が確実に活性化され、このとき、中性化作用を
なす陰イオンを作用させることにより、水素イオン濃度
が土壌性従属栄養細菌の活動に適する略中性に整えられ
ることから、供給原水の水質に左右されることなく、細
菌の活性化が促進され、簡易、確実に微生物代謝液を製
造することができる。
【0065】生理活性帯域の遠赤外線を放射する遠赤外
線放射手段を付加したものは、その遠赤外線の生理活性
作用によって重畳的に微生物を活性化することができる
ので、微生物代謝液を効率的に製造することができる。
微生物増殖の必須因子をなすミネラルを供給するミネラ
ル部材を付加したものは、ミネラル部材によって微生物
の増殖代謝が図られるので、供給原水のミネラル成分が
少なくても微生物代謝液を製造することができる。前記
ミネラル部材が酵素態ミネラルを含む植物体によるもの
は、入手が容易な植物素材によって生体安全性を確保し
つつ、吸収性の良い酵素態ミネラルによって微生物の増
殖を促進することができる。前記植物体が、ササ、スギ
ナおよびカヤ、またはその一部の乾燥体をなすものは、
山野からきわめて容易に入手しうる植物素材によって生
体安全性を確保しつつ、吸収性の良い酵素態ミネラルに
よって微生物の増殖を促進することができる。
【0066】畜尿等の有機廃水を受け、その雑菌を抑え
て液相を調整する調整工程と、調整された有機廃水中の
有機物を分解するとともに汚泥を分離処理する有機物処
理工程と、分離した汚泥を分解するとともに受水側に戻
す汚泥処理工程とからなる有機性廃水の処理方法におい
て、前記有機物処理工程は、水素イオン濃度を中性状態
に調整する陰イオン放射下で土壌微生物の棲息に適する
微細孔を形成した気孔体と同一植生地域の腐植質と植物
ミネラルを作用させることにより、棲息条件と増殖条件
が整えられるので、有機物は地域に合わせた土壌菌によ
り無理なく能率良く分解処理される。
【0067】畜尿等の有機廃水を受け、その雑菌を抑え
て液相を調整する調整手段と、調整された有機廃水中の
有機物を分解するとともに汚泥を分離処理する有機物処
理手段と、分離した汚泥を分解するとともに受水側に戻
す汚泥処理手段とからなる有機性廃水の処理装置におい
て、前記有機物処理手段は、水素イオン濃度を中性状態
に調整する陰イオン放射部材と、土壌微生物の棲息に適
する微細孔を形成した気孔体と、同一植生地域に産する
腐植質と、植物ミネラルとを処理槽に備えることによ
り、棲息条件と増殖条件が整えられるので、有機物は地
域に合わせた土壌菌により無理なく能率良く分解処理さ
れる。
【0068】前記植物ミネラルは、その供給形態として
酵素態ミネラルを含む草本性植物体を用いることによ
り、土壌菌が能率良くミネラルを吸収同化しうるので、
入手が容易で生体安全性を有する草本性植物体を用いた
安全簡便な方法で微生物処理を連鎖的に促進することが
できる。
【0069】前記調整手段は、水素イオン濃度を中性状
態に調整する陰イオン放射手段と土壌微生物の棲息に適
する微細孔を形成した気孔体とを備えた処理槽に同一植
生地域に産する腐植質と酵素態ミネラルを含む抗菌性の
草本性植物体を備えることにより、土壌菌が無理なく活
性化されて雑菌が効果的に抑えられる。前記草本性植物
体は、同一植生地域に産するものを用いることにより、
地域本来の環境が整えられるので、土壌菌が最高に活性
化される。
【0070】前記汚泥処理手段は、球菌を馴養する木材
チップを備える処理槽によって構成することにより、活
性汚泥による抑制を受けることなく木材チップの導管内
の球菌の活性が確保されて汚泥が能率良く分解されるの
で、入手が容易で生体安全性を有する木材チップを用い
た安全簡便な方法で汚泥の廃棄を要することなく処理サ
イクルを維持することができる。前記有機物処理手段の
分離処理液を受けて脱色する脱色手段を設けることによ
り、代謝液の取扱い性が確保される。
【0071】微生物生菌の生理作用によって得られる土
壌微生物代謝液は、気候や土壌等の環境が異なったり、
作用すべき対象物が変わると、当然その種類や反応機構
及び作用・効果の上でも相違してくるものであり、この
ことが従来、この主の技術の普遍性に対して疑問視され
る原因になり、装置の形状や容量計算も区々であり、ま
た現場における対応の仕方がそれぞれ異なり、取扱が難
しく、場合によっては大きなコストの負担を強いること
にもなる。また、特定の工場等で大量に純粋培養した生
菌や生物資材は、自然界の中で常に同じ効果を持ち続け
ることは稀であり、置かれている環境に応じて変化・変
質するので、一般的な使用は問題がある。本発明によ
り、上記問題を解決して環境に対する微生物の適用性を
確保することができ、かつ、簡易な方法で安定性の高い
土壌微生物代謝液を製造する方法及びその装置並びにこ
れを組み込んだ有機性廃水の処理装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】経過日数による水素イオン濃度の変化
【図2】経過日数によるアンモニアガス濃度の変化
【図3】経過日数による細菌数の変化
【図4】本発明の代謝液処理装置の構成例を示す説明図
【図5】本発明の有機廃水処理装置の構成例を示す説明
【符号の説明】
1 代謝液処理装置 2 処理槽 3 曝気手段 4 気孔体 5 ミネラル部材 11 有機廃水処理装置 12 調整処理槽 13 有機物処理槽 14 汚泥分解処理槽 15 脱色処理槽 21 ミネラル部材 23 木材チップ 27 脱色部材 A 水 B 代謝液 C 有機廃水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 101:00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミネラルを含有する水に土壌性従属栄養
    細菌を作用させ、曝気下において微生物処理することに
    より、活性化された土壌性従属栄養細菌とその代謝物を
    主成分とする土壌微生物代謝液を製造する方法におい
    て、前記土壌性従属栄養細菌は地域固有の腐植土によっ
    て供給し、かつ、土壌微生物の棲息に適する微細孔を形
    成した気孔体と、水素イオン濃度を中性状態に調整する
    陰イオンを合わせて作用させることを特徴とする土壌微
    生物代謝液の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記微生物処理の際に生理活性帯域の遠
    赤外線を作用させつつ処理することを特徴とする請求項
    1記載の土壌微生物代謝液の製造方法。
  3. 【請求項3】 土壌性従属栄養細菌を供給する微生物処
    理部材と、水中に空気を送り込む曝気手段とを備え、ミ
    ネラルを含有する水に作用させることにより、活性化さ
    れた土壌性従属栄養細菌とその代謝物を主成分とする土
    壌微生物代謝液を製造する装置において、前記微生物処
    理部材は、地域固有の腐植土によって形成し、かつ、土
    壌微生物の棲息に適する微細孔を形成した気孔体と、陰
    イオンを放射して水素イオン濃度を中性状態に調整する
    陰イオン放射部材を同装置に付加してなることを特徴と
    する土壌微生物代謝液の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記装置は、生理活性帯域の遠赤外線を
    放射する遠赤外線放射手段を付加してなることを特徴と
    する請求項3記載の土壌微生物代謝液の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記装置は、微生物増殖の必須因子をな
    すミネラルを供給するミネラル部材を付加してなること
    を特徴とする請求項3記載の土壌微生物代謝液の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ミネラル部材は、酵素態ミネラルを
    含む植物体によって形成したことを特徴とする請求項5
    記載の土壌微生物代謝液の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記植物体は、ササ、スギナおよびカ
    ヤ、または、その一部の乾燥体により形成することを特
    徴とする請求項6記載の土壌微生物代謝液の製造装置。
  8. 【請求項8】 畜尿等の有機廃水を受け、その雑菌を抑
    えて液相を調整する調整工程と、調整された有機廃水中
    の有機物を分解するとともに汚泥を分離処理する有機物
    処理工程と、分離した汚泥を分解するとともに受水側に
    戻す汚泥処理工程とからなる有機性廃水の処理方法にお
    いて、前記有機物処理工程は、水素イオン濃度を中性状
    態に調整する陰イオン放射下で土壌微生物の棲息に適す
    る微細孔を形成した気孔体と同一植生地域の腐植質と植
    物ミネラルを作用させることを特徴とする有機性廃水の
    処理方法。
  9. 【請求項9】 畜尿等の有機廃水を受け、その雑菌を抑
    えて液相を調整する調整手段と、調整された有機廃水中
    の有機物を分解するとともに汚泥を分離処理する有機物
    処理手段と、分離した汚泥を分解するとともに受水側に
    戻す汚泥処理手段とからなる有機性廃水の処理装置にお
    いて、前記有機物処理手段は、水素イオン濃度を中性状
    態に調整する陰イオン放射部材と、土壌微生物の棲息に
    適する微細孔を形成した気孔体と、同一植生地域に産す
    る腐植質と、植物ミネラルとを処理槽に備えることを特
    徴とする有機性廃水の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記植物ミネラルは、その供給形態と
    して酵素態ミネラルを含む草本性植物体を用いることを
    特徴とする請求項9記載の有機性廃水の処理装置。
  11. 【請求項11】 前記調整手段は、水素イオン濃度を中
    性状態に調整する陰イオン放射手段と土壌微生物の棲息
    に適する微細孔を形成した気孔体とを備えた処理槽に同
    一植生地域に産する腐植質と酵素態ミネラルを含む抗菌
    性の草本性植物体を備えることを特徴とする請求項9記
    載の有機性廃水の処理装置。
  12. 【請求項12】 前記草本性植物体は、同一植生地域に
    産するものを用いることを特徴とする請求項10または
    11記載の有機性廃水の処理装置。
  13. 【請求項13】 前記汚泥処理手段は、球菌を馴養する
    木材チップを備える処理槽によって構成することを特徴
    とする請求項9記載の有機性廃水の処理装置。
  14. 【請求項14】 前記有機物処理手段の分離処理液を受
    けて脱色する脱色手段を設けたことを特徴とする請求項
    9記載の有機性廃水の処理装置。
JP10205761A 1997-06-16 1998-06-16 土壌微生物代謝液の製造方法、その製造装置、有機性廃水処理方法及びその処理装置 Withdrawn JPH11130572A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000093989A (ja) * 1997-10-06 2000-04-04 Eiichi Tashiro 排水処理方法
EP1327609A4 (en) * 2000-09-29 2004-11-17 Aoki Electric Ind Co Ltd WASTEWATER TREATMENT APPARATUS

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JP2000093989A (ja) * 1997-10-06 2000-04-04 Eiichi Tashiro 排水処理方法
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