JPH1094583A - ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置

Info

Publication number
JPH1094583A
JPH1094583A JP8269147A JP26914796A JPH1094583A JP H1094583 A JPH1094583 A JP H1094583A JP 8269147 A JP8269147 A JP 8269147A JP 26914796 A JP26914796 A JP 26914796A JP H1094583 A JPH1094583 A JP H1094583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pylori
light
light source
sterilization
bacterium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8269147A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3597329B2 (ja
Inventor
Tetsuro Onuma
大沼鉄郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YONE PROD KK
Original Assignee
YONE PROD KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YONE PROD KK filed Critical YONE PROD KK
Priority to JP26914796A priority Critical patent/JP3597329B2/ja
Publication of JPH1094583A publication Critical patent/JPH1094583A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3597329B2 publication Critical patent/JP3597329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/06Radiation therapy using light
    • A61N5/0613Apparatus adapted for a specific treatment
    • A61N5/0624Apparatus adapted for a specific treatment for eliminating microbes, germs, bacteria on or in the body
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/06Radiation therapy using light
    • A61N5/0601Apparatus for use inside the body
    • A61N5/0603Apparatus for use inside the body for treatment of body cavities
    • A61N2005/0609Stomach and/or esophagus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/06Radiation therapy using light
    • A61N2005/0658Radiation therapy using light characterised by the wavelength of light used
    • A61N2005/0661Radiation therapy using light characterised by the wavelength of light used ultraviolet

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Endoscopes (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 光源と光源用光ファイバーと観察用光ファイ
バーを具備する内視鏡において、前記光源とは別に殺菌
用光源を設け、前記殺菌用光源からの光を内視鏡先端ま
で通じるファイバーを設け、ピロリ菌に可視光線を照射
する。 【効果】本発明にかかるピロリ菌の殺菌装置は従来の内
視鏡の一部を改造することにより簡便に作製でき、これ
を用いれば、人体に悪影響を及ぼさず、人体内部に存在
するピロリ菌を殺菌することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は最近胃炎等の感染に
関連しているのではないかと注目されている細菌ヘリコ
バクター・ピロリの殺菌方法及びその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ヘリコバクター・ピロリ(以下「ピロリ
菌」という)は強い胃酸の中でも、自らアンモニアを出
して胃酸を中和し、胃の粘液層に入り込んで生息してい
る細菌である。このピロリ菌は、長さ6.5ミクロン
で、らせん状をしており、一端に有する4〜7本の鞭毛
で運動する。最近胃炎、胃癌、胃潰瘍、十二指長潰瘍の
患者のピロリ菌陽性率が、正常者の陽性率を大きく上回
っていことが、明らかになり、ピロリ菌がこれらの疾患
の感染に関わっているのではないかと考えられている。
またピロリ菌を殺菌することで、消化性潰瘍の再発が防
止することが確認されており、ピロリ菌の殺菌方法が注
目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】人体内のピロリ菌の殺
菌方法として、ビスマス製剤、光原中剤、抗菌剤等の薬
剤を組み合わせて用いるが知られているが、副作用の問
題がある。また人体外部の自然界に存在するピロリ菌の
人体に悪影響を及ぼさず安全に殺菌する方法について
は、ほとんど知られていない。すなわち本発明は、人体
外部の自然界に存在するピロリ菌を安全に殺菌する方法
及び安全にピロリ菌を殺菌する装置を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のうちピロリ菌の
殺菌方法は、可視光線をピロリ菌が付着している人体の
各部位、医療用具、食物、又は食器等の物体あるいはヘ
リコバクター・ピロリが付着する虞のある人体の各部
位、医療用具、食物、又は食器等の物体に照射して、ピ
ロリ菌を殺菌する方法である。また本発明のうちピロリ
菌の殺菌装置は、光源と光源用光ファイバーと観察用光
ファイバーを具備する内視鏡において、前記光源とは別
に殺菌用光源を設け、前記殺菌用光源からの光を内視鏡
先端まで通じるファイバーを設けたことを特徴とするも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】
(ピロリ菌の殺菌効果を調査するための実験)ピロリ菌
の挙動の撮影をしているうちに、ピロリ菌は可視光線を
照射されると増殖の勢いが衰える現象が生じ、可視光線
を照射するとピロリ菌は死滅するのではないかと考えら
れた。そこでピロリ菌が光照射に対してどのような挙動
を示すかを調査するために次の4種類の実験を行った。
まず「実験1」は、ピロリ菌に普通の可視光線を照射し
た場合、「実験2」は波長の範囲を絞った各種の可視光
線を照射した場合のピロリ菌の増殖の様子を観察した。
この二つの実験は共に寒天培地に菌を塗布し、菌を運動
できない状態にして行った。次に「実験3」、「実験
4」は共に菌が運動できる菌液中でのピロリ菌増殖の様
子や運動の様子を観察したもので、「実験3」は光源の
種類を変化させたものであり、「実験4」は、菌液中の
菌の運動を観察したものである。
【0006】実験に用いた菌は、ピロリ菌(A株〜E株
の5種)の他に、比較のために用いた大腸菌、ブドウ球
菌、枯草菌、緑膿菌及びピロリ菌に比較的似ているとい
われているカンピロバクター・ジェジェニィーである。
【0007】「実験1」 (1)5種の異なる株のピロリ菌(A株〜E株)を10
容量%の馬血清を添加したブルセラ液体培地を用い、微
好気な状態で気温を37℃に保ち48時間培養した。 (2)(1)で培養された菌液を10容量%の馬血清を
添加したブルセラ寒天平板培地上に塗布し、この培地が
乾燥しないように薄いカバーガラス2枚で上記の寒天平
板培地を挟んで観察用の試験片を作成した。 (3)比較のために用いた他の菌は、大腸菌、ブドウ球
菌、枯草菌、緑膿菌及びカンピロバクター・ジェジェニ
ィーである。これらの菌についてはピロリ菌と同様の培
養条件で培養した後、寒天培地に塗布し、観察用の試験
片を作成した。 (4)この試験片を図7に示すプラスチック製の保温箱
を取り付けた顕微鏡で12時間経時的に観察した。試験
片は図8に示すように37℃の温度に保たれた保温箱の
顕微鏡のステージ上に置かれ、ピロリ菌を塗布した寒天
培地を二重のシリコンパッキンで囲み微好気な混合ガス
(炭酸ガス10%、酸素ガス5%、窒素85%)を図8
に示すようにチューブを用いて寒天培地に供給した(シ
リコンパッキンはわずかずつガスを通すようになってい
る)。 (5)光源は12ボルト、50ワットのハロゲンランプ
であり断熱フィルター及び紫外線カットフィルターを装
着しており、電圧トランスにより電圧を調整して光の強
度を変化することができる。この実験では電圧を約8ボ
ルトとした。光線はコンデンサ(集光レンズ)で絞り込
み、光線の当たる部分(絞りの内側)と光線の当たらな
い暗部(絞りの外側)を作り、この両者を、対物レンズ
40倍、接眼レンズ10倍のもの(倍率400倍)で菌
の発育及び形態変化の様子を観察した。光線の当たって
いる部分は直径約0.4mmの円形であり、試験片上で
のその円内の光の照度は約500ルクスである。 (6)最終的には倍率1000倍の詳細な観察も行っ
た。
【0008】(7)実験結果 次の表1に示すように光が照射された部分のピロリ菌は
5種の株とも12時間後にはすべて死滅したが未照射部
分のピロリ菌は増殖している。このことから可視光線に
ピロリ菌の殺菌効果があることがわかる。大腸菌等の他
の菌については、光を照射した部分と未照射部分の差は
なく共に増殖しており、殺菌効果はない。
【0009】
【表1】
【0010】ピロリ菌等の菌が可視光線を照射されたこ
とにより、菌の増殖がどのように変わるかを顕微鏡の観
察写真で、図3〜図5に示す。これらの図は「実験1」
のものではないが、菌の増殖、死滅の様子を示す代表的
な例である。
【0011】図3はピロリ菌(A株)に光を照射し始め
た写真を上段に、照射後24時間経過時の写真を下段に
示す(倍率400倍)。上下段とも左が光を照射してい
る場合であり、右が同じ状態で一時的に光を照射しない
で、自然光の中で撮影したものである。上段の写真で黒
く見えるのが、ピロリ菌が何匹か集まったものである
が、光が照射され始めた場合には、光照射による差はな
く、光照射円内もその外も同じような分布をしている。
しかし24時間光を照射した後には、光照射開始時に比
べ、光照射円内の黒い線状に見えるピロリ菌の長さが減
少したり、重なり方が少なくなっており、ピロリ菌の密
度も減少している。これに対して、右下の写真で判るよ
うに光照射円外では、その大部分が砂状に見える部分で
あり、この砂状に見える部分はピロリ菌が増殖して、互
いに隙間なくくっついている部分である。「実験1」の
ような培養を行うと、、ピロリ菌は培地上に散布されて
からおよそ12時間後に4倍〜8倍に増殖する能力を持
つ。そして24時間後には図3の右下の写真で示すよう
に増殖するのである。これに対して光を照射すると、本
来増殖するはずのピロリ菌がかえって減少しており、こ
れはピロリ菌が光の照射によって死滅していることを意
味している。
【0012】一方図4に示す大腸菌は光照射の影響をま
ったく受けない(倍率400倍)。図4において左側の
写真が光照射開始時のもの、右側の写真が光照射後2.
5時間経過した時のものであり、上段は光を照射した状
態で、その直後に一時的に光を消して撮影したものであ
る。左側の写真で黒い線状に見えるのが大腸菌であり、
光照射開始時にはまばらに分布している。これに対し、
光を照射してから2.5時間後には、砂状に見えるほど
大腸菌が増殖しているのが判る(左側の図)。そして光
を照射した部分とそれ以外の部分で増殖のしかたは何ら
変わらない。このように大腸菌の増殖に対しては、可視
光線は何の影響も与えない。
【0013】次に図3に示した24時間光を照射したピ
ロリ菌(A株)が、その後光を消した場合、どのような
増殖のしかたを示すかを倍率1000倍で図3の一部を
拡大して観察したものが図5である。観察部位は図中に
示しているような左側が光照射部、右側が暗部となった
部位である。光を消してから、6時間後、24時間後、
31時間後、43時間後、50時間後の観察結果が、図
中の写真1〜5に示されている(写真の番号は写真右上
に白抜きの数字で表示)。写真1では光照射部内に島上
にみえる数個のピロリ菌の固まりがあり、それが、写真
2ではその一番大きな島が右の暗部から増殖した部分と
くっつき、その後飲み込まれていく様子が分かる。しか
し島状に見える部分自身が増殖して行く様子は窺えな
い。このように光を消すと光照射の時の暗部からピロリ
菌の増殖域が次第に光が照射されていた部分へと広がる
が、光が消されてから50時間経っても光が照射されて
いた部分での増殖は起こらない。このように可視光線の
照射を停止した後もピロリ菌の殺菌効果が持続すること
が判る。
【0014】「実験2」 (1)ピロリ菌(A,B,C株)及び大腸菌、ブドウ球
菌、枯草菌、緑膿菌について波長の異なる可視光線を使
用して実験を行った。 (2)菌の培養、寒天培地への塗布、使用したガス、保
温温度は実験1と同じである。 (3)光源も実験1と同じハロゲンランプであり断熱フ
ィルターと紫外線フィルターを装着し、光の絞り強度も
実験1と同程度とした。したがって光の照度は500ル
クスである。 この実験では可視光線の波長の違いによる殺菌効果の違
いを見るために4種類のフィルター(緑、青、黄、橙)
を取り付けて観察した。このフィルターを取り付けると
フィルターの色の光だけが菌に照射されるようになる。
【0015】(4)実験結果 表2に示すように観察開始後8時間経過した時点でオレ
ンジフィルターを取り付けた場合には光を照射した部分
のピロリ菌は3種の株とも増殖しているが、他のフィル
ターを取り付けた場合は3種の株ともピロリ菌は死滅し
ている。したがって赤色の光及び橙色の光以外の可視光
線にピロリ菌の殺菌効果があることが判った。大腸菌等
の他の菌については、どの色の光を照射しても増殖して
おり、殺菌効果はない。
【0016】
【表2】
【0017】「実験3」光源をハロゲンランプの他、水
銀灯、蛍光灯としてピロリ菌の殺菌効果を観察した。 (1)使用した菌はピロリ菌2株(B株、C株)と大腸
菌である。 (2)10容量%の牛胎児血清を添加した動物細胞培養
用のダルベッコのMEM培地で、微好気下37℃で48
時間培養した。 (3)この菌液を、同様の培地2mlの入った小試験管
に0.2ml接種し、耐薬品性のゴム栓をし、このゴム
栓に注射針を穿刺して微好気な混合ガス(炭酸ガス10
%、酸素ガス5%、窒素85%)を送風し置換後、37
℃の保温箱の中に水平に置いた。このような同じ菌液の
入った小試験管を3本用意し、小試験管の位置で照度が
500ルクスになるように三種の光源の位置を調節し
て、各小試験管の菌液を3時間照射した。 (4)(3)の照射された各小試験管の菌液をそれぞれ
10容量%の馬血清を添加したブルセラ培地2mlに
0.2ml接種し、微好気下37℃で48時間培養して
菌の発育の有無で生死を判定した。 (5)実験結果 表3に示すように2種のピロリ菌は光源が異なっても全
て死滅しており、ハロゲンランプだけでなく水銀灯や蛍
光灯の光でも殺菌効果があることがわかった。比較のた
めに実験した大腸菌は三種の光源のどの光を当てても増
殖しており殺菌効果はない。
【0018】
【表3】
【0019】「実験4」 (1)ピロリ菌等を寒天培地のような運動できない状態
ではなく自由に運動できる状態において光を照射した場
合の菌の運動性をみる実験である。 (2) 10容量%の馬血清を添加したブルセラ液体培
地で微好気下37℃で48時間培養する。 (3)この微好気な混合ガス(炭酸ガス10%、酸素ガ
ス5%、窒素85%)を送風した37℃の保温装置のつ
いた顕微鏡のステージ上にのせ、顕微鏡ランプを点灯し
各シャーレに光線を照射させて、菌の運動性を対物レン
ズ20倍、接眼レンズ10倍で経時的に観察した。ステ
ージ上での光の照度は4〜5万ルクスである。顕微鏡の
光源には断熱フィルター及び紫外線カットフィルターを
装着した状態で実施した。
【0020】(4)実験結果 表4に示すように1分後にB株のピロリ菌は運動性がな
くなり、A、C株のピロリ菌も運動している菌が一部い
るだけである。2分後以降は運動しているピロリ菌3種
類の株ともまったくいなくなる。これに対して大腸菌、
緑膿菌は1分後から10分後も運動性を有している。こ
のように光を照射するとピロリ菌の運動性がなくなるの
は、光が鞭毛に傷害を与えているからではないかと考え
られる。そして運動性をなくすことによってピロリ菌が
死滅する効果があると考えられる。
【0021】
【表4】 注)+ :運動性有り +−:運動性有る菌が一部いる − :運動性無し
【0022】以上の実験結果から次のことが明らかとな
った。 可視光線(波長360〜810ナノメートル)を照射
するとピロリ菌は死滅する。 可視光線の中で赤、橙以外の色のもの(波長360〜
600ナノメートル)にピロリ菌の殺菌効果がみられ
る。 可視光線がピロリ菌に対して殺菌効果をもつのは、可
視光線の照射により、ピロリ菌の鞭毛に傷害が生じ、運
動性を喪失することが関係していると考えられる。
【0023】光の照度が高いほど菌が死滅までに要す
る時間は短くなる。この様子を図6に示す。この図で実
験3は、実験1、2と同じ照度であるのに、短い照射時
間でピロリ菌が死滅しているのは、実験3が光照射停止
後48時間経過して菌の死滅を判定しているのに対し、
実験1、2が光照射をしながら、判定をしているためで
ある。つまり光を照射している段階では死滅していない
ように見えても、光照射を停止して時間をおいて観察す
ると死滅していることが判ることが多いのである。実験
1と実験2を比較すると、同じ照度であるのに実験1の
照射時間が長いのは、次の理由によると考えられるから
である。すなわち実験1は可視光線、実験2は赤、橙色
以外の色の可視光線を用いたものであり、赤、橙色の光
には殺菌効果がないため、これらの光を含む可視光線の
方が、赤、橙以外の各色毎の光に比べて、殺菌効果が劣
るためと考えられる。この図からピロリ菌の殺菌効果を
有するには、4〜5万ルクスで2〜3分間、8、000
ルクスで30分、4、000ルクスで1時間、500ル
クスで3時間可視光線、好ましくは赤、橙色以外の可視
光線を照射すればよいことが判る。以上が明らかになっ
たので、これを基にした本発明にかかるピロリ菌の殺菌
方法及び装置の実施例を次に示す。
【0024】(実施例1)実施例1は、食事の前に手を
可視光線または360〜600ナノメートルの光で照度
5万ルクスになる距離に最低3分間照射する方法であ
る。ピロリ菌は人間の手から体内に入っていると考えら
れるから、食事の前に手に光を照射してピロリ菌を殺菌
しておくことはピロリ菌の感染を防止する上で重要であ
る。
【0025】(実施例2)実施例2は、食物についてい
るピロリ菌を可視光線または360〜600ナノメート
ルの光で照度500ルクスで3〜5時間照射する方法で
ある。ピロリ菌は光に弱いため、直接太陽光があたる野
菜の表面などには生存していないが、その内部には存在
しており、光が直接当たらない魚介類や肉等にも存在し
ていると考えられる。そこでこれらの食物を冷蔵庫に入
れた状態で、光を当ててピロリ菌の殺菌を行うのであ
る。
【0026】(実施例3)実施例3は通常の内視鏡にピ
ロリ菌殺菌用の光源とグラスファイッバーを取り付けた
装置である。この装置は図1に示すように通常の内視鏡
を改造したものであり、通常の内視鏡は中心に観察用の
グラスファイバー、その周囲に光源用の多数のファイバ
ーがあり、その周りに診断試薬注入用チューブがそれぞ
れ先端まで通っており、これらを入れた管と、観察用光
源、診断試薬注入器、検鏡視野から構成さている。この
内視鏡は、観察用グラスファイバー等の入った管を口か
ら胃の中等へ入れ、チューブの先端を見たい箇所に向け
て、光源用ファイバーでその箇所を照らし、観察用グラ
スファイバーで観察しながら、試薬などを試薬注入管か
ら注入するなどして使用される。光源から出る照射光と
観察光は図2に示す上半分が透明な鏡を用いて分離され
る。実施例3は、これに除菌用照射光源とその光を通す
グラスファイバー(除菌用照射光源ファイバー)を設け
たもので、光源としては通常のハロゲンランプ、あるい
は、それに赤、橙色を遮断するフィルターを装備したも
のとする。この内視鏡先端は、胃の粘膜のごく近傍まで
近づけるので、胃の粘膜状に存在するピロリ菌に対し
て、5万ルクス以上の照度で照射でき、約3分で殺菌効
果が現れる。
【0027】
【発明の効果】本発明にかかるピロリ菌の殺菌方法は、
可視光線でピロリ菌の付着している、あるいは付着して
いると思われる食品等の物体を照射する方法であるの
で、その物体や、あとでその食品を食べた人体に悪影響
を及ぼすことがなく、安全に、従来困難であった人体外
部の自然界に存在するピロリ菌を殺菌することができ、
ひいてはピロリ菌の感染を防止することができる。又本
発明にかかるピロリ菌の殺菌装置は従来の内視鏡の一部
を改造することにより簡便に作製でき、これを用いれ
ば、人体に悪影響を及ぼさず、人体内部に存在するピロ
リ菌を殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるピロリ菌殺菌装置の一実施例の
構成を示す図である。
【図2】図1に示すピロリ菌殺菌装置において照射光と
観察光の通路を示す概念図である。
【図3】可視光線をピロリ菌(A株)に照射した場合の
顕微鏡による観察写真(倍率400倍)である。
【図4】可視光線を大腸菌に照射した場合の顕微鏡によ
る観察写真(倍率400倍)である。
【図5】可視光線をピロリ菌(A株)に照射した場合の
顕微鏡による観察写真(倍率1000倍)である。
【図6】ピロリ菌が死滅するための光の照度と照射時間
の関係を示す図である。
【図7】ピロリ菌の殺菌効果を調査する実験で使用した
観察用顕微鏡の外観を示す図である。
【図8】ピロリ菌を培養している観察用試験片の構成を
示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光線をヘリコバクター・ピロリが付
    着している人体の各部位、医療用具、食物、又は食器等
    の物体あるいはヘリコバクター・ピロリが付着する虞の
    ある人体の各部位、医療用具、食物、又は食器等の物体
    に照射して、ヘリコバクター・ピロリを殺菌する方法。
  2. 【請求項2】 照射する可視光線の波長が360ナノメ
    ートルから600ナノメートルであることを特徴とする
    請求項1記載のヘリコバクター・ピロリの殺菌方法。
  3. 【請求項3】 光源と光源用光ファイバーと観察用光フ
    ァイバーを具備する内視鏡において、前記光源とは別に
    殺菌用光源を設け、前記殺菌用光源からの光を内視鏡先
    端まで通じるファイバーを設けたことを特徴とするヘリ
    コバクター・ピロリの殺菌装置。
JP26914796A 1996-09-20 1996-09-20 ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置 Expired - Fee Related JP3597329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26914796A JP3597329B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26914796A JP3597329B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1094583A true JPH1094583A (ja) 1998-04-14
JP3597329B2 JP3597329B2 (ja) 2004-12-08

Family

ID=17468341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26914796A Expired - Fee Related JP3597329B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3597329B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6464625B2 (en) 1999-06-23 2002-10-15 Robert A. Ganz Therapeutic method and apparatus for debilitating or killing microorganisms within the body
US6764501B2 (en) 2001-04-10 2004-07-20 Robert A. Ganz Apparatus and method for treating atherosclerotic vascular disease through light sterilization
US6913615B2 (en) 2002-03-25 2005-07-05 Lumerx, Inc. Chemiluminescent treatment of acne
US7107996B2 (en) 2001-04-10 2006-09-19 Ganz Robert A Apparatus and method for treating atherosclerotic vascular disease through light sterilization
US7135034B2 (en) 2003-11-14 2006-11-14 Lumerx, Inc. Flexible array
US7255691B2 (en) 2002-04-16 2007-08-14 Lumerx Inc. Chemiluminescent light source using visible light for biotherapy
JP2017164223A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 国立大学法人 大分大学 光線照射治療装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6464625B2 (en) 1999-06-23 2002-10-15 Robert A. Ganz Therapeutic method and apparatus for debilitating or killing microorganisms within the body
US6890346B2 (en) 1999-06-23 2005-05-10 Lumerx Inc. Apparatus and method for debilitating or killing microorganisms within the body
US6764501B2 (en) 2001-04-10 2004-07-20 Robert A. Ganz Apparatus and method for treating atherosclerotic vascular disease through light sterilization
US7107996B2 (en) 2001-04-10 2006-09-19 Ganz Robert A Apparatus and method for treating atherosclerotic vascular disease through light sterilization
US6913615B2 (en) 2002-03-25 2005-07-05 Lumerx, Inc. Chemiluminescent treatment of acne
US7255691B2 (en) 2002-04-16 2007-08-14 Lumerx Inc. Chemiluminescent light source using visible light for biotherapy
US7135034B2 (en) 2003-11-14 2006-11-14 Lumerx, Inc. Flexible array
US7261730B2 (en) 2003-11-14 2007-08-28 Lumerx, Inc. Phototherapy device and system
JP2017164223A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 国立大学法人 大分大学 光線照射治療装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3597329B2 (ja) 2004-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Foster A history of medical bacteriology and immunology
Calmette Tubercle Bacillus Infection and Tuberculosis in Man and Animals, Processes of Infection and Resistance
Park et al. Pathogenic Microörganisms: A Practical Manual for Students, Physicians, and Health Officers
Griffith Endoneurosurgery: endoscopic intracranial surgery
JP2003521939A (ja) 生物由来の組成物を広帯域パルス光で処理する際の分子の保護
JP3597329B2 (ja) ヘリコバクター・ピロリの殺菌方法及び装置
DE60017243T2 (de) Verfahren zur inaktivierung von pathogenen mittels breitspektrum-pulslicht
Warren Surgical pathology and therapeutics
Sternberg A Contribution to the Study of the Bacterial Organisms Commonly Found Upon Exposed Mucous Surfaces and in the Alimentary Canal of Healthy Individuals
Wainwright An alternative view of the early history of microbiology
Maxwell et al. Practical nursing: A text-book for nurses
Stenfors et al. Opsonization of middle ear bacteria during chronic suppurative and secretory otitis media
Ujeyl et al. Gas sterilization of fiber endoscopes
RU2731312C2 (ru) Способ профилактики инфекционного поражения голосовых протезов у пациентов после ларингэктомии
Koch Aetiology of tuberculosis
Ball Essentials of bacteriology...
Arnold ON THE EFFECT OF THE EXPOSURE TO TOBACCO SMOKE ON THE GROWTH OF PATHOGENIC MICROORGANISMS.
Fraenkel Text-book of Bacteriology
Yeryomina et al. Microscopical (bacterioscopical) method of research in the microbiological practice
Nagoba Microbiology for Physiotherapy Students
Choyce et al. A System of Surgery
Maxwell Practical nursing
Park et al. Pathogenic Micro-organisms: Including Bacteria and Protozoa
Nelson The Etiology of Diphtheria
Belfield Original Lectures

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040428

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20040506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

RD14 Notification of resignation of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7434

Effective date: 20040430

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040506

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees