JPH1097590A - パターン認識装置及び方法 - Google Patents

パターン認識装置及び方法

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JPH1097590A
JPH1097590A JP8250549A JP25054996A JPH1097590A JP H1097590 A JPH1097590 A JP H1097590A JP 8250549 A JP8250549 A JP 8250549A JP 25054996 A JP25054996 A JP 25054996A JP H1097590 A JPH1097590 A JP H1097590A
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stroke
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JP8250549A
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Naoki Natori
直毅 名取
Toru Honma
亨 本間
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パターン認識に要する時間の短縮と辞書容量の
削減を図り、加えて安定した特徴抽出とストローク統合
が行えるようにする。 【解決手段】入力文字パターンPに対する細線化処理を
細線化処理部1で行い、その細線化画像Tをもとに特徴
抽出部2にて特徴点とセグメントを抽出し、その特徴点
情報C及びセグメント情報Sをもとにストローク統合部
3にてストローク情報Iを得る。辞書マッチング部4で
は、辞書41に登録されている文字変形の影響の少ない
安定したストロークの情報を含む辞書情報Dをもとにス
トローク情報Iから安定ストロークを抽出し、辞書情報
Dとのマッチングを行って認識結果Rを出力する。辞書
マッチングに失敗した場合、特徴点修正部22では特徴
点情報Cを、ストローク修正部32ではストローク情報
Iを、辞書情報Dに基づいてトップダウン的に修正し、
辞書マッチング部4での再マッチングに供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字パターンや画
像パターン等のパターンの構造的特徴を抽出してパター
ン認識を行うパターン認識装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、入力されたパターンの構造的
特徴を解析し、辞書マッチングを行うことにより、その
パターンを認識するパターン認識装置が知られている。
このような従来のパターン認識装置について、文字認識
(文字パターンの認識)を例に図13を参照して説明す
る。
【0003】図13のパターン認識装置では、まず入力
された文字パターンPから、細線化処理部131により
細線化画像Tが得られる。文字パターンPは、図14に
示すように、ドットマトリクス上で、1画素以上の幅を
持った線で示すことができる。ここでは、文字画素を黒
で、背景画素を白で表現する。細線化画像Tは、図15
に示すように、芯線と呼ばれる幅1画素の線によって構
成されており、文字パターンの骨格を表している。
【0004】次に、細線化画像Tに基づいて、特徴抽出
部132で特徴点とセグメントを抽出する。特徴点に
は、「孤立点」、「端点」、「分岐点」、「交差点」の
4種類がある。この特徴点の種類について、図16を参
照して説明する。
【0005】特徴点の抽出は、ある画素とその周囲の8
画素とに基づいて行われる。ある画素が文字画素の場合
を例にとると、「孤立点」は、図16(a)に示すよう
に、周囲の8画素が全て背景画素であるときであり、
「端点」は、図16(b)に示すように、周囲の8画素
中の1画素だけ文字画素であるときである。また、「分
岐点」は、図16(c)に示すように、周囲の8画素中
の3画素が文字画素でしかもそれらが互いに隣接してい
ないときであり、「交差点」は、図16(d)に示すよ
うに、周囲の8画素中の4画素が文字画素でしかもそれ
らが互いに隣接していないときである。
【0006】特徴抽出部132では、上記した特徴点を
抽出する操作を、ドットマトリクス上の細線化画像Tの
各画素について行い、特徴点が見つかったならば識別番
号(識別子)を付けて登録することにより特徴点情報C
を得る。また、特徴抽出部132では、特徴点情報Cが
得られたならば、特徴点の間を結ぶ文字画素の点を追跡
し、それをセグメントとして識別番号(識別子)を付け
て登録することによりセグメント情報Sを得る。
【0007】このように、対象に関する知識を使わず
に、例えば周囲の8画素など一定の情報から画一的な手
順に従って行う処理のことをで、ここでは「ボトムアッ
プ的処理」と呼ぶことにする。なお、「ボトムアップ的
処理」とは逆に、対象に関する知識を使い、対象に適応
して行う処理のことを、ここでは「トップダウン的処
理」と呼ぶことにする。
【0008】特徴抽出部132で特徴点情報Cとセグメ
ント情報Sが得られると、その情報C,Sに基づいてス
トローク統合部133でストローク統合が行われる。ス
トローク統合とは、1つ以上のセグメントを組み合わせ
て、手書きの一筆にほぼ相当するストロークを構成する
ことである。ストロークは、例えば、「ループ」、「縦
直線」(縦の直線)、「横直線」(横の直線)、「4の
字」、「8の字」、「その他」のように分類される。こ
のようなストロークの分類の例を図17に示す。なお、
縦直線と横直線は次のように定義される。即ち、図18
に示すように、対象となるストローク180a(180
b)の重心Gを通る傾き1/2の直線181と傾き−1
/2の直線182により、2次元空間を4つの領域18
3〜186に区分した場合、その上下の領域184,1
86の一方にストロークの一端が存在し、他方に当該ス
トロークの他端が存在するとき、当該ストロークを縦直
線とする(ストローク180aの場合)。同様に、左右
の領域183,185の一方にストロークの一端が存在
し、他方に当該ストロークの他端が存在するとき、当該
ストロークを横直線とする(ストローク180bの場
合)。なお、領域の境界上の直線は、例えば縦直線とす
る。
【0009】ストローク統合部133でのストローク統
合は、特徴点に接続しているセグメントの位置関係に基
づいて行われる。例えば、文字「+」の場合、交差点に
接続している4つのセグメントのうち、その方向が18
0度近く異なるペアがあれば、それらが1つのストロー
クに統合される。このストローク統合処理は、対象に関
する知識を使わずに、セグメントの位置関係情報から画
一的な手順に従って行う処理のため、上記特徴抽出部1
32での特徴抽出処理と同様に、ボトムアップ的処理で
ある。
【0010】最後に、ストローク統合部133でのスト
ローク統合で得られたストローク情報(入力ストローク
情報)Iに基づいて、辞書マッチング部134で辞書1
340内の各文字種毎の辞書情報とのマッチングを行
い、認識結果Rを出力する。この辞書マッチング部13
4での辞書マッチングは、ストロークの特徴及び接続関
係を、入力ストローク情報と辞書情報とで比較照合する
ことで行われる。これについて、図19及び図20を参
照して説明する。
【0011】図19は文字「地」について2種の辞書情
報191,192の例を示したものである。図13中の
辞書1340には、形状(文字)変形を考慮して、文字
「地」についての図19に示すような2種の辞書情報1
91,192が登録されている。
【0012】辞書情報191は、「入力された文字パタ
ーンPが、S1=縦直線、S2=横直線、S3=横直
線、S4=その他、S5=その他、S6=縦直線である
6つのストロークS1〜S6を持ち、S1が中(S1の
両端以外の部分)でS2と交差すると共に下(下端)で
S3と接触し、且つS2が中でS1と交差し、且つS3
が中でS1と接触し、且つS4が中でS5及びS6と交
差し、且つS5が中でS4と交差し、且つS6が中でS
4と交差しているならば、『地』である」というように
記述されたものである。
【0013】一方、辞書情報191は、「入力された文
字パターンPが、S1=縦直線、S2=横直線、S3=
横直線、S4=その他、S5=その他、S6=縦直線で
ある6つのストロークS1〜S6を持ち、S1が中でS
2と交差すると共に下でS3と接触し、且つS2が中で
S1と交差し、且つS3が中でS1と接触し、且つS4
が中でS5及びS6と交差し、且つS5が中でS4と交
差すると共にS6と接触し、且つS6が中でS4と交差
すると共に下でS5と接触しているならば、『地』であ
る」というように記述されたものである。
【0014】入力された文字パターンPが、図20にお
いて符号201で示すように、辞書情報191と同じス
トローク特徴及び接続関係を持っているならば、辞書マ
ッチング部134での辞書情報191とのマッチング処
理203は成功し、「地」という認識結果が出力され
る。同様に、入力された文字パターンPが、図20にお
いて符号202で示すように、辞書情報192と同じス
トローク特徴及び接続関係を持っているならば、辞書マ
ッチング部134での辞書情報192とのマッチング処
理204は成功し、「地」という認識結果が出力され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術においては、辞書マッチング部で処理するス
トローク情報量が多いと、接続関係が複雑になるため、
マッチングに多大な時間がかかったり、辞書の容量が大
きくなるという問題があった。
【0016】また、特徴点の抽出は、ある画素とその周
囲の8画素だけからボトムアップ的に行われているた
め、例えば、図8(a)で示される文字「地」の文字パ
ターンのストロークS1の下側の端点81がストローク
S3に接触していないだけでも、接触している場合とは
特徴点情報が大きく変わってしまうという欠点があっ
た。
【0017】更に、ストロークの統合は、セグメントの
位置関係だけでボトムアップ的に行われているため、ス
トローク統合が実際の表記とは異なって行われてしまう
危険性があった。図9(a)の文字パターンは、このよ
うな誤ったストローク統合の例を文字「K」の場合につ
いて示すもので、抽出された文字「K」のセグメントが
s1 〜s4 であり、s1 とs2 が1つのストロークに統
合されるべきところ、交差する角度の関係で、s1 とs
4 がストロークS11に、s2 とs3 がストロークS1
2に誤って統合されている。
【0018】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
でその目的は、各種標準パターンについて、予め辞書に
比較的形状変形の少ない安定ストロークについての情報
を登録しておき、それと入力パターンのストローク情報
から得られる安定ストロークとのマッチングを行って認
識結果を出力することにより、マッチングの時間短縮と
辞書容量の節約が図れるパターン認識装置及び方法を提
供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、特徴点情報とセグメ
ント情報を辞書情報に基づいてトップダウン的に修正す
ることにより、特徴点情報とセグメント情報を安定化さ
せることができるパターン認識装置及び方法を提供する
ことにある。
【0020】本発明の更に他の目的は、ストローク統合
を辞書情報に基づいてトップダウン的に修正することに
より、ストローク統合を安定化させることができるパタ
ーン認識装置及び方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された認
識対象パターンについて細線化処理を行って細線化画像
を得る細線化処理手段と、この細線化処理手段により得
られる細線化画像に基づいて特徴点と特徴点間を結ぶ連
結画像の集合であるセグメントとを抽出し、特徴点情報
及びセグメント情報を得る特徴抽出手段と、この特徴抽
出手段により得られる特徴点情報及びセグメント情報に
基づいてストローク統合を行ってストローク情報を得る
ストローク統合手段と、各種標準パターンについて、そ
のパターンを構成する全ストロークの中から選択された
形状変形の影響の少ない少なくとも1つの安定したスト
ロークについての情報を含む辞書情報が登録されている
辞書と、上記ストローク統合手段により得られたストロ
ーク情報の中から、上記辞書中の辞書情報に基づいて安
定したストロークについての情報を安定ストローク情報
として抽出する安定ストローク抽出手段と、この安定ス
トローク抽出手段により抽出された安定ストローク情報
と上記辞書中の辞書情報とのマッチングを行って認識結
果を出力する辞書マッチング手段とを備えたことを特徴
とする。
【0022】また本発明は、上記辞書マッチング手段で
のマッチングに失敗した場合に、上記特徴抽出手段にお
いて、辞書中の辞書情報に基づいて上記特徴点情報をト
ップダウン的に修正すると共に、その修正した特徴点情
報に従ってセグメントを抽出し直して新たなセグメント
情報を取得し、当該新たなセグメント情報と上記修正し
た特徴点情報とを上記ストローク統合手段での再ストロ
ーク統合に供するようにしたことをも特徴とする。
【0023】また本発明は、上記辞書マッチング手段で
のマッチングに失敗した場合に、上記ストローク統合手
段において、辞書中の辞書情報に基づいて上記ストロー
ク統合をトップダウン的に修正して新たなストローク情
報を取得し、当該新たなストローク情報を上記辞書マッ
チング手段での再マッチングに供するようにしたことを
も特徴とする。
【0024】上記の構成においては、文字或いは画像の
各種標準パターンについて、その標準パターン中の比較
的形状変形の少ない安定ストロークについての情報を含
む辞書情報が予め辞書登録されており、その辞書情報に
基づいて認識対象となる入力パターンのストローク情報
から安定ストロークについての情報(安定ストローク情
報)が抽出されて、その辞書情報とのマッチングに用い
られることから、従来技術のように、形状変形の多い不
安定なストロークを含む全ストロークについてのマッチ
ングを行うものに比べて、マッチングの時間短縮と辞書
容量の節約を図ることが可能となる。ここで、辞書情報
中の安定ストロークの情報に、安定ストロークと接続す
る(同じ標準パターン内の)他のストロークとの接続関
係の情報を持たせるとよい。
【0025】また、上記の構成においては、辞書マッチ
ングに失敗した場合には、上記辞書情報に基づいて上記
特徴点情報及びセグメント情報がトップダウン的に修正
されることから、特徴点情報とセグメント情報を安定化
させることができ、この修正後の特徴点情報とセグメン
ト情報をもとに再度ストローク統合を行って該当する辞
書情報との辞書マッチングに用いることで、認識率を向
上させることが可能となる。ここで、特徴点情報の修正
は、辞書情報に含まれている安定ストロークの情報、例
えば安定ストロークの位置と、当該安定ストロークと他
のストロークとの接続関係の情報をもとに修正の対象と
なる特徴点を決定し、その特徴点を辞書情報の示す接続
関係に一致させるように変更することで実現される。例
えば、辞書情報によって示される安定ストロークが存在
する領域内にある、ストローク(セグメント)の端点、
または交差している点を選択し、その点が端点または交
差点から分岐点(セグメントの分岐点)となるように変
更することで、辞書情報の示す接続関係に近付ける特徴
点修正が可能となる。
【0026】また、上記の構成においては、辞書マッチ
ングに失敗した場合には、上記辞書情報に基づいて上記
ストローク情報がトップダウン的に修正されることか
ら、この修正後のストローク情報を該当する辞書情報と
の再度のマッチングに用いることで、認識率を向上させ
ることが可能となる。ここで、ストローク情報の修正
は、例えば、辞書情報によって示される安定ストローク
が存在する領域内にあるストロークを取り出し、その取
り出したストロークだけを対象に第1のストローク統合
を行い、残りのストロークについて第2のストローク統
合を行うことで実現される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、文字認識用または画像認識用のうちの文字認識用の
パターン認識装置に実施した場合を例に図面を参照して
説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパターン認
識装置の概略構成を示すブロック図である。
【0028】図1のパターン認識装置は、細線化処理部
1、トップダウン型特徴抽出部2、トップダウン型スト
ローク統合部3、及び辞書マッチング部4から構成され
る。細線化処理部1は、認識の対象となる文字パターン
Pを入力し、その細線化画像Tを取得する細線化処理を
司る。
【0029】トップダウン型特徴抽出部2は、細線化処
理部1により取得された細線化画像Tから特徴点情報C
及びセグメント情報Sを抽出するものであり、細線化画
像Tから特徴点情報Cを抽出する特徴点抽出部21と、
この特徴点情報Cを辞書41中の辞書情報Dに基づいて
トップダウン的に修正する特徴点修正部22と、この修
正された、或いは未修正の特徴点情報Cからセグメント
情報Sを抽出するセグメント抽出部23とから構成され
る。
【0030】トップダウン型ストローク統合部3は、ト
ップダウン型特徴抽出部2により取得された特徴点情報
C及びセグメント情報Sに基づいてストローク統合を行
うもので、当該ストローク統合を司るストローク統合部
31と、ストローク統合で得られたストローク情報Iを
辞書41中の辞書情報Dに基づいてトップダウン的に修
正するストローク修正部32とから構成される。
【0031】辞書マッチング部4はトップダウン型スト
ローク統合部3で取得されたストローク情報Iに基づく
辞書マッチングを行って(文字パターンPに対する)認
識結果Rを出力するもので、各種文字(の標準パター
ン)について、その文字を構成する全ストロークの中か
ら選択された形状変形の影響の少ない安定したストロー
クの情報を含む辞書情報が登録されている辞書41と、
辞書41内の各辞書情報Dとのマッチングに際し、その
辞書情報Dに基づいてストローク情報Iの中から安定し
たストロークの情報(安定ストローク情報)Jを抽出す
る安定ストローク抽出部42と、この安定ストローク情
報Jと辞書41内の各辞書情報Dとのマッチングを行う
安定ストロークマッチング部43とから構成される。
【0032】次に、図1の構成の動作を説明する。ま
ず、認識の対象となる手書き文字の文字パターンPが細
線化処理部1に入力されたものとする。この文字パター
ンPは、図14に示したように、ドットマトリクス上
で、1画素以上の幅を持った線で示すことができる。細
線化処理部1では、入力された文字パターンPについて
細線化処理を行い、細線化画像Tを得る。この細線化画
像Tは、図15に示したように、芯線と呼ばれる幅1画
素の線によって構成されており、文字パターンPの骨格
を示している。なお、細線化アルゴリズムとしては、従
来からよく知られているHilditchの細線化手法を用いて
いる(参考文献:C.J.Hilditch:"Linear skeleton from
square cupboards",in Machine Intelligence,4,B.Mel
tzer and D.Michie,eds.Edinburgh Univ.Press,pp.404-
420(1967) ),細線化処理部1により得られた細線化画
像Tはトップダウン型特徴抽出部2に入力される。トッ
プダウン型特徴抽出部2内の特徴点抽出部21は、細線
化画像Tに基づき、(図13中の特徴抽出部132にお
ける特徴点抽出と同様にして)図16に示すような分類
に従ってボトムアップ的に特徴点を抽出する処理を行
い、特徴点情報Cを得る。この特徴点情報Cは同じトッ
プダウン型特徴抽出部2内の特徴点修正部22に入力さ
れる。特徴点修正部22は、辞書マッチング部4から特
別の指示がない場合には、特徴点抽出部21により抽出
された特徴点情報Cをそのまま同じトップダウン型特徴
抽出部2内のセグメント抽出部23に送る。セグメント
抽出部23は、特徴点修正部22から送られた(未修正
の)特徴点情報Cに基づいて(図13中の特徴抽出部1
32におけるセグメント抽出と同様にして)セグメント
を抽出する処理を行い、セグメント情報Sを得る。
【0033】このようにしてトップダウン型特徴抽出部
2で得られる特徴点情報C、セグメント情報Sは、例え
ば図15の細線化画像Tの場合には、図2のようにな
る。なお図2において、特徴点情報Cの各行は、それぞ
れ特徴点を特定するための[特徴点ID(特徴点番
号),特徴点の座標,特徴点の種別]の組からなる情報
を示し、セグメント情報Sの各行は、それぞれセグメン
トを特定するための[セグメントID(セグメント番
号),セグメントの両端の特徴点のID,セグメントの
座標点列,セグメントの種別]の組からなる情報を示
す。
【0034】トップダウン型特徴抽出部2にて得られた
(入力文字パターンPについての)図2に示したような
データ構造の特徴点情報C及びセグメント情報Sはトッ
プダウン型ストローク統合部3に入力される。トップダ
ウン型ストローク統合部3内のストローク統合部31
は、上記特徴点情報C及びセグメント情報Sに基づき、
ボトムアップ的にストローク統合を行い、ストローク情
報Iを取得する。このストローク情報Iは、例えば図3
のようになる。ここで、ストローク情報Iの各行は、そ
れぞれストロークを特定するための[ストロークID
(ストローク番号),ストロークの構成セグメントのI
D,ストロークの種別]の組からなる情報を示す。
【0035】上記したストローク統合部31でのストロ
ーク統合は、特徴点に接続しているセグメントの位置関
係に基づき、図15に示すような分類に従って(図13
中のストローク統合部133におけるストローク統合と
同様にして)行われる。例えば、文字「+」の場合、交
差点に接続している4つのセグメントのうち、その方向
が180度近く異なるペアがあれば、それらが1つのス
トロークに統合される。
【0036】トップダウン型ストローク統合部3内のス
トローク統合部31で取得されたストローク情報Iは同
じトップダウン型ストローク統合部3内のストローク修
正部32に送られる。ストローク修正部32は、辞書マ
ッチング部4から特別の指示がない場合には、ストロー
ク統合部31で取得されたストローク情報Iをそのまま
辞書マッチング部4に送る。
【0037】辞書マッチング部4内の安定ストローク抽
出部42は、トップダウン型ストローク統合部3から送
られるストローク情報Iを入力し、安定ストロークマッ
チング部43による辞書41内の各辞書情報Dとのマッ
チングのために、その辞書情報Dに基づいて上記ストロ
ーク情報Iから安定ストローク情報Jを抽出する。
【0038】安定ストローク抽出部42は、抽出した安
定ストローク情報Jを同じ辞書マッチング部4内の安定
ストロークマッチング部43に送る。安定ストロークマ
ッチング部43は、この安定ストローク情報Jのみをマ
ッチング対象として、辞書41内の(当該安定ストロー
ク情報Jの抽出に用いられた)辞書情報Dとのマッチン
グを行う。
【0039】この辞書マッチング部4内の安定ストロー
ク抽出部42及びマッチング部43の動作の詳細を例を
挙げて説明する。まず本実施形態における辞書情報D
は、図4に示すように、各文字種について、[文字の全
体のストローク数,安定ストロークの位置,安定ストロ
ークの種別,安定ストロークと他のストロークとの接続
関係]からなるデータ構造となっており、図19に示し
た従来の辞書情報のデータ構造とは異なっている。本実
施形態における安定ストロークは、該当する文字につい
て、多数の者が筆記した各文字パターンを対象にストロ
ーク抽出を行って累計をとり、累計値の最も高い1つの
ストロークを、最も安定して抽出できるストローク、即
ち当該文字を代表する形状変形の影響の最も少ない安定
ストロークとして選択したものである。
【0040】図4に示す辞書情報D中の安定ストローク
の位置には、「上」、「下」、「左」、「右」、「中」
の5種類がある。この安定ストローク位置の種別は、次
のように決定される。
【0041】まず、文字領域を図5に示すように上下左
右に2等分して、4つの同一サイズの領域A〜D、即ち
左上領域A、右上領域B、左下領域C及び右下領域Dに
分割すると共に、この領域A〜Dと同一サイズの領域E
を、中心が文字領域のそれに一致するように、当該文字
領域の中央に設定する。そして、安定ストロークの重心
が、左上領域A中の領域Eの部分を除く領域(A−E)
内にあれば、当該安定ストロークの位置を左または上と
し、右上領域B中の領域Eの部分を除く領域(B−E)
内にあれば、当該安定ストロークの位置を右または上と
する。同様に、安定ストロークの重心が、左下領域C中
の領域Eの部分を除く領域(C−E)内にあれば、当該
安定ストロークの位置を左または下とし、右下領域D中
の領域Eの部分を除く領域(D−E)内にあれば、当該
安定ストロークの位置を右または下とする。但し、安定
ストロークが縦直線の場合には、左または右に、横直線
の場合には上または下に優先的に決定される。また、安
定ストロークの重心が、中央の領域E内にあれば、当該
安定ストロークの位置を中とする。以上の分類は、安定
ストローク以外のストロークについても同様である。
【0042】また辞書情報D中の接続関係の情報は、安
定ストロークに接続する他のストローク(接続ストロー
ク)の数分存在し、それぞれ(接続ストロークの位置,
接続種別,接続ストロークの種別)を示す。ここで、接
続種別(安定ストロークと接続ストロークとの接続の種
別)には、「交差」、「接触」の2種類がある。
【0043】辞書情報Dの具体例を、住所表示に必要な
数字、漢数字等の26文字種(0,1,2,3,4,
5,6,7,8,9,の,一,九,五,号,三,四,
七,十,地,丁,二,八,番,目,六の26文字種)に
ついて図6に示す。
【0044】図6の例から明らかなように、文字「地」
についての辞書情報Dは、[全体ストローク数=6,位
置=左,種別=縦直線,接続関係=((中,交差,横直
線),(下,接触,横直線))]である。この例では、
文字「地」の安定ストロークは、偏の部分の縦直線(位
置=左の縦直線)である。
【0045】安定ストローク抽出部42は、辞書情報D
が上記した文字「地」の場合、当該文字「地」の辞書情
報Dにマッチするストロークをストローク情報Iから抽
出し、そのストロークについての情報を安定ストローク
情報Jとして安定ストロークマッチング部43に送る。
即ち安定ストローク抽出部42は、文字「地」の辞書情
報Dの中の安定ストロークの位置情報と種別を参照し、
その位置情報の示す位置にある同じ種別のストローク
(ここでは、左の位置の縦直線のストローク)を、スト
ローク情報Iから抽出し、その抽出したストローク(安
定ストローク)と、ストローク情報I中の(安定ストロ
ークと接続する)他のストロークとの接続関係を示す安
定ストローク情報Jを得る。
【0046】ここでは、入力された文字パターンPが、
図7において符号71で示すようにストロークS5とス
トロークS6とが接続していない文字「地」の場合で
も、符号72で示すようにストロークS5とストローク
S6とが接続(接触)している文字「地」の場合でも、
偏の部分をなすストロークS1〜S3のうちの縦直線で
あるストロークS1が安定ストロークとして抽出される
ことになる。また、抽出された安定ストロークS1と接
続するストローク(接続ストローク)として、ストロー
クS2とストロークS3が抽出され、安定ストロークS
1と接続ストロークS2,S3との接続関係として、
(位置=中,接続種別=交差,接続ストローク種別=横
直線),(位置=下,接続種別=接触,接続ストローク
種別=横直線)が得られる。
【0047】なお、ストローク情報I中のストロークの
総数が辞書情報D中の全体ストローク数±Δ(Δは予め
定められた誤差分であり、例えば1である)の範囲外の
場合には、(当該辞書情報Dとのマッチングはとれない
ものとして)当該辞書情報Dに基づく安定ストロークの
抽出は行われず、その旨が安定ストローク抽出部42か
ら安定ストロークマッチング部43に通知される。
【0048】安定ストローク抽出部42は、以上の処理
を、辞書41に登録されている全ての文字の辞書情報D
について繰り返し行う。安定ストロークマッチング部4
3は、安定ストローク抽出部42から安定ストローク情
報Jを受け取ると、当該安定ストローク情報Jと当該安
定ストローク情報Jの抽出に用いられた辞書情報Dとの
マッチング(安定ストロークとそれに接続するストロー
クとの接続関係のマッチング)をとる。例えば、安定ス
トローク抽出部42からの安定ストローク情報Jが、文
字「地」の辞書情報Dに基づいて(ストローク情報Iか
ら)抽出されたものであるならば、当該安定ストローク
情報Jと文字「地」の辞書情報D(中の接続関係)との
マッチングが、図7において符号73で示す処理、即ち
抽出された安定ストロークS1が縦直線で、且つ当該ス
トロークS1が中でストロークS2と交差し、且つ当該
ストロークS1が下でストロークS3と接触しているか
否かをチェックする処理によりとられる。ここでマッチ
ングがとれている場合、安定ストロークマッチング部4
3は文字「地」を認識結果Rとして出力する。
【0049】辞書マッチング部4は、以上の処理を、辞
書41に登録されている全ての文字の辞書情報D(のう
ち、安定ストローク抽出部42で安定ストローク情報J
が抽出された際の辞書情報D)について繰り返し行い、
マッチングがとれた際の辞書情報Dの文字を全て入力文
字パターンPに対する認識結果R(の候補)として出力
する。
【0050】このように本実施形態においては、文字
「地」のようにストローク情報Iの量が多い場合でも、
予め辞書41に登録されている比較的文字変形の影響の
少ない安定ストロークの情報を持つ辞書情報Dに基づい
て当該ストローク情報Iから安定ストローク情報Jを抽
出し、安定ストロークについてのみマッチングを行うよ
うにしているため、マッチングの時間を短縮し且つ辞書
41の容量を節約できる。
【0051】次に、辞書マッチング部4でのマッチング
に失敗した場合の動作を図8乃至図11を参照して説明
する。辞書マッチング部4内の安定ストロークマッチン
グ部43は、辞書41中のいずれの辞書情報Dともマッ
チングがとれなかった場合、即ち辞書41中の全ての辞
書情報Dとのマッチングに失敗した場合、辞書41中の
各辞書情報Dをトップダウン型特徴抽出部2内の特徴点
修正部22、及びトップダウン型ストローク統合部3内
のストローク修正部32に順次送り、トップダウン的な
修正を要求する。
【0052】すると特徴点修正部22は、特徴点抽出部
21により入力文字パターンPから抽出された特徴点
(を示す特徴点情報C)を、安定ストロークマッチング
部43から順次送られる各辞書情報Dに基づいてトップ
ダウン的に修正する。この特徴点修正部22での特徴点
修正の具体例を、安定ストロークマッチング部43から
文字「地」についての辞書情報Dが送られた場合につい
て説明する。
【0053】まず、文字「地」についての辞書情報D
は、前記したように、[全体ストローク数=6,位置=
左,種別=縦直線,接続関係=((中,交差,横直
線),(下,接触,横直線))]である。
【0054】一方、入力文字パターンPが、図8(a)
に示す文字「地」の文字パターンであり、且つストロー
クS1の末尾側の端点81がストロークS3に接触して
いないものとする。この場合、前記したような特徴点抽
出部21でのボトムアップ的な特徴点抽出、それに対応
したセグメント抽出部23でのセグメント抽出では、文
字「地」の辞書マッチングに失敗することは明らかであ
る。
【0055】今、ボトムアップ的な特徴点抽出及びセグ
メント抽出の結果、図8(a)に示す文字「地」の文字
パターンPに対する(辞書マッチング部4内の)安定ス
トロークマッチング部43での辞書マッチングに失敗
し、当該マッチング部43から特徴点修正部22(及び
ストローク修正部32)に対して文字「地」についての
辞書情報Dが送られたものとする。
【0056】特徴点修正部22は、特徴点抽出部21に
よる図8(a)に示す文字「地」の入力文字パターンP
に対する特徴点抽出の結果(特徴点情報C)を、文字
「地」についての辞書情報Dに基づいて修正するため
に、まず、辞書情報Dの示す安定ストロークの位置並び
に種別と、安定ストロークと他のストロークとの接続種
別が「接触」である接続位置を調べる(図10ステップ
101)。次に特徴点修正部22は、調べた安定ストロ
ーク位置並びに種別と接続位置をもとに、修正の対象と
なる特徴点(ここでは端点)を決定する(図10ステッ
プ102)。
【0057】文字「地」についての辞書情報Dの例で
は、安定ストローク位置は左、安定ストローク種別は縦
直線、安定ストロークと他のストロークとの接続種別が
「接触」である接続位置は下である。この場合、特徴点
修正部22は、図8(a)に示す文字「地」の入力文字
パターンPの左下側の領域内に含まれる3つの端点のう
ち、縦直線のセグメント(=ストロークS1)の下側の
端点81を修正の対象となる特徴点(端点)として決定
する。
【0058】特徴点修正部22は、修正の対象となる端
点が決定できた場合(ステップ103)、当該端点の近
傍を走査し(ステップ104)、一定の距離の範囲内に
接触可能なセグメント(ストローク)があるならば(図
10ステップ105)、そのセグメントに接触するよう
に当該端点を移動する(図10ステップ106)。
【0059】図8(a)の文字「地」の文字パターンP
の例では、当該入力文字パターンPの左下側の領域内に
含まれる3つの端点のうち、縦直線のセグメント(=ス
トロークS1)の下側の端点81は、下側の横直線のセ
グメント(=ストロークS3)に接触可能である。この
場合、特徴点修正部22は、図8(a)の文字「地」の
文字パターンP上で、ストローク(セグメント)S1の
下側の端点81を移動して、ストローク(セグメント)
S1の末尾をストローク(セグメント)S3に接触させ
ることで、端点81を、図8(b)に示す文字「地」の
文字パターンPのように、分岐点82に変更(修正)す
る。
【0060】この結果、辞書マッチング部4(内の安定
ストロークマッチング部43)での文字「地」の辞書情
報Dとのマッチングは成功することになる。さて、特徴
点修正部22で特徴点が修正された場合、その特徴点修
正後の特徴点情報Cがセグメント抽出部23に送られ、
当該特徴点情報Cに基づいて、新たなセグメント情報S
が抽出される。そしてこの修正後の特徴点情報Cと新た
に抽出されたセグメント情報Sとがトップダウン型スト
ローク統合部3に送られる。
【0061】トップダウン型ストローク統合部3内のス
トローク統合部31は、修正後の特徴点情報C及び新た
なセグメント情報Sに基づき、前記した修正前の場合と
同様に、図17に示すような分類に従ってボトムアップ
的にストローク統合を行い、新たなストローク情報Iを
取得する。
【0062】ストローク統合部31で取得したストロー
ク情報Iはストローク修正部32に送られる。ストロー
ク修正部32には、安定ストロークマッチング部43か
らマッチングに失敗した各辞書情報Dが順次送られてお
り、トップダウン的な修正が要求されている。
【0063】そこでストローク修正部32は、ストロー
ク統合部31でのストローク統合の結果であるストロー
ク情報Iを、安定ストロークマッチング部43から送ら
れている辞書情報Dに基づいてトップダウン的に修正す
る。このストローク修正部32でのストローク統合修正
の具体例を、安定ストロークマッチング部43から文字
「K」についての辞書情報Dが送られており、且つ入力
文字パターンPが図9(a)に示すような文字「K」で
ある場合について説明する。なお、図6から明らかなよ
うに、実際には辞書41には文字「K」についての辞書
情報Dは登録されておらず、文字「K」は認識対象外で
あるが、説明の便宜上、入力文字パターンPが文字
「K」の場合を例にとる。
【0064】まず、文字「K」についての辞書情報D
は、[全体ストローク数=3,位置=左,種別=縦直
線,接続関係=((中,接触,縦直線),(中,接触,
縦直線)]であるものとする。
【0065】一方、図9(a)に示す文字「K」の文字
パターン(P)の4つのセグメントs1 〜s4 を対象と
して、ストローク統合部31がセグメントの方向(角
度)だけでボトムアップ的なストローク統合を行った結
果、その文字パターンが、文字「×」のように、2つの
ストロークS11,S12が交差していると判断された
ものとすると、そのままでは文字「K」の辞書マッチン
グに失敗することは明らかである。
【0066】今、ボトムアップ的なストローク統合の結
果、図9(a)に示す文字「K」の文字パターンPに対
する(辞書マッチング部4内の)安定ストロークマッチ
ング部43での辞書マッチングに失敗し、当該マッチン
グ部43からストローク修正部32に対して文字「K」
の辞書情報Dが送られたものとする。
【0067】ストローク修正部32は、ストローク統合
部31による図9(a)に示したようなボトムアップ的
なストローク統合の結果(ストローク情報I)を、文字
「K」についての辞書情報D(の示す安定ストロークの
位置及び種別)に基づいて修正するために、まず、辞書
情報Dの示す安定ストロークの位置で決まる、入力文字
パターンPの領域に含まれているセグメント、即ち安定
ストロークと同じ位置に分類されるセグメントを全て取
り出す(図11ステップ111)。ここでは、図9
(a)に示す文字「K」の文字パターンP中の左側の2
つのセグメントs1,s2 が取り出される。なお、セグ
メントの位置は、前記した安定ストロークの位置の決定
と同一手法で決定される。
【0068】次にストローク修正部32は、取り出した
セグメントを1つのストロークに統合する(図11ステ
ップ112)。ここでは、セグメントs1 ,s2 が、図
9(b)に示すように、ストロークS21に統合され
る。次にストローク修正部32は、残りのセグメントに
ついてのストローク統合を行う(図10ステップ11
3)。ここでは、右側の2つのセグメントs3 ,s4 が
そのままストロークS22,S23とされる。
【0069】以上に述べたストローク修正部32でのト
ップダウン的なストローク統合の修正処理により、文字
「K」の入力文字パターン(P)の4つのセグメントs
1 〜s4 が、図9(b)のように、文字「K」の辞書情
報Dに適合したストロークS21〜S23に再統合され
る。この結果、辞書マッチング部4(内の安定ストロー
クマッチング部43)での文字「K」の辞書情報Dとの
再度のマッチングは成功することになる。
【0070】このように本実施形態においては、先に述
べたようなマッチングの時間を短縮し且つ辞書41の容
量を節約できるという効果だけでなく、辞書情報Dとの
マッチングがとれないときに、その辞書情報Dに基づい
て特徴点情報Cとセグメント情報Sをトップダウン的に
修正することにより、特徴点情報Cとセグメント情報S
を筆記者の癖等に起因する文字の変形(崩れ)に影響さ
れずに安定化させ、認識率を向上することができるとい
う効果もある。また、辞書情報Dとのマッチングがとれ
ないときに、その辞書情報Dに基づいてストローク統合
をトップダウン的に修正することにより、ストローク統
合を筆記者の癖等に起因する文字の変形(崩れ)に影響
されずに安定化させ、認識率を向上することができると
いう効果もある。
【0071】そこで、本実施形態によるパターン認識装
置の能力を検証するため、図6に示した26文字種につ
いて認識実験を行った。まず、図12(a)に、上記2
6文字種の辞書情報におけるストローク数と接続関係数
を、従来技術のそれて対比させて示す。
【0072】この図12(a)から、安定ストロークを
抽出することによるマッチング時間の短縮と辞書容量の
節約の効果は明らかである。即ち、上記26文字種の場
合、従来技術では、取り得る最大のストローク数の合計
は76である。一方、安定ストローク数は本実施形態で
は1文字種につき1であるから、本実施形態によるスト
ローク数の合計は26である。また、取り得る最大の接
続関係の数は、従来技術では116であるが、本実施形
態では28である。
【0073】次に、トップダウン的な特徴点抽出、セグ
メント抽出及びストローク統合の能力を検証する。ここ
では、26文字種の各々につき50件、合計1300件
のテストデータを用意した。これを用いて、トップダウ
ン的な特徴点抽出、セグメント抽出及びストローク統合
を行わない場合と行う場合とで認識実験を行った。この
認識実験での認識率、誤認識率及びリジェクト率を図1
2(b)に示す。この図12(b)から明らかなよう
に、認識率が向上し、誤認識率及びリジェクト率が低く
なった。
【0074】以上に述べた図1の構成のパターン認識装
置の各部の機能は、専用の装置で実現することも可能で
あるが、コンピュータ、例えば文字パターンPの入力機
能を持つパーソナルコンピュータを、細線化処理部1、
トップダウン型特徴抽出部2、トップダウン型ストロー
ク統合部3、及び辞書マッチング部4として機能させる
ためのプログラムを記録した(フロッピーディスク、C
D−ROM等の)記録媒体を用い、当該記録媒体をパー
ソナルコンピュータに装着して、当該記録媒体に記録さ
れているプログラムをパーソナルコンピュータで読み取
り実行させることにより実現される。
【0075】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。例えば、細線化処理部
1での細線化処理に、Hilditchの細線化アルゴリズムの
代わりに別のアルゴリズムを用いてもよい。また、特徴
点を抽出するときに、特徴点を移動させるのではなく、
ストローク上に新たな特徴点を想定し、その点ともとも
との特徴点とを直線或いは種々の曲線で結んでもよい。
また、ストロークの種別について、「ループ」のような
定性的な表現だけではなく、曲率などの定量的な表現を
加えてもよい。また、文字種によっては複数の安定スト
ロークを設定するようにしてもよい。また、特徴点修正
部22及びストローク修正部32によるトップダウン的
修正を最初から(即ち辞書マッチング部4での辞書マッ
チング前に)行うようにしても構わない。更に、辞書4
1とのマッチングを行うときに、ルールベースだけでな
く、ニューラルネットのようなアーキテクチャを適用し
て実施することもできる。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、各
種標準パターンについて、比較的形状変形の少ない安定
ストロークについての情報を辞書登録しておき、それと
入力パターンのストローク情報から得られる安定ストロ
ークとのマッチングを行って認識結果を出力する構成と
したので、マッチングの時間短縮と辞書容量の節約を図
ることができる。
【0077】また本発明によれば、特徴点情報とセグメ
ント情報を辞書情報に基づいてトップダウン的に修正す
ることにより、特徴点情報とセグメント情報を安定化さ
せることができるため、認識率を向上すると共に、誤認
識率及びリジェクト率を低くすることができる。
【0078】また本発明によれば、ストローク統合を辞
書情報に基づいてトップダウン的に修正することによ
り、ストローク統合を安定化させることができるため、
認識率を向上すると共に、誤認識率及びリジェクト率を
低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパターン認識装置の
概略構成を示すブロック図。
【図2】図1中のトップダウン型特徴抽出部2で得られ
る特徴点情報C及びセグメント情報Sの一例を示す図。
【図3】図1中のストローク統合部3で得られるストロ
ーク情報Iの一例を示す図。
【図4】図1中の辞書41に登録される辞書情報のデー
タ構造例を示す図。
【図5】ストローク位置の分類の仕方を説明するための
図。
【図6】図1中の辞書41に登録される辞書情報の具体
例を示す図。
【図7】図1中の安定ストロークマッチング部43にお
ける文字「地」の入力パターンに対する辞書マッチング
を説明するための図。
【図8】図1中の特徴点修正部22におけるトップダウ
ン的な特徴点修正を説明するための図。
【図9】図1中のストローク修正部32におけるトップ
ダウン的なストローク統合修正を説明するための図。
【図10】図1中の特徴点修正部22における特徴点修
正処理の手順を示すフローチャート。
【図11】図1中のストローク修正部32におけるスト
ローク統合修正処理の手順を示すフローチャート。
【図12】同実施形態で適用される辞書情報におけるス
トローク数と接続関係数を、従来技術のそれて対比させ
て示すと共に、同実施形態におけるトップダウン的な修
正の有無による認識実験結果を示す図。
【図13】従来のパターン認識装置の概略構成を示すブ
ロック図。
【図14】文字パターンPの一例を示す図。
【図15】図14の文字パターンPに対する細線化処理
で得られる細線化画像Tを示す図。
【図16】特徴点の種類を説明するための図。
【図17】ストロークの種類を説明するための図。
【図18】ストロークの縦直線と横直線の分類の仕方を
説明するための図。
【図19】文字「地」についての従来の辞書情報の一例
を示す図。
【図20】図13中の辞書マッチング部134における
文字「地」の入力パターンに対する辞書マッチングを説
明するための図。
【符号の説明】
1…細線化処理部、 2…トップダウン型特徴抽出部、 3…トップダウン型ストローク統合部、 4…辞書マッチング部、 21…特徴点抽出部、 22…特徴点修正部、 23…セグメント抽出部、 31…ストローク統合部、 32…ストローク修正部、 41…辞書、 42…安定ストローク抽出部、 43…安定ストロークマッチング部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された認識対象パターンについて細
    線化処理を行って細線化画像を得る細線化処理手段と、 前記細線化処理手段により得られる細線化画像に基づい
    て特徴点と特徴点間を結ぶ連結画像の集合であるセグメ
    ントとを抽出し、特徴点情報及びセグメント情報を得る
    特徴抽出手段と、 前記特徴抽出手段により得られる特徴点情報及びセグメ
    ント情報に基づいてストローク統合を行ってストローク
    情報を得るストローク統合手段と、 各種標準パターンについて、そのパターンを構成する全
    ストロークの中から選択された形状変形の影響の少ない
    少なくとも1つの安定したストロークについての情報を
    含む辞書情報が登録されている辞書と、 前記ストローク統合手段により得られたストローク情報
    の中から、前記辞書中の辞書情報に基づいて安定したス
    トロークについての情報を安定ストローク情報として抽
    出する安定ストローク抽出手段と、 前記安定ストローク抽出手段により抽出された安定スト
    ローク情報と前記辞書中の辞書情報とのマッチングを行
    って認識結果を出力する辞書マッチング手段とを具備す
    ることを特徴とするパターン認識装置。
  2. 【請求項2】 前記特徴抽出手段は、前記辞書マッチン
    グ手段でのマッチングに失敗した場合に、前記辞書中の
    辞書情報に基づいて前記特徴点情報をトップダウン的に
    修正すると共に、その修正した特徴点情報に従ってセグ
    メントを抽出し直して新たなセグメント情報を取得し、
    当該新たなセグメント情報と前記修正した特徴点情報と
    を前記ストローク統合手段での再ストローク統合に供す
    るように構成されていることを特徴とする請求項1記載
    のパターン認識装置。
  3. 【請求項3】 前記ストローク統合手段は、前記辞書マ
    ッチング手段でのマッチングに失敗した場合に、前記辞
    書中の辞書情報に基づいて前記ストローク統合をトップ
    ダウン的に修正して新たなストローク情報を取得し、当
    該新たなストローク情報を前記辞書マッチング手段での
    再マッチングに供するように構成されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載のパターン認識装
    置。
  4. 【請求項4】 入力された認識対象パターンについて細
    線化処理を行って細線化画像を得る細線化処理手段と、 前記細線化処理手段により得られる細線化画像に基づい
    て特徴点を抽出し、特徴点情報を得る特徴点抽出手段
    と、 各種標準パターンについて、そのパターンを構成する全
    ストロークの中から選択された形状変形の影響の少ない
    少なくとも1つの安定したストロークについての情報を
    含む辞書情報が登録されている辞書と、 前記特徴点抽出手段により得られる特徴点情報を、前記
    辞書中の各辞書情報別に、その辞書情報に基づいてトッ
    プダウン的に修正する特徴点修正手段と、 前記特徴点修正手段により修正された特徴点情報に基づ
    いて特徴点間を結ぶ連結画像の集合であるセグメントを
    抽出し、セグメント情報を得るセグメント抽出手段と、 前記特徴点修正手段により修正された特徴点情報及び前
    記セグメント抽出手段により得られるセグメント情報に
    基づいてストローク統合を行ってストローク情報を得る
    ストローク統合手段と、 前記ストローク統合手段により得られたストローク情報
    を前記辞書中の対応する辞書情報に基づいてトップダウ
    ン的に修正するストローク修正手段と、 前記ストローク修正手段により修正されたストローク情
    報の中から、前記辞書中の対応する辞書情報に基づいて
    安定したストロークについての情報を安定ストローク情
    報として抽出する安定ストローク抽出手段と、 前記安定ストローク抽出手段により抽出された安定スト
    ローク情報と前記辞書中の対応する辞書情報とのマッチ
    ングを行って認識結果を出力する辞書マッチング手段と
    を具備することを特徴とするパターン認識装置。
  5. 【請求項5】 各種標準パターンについて、そのパター
    ンを構成する全ストロークの中から選択した形状変形の
    影響の少ない少なくとも1つの安定したストロークにつ
    いての情報を含む辞書情報を予め辞書に登録しておき、 認識対象パターンが入力された際には、その認識対象パ
    ターンについて細線化処理を行って細線化画像を取得
    し、 前記取得した細線化画像に基づいて特徴点と特徴点間を
    結ぶ連結画像の集合であるセグメントとを抽出して特徴
    点情報及びセグメント情報を取得し、 前記取得した特徴点情報及びセグメント情報に基づいて
    ストローク統合を行ってストローク情報を取得し、 前記取得したストローク情報の中から、前記辞書中の辞
    書情報に基づいて安定したストロークについての情報を
    安定ストローク情報として抽出し、 前記抽出した安定ストローク情報と前記辞書中の辞書情
    報とのマッチングを行って認識結果を出力することを特
    徴とするパターン認識方法。
  6. 【請求項6】 前記マッチングに失敗した場合に、前記
    辞書中の辞書情報に基づいて前記特徴点情報をトップダ
    ウン的に修正すると共に、その修正した特徴点情報に従
    ってセグメントを抽出し直して新たなセグメント情報を
    取得し、当該新たなセグメント情報と前記修正した特徴
    点情報とを再度の前記ストローク統合に供することを特
    徴とする請求項5記載のパターン認識方法。
  7. 【請求項7】 前記マッチングに失敗した場合に、前記
    辞書中の辞書情報に基づいて前記ストローク統合をトッ
    プダウン的に修正して新たなストローク情報を取得し、
    当該新たなストローク情報を再度の前記マッチングに供
    することを特徴とする請求項5または請求項6記載のパ
    ターン認識方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010231529A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Tokei Jimu Center:Kk 判定装置、およびプログラム

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