JPH1095247A - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最新の車両情報を表示するための光源とホロ
グラム像を再生するための光源を共用することができる
車両用ヘッドアップディスプレイ装置を提供する。 【解決手段】 光源３からの照射光は一度ピンホール７
に集光されて通過し、可動反射鏡９で反射されてホログ
ラム面１１に入射される。この入射光がホログラム面１
１に供給される参照光となり、ホログラム面１１から予
め記録されている物体の再生光としてアイレンジ２１方
向に出射される。一方、光源３からの照射光は回転放物
面鏡１５で反射され、平行光となって液晶画面１３に入
射する。液晶画面１３には最新の車両状態やナビゲーシ
ョン情報等の自在な情報が表示している。この液晶画面
１３を透過した光は反射板１に入射し、正反射によりア
イレンジ２１方向に出射される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、運転席前方の限ら
れた視界範囲内に車両に関する情報を表示することがで
きる車両用ヘッドアップディスプレイ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両用ヘッドアップディスプレイ
装置としては、フロントウインドゥの視界範囲内に情報
を投影して運転者に視認させるものが知られている。例
えば、特開平３−２２７７３６号公報記載の「表示装
置」は、正反射とホログラムによる非正反射を利用し
て、異なる情報を同じ位置に表示するようなヘッドアッ
プディスプレイ装置である。

【０００３】このものは、異なる位置に配置された２つ
の表示器のうち１つの表示器からの光を予め設定された
光軸方向に非正反射する非正反射型ホログラム鏡と、他
方の表示器からの光をこの非正反射型ホログラム鏡の反
射光軸方向に反射すると共に非正反射ホログラム鏡の反
射方向前面に配置された光半透過性の反射板とを備え、
２つの表示器からの各光を非正反射型ホログラムと反射
板とによって同じ光軸方向に反射させ、この同一光軸の
方向から２つの表示器の表示像を同じ表示範囲内に視認
できるようにしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
「表示装置」にあっては、同じ表示範囲内に２つの表示
像を表示するために、２つの光源を必要としていたの
で、光源のためのスペースを余分に必要としていた。そ
の結果、装置が小型化できないといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、最
新の車両情報を表示するための光源とホログラム像を再
生するための光源を共用することができる車両用ヘッド
アップディスプレイ装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上記課題を解決するため、車両端部の情報を予め記録す
るホログラムを有して虚像を再生する虚像再生手段と、
最新の車両情報を表示する情報表示手段と、前記虚像再
生手段と前記情報表示手段とに光を投影するために共通
に設けられる投影手段とを有することを要旨とする。

【０００６】請求項２記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段は、光源からの光をピンホールに
通過させて第１の反射鏡に反射させた後に該反射光を前
記虚像再生手段に投影する一方、該光源からの光を第２
の反射鏡に反射させた後に該反射光を前記情報表示手段
に投影することを要旨とする。

【０００７】請求項３記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段は、前記光源を楕円形状を有する
楕円鏡内の一方の焦点に配置すると共に、前記ピンホー
ルを該楕円内の他方の焦点に配置することを要旨とす
る。

【０００８】請求項４記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段の第１の反射鏡は、移動自在にな
ることを要旨とする。

【０００９】請求項５記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段の第１の反射鏡は、前記ピンホー
ルを通過した光を遮蔽可能になることを要旨とする。

【００１０】請求項６記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段の第２の反射鏡は、放物面鏡から
なることを要旨とする。

【００１１】請求項７記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段の第２の反射鏡は、複数の反射鏡
の組み合わせからなることを要旨とする。

【００１２】請求項８記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記投影手段の第２の反射鏡は、拡散面からな
ることを要旨とする。

【００１３】請求項９記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記虚像再生手段又は前記情報表示手段は、い
ずれか一方の再生又は表示を停止状態に設定することを
要旨とする。

【００１４】

【発明の効果】請求項１記載の本発明によれば、車両端
部の情報を予め記録するホログラムを有して虚像再生手
段で虚像を再生する一方、最新の車両情報を情報表示手
段で表示する際に、虚像再生手段と情報表示手段とに光
を投影するために共通に投影手段を設けることで、最新
の車両情報を表示するための光源とホログラム像を再生
するための光源を共用することができる。また、装置を
容易に小型化することができ、例えばインストルメント
パネル上に配置するようなヘッドアップディスプレイを
実現することができる。

【００１５】また、請求項２記載の本発明によれば、光
源からの光をピンホールに通過させて第１の反射鏡に反
射させた後にこの反射光を虚像再生手段に投影する一
方、光源からの光を第２の反射鏡に反射させた後にこの
反射光を情報表示手段に投影することで、光源を共用す
ることができる。

【００１６】また、請求項３記載の本発明によれば、光
源を楕円形状を有する楕円鏡内の一方の焦点に配置する
と共に、ピンホールをこの楕円内の他方の焦点に配置す
ることで、光源からの光をピンホールに通過させて第１
の反射鏡に反射させた後にこの反射光を虚像再生手段に
投影することができる。

【００１７】また、請求項４記載の本発明によれば、投
影手段の第１の反射鏡は、移動自在になることで、ホロ
グラム像の表示位置を調整することができる。

【００１８】また、請求項５記載の本発明によれば、投
影手段の第１の反射鏡は、ピンホールを通過した光を遮
蔽可能になることで、虚像再生手段への光の投影を停止
することができる。

【００１９】また、請求項６記載の本発明によれば、投
影手段の第２の反射鏡は、放物面鏡からなることで、平
行光からなる反射光を情報表示手段に入射することがで
きる。

【００２０】また、請求項７記載の本発明によれば、投
影手段の第２の反射鏡は、複数の反射鏡の組み合わせか
らなることで、ムラなく情報表示手段に光を導くことが
できる。

【００２１】また、請求項８記載の本発明によれば、投
影手段の第２の反射鏡は、拡散面からなることで、ムラ
なく情報表示手段に光を導くことができる。

【００２２】また、請求項９記載の本発明によれば、虚
像再生手段又は情報表示手段は、いずれか一方の再生又
は表示を停止状態に設定することで、再生又は表示の切
り替えを行うことができる。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、本発明に係る車両用ヘッ
ドアップディスプレイ装置の具体的構成を示す図であ
る。同図において、反射板１はホログラム像を呈示する
ためのホログラム面１１を備えた半透過型の反射板であ
る。光源３はハロゲン電球からなる光源である。回転楕
円面鏡５は楕円形状の一部からなる鏡面であり、楕円上
の一方の焦点を光源３の位置に、他方の焦点をピンホー
ル７の位置となるように設定してある。

【００２４】可動反射鏡９は支持部１７を介して接続部
１９に移動可能に設置され、同図に示すような開放位置
にある場合にはピンホール７を通過した光を反射板１に
反射する一方、遮蔽位置９’にある場合にはピンホール
７を通過した光を遮蔽するものである。ホログラム面１
１は車両端部の情報を予め記録するホログラムを有し、
可動反射鏡９で反射された光源３からの光によって虚像
であるホログラム像をアイレンジ２１上の運転者から視
認可能に再生する。

【００２５】液晶画面１３は最新の車両情報を表示する
ものであり、回転放物面鏡１５で反射された光源３から
の光を透過させて最新の車両情報を反射鏡に反射させ、
最新の車両情報像をアイレンジ２１上の運転者から視認
可能に表示する。また、液晶画面１３の下面には、拡散
版７１が設置され均一な光が液晶画面１３に入射するよ
うになっている。

【００２６】回転放物面鏡１５は放物面の焦点を光源３
の位置に設定してあり、回転放物面鏡１５で反射された
反射光は平行光となって液晶画面１３に入射する。

【００２７】まず、図２に示す原理図を用いてホログラ
ムの原理を簡単に説明する。同図に示すように、レーザ
ー光４１を半透過反射鏡４３、反射鏡４５を経由して凸
形状のレンズ４７に入射させると、レンズ４７から出射
されるレーザー光４１は物体４８全面に照射される。一
方、レーザー光４１を半透過反射鏡４３、反射鏡５１、
反射鏡５３を経由して凸形状のレンズ５５に入射させる
と、レンズ５５から出射される参照光５７はホログラム
記録面５９全面に照射される。

【００２８】ここで、このレーザー光４１を物体４８に
照射したときに、物体４８から反射される反射光４９
と、レーザー光４１の参照光５７とによって生じる干渉
縞をホログラム記録面５９に記録する。次に、このホロ
グラム記録面５９に参照光５７を照射すると、ホログラ
ム記録面５９から物体光が再生される。ホログラム記録
面５９に記録されている物体の位置は、再生されたホロ
グラム像を運転者が視た場合に、予め設定された位置に
ホログラム像が見えるような位置で記録されている。こ
うして記録されたホログラム記録面５９が反射板１の半
透過反射部に取り付けられている。なお、本実施の形態
においては、ホログラム面１１には、予め運転者に車両
端の位置を示すための映像が記録されているものとす
る。

【００２９】次に、図２を用いて本発明の実施の形態に
係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の動作を説明
する。まず、光源３から出射された光の一部は回転楕円
面鏡５によって集光される。回転楕円面鏡５は楕円上の
一方の焦点を光源３の位置、他一方の焦点をピンホール
７の位置となるように設定されているため、光源３から
照射された光は、一度ピンホール７に集光されて通過す
る。なお、光源３から出射される光のムラを除去するた
めに、拡散機能を有するフィルムや透過可能な板をピン
ホール７の前後に挿入してもよい。

【００３０】次に、ピンホール７を通過した光は可動反
射鏡９で反射され、ホログラム面１１に入射角θｉｎを
なして入射される。この入射光がホログラム面１１に供
給される参照光となり、ホログラム面１１から予め記録
されている物体の再生光としてアイレンジ２１方向に反
射角θｏｕｔをなして出射される。このとき、入射角θ
ｉｎと出射角θｏｕｔを θｉｎ≠θｏｕｔ 異なる角度に設定することで、光源３からの光が直接に
運転者の視野に入らないようにすることができる。こう
して運転者に予め記録された車両端部のホログラム像
を、例えば図３に示すように表示することができる。

【００３１】一方、光源３からの照射光の残りの一部
は、回転放物面鏡１５で反射される。回転放物面鏡１５
は放物面の焦点を光源３の位置に設定してあるので、回
転放物面鏡１５からの反射光は、平行光となって液晶画
面１３に入射する。液晶画面１３の下面には、拡散版７
１が設置され均一な光が液晶画面１３に入射するように
なっている。液晶画面１３には最新の車両状態やナビゲ
ーション情報等の自在な情報が表示している。この液晶
画面１３を透過した光は入射角φｉｎをなして反射板１
に入射し、正反射により出射角φｏｕｔをなしてアイレ
ンジ２１方向に出射される。反射板１では正反射するた
め、 φｉｎ＝φｏｕｔ となる。こうして、例えば図４（ａ）に示す現在の車両
速度や、図４（ｂ）に示すナビゲーション情報等が運転
者に視識されるようになる。

【００３２】なお、反射板１で反射された液晶画面１３
の表示が運転者に正しく見えるように液晶画面１３の表
示を反転させておくことはいうまでもない。また、ホロ
グラム像の切り替えは、図５に示すように、可動反射鏡
９を指示する接点部１９を軸にしてピンホール７を覆う
ように９ｃまで回動することで、ホログラム面１１への
出射光が遮蔽され、ホログラム像の表示を消すことがで
きる。さらに、液晶画面１３の全画素に黒レベルを表示
して光が透過しない状態に制御することで、画面情報の
表示を消すことができ、この結果、アイレンジ２１上で
の画面情報の表示を消すことができる。従って、一つの
光源３を共用してそれぞれの表示の切り替えを行えるよ
うになる。

【００３３】さらにまた、図５に示すように、可動反射
鏡９ａをピンホール７方向に例えば９ｂに移動すること
で、ピンホール７からホログラム面１１までの光路長を
変えて、ホログラム像の表示位置を調整することができ
る。なお、本実施の形態においては、液晶画面１３に光
を導くために回転放物面鏡１５を用いたが、本発明はこ
のような手段に限定するものではなく、ムラが少なく液
晶画面１３に光を導けるようなものであればよく、例え
ば図６（ａ）に示す複数の反射鏡を組み合わせたもの
や、図６（ｂ）に示す拡散面を利用したものでもムラが
少なく液晶画面１３に光を導くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車両用ヘッドアップディスプレイ
装置の具体的構成を示す図である。

【図２】ホログラムの原理を示す図である。

【図３】ホログラム表示像例を示す図である。

【図４】車両の最新情報の表示例を示す図である。

【図５】反射鏡の位置を移動してホログラム像を調整す
る例を示す図である。

【図６】（ａ）複数の反射鏡を組み合わせたものや、
（ｂ）拡散面を利用したものを示す図である。

【符号の説明】

１ 反射板 ３ 光源 ５ 回転楕円鏡 ７ ピンホール ９ 可動反射鏡 １１ ホログラム面 １３ 液晶画面 １５ 回転放物面鏡 ２１ アイレンジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川野 勉 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両端部の情報を予め記録するホログラ
   ムを有して虚像を再生する虚像再生手段と、 最新の車両情報を表示する情報表示手段と、 前記虚像再生手段と前記情報表示手段とに光を投影する
   ために共通に設けられる投影手段とを有することを特徴
   とする車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
2. 【請求項２】 前記投影手段は、 光源からの光をピンホールに通過させて第１の反射鏡に
   反射させた後に該反射光を前記虚像再生手段に投影する
   一方、該光源からの光を第２の反射鏡に反射させた後に
   該反射光を前記情報表示手段に投影することを特徴とす
   る請求項１記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装
   置。
3. 【請求項３】 前記投影手段は、 前記光源を楕円形状を有する楕円鏡内の一方の焦点に配
   置すると共に、前記ピンホールを該楕円内の他方の焦点
   に配置することを特徴とする請求項２記載の車両用ヘッ
   ドアップディスプレイ装置。
4. 【請求項４】 前記投影手段の第１の反射鏡は、 移動自在になることを特徴とする請求項２記載の車両用
   ヘッドアップディスプレイ装置。
5. 【請求項５】 前記投影手段の第１の反射鏡は、 前記ピンホールを通過した光を遮蔽可能になることを特
   徴とする請求項２記載の車両用ヘッドアップディスプレ
   イ装置。
6. 【請求項６】 前記投影手段の第２の反射鏡は、 放物面鏡からなることを特徴とする請求項２記載の車両
   用ヘッドアップディスプレイ装置。
7. 【請求項７】 前記投影手段の第２の反射鏡は、 複数の反射鏡の組み合わせからなることを特徴とする請
   求項２記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
8. 【請求項８】 前記投影手段の第２の反射鏡は、 拡散面からなることを特徴とする請求項２記載の車両用
   ヘッドアップディスプレイ装置。
9. 【請求項９】 前記虚像再生手段又は前記情報表示手段
   は、 いずれか一方の再生又は表示を停止状態に設定すること
   を特徴とする請求項１記載の車両用ヘッドアップディス
   プレイ装置。