JPH11128767A - 比重選別装置 - Google Patents

比重選別装置

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JPH11128767A
JPH11128767A JP29985997A JP29985997A JPH11128767A JP H11128767 A JPH11128767 A JP H11128767A JP 29985997 A JP29985997 A JP 29985997A JP 29985997 A JP29985997 A JP 29985997A JP H11128767 A JPH11128767 A JP H11128767A
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JP
Japan
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specific gravity
liquid
sorting device
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recovery port
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Withdrawn
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JP29985997A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Arakane
伸明 荒金
Masakatsu Hayashi
政克 林
Makoto Aoki
誠 青木
Yoshiyuki Takamura
義之 高村
Tsutomu Hasegawa
勉 長谷川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低比重、かつ低比重差の複数種類のプラスチ
ックの混合物を材質毎に分別し、リサイクルを容易にす
る。 【解決手段】 比重選別装置を、軸線をほぼ鉛直にして
配置された円筒部3とこの円筒部3の下端に大径端を同
心状に結合し小径端を下にした円錐台部6を組合わせた
胴7と、胴7内部に円筒部3と同心に配置され上端を円
筒部3の上端面より上方に突出させ下端を胴内部で開口
させた円筒状の挿入管8と、円筒部3の上部外周に接線
状に接続され比重の異なる材質の物体の混合物を比重液
とともに胴内部に供給する供給部2と、前記円錐台部6
の小径端を塞ぐように配置されて胴底面をなす水平部5
と、この水平部5に形成された開口に接続されて下方に
延びる管状の下方回収口9と、下部に設けた下方回収口
とを含んで構成し、供給される比重液の流量を調整し
て、挿入管8内に形成される上昇旋回流内の気柱の最外
周で水流が下方に流出し易いようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用内装部品
のインスツルメントパネル(インパネ)の成形加工時に
発生する端材や成型不良品などから、有用なプラスチッ
クを材質別に分別して回収する装置に係り、特に比重の
差を利用してプラスチックを分別する比重選別装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車材料として設計が自由で軽量なプ
ラスチックは、内装部品の材料に多量に使用される。内
装材には種々の素材が複合して使われており、製造方法
として真空成形やプレス成形などの成形方法が採られる
が材料の歩留まりが悪く、50〜60%の材料が廃材となっ
ている。このような廃材の処理方法としては従来焼却あ
るいは埋め立て処分されていたが、生産工程で発生する
ものなので比較的質と量が揃っており、内装材のバージ
ン材や新たな用途へのリサイクル利用への検討が進めら
れている。プラスチックは、材質により特性が異なり、
また相溶性が良くないため、プラスチックを再利用する
際には、材質毎に分別して利用する事が望ましい。従っ
て、種々の複合材からなる自動車部品のプラスチックを
再利用するには、プラスチック分別技術がリサイクルの
要となる。
【0003】ポリ塩化ビニール(PVC)とポリプロピレ
ン(PP)の複合材によって構成するインパネ材のリサイ
クル技術としては「プラスチック廃棄物の規制動向と静
脈産業 1994」(マーテック株式会社)に報告されるよ
うに、インパネ端材を数センチ角に破砕した後、破砕片
を摩擦により材質毎に剥離し、水槽内で浮沈式の比重分
離によりプラスチックをPVCとPPに分別する方法があ
る。PVCは比重が1.35〜1.38、PPは比重が0.95〜0.98で
あり、水(比重1.0)を比重媒体に用いることで、プラ
スチック(PVCとPP)は材質別に分離可能である。ま
た、粒度の整ったPVCとPPの分別には特開昭50−142681
号公報に記載された「廃プラスチックの分別方法」や平
成2年に社団法人 プラスチック処理促進協会から報告
された「廃プラスチックの分別技術に関する開発事業」
等に記載された液体サイクロンが適している。液体サイ
クロンは比重媒体である水の旋回流を利用してプラスチ
ックの遠心分離を行い、高純度のプラスチックを回収す
るものである。浮沈式及び液体サイクロン式、何れの方
法とも比重液の比重に対して比重の大きい物体と小さい
物体を分ける技術である。
【0004】近年の環境問題に対し、自動車メーカにお
いても対策が急速に進み、インパネ材などの材質がリサ
イクルしやすい材料へ転換され始めた。インパネ材に使
用するPVCは燃焼時に塩化水素ガスを発生して焼却炉を
傷めたり、ダイオキンシンを生成して大気汚染を引起こ
す可能性が有るため環境への負荷が大きい。このため、
PVCの代替材料として環境負荷の低いオレフィン系プラ
スチックを採用する動向が観られる。このオレフィン系
プラスチックはインパネの表皮部に相当するため、添加
材を加えて触感を良くしている。インパネ材をオレフィ
ン系のプラスチックで構成することで比較的相溶性が良
く、油化や低品質のプラスチックとして再利用するリサ
イクルに適する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、添加材を加え
たオレフィン系プラスチックの比重は0.89〜0.91と小さ
いため、PPと同様に水に浮いてしまい従来のプラスチッ
ク分別方法では材質毎に分離する事ができない。また、
各プラスチックの中間の比重となる比重液を用いた浮沈
式の比重選別においても比重差が小さ過ぎて比重液内を
滞留し、浮く物、沈む物の2種類に別れ難い。このた
め、従来の浮沈式及び液体サイクロン式によるプラスチ
ック分別では、低比重のプラスチックの混合物を単一の
材料に分別できないため、バージン材等の高品質なプラ
スチック再利用は不可能となる。
【0006】本発明の課題は、比重液よりも比重の小さ
い低比重混合物を比重の大小により2種に分別すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では上記問題点に
着目し、比重液よりも比重が小さい低比重プラスチック
が複数種類混合された混合物から、バージン材として再
利用可能な単一の材質の材料が得られるよう、液体サイ
クロンの胴部を円筒と円錐台の組合せで構成し、液体サ
イクロン内部に供給される比重液流量を調整することで
液体サイクロンの上方と下方から排出する水量バランス
を制御し、比重液よりも比重の小さい複数種類の材質の
物体の混合物を比重の大小により二つに分別する。ま
た、添加材を加えたオレフィン系プラスチックとPPのプ
ラスチック分別には、比重媒体に水を使用した分別が可
能であるため特殊な比重液は不要となり、排水による二
次公害の発生が抑制される。また、比重液に水を使用で
きるため、大規模な排水処理設備や比重液の管理が不要
となり、プラスチック分別設備がコンパクトに纏まり、
かつプラスチック処理装置の設備コストが低減可能にな
る。
【0008】比重液よりも比重の小さい複数種類の材質
の物体の混合物を比重の大小により二つに分別する比重
選別装置は液体サイクロンで構成され、該液体サイクロ
ンの上方と下方から排出する水量バランスを制御し、混
合物の中で比重の小さい物体を下方から、比重の大きい
物を上方から回収する事で、混合物を比重の大小により
二つに分別する。
【0009】また、液体サイクロンからなる比重選別装
置を、軸線をほぼ鉛直にして配置される円筒とこの円筒
の下端に大径端を同心状に結合した円錐台を組合わせた
胴と、胴内部に前記円筒と同心状に配置された円筒状の
挿入管と、比重の異なる材質の物体の混合物を胴内部に
供給する供給部と、胴下部に設けた下方回収口とを含ん
で構成し、混合物の中で比重の大きい物体を挿入管か
ら、比重の小さい物体を下方回収口より回収することで
比重液よりも比重の小さい複数種類の材質の物体の混合
物(以下、低比重混合物という)を比重の大小により2
種類に分別する。
【0010】液体サイクロンからなる比重選別装置の具
体的構成としては、軸線をほぼ鉛直にして配置され上端
が塞がれた円筒部とこの円筒部の下端に大径端を同心状
に結合し小径端を下にした円錐台部を組合わせた胴と、
胴内部に前記円筒部と同心状に配置され上端を円筒部の
上端面より上方に突出させ下端を胴内部で開口させた円
筒状の挿入管と、前記円筒部の上部外周に接線状に接続
され比重の異なる材質の物体の混合物を比重液とともに
胴内部に供給する供給部と、前記円錐台部の小径端を塞
ぐように配置されて胴底面をなす水平部と、この水平部
に形成された開口に接続されて下方に延びる管状の下方
回収口と、を含んで構成し、下方回収口の内径は水平部
の径よりも小さくし、供給される比重液の流量を調整可
能とするのが望ましい。
【0011】また、上記比重選別装置の一次分別処理に
より、挿入管または下方回収口から回収した物体を、上
記比重選別装置と同様の効果を有する比重選別装置へ供
給して二次分別処理することで回収物の高純度化を図
る。
【0012】また、液体サイクロンからなる比重選別装
置の一次分別処理で、挿入管と下方回収口から回収した
2種類の回収物を、種類別に再度液体サイクロンからな
る比重選別装置で二次分別処理を施す事で、低比重混合
物中の2種の物体共に液体サイクロンからなる比重選別
装置で2段処理を行い、各回収物の高純度化を図る。
【0013】また、比重液よりも比重の小さい異種の物
体と比重液より比重の大きい物体が混入した混合物か
ら、比重液より比重が小さい物体を材質毎に分別する比
重選別装置は、比重液より比重の大きい物体と小さい物
体を分別する一般的な液体サイクロンと上記記載の低比
重混合物を2種に分別する液体サイクロンからなる比重
選別装置を組合わせた構成からなり、一般的な液体サイ
クロンによって比重液よりも比重が大きい物体を除去し
た後、比重液よりも比重が小さい物体を2種に分別す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例を、図1の
液体サイクロン断面と図2の混合プラスチックの分別結
果を用いてを説明する。本実施例では、自動車内装部品
のインパネに使用される添加材を加えた比重0.89の
オレフィン系プラスチック(以後POと呼ぶ)と比重0.
98のPP(ポリプロピレン)のプラスチックの混合物を
対象にした分別例を用いる。
【0015】図1に示す液体サイクロン1は、軸線をほ
ぼ鉛直にして配置され上端が塞がれた円筒部3とこの円
筒部3の下端に大径端を同心状に結合し小径端を下にし
た円錐台部6を組合わせた胴7と、胴7内部に前記円筒
部3と同心状に配置され上端を円筒部3の上端面より上
方に突出させ下端を胴内部で開口させた円筒状の挿入管
8と、前記円筒部3の上部外周に接線状に接続され比重
の異なる材質の物体の混合物を比重液(本実施例では
水)とともに胴内部に供給する供給部2と、前記円錐台
部6の小径端を塞ぐように配置されて胴底面をなす水平
部5と、この水平部5に形成された開口に接続されて下
方に延びる管状の下方回収口9と、を含んで構成されて
いる。下方回収口9の内径(すなわち水平部5に形成さ
れた開口の内径)は、水平部5の径よりも小さくしてあ
る。
【0016】上記構成の装置において、供給部2から液
体サイクロン1の内部に供給された水は、胴7の容器内
壁面に沿って流れる下降旋回流10を生じ、胴中心部に
は上昇旋回流11を生じる。胴中心部には挿入管8が上
下方向に胴7と同心状に配置されているから、下降旋回
流10は挿入管8の外側を、上昇旋回流11は挿入管8
の内部を、それぞれ流れる。挿入管8の中心部では、液
体サイクロン1の外部より吸い込んだ空気の柱(気柱1
2)を形成する。
【0017】POとPPを混合した混合物(低比重混合物)
を水と共に供給部2から液体サイクロン1に供給する
と、POとPPはいずれも下降旋回流10とともに一旦胴底
部にまで下降し、次いで重い方(比重0.98)のPPは
上昇旋回流11に吸引され、挿入管8の内部を上昇して
上方に回収される。一方、軽い方(比重が0.89)の
POは下方回収口9より回収されるが、比重がPPより小さ
いPOを下方より回収する手段は次の通りである。
【0018】液体サイクロン1を流れる水の流量を調整
して、挿入管8から上方に排出される水量と下方回収口
9から排出される水量のバランスを制御し、上昇旋回流
11内の気柱12の最外周で水流が下方に流出し易いよ
うにする。挿入管8内部の上昇旋回流11は、挿入管8
の内周壁側の流速が大きく、中心側ほど流速は小さい。
したがって、液体サイクロン1に供給される水量がある
値(液体サイクロン1の形状、大きさによって異なる)
よりも小さいと、上昇旋回流11内の気柱12の最外周
では水流が下方に流出し易い状態となるのである。上記
水量条件でPPとPOが混合されたプラスチックを液体サイ
クロン1に供給すると、重い方のPPは下降旋回流10と
ともに一旦胴底部にまで下降したあと、上昇旋回流11
にのって上昇するが、その際旋回流の遠心力により上昇
旋回流11の外側寄り、つまり挿入管8の内周壁側に集
まり、内周壁側の速度の早い流れに乗って上方に流出す
る。一方、PPよりも更に比重が小さいPOは、旋回流から
受ける遠心力が小さいため、上昇旋回流11の中心部1
2に収束する。気柱12の最外周では水流が下方に流出
しやすくなっており、この下方への水流を利用して気柱
12の外周部に収束したPOを下方回収口9から回収する
のである。この時、胴7の下部に設けた水平部5は、下
方旋回流10への抵抗となり流れを上方へ向かう旋回流
に反転させるとともに、下方に流出しようとするPPを上
方に向かう水流で抑制する効果と、中心部12に収束す
るPOで下方回収口9の近傍に高濃度のPO層を形成させ、
このPO層が下方回収口9を覆うため下方へ流出するPPを
抑制する効果を有する。
【0019】なお、上述のように、上昇旋回流11内の
気柱12の最外周で水流が下方に流出し易いようにした
状態での、挿入管8から上方に流出する比重液の流量A
と下方回収口9から下方に流出する比重液の流量Bの比
率は、円錐部の角度や挿入管8の設定条件により変化す
るが、本実施例に述べてある対象物の分別では、A:B
=98.5〜99.5:0.5〜1.5の範囲が最適で
あった。従来の液体サイクロンは、比重液に混合された
物体のうち、比重が比重液より重いものを下方回収口か
ら取り出し、比重が軽いものを上方に流出させるのに対
し、本発明は、供給される比重液の流量、言い替えると
液体サイクロン内の比重液の流速を変えることにより比
重液及び比重液に混合された物体の挙動が変わることに
着目し、下方回収口から流出する比重液の量をすくなく
することによって、従来上方に取り出されていた比重が
比重液より軽いものを比重の大小で二つに分け、二つに
分けたもののうち、比重が軽いものを従来と逆に下方回
収口から下方に回収するようにした点に特徴がある。
【0020】液体サイクロン1によりPOとPPの混合物を
分別した結果の例を図2に示す。図2は、液体サイクロ
ン1に供給された水の流量を横軸、回収されたプラスチ
ックの質を示す純度を縦軸とし、液体サイクロン1にお
ける分別性能を評価しており、挿入管8からPPを、下方
回収口9からPOを回収した実験結果である。尚本実施例
には、POとPP製のインパネを破砕・剥離処理されて得ら
れた、PO濃度25wt%、PP濃度75wt%の混合物を使用
した。
【0021】図に示されるように、液体サイクロン1に
供給される水の流量の増加につれて下方回収口9から回
収されるPOの純度は上昇し、PPの純度は下降する傾向に
あり、水の流量を調整する事でPOが下方回収口9から、
PPが挿入管8から回収されることが明確となった。ま
た、POとPPの純度は共に95%以上と高効率の分別が可
能である。この結果から、比重の小さいPOが下方回収口
9から、比重の大きいPPが挿入管8から回収され、液
体サイクロン1を用いることで比重液よりも比重の小さ
い混合物を2種類に分別できる事が確認された。
【0022】なお、流量増加とともに上方に回収される
PPの純度が低下しているのは、下方に回収すべきPOが
上昇旋回流11の流速増加により上方に流出してPPに混
入されていることを示し、一方、上昇旋回流11の流速
増加により下方に流出してPOに混入するPPが減少して下
方に回収されるPOの純度が上昇していることがわかる。
流量が減少した場合は、これと逆の現象が生じてPOの純
度が低下し、PPの純度が上昇するのである。
【0023】次に図3を用いて本発明の第2の実施例を
説明する。本実施例では比重0.91のPOと比重0.9
5のPPを用い、比重差が0.04と非常に小さい混合物
を材質別に分ける低比重差プラスチック分別システムを
説明する。低比重差プラスチックの分別フローを図3に
示す。本実施例ではPOの高純度化を目的とする。
【0024】図示の低比重差プラスチック分別システム
(2段処理分別システム)は、混合プラスチックを水と
混合する混合槽32と、吸込側を混合槽32に接続して
配置され水と混合プラスチックを搬送する循環ポンプ3
3と、循環ポンプ33の吐出側に接続され循環ポンプ3
3で搬送された混合プラスチックを一次分別する液体サ
イクロン1と、液体サイクロン1の下方回収口9に接続
され下方回収口9から回収されたプラスチックを水と混
合する混合槽30と、吸込側を混合槽32に接続して配
置され混合槽30内の水とプラスチックを搬送する循環
ポンプ31と、循環ポンプ31の吐出側に接続され循環
ポンプ31で搬送された混合プラスチックを二次分別す
る液体サイクロン20と、液体サイクロン20の挿入管
22の上端と混合槽32を接続し挿入管22から回収し
たプラスチックを混合槽32に供給する配管23と、を
含んで構成されている。液体サイクロン20は液体サイ
クロン1と同様の構成で、下方回収口21から比重0.
91のPOを、挿入管22から比重0.95のPPを、それ
ぞれ回収するようになっている。
【0025】上記構成の低比重差プラスチック分別シス
テムの動作を次に説明する。まず、POとPPの混合プラス
チック及び比重液である水を混合槽32に供給し、混合
槽32内部の水と混合プラスチックを循環ポンプ33の
駆動により液体サイクロン1に供給する。POとPPの比率
は前記第1の実施例の場合と同じである。液体サイクロ
ン1に供給した混合プラスチックの中から、PPを挿入管
8から、POは下方回収口9より回収する。プラスチック
の比重差が0.04と小さいためPOの純度は約85%ま
でしか上昇しない。高純度のPOを得るため一次分別処理
で回収したPOの二次分別処理を行う。二次分別処理は、
先ず下方回収口9で回収したPOを混合槽30に供給す
る。混合槽30内部の水とPO高濃度プラスチック(純度
約85%)を循環ポンプ31の駆動により液体サイクロ
ン20に供給する。液体サイクロン20でPO高濃度のプ
ラスチックを二次分別して更に高純度のPOを下方回収口
21から回収する。一方挿入管22から回収したPPとPO
を含むプラスチックは、配管23を通り混合槽32に供
給される。液体サイクロン20の処理で挿入管22から
回収する比較的PO純度の高いプラスチックを混合槽32
に戻すことで、POの系外への排出量を抑制すると共に、
混合槽32内部での混合プラスチックのPO濃度が高ま
り、二次分別処理を施すことにより、液体サイクロン2
0の下方回収口21から高純度、高回収率のPOが得られ
る。
【0026】液体サイクロン1による一次分別と液体サ
イクロン20による二次分別の効果を次に説明する。図
4は、液体サイクロン1の下方回収口9から得られたPO
高濃度プラスチック(純度約85%)を、液体サイクロ
ン20により二次分別して得たPOの純度を液体サイクロ
ン20に供給された水量に対応させて表わしている。純
度とは、回収したプラスチックの質を示す。液体サイク
ロン20に供給する水の流量を調整することでPO純度を
99%以上に濃縮できる事が確認された。この結果、液
体サイクロンの2段処理方式を用い、比重の異なる2種
類の混合プラスチックから、高純度のプラスチックを回
収できる事が明確になった。
【0027】次に図5を用いて、本発明の第3の実施例
を説明する。本実施例には第2の実施例と同様のPOとPP
の低比重差混合プラスチックを用い、低比重差混合物の
POとPPの双方共に高純度、高回収率を行う2段処理分別
システムを説明する。本実施例の2段処理分別システム
を図5に示す。
【0028】図5に示す2段処理分別システムが図3に
示す第2の実施例と異なるのは、図3に示す2段処理分
別システムに加え、液体サイクロン1の挿入管8の上端
に接続して配置され挿入管8から得られたPP高濃度プラ
スチック回収物を比重液である水に混合させる混合槽3
4と、混合槽34に吸込側を接続して配置され混合槽3
4の水とPP高濃度プラスチックを搬送する循環ポンプ3
5と、循環ポンプ35の吐出側に供給部を接続して配置
されPP高濃度のプラスチックを二次分別する液体サイク
ロン25と、液体サイクロン25の下方回収口26と混
合槽32を接続し下方回収口26より回収したプラスチ
ックを混合槽32に供給する配管28と、が設けられて
いることである。液体サイクロン25は液体サイクロン
1と同様に構成され、比重液よりも比重が小さい複数種
類のプラスチック混合物を分別して、その内の比重の大
きいものを挿入管27から上方に回収し、その内の比重
の小さいものを下方回収口26から下方に回収するよう
になっている。。
【0029】上記構成の装置の動作を次に説明する。ま
ず、POとPPの混合プラスチックが混合槽32に供給さ
れ、供給されたPOとPPの混合プラスチックが、循環ポン
プ33の駆動で水と共に液体サイクロン1に供給されて
一次分別される。一次分別によって、挿入管8より回収
されるPP高濃度のプラスチックは混合槽34に供給さ
れ、循環ポンプ35の駆動でPP高濃度のプラスチックと
水が液体サイクロン25に供給されてPP高濃度のプラス
チックの二次分別が行われる。
【0030】液体サイクロン25は、液体サイクロン1
と同様にPPを挿入管27から回収する。一方、PPよりも
比重の小さい残りの混合物は下方回収口26から回収さ
れて、配管28を通り混合槽32に供給される。また、
1次分別により液体サイクロン1の下方回収口9から回
収されたPO高濃度のプラスチックは、第2の実施例と同
様に液体サイクロン20で二次分別を行い、POを下方回
収口21から回収し、挿入管22から回収されるプラス
チックは配管23を通り混合槽32に供給される。1次
分別で処理したPOとPP高濃度の各々のプラスチックに二
次分別処理を施すことで回収するプラスチックは高純度
となる。また、二次分別処理で回収した低濃度のプラス
チックを更に一次分別処理を受けるプラスチックに合流
させることで、二次分別時に液体サイクロン20の下方
回収口21及び液体サイクロン25の挿入管27から回
収するプラスチックの回収率は高くなる。
【0031】次に、図6を用いて第4の実施例を説明す
る。本実施例は、比重液よりも重い物と比重液よりも軽
いPOとPPのプラスチックで構成する混合プラスチックを
分別回収する3種分別システムで、本実施例では比重液
より重いプラスチックに比重1.25〜1.38の塩化
ビニル(PVC)を用い、PVCとPPとPOの混合プラスチック
を分別対象とする。また、物体の比重差を利用して比重
液よりも大きい物と小さい物の2種に分別する比重選別
装置には、従来式の液体サイクロン40を用いた。液体
サイクロン40は円筒と円錐を組合わせた胴部と胴内部
に配置された円筒状の挿入管41を含んで構成されてお
り、下方回収口42から比重液よりも比重の大きい物
を、挿入管41から比重液よりも比重の小さい物を回収
する一般的な液体サイクロンである。本分別システム
は、液体サイクロン40と、液体サイクロン40の挿入
管41の出側に混合槽32を接続して配置された第1〜
3の実施例のいずれかである低比重混合物の分別システ
ム50で構成する。なお、図1に示す第1の実施例で
は、混合槽32及び循環ポンプ33は図示を省略されて
いる上記構成の装置において、PVC,PP,POの混合プラ
スチックを水とともに液体サイクロン40に供給する
と、比重の大きなPVCが下方回収口42から回収され、
他のプラスチックから分離される。液体サイクロン40
の挿入管41から回収されたプラスチックは比重液より
も比重の小さい物同士を分別する低比重混合物の分別シ
ステム50にて分別処理され、POとPPが分別される。本
システムによれば、比重の異なる3種類のプラスチック
分別が可能である。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば比重
液よりも比重の小さい複数種類の材質の混合物を比重差
で分別することができ、リサイクルできるプラスチック
の範囲が広くなる。比重1.0以下のプラスチックの混
合物の分離において、特殊な比重液を用いることなく水
による分別が可能であるため、プラスチック分別システ
ムの管理が容易となり、排水処理設備が小規模ですむの
で、分別システムが簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である低比重混合物用液
体サイクロンの断面図である。
【図2】図1に示す実施例によるPOとPPの分別結果の例
を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例の2段処理分別システム
の構成を示す系統図である。
【図4】図3に示す実施例によるPOの二次分別処理結果
の例を示すグラフである。
【図5】本発明の第3の実施例の2段処理分別システム
の構成を示す系統図である。
【図6】本発明の第4の実施例である3種類分別システ
ムの構成を示す系統図である。
【符号の説明】
1 液体サイクロン 2 供給部 3 円筒 4 円錐 5 水平部 6 円錐台 7 胴 8 挿入管 9 下方回収口 10 下降旋回流 11 上昇旋回流 12 気柱 20 液体サイクロン 21 下方回収口 22 挿入管 23 配管 25 液体サイクロン 26 下方回収口 27 挿入管 28 配管 30 混合槽 31 循環ポンプ 32 混合槽 33 循環ポンプ 34 混合槽 35 循環ポンプ 40 液体サイクロン 41 挿入管 42 下方回収口 50 低比重差用プラスチック分別システム
フロントページの続き (72)発明者 高村 義之 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 長谷川 勉 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内機電事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重液よりも比重が小さい複数種類の物
    体で構成した低比重混合物を2種類に分別する液体サイ
    クロンであって、液体サイクロンの下部に設けた下方回
    収口から混合物の中で比重の小さい物、液体サイクロン
    の上部に設けた上方回収口から比重の大きい物を回収す
    る比重選別装置。
  2. 【請求項2】 比重液よりも比重が小さい複数種類の物
    体で構成した低比重混合物を2種類に分別する液体サイ
    クロンにおいて、円筒とその下部に結合された逆円錐台
    からなる胴部と該胴内側に設けた円筒の挿入管と混合物
    を胴内部に供給する供給部と胴下部の下方回収口から構
    成され、下方回収口から混合物の中で比重の小さい物、
    挿入管から比重の大きい物を回収する比重選別装置。
  3. 【請求項3】 軸線をほぼ鉛直にして配置され上端が塞
    がれた円筒部とこの円筒部の下端に大径端を同心状に結
    合し小径端を下にした円錐台部を組合わせた胴と、胴内
    部に前記円筒部と同心状に配置され上端を円筒部の上端
    面より上方に突出させ下端を胴内部で開口させた円筒状
    の挿入管と、前記円筒部の上部外周に接線状に接続され
    比重の異なる材質の物体の混合物を比重液とともに胴内
    部に供給する供給部と、前記円錐台部の小径端を塞ぐよ
    うに配置されて胴底面をなす水平部と、この水平部に形
    成された開口に接続されて下方に延びる管状の下方回収
    口と、を含んで構成され、下方回収口の内径は水平部の
    径よりも小さくしてあり、供給される比重液の流量を調
    整可能としてある比重選別装置。
  4. 【請求項4】 比重液よりも比重が小さい複数種類の物
    体で構成した低比重混合物を一次分別処理する請求項1
    〜3のいずれかに記載の比重選別装置と、該比重選別装
    置の下方回収口または挿入管から回収した物体を二次分
    別処理する請求項1〜3のいずれかに記載の比重選別装
    置と、二次分別処理で回収した低純度の回収物を再度一
    次分別処理に戻す手段と、を含んでなる比重選別装置。
  5. 【請求項5】 比重液よりも比重が小さい複数種類の物
    体で構成した低比重混合物を一次分別処理する請求項1
    〜3のいずれかに記載の比重選別装置と、該比重選別装
    置の下方回収口及び挿入管から回収した物体をそれぞれ
    別々に二次分別処理する請求項1〜3のいずれかに記載
    の少なくとも2基の比重選別装置と、二次分別処理で回
    収した低純度の回収物を再度一次分別処理に戻す手段
    と、を含んでなる比重選別装置。
  6. 【請求項6】 比重液よりも比重が大きい物体と比重液
    よりも比重が小さい複数種類の物体で構成した混合物
    を、比重液よりも比重が大きい物と比重液よりも比重が
    小さいものに分け、比重液よりも比重が小さいものを比
    重の大小によりさらに二つに分ける比重選別装置におい
    て、比重液よりも比重が大きい物と比重液よりも比重が
    小さい物の2種類に分別する比重選別装置と、該比重選
    別装置で分別された比重液よりも比重が小さい複数種類
    の物体で構成した混合物を分別対象とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の比重選別装置または請求項4,5の
    いずれかに記載の比重選別装置とで構成したことを特徴
    とする比重選別装置。
JP29985997A 1997-10-31 1997-10-31 比重選別装置 Withdrawn JPH11128767A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101118302B1 (ko) 2004-12-29 2012-03-20 주식회사 포스코 분환원철 분급 장치, 이를 구비한 용철제조장치 및용철제조방법
JP2022002833A (ja) * 2020-06-23 2022-01-11 エコメビウス株式会社 廃棄物の選別方法、リサイクル材料の製造方法及びその処理装置

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