JPH1111980A - 透明導電性ガラス基板およびその製造方法 - Google Patents

透明導電性ガラス基板およびその製造方法

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JPH1111980A
JPH1111980A JP9171770A JP17177097A JPH1111980A JP H1111980 A JPH1111980 A JP H1111980A JP 9171770 A JP9171770 A JP 9171770A JP 17177097 A JP17177097 A JP 17177097A JP H1111980 A JPH1111980 A JP H1111980A
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transparent conductive
glass
conductive film
tin oxide
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JP9171770A
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Tetsuo Takehara
徹雄 竹原
Kunihiko Adachi
邦彦 安達
Kazuo Sato
一夫 佐藤
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Asahi Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/22Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with other inorganic material
    • C03C17/23Oxides
    • C03C17/245Oxides by deposition from the vapour phase
    • C03C17/2453Coating containing SnO2
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2218/00Methods for coating glass
    • C03C2218/30Aspects of methods for coating glass not covered above
    • C03C2218/365Coating different sides of a glass substrate

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Abstract

(57)【要約】 【課題】入射光を直接反射光として射出することがな
く、かつ均一な微細構造の透明導電膜を有する透明導電
性ガラス基板、および該透明導電性ガラス基板の製造方
法の提供。 【解決手段】外表面に反射防止処理を施したガラス基材
と、該ガラス基材の内表面に形成された、酸化すずを主
成分とする透明導電性皮膜とを有し、透明導電性被膜の
表面が、粒径0.1〜1μmの粒子によって構成されて
いる透明導電性ガラス基板、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電性ガラス基
板およびその製造方法に関し、特に、入射光を直接反射
光として射出することがなく、かつ均一な微細構造の透
明導電性皮膜を有し、太陽電池用ガラス基板等に好適な
透明導電性ガラス基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池のカバーガラスとして平
板ガラスが使用されている。この従来の太陽電池におい
ては、入射する太陽光が、カバーガラスの鏡面効果によ
り電池外部の環境に直射反射光として射出される(反射
公害)という問題があった。この問題を解決するために
は、カバーガラスの入射面に反射防止処理(いわゆる防
眩処理)を施すことが必要となる。そこで、各種の反射
防止処理を施したガラスを用いることが知られている。
中でも、入射する太陽光の反射を防止するとともに、入
射する太陽光を十分に透過して良好な電池性能を得るた
めに、鉄の含有率が0.05wt%以下の高い光線透過率
を示すガラス組成からなり、太陽光が入射する側の表面
に凹凸を有する型板ガラスを、太陽電池用カバーガラス
として使用することが知られている。
【0003】一方、太陽電池として、アモルファスシリ
コン等からなる薄膜を、薄膜側に酸化すずを主成分とす
る透明導電性皮膜(以下、「酸化すず透明導電性皮膜」
という)を有する平板状のガラス基板と、アルミニウム
等からなる金属電極層とで挟んだ構造のものが提案され
ている。(例えば、特開昭58−57756号公報)。
また、この酸化すず透明導電性皮膜として、常圧CVD
法を用いることにより、基板の表面に良好な特性を有す
るものが形成できることも知られている(例えば、応用
物理、1972年、第41巻、第2号、134ペー
ジ)。
【0004】しかし、従来の酸化すずを主成分とする透
明導電性皮膜は、平滑な表面に形成されるものであり、
型板ガラスのように表面に凹凸を有するガラスに酸化す
ず透明導電性皮膜を形成することは、従来、行われてい
なかった。これは、一面に凹凸を有し、他面が平滑であ
る型板ガラスにおいて、平滑な面に酸化すず透明導電性
皮膜を形成した場合でも、導電性をはじめとした膜の特
性、特に、太陽電池基板として用いた場合に電池性能に
重大な影響を与える表面の微細構造について、良好な均
一性を有する膜が得られないことに起因する。したがっ
て、外表面に凹凸を持つ型板ガラスを太陽電池用導電基
板に採用すれば、太陽電池に入射した太陽光が鏡面効果
により電池外部の環境に直射反射光として射出される問
題を回避でき、しかもカバーガラス等を省略できる利点
があるにもかかわらず、型板を基板にすると良好な酸化
すず透明導電性皮膜ができなかった。そのため、アモル
ファスシリコン等の薄膜系太陽電池のガラス基板として
は、通常の平板ガラスを使用し、さらに別にカバーガラ
スを使用せざるを得ないという問題点が存在していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来技術の前記の欠点を解消し、入射光を直接反射
光として射出することがなく、かつ均一な微細構造の透
明導電性皮膜を有する透明導電性ガラス基板およびその
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、外表面に反射防止処理を施したガラス基
材と、該ガラス基材の内表面に形成された、酸化すずを
主成分とする透明導電性皮膜とを有し、透明導電性被膜
の表面が、粒径0.1〜1μmの粒子によって構成され
ている透明導電性ガラス基板を提供するものである。
【0007】また、本発明は、前記透明導電性ガラス基
板を製造する方法として、ガラス基材の外表面に反射防
止処理を施す工程と、ガラス基材の内表面に酸化すずを
主成分とし、表面が粒径0.1〜1μmの粒子によって
構成されている透明導電性皮膜を形成する工程とを有す
る透明導電性ガラス基板の製造方法を提供するものであ
る。
【0008】以下、本発明の透明導電性ガラス基板(以
下、「本発明のガラス基板」という)およびその製造方
法について、詳細に説明する。
【0009】本発明のガラス基板は、基本的にガラス基
材と、該ガラス基材の内表面に形成された透明導電性皮
膜とを有するものである。本発明のガラス基板におい
て、外表面とは、光が入射する側の面であり、内表面と
は、光が出射する側の面である。例えば、太陽電池用ガ
ラス基板においては、外表面とは光が入射する側の面で
あり、内表面とは太陽電池が形成される側の面である。
【0010】本発明のガラス基板において、ガラス基材
を形成するガラス素地としては、通常のソーダライムガ
ラス組成からなるガラス、鉄含有量を低減させた白板ガ
ラス組成のガラス、ソーダ含有量を低減させた耐熱ガラ
ス組成のガラス、ホウ珪酸ガラス等の各種の素地が使用
できる。特に、本発明のガラス基板が、太陽電池用ガラ
ス基板のように、可視光の吸収を低減させ、高い可視光
線透過率を有することが求められる場合には、鉄の含有
率が酸化鉄量として0.05wt%以下、好ましくは0
〜0.01wt%であるガラス素地からなるものが、1
〜2μmの長波長域での透過率を向上させることができ
るため、好適である。また、鉄含有率が0wt%の素地
としてホウ珪酸ガラスを使用してもよい。具体的には、
可視光線透過率が、ソーダライムガラスよりも高く、特
に、可視光線透過率が85%以上、さらに可視光線透過
率が88〜92%であるガラス素地を用いることが好ま
しい。
【0011】また、本発明のガラス基板において、ガラ
ス基材の外表面に施される反射防止処理は、特に制限さ
れず、例えば、ガラス基材の製造時にロール成形によっ
て型板処理を施し、外表面に連続的に凹凸を形成する処
理、コーティングにより反射防止膜を外表面に形成する
処理等の処理が挙げられる。これらの反射防止処理は、
本発明のガラス基板の用途等に応じて適宜選択される。
本発明のガラス基板において、この反射防止処理によっ
て、入射する光が外表面によって直射反射光として射出
されることを防止することができる。例えば、住宅密集
地等に太陽電池を設置する場合、光入射側のガラス基板
には、入射した太陽光が散乱され電池外部の環境に直接
反射光として射出される(反射公害)ことを防止する機
能が求められる。また、薄膜太陽電池のように、ガラス
基板に直接太陽電池層を形成する形式の太陽電池の場合
には、太陽電池を形成する基板の光入射側の表面に反射
防止処理が施されている必要がある。そこで、外表面に
ロール成形による反射防止処理を施した本発明のガラス
基板を光入射側の基板に用いれば、入射する太陽光が散
乱され、屋外で使用可能な耐久性を有し、しかも低コス
トで所要の効果を実現できるため、好ましい。型板処理
によって反射防止処理を施す場合、型板処理によってガ
ラス基材の外表面に形成される凹凸は、凸部の高さが
0.1〜2mm程度であり、隣接する凸部の間隔が0.
1〜3mm程度であることが好ましい。また、凸部の頂
点が球状ないし湾曲状に形成されていると、頂点の破損
または本発明のガラス基板を太陽電池用ガラス基板等と
して施工するに際して施工作業者の身体または器具、あ
るいは周囲設備等に頂点が接触した場合の安全確保の点
から好ましい。
【0012】また、本発明のガラス基板において、型板
処理を施した外表面上にさらに他の反射防止処理を施し
てもよい。他の反射防止処理としては、外表面にコーテ
ィング等により、ガラス基板よりも屈折率の低い材料か
らなる皮膜を形成する方法、外表面の表面層をエッチン
グ等により粗面化することにより、見掛けの屈折率がガ
ラス基板よりも低い層を形成する方法、外表面に多孔質
の薄膜を形成することにより、屈折率がガラス基板より
も低い薄膜が形成された場合と同等の効果を発現させる
方法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法等が挙
げられる。このように、型板処理を施した外表面に、さ
らに他の反射防止処理を施すことにより、ガラス基板に
入射した光が光入射側(外表面)から直接反射光として
射出されることを、さらに低減させることができる。
【0013】本発明のガラス基板は、太陽電地用ガラス
基板に限らず、各種の用途に適用が可能である。特に、
表面への型形成による反射防止処理を前提とした場合、
例えば、電磁波遮蔽用ガラス、静電気帯電防止用ガラス
等の用途が考えられる。また、冷蔵庫等の扉の透明ヒー
ター(防曇ガラス)に使用すれば、型模様により内部を
明瞭には視認できないようにする効果も得ることができ
る。
【0014】本発明のガラス基板において、ガラス基材
の内表面に形成される透明導電性皮膜は、酸化すずを主
成分とするものであり、酸化すずの含有量が80%以
上、好ましくは95%以上であるものである。また、こ
の透明導電性皮膜は、酸化すず以外に、インジウム、ア
ンチモン、亜鉛、カドミウム、ひ素、リン、フッ素、塩
素等を含有していてもよい。
【0015】本発明のガラス基板における透明導電性皮
膜の表面は、粒径が0.1〜1.0μmの粒子で構成さ
れる。反射防止処理、特に型板処理による反射防止処理
が施されたガラス基材において、反射防止処理が施され
た面(外表面)とは反対側の面(内表面)に透明導電性
皮膜を形成する場合、反射防止処理によってガラス基材
の温度分布が影響を受ける。そのため、透明導電性皮膜
の作成方法によっては、粒径が0.3μm程度の粒子か
らなる高温膜部分と、粒径が0.01〜0.06μm程
度の粒子からなる低温膜部分とが形成され、結果として
均一な微細構造の皮膜が得られない場合がある。本発明
の目的を達成するためには、透明導電性皮膜の表面が、
粒径0.1〜1.0μmの粒子で構成された均一な微細
構造を有することが重要である。
【0016】この透明導電性皮膜の厚さは、通常、20
00〜15000オングストローム程度であり、太陽電
池用ガラス基板として用いる場合には、導電性と表面形
状の点で、好ましくは6000〜12000オングスト
ロームである。また、透明ヒーター等の防曇ガラスの用
途に対しては、1000〜4000オングストロームの
膜厚が好ましい。さらに、静電気帯電防止用ガラスに用
いる場合には、50〜1000オングストロームの膜厚
が好ましい。さらにまた、50〜500オングストロー
ムの膜厚の場合には、反射防止処理により外表面の表面
形状を適切に形成することにより、入力タッチパネルの
用途にも適用可能である。
【0017】また、この透明導電性皮膜の形成は、例え
ば、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、
電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着法、イオンプレーティ
ング法、透明導電性皮膜の成分を含む溶液をスプレー塗
布するスプレー法、透明導電性皮膜の成分を含む溶液に
浸漬する浸漬法等の酸化すずを主成分とする薄膜をガラ
ス基材の表面に形成できる方法であれば、いずれの方法
にしたがって行ってもよく、特に制限されない。特に、
熔解槽から引き出された平板状のガラス成形体に型ロー
ルによって型板処理を行い、外表面に反射防止処理を施
したガラス基材を製造した後、続いて、徐冷炉の所定の
箇所に配設したCVD装置によって、常圧CVD法によ
り、ガラス基材の内表面に酸化すずを蒸着して透明導電
性皮膜を形成する工程によれば、連続的かつ効率よく本
発明のガラス基板を製造することができる。
【0018】また、本発明のガラス基板は、透明導電性
皮膜以外に、必要に応じて、酸化珪素等からなる下地処
理層または酸化亜鉛その他からなる表面保護層を有して
いてもよい。
【0019】以下、本発明のガラス基板の具体的態様で
ある太陽電池用ガラス基板を例にとり、図1〜3に基づ
いて本発明のガラス基板について説明する。
【0020】図1に示す太陽電池用ガラス基板は、ガラ
ス基材1の外表面2に反射防止処理として型板処理が施
され、ガラス基材1の内表面3に、透明導電性皮膜4が
形成されてなるものである。この太陽電池用ガラス基板
において、ガラス基材1は、鉄含有量が酸化鉄として
0.05wt%以下のガラス、あるいはホウ珪酸ガラス
からなり、可視光線透過率が85%以上であるものであ
る。また、ガラス基材1の外表面2は、太陽光が入射す
る側に配設され、型板処理により形成された凹凸に基づ
く光散乱効果によって、太陽光の直射反射による反射公
害を防止することができる。この太陽電池用ガラス基板
において、内表面3の透明導電性皮膜4の上には、アモ
ルファスシリコン層およびアルミニウム等からなる電極
層が配設され、太陽電池が構成される。
【0021】この太陽電池用ガラス基板の製造は、図2
に示すとおり、熔解槽21の出口22から、加熱熔解状
態のガラス原料23を、平滑面を有する上部ロール24
aと、所定の型板形状に対応した凹凸面を有する下部ロ
ール24bとからなる型ロールによって平板状に引き出
すとともに、下部ロール24bによって、太陽電池用ガ
ラス基板の外表面となる下面25bに型板処理を施した
ガラス基材26を形成する。通常、このガラス基材26
は、搬送ローラー27により徐冷炉28に導入され、徐
冷されて型板ガラスとなる。この型板ガラスをメッシュ
ベルトを配設した常圧CVD装置に導入し、内表面とな
る上面25aの上に酸化すずを主成分とする透明導電性
皮膜を形成することにより、太陽電池用ガラス基板を製
造することができる。また、徐冷炉28の内部にCVD
装置を配設すれば、ガラス成形と連続させて酸化すずを
主成分とする透明導電性皮膜を内表面となる上面25a
の上に形成することも可能である。
【0022】透明導電性皮膜の形成に用いられる常圧C
VD装置は、図3に示すとおり、炉体31の外側に上下
一対に配設された上部電気ヒーター32aおよび下部電
気ヒーター32bを用い、メッシュを有する搬送ベルト
33によって搬送されるガラス基材34を加熱するとと
もに、インジェクタ35から酸化すずを主成分とする透
明導電性皮膜を形成するための原料ガス、例えば、Sn
Cl4 を主成分とし、これにH2 O、SbCl5 、H
F、メタノール等を添加したガスをガラス基材34に吹
き付けることにより、酸化すずを主成分とする透明導電
性皮膜をガラス基材34の内表面に形成することができ
る。インジェクタ35としては、例えば、特開昭57−
104659号公報等に記載されているものを用いるこ
とができる。透明導電性皮膜を形成するための常圧CV
D装置は、徐冷炉の内部に設置することも可能であり、
例えば、図2に示す装置において、徐冷炉28の入口か
ら1〜3mの位置に配設すると、透明導電性皮膜の成膜
に必要な温度を容易に確保することができ、設備の設計
上も装置の強度保持が容易である点で、好ましい。
【0023】この常圧CVD装置において、上部電気ヒ
ーター32aによってガラス基材34の上面に供給され
る熱量と、下部電気ヒーター32bによってガラス基材
の下面に供給される熱量とを、それぞれ調整することに
より、均一な微細構造を有する透明導電性皮膜を、ガラ
ス基材の内表面となる上面の上に形成することができ
る。この常圧CVD装置において、上部電気ヒーターか
らガラス基材の平滑な上面に供給される伝熱は均一であ
る。これに対して、ガラス基材の下面においては、型板
処理によって形成された凹凸がメッシュを有する搬送ベ
ルトと接触しているため、下部電気ヒーターからガラス
基材に、搬送ベルトを介して供給される伝熱が、不均一
である。そのため、上部電気ヒータから供給される熱量
と、下部電気ヒータから供給される熱量を調整して、ガ
ラス基材を均一に加熱することが、内表面となる上面に
均一な微細構造を有する透明導電性皮膜を形成するため
に重要である。通常、上部電気ヒーター32aによる加
熱量と下部電気ヒーター32bによる加熱量の割合は、
上部電気ヒーターの所要電力量(H1 )の下部電気ヒー
ターの所要電力量(H2 )に対する割合(H1 /H2
で0〜40%の範囲、好ましくは0〜35%の範囲に調
整するのが、望ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例に基づい
て、本発明をより具体的に説明する。
【0025】(実施例1〜3、比較例1および2)図2
に示される徐冷炉中に設けられた、図3の常圧CVD装
置において、型板処理が施されたガラス基材に対して、
560〜580℃の温度で、インジェクタから原料ガス
(SnCl4 、H2 O、メタノール、HF)を吹き付け
て、酸化すずを主成分とする透明導電性皮膜を有する透
明導電性ガラス基板を製造した。このとき、常圧CVD
装置における上下面のヒーター容量を、表1に示すよう
に変化させることにより、上下面からガラス基板に供給
される熱量を変化させて、透明導電性ガラス基板を製造
し、形成された酸化すずからなる透明導電性皮膜の微細
な構造を観察した。同時に、このガラス基板の透明導電
性皮膜の上に、モノシランを原料とするプラズマCVD
法によって、膜厚5000オングストロームの非晶質S
iの皮膜を形成し、さらに、このSi皮膜の上にスパッ
タリング法によって厚さ3000オングストロームのア
ルミニウム層を形成して、模擬的な太陽電池を作成し
た。この太陽電池について、型板処理が施された側から
入射角度5度の光源を用いて、正反射角度5度を中心と
した反射光の角度依存性を測定した。結果を表1に示
す。
【0026】(比較例3および4)型板処理を施してい
ない平板ガラスをガラス基材として使用した以外は、実
施例1と同様にして、酸化すずからなる透明導電性皮膜
を形成し、透明導電性ガラス基板を製造した。得られた
透明導電性ガラス基板および該基板を用いた太陽電池に
ついて、実施例1と同様に、透明導電性皮膜の微細な構
造を観察し、および太陽電池における反射光の角度依存
性を測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】注(*1)表面を顕微鏡で観察した時に観
察できる主要な粒子の大きさ (*2)正反射角度での可視光線反射率 (*3)正反射角度5度を0度として、そこから±10
度ずらした角度での可視光線反射率の平均値 (*4)正反射角度5度を0度として、そこから±20
度ずらした角度での可視光線反射率の平均値 (*5)型板形状に対応して表面構造が変化している
【0029】表1に示す実施例および比較例の結果か
ら、型板ガラスのように、メッシュを有する搬送ベルト
との接触が不均一なガラスを均一に加熱して、均一な透
明導電性皮膜を形成するためには、メッシュを有する搬
送ベルトからの伝熱量、すなわち下部電気ヒーターから
の熱量に対して、炉壁からの伝熱量、すなわち、上部電
気ヒーターからの熱量を極端に増加する必要があった。
したがって、これらの結果から、常圧CVD法を用いて
型板ガラスからなるガラス基板上に均一性の良好な酸化
すず膜を形成するためには、以下の事項が推測される。 (1) 基板温度の均一性確保が重要であること (2) ガラスの加熱はメッシュベルトから伝達される熱と
加熱炉の炉壁から輻射(または対流) による熱により行
われること (3) メッシュベルトからの熱伝達はベルトとガラスの接
触状態に大きく依存すること (4) 接触伝熱による加熱が不均一な場合には、ガラスを
輻射( または対流) により加熱する必要があること これらの結果から、本発明のガラス基板を型板製造設備
における徐冷炉内で製造する場合には、ガラス基材の上
(内表面)が高温に、下面(外表面)が低温となるよう
に徐冷炉内部の温度を調整する必要があることが分か
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の透明導電性ガラス基板は、入射
光を直接反射光として射出することがないものである。
また、均一な微細構造の透明導電性皮膜を有するもので
あるため、電気的性能の均一性においても優れた特性を
有するものである。そのため、本発明の透明導電性ガラ
ス基板は、太陽電池用ガラス基板として好適なものであ
り、さらに、透明導電ガラスを使用する各種の用途、製
品に好ましく適用することが可能である。さらに、従来
平板が使用されていた冷蔵庫窓や液晶遮光窓に、反射防
止処理として型板処理を施した本発明の透明導電性ガラ
ス基板を適用すれば、型板ガラスの形状効果が加味され
るので意匠面からも好適な製品を製造することが可能で
ある。さらにまた、酸化すずを主成分とする透明導電性
皮膜が本質的に保有する低輻射効果を利用することによ
り、本発明の透明導電性ガラス基板を型板の好適な意匠
効果を有する低輻射(Low−E)ガラス窓として使用
することが可能である。
【0031】また、本発明の透明導電性ガラス基板を用
いて構成された太陽電池は、入射光を直射反射光として
射出することがなく、光反射による環境上の問題の防止
に有効であるとともに、高い光透過率を有し、しかも、
均一な微細構造の透明導電性皮膜を有するため、高い発
電効率を得ることができる。また、透明導電性皮膜上に
直接、アモルファスシリコン等からなる薄膜を形成して
太陽電池を構成することができるため、従来、外表面ま
たは透明導電性皮膜の外側に配設していた樹脂層等が不
要となる。これによって、太陽電池としての全体的な発
電効率の向上を図ることができ、太陽電池の製造コスト
の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性ガラス基板の好適態様であ
る太陽電池用ガラス基板の構造例を説明する模式断面
図。
【図2】本発明の透明導電性ガラス基板の好適態様であ
る太陽電池用ガラス基板の製造工程例を説明する図。
【図3】本発明の透明導電性ガラス基板の好適態様であ
る太陽電池用ガラス基板の酸化すず透明導電性皮膜を形
成するために用いられる常圧CVD装置の模式断面図。
【符号の説明】
1 ガラス基材 2 外表面 3 内表面 4 透明導電性皮膜 21 熔解槽 22 出口 23 ガラス原料 24a 上部ロール 24b 下部ロール 25a 上面 25b 下面 26 ガラス基材 27 搬送ローラー 28 徐冷炉 31 炉体 32a 上部電気ヒーター 32b 下部電気ヒーター 33 搬送ベルト 34 ガラス基材 35 インジェクタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外表面に反射防止処理を施したガラス基材
    と、該ガラス基材の内表面に形成された、酸化すずを主
    成分とする透明導電性皮膜とを有し、透明導電性被膜の
    表面が、粒径0.1〜1μmの粒子によって構成されて
    いる透明導電性ガラス基板。
  2. 【請求項2】前記反射防止処理が、ロール成形によるガ
    ラス基材表面への型形成処理である請求項1に記載の透
    明導電性ガラス基板。
  3. 【請求項3】前記ガラス基材が、酸化鉄の含有率が0.
    05wt%以下のガラスまたはホウ珪酸ガラスであって、
    ソーダライムガラスよりも高い可視光線透過率を有する
    ものである請求項1または2に記載の透明導電性ガラス
    基板。
  4. 【請求項4】前記透明導電性皮膜が、常圧CVD法によ
    り酸化すずを蒸着させて形成されたものである請求項1
    〜3のいずれかに記載の透明導電性ガラス基板。
  5. 【請求項5】ガラス基材の可視光線透過率が85%以上
    である請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性ガラ
    ス基板。
  6. 【請求項6】ガラス基材の外表面に反射防止処理を施す
    工程と、ガラス基材の内表面に酸化すずを主成分とし、
    表面が粒径0.1〜1μmの粒子によって構成されてい
    る透明導電性皮膜を形成する工程とを有する透明導電性
    ガラス基板の製造方法。
  7. 【請求項7】熔解槽から加熱溶融状態のガラス原料を平
    板状に引き出してガラス基材を成形し、該ガラス基材の
    外表面に型板処理を施した後、徐冷炉内においてガラス
    基材の内表面に酸化すずを主成分とし、表面が粒径0.
    1〜1μmの粒子によって構成されている透明導電性皮
    膜を形成する請求項6に記載の透明導電性ガラス基板の
    製造方法。
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