JPH1089555A - 油井管用ねじ継手 - Google Patents
油井管用ねじ継手Info
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- JPH1089555A JPH1089555A JP24518996A JP24518996A JPH1089555A JP H1089555 A JPH1089555 A JP H1089555A JP 24518996 A JP24518996 A JP 24518996A JP 24518996 A JP24518996 A JP 24518996A JP H1089555 A JPH1089555 A JP H1089555A
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- screw
- joint
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- dope
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- Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)
Abstract
のねじ無し部を設けたピン部材11と、別の管端の内周面
に雌ねじおよびピン部材側のシール形成用のねじ無し部
に対応するシール形成用のねじ無し部を設けたボックス
部材21とを螺合締結することにより形成された油井管用
ねじ継手であって、ボックス部材または/およびピン部
材のねじ部12、22とシール形成用のねじ無し部13、23と
の間に円周方向に溝31を設けたことを特徴とする油井管
用ねじ継手。 【効果】締結条件などの許容範囲が広く、取扱性に優れ
ているものである。安定した気密性能、優れた耐引張及
び耐内圧性能などの高性能を得ることができる。
Description
然ガスや原油の探査およびそれらの産出に用いられる油
井管のねじ継手、特に使用条件の厳密な管理が困難な極
地などの環境下において取扱いが容易で、かつ安定した
気密性能を有するねじ継手に関する。
原油田などの探査および天然ガスや原油の産出をおこな
うための油井管を接続する方法として、ねじ継手が広く
用いられている。このような油井管用ねじ継手の種類に
は、インテグラル方式とカップリング方式とがある。前
者は、管の一端にピン部を、他端にボックス部を形成し
た管同士を螺合締結して、後者は、二つのボックス部を
形成したカップリングと両端にピン部を形成した管とを
螺合締結して、それぞれ継手を形成するものである。
などの性能が要求されている。
向の引張力、または継手を含む油井管を油井に挿入する
際に作用する軸方向の圧縮力に耐え得ること。
の流体による外圧に耐え得ること。
に行えること。
に、油井管の使用条件も海洋上や極地などの厳しい環境
下で使用される場合が多くなってきており、継手に対す
る上記の要求性能はますます厳しくなっている。このよ
うな状況に対応するため、さまざまな構造のねじ継手が
提案され、用いられている。図3にその一例を示す。
手の例を示す図である。図3(a) は継手構造の要部を示
す一部縦断面図であり、図3(b) はねじ部の要部を示す
縦断面図である。この例では、ピン部材11は油井管10本
体の端部の外周面に雄ねじ12を設けて形成される。さら
にその先端に雄ねじ12に連続して、テーパ状または大き
な曲率半径からなる回転体面状のシール形成用のねじ無
し部13が設けられている。一方、ボックス部材21はカッ
プリング20の端部の内周面に雌ねじ22を設けて形成され
る。さらにその内方に、雌ねじ22と連続し、かつ上記ね
じ無し部13と対応するように、テーパ状のシール形成用
のねじ無し部23が設けられている。
によりピン部材11とボックス部材21とを締結し、上記二
つのねじ無し部13、23を互いに接触嵌合させることによ
り形成される。このようにしてシール部でメタルシール
を構成させることにより、油井管10内部の流体による内
圧負荷または油井管10外部の流体による外圧負荷に対す
る気密性能を向上させる。
11のシール形成用のねじ無し部13の先端にトルクショル
ダ形成用のねじ無し部14、およびボックス部材21のシー
ル形成用のねじ無し部23の内方にトルクショルダ形成用
のねじ無し部24が設けられている。これらのトルクショ
ルダ形成用のねじ無し部14、24が突き合わされトルクシ
ョルダ部が形成されることによって、螺合締結が完了す
る。このようにして突き合わされることにより、螺合締
結トルクは過度な塑性変形が生じるほどの高い接触圧が
前記のシール部に発生しないように適正な値にコントロ
ールされる。
じ12、22部およびシール形成用のねじ無し部13、23など
の摺動部に、それらの焼き付きを防止するためにドープ
と呼ばれる潤滑用のコンパウンドグリースが塗布され
る。そのため螺合締結を完了した後に、このドープは継
手内部に高圧力状態で封入されることになる。この継手
内部に封入されたドープの圧力は「ドープ圧」と呼ばれ
ている。
に最も高圧となり、その後、時間の経過とともに徐々に
低下する。通常、継手形状の設計および螺合締結条件の
管理は、ドープ圧が、螺合締結を完了直後のピーク時に
おいてねじおよびメタルシールなどの継手の構成要素に
塑性変形などの恒久的損傷を与えないように、また、螺
合締結の後も短時間で使用環境下において上記の構成要
素に悪影響を及ぼさない程度に低下するように行われ
る。
ープ圧は、ねじ部の隙間が製造公差の影響により非常に
小さくなっている場合、ドープの塗布量が過剰である場
合、ドープの粘度や摩擦係数が変化した場合、または螺
合締結するときの締結速度が速すぎた場合などに発生す
る。このようにして発生した高ドープ圧が、上記の継手
構成要素に重大な損傷を与える。また螺合締結した後、
時間が経過してもドープ圧が低下せずに高圧のままとな
り、その結果、例えば硫化物環境下において内圧が負荷
されるとボックス部材の外表面に大きな周方向の引張応
力が作用し、応力腐食性割れが発生するおそれがある。
さらに、接触嵌合により形成されているシール部の接触
圧が高ドープ圧によって低下し、気密性能が低下すると
いう問題も生ずる。
さまざまな手段が講じられてきた。
び(2) に分けられる。
どの締結条件を厳密に管理し、標準化する。
および塗布量などを細かく規定して現場においてこれら
を厳密に管理し、または焼き付き防止という本来の機能
を備えるとともに、螺合締結した後は速やかに排出され
る高性能のドープを用いる。
るために、継手形状およびねじ部表面粗さについて製造
上の工夫をおこなう。
ために、継手形状の観点からドープが排出可能なねじ部
の隙間量の下限を定める。例えば、特開昭63- 210487号
公報に示されるように、螺合締結したときの1ピッチ当
たりのねじクリアランスの下限を限定し、または特開平
6-11078号公報に示されるように、ネジ部間で形成され
る隙間の軸線に沿った断面積に対する、特定条件で計測
したねネジ山長さの比の上限を限定する。または、ドー
プの排出抵抗が大きくなるのを防止するために、ねじ部
表面の適切な表面粗さや表面処理を選択する。
従来技術または先行発明には次のような問題がある。
いてねじ継手の螺合締結作業をおこなう際、継手内部の
ドープ圧の異常上昇を防止するためにドープの粘度など
の品質、ドープの塗布量および螺合締結条件などが常に
一定になるように管理するのは困難である。すなわち、
これらの作業や管理を厳密に行うことは、作業効率の低
下およびランニングコストの増加を招き、実用的ではな
い。
のことながらコストが高く、さらに適正な品質管理を行
わないとその性能が発揮されないため、上述の問題が生
ずる。
-11078号公報に示されるような、継手の耐引張性能およ
び耐圧縮性能の大部分を負担しているねじ部でその隙間
量の下限を定めた継手では、製造時にねじ部の切削加工
を高精度で行うとともに公差管理を厳密にしなければな
らず、加工効率の悪化および加工コストの増加が生ず
る。さらに、ねじ部の隙間量の下限を定めて隙間を或る
程度以上確保するということは、雄ねじと雌ねじとの嵌
合が不十分となり、前述の諸性能を或る程度以上には向
上させることができず、高性能なねじ継手を設計、製造
する際に足かせになることを意味している。
し、使用条件の厳密な管理が困難な環境下においても取
扱いが容易で、かつ安定した気密性能および優れた耐引
張および耐内圧性能を発揮するねじ継手を提供すること
にある。
示す次の油井管用ねじ継手にある。
ール形成用のねじ無し部を設けたピン部材11と、別の管
端の内周面に雌ねじおよびピン部材側のシール形成用の
ねじ無し部に対応するシール形成用のねじ無し部を設け
たボックス部材21とを螺合締結(以下、単に締結とい
う)することにより形成された油井管用ねじ継手であっ
て、ボックス部材または/およびピン部材のねじ部12、
22とシール形成用のねじ無し部13、23との間に円周方向
に溝31を設けたことを特徴とする油井管用ねじ継手であ
る。
プ圧の実態について詳細に基礎的な検討を行い、次の
(イ)〜(ハ)に示す新たな知見を得た。
は、APIバットレス型と呼ばれる台形ねじと、API
バットレス型のねじ頂部に隙間を設けたバットレス改良
型と呼ばれる台形ねじとが広く用いられている。
縦断面図であり、図4(a) はAPIバットレス型の台形
ねじの場合、図4(b) はバットレス改良型の台形ねじの
場合である。図4(a) のAPIバットレス型の場合、締
結した後のねじ隙間30は雄ねじ12の挿入面43に設けられ
ている。一方、図4(b) のバットレス改良型の場合、ね
じ隙間30は雄ねじ12のねじ頂部42および挿入面43に設け
られている。
えば図3に示すようなカップリング方式のねじ継手に適
用し、ねじ部、シール部およびトルクショルダ部などの
摺動部にドープを塗布して締結したところ、その直後に
は非常に大きなドープ圧が発生した。しかし締結した
後、時間が経過するにつれてドープ圧は低下し、およそ
10分〜2時間程度でねじ部またはシール部の平均接触圧
以下となり、継手構成要素に何ら悪影響を及ぼさなくな
る。
たねじを有する継手と同じものをもう一体準備し、今度
は上記(イ)の場合よりもドープの塗布量を増加し、締
結速度も2倍以上に速くして締結すると、その直後にボ
ックス部材が降伏しそうな大きなドープ圧が発生した。
締結した後10分〜2時間程度でドープ圧は上記(イ)の
場合と同様に、ねじ部またはシール部の平均接触圧以下
まで低下した。
記(イ)の条件で締結した継手を、締結して24時間経過
した後に内圧試験に供した。その結果、本条件で締結し
た継手の方が明らかに低い内圧で漏れが発生した。
部を観察してもゴーリングなどの視認できる損傷はなか
った。しかし、ピン部材のリップ部直径を計測したとこ
ろ、上記(イ)の継手よりも本条件で締結した継手の方
がより縮径していたことから、本条件で締結した継手は
締結したときに特にシール部において塑性変形などの恒
久的損傷を受けていたことがわかった。
上または製造公差の関係上、ねじ隙間が非常に小さく、
ドープの自然排出が困難なねじ(後述の図2参照)を適
用した場合に、前記(イ)と同様の試験を行ったとこ
ろ、ドープ圧は締結を完了したときからほとんど低下せ
ず、高圧のままであり、24時間経過した後も締結を完了
したときの圧力の 0.8〜0.5 倍程度であった。
に24時間経過した後、内圧負荷試験に供した。その結
果、前記(イ)の場合よりも明らかに低い圧力で漏れが
発生した。
がシール部を開口させる方向に作用したため、シール部
の接触圧が低下して気密性能が悪化したことによる。ま
た、このままドープ圧が高い状態、例えば内部流体によ
り継手内側から圧力が負荷された状態で用いると、特に
ねじ部とシール部との間にあたる、継手の危険断面部の
ボックス部材外表面において、周方向に過大な引張応力
が発生する。この継手の外表面が硫化物などの腐食環境
下に長時間曝されると、応力腐食割れの発生する危険が
極めて高くなる。
する知見を考慮し、次のような技術的思想に基づいて本
発明を完成させた。
されたドープは継手の内面側および外面側に徐々に押し
出される。このとき、ねじ部と連続して設けられたシー
ル部では、ボックス部材側のねじ無し部とピン部材側の
ねじ無し部とは接触していないか、または接触していて
もその接触圧力がまだ低いために、ドープはシール部を
通過できる。締結が進行して完了する直前にシール部は
完全に密着して気密性能を発揮し始め、ドープは継手内
部に封入されるようになる。このため、締結が完了する
直前ではまだドープ圧はほとんどゼロ(0)に近い状態
であるが、締結を完了した後においては、完了する直前
のシール部の密着の時点から完了までの間にねじ部から
排出されたドープが、ねじ部とシール部との間に封じ込
められることになり高ドープ圧となる。
に比して多量のドープが封入されることによって、高ド
ープ圧となり、これがシール部に悪影響を及ぼす。した
がって、ねじ部とシール部との間に余剰のドープが逃げ
られるように、さらに円環状の空間、例えば環状の溝を
刻設すれば、シール部直近のドープ圧が低く抑えられ、
シール部の損傷を未然に防ぐことができる。
手の構成例を説明する。図1は、本発明のねじ継手の構
成例を示す要部の縦断面図である。同図の例は、カップ
リング方式であって、ボックス部材側に溝を刻設した内
面シール方式の継手を示している。
11とボックス部材21とからなり、螺合して締結するもの
である。ピン部材11は、油井管10本体の端の外周面に、
図示するように雄ねじ12部およびシール形成用のねじ無
し部13を有する。ボックス部材21は、別の管すなわちカ
ップリング20の端の内周面に、図示するように雌ねじ22
部およびシール形成用のねじ無し部23を有する。これら
のねじ無し部13、23は図示するとおり、ボックス部材21
側とピン部材11側とで対応して配置されている。さらに
1個の溝31が環状をなすように、ボックス部材21側の雌
ねじ22部とシール形成用のねじ無し部23との間に円周方
向に刻設されている。そして、この溝31底の隅部の図示
する位置には、適切な切取り半径25が設けられている。
大きさについて説明する。この溝31は、ねじ部やシール
形成用ねじ無し部などの従来の継手における構成要素と
異なる新しい要素であり、その作用も異なるものである
から、基本的にその形状は継手寸法に制約されない。し
かし、雌ねじ22とシール形成用ねじ無し部23との間に新
たな要素として溝31を付加するにあたり、本発明の効果
を十分に発揮させ、かつ無駄なコストの上昇を防止する
ために、実用上好ましい溝31の形状や大きさが自ずから
決定される。特殊な形状または過大な寸法を採用する
と、材料コストおよび加工コストなどの上昇を来たし、
実用上の利点がなくなる。
で雌ねじ22高さの1〜2倍、その幅で雌ねじ22ピッチの
1〜3倍である。溝31底の隅部の切取り半径25は、可能
な限り大きいことが望ましい。
の2倍とするのは、次の理由による。すなわち、溝31を
刻設する箇所は継手の危険断面にあたるため、この部分
のボックス部材21の断面積を設計継手効率以上にする必
要がある。このため、ボックス部材21の断面積は溝31の
深さにかかわらず、一定の断面積を確保しなければなら
ない。溝31をいたずらに深くするとボックス部材21の外
径を大きくする必要が生じ、直ちに材料コストが上昇す
るので、溝31深さの上限を雌ねじ22の高さの2倍とし
た。
じ22のピッチの3倍とすることについても同様に言え
る。すなわち、溝31幅をいたずらに広くすると直ちにピ
ン部材11およびボックス部材21の長尺化を招き、材料コ
ストが上昇する。この場合、雌ねじ22深さの望ましい下
限値を、その高さと概ね等しくするのは、ピン部材11の
雄ねじ12の先端と溝31の底とが接触しないようにするた
めである。
合、ねじ山の断面形状を1ピッチまたは2ピッチ形どっ
た切削バイト(所謂、チェザー)を用いればよい。雌ね
じ22の加工の際、ねじ端部ではこの切削バイトを逃がす
ために、1ピッチまたは2ピッチの幅で不完全ねじが発
生する。したがって、この不完全ねじ部に刻設するよう
に溝31をボックス部材21側に設ければ、継手の形状面か
ら最も無駄がなく、材料コストも低く抑えることができ
る。このため、溝31幅の望ましい下限は、上記不完全ね
じ部の最低限の長さ、すなわち雌ねじ22の1ピッチ分と
する。
大きくするのが望ましいのは、当該危険断面領域におけ
る応力集中を避けるためである。
揮するのに最適なねじ部の形状について説明する。
結状態の例を示す要部の縦断面図である。これは、ねじ
の隙間量が小さく、締結の強固な高性能ねじの例を示し
ている。
よびその頂部42にねじ隙間30を設け、ねじの荷重面41と
挿入面43とがそれぞれ接触するようにした台形ねじであ
る。
ねじ面の焼き付きを防止するためにねじ挿入面43の傾き
角度44は大きくしてある。そのため、ねじ切り加工を施
すときの許容寸法公差が前記図4に示すような規格ねじ
の場合と比べて非常に狭く、ねじ山の切削誤差が僅かで
あっても、ねじ隙間30の量は大きく変動する。このねじ
部は締結が強固になるように元々ねじ隙間30の量が小さ
く設計されているものであるが、上述の製造公差の影響
から、設計中央値からさらにねじ隙間30の量が非常に小
さくなる可能性が高く、耐引張性能および耐圧縮性能の
観点からは望ましい態様になる。しかし、このため噛み
合いが強固になると同時に、ドープの自然排出も困難に
なるから、逆に気密性能が悪化するという相反する効果
も生じることになる。
適用することにより、この継手が本来有する耐引張性
能、耐圧縮性能および気密性能などを十分に発揮させる
ことができ、かつ上述の範囲内で適切な溝の大きさを選
択することによって、ドープの塗布量や締結速度の許容
範囲を広げることができる。このため、取扱い性に優れ
た継手を得ることができる。また、本発明の継手を、図
2に示すねじ形状の場合のみでなく、図4のように規格
化され、ドープの排出が比較的容易な隙間量の大きいね
じ形状の場合に適用しても、継手性能はそのまま維持さ
れ、しかも取扱い性に優れた継手を得ることができる。
ては内面シール方式の場合に、ボックス部材側に溝を刻
設した図1に示すような構成のほかに、ピン部材側の雄
ねじ部とシール形成用のねじ無し部との間に円周方向に
溝を刻設した構成、もしくはボックス部材側およびピン
部材側の両方に上記の溝を刻設した構成とすることがで
きる。また、ねじ部内の中間位置にシール部を設けるよ
うな別の内面シール方式、すなわち内面中間シール方式
を採用し、該当位置に上記のような溝を刻設してもよ
い。この場合、中間シール部の個数は問わないが、溝は
中間シール部の両側に設置するのが望ましい。
ル部および環状の溝を刻設した外面シール方式とするこ
ともできる。この場合も、溝の刻設箇所はボックス部材
側または/およびピン部材側である。また、本発明の継
手は、内面シール、中間シール或いは外面シールを二つ
以上組み合わせた形状の場合であっても適用できる。
れぞれのシール部で望ましい態様のものが組み合わされ
る。
するインテグラル方式の場合にも、内面、中間内面およ
び外面シールなどのシール方式を問わず、適用すること
ができる。これらの場合を実施する際においても、前記
のカップリング方式の場合の考え方および実施の形態を
基本とすればよい。また、継手方式やシール方式を問わ
ず、刻設する溝の望ましい数、形状および大きさは前述
のとおりである。
の摺動により、塗布したドープが排出される構成要素
と、シール部などの密封能力を有する構成要素とが隣り
合う場合に、それらの間のボックス部材側または/およ
びピン部材側の適切な位置に環状の溝を刻設し、ボック
ス部材とピン部材とに囲まれた、ドープが低圧力状態で
溜まる円環状の空間を設けたものである。
溝を刻設した本発明のねじ継手を用いると、次の機構に
より前述の課題が解決される。
じ無し部などの摺動部にドープを塗布し継手の締結を開
始すると、ねじ部から余剰のドープが徐々に押し出され
る。
ル部がその気密性能を発揮し始める時点から完了するま
での間に、ねじ部から押し出されたドープがねじ部とシ
ール部との間に押し出されることになる。しかし、この
部分に環状の溝が刻設されているため、押し出された余
剰のドープがこの溝により形成された円環状の空間に溜
まることになる。
と同量であれば、締結を完了したときのシール部直近の
ドープ圧を低く抑えることができる。さらに、前記の溝
により形成される円環状の空間を適切な大きさに設定す
れば、塗布するドープ量または締結速度などが変動する
ことにより、継手内部に封入されるドープ量が或る程度
変動しても、ドープ圧をシール部に塑性変形などの悪影
響を及ぼさないレベルに抑えることが可能となる。すな
わち、ドープの塗布量や締結速度などの諸条件およびね
じタイプの制約を受けない(後述の実施例参照)ため、
優れた取扱い性に加え、安定した気密性能を付与するこ
とができるようになる。
部のように相対する嵌合要素を有しないため、切削精度
に他の継手構成要素ほどの高精度を必要とせず、その寸
法公差および製造公差の許容範囲が広いため、切削コス
トや加工工数が少なくて良い。さらに、本発明の継手で
は、ねじ継手の基本的性能、すなわち耐引張性能、耐圧
縮性能またはこれらの軸力負荷下での耐漏れ性能などの
向上の妨げとなり、前記の二つの先行発明に示されるよ
うな潤滑用グリースを排出することができるねじ部の隙
間量の下限を定める必要がない。このため、ドープの排
出能力が低いねじ形状、すなわち隙間量が小さく、締結
の強固なねじ形状の適用も可能となり、高性能のねじ継
手が得られる。
るために、供試継手は全て図3に示すようなカップリン
グを用いる内面シール方式のものとした。表1に、本発
明例および比較例の供試継手および締結条件を示す。
しくした。
m) 軸方向の幅:7.62mm 溝底の隅部の切り取り半径:4.0mm 〔締結条件〕 締結トルク:1300 kgf・m ドープの塗布量:表1参照 締結速度:表1参照 〔ドープの種類〕 Shell Type3 ねじ形状は、次のタイプ1、2および3の3種類とし
た。
を有する台形ねじ ねじピッチ:5.08mm(インチ5山) ねじ山高さ:1.575mm ねじテーパ:1/16 ねじ嵌合代(径方向):0.20mm 隙間量:0.06mm2 〔タイプ2〕 ねじ形状:タイプ1に同じ ねじピッチ:タイプ1に同じ ねじ山高さ:タイプ1に同じ ねじテーパ:タイプ1に同じ ねじ嵌合代(径方向):タイプ1に同じ 隙間量:0.75mm2 〔タイプ3〕 ねじ形状:図4(b) に示すような、ねじの頂部および挿
入面に隙間を有する台形ねじ ねじピッチ:タイプ1に同じ ねじ山高さ:タイプ1に同じ ねじテーパ:タイプ1に同じ ねじ嵌合代(径方向):タイプ1に同じ 隙間量:0.03mm2 これらの供試継手を対象として次の試験を行い、性能を
評価した。
シール形成用のねじ無し部直近(溝を有する供試継手に
ついては当該溝部)に肉厚方向に貫通する圧力測定用の
微小な孔を設け、ピン部材とボックス部材とのそれぞれ
のねじ部およびシール部にドープを塗布し、締結して5
分後および24時間後のドープ圧を測定した。
後に、ピン部材の管端を塞いだ状態で継手を含む油井管
本体に徐々に内圧を負荷し、漏れが発生した内圧値を記
録した。内圧の負荷は、最高8.0kgf・mm2(油井管本体の
降伏強度のおよそ100 %に相当)まで実施した。
れが発生しなかった供試継手について、 291トンの荷重
(油井管本体の降伏強度の95%に相当する応力が発生す
る荷重)で継手を含む油井管本体を軸方向に引っ張り、
徐々に内圧を負荷してゆき、漏れが発生した内圧値を記
録した。内圧の負荷は、最高6.6kgf・mm2(油井管本体の
降伏強度のおよそ95%に相当)まで実施した。
ドープ圧が低く抑えられており、その結果、内圧負荷試
験および複合荷重試験においても漏れの発生はなかっ
た。
ラル方式または外面シール方式もしくは内面中間シール
方式の場合に適用しても、同様の効果を得ることができ
るのは明らかである。
囲が広く、取扱い性に優れているものである。本発明の
継手によれば、安定した気密性能、優れた耐引張性能お
よび耐内圧性能などの高性能を得ることができる。
図である。
示す要部の縦断面図である。
(a) は継手構造の要部を示す一部縦断面図、(b) はねじ
部およびシール部の要部を示す縦断面図である。
る。(a) はAPIバットレス型の場合、(b) はバットレ
ス改良型の場合である。
23:シール形成用のねじ無し部、14,24:トルクショル
ダ形成用のねじ無し部、20:カップリング、 21:ボッ
クス部材、22:雌ねじ、25:溝31底の隅部の切取り半
径、30:ねじ隙間、 31:溝、40:ねじ底部、
41:ねじ荷重面、42:ねじ頂部、 43:ねじ挿入
面
Claims (1)
- 【請求項1】管端の外周面に雄ねじおよびシール形成用
のねじ無し部を設けたピン部材と、別の管端の内周面に
雌ねじおよびピン部材側のシール形成用のねじ無し部に
対応するシール形成用のねじ無し部を設けたボックス部
材とを螺合締結することにより形成された油井管用ねじ
継手であって、ボックス部材または/およびピン部材の
ねじ部とシール形成用のねじ無し部との間に円周方向に
溝を設けたことを特徴とする油井管用ねじ継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24518996A JP3405086B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 油井管用ねじ継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24518996A JP3405086B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 油井管用ねじ継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1089555A true JPH1089555A (ja) | 1998-04-10 |
JP3405086B2 JP3405086B2 (ja) | 2003-05-12 |
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