JPH11117256A - 消波耐流速植生用編柵、及びこれを用いた湛水法面の緑化方法 - Google Patents

消波耐流速植生用編柵、及びこれを用いた湛水法面の緑化方法

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JPH11117256A
JPH11117256A JP9297778A JP29777897A JPH11117256A JP H11117256 A JPH11117256 A JP H11117256A JP 9297778 A JP9297778 A JP 9297778A JP 29777897 A JP29777897 A JP 29777897A JP H11117256 A JPH11117256 A JP H11117256A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】植生用編み柵の製造及びこれを用いた施工が容
易で、生育基盤材や植物の保護を確実に行うことができ
て、ダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面の緑化を行う
のに適した消波耐流速植生用編柵を提供すること。 【構成】網材料、竹材料等の弾性材料によって上方が開
放された略箱型状に形成され、少なくともその前面を湾
曲させることにより消波耐流速面とし、この消波耐流速
面によって、湛水法面40に押し寄せてくる波や水流の
力を抑止することができるようにしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダム湖等の貯水池
や河川等の湛水法面の植生を行う消波耐流速植生用編
柵、及びこれを使用した緑化方法に関し、特に、ダム湖
等の貯水池や河川等の波、水流等による植物基盤への悪
影響をなくすことができるようにした植生用編柵及び緑
化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダム湖を代表とする湖や池等の貯水池、
あるいは河川等においては、その周囲に、所謂「湛水法
面」(水面近傍の法面)が必ず存在する。この「湛水法
面」はダム湖等の貯水池や河川等の水位が季節変化や貯
水量によって上下することにより、完全に乾燥状態とな
ったり、水没してしまうこともある。つまり、ダム湖岸
等の貯水池の周囲に存在する湛水法面は、そのままでは
植物の十分な生育が望めない環境となって、図3に概略
的に示すように、裸地のまま非常に荒廃した状態となっ
ている。
【0003】換言すれば、この湛水法面は、特にこれが
軟岩によって構成されていると、水流や波による侵食を
受け易いものとなっており、その土砂がダムの湖底に流
下し易くなっている。この侵食を防止するためにも、堆
砂による貯水機能低下を阻止し、また水質を積極的に浄
化して濁り防止を計るためにも、さらには近年観光地化
してきているダム湖の景観保護の観点からも、ダム湖等
の貯水池の湛水法面に対しては、その環境状態に応じて
湖畔部の陸止部も含めた環境林や草地形成等の緑化を積
極的に行わなければならない。
【0004】一方、ダム湖等の貯水池の水位は、四季や
豊渇水期、特に干ばつの年や貯水管理方式の違い等によ
って、メートル単位で変化するものであり、その結果、
「湛水法面」は広い面積を有したものとなっているので
ある。つまり、ダム湖等の貯水池の「湛水法面」は、湖
水位が大きく変化することによって、湖面から完全に露
出して乾燥状態が長くなる場合があり、植物が生育する
環境としては、非常に過酷な条件となっているのであ
る。
【0005】このような過酷な条件下の湛水法面につい
ては、従来より、例えば「浮島」工法と呼ばれる植生工
法が採用されてきている。この浮島工法は、湖面の上下
に追随して移動する「浮島」に植生を成立させ、この浮
島上の植生によって景観の保護等を行うようにするもの
であるが、その施工費用が非常に高価となるだけでな
く、植生植物による湛水法面に対する直接的な配置であ
り、水没法面の十分な安定を図る目的として施工するも
のではなかった。
【0006】このため、例えば特開平6−322731
号公報にて提案されているような緑化工法が開発され
た。この緑化工法は、上記公報の特許請求の範囲の記載
からすると、図4にも示すように、「プラスチックまた
は金属の網籠内に不織布の袋を収納し、その袋の内部に
植生基盤材を充填した緑化ボックスをダム湖、湖、池等
の湛水面裸地法面に連続的に設置し、緑化ボックス内に
水陸両用植物を植栽することを特徴とする、ダム湖湖、
池等の湛水面裸地法面を安定・修景緑化工法」である。
【0007】この特開平6−322731号公報にて提
案されている緑化工法は、 ・ダム湖、湖、池等のかん水面裸地法面という植物の生
活環境としては極めて過酷な条件を緑化ボックスにより
緩衝し、克服するようにすること。 ・ダム湖、湖、池等のかん水、裸出の繰り返しに耐える
植物を植栽し、その根は緑化ボックスより出て背後の法
面に侵入し、地山を長期にわたり安定させること。 ・植物を用い、ダム湖、湖、池等の景観が永久的に周囲
の環境になじむ修景緑化を図ること。 を目的としてなされたものであり、これらの目的を達成
できたものであると考えられる。しかし、「緑化ボック
ス」を採用しなければならない以上、次のような改善し
なければならない点を未だ含んでいるものである。
【0008】すなわち、 ダム湖、池、河川等の貯水池における湛水法面は、波
によって洗われるものであり、この波の力を抑止するよ
うにしないと、「緑化ボックス」内に入れた基盤材料の
流出を招くだけでなく、植物の根の露出や損傷により、
生育を押さえることにもなる。 勿論、この種の「緑化ボックス」は、施工が簡単なも
のとなっていなければならない。湛水法面は、資材の搬
入が困難なことが多く、また特にダム湖には周遊道はあ
るが、対岸にまでは道がなく、また岩盤の掘削によって
形成した急峻な傾斜法面や、コンクリート構造の法面も
存在することから、植物の生育が困難な立地になってい
るだけでなく、工法施工が困難な場所にもなっているか
らである。 特に、ダム湖等の貯水池においては、水が滞留した
り、上流域からの富栄養化した水が流入するため、水の
富栄養化を極力防止しなければならない。水質汚染によ
って、ダム湖等の貯水池の魚などが酸素不足により死滅
したり、アオコによる水の濁りなどによって景観が損な
われるからである。
【0009】そこで、本発明者等は、ダム湖等の貯水池
や河川等における湛水法面の、環境に配慮した緑化を行
う場合に、上記の〜の改善を行うにはどうしたらよ
いかについて種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成
したのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、ダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面の土砂
流失防止と植生の成立を効果的に行い、耐久力があり、
早期の緑化による表土や表層地盤の安定化を図ることで
ある。
【0011】すなわち、まず、請求項1に係る発明の目
的とするところは、植生用編み柵の製造及びこれを用い
た施工が容易で、生育基盤材や植物の保護を確実に行う
ことができて、ダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面の
緑化を行うのに適した消波耐流速植生用編柵を提供する
ことにある。
【0012】また、請求項2に係る発明の目的とすると
ころは、陸上部と湛水面の接合を行い、一貫した植生の
成立を図ることにより、施工後には波や水流による侵食
を十分防止することができ、施工が容易であり、かつ植
物の生育を十分存続維持させることができて、ビオトー
プの形成・回復をも行うことのできる湛水法面の緑化方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述の
実施形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「ダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面40に設置され
て、当該湛水法面0の植生を行うに際して使用される植
生用編柵であって、網材料、竹材料等の弾性材料によっ
て上方が開放された略箱型状に形成され、少なくともそ
の前面を湾曲させることにより消波耐流速面11とし、
この消波耐流速面11によって、湛水法面40に押し寄
せてくる波や水流の力を抑止することができるようにし
た消波耐流速植生用編柵10」である。
【0014】すなわち、この消波耐流速植生用編柵10
は、図4に示した従来の緑化ボックスとは異なって、少
なくともその前面に凹凸11aを形成した消波耐流速面
11を有したものであるから、この消波耐流速面11に
よって、湛水法面40に打ち寄せる波の衝撃を緩和して
波を打ち消すものとなっているのである。つまり、この
消波耐流速植生用編柵10は、その全体を網材料、竹材
料等の弾性材料によって形成されるとともに、図1に示
すように、その消波耐流速面11を前面にして湛水法面
40上に設置されるものであるが、この消波耐流速面1
1に形成してある凹凸11aによって、当該消波耐流速
植生用編柵10に波が複雑に衝突し反射し、網目によっ
ても消波されるため、結果的に、当該消波耐流速植生用
編柵10内には、波による力が侵入しないことになるの
である。
【0015】また、当該消波耐流速植生用編柵10内に
波による力が侵入しないことによって、植物の成長点の
保護を直接図り、植物の成長過程で根こそぎ根が波や流
れによって流失したり、損傷したりしない。
【0016】また、この消波耐流速植生用編柵10は、
網材料、竹材料等の弾性材料によって略箱型状に形成さ
れ上方を開放させて上方開口12としたから、その全体
の製造が容易なものとなっているだけでなく、植物細胞
切片30及び培養土資材31の投入や、吹付層32形成
のための吹き付け作業を上方開口12から容易に行える
ものとなっているのである。
【0017】消波耐流速植生用編柵10を構成するため
の網材料、竹材料等の弾性材料としては、これを通して
湖等の水を内部に侵入させなければならないし、後述す
る植物細胞切片30や培養土資材31が消波耐流速植生
用編柵10の外部にできるだけ流出しないようにするこ
とができるものであることが必要であるから、10メッ
シュ〜40メッシュのものが適している。また、消波耐
流速植生用編柵10それ自体は、耐久性も必要であるか
ら、その網材料、竹材料等の弾性材料は、金属は勿論、
耐蝕性に優れた合成樹脂からなるものであることが好適
である。
【0018】そして、この消波耐流速植生用編柵10に
内蔵した植物が出芽するまでの期間において、培養土資
材31が外に洩れ出ないようにするために、図2に示す
ように、水溶性膜21、例えば耐水性紙、またはシート
を消波耐流速植生用編柵10の内側に配置しておくこと
が好ましい。水溶性膜21は、いずれ水によって溶け出
し、植物の成長によって、この水溶性膜21が破れて、
植物が消波耐流速植生用編柵10の外へ突出できる構造
であることが好ましい。
【0019】さて、上記課題を解決するために、請求項
2に係る発明の採った手段は、「網材料、竹材料等の弾
性材料によって上方が開放された略箱型状に形成され少
なくともその前面を湾曲させることにより消波耐流速面
11とした消波耐流速植生用編柵10の多数を、その各
消波耐流速面11が前面となるようにしてダム湖等の貯
水池や河川等の湛水法面40に水平帯状に設置し、これ
ら各消波耐流速植生用編柵10内に、湛水法面40の水
位変動領域において生育・繁茂可能な植物の種子、地下
茎、根系、細断した幹枝、あるいは挿穂等の植物細胞切
片30と、客土、砂土、潜在表土、現地の根系土壌、水
質浄化に寄与する土壌資材等の培養土資材31とを投入
し、さらに、その表面に耐侵食性または耐洗堀性の厚層
資材、客土資材等の各種吹付材を吹付けて吹付層32を
形成し、この吹付層32によって植物細胞切片30や培
養土資材31が波、水流等によって流失しないようにす
ることを特徴とする消波耐流速植生用編柵10を用いた
湛水法面の緑化方法」である。
【0020】すなわち、この緑化工法は、基本的には上
記請求項1の消波耐流速植生用編柵10を使用するもの
であるが、この消波耐流速植生用編柵10内に植物細胞
切片30及び培養土資材31を投入してから、これらの
表面に耐侵食性または耐洗堀性の厚層資材、客土資材等
の各種吹付材を吹付けて吹付層32を形成することによ
り行うものである。
【0021】この消波耐流速植生用編柵10内の、植物
細胞切片30及び培養土資材31の表面に対する、各種
生育基盤材の吹き付けによる吹付層32の形成は、当該
消波耐流速植生用編柵10の湛水法面40上への設置
の、前後いずれであっても構わない。つまり、湛水法面
40が急峻な崖のようになっていれば、予め地上におい
て、各消波耐流速植生用編柵10内に植物細胞切片30
及び培養土資材31を投入し、その上に吹付層32を形
成しておき、これを連結ロープまたはネット21に連結
して湛水法面40の上方から連結ロープまたはネット2
1を展開すればよい。また、下方の消波耐流速植生用編
柵10を、図3の通常水位より下側に設置する場合に
も、吹付層32は予め形成しておくとよい。一方、余り
急峻でなく、かつ厚層基材、客土資材等の各種吹付材を
吹き付けることが可能な湛水法面40については、地上
において予め植物細胞切片30及び培養土資材31を投
入しておいた各消波耐流速植生用編柵10を設置した後
に、各消波耐流速植生用編柵10の内部とともに湛水法
面40上にも吹付層32を形成するようにすればよいの
である。
【0022】この緑化工法において採用される、芽を有
する植物細胞切片30を採るための植物としては、乾燥
時も水没時も生きながらえるものがよく、主として湛水
法面40に自生しているものが適している。具体的に
は、ヤナギ類、水アカネ(メリケンムグラ)、これらと
共生することができるウシノシッペイ、スギナ、セリ、
ドクダミ、その他の耐冠水性植物である。そして、この
植物細胞切片30としては、上記のような植物の種子は
勿論、湛水法面40の水位変動領域において生育・繁茂
可能な上記植物の地下茎、根系、細断した幹枝、あるい
は挿穂等を採用することができるものである。
【0023】また、この緑化工法において採用される培
養土資材31としては、上述したような客土、砂土、潜
在表土等が採用されるのであるが、現地の根系土壌、つ
まり施工現場の湛水法面40に植物が生育していれば、
その地の土壌が培養土資材31として適しており、この
ような現地の根系土壌を培養土資材31として採用する
ことが自然でもある。
【0024】吹付層32のための厚層基材、客土資材等
の各種吹付材としては、生育基盤材と、水質浄化資材と
の混合物が適している。この場合の生育基盤材として
は、ロックウール、ピートモスを主材とするものが考え
られる。また、水質浄化資材としては、ゼオライト、粒
子体、カーボン粒子、石灰粒子、鹿沼土粒子を主材とす
るものが考えられる。
【0025】これらの生育基盤材や、水質浄化資材は、
植物細胞切片30の発芽・生育の促進を図るだけでな
く、富栄養化の要因には全くならなものである。それだ
けでなく、これらの生育基盤材や、水質浄化資材は、そ
の上側から流れてくる排水中の栄養分を捕捉する機能も
有しており、湖や河川等の汚染防止にも役立つものであ
る。これに対して、所謂一般的な生育基盤材であれば、
窒素、燐酸等の堆肥類等に含有された肥料成分を含むも
のであり、水の富栄養化の原因となるため、本発明で
は、このような一般的な生育基盤材を含まない。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各発
明を、図面に示した実施の形態に従って説明するが、請
求項1の消波耐流速植生用編柵10は、請求項2の緑化
工法において使用されるものであるから、以下では、こ
の緑化工法を中心にして説明することとする。
【0027】図1には、複数の消波耐流速植生用編柵1
0を湛水法面40上に設置した状態が示してあるが、こ
れらの消波耐流速植生用編柵10は、網材料、竹材料等
の弾性材料によって上方を開放して上方開口12とした
略箱型状に形成したものであり、少なくともその前面に
凹凸11aを形成することにより、この前面を消波耐流
速面11としたものである。図1中に示した固定杭22
によって湛水法面40に直接固定することにより、湛水
法面40に対して設置されるものである。
【0028】これら各消波耐流速植生用編柵10は、図
3に示した通常水位を中心にその上下両側に多数設置さ
れるものである。図3の通常水位は、図中の仮想線に示
した上方位置まで上がることもあり、また通常水位から
下方に下がることもあるが、この水位の移動範囲に位置
する斜面が湛水法面40であって、荒廃しがちな部分で
ある。従って、各消波耐流速植生用編柵10は、この湛
水法面40の全体をカバーするように設置することがよ
く、また各消波耐流速植生用編柵10の上下の間隔を植
物の繁茂状態を考慮して設定するとよい。
【0029】以上のような各消波耐流速植生用編柵10
内に対しては、これを湛水法面40上に設置する前に、
前述した植物細胞切片30及び培養土資材31を投入し
ておき、その上面に吹き付けによって吹付層32を形成
するのであるが、この吹付層32の形成は、各消波耐流
速植生用編柵10の湛水法面40に対する設置の前後の
いずれであってもよい。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明にお
いては、上記の実施形態にても例示した如く、「ダム湖
等の貯水池や河川等の湛水法面40に設置されて、当該
湛水法面0の植生を行うに際して使用される植生用編柵
であって、網材料、竹材料等の弾性材料によって上方が
開放された略箱型状に形成され、少なくともその前面を
湾曲させることにより消波耐流速面11とし、この消波
耐流速面11によって、湛水法面40に押し寄せてくる
波や水流の力を抑止することができるようにした」こと
にその構成上の特徴があり、これにより、製造及び施工
が容易で、生育基盤材や植物の保護を確実に行うことが
できて、ダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面の植生を
行うのに非常に適した消波耐流速植生用編柵を提供する
ことができるのである。
【0031】また、請求項2に係る発明によれば、「網
材料、竹材料等の弾性材料によって上方が開放された略
箱型状に形成され少なくともその前面を湾曲させること
により消波耐流速面11とした消波耐流速植生用編柵1
0の多数を、その各消波耐流速面11が前面となるよう
にしてダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面40に水平
帯状に設置し、これら各消波耐流速植生用編柵10内
に、湛水法面40の水位変動領域において生育・繁茂可
能な植物の種子、地下茎、根系、細断した幹枝、あるい
は挿穂等の植物細胞切片30と、客土、砂土、潜在表
土、現地の根系土壌、水質浄化に寄与する土壌資材等の
培養土資材31とを投入し、さらに、その表面に耐侵食
性または耐洗堀性の厚層資材、客土資材等の各種吹付材
を吹付けて吹付層32を形成し、この吹付層32によっ
て植物細胞切片30や培養土資材31が波、水流等によ
って流失しないようにすること」にその構成上の特徴が
あり、これにより、施工後に波による侵食を十分防止す
ることができ、施工それ自体も容易であり、かつ植物の
生育を十分保障することができて、ビオトープの形成・
回復をも行うことのできる湛水法面の緑化方法を提供す
ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消波耐流速植生用編柵の湛水法面
上に設置した状態を示す拡大斜視図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】図1の断面図である。
【図4】図1に示した湛水法面の外観を示す斜視図であ
る。
【図5】従来の緑化ボックスを示す断面図である。
【符号の説明】
10 消波耐流速植生用編柵 11 消波耐流速面 11a 凹凸 12 上方開口 21 水溶性膜 22 固定杭 30 植物細胞切片 31 培養土資材 32 吹付層 40 湛水法面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 暖 福岡県北九州市八幡西区浅川台2丁目17− 14 (72)発明者 山本 富晴 茨城県つくば市妻木1232−3 (72)発明者 山本 慶市 岐阜県大垣市宿地町1045番地の6

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面に
    設置されて、当該湛水法面の植生を行うに際して使用さ
    れる植生用編柵であって、 網材料、竹材料等の弾性材料によって上方が開放された
    略箱型状に形成され、少なくともその前面を湾曲させる
    ことにより消波耐流速面とし、 この消波耐流速面によって、湛水法面に押し寄せてくる
    波や水流の力を抑止することができるようにした消波耐
    流速植生用編柵。
  2. 【請求項2】網材料、竹材料等の弾性材料によって上方
    が開放された略箱型状に形成され、少なくともその前面
    を湾曲させることにより消波耐流速面とした消波耐流速
    植生用編柵の多数を、その各消波耐流速面が前面となる
    ようにしてダム湖等の貯水池や河川等の湛水法面に水平
    帯状に設置し、 これら各消波耐流速植生用編柵内に、湛水法面の水位変
    動領域において生育・繁茂可能な植物の種子、地下茎、
    根系、細断した幹枝、あるいは挿穂等の植物細胞切片
    と、客土、砂土、潜在表土、現地の根系土壌、水質浄化
    に寄与する土壌資材等の培養土資材とを投入し、 さらに、その表面に耐侵食性または耐洗堀性の厚層資
    材、客土資材等の各種吹付材を吹付けて吹付層を形成
    し、この吹付層によって前記植物細胞切片や培養土資材
    が波、水流等によって流失しないようにすることを特徴
    とする消波耐流速植生用編柵を用いた湛水法面の緑化方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105973208A (zh) * 2016-05-10 2016-09-28 中国科学院南京地理与湖泊研究所 湖泊中围网对波浪衰减作用的观测与计算方法
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CN109060297A (zh) * 2018-09-24 2018-12-21 天津大学 变气压环境下坝工泄流冲击区涌浪模型试验方法

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