JPH11104466A - 中空糸膜モジュールを用いた濾過方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールを用いた濾過方法

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JPH11104466A
JPH11104466A JP27143397A JP27143397A JPH11104466A JP H11104466 A JPH11104466 A JP H11104466A JP 27143397 A JP27143397 A JP 27143397A JP 27143397 A JP27143397 A JP 27143397A JP H11104466 A JPH11104466 A JP H11104466A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜間に濁質が堆積し難く、長期間濾過
差圧が上昇し難く、かつ中空糸膜の損傷も生じ難い、中
空糸膜モジュールを用いた濾過方法の提供。 【解決手段】 中空糸膜により形成されるシート状面が
ほぼ垂直方向を向き、かつ中空糸の繊維軸方向が垂直方
向を向くように中空糸膜モジュールを配置し、気泡を中
空糸膜に当てつつ濾過を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空糸膜モジュールを
用いた濾過方法に関し、特に有機物等による汚濁性の高
い液体の処理に適した中空糸膜モジュールを用いた濾過
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中空糸膜モジュールは、無菌水、
飲料水、高純度水の製造や、空気の浄化といったいわゆ
る精密濾過の分野において多く使用されてきたが、近
年、下水処理場における二次処理、三次処理や、浄化槽
における固液分離等の高汚濁性水処理用途に用いる検討
が種々行われている。
【0003】高汚濁性水の濾過に適した中空糸膜モジュ
ールとして、多本数の中空糸膜をシート状に並び拡げて
配置し、中空糸膜の片端部または両端部が一つまたは異
なる二つの構造材内において固定部材でそれぞれの開口
状態を保ちつつ固定されてなる中空糸膜モジュールであ
って、固定部材の中空糸膜に垂直な断面の形状が細長い
ほぼ矩形であるような平型の中空糸膜モジュールが特開
平5−220356号公報等により知られている。
【0004】この平型タイプの中空糸膜モジュールは、
中空糸膜に気泡を当てて振動させての洗浄(スクラビン
グ)を連続的または断続的に行いながら液体を濾過する
方法により使用されているが、中空糸膜により形成され
るシート状面が垂直になるように配置して用いることに
より、中空糸膜の洗浄効率が向上し、高い濾過流量を長
期間保てることが特開平7−24264号公報により知
られている。この場合、モジュールの端部に配置された
構造材(導水管)が邪魔せずに気泡を中空糸膜に効率よ
く当てられるように、構造材を垂直に配置して中空糸膜
の繊維軸が水平になるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者等ら
は、スクラビングはエアーの供給量と、気泡の上昇に伴
って発生する水槽内の上昇水流の速度に比例した効率で
行われることを解明していたが、中空糸膜モジュールの
場合には、上昇水流に対する抵抗が大きく平膜の場合ほ
ど上昇水流の流速が上がらなかった。すなわち、エアー
の供給量を増やしても比較的低い水準で洗浄効率が飽和
してしまい、逆洗等の濾過を中断した大がかりな洗浄が
早期に必要になり、装置効率が低下した。
【0006】本発明の目的は、高汚濁性水の濾過におい
ても中空糸膜間に濁質が堆積しにくく、スクラビングが
より効率的に実施でき、長期に亘って差圧の上昇及び濾
過流量の低下が生じにくく、かつ中空糸膜の損傷のおそ
れも少い、中空糸膜モジュールを用いた濾過方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、シ
ート状に並び拡げて配設された中空糸膜と、中空糸膜の
端部を開口状態を保ちつつこれを固定する固定部材と、
固定部材を支持収納する構造材とを有してなる中空糸膜
モジュールを用い、該モジュールの下方から気泡を連続
的または断続的に供給しつつ液体を濾過する濾過方法に
おいて、中空糸膜により形成されるシート状面がほぼ垂
直となり、かつ中空糸膜の繊維軸方向がほぼ垂直となる
ように中空糸膜モジュールを配置して濾過することを特
徴とする濾過方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】従来、中空糸膜により形成される
シート状面が垂直になるように中空糸膜モジュールを被
処理液槽中に配置して用いる濾過方法において中空糸膜
を水平に配置していたのは、前述したように中空糸膜モ
ジュールの端部に配置された導水管がスクラビングの邪
魔にならないようにすることが大きな理由であった。ま
た、通常、中空糸膜はモジュール中においてある程度緩
みをもたせた状態で配設されているが、中空糸膜を垂直
に配置した場合には、上昇水流が中空糸膜を引き上げる
ように作用し、そのため上方の固定部材による中空糸膜
の固定部の近傍に中空糸膜のたるみが集中した。この
際、そのたるみ部分に上昇水流により中空糸膜を折り曲
げて水平方向へ引っ張る応力が発生し、固定部および折
り曲げ部で中空糸膜が損傷するおそれがあることも一因
であった。
【0009】以下、本発明の中空糸膜モジュールを用い
た濾過方法につき、図面を参照しつつより詳細に説明す
る。
【0010】まず、本発明の濾過方法に用いる平型の中
空糸膜モジュールにつき説明する。図1は、この中空糸
膜モジュールの一例を示す平面図で、図2は、そのAA
線方向の断面図であり、図3は他の例を示す斜視図であ
る。中空糸膜モジュール1は、基本的には、構造材2
と、固定部材3と、中空糸膜4とを有して構成される。
これらに加え、各種の付属部材が付設されてもよい。
【0011】構造材2は、中空糸膜モジュール全体を支
持する部材として機能し、長手方向に延びる細長い開口
部を有するとともに、その内部に濾液室5を有する。そ
の材質としては機械的強度および耐久性を有するもので
あればよく、例えばポリカーボネート、ポリスルフォ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成
PPE樹脂、塩化ビニル樹脂等が例示される。
【0012】本発明に用いる中空糸膜モジュールには、
図1のようにシート状に並び拡げて配設された中空糸膜
が形成するシート状面の対向する二辺に構造材が配設さ
れるタイプのものと、図3のようにシート状面の一辺に
のみ構造材が配置されるタイプのものがある。通常、濾
液取り出し口6が構造材2の一端もしくは両端に配設さ
れている。濾液取り出し口6に、図4に示すようなカプ
ラー継手20を配設すれば、濾液吸引ポンプにつながる
配管21との接続がワンタッチで実施できるので便利で
ある。
【0013】構造材は、円管状の形態のものを使用する
のが一般的であるが、図5および図6に示すように、そ
の長手方向に垂直な断面の形状が楕円または薬莢形の中
空管が好ましい。このような形状のものの場合には、下
方から供給された気泡をモジュール内の中空糸膜に当て
やすく、また気泡の上昇に伴う上昇水流の流速も上げや
すく、スクラビングを効率的に実施できる。
【0014】固定部材3は、構造材2の開口部に充填固
定され、多数の中空糸膜4の各端部を開口状態を保った
まま集束して固定するとともに、かつこれらの中空糸膜
を濾過膜として機能させるために、被処理水と処理水と
を液密に仕切る部材として機能する。固定部材3は、通
常、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン等の液状樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール
樹脂、アミノ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン
樹脂等の熱硬化性樹脂、更にポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の
熱可塑性樹脂から形成される。
【0015】中空糸膜4は、多数がほぼ平行に引き揃え
られて平坦なシート状に並び拡げて配設されている。こ
のように、多数の中空糸膜をほぼ平行に揃えてシート状
に並び拡げることで、中空糸膜束が一本の棒状に固着一
体化するのが防止される。このようなシート状中空糸膜
は、中空糸膜を緯糸とする編織物の形で準備されるのが
一般的であるが、中空糸膜モジュールとして完成された
際には拘束糸条としての経糸を有していてもよいし有さ
なくてもよい。
【0016】中空糸膜としては、種々のものが使用で
き、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系、PMMA系、ポリスルフォン系等の各
種材料からなるものが使用できるがポリエチレン、ポリ
プロピレン等の強伸度の高い材質のものが好ましい。な
お、濾過膜として使用可能なものであれば、孔径、空孔
率、膜厚、外径等には特に制限はないが、除去対象物や
容積当たりの膜面積の確保および中空糸膜の強度等を考
えると、好ましい例としては、孔径0.01〜1μm、
空孔率20〜90%、膜厚5〜300μm、外径20〜
2000μmの範囲を挙げることができる。
【0017】中空糸膜の表面特性としては、表面に親水
基等を持ついわゆる恒久親水化膜であることが望まし
い。恒久親水化膜の製法としては、ポリビニルアルコー
ルのような親水性高分子で中空糸膜を製造する方法、ま
たは疎水性高分子膜の表面を親水化する方法等の各種の
方法が使用できる。例えば親水性高分子を膜面に付与し
疎水性中空糸膜を親水化する際の親水性高分子の例とし
ては、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物、ポリ
ビニルピロリドン、ポリオキシエチレン(アルキル)フ
ェニルエーテル等の界面活性剤等を挙げることができ
る。別の手法による膜面親水化の例としては、親水性モ
ノマーの膜面重合方式があり、このモノマーの例として
はジアセトンアクリルアマイド等を挙げることができ
る。また、他の手法としては疎水性高分子(例えばポリ
オレフイン)に親水性高分子をブレンドして紡糸製膜す
る手法を挙げることができ、使用する親水性高分子の例
としては上述したものが挙げられる。表面が疎水性の中
空糸膜であると、被処理水中の有機物と中空糸膜表面と
の間に疎水性相互作用が働き膜面ヘの有機物吸着が発生
し、それが膜面閉塞につながり濾過寿命が短くなる。ま
た、吸着由来の目詰まりは膜面洗浄による濾過性能回復
も一般には難しい。恒久親水化膜を用いることにより有
機物と中空糸膜表面との疎水性相互作用を減少させるこ
とができ、有機物の吸着を抑えることができる。さらに
疎水性膜ではスクラビングの際に気泡によって膜面が乾
燥状態となることがあり、これにより疎水性が強まりフ
ラックスの低下を招くことがあるが、恒久親水化膜では
乾燥してもフラックスの低下が生じない。
【0018】本発明の濾過方法は、上述した中空糸膜モ
ジュールを用い、このモジュールの下方から気泡を連続
的または断続的に供給しつつ液体を濾過する方法におい
て、中空糸膜により形成されるシート状面がほぼ垂直と
なり、かつ中空糸膜の繊維軸方向がほぼ垂直となるよう
に中空糸膜モジュールを配置して濾過する方法である。
中空糸膜の繊維軸が垂直方向を向くように配置すると、
水平方向を向くように配置した場合に比較して、スクラ
ビングのエアーの供給量を増やした場合の上昇水流の流
速がかなり上がり、平膜を垂直に配置した場合に近い流
速が得られることが判明した。このためスクラビングに
よる中空糸膜の洗浄効率を向上させることが可能であ
る。
【0019】本発明の濾過方法を実施するには幾つかの
態様があるので、以下、これら各態様ごとに説明する。
【0020】第1の態様は、図7に示すように構造材が
シート状面の一辺にのみ配設されてなる中空糸膜モジュ
ールを用い、構造材がモジュールの最下方に位置し、中
空糸膜のシート状面が垂直上方へ伸びるように中空糸膜
モジュールを配置する方法である。構造材が配設された
辺と対向する辺は、通常は、中空糸膜のU字状の折り曲
げ部あるいは中空糸膜の封止端(以下、これらを中空糸
膜の上端という)の集合からなり、移動自在の状態に構
成されている。
【0021】中空糸膜の上端がモジュールの上方に位置
するようにするには、例えば中空糸膜のU字部の中央に
紐や針金等を通してこれを水槽内の所定位置に固定する
ことにより行われる。但し、この中空糸膜の上端は、完
全固定せずにある程度の移動が可能なようにしておくべ
きである。
【0022】このように中空糸膜の上端を固定部材によ
って固定しない構造にしておくと、散気管8から気泡を
出してスクラビングを開始すると中空糸膜は上昇水流に
沿って伸びるだけでたるむことがないので、水平方向へ
引っ張る応力は発生せず、中空糸膜が損傷するおそれも
ない。
【0023】第2の態様は、図8に示すように構造材が
シート状面の一辺にのみ配設されなる中空糸膜モジュー
ルを用い、構造材がモジュールの最上方に位置するよう
に配置するとともに、シート状面の構造材の配設辺と対
向する辺に、中空糸膜の浮き上がりを防止する重りを取
り付けて濾過する方法である。
【0024】重り10は、全ての中空糸膜に均等に荷重
が加わり張力が働くような構成にすることが適当なの
で、一個の球状の重りを取り付けるよりは、長く延びた
棒状の重りの方が好ましく、また、鎖のような形態の重
りであって、全体としては一つにまとまっているが、そ
れぞれが独立して中空糸膜に荷重を加えられるようなも
のが好ましい。
【0025】この態様の場合には、重りにより中空糸膜
には絶えず下方へ引っ張る力が働いているので、荷重を
適切に選べば中空糸膜がたるむことはないので中空糸膜
が損傷するおそれもない。また、モジュールの下方には
構造材はなく、中空糸膜を除けば重りだけが存在するの
で、重りの形状を適切に選べば、スクラビング用の気泡
を効率よく中空糸膜に当てることができ、それにともな
う上昇水流の流速も上げることができる。
【0026】第3の態様は、図9に示すように構造材の
少なくとも一部が液面より上方に位置するように配置し
て濾過する方法である。
【0027】中空糸膜が垂直となるように中空糸膜モジ
ュールを配置した場合、特に多くの中空糸膜モジュール
をそのように配置して濾過する場合には、上方に位置す
る構造材が密に近接して配設されることになる。このた
め、スクラビング用の気泡が水面上へ抜けるのを構造材
が邪魔をする。したがって、モジュールの上方部では気
泡は構造材を回避してモジュールの横方向から抜けよう
とするので、上昇水流の流速が落ち、洗浄効率が低下す
る。しかし、上部に位置する構造材が液面より上方に位
置していると、水面下にある中空糸膜の膜面積は低下す
るが、スクラビング用の気泡はまっすぐ水面上へ抜ける
ことができ、上昇水流の流速が落ちないので、中空糸膜
の洗浄効率を高く保つことができる。
【0028】この態様に用いる中空糸膜モジュールは、
シート状面の対向する二辺に構造材が配設されたもので
も一辺にのみ構造材が配設されたものでもよい。また、
上記の説明からも明らかなように、多数の中空糸膜モジ
ュールを配設する場合に上方に位置する構造材の全てを
液面上に位置させる必要はない。構造材の配設密度を低
くしてスクラビング用の気泡がまっすぐ液面上へ抜ける
ことができれば目的が達成されるからである。
【0029】更に、この態様で使用する場合、水面上に
出た中空糸膜部は空気が吸い込まれないようにすること
が好ましい。例えば、水面上に出る部分の中空糸膜外周
面を樹脂でコーティングする方法等が挙げられる。ま
た、使用形態によっては、そのまま空気が吸い込まれて
もよい。
【0030】第4の態様は、図11に示すように中空糸
膜モジュールのシート状面を少なくとも一ケ所で折り返
して配置して濾過する方法である。
【0031】シート状面の折り返しは、例えば折り返し
部11に丸棒等を配して、この丸棒に沿ってシート状面
を180°反転させて行う。折り返しの箇所は、一ケ所
以上であれば何ケ所でもよい。シート状面を折り返すこ
とによって、水槽内の中空糸膜の垂直方向に伸びる距離
が短くなり(例えば一ケ所で半分に折り返せば垂直方向
に伸びる距離は半分になる)、そのため中空糸膜にたる
みがあってもそのたるみ部分は小さくなるため、水平方
向の応力が発生したとしても小さいものとなり、中空糸
膜の損傷の可能性は殆どなくなる。
【0032】また、折り返し部を上方に位置する非固定
端とすると、各中空糸膜については第1の態様の場合と
同様に考えることができ、中空糸膜を水平方向に引っ張
る応力が発生しないので中空糸膜が損傷するおそれはな
い。更に、折り返し部を下方に位置する非固定端とし
て、その部分に中空糸膜の浮き上がりを防止する重りを
取り付けると、今度は第2の態様の場合と同様に考える
ことができ、中空糸膜にたるみが発生しないので中空糸
膜が損傷するおそれもない。
【0033】第5の態様は、図10に示すように水槽内
の液深方向に中空糸膜モジュールを少なくとも2段以上
に連ねて配置して濾過する方法である。
【0034】すなわち、多数のモジュールを連ねて使用
することにより、自然に1モジュール当りの中空糸膜の
水槽内での垂直方向に伸びる距離が短くなり、上述した
第4の態様の場合と同様に、中空糸膜に発生するたるみ
部分が小さくなるため、中空糸膜の損傷の可能性が低減
する。したがって、液深方向に中空糸膜モジュールを連
ねて配置する段数は、多いほど中空糸膜の損傷を防止す
る観点からは好ましいが、段数が増加するにつれて水槽
内に設置される中空糸膜の膜面積は低減するので、1モ
ジュール当りの中空糸膜の垂直方向に伸びる距離が10
〜200cmとなるように設置して濾過することが好ま
しく、10〜100cmとなるように設置することが特
に好ましい。
【0035】以上説明した本発明の濾過方法は、密閉容
器内に中空糸膜を配設して被処理水を加圧して中空糸膜
を透過させるいわゆる加圧濾過法にも使用できるが、そ
の場合にはスクラビングが容易には実施しにくいため、
開放水槽中に中空糸膜モジュールを配設し、中空糸膜を
透過した処理水を回収するサイドを吸引する吸引濾過法
で使用することが好ましい。また、周期的に一時吸引を
停止する、いわゆる間欠吸引運転方法を採用することも
できる。
【0036】本発明の濾過方法は、特に高汚濁性水の濾
過に適しており、具体的な利用分野としては、河川水の
濾過、工業用水濾過、下水の固液分離、排水処理(例え
ば合併浄化槽での処理)等が挙げられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の濾過方法では、スクラビングの
際の気泡の上昇に伴う上昇水流の流速を平膜を用いて濾
過する場合と同程度まで上げられるので、中空糸膜の膜
面洗浄が効率よく実施でき、特に高汚濁性水の濾過にお
いて長期に亙って差圧の上昇及び流量低下が防止でき
る。また、濾過中に中空糸膜にたるみが発生しにくいの
で、中空糸膜が損傷するおそれも殆どなく安定した濾過
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる中空糸膜モジュールの一例を示
す平面図である。
【図2】図1のAA線方向の断面図である。
【図3】本発明に用いる中空糸膜モジュールの他の例を
示す斜視図である。
【図4】本発明に用いる中空糸膜モジュールの濾液取り
出し口近傍の拡大図である。
【図5】本発明に用いる中空糸膜モジュールの一例の断
面図である。
【図6】本発明に用いる中空糸膜モジュールの一例の断
面図である。
【図7】本発明の濾過方法の第1の態様を示す模式図で
ある。
【図8】本発明の濾過方法の第2の態様を示す模式図で
ある。
【図9】本発明の濾過方法の第3の態様を示す模式図で
ある。
【図10】本発明の濾過方法の第4の態様を示す模式図
である。
【図11】本発明の濾過方法の第5の態様を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 中空糸膜モジュール 2 構造材 3 固定部材 4 中空糸膜 5 濾液室 6 濾液取り出し口 7 カプラー継手 8 散気管 9 水槽 10 重り 11 折り返し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下野 達観 東京都中央区京橋二丁目3番19号 三菱レ イヨン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状に並び拡げて配設された中空糸
    膜と、中空糸膜の端部を開口状態を保ちつつこれを固定
    する固定部材と、固定部材を支持収納する構造材とを有
    してなる中空糸膜モジュールを用い、該モジュールの下
    方から気泡を連続的または断続的に供給しつつ液体を濾
    過する濾過方法において、中空糸膜により形成されるシ
    ート状面がほぼ垂直となり、かつ中空糸膜の繊維軸方向
    がほぼ垂直となるように中空糸膜モジュールを配置して
    濾過することを特徴とする濾過方法。
  2. 【請求項2】 構造材が前記シート状面の一辺にのみ配
    設されてなる中空糸膜モジュールを用い、構造材がモジ
    ュールの最下方に位置するように配置して濾過する請求
    項1記載の濾過方法。
  3. 【請求項3】 構造材が前記シート状面の一辺にのみ配
    設されてなる中空糸膜モジュールを用い、構造材がモジ
    ュールの最上方に位置するように配置し、シート状面の
    構造材の配設辺と対向する辺に中空糸膜の浮き上がりを
    防止する重りを取り付けて濾過する請求項1記載の濾過
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一部の構造材が液面より上方
    に位置するように配置して濾過する請求項1記載の濾過
    方法。
  5. 【請求項5】 前記シート状面を少なくとも一ケ所で折
    り返して配置する請求項1記載の濾過方法。
  6. 【請求項6】 液深方向に中空糸膜モジュールを少なく
    とも2段以上連ねて配置する請求項1記載の濾過方法。
  7. 【請求項7】 構造材の長手方向に垂直な断面形状が楕
    円または薬莢形である中空糸膜モジュールを用いる請求
    項1、2、3、4、5または6記載の濾過方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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