JPH1088180A - 標識香料と芳香製品並びに芳香製品の識別方法 - Google Patents

標識香料と芳香製品並びに芳香製品の識別方法

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JPH1088180A
JPH1088180A JP23824296A JP23824296A JPH1088180A JP H1088180 A JPH1088180 A JP H1088180A JP 23824296 A JP23824296 A JP 23824296A JP 23824296 A JP23824296 A JP 23824296A JP H1088180 A JPH1088180 A JP H1088180A
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JP
Japan
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fragrance
product
stable isotope
perfume
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JP23824296A
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Yuji Murakami
村上  祐児
Hideo Suzuki
英男 鈴木
Akihiko Maeda
彰彦 前田
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 香りなどの製品自体の性状を損なうことな
く、容易に同定することが可能な標識香料と芳香製品並
びに芳香製品の識別方法の提供。 【解決手段】 本発明による標識香料は、構成元素のう
ちの少なくとも1種が、該元素の安定同位体で置換され
てなるものである。本発明による芳香製品は、構成元素
のうちの少なくとも1種が、該元素の安定同位体で置換
された少なくとも1種の前記本発明による標識香料また
は他の標識成分を必須の成分として含有してなるもので
ある。本発明による芳香製品の識別方法は、少なくとも
1種の前記標識香料または他の標識成分を必須の成分と
して含有してなる前記芳香製品に含まれる標識香料中の
安定同位体の種類または量を測定して該芳香製品を同定
する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定同位体で標識
された標識香料と、該標識香料を必須の成分として含有
する芳香製品並びにその識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、香水、オードトワレ、オーデコロ
ン等の芳香製品を識別するには、ガスクロマトグラフィ
ーや液体クロマトグラフィーを用いて、香料などの含有
成分の定量分析法により行われている。ガスクロマトグ
ラフィーや液体クロマトグラフィーを用いた含有成分の
定量分析法によれば、その芳香製品に含まれている香料
などの各種含有成分の定量が可能であり、サンプル中に
含まれる各種の含有成分の種類、比率、含有量を調べる
ことによって、ある程度の識別が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、芳香製
品が多種の香料をブレンドしたものではなく、少数の香
料を含有するものは、模倣され易く、前述した定量分析
ではその製品の真偽を証明することが困難であった。即
ち、識別すべきサンプル中の香料成分を分析しても、同
じ香料成分を同程度含有していれば、真偽が分からなく
なる。さらに、芳香製品中に揮発成分が含まれていれ
ば、含有成分比率が変化する可能性が高いため、香料等
の含有成分の比率や含有量に誤差を生じ易くなることか
ら、従来の分析法は決定的な判定の基準にはならない。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、容易に同定することが可能な標識香料と芳香製品並
びに芳香製品の識別方法を提供することを課題としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するために鋭意研究を重ねた結果、香料化合物を構成
する水素や炭素などの元素を、重水素(2H)、13Cな
どの安定同位体で置換して作製された標識香料(安定同
位体標識香料)を必須の成分として芳香製品に配合すれ
ば、該芳香製品中の標識香料を赤外吸収分光分析、レー
ザー分光分析、質量分析または核磁気共鳴分析によっ
て、容易にかつ確実に識別することができることを知見
し、本発明を完成させた。
【0006】即ち、本発明の請求項1に係る発明は、構
成元素のうちの少なくとも1種が、該元素の安定同位体
で置換されてなる標識香料である。請求項2に係る発明
は、前記安定同位体が、重水素、13C、15N、17O、18
Oからなる群から選択される少なくとも1種であること
を特徴とする請求項1記載の標識香料である。請求項3
に係る発明は、構成元素のうちの少なくとも1種が、該
元素の安定同位体で置換された少なくとも1種の標識香
料または他の標識成分を必須の成分として含有すること
を特徴とする芳香製品である。請求項4に係る発明は、
前記安定同位体が、重水素、13C、15N、17O、18Oか
らなる群から選択される少なくとも1種であることを特
徴とする請求項3記載の芳香製品である。請求項5に係
る発明は、請求項3記載の芳香製品に含まれる安定同位
体の種類または量を測定して該芳香製品を同定すること
を特徴とする芳香製品の識別方法である。請求項6に係
る発明は、安定同位体の種類または量を赤外吸収分光分
析で測定することを特徴とする請求項5記載の芳香製品
の識別方法である。請求項7に係る発明は、安定同位体
の種類または量をレーザー分光分析で測定することを特
徴とする請求項5記載の芳香製品の識別方法である。請
求項8に係る発明は、安定同位体の種類または量を質量
分析で測定することを特徴とする請求項5記載の芳香製
品の識別方法である。請求項9に係る発明は、安定同位
体の種類または量を核磁気共鳴分析で測定することを特
徴とする請求項5記載の芳香製品の識別方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による標識香料は、構成元
素のうちの少なくとも1種が、該元素の安定同位体で置
換されてなるものである。この標識香料は安定同位体に
よる標識を有する以外は、香水、オーデコロン、オード
パルファム、オードトワレなどの各種の芳香製品におい
て使用される各種の香料と同じである。本発明の標識香
料に適用可能な香料を例示すれば、6−アセチル−1,
1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラヒドロナフタ
レン、アセチルメチルカービノール、アセト酢酸エチ
ル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシ
ンナミックアルデヒド、安息香酸イソアミル、安息香酸
エチル、安息香酸メチル、アンスラニル酸メチル、アン
ブレットライト、イオノン、イソオイゲノール、イソカ
ンフィルシクロヘキサノール、イソ吉草酸イソアミル、
イソ吉草酸エチル、イソサフロール、イソ酪酸ゲラニ
ル、イロン、γ−ウンデカラクトン、ウンデシレンアル
デヒド、エキザルトライド、エキザルトン、エチルアミ
ルケトン、エチル3,5,5−トリメチルヘキサノエー
ト、エチルバニリン、エチレンドデカンジオエート、エ
チレンブラシレート、オイゲノール、10−オキサヘキ
サデカノリド、カプリル酸エチル、カプロン酸アリル、
カプロン酸エチル、ガラクソリド、カルボン、カンファ
ー、ギ酸イソアミル、ギ酸エチル、ギ酸ゲラニル、ギ酸
シトロネリル、クマリン、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸イ
ソアミル、ケイ皮酸ベンジル、ゲラニオール、酢酸ゲラ
ニル、酢酸テルピニル、酢酸ベンジル、酢酸ボルニル、
酢酸リナリル、サフロール、サンタロール、シクラメン
アルデヒド、シトロネラール、シトロネロール、シトラ
ール、1,8−シネオール、ジフェニルオキサイド、ci
s−ジャスモン、セレストライド、大環状ラクトン、チ
モール、テルピネオール、トナリッド、ネロール、ノナ
ジエール、バニリン、ファントリッド、β-フェニルエ
チルアルコール、フェニル酢酸、ヒドロキシシトロネラ
ール、ピペロナール、プロピオン酸ベンジル、プロピオ
ン酸リナリル、cis−3−ヘキセノール、ベルサライ
ド、ボルネオール、メチルイオノン、メチルノニルアセ
トアルデヒド、ムスクアンブレッド、ムスクキシロー
ル、クスクケトン、ムスコン、メントール、メントン、
ラバンジュロール、リナロール、リモネン、ローズオキ
サイドなどである。
【0008】本発明による標識香料は、前述した香料を
構成する、水素(1H)、炭素(12C)、窒素
14N)、酸素(16O)の各元素の少なくとも1種が、
該元素の安定同位体、即ち重水素(2H)、13C、
15N、17O、18Oによって置換されてなり、赤外吸収分
光分析、レーザー分光分析、質量分析または核磁気共鳴
分析によって標識されていない同種の香料と容易にかつ
確実に識別できることを特徴としている。また、この標
識香料は、それと一致する香料(非標識香料)と比べ、
分子量、赤外吸収特性、核磁気共鳴スペクトルなどが異
なるものの、化学的な性状や芳香特性はほぼ同じであ
り、非標識香料と同じく、香水、オードトワレ、オーデ
コロン等の芳香製品に配合して使用することができる。
【0009】この識別香料の安定同位体の置換位置は限
定されず、いずれの位置に安定同位体を置換して良い。
置換する安定同位体の種類および個数は限定されない
が、あまり多くの元素を安定同位体で標識すると、その
標識香料のコストが高くなるので好ましくなく、通常は
香料化合物中の1〜3個の元素を安定同位体で置換して
標識とする。
【0010】この標識香料を製造するには、該香料を合
成する際の原料化合物の少なくとも1つに、重水素(2
H)、13C、15N、17O、18Oの少なくとも1種で標識
された標識原料を用い、通常の香料の合成と同様に合成
することができる。例えば、エステル系香料では、酸ま
たはアルコールのいずれか一方の水素か炭素を、重水素
または13Cで置換した標識材料、好ましくは重水素また
13Cで標識されたメタノール、エタノール、ギ酸、酢
酸などを用いてエステル合成して作製することができ
る。また、原料を水素添加して香料を製造する場合に、
水素に代えて重水素を添加して標識しても良い。
【0011】本発明による標識香料は、構成元素のうち
の少なくとも1種が、該元素の安定同位体で置換されて
なるものであり、赤外吸収分光分析、レーザー分光分
析、質量分析または核磁気共鳴分析によって標識した安
定同位体を容易にかつ確実に識別できるので、該香料を
配合した芳香製品の識別に有用である。
【0012】次に、本発明による芳香製品について説明
する。本発明による芳香製品は、構成元素のうちの少な
くとも1種が、該元素の安定同位体で置換された少なく
とも1種の前記本発明による標識香料または他の標識成
分を必須の成分として含有してなるものである。
【0013】本発明において芳香製品とは、少なくとも
1種の香料を配合した化粧品であり、例えば香水、オー
ドトワレ、オーデコロン、オードパルファム、オーフレ
ッシュ、バスパーフューム、バスコロン、練り香などの
フレグランス製品、乳液やクリームなどの基礎化粧品、
頭髪用化粧品、薬用化粧品、マニキュアや口紅などのメ
イクアップ化粧品などである。
【0014】これら芳香製品に配合される前記標識香料
または他の標識成分の種類と量は、製造された芳香製品
中の安定同位体からなる標識が分析可能であれば、特に
限定されない。また、本発明による芳香製品は、少なく
とも1種の前記標識香料または他の標識成分を必須の成
分として含有していれば良く、製品形態に応じた各種の
添加成分と混合して芳香製品とされる。香料成分以外の
添加成分としては、アルコール類、精製水、色素、防腐
剤、油分、保湿成分、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤などである。ここで、他の標識成分とは、構成元
素の少なくとも一部を、重水素(2H)、13C、15N、
17O、18Oの少なくとも1種で置換した標識成分(安定
同位体標識成分)であり、例えば、重水、13C標識エタ
ノール、2H標識エタノール、13C標識酢酸、2H標識酢
酸、13C標識グリセリン、2H標識グリセリン、13C標
識アミノ酸、2H標識アミノ酸、2H標識油脂(重水素添
加油脂)などである。
【0015】本発明による芳香製品は、少なくとも1種
の前記標識香料または他の標識成分を必須の成分として
含有してなるものなので、赤外吸収分光分析、レーザー
分光分析、質量分析または核磁気共鳴分析によって、配
合した標識香料または他の標識成分中の安定同位体を容
易にかつ確実に識別することができ、同じ香料成分を同
程度含有した模倣サンプルと、安定同位体で標識された
標識香料または他の標識成分を含む本発明の芳香製品と
を容易かつ確実に識別することができる。またこの芳香
製品中の揮発成分が揮発して成分組成が変化しても、芳
香製品中の安定同位体の種類や量を分析することによっ
て、その真偽を確実に識別することができる。また、芳
香製品に配合する標識香料または他の標識成分の種類ま
たは量を、該製品の製造ロットや製造工場毎に変更すれ
ば、芳香製品の内容物だけで該製品の製造ロットや製造
工場を判別することができる。
【0016】次に、本発明による芳香製品の識別方法を
説明する。本発明による芳香製品の識別方法は、少なく
とも1種の前記標識香料または他の標識成分を必須の成
分として含有してなる前述した芳香製品に含まれる標識
香料中の安定同位体の種類または量を測定して該芳香製
品を同定することを特徴としている。そして、本発明に
よる識別方法では、芳香製品に含まれる標識香料中の安
定同位体の種類または量を測定方法として、赤外吸収分
光分析、レーザー分光分析、質量分析または核磁気共鳴
分析が好適に用いられる。
【0017】赤外吸収分光分析による識別方法では、識
別するべき芳香製品を測定用セルに注入し、赤外吸光分
光分析計にて赤外波長の吸収領域を測定することによっ
てその真偽を識別する。重水素(2H)、13C、15N、
17O、18Oなどの安定同位体は、水素(1H)、炭素(
12C)、窒素(14N)、酸素(16O)と質量が異るた
め、分子内の吸収エネルギーが異なる。そこで本発明に
よる芳香製品のように安定同位体を標識して富化してあ
るものと、標識していない同じ成分を含む模倣製品とに
赤外領域の光をあて、その吸収波長を測定すると、吸収
される波長に差が現われる。したがって、識別するべき
サンプルの赤外波長の吸収領域を測定し、予め測定して
おいた正規の芳香製品の吸収パターンと比べることによ
って、該サンプルの真偽を容易かつ確実に識別すること
ができる。この赤外吸収分光分析による識別方法では、
容易かつ短時間にサンプルの識別が可能である。
【0018】レーザー分光分析による識別方法では、識
別するべき芳香製品を測定用セルに入れ、レーザー分光
分析計にて赤外波長の吸収領域を測定することによっ
て、その真偽を識別する。この測定原理は前述した赤外
吸収分光分析の場合と同じであるが、レーザー分光分析
では700〜1000nmの範囲のうちの特定波長の光
を当て、その吸収量を精密に測定することができる。そ
の特定波長は、標識した安定同位体に特有な吸収波長と
される。このレーザー分光分析による識別方法では、容
易にサンプルの識別が可能であり、先の赤外吸収分光分
析法よりも分析精度を高めることができ、微量のサンプ
ルでも真偽の識別が可能となる。
【0019】質量分析による識別方法では、識別するべ
き芳香製品を質量分析計に入れ、該芳香製品に含まれる
同位体比を求めることによって、その真偽を識別する。
重水素(2H)、13C、15N、17O、18Oなどの安定同
位体は、水素(1H)、炭素(12C)、窒素(14N)、
酸素(16O)と質量が異なり、質量分析することによっ
て容易に識別ができ、水素、炭素、窒素または酸素の同
位体比に明確な差が生じる。そこで本発明による芳香製
品と標識していない同じ成分を含む模倣製品との質量分
析を行って、いずれかの元素の同位体比を比較すること
によって、真偽を容易かつ確実に識別することができ
る。すなわち、同位体比が天然比と同じであれば、その
サンプルは模倣製品であると判定できる。この質量分析
による識別方法では、容易かつ短時間にサンプルの識別
が可能であり、しかも不透明な芳香製品、固体状の芳香
製品、或いは色素などの光吸収成分を多く含む製品でも
測定が可能である。また、この分析の応用例として、質
量分析計の前段にガスクロマトグラフ分析計を連設し
(いわゆるガス−マス分析)、ガスクロマトグラフィー
によって分離された特定香料成分の個々の質量分析を行
うことも可能である。このように個別の成分について質
量分析を行うことによって、芳香製品に配合する標識香
料または他の標識成分の種類または量を、該製品の製造
ロットや製造工場毎に変更すれば、該製品の製造ロット
や製造工場を判別することができるようになる。
【0020】核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonanc
e;NMR)分析による識別方法では、識別するべき芳
香製品を核磁気共鳴分光計に入れ、該芳香製品に含まれ
る安定同位体に特有のシグナルが現われるか否かを調べ
ることによって、その真偽を識別する。核磁気共鳴分析
では、1H、13C、17O、18Oなどの常磁性核種のみが
シグナルとなって現われ、2H、12C、16Oなどの核種
はNMRチャートには現われない。そこで本発明による
芳香製品と標識していない同じ成分を含む模倣製品との
NMRチャートを比較することによって、真偽を容易か
つ確実に識別することができる。すなわち、識別するべ
きサンプルのNMRチャートが本発明による芳香製品と
差があれば、そのサンプルは模倣製品であると判定でき
る。この核磁気共鳴分析による識別方法では、容易かつ
短時間にサンプルの識別が可能であり、しかも不透明な
芳香製品、固体状の芳香製品、或いは色素などの光吸収
成分を多く含む製品でも測定が可能である。また、核磁
気共鳴分析による識別方法では、極微量のサンプルで高
精度の判定が可能である。
【0021】このように、本発明による芳香製品の識別
方法によれば、配合した標識香料または他の標識成分中
の安定同位体を容易にかつ確実に識別することができ、
同じ香料成分を同程度含有した模倣サンプルと、安定同
位体で標識された標識香料または他の標識成分を含む本
発明の芳香製品とを容易かつ確実に識別することができ
る。またこの芳香製品中の揮発成分が揮発して成分組成
が変化しても、芳香製品中の安定同位体の種類や量を分
析することによって、その真偽を確実に識別することが
できる。従って、本発明による芳香製品の識別方法は、
正規な芳香製品と同種の非標識成分を含む模造品との決
定的な判定基準となる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果が得られる。請求項1の標識香料は、構成
元素のうちの少なくとも1種が、該元素の安定同位体で
置換されてなるものなので、赤外吸収分光分析、レーザ
ー分光分析、質量分析または核磁気共鳴分析によって標
識した安定同位体を容易にかつ確実に識別することがで
き、該標識香料を配合して正規品と模造品との真偽を識
別可能な芳香製品の配合成分として有用である。請求項
2の標識香料は、前記安定同位体を、重水素、13C、15
N、17O、18Oからなる群から選択される少なくとも1
種としたことにより、香りなどの香料自体の性状を変え
ることなく、赤外吸収分光分析、レーザー分光分析、質
量分析または核磁気共鳴分析によって識別可能な標識を
付与することができる。請求項3の芳香製品は、構成元
素のうちの少なくとも1種が、該元素の安定同位体で置
換されてなる少なくとも1種の標識香料または他の標識
成分を必須の成分として含有してなるものなので、赤外
吸収分光分析、レーザー分光分析、質量分析または核磁
気共鳴分析によって、配合した標識香料または他の標識
成分中の安定同位体を容易にかつ確実に識別することが
でき、同じ香料成分を同程度含有した模倣サンプルと、
安定同位体で標識された標識香料または他の標識成分を
含む本発明の芳香製品とを容易かつ確実に識別すること
ができる。またこの芳香製品中の揮発成分が揮発して成
分組成が変化しても、芳香製品中の安定同位体の種類や
量を分析することによって、その真偽を確実に識別する
ことができる。また、芳香製品に配合する標識香料また
は他の標識成分の種類または量を、該製品の製造ロット
や製造工場毎に変更すれば、芳香製品の内容物だけで該
製品の製造ロットや製造工場を判別することができる。
請求項4の芳香製品は、前記安定同位体を、重水素、13
C、15N、17O、18Oからなる群から選択される少なく
とも1種としたことにより、香りなどの香料自体の性状
を変えることなく、赤外吸収分光分析、レーザー分光分
析、質量分析または核磁気共鳴分析によって識別可能な
ものとなる。請求項5の芳香製品の識別方法は、請求項
3記載の芳香製品に含まれる安定同位体の種類または量
を測定して該芳香製品を同定することにより、配合した
標識香料または他の標識成分中の安定同位体を容易にか
つ確実に識別することができ、同じ香料成分を同程度含
有した模倣サンプルと、安定同位体で標識された標識香
料または他の標識成分を含む本発明の芳香製品とを容易
かつ確実に識別することができる。またこの芳香製品中
の揮発成分が揮発して成分組成が変化しても、芳香製品
中の安定同位体の種類や量を分析することによって、そ
の真偽を確実に識別することができる。従って、この芳
香製品の識別方法は、正規な芳香製品と同種の非標識成
分を含む模造品との決定的な判定基準となる。請求項6
の芳香製品の識別方法は、安定同位体の種類または量を
赤外吸収分光分析で測定することによって、識別するべ
きサンプルの赤外波長の吸収領域を測定し、予め測定し
ておいた正規の芳香製品の吸収パターンと比べることに
よって、該サンプルの真偽を容易に識別することができ
る。請求項7の芳香製品の識別方法は、安定同位体の種
類または量をレーザー分光分析で測定することによっ
て、容易かつ短時間にサンプルの識別が可能であり、先
の赤外吸収分光分析法よりも分析精度を高めることがで
き、微量のサンプルでも真偽の識別が可能となる。請求
項8の芳香製品の識別方法は、安定同位体の種類または
量を質量分析で測定し、いずれかの元素の同位体比を比
較することによって、真偽を容易かつ確実に識別するこ
とができ、容易かつ短時間にサンプルの識別が可能であ
り、しかも不透明な芳香製品、固体状の芳香製品、或い
は色素などの光吸収成分を多く含む製品でも測定が可能
である。また、ガスクロマトグラフィーによって分離さ
れた特定香料成分の個々の質量分析を行うことによっ
て、芳香製品に配合する標識香料または他の標識成分の
種類または量を、該製品の製造ロットや製造工場毎に変
更すれば、該製品の製造ロットや製造工場を判別するこ
とができるようになる。請求項9の芳香製品の識別方法
は、安定同位体の種類または量を核磁気共鳴分析で測定
し、そのNMRチャートを比較することによって真偽を
容易かつ確実に識別することができ、しかも不透明な芳
香製品、固体状の芳香製品、或いは色素などの光吸収成
分を多く含む製品でも測定が可能である。また、核磁気
共鳴分析による識別方法では、極微量のサンプルで高精
度の判定が可能である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成元素のうちの少なくとも1種が、該
    元素の安定同位体で置換されてなる標識香料。
  2. 【請求項2】 前記安定同位体が、重水素、13C、
    15N、17O、18Oからなる群から選択される少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1記載の標識香料。
  3. 【請求項3】 構成元素のうちの少なくとも1種が、該
    元素の安定同位体で置換されてなる少なくとも1種の標
    識香料または他の標識成分を必須の成分として含有する
    ことを特徴とする芳香製品。
  4. 【請求項4】 前記安定同位体が、重水素、13C、
    15N、17O、18Oからなる群から選択される少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項3記載の芳香製品。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の芳香製品に含まれる安定
    同位体の種類または量を測定して該芳香製品を同定する
    ことを特徴とする芳香製品の識別方法。
  6. 【請求項6】 安定同位体の種類または量を赤外吸収分
    光分析で測定することを特徴とする請求項5記載の芳香
    製品の識別方法。
  7. 【請求項7】 安定同位体の種類または量をレーザー分
    光分析で測定することを特徴とする請求項5記載の芳香
    製品の識別方法。
  8. 【請求項8】 安定同位体の種類または量を質量分析で
    測定することを特徴とする請求項5記載の芳香製品の識
    別方法。
  9. 【請求項9】 安定同位体の種類または量を核磁気共鳴
    分析で測定することを特徴とする請求項5記載の芳香製
    品の識別方法。
JP23824296A 1996-09-09 1996-09-09 標識香料と芳香製品並びに芳香製品の識別方法 Withdrawn JPH1088180A (ja)

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