JPH11119015A - 光導波路型回折格子 - Google Patents

光導波路型回折格子

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JPH11119015A
JPH11119015A JP27904797A JP27904797A JPH11119015A JP H11119015 A JPH11119015 A JP H11119015A JP 27904797 A JP27904797 A JP 27904797A JP 27904797 A JP27904797 A JP 27904797A JP H11119015 A JPH11119015 A JP H11119015A
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JP
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mol
optical fiber
optical waveguide
diffraction grating
grating
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Application number
JP27904797A
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English (en)
Inventor
Tadashi Enomoto
正 榎本
Akira Urano
章 浦野
Shinji Ishikawa
真二 石川
Masashi Onishi
正志 大西
Masaichi Mobara
政一 茂原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間に亘る使用に依っても破断や断線が生
じることなく、経時変化が無く、温度変動に対する特性
変動が小さい光導波路型回折格子を提供する。 【解決手段】 光ファイバのコア領域は、45mol%の
SiO2、10mol%のGeO2、30mol%のB23およ
び15mol%のP25からなり、純粋なSiO2に対する
比屈折率差Δn+が+1.3%である。クラッド領域
は、1.2wt%のF元素が添加されたSiO2であり、
純粋なSiO2に対する比屈折率差Δn-が−0.35%
である。ブラッグ反射波長λBが1558nmであるグ
レーティングがコア領域に形成される。この光ファイバ
グレーティングのブラッグ反射波長の温度依存性は、
0.02nm/100℃である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路の光伝搬
領域の少なくとも一部に回折格子が形成された光導波路
型回折格子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路型回折格子は、例えば、光導波
路である光ファイバのコア領域の屈折率が光軸方向に沿
って所定周期で変化するグレーティングが形成されてな
るものであって、光フィルタ等として用いられる。光導
波路型回折格子が光フィルタとして用いられる場合、実
効的屈折率nおよびグレーティングピッチΛに対して、
【数1】 なる式で定義されるブラッグ反射波長λB及びその近傍
の波長の伝搬光は反射され、他の波長の伝搬光は透過す
る。
【0003】しかし、所定の特性を有する光導波路型回
折格子を設計・製造しても、その光導波路型回折格子が
使用される環境における温度に依っては、所期の特性を
発揮し得ないことがある。これは、温度変動に応じて光
ファイバが伸張または収縮してグレーティングピッチΛ
が変動し、また、温度変動に応じて実効的屈折率nが変
動し、これらにより、ブラッグ反射波長λBも変動する
からであると考えられる。そこで、この問題を解決すべ
く、環境温度が変動しても特性変動が小さい光導波路型
回折格子が提案されている。
【0004】例えば、T.E.Hammon et.al., 1st OECC Te
ch. Dig. 1996, 18C1-2 には、熱膨張率が互いに異なる
複数の部材を組み合わせた筐体に、光導波路型回折格子
である光ファイバグレーティングを、張力を印加した状
態で実装する技術が開示されている。この技術によれ
ば、温度変動に伴う光ファイバグレーティングの特性変
動を、筐体の上記複数の部材の収縮・伸張で打ち消すこ
とができるとしている。
【0005】また、T.Iwashiwa et.al., Electron Let
t., 33 (1997) pp.417-418 には、LCP(Liquid Crys
talline Polymer)を封入した筐体に、光導波路型回折
格子である光ファイバグレーティングを、張力を印加し
た状態で実装する技術が開示されている。この技術によ
れば、上記の同様の作用で、光ファイバグレーティング
の特性変動を低減することができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の何れも、光ファイバグレーティングの特性の温
度依存性を低減するために、光ファイバグレーティング
に張力を印加した状態で筐体に実装することから、以下
のような問題が生じる。すなわち、長期間に亘る使用に
より、光ファイバグレーティングの固定部の緩み等に起
因して、光ファイバグレーティングに印加した張力が緩
和され、これによりブラッグ反射波長λBがシフトし特
性が変動する可能性がある。また、長期間に亘って光フ
ァイバグレーティングに張力を印加することから、静疲
労に因る光ファイバの破断や断線が生じる可能性があ
る。
【0007】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、長期間に亘る使用に依っても破断や断
線が生じることなく、また、経時変化が無く、温度変動
に対する特性変動が小さい光導波路型回折格子を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路型
回折格子は、石英ガラスを主成分とする光導波路の光伝
搬領域の少なくとも一部に回折格子が形成された光導波
路型回折格子であって、P25,B23,K2O,Na2
O,BaO,CaO,Al23およびF元素のうち何れ
か1種以上が光伝搬領域の少なくとも一部に添加され、
光導波路の実効的屈折率の温度依存性の絶対値が5.0
×10-6/℃以下であることを特徴とする。この光導波
路型回折格子は、P25,B23,K2O,Na2O,B
aO,CaO,Al23およびF元素のうち何れか一種
以上が光伝搬領域の少なくとも一部に添加されて、光伝
搬領域の屈折率の温度依存性が低減され、光導波路の実
効的屈折率の温度依存性も低減されるので、環境温度が
変動しても、光導波路型回折格子の特性の変動は小さ
い。
【0009】また、P25およびB23の双方または何
れか一方が光伝搬領域の少なくとも一部に添加され、コ
ア領域内でのそれぞれの添加量の和の最大値が20mol
%以上であることを特徴とする。また、K2O,Na
2O,BaO,CaO,Al23およびF元素のうち何
れか1種以上が光伝搬領域の少なくとも一部に添加さ
れ、K2Oの添加量をa mol%とし、Na2Oの添加量を
b mol%とし、BaOの添加量をc mol%とし、CaO
の添加量をd mol%とし、Al23の添加量をe mol%
とし、F元素の添加量をf mol%としたときに、コア領
域内での5a+3b+2c+d+e+fの最大値が50
mol%以上であることを特徴とする。これら何れの場合
にも、光導波路型回折格子の実効的屈折率の温度依存性
は、5.0×10-6/℃以下まで好適に低減される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。また、以下では、光導波路型回折格子として、
光ファイバ(光導波路)のコア領域(光伝搬領域の一
部)にグレーティングが形成された回折格子である光フ
ァイバグレーティングについて説明するが、他の光導波
路型回折格子でも同様である。
【0011】先ず、実施形態の説明に先だって、本願発
明をするに到った知見について説明する。光ファイバグ
レーティングのブラッグ反射波長λBの温度依存性は、
(1)式を温度変数Tについて微分して、
【数2】 なる式で表される。ここで、αfは、光ファイバの線膨
張係数である。
【0012】通常の石英系の光ファイバでは、(2)式の
第1項であるdn/dTは、約1.4×10-5/℃であ
ると見積もられる。一方、線膨張係数αfは約4×10
-7/℃であり、実効的屈折率nは約1.4であるから、
(2)式の第2項であるn・αfは、約5.8×10-7/℃
である。したがって、上記(2)式は、第1項の方が第2
項より約24倍大きいので、
【数3】 で近似できる。この式より、光ファイバグレーティング
のブラッグ反射波長λBの温度依存性(dλB/dT)を
低減するには、光ファイバの実効的屈折率nの温度依存
性(dn/dT)を小さくすればよいことが判る。そし
て、その為には、光伝搬領域の組成を、屈折率の温度依
存性が小さくなるような材料で構成すればよい。
【0013】以上の観点から、石英系の光ファイバを構
成し得る各材料について屈折率の温度依存性を調べた。
その結果、SiO2(石英ガラス)の屈折率の温度依存
性は約+1.4×10-5/℃であり、GeO2(酸化ゲ
ルマニウム)の屈折率の温度依存性は約+2.0×10
-5/℃であり、P25(酸化リン)の屈折率の温度依存
性は約−1.7×10-5/℃であり、B23(酸化ボロ
ン)の屈折率の温度依存性は約−1.9×10-5/℃で
あった。上記の数値より、P25およびB23の添加量
の和を18mol%以上32mol%以下とすれば、屈折率の
温度依存性の絶対値が5%以下となるバルクガラスが得
られることが判る。
【0014】石英系の光ファイバは、SiO2を主成分
とするものであり、また、グレーティングを形成するた
めにGeO2が添加される。これらの材料それぞれの屈
折率の温度依存性は正値である。一方、P25およびB
23の材料それぞれの屈折率の温度依存性は負値であ
る。したがって、P25およびB23の双方または何れ
か一方を石英系の光ファイバの光伝搬領域に添加するこ
とにより、実効的屈折率nの温度依存性(dn/dT)
を低減することができる。必要な添加量は、光伝搬領域
内での加重平均で18mol%以上32mol%以下であり、
光ファイバの製造容易性を考慮すると、コア領域内での
最大値を20mol%以上とすることが好ましい。
【0015】また、その他にも、K2O(酸化カリウ
ム),Na2O(酸化ナトリウム),BaO(酸化バリ
ウム),CaO(酸化カルシウム),Al23(酸化ア
ルミニウム)およびF(フッ素)元素それぞれも、石英
系の光ファイバの光伝搬領域に添加されると、その光フ
ァイバの実効的屈折率nの温度依存性(dn/dT)を
低減する効果を有することが判った。すなわち、石英系
の光ファイバの主成分であるSiO2に上記の材料それ
ぞれを単位量(1mol%)だけ添加すると、その光ファ
イバの実効的屈折率nの温度依存性(dn/dT)は、
2O の場合には9.9×10-7/℃・mol%だけ低減さ
れ、Na2O の場合には6.1×10-7/℃・mol%だけ
低減され、BaOの場合には3.9×10-7/℃・mol%
だけ低減され、CaOの場合には2.1×10-7/℃・m
ol%だけ低減され、Al23の場合には1.6×10-7
/℃・mol%だけ低減され、F元素の場合には2.0×1
-7/℃・mol%だけ低減される。
【0016】上記の数値より、K2O,Na2O,Ba
O,CaO,Al23およびF元素のうち何れか1種以
上が光伝搬領域の少なくとも一部に添加され、K2Oの
添加量をa mol%とし、Na2Oの添加量をb mol%と
し、BaOの添加量をc mol%とし、CaOの添加量を
d mol%とし、Al23の添加量をe mol%とし、F元
素の添加量をf mol%としたときに、コア領域内での5
a+3b+2c+d+e+fが45 mol%以上であれ
ば、屈折率の温度依存性の絶対値が5%以下となるバル
クガラスが得られることが判る。光ファイバの光伝搬領
域において必要な添加量は、光伝搬領域内の加重平均で
45mol%以下であり、光ファイバの製造容易性を考慮
すると、コア領域内の5a+3b+2c+d+e+fの
最大値を50mol%以上とすることが好ましい。
【0017】本発明は、以上の考察および知見に基づい
てなされたものである。すなわち、光ファイバのコア領
域に添加すべき添加物の種類と量とを適切に調整するこ
とにより、光ファイバの実効的屈折率nの温度依存性
(dn/dT)を5.0×10-6/℃以下まで低減し
て、光ファイバグレーティングにおけるブラッグ反射波
長λBの温度依存性(dλB/dT)を低減するものであ
る。このようにすることにより、光ファイバグレーティ
ングのブラッグ反射波長λBの温度依存性(dλB/d
T)を、従来の場合と比較して約1/3以下とすること
ができ、使用環境温度が変動しても実用上問題が生じな
くなる。
【0018】その為に、P25,B23,K2O,Na2
O,BaO,CaO,Al23およびF元素のうち少な
くとも1種以上を光ファイバの光伝搬領域に適量添加し
て、光ファイバの実効的屈折率nの温度依存性(dn/
dT)の低減を達成する。すなわち、石英系の光ファイ
バの主成分であるSiO2およびグレーティング形成の
ためのGeO2の材料それぞれの屈折率の温度依存性が
正値であるのに対し、上記のP25以下の材料それぞれ
の屈折率の温度依存性が負値であることに基づいて、光
ファイバグレーティングの実効的屈折率nの温度依存性
(dn/dT)を5.0×10-6/℃以下まで低減す
る。
【0019】特に、光ファイバの光伝搬領域の少なくと
も一部にP25およびB23の双方または何れか一方を
添加し、コア領域内でのそれらの添加量の和の最大値を
20mol%以上とするのが好適である。また、K2O,N
2O,BaO,CaO,Al23およびF元素のうち
何れか1種以上を光伝搬領域の少なくとも一部に添加
し、K2Oの添加量をa mol%とし、Na2Oの添加量を
b mol%とし、BaOの添加量をc mol%とし、CaO
の添加量をd mol%とし、Al23の添加量をemol%
とし、F元素の添加量をf mol%としたときに、コア領
域内での5a+3b+2c+d+e+fの最大値を50
mol%以上とするのも好適である。これら何れの場合に
も、光ファイバグレーティングの実効的屈折率nの温度
依存性(dn/dT)を5.0×10-6/℃以下まで低
減することができる。
【0020】(第1の実施例)次に、第1の実施例につ
いて説明する。図1は、本実施例に係る光ファイバグレ
ーティングが形成される光ファイバの屈折率プロファイ
ル図である。この図は、光ファイバの光軸に垂直な方向
について屈折率のプロファイルを示したものである。光
ファイバの中心部にあるコア領域は、45mol%のSi
2、10mol%のGeO2、30mol%のB23および1
5mol%のP25からなり、純粋なSiO2に対する比屈
折率差Δn+が+1.3%である。コア領域の周囲にあ
るクラッド領域は、1.2wt%のF元素が添加されたS
iO2であり、純粋なSiO2に対する比屈折率差Δn-
が−0.35%である。コア領域の径2aは4μmであ
り、クラッド領域の径2bは125μmである。この光
ファイバは、カットオフ波長が1.35μmであり、波
長1.55μm帯においてシングルモード光ファイバで
ある。
【0021】このような光ファイバは、MCVD法によ
り作製され、150気圧下で2週間に亘り水素含浸処理
され、その後、位相格子法によりグレーティングが形成
された。図2は、位相格子法によるグレーティング形成
方法の説明図である。この図に示す光ファイバ10は、
図1で説明した構成のものであり、ここでは、光軸に垂
直な方向から見た図を示す。位相格子板20は、一方の
面に所定周期で凹凸が形成された透明平板であって、そ
の凹凸が形成された面が光ファイバ10に対面して配置
される。
【0022】所定波長の可干渉光(例えば、KrFエキ
シマレーザ光源から出射された波長248nmのレーザ
光)がこの位相格子板20に照射されて、光ファイバ1
0のコア領域11に干渉縞が形成される。GeO2が添
加されたコア領域11に干渉縞が形成されると、その干
渉縞による光エネルギ強度分布に応じた分布でGe欠陥
が発生し、このGe欠陥により屈折率上昇が起こり、こ
れによりコア領域11にグレーティングが形成される。
図2で、コア領域11中のハッチング部分は、屈折率が
他より大きい領域を示す。
【0023】図3は、以上のようにして製造された光フ
ァイバグレーティングの遮断特性図である。この遮断特
性は、温度20℃の下で、光ファイバグレーティングに
入射する伝搬光の光量に対する透過した伝搬光の光量
を、各波長毎に求めたものである。この図から判るよう
に、ブラッグ反射波長λBは1558nmである。
【0024】図4は、本実施例に係る光ファイバグレー
ティングのブラッグ反射波長λBの温度依存性(dλB
dT)を示す図である。光ファイバグレーティングを恒
温槽に入れ、温度0℃から温度80℃までの範囲でブラ
ッグ反射波長λBの温度依存性(dλB/dT)を調べ
た。この図で、黒丸は、本実施例に係る光ファイバグレ
ーティングの特性を示したものであり、白丸は、従来の
光ファイバグレーティングの特性を比較の為に示したも
のである。この従来の光ファイバグレーティングは、コ
ア領域にGeO2のみが添加され、コア領域の比屈折率
差Δn+が0.35%のものである。
【0025】この図から判るように、ブラッグ反射波長
λBの温度依存性(dλB/dT)は、従来の光ファイバ
グレーティングでは0.95nm/100℃であるのに
対して、本実施例に係る光ファイバグレーティングでは
0.02nm/100℃である。すなわち、本実施例に
係る光ファイバグレーティングのブラッグ反射波長λB
の温度依存性(dλB/dT)は、従来と比べて約2%
程度にまで低減されている。
【0026】(第2の実施例)次に、第2の実施例につ
いて説明する。図5は、本実施例に係る光ファイバグレ
ーティングが形成される光ファイバの屈折率プロファイ
ル図である。光ファイバの中心部にあるコア領域は、6
1mol%のSiO2、2mol%のGeO2、12mol%のB2
3および25mol%のP25からなる。また、コア領域
の周囲にあるクラッド領域は、87mol%のSiO2およ
び13mol%のP25からなる。クラッド領域に対する
コア領域の比屈折率差Δnは+0.6%であり、純粋な
SiO2に対するクラッド領域の比屈折率差は+1.0
%である。コア領域の径2aは7μmであり、クラッド
領域の径2bは125μmである。この光ファイバは、
カットオフ波長が1.4μmであり、波長1.55μm
帯においてシングルモード光ファイバである。
【0027】このような光ファイバは、第1の実施例と
同様に、MCVD法により作製され、150気圧下で2
週間に亘り水素含浸処理され、その後、図2で既に説明
した位相格子法によりグレーティングが形成された。
【0028】図6は、以上のようにして製造された光フ
ァイバグレーティングの遮断特性図である。この遮断特
性は、温度20℃の下で、光ファイバグレーティングに
入射する伝搬光の光量に対する透過した伝搬光の光量
を、各波長毎に求めたものである。この図から判るよう
に、ブラッグ反射波長λBは1554nmである。
【0029】図7は、本実施例に係る光ファイバグレー
ティングのブラッグ反射波長λBの温度依存性(dλB
dT)を示す図である。光ファイバグレーティングを恒
温槽に入れ、温度0℃から温度80℃までの範囲でブラ
ッグ反射波長λBの温度依存性(dλB/dT)を調べ
た。この図で、黒丸は、本実施例に係る光ファイバグレ
ーティングの特性を示したものであり、白丸は、従来の
光ファイバグレーティングの特性を比較の為に示したも
のである。この従来の光ファイバグレーティングは、コ
ア領域にGeO2のみが添加され、コア領域の比屈折率
差Δn+が0.35%のものである。
【0030】この図から判るように、ブラッグ反射波長
λBの温度依存性(dλB/dT)は、従来の光ファイバ
グレーティングでは0.95nm/100℃であるのに
対して、本実施例に係る光ファイバグレーティングでは
0.16nm/100℃である。すなわち、本実施例に
係る光ファイバグレーティングのブラッグ反射波長λB
の温度依存性(dλB/dT)は、従来と比べて約17
%程度にまで低減されている。
【0031】本発明は、上記実施形態または上記実施例
に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例
えば、上記第1および第2の実施例それぞれでは、P2
5およびB23の双方をコア領域に添加するものであ
ったが、何れか一方のみを添加してもよく、この場合
も、コア領域内での添加量の最大値が20mol%以上で
あるのが好適である。また、K2O,Na2O,BaO,
CaO,Al23およびF元素の何れか1種以上をコア
領域に添加してもよく、この場合には、K2Oの添加量
をa mol%とし、Na2Oの添加量をb mol%とし、B
aOの添加量をc mol%とし、CaOの添加量をd mol
%とし、Al23の添加量をe mol%とし、F元素の添
加量をf mol%としたときに、コア領域内での5a+3
b+2c+d+e+fの最大値が50 mol%以上である
のも好適である。また、これらの材料を任意に組み合わ
せてコア領域に添加してもよい。また、光導波路型回折
格子が構成される光導波路は、上記実施形態で説明した
光ファイバに限られるものではなく、平面型光導波路で
あってもよい。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
係る光導波路型回折格子は、石英ガラスを主成分とする
光導波路の光伝搬領域の少なくとも一部に回折格子が形
成された光導波路型回折格子であって、P25,B
23,K2O,Na2O,BaO,CaO,Al23およ
びF元素のうち何れか1種以上が光伝搬領域の少なくと
も一部に添加され、光導波路の実効的屈折率の温度依存
性の絶対値が5.0×10-6/℃以下であるので、環境
温度が変動しても光導波路型回折格子の特性の変動は小
さい。したがって、本発明に係る光導波路型回折格子で
は、張力を印加する必要がないことから、長期間に亘る
使用により、張力の緩和に因るブラッグ反射波長λB
シフトが生じることはなく、また、静疲労に因る光ファ
イバの破断や断線が生じることもない。
【0033】特に、P25およびB23それぞれのコア
領域内での添加量の和の最大値が20mol%以上である
場合、K2O,Na2O,BaO,CaO,Al23およ
びF元素のうち何れか1種以上が光伝搬領域の少なくと
も一部に添加され、K2Oの添加量をa mol%とし、N
2Oの添加量をb mol%とし、BaOの添加量をcmol
%とし、CaOの添加量をd mol%とし、Al23の添
加量をe mol%とし、F元素の添加量をf mol%とした
ときに、コア領域内での5a+3b+2c+d+e+f
の最大値が50 mol%以上である場合、何れの場合に
も、光導波路型回折格子の実効的屈折率の温度依存性
は、5.0×10-6/℃以下まで好適に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る光ファイバグレーティング
が形成される光ファイバの屈折率プロファイル図であ
る。
【図2】位相格子法によるグレーティング形成方法の説
明図である。
【図3】第1の実施例に係る光ファイバグレーティング
の遮断特性図である。
【図4】第1の実施例に係る光ファイバグレーティング
のブラッグ反射波長λB の温度依存性(dλB /dT)
を示す図である。
【図5】第2の実施例に係る光ファイバグレーティング
が形成される光ファイバの屈折率プロファイル図であ
る。
【図6】第2の実施例に係る光ファイバグレーティング
の遮断特性図である。
【図7】第2の実施例に係る光ファイバグレーティング
のブラッグ反射波長λB の温度依存性(dλB /dT)
を示す図である。
【符号の説明】
10…光ファイバ、11…コア領域、12…クラッド領
域、20…位相格子板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 正志 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 茂原 政一 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスを主成分とする光導波路の光
    伝搬領域の少なくとも一部に回折格子が形成された光導
    波路型回折格子であって、P25,B23,K2O,N
    2O,BaO,CaO,Al23およびF元素のうち
    何れか1種以上が前記光伝搬領域の少なくとも一部に添
    加され、前記光導波路の実効的屈折率の温度依存性の絶
    対値が5.0×10-6/℃以下である、ことを特徴とす
    る光導波路型回折格子。
  2. 【請求項2】 P25およびB23の双方または何れか
    一方が前記光伝搬領域の少なくとも一部に添加され、コ
    ア領域内でのそれぞれの添加量の和の最大値が20mol
    %以上である、ことを特徴とする請求項1記載の光導波
    路型回折格子。
  3. 【請求項3】 K2O,Na2O,BaO,CaO,Al
    23およびF元素のうち何れか1種以上が前記光伝搬領
    域の少なくとも一部に添加され、K2Oの添加量をa mo
    l%とし、Na2Oの添加量をb mol%とし、BaOの添
    加量をc mol%とし、CaOの添加量をd mol%とし、
    Al23の添加量をe mol%とし、F元素の添加量をf
    mol%としたときに、コア領域内での5a+3b+2c
    +d+e+fの最大値が50 mol%以上である、ことを
    特徴とする請求項1記載の光導波路型回折格子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017036075A1 (zh) * 2015-08-31 2017-03-09 京东方科技集团股份有限公司 一种液晶显示装置

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