JPH11114483A - オーバースプレーミストの回収および再使用方法、およびその方法において使用するブース循環水 - Google Patents

オーバースプレーミストの回収および再使用方法、およびその方法において使用するブース循環水

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JPH11114483A
JPH11114483A JP9283618A JP28361897A JPH11114483A JP H11114483 A JPH11114483 A JP H11114483A JP 9283618 A JP9283618 A JP 9283618A JP 28361897 A JP28361897 A JP 28361897A JP H11114483 A JPH11114483 A JP H11114483A
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booth
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circulating water
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JP9283618A
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Teruhiro Shimono
輝弘 下野
Hirayuki Nakamura
平行 中村
Susumu Iwato
進 岩戸
Yoshio Eguchi
芳雄 江口
Nobuhisa Sudou
伸久 須藤
Keiko Tomoda
圭子 共田
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Mazda Motor Corp
Nippon Paint Co Ltd
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Mazda Motor Corp
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装ブース内で発生する余剰の塗料ミストの
再使用方法および再生された再使用可能な塗料組成物の
提供。 【解決手段】 塗装ブースにおいて、発生した被塗物に
塗着しない余剰の塗料ミストを、界面活性剤と親水性有
機溶剤を含有するブース循環水によって回収および乳化
し、それを濾過濃縮して得られた濃縮塗料溶液をそのま
ま焼付け硬化型塗料として、あるいは場合によりポリイ
ソシアネート系架橋剤を添加することによって常温硬化
型塗料として再使用することから成る塗料ミストの再使
用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤系塗料、特に
焼付け硬化型溶剤系塗料を用いる自動車の塗装工程にお
いて、被塗物に塗着しない余剰の塗料ミスト(以下、オ
ーバースプレーミストという。)を回収して再使用する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、産業用機械および家電製品等の
塗装工程において塗料をスプレー塗装する場合、オーバ
ースプレーミストが多量に発生する。その発生量は、通
常、スプレー塗装方式や条件によって異なるが、溶剤系
塗料の塗装では、使用する塗料の約50〜60%にも達
する。このようなオーバースプレーミストをそのまま廃
棄することは、塗料の損失になると共に、環境汚染の問
題にも繋がる。従って、上記塗装工程の生産効率を高め
るためには、このようなオーバースプレーミストの回収
処理が必須となる。
【0003】現在までに、多くのオーバースプレーミス
トの回収処理方法が提案されているが、それらは、水性
塗料に関するものが多い。水性塗料のオーバースプレー
ミストは、水を循環させることにより、回収することが
可能になるからである。回収された水性塗料のオーバー
スプレーミストは、処理後、元の塗料と同一用途に再使
用できる。
【0004】しかしながら、上記産業分野、特に自動車
塗装ラインにおいて、現在使用されている塗料は溶剤系
の塗料もまだ多く、これらの塗料のオーバースプレーミ
ストは、水への溶解性が小さいため、水で回収すること
が困難である。特に、前記オーバースプレーミストは、
ブース循環水と接触すると強い粘着性を示すようにな
り、これが排気洗浄部(例えば、水幕板、散水シャワー
部、カーテン部等)に付着すると目詰まりを起こして、
ダクトからの排気量不足や循環水量を低下させ、強いて
は塗料品質の低下、さらには環境汚染の要因となる。そ
れに加えて、特に自動車塗装ラインでは、電着塗装〜中
塗り〜上塗りの各工程が順に行われるが、例えば、中塗
り用のブース内では、中塗り用の各色塗料(例えば、カ
ラーシーラーまたはセットグレーシーラーと呼ばれる、
白、グレーまたは黒色のカラー塗料)の他に、サッシ用
ブラックアウト塗料(黒色)等が塗装され、また、上塗
り用のブース内では、例えば、様々な色のポリエステル
系ソリッド色塗料、アクリル系メタリックベース塗料、
および無色または有色のアクリル系トップクリヤー等が
塗装されることから、種々の塗料および様々な色相のオ
ーバースプレーミストが同一ブース内に混在している。
そのため、オーバースプレーミストを回収したとして
も、回収された塗料を、元の塗料組成毎に分離すること
が困難であり、元の塗料と同一目的に再使用することも
不可能である。
【0005】上記溶剤系オーバースプレーミストの再使
用方法として、ブース循環水中に、飛散しているオーバ
ースプレーミストを取り込ませ、塗料スラッジとして沈
降分離し、それを乾燥及び粉砕して、得られたものを別
の用途のための増量材として再使用する方法がいくつか
提案されている。しかしながら、溶剤系オーバースプレ
ーミストは、前述の如く、強い粘着性を有しているた
め、塗装ブース内において上記溶剤系オーバースプレー
ミストを効率良く回収するためには、オーバースプレー
ミストを不粘着化することが必須である。
【0006】また、上記塗料スラッジも粘着性が高く、
固着し易いため、メンテナンス作業は困難なことが多
い。塗料スラッジの装置への付着障害が大きいほど、メ
ンテナンス頻度も多くなる。従って、上記のような方法
は、回収〜再使用までの処理工程において多大なエネル
ギーを必要とし、そのための設備投資も膨大となり得
る。さらに、上記方法中の乾燥工程では、次の工程で粉
砕され得る固さまで塗料スラッジを乾燥する必要がある
ことから、有機物を焼却し、得られた無機物のみを増量
材として再使用するため、ダイオキシン等の有害物質が
焼却により生じることもあり、原料の付加価値が低く、
生産効率も極めて低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、塗装用装置内の各所に不都合を生じさせることな
く、溶剤系オーバースプレーミストを、該ミストを不粘
着化させる水系のブース循環液で回収する方法を提供す
ることである。本発明の方法は、従来提案されていた乾
燥・粉砕工程を排除することにより熱エネルギーを一切
必要とせず、しかも設備投資が比較的低額であるため極
めて有益な方法である。さらに、本発明の目的は、材料
の付加価値を高めるために、上記無機物のみならず、塗
料中の主要材料である有機成分もリサイクルすることで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体樹脂およ
び架橋剤を含んで成る焼付け硬化型溶剤系塗料組成物の
オーバースプレーミストを回収および再使用する方法で
あって、(i)塗装ブース内で、余剰の溶剤系塗料ミス
トを、界面活性剤0.0001〜2.0重量%および親水
性有機溶剤0.1〜5.0重量%を含有するブース循環水
によって回収および乳化して希薄塗料溶液とすること、
(ii)前記希薄塗料溶液を濾過濃縮し、固形分濃度15
〜70重量%の濃縮塗料溶液とすること、および場合に
より(iii)前記濃縮塗料溶液にポリイソシアネート系
架橋剤を添加することから成る方法を提供する。更に、
本発明は、塗装ブース内で循環させるブース循環水であ
って、前記の方法において使用する、界面活性剤0.0
001〜2.0重量%および親水性有機溶剤0.1〜5.
0重量%を含有するブース循環水も提供する。本発明に
おいて、ブース循環水中に含有させる界面活性剤は、好
ましくはノニオン系界面活性剤であって、特に、分子量
2000〜3500の疎水基を主鎖に有するノニオン系
線状化合物から構成される。特に好ましいノニオン系界
面活性剤は、ブース循環水に0.1重量%含有させた場
合に、表面張力40〜50ダイン/cmを発現するもの
である。
【0009】本発明は、前記(iii)において、前記濃
縮塗料溶液にポリイソシアネート系架橋剤を添加した
後、それらを溶剤に溶解することも含んで成る。さら
に、本発明は、上記方法によって再生された再使用可能
な塗料組成物も提供する。
【0010】
【発明の効果】塗料回収後に凝集沈殿・分別・乾燥・粉
砕等の工程を必要としないため、熱エネルギーが一切不
要であり、また、比較的小規模な設備投資で実施でき
る。さらに、無機物のみならず、塗料中の主要材料であ
る有機成分もリサイクルできることから、原料の付加価
値が高くなり、生産効率も向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。本発明の方法は、自動車塗装工程において、スプ
レー塗装用途に使用される常套の溶剤系塗料に適用でき
る。特に、本発明の方法は、基体樹脂と架橋剤を含んで
成る焼付け硬化型塗料のリサイクルに適している。
【0012】前記焼付け硬化型塗料としては、当該分野
において既知の塗料(例えば、電着塗料、2液型ポリウ
レタン塗料、アクリルポリカルボン酸樹脂−ポリエポキ
シド系塗料、アクリル−メラミン樹脂系塗料、ポリエス
テル−メラミン樹脂系塗料等)が挙げられる。そのよう
な焼付け硬化型塗料中の主成分である基体樹脂として
は、水酸基を有するもの(例えば、ポリオール樹脂
等)、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、
ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、前記樹脂と組
み合わせる架橋剤としては、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、アミン化合物、イソシアナート等が挙げられる。
【0013】特に、本発明の方法は、上記焼付け硬化型
塗料の中でも、有機溶剤等の揮発性物質を削減するとい
う環境保全の観点から注目されている、2液型ポリウレ
タン塗料、および水酸基を含有する基体樹脂(特に、ポ
リオール樹脂)と架橋剤としてメラミン樹脂を含んで成
る焼付け硬化型塗料に適用することも可能である。
【0014】本発明の方法は、(i)オーバースプレー
ミストのブース循環水中への回収および乳化、(ii)希
薄塗料溶液の分離濃縮、および場合により(iii)濃縮
塗料溶液への架橋剤の混合の3工程から構成される。再
生した塗料は、上記工程(ii)の後で、濃縮塗料溶液を
そのまま焼付け硬化型塗料として再使用しても、工程
(iii)の後で常温硬化型塗料として再使用してもよ
い。上記工程中、工程(i)が本発明の鍵である。溶剤
系オーバースプレーミストは、前述の如く、粘着性が高
く、水系のブース循環液中では、すぐに固着沈降して塗
料スラッジと化してしまう。そのため、このようなオー
バースプレーミストを水系ブース循環液中に安定に乳化
させること(すなわち、沈殿した塗料が流動性を維持し
ていること)が重要な課題である。
【0015】本発明の工程(i)では、ブース循環水に
ノニオン系界面活性剤および親水性有機溶剤を添加する
ことで、塗装ブース内で発生するオーバースプレーミス
トを固着沈降させずに安定に乳化させることを可能にし
た。
【0016】本発明の工程(i)で使用するブース循環
水は、主成分である水に、乳化剤としての界面活性剤、
特にノニオン系界面活性剤を含有させる。本発明の方法
では、オーバースプレーミストが、 ブース循環水によって回収および乳化されて希薄塗料
溶液と化したとき、および 希薄塗料溶液を濾過濃縮し、固形分濃度15〜70重
量%の濃縮塗料溶液としたとき のいずれにおいても、塗料溶液中で、前記オーバースプ
レーミストが安定な乳化状態(すなわち、固着沈降せず
に流動性の状態)を呈していることが必要である。上記
条件を満たすためには、前記ノニオン界面活性剤が、分
子量2000〜3500、特に2200〜3300の疎
水基(例えば、ポリプロピレングリコール)を主鎖に有
し、かつエチレンオキサイド含有量35〜90%、特に
40〜80%であることが必要十分条件である。そのよ
うなノニオン界面活性剤としては、例えば、式:
【化1】HO-(C240)a-(C36O)b-(C24O)cH (式中、bは35.7〜62.5、好ましくは39.3〜
58.9の数であり、(a+c)/(a+b+c)=0.35
〜0.90、好ましくは0.40〜0.80である。)で
表されるものが挙げられる。
【0017】前記ノニオン系界面活性剤の構造中、疎水
基としてのポリプロピレングリコールの分子量が上記範
囲にない場合(すなわち、2200未満または3300
より大きい場合)、希薄および/または濃縮塗料溶液中
で回収されたオーバースプレーミストが固着・沈降して
しまい、流動性を有しないため好ましくない。さらに、
前記ノニオン系界面活性剤分子中のエチレンオキサイド
含有量が35%未満または90%を超える場合も同様の
結果をもたらし、流動性を有しないため好ましくない。
【0018】上記ノニオン系界面活性剤としてもっとも
好ましいものは、ブース循環水へ0.1重量%添加した
ときに、ブース循環水の表面張力が25℃で40〜50
ダイン/cmとなるものである。このようなノニオン系
界面活性剤としては、例えば、プルロニックF-108、プ
ルロニックP-84、プルロニックP-85、プルロニックF
-88およびプルロニックF-98(いずれも旭電化工業製)
等が挙げられる。
【0019】上記ノニオン系界面活性剤は、全ブース循
環水に対し0.0001〜2.0重量%の量で添加する。
【0020】本発明の方法の工程(i)で使用するブー
ス循環水は、オーバースプレーミストを十分に乳化し
て、該循環水中での塗料の分離、凝集および/または固
化を確実に防止するために、高い水溶化度(親水化度)
を有することが好ましい。この目的のために、ブース循
環水には、上記界面活性剤と共に、親水性有機溶剤を添
加する。近年、提唱されている塗装ブース内での揮発性
有機溶剤の削減の観点から、前記親水性有機溶剤は、沸
点が150℃以上のものが好ましく、例えば、ブチルセ
ロソルブ、ブチルジグリコール、酢酸カービトール等が
挙げられ、好ましくはブチルセロソルブである。親水性
有機溶剤は、全ブース循環水に対し0.1〜5.0重量%
の量で添加する。親水性有機溶剤の添加量は、0.1重
量%未満の場合、十分な親水性が得られず、また5.0
重量%を越えると、ブース運転環境上や安全衛生上、好
ましくない。
【0021】本発明の工程(ii)では、前記希薄塗料を
濾過濃縮して、濃縮塗料溶液とする。上記工程は、塗料
比重が大きいことを利用し、希薄塗料溶液を数時間(例
えば、3〜12時間)静置し、上澄みの水分を捨てる方
法や、デカンターにより高濃度になった下層部のみを取
り出す方法、あるいは限外濾過装置によって行う方法等
が挙げられる。上記方法により、濾過濃縮した塗料溶液
を、固形分濃度15〜70重量%の濃縮塗料溶液とす
る。この濃縮塗料溶液の固形分濃度は、15重量%未満
では、塗装した場合に塗膜が形成できず、また固形分濃
度が70重量%を超えると、分別・濾過が進まなくな
り、効率が悪くなる。
【0022】上記工程(ii)後に得られる濃縮塗料溶液
は、回収前の塗料組成中にメラミン樹脂を有しているこ
とから、80〜200℃において焼付け可能な、焼付け
硬化型塗料として、そのまま再使用することができる。
【0023】また、上記濃縮塗料溶液は、所望により、
本発明の工程(iii)に従って、ポリイソシアネート系
架橋剤を添加した後、常温硬化型塗料として再使用して
もよい。
【0024】上記工程(iii)で添加するのに適したポ
リイソシアネート系架橋剤としては、塗料の粘度を下げ
て固形分を上昇させることができる点で、低粘度脂肪族
ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネートが好
ましく、特に、分子中のイソシアナト基(NCO基)含
有量が5〜35%のものが好ましい。そのようなポリイ
ソシアネート系架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、あるいはこ
れらのアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体
等が挙げられるが、ヘキサメチレンジイソシアネート、
あるいはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト体が好ましい。具体的なポリイソシアネート系架橋剤
としては、例えば、WX-1601(NCO有効成分1
1.4%)およびWB40-80D(NCO有効成分1
3.5%)(いずれも旭化成製)、デスモジュールN3400
(住友バイエルウレタン製低粘度脂肪族ポリイソシアネ
ート)並びにバイヒジュールTPLS2032およびバイヒジュ
ールTPLS2150(いずれも住友バイエルウレタン製水分散
タイプ)、CYTHANE3174(サイテック製、NCO
有効成分=10.2%)等が挙げられる。
【0025】上記のポリイソシアネート系架橋剤を含有
する濃縮塗料溶液は、その硬化反応機構が異なり、また
発揮される特性も変わるため、回収前と同様の用途には
利用できないが、耐水性および耐薬品性などに優れた塗
膜が得られることから、例えば、道路用の塗装、コンク
リート、外壁塗装等に利用できる。
【0026】前記(iii)では、前記濃縮塗料溶液にポ
リイソシアネート系架橋剤を添加した後、それらを溶剤
に溶解してもよい。すなわち、得られた塗料が溶剤型の
再使用可能な塗料であってもよい。上記目的に適した溶
剤としては、当該分野において従来公知の溶剤がいずれ
も使用でき。例えば、酢酸エチルおよび酢酸ブチルのよ
うな脂肪酸エステル、あるいはトルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶剤、例えば、エッソ社製「スワゾー
ル」等が挙げられ、それらを単独でまたは混合して使用
することができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1 :先ず、表1に示した配合で、プルロニックP-
84(旭電化製、ノニオン界面活性剤;以下、界面活性剤
aと称す。)10重量部とイオン交換水90重量部を、
デイスパーにより200rpmで3分間撹拌し、界面活
性剤を水中に均一に溶解させて10%界面活性剤a溶液
を調製した。予め調製した、上記10%界面活性剤a溶
液0.6重量部、イオン交換水96.4重量部、およびブ
チルセロソルブ2.0重量部をデイスパーにおいて60
0rpmで撹拌しながら、「オルガTO-H870グレ
ー」(日本ペイント製、ポリエステル/メラミン樹脂系
中塗り塗料、塗料固形分68%、PWC=42%)塗料
1.0重量部を徐々に添加した。添加後、更に600r
pmで10分間撹拌し、均一に分散させ、希薄塗料溶液
を作製した。この希薄塗料溶液は、実際のラインにおい
て、循環水によって回収されたオーバースプレーミスト
を含有する排水中の塗料を想定した。また、上記10%
界面活性剤a溶液15重量部、イオン交換水58重量
部、およびブチルセロソルブ2.0重量部を600rp
mで撹拌しながら、「オルガTO-H870グレー」塗
料25重量部を徐々に添加し、更に600rpmで10
分間撹拌し、均一に分散させ、濃縮塗料溶液を作製し
た。この濃縮塗料溶液は、実際のラインにおいて、排水
中の塗料と水を濾過・濃縮用フィルターで分離した後の
再生された塗料溶液を想定した。
【0028】上記2種の塗料溶液(希薄および濃縮塗料
溶液)それぞれについて、600rpmで10分間撹拌
した後、20℃で8時間放置した後の粒子の乳化状態を
目視観察した。結果を表1に示す。
【0029】実施例2〜8 界面活性剤aの代わりに表1に示した界面活性剤(b〜
h)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、希薄
および濃縮塗料溶液を得た。それぞれの塗料溶液の乳化
状態について、実施例1と同様にして調べた。それぞれ
の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 実施例 使用した界面活性剤 希薄塗料溶液 濃縮塗料溶液 No. 疎水基の (C24O) の乳化状態+ の乳化状態++ 分子量 含有量(%) 1 a1 2250 40 ○ ○ 2 b2 2250 50 ○ ○ 3 c3 2250 80 ○ ○ 4 d4 2750 80 ○ ○ 5 e5 3250 80 ○ ○ 6 f6 1750 50 × × 7 g7 1750 80 × × 8 h8 3250 30 × ×
【0031】界面活性剤:1 =旭電化製、プルロニックP-842 =旭電化製、プルロニックP-853 =旭電化製、プルロニックF-884 =旭電化製、プルロニックF-985 =旭電化製、プルロニックF-1086 =旭電化製、プルロニックP-657 =旭電化製、プルロニックF-688 =旭電化製、プルロニックP-103+ :塗料ミストの沈殿が 凝集/固化している × 流動性を維持している ○++ :塗料ミストの沈殿が 凝集/固化している × 流動性を維持している ○
【0032】表1から明らかなように、界面活性剤の分
子中の疎水基分子量=2250〜3250およびエチレ
ンオキサイド含有量=40〜80を含有する希薄および
濃縮塗料溶液はいずれも、塗料の沈殿が、溶液中で著し
く分離、凝集または固化せずに流動性を維持している。
【0033】実施例9 本実施例は、本発明の余剰の塗料ミスト回収および再使
用方法を模擬的に実施したものである。ここでは、図1
に示す塗料ミスト回収および再使用試験のためのライン
10を用いて、塗料を回収・再生し、その再生塗料の塗
膜についての硬化性を評価した。上記実施例1と同様に
して調製した希薄塗料溶液1[組成:ポリエステル/メ
ラミン系中塗りH870原液(日本ペイント製「オルガ
TO-H870グレー」、塗料固形分68%)1.0重量
部、界面活性剤(旭電化製「P-85」、分子中の疎水基分
子量=2250および分子中のエチレンオキサイド含有
量=50%)0.6重量部、イオン交換水96.4重量
部、およびブチルセロソルブ2.0重量部]を、限外濾
過膜2[デサリネーション・システムズ(Desarlinatio
n Systems)製EW4026]を装備した限外濾過装置
3に通過させ、不揮発分が15.3重量%になるまで濾
過および濃縮して、濃縮塗料溶液4を再生した。また、
濾液は、別途回収した。上記限外濾過装置内の濃縮過程
中、塗料は、顕著な分離や凝集、固化を生じずに、溶液
中で流動性を維持(すなわち、十分に乳化)しているこ
とが観察された。
【0034】比較例 希薄塗料溶液の組成において、分子中の疎水基分子量=
1750および分子中のエチレンオキサイド含有量=1
0%である界面活性剤(旭電化製、プルロニックL-61)
を用いたこと以外は、実施例9と同様にして希薄塗料溶
液を調製し、以下同様にして、濃縮塗料溶液を再生しよ
うとしたが、限外濾過装置内の濃縮過程中に、塗料は、
分離や凝集、固化を生じ、溶液中で塗料スラッジとして
固着沈降し、再生できなかった。
【0035】実施例10 上記実施例1と同様にして調製した希薄塗料溶液を、デ
カンターで6時間静置した後、上澄み液と下層の濃厚溶
液に分離した。高濃度になった下層部のみを取り出し、
不揮発分を測定(140℃×30分)したところ、38
%であった。
【0036】実施例11 実施例10の濃縮塗料溶液100gを、酢酸エチル/酢
酸ブチル/スワゾール1500(エッソ社製、芳香族炭化水
素系溶剤)混合溶剤(比=40/17/43)30gに
溶解した。
【0037】評 価 a)焼付け硬化型塗料とした場合の塗膜評価 先ず、実施例9および10で再生した濃縮塗料溶液を、
乾燥時の膜厚が50μmになるようにそれぞれ別のブリ
キ板上に流し塗りし、80、120、140および16
0℃においてそれぞれ30分間焼付けて塗膜を形成し、
その塗膜の状態を以下の評価基準により評価した。更に
別のブリキ板上に、実施例11で再生した濃縮塗料溶液
をワイダー71(岩田塗装機社製)でエアースプレーし
た後、前記と同様の条件で焼付けて塗膜を形成し、その
塗膜の状態を以下の評価基準により評価した。結果を表
2に示す。
【0038】
【0039】
【表2】 焼付け温度 塗膜の状態 実施例9 実施例10 実施例11 80℃ × × × 120℃ ○ ○ ○ 140℃ ○ ○ ○160℃ ○a) ○ ○ a):塗膜は固化しているが、表面に発泡による素穴が観られた。
【0040】実施例9、10および11で再生した濃縮
塗料溶液は、メラミン樹脂が配合されていることから、
120〜160℃の焼付け温度において、良好な塗膜状
態が得られた。更に、実施例11で再生した濃縮塗料溶
液は、最も平滑な塗膜が得られた。
【0041】b)常温硬化型塗料とした場合の塗膜評価 実施例9および10で再生した濃縮塗料溶液に、水分散
型ポリイソシアネート[旭化成製WX-1601(NC
O有効成分11.4%)、または同社製WB40-80D
(有効成分13.5%)]を、表3に示した配合量で濃
縮塗料溶液に添加し、600rpmで10分間撹拌した
後、常温硬化した(硬化時間:6時間)。得られた塗膜
の状態を上記と同様の評価基準により評価した。結果を
表3および4に示す。
【0042】
【表3】実施例9の濃厚塗料溶液に水分散型ポリイソシ
アネート:WX-1601(旭化成社製、HDI-イソシアヌレー
ト、有効成分11.4%)を添加したもの。 実施例9の WX-1601 塗膜の状態 濃厚塗料溶液 (g)(g) 100 1.5 × 100 2.5 ○ 100 3.0 ○ 100 3.5 ○100 5.0 ×
【0043】
【表4】実施例10の濃厚塗料溶液に水分散型ポリイソ
シアネート:WB40-80D(旭化成社製、IPDI-イソシアヌ
レート、有効成分13.5%)を添加したもの。 実施例10の WB40-80D 塗膜の状態 濃厚塗料溶液 (g)(g) 100 1.0 × 100 2.0 ○ 100 2.5 ○ 100 3.0 ○100 4.5 ×
【0044】表3および4より、実施例9および10で
再生した濃縮塗料溶液に水分散型ポリイソシアネートを
一定比率で添加した場合に、良好な塗膜結果が得られる
ことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗料再使用方法のための試験ライン
の模式的な断面図を示す。
【符号の説明】
1…希薄塗料溶液、2…限外濾過膜、3…限外濾過装
置、4…再生された濃縮塗料溶液、5…濾液、10…塗
料ミスト回収および再使用試験のためのライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩戸 進 広島県広島市南区仁保沖町1番30号 (72)発明者 江口 芳雄 広島県広島市南区仁保沖町1番30号 (72)発明者 須藤 伸久 広島県広島市南区仁保沖町1番30号 (72)発明者 共田 圭子 広島県広島市南区仁保沖町1番30号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)塗装ブース内で、余剰の溶剤系塗
    料ミストを、界面活性剤0.0001〜2.0重量%およ
    び親水性有機溶剤0.1〜5.0重量%を含有するブース
    循環水によって回収および乳化して希薄塗料溶液とする
    ことを含む、基体樹脂および架橋剤を含んで成る焼付け
    硬化型溶剤系塗料組成物のオーバースプレーミストを回
    収および再使用する方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(i)の後で (ii)前記希薄塗料溶液を濾過濃縮し、固形分濃度15
    〜70重量%の濃縮塗料溶液とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記工程(ii)の後で、場合により (iii)前記濃縮塗料溶液にポリイソシアネート系架橋
    剤を添加する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤が、分子量2000〜3
    500の疎水基を主鎖に有するノニオン系線状化合物か
    ら構成される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤が、ブース循環水に0.
    1重量%含有させた場合に、40〜50ダイン/cmの
    表面張力を発現するものである請求項1〜3のいずれか
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記親水性有機溶剤の沸点が150℃以
    上である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記(iii)が、前記濃縮塗料溶液にポ
    リイソシアネート系架橋剤を添加した後、それらを溶剤
    に溶解することを含む請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5いずれかに記載の方法によ
    って再生された再使用可能な塗料組成物。
  9. 【請求項9】 塗装ブース内で循環させるブース循環水
    であって、請求項1〜7のいずれかに記載の方法におい
    て使用する、界面活性剤0.0001〜2.0重量%およ
    び親水性有機溶剤0.1〜5.0重量%を含有するブース
    循環水。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125424A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Mitsubishi Motors Corp 廃液の回収装置

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