JPH11130518A - 低通気性マグネシア−クロム質耐火物及びその製造方法 - Google Patents

低通気性マグネシア−クロム質耐火物及びその製造方法

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JPH11130518A
JPH11130518A JP9299836A JP29983697A JPH11130518A JP H11130518 A JPH11130518 A JP H11130518A JP 9299836 A JP9299836 A JP 9299836A JP 29983697 A JP29983697 A JP 29983697A JP H11130518 A JPH11130518 A JP H11130518A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 れんが内の気孔の分布を制御することで、耐
スラグ浸潤性と耐スポーリング性とを同時に高め、耐用
性に優れたマグネシア−クロム質耐火物およびその製造
方法を提供すること。 【解決手段】 MgOとCr2O3の合量が70重量%以上で、Cr
2O3を10〜40重量%含有した高温焼成マグネシア−クロ
ム質耐火物であって、見掛気孔率が13〜18%,通気率が
0.5〜3.0×10-132である低通気性マグネシア−クロム
質耐火物。該耐火物の製造方法として、見掛気孔率が3
〜20%の電融マグクロ原料および/または焼結マグクロ
原料を10〜90重量%配合し、1700℃以上で焼成するこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低通気性マグネシ
ア−クロム質耐火物及びその製造方法に関し、溶融金属
保持炉,精錬炉,真空脱ガス炉,セメント焼成炉等に使
用される低通気性マグネシア−クロム質耐火物(低通気
性の高温焼成マグネシア−クロム質れんが)及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高温焼成マグネシア−クロム質れんが
(以下“マグクロれんが”という)は、一般に、マグネシ
アクリンカー,クロム鉱,電融または焼結マグクロ原
料,酸化クロム等を原料とし、1700℃以上の高温で焼成
して製造されている。このマグクロれんがは、耐食性や
耐摩耗性に優れた特性を有しており、このため、溶融金
属保持炉,精錬炉,真空脱ガス炉,セメント焼成炉な
ど、様々な窯炉で広く使用されている。
【0003】ところで、マグクロれんがは、スラグへの
耐食性に優れているが、れんが内にスラグが浸潤する
と、この浸潤層が剥離損傷したり、摩耗損傷されやすい
という欠点を有している。そのため、マグクロれんがの
耐用性を改良する上では、スラグ浸潤を抑制することが
重要である。
【0004】そこで、従来、マグクロれんがのスラグ浸
潤を抑制する方法として、原料構成(原料の種類)の選定
などによって、組織を緻密化し、れんが内の見掛気孔率
を低減することが行われている。例えば、原料構成とし
て、マグネシアクリンカーとクロム鉱を主体とした、い
わゆる“ダイレクトボンド質れんが”では、その見掛気
孔率は「14〜17%」であるが、電融マグクロ原料を主体
とした、いわゆる“リボンド質れんが”では、その見掛
気孔率を「11〜13%」に低減することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、れんが内の
気孔は、気孔内にスラグが浸潤するという点では組織の
マイナス面であるが、一方では、熱衝撃によって生じた
亀裂の進展を止めるというプラスの効果がある。そし
て、組織を緻密化して見掛気孔率を低減すると、熱衝撃
に対する耐スポーリング性は低下し、一方、見掛気孔率
を増大すると、スラグが浸潤することになる。このよう
に、耐スラグ浸潤性と耐スポーリング性とは、両立させ
ることができない相反した特性と考えられてきた。
【0006】現在使用されているマグクロれんがの更な
る耐用向上を図るためには、れんが内へのスラグ浸潤を
抑制すると同時に、熱衝撃に対する耐スポーリング性を
高めることが重要である。
【0007】そこで、本発明は、れんが内の気孔の分布
を制御することで、耐スラグ浸潤性と耐スポーリング性
とを同時に高め、耐用性に優れたマグネシア−クロム質
耐火物およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、マグクロ
れんがの“気孔の分布”と“スラグ浸潤およびスポーリ
ング損傷”との関係を研究した結果、「小さい径の気孔
が均一に分布した組織においては、耐スラグ浸潤性と耐
スポーリング性とが両立し得る」ことを見いだし、本発
明を完成したものである。そして、本発明は、特に、所
定の見掛気孔率(13〜18%)および通気率(0.5〜3.0×10
-132)からなるマグネシア−クロム質耐火物、並び
に、このような見掛気孔率および通気率を有するマグネ
シア−クロム質耐火物の製造方法を特徴とし、これによ
り、上記目的を達成したものである。
【0009】即ち、本発明は、「MgOとCr2O3の合量が70
重量%以上で、Cr2O3を10〜40重量%含有した高温焼成
マグネシア−クロム質耐火物であって、見掛気孔率が13
〜18%,通気率が0.5〜3.0×10-132であることを特徴
とする低通気性マグネシア−クロム質耐火物。」(請求
項1)を要旨(発明を特定する事項)とする。
【0010】また、本発明は、上記低通気性のマグネシ
ア−クロム質耐火物を製造する方法として、「見掛気孔
率が3〜20%の電融マグクロ原料および/または焼結マ
グクロ原料を10〜90重量%配合し、1700℃以上で焼成す
ること」(請求項2)を要旨(発明を特定する事項)とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るマグネシア−
クロム質耐火物(以下“マグクロ耐火物”という)および
その製造方法について詳細に説明するが、それに先だっ
て、本発明で注目した「通気率および見掛気孔率」と
「スラグ浸潤およびスポーリング損傷」との関係につい
て説明する。
【0012】マグクロれんがなどの酸化物系の耐火物
(れんが)において、“スラグ浸潤”が問題となるのは、
炭素含有耐火物と異なり、このれんがとスラグとが濡れ
やすい関係にあるために、該れんが内の気孔にスラグが
侵入しやすいことに起因している。
【0013】ところで、れんが内の気孔の状態を定量的
に評価する指標としては、「気孔の量を表す“見掛気孔
率”」「気孔の大きさを表す“平均気孔径”」「気孔を
通じての気体の通りやすさを表す“通気率”」が知られ
ている。そして、れんが中の気体の通りやすさを測定す
る“通気率”は、理論的には、次の式(1)で表現され
る。 ・式(1)………(通気率)=(見掛気孔率)×(平均気孔径)
2
【0014】上記式(1)に見られるように、“通気率”
は“気孔の量(見掛気孔率)”と“気孔の大きさ(平均気
孔径)”とを同時に評価している。そのため、マグクロ
れんがへのスラグ浸潤を調べる上では、“通気率”が最
も重要であることが判る。
【0015】通気率の測定法としては、例えば“ISO 88
41”や“JIS R 2115”に規定されており、この他にもい
くつかの測定法が提案されている。(なお、測定法によ
って通気率を表示する単位が異なるが、原理的には同じ
であるから、相互の単位に換算することが可能であ
る。)
【0016】本明細書に記載する通気率の測定法(本発
明で規定する“通気率”の測定法)としては、上記した
“ISO 8841”の算出法によるものであって、次の式(2)
で求められる。 ・式(2)……V/t=μ・1/η・S/L・(P1−P2)
・(P1+P2)/2P [ここで、P :絶対圧力(N/mm2) t :試験時間(s) V :絶対圧力Pにおいて時間t内に通過する気体の容
積(mm3) S :気体が通過する試験片の横断面(mm2) L :物体の横断面の厚さ(mm) P1:気体侵入時の絶対圧力(N/mm2) P2:気体離脱時の絶対圧力(N/mm2) η :試験温度における気体の粘度(Pa・s) μ :試験片の通気率(m2) である。]
【0017】前記式(1)から明らかなように、“通気
率”は「“見掛気孔率”と“平均気孔径の二乗”との
積」に相当するので、平均気孔径が小さい場合には、見
掛気孔率が大きくても通気率は小さくなる。したがっ
て、耐スラグ浸潤性と耐スポーリング性とを両立させる
ためには、径の小さな気孔が均一に分布した組織とする
ことによって、低い通気率でありながら適度の見掛気孔
率を有することが必要である。
【0018】本発明者等の研究結果によれば、(1) 通気
率を「0.5〜3.0×10-132」に制御すると、れんが内へ
のスラグ浸潤が抑制される、(2) 熱衝撃に対する耐スポ
ーリング性の点では、通気率よりも見掛気孔率が重要で
あり、見掛気孔率を「13%以上」に制御すると、耐スポ
ーリング性の向上に効果がある、という事実を見いだ
し、この事実に基づいて本発明を完成したものである。
【0019】即ち、本発明は、溶融金属保持炉,精錬
炉,真空脱ガス炉,セメント焼成炉などの内張り炉材と
して好適な低通気性マグクロ耐火物およびその製造方法
であって、 ・MgOとCr2O3の合量が70重量%以上で、Cr2O3を10〜40
重量%含有した高温焼成マグクロ耐火物であって、見掛
気孔率が13〜18%,通気率が0.5〜3.0×10-132」の特
性を有する低通気性マグクロ耐火物、であり、また、こ
のような特性を有するマグクロ耐火物の製造法として、 ・見掛気孔率を3〜20%有する電融マグクロ原料および
/または焼結マグクロ原料を10〜90重量%使用し、1700
℃以上で焼成する、ことを特徴とする。
【0020】以下、本発明で規定する高温焼成マグクロ
耐火物の「化学組成(MgOとCr2O3の合量:70重量%以
上,Cr2O3:10〜40重量%)」「見掛気孔率(13〜18%)」
「通気率(0.5〜3.0×10-132)」について、また、本発
明で規定する「原料(見掛気孔率が3〜20%の電融マグク
ロ原料および/または焼結マグクロ原料)およびその配
合量(10〜90重量%)」「焼成条件(1700℃以上)」につい
て、詳細に説明する。
【0021】マグクロれんがが、溶融金属保持炉,精錬
炉,真空脱ガス炉,セメント焼成炉などの窯炉の内張り
炉材として優れた耐用性を示すためには、耐スラグ浸潤
性と耐スポーリング性に加えて、さらに耐食性が必要で
ある。マグクロれんがは、主成分であるMgOとCr2O3以外
に、原料のCr2O3鉱等に由来するAl2O3,Fe2O3を含有
し、更に不純物として少量のSiO2やCaOを含有する。こ
の主成分である「MgOとCr2O3の合量」が、70重量%未満
あるいはCr2O3が10重量%未満の場合には、耐食性が低
下するので好ましくない。また、Cr2O3が40重量%を超
える場合、過剰のスピネルが生成し、れんが組織が緻密
さを欠き、耐スラグ浸潤性が低下するので好ましくな
い。
【0022】一方、見掛気孔率が“18%”を超える場
合、又は、通気率が“3.0×10-132”を超える場合に
は、れんが組織が緻密さを欠くことになり、耐スラグ浸
潤性,耐食性が低下するので好ましくない。逆に、見掛
気孔率が“13%”未満の場合、又は、通気率が“0.5×1
0-132”に満たない場合には、れんが組織が緻密すぎ
て、熱衝撃に対する耐スポーリング性に劣るので、同じ
く好ましくない。そして、耐スラグ浸潤性と耐スポーリ
ング性とを両立させるためには、本発明で規定する「見
掛気孔率が13〜18%,通気率が0.5〜3.0×10-132」の
範囲にする必要がある。本発明で、より好ましくは「見
掛気率が14〜17%,通気率が1.0〜2.0×10-132」の範
囲である。
【0023】更に、本発明に係るマグクロ耐火物では、
耐スラグ浸潤性と耐スポーリング性とを両立させるだけ
でなく、特に、1700℃以上で焼成して“通気率を3.0×1
0-132”以下にすることで、結合組織が良好となり、
かつ、スラグ浸潤量も減少するため、スラグ浸潤後の組
織変化が少なく、スラグ浸潤後の耐スポーリング性が向
上する作用が生じる。
【0024】通常、マグクロれんがの焼成過程において
は、微粉原料の焼結によって気孔が連結し、気孔径が大
きくなると共に通気率も増大する。そのため、焼成温度
を低くすれば、通気率の低いマグクロれんがを製造する
ことができるが、その反面、結合組織の発達が不十分な
マグクロれんがが得られ、このれんがでは、耐食性が劣
るため、十分な耐用性を得ることができない。したがっ
て、本発明に係るマグクロ耐火物では、1700℃以上の高
温で未焼成部分が残らないように十分に焼成することが
望ましい。
【0025】本発明に係るマグクロ耐火物で規定する見
掛気孔率(13〜18%),通気率(0.5〜3.0×10-132)を得
るためには、径が小さな気孔が均一に分布した組織とす
ることが必要である。そのような組織を実現するために
は、熱膨張率が大きく異なるマグネシアクリンカーとク
ロム鉱を主体とした配合ではなく、電融マグクロ原料お
よび/または焼結マグクロ原料を“10重量%以上”配合
して均一な組織とする必要がある。しかし、上記電融お
よび/または焼結マグクロ原料の使用比率が“90重量
%”を超えると、過焼結によって耐スポーリング性が低
下するので望ましくない。
【0026】したがって、通気率および見掛気孔率を本
発明で規定する上記範囲とし、そして、耐スラグ浸潤性
と耐スポーリング性とを両立させるマグクロ耐火物を得
るためには、電融マグクロ原料および/または焼結マグ
クロ原料を使用し、その配合量を「10〜90重量%」とす
る必要がある。本発明において、より好ましくは「30〜
90重量%」である。
【0027】また、電融マグクロ原料,焼結マグクロ原
料自体にも、径の小さな気孔が数%程度含まれている。
そして、この気孔は、スラグが浸潤しにくい上に、亀裂
の伸展を止める効果を有するものである。
【0028】そこで、本発明で規定する“見掛気孔率(1
3〜18%),通気率(0.5〜3.0×10-132)”の特性を有す
るマグクロ耐火物を得るためには、本発明で使用する上
記電融マグクロ原料,焼結マグクロ原料それ自体の見掛
気孔率が「3〜20%」の範囲にあることが必要である。
より好ましくは「5〜15%」である。(れんがの気孔率
は、原料自体に含有する気孔により大きくなるが、前記
したとおり、前記式(1)からみて、平均気孔径が小さい
場合、見掛気孔率が大きくても通気率は小さくなり、所
定の低通気率を維持することが可能になる。)
【0029】なお、電融マグクロ原料,焼結マグクロ原
料として、見掛気孔率が3%未満のものは、れんが組織
が緻密になり、耐スポーリング性が低下することがあ
り、かつ製造コストが高くなるので望ましくなく、一
方、20%を超えると、れんが組織が緻密さを欠くため、
耐スラグ浸潤性と耐食性が低下するので好ましくない。
また、本発明において、このようなマグクロ原料とし
て、使用前あるいは使用後の“マグクロれんがを骨材の
大きさに粉砕した原料”を使用することも可能であり、
特にコスト低減の点で効果が大きい。
【0030】本発明で使用する電融マグクロ原料,焼結
マグクロ原料の化学組成としては、 ・Cr2O3 :3〜40重量% ・MgO :50〜90重量% ・SiO2+CaO :3重量%以下 ・Al2O3+Fe2O3:残部 からなる一般的なマグクロ原料を通常用いるが、本発明
は、これのみに限定されるものではなく、上記原料に更
にCr2O3,Al2O3,Fe2O3などの成分を加えて組成を調整
したものなど、様々な組成の電融マグクロ原料,焼結マ
グクロ原料を使用することができる。
【0031】また、電融マグクロ原料,焼結マグクロ原
料以外の残部の配合原料として、クロム鉱,ピクロクロ
マイト,酸化クロム,マグネシアクリンカー,れんが屑
など、従来のマグクロれんがの製造で一般的に用いられ
ている原料を使用することができる。マグネシアクリン
カーには、B2O3含有量が0.1重量%未満の低B2O3含有マ
グネシアクリンカーおよび/またはB2O3含有量が0.1〜
0.8重量%のB2O3含有マグネシアクリンカーを使用する
ことができる。そして、マグクロ原料を焼結マグクロ原
料のみで使用する場合には、B2O3含有量が0.3〜0.6重量
%のB2O3含有マグネシアクリンカーとの組み合わせが、
本発明の効果を得るのにより好ましい。
【0032】また、以上の配合原料以外に、本発明の効
果を損なわない範囲において、アルミナ,酸化鉄,酸化
チタン,ジルコン,ジルコニア,希元素酸化物金属粉,
炭化物,ほう化物,窒化物,その他を適量添加しても良
いことは、従来のマグクロれんがの製造と同様である。
【0033】本発明に係るマグクロ耐火物は、上述した
配合原料に結合剤を添加し、混練,成形,乾燥,焼成し
て製造され、通常のマグクロれんがの場合と同様であ
る。結合材としては、水,リグニンスルホン酸,糖蜜,
フェノール樹脂,硫酸マグネシウム等、様々なものが使
用することができる。また、成形手段としては、フリク
ションプレス,オイルプレス,ラバープレスなど、様々
な製造設備が使用可能である。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を詳細に説明する。ここで、以下の実施例,比較
例で使用する原料の各「組成,見掛気孔率」を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例1〜10,比較例1〜5)次の表
2に示す原料配合比率(重量%)で配合し、同じく表2に
示すように、リグニンスルホン酸(結合剤)を外掛けで2
重量%添加し、混練した後オイルプレスで成形し、乾燥
後トンネルキルンで、表2に示す焼成温度で焼成して、
15種類のマグクロれんがを作製した。
【0037】得られたマグクロれんがの「化学組成(Mg
O,Cr2O3の組成),見掛気孔率,熱間曲げ強度」を測定
し、表2に併記した。また、得られたマグクロれんがに
ついて、“回転ドラム侵食テスト”により「耐スラグ浸
潤性」を評価(1750℃での評価)し、更に、侵食テスト後
のスラグ浸潤試料を“1200℃空冷スポ−リングテスト”
により「耐スポーリング性」を評価し、該評価結果を同
じく表2に併記した。
【0038】
【表2】
【0039】表2から、本発明で規定する“見掛気孔率
(3〜20%)を有する電融マグクロ原料および/または焼
結マグクロ原料”を所定量(10〜90重量%)配合し、1700
℃以上で焼成して得た実施例1〜10では、本発明で規定
する“見掛気孔率(13〜18%)”“通気率(0.5〜3.0×10
-132)”の範囲内のマグクロれんが得られ、スラグ浸
潤深さおよび量とスポーリングによる剥離亀裂が軽微で
あって、耐スラグ浸潤性と耐スポーリング性とが両立し
た、しかも、耐食性が良好なマグクロれんが得られた。
【0040】これに対して、 ・本発明で規定する「電融マグクロ原料の配合比率(10
〜90重量%)」の範囲外で得られた比較例1(電融マグク
ロBの配合量:95重量%)、 ・本発明で規定する「マグクロ耐火物のCr2O3の含有量
(10〜40重量%)」の範囲外の比較例2(8重量%)および
比較例4(43重量%)、では、いずれも、本発明で規定す
るマグクロ耐火物の「通気率」の上限値(3.0×10
-132)より大きいものが得られ、スラグ浸潤は背面ま
で達し、スラグ浸潤量も多く、耐スラグ浸潤性に劣って
いた。
【0041】また、マグクロれんがの見掛気孔率が本発
明で規定する下限値(13%)に満たない比較例1,3で
は、スポーリングによるスラグ浸潤層の剥離亀裂が顕著
であり、耐スポーリング性に劣る結果を示した。更に、
本発明で規定する焼成条件(1700℃以上)の範囲外の1600
℃で焼成した比較例5では、結合組織の発達が不十分な
ため、耐食性に劣る結果を示した。
【0042】このように、本発明で規定する範囲外の比
較例1〜5では、本発明で意図する「耐スラグ浸潤性と
耐スポーリング性の両立」したマグクロれんがが得られ
ないことが判った。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、特に、
マグクロ耐火物の「見掛気孔率」および「通気率」の範
囲を規定し、気孔の分布を制御することで、耐スラグ浸
潤性と耐スポーリング性とを同時に高め、しかも、耐食
性を改善することができ、耐用性に優れたマグクロ耐火
物を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgOとCr2O3の合量が70重量%以上で、Cr
    2O3を10〜40重量%含有した高温焼成マグネシア−クロ
    ム質耐火物であって、見掛気孔率が13〜18%,通気率が
    0.5〜3.0×10-132であることを特徴とする低通気性マ
    グネシア−クロム質耐火物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の低通気性マグネシア−
    クロム質耐火物の製造方法として、見掛気孔率が3〜20
    %の電融マグクロ原料および/または焼結マグクロ原料
    を10〜90重量%配合し、1700℃以上で焼成することを特
    徴とする低通気性マグネシア−クロム質耐火物の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014147959A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Kurosaki Harima Corp タンディッシュ用上ノズル及び緻密質れんが

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JP2014147959A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Kurosaki Harima Corp タンディッシュ用上ノズル及び緻密質れんが

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