JPH107703A - 配合設計システム - Google Patents

配合設計システム

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JPH107703A
JPH107703A JP16608096A JP16608096A JPH107703A JP H107703 A JPH107703 A JP H107703A JP 16608096 A JP16608096 A JP 16608096A JP 16608096 A JP16608096 A JP 16608096A JP H107703 A JPH107703 A JP H107703A
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JP
Japan
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monomer
evaluation
database
components
monomers
Prior art date
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JP16608096A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Koremoto
敏宏 是本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開発現場の技術者が容易にモノマーの種類、配
合比を設計するための配合設計システムを提供する。 【解決手段】ラジカル共重合性モノマーをラジカル反応
によって共重合する際に、各モノマーの投入量と投入タ
イミングからなる単一条件下での配合設計を評価するサ
ブシステムと、その評価を蓄積するデータベースと、総
合判断する総合評価手段とを備え、サブシステムにて、
予め範囲設定されたモノマー種類とモノマーの投入条件
を自動的に変化させて該単一条件下での配合設計評価を
繰り返し実行し、評価結果をデータベースに蓄積した
後、総合評価手段にて、評価された評価結果を予め設定
された評価条件に従って総合判断し、最適な重合条件を
提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル粘着剤や
感光性樹脂組成物のベースポリマー等、ラジカル共重合
反応によって生成する多成分共重合体の配合組成の設計
を支援する配合設計システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着テープ用のアクリル粘着剤の開発
は、主モノマー、凝集モノマー、極性モノマー、架橋起
点モノマー等の数多くの成分モノマーを、例えば、適当
な溶媒下でラジカル共重合することによって行われてい
る。
【0003】得られる共重合体の構造は、重合する各モ
ノマーの種類と配合組成及び重合条件により無限の組合
わせが可能であり、従来は試行錯誤によりこれらの組合
わせを決めていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記設
計においては、技術者の習熟した知識及び経験が必要で
あり、特に配合組成を微妙に変化させるだけでも得られ
る共重合体の構造は全く異なったものになる。
【0005】又、これらの配合組成は、モノマーが1種
類変わっただけでも、共重合速度の関係で全体の共重合
体の連鎖構造や分子量分布が大きく変わることがあり、
特にモノマーの重合速度比の違いにより導入すべきモノ
マー量や投入のタイミングを制御しなければ均一な組成
比を持つ共重合体を製造することが難しい。
【0006】このため、実際の開発現場においては、各
モノマーの配合毎に別個な条件設定を繰り返しているの
が現状であり、開発に要する時間が非常にかかる。もち
ろん特定のモノマー配合については反応速度論を利用し
た、より精密な実験、理論的な解析が行われているが汎
用的ではなく、開発現場の技術者が設計に利用するには
非常に高度な知識と煩雑な作業が必要である。
【0007】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、開発現場の技術者が容易にモノマーの種類、配合比
を設計するための配合設計システムを提供することを目
的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明1(本願の請求項
1に記載の発明)は、ラジカル共重合性モノマーをラジ
カル反応によって共重合する際に、各モノマーの投入量
と投入タイミングからなる単一条件下での配合設計を評
価するサブシステムと、その評価を蓄積するデータベー
スと、総合判断する総合評価手段とを備え、サブシステ
ムにて、予め範囲設定されたモノマー種類とモノマーの
投入条件を自動的に変化させて該単一条件下での配合設
計評価を繰り返し実行し、評価結果をデータベースに蓄
積した後、総合評価手段にて、評価された評価結果を予
め設定された評価条件に従って総合判断し、最適な重合
条件を提案する配合設計システムである。
【0009】本発明2(本願の請求項2に記載の発明)
は、上記サブシステムが、各モノマー毎の特性値を登録
・更新できるデータベース部分と、そのデータベース部
分に登録された各モノマー毎の特性値を用いた推算式に
より、共重合に用いられるモノマーの構成される各2成
分のモノマーが2成分だけでラジカル共重合する場合の
共重合速度比を推算する手段と、推算された各2成分間
の共重合速度比をもとに3成分以上のモノマーが存在す
る場合での各成分間の共重合速度比を推算する手段と、
推算された各成分間の共重合速度比から、反応の進行度
合いに対する共重合体のモノマー組成の変化を推定する
手段とを備えたものからなる本発明1記載の配合設計シ
ステムである。
【0010】
【作用】まず、モノマーの投入量と投入タイミングから
なる条件下で配合設計を評価するサブシステムについて
説明する。2成分のモノマーM1 ,M2 の共重合におけ
る成長反応は次のように表される。
【0011】
【化1】
【0012】末端が同じ成長ラジカルを同一とみなしM
1 *,M2 *で表すものとすると、それぞれのモノマー
に対する消費速度は次のようになる。尚、それぞれの濃
度を〔〕内に示してある。
【0013】
【化2】
【0014】ここで、成長ラジカルの速度が定常である
と仮定すると、
【0015】
【化3】
【0016】であるから、モノマーの消費速度(すなわ
ち共重合速度)の比は次のようになる。
【0017】
【化4】
【0018】ただし、r1 =r12=k11/k12, r2
21=k22/k21 ここで、rijは各モノマーの反応性比と呼ばれ、2成分
間の共重合反応における反応速度の比として表される。
【0019】共重合に用いられるモノマーの構成される
モノマー毎に登録された特性値とその特性値を用いた推
算式をもとに2成分だけでラジカル共重合する場合の反
応性比を推算する方法としては、例えば、Alfray-Price
らのQ−eパラメーター法(J. Polymer. Sci. ,2 ,10
1(1947) 、3 ,772(1948))等が挙げられる。この方法で
は、反応性比rijを次のような演算式で置き換えること
ができる。
【0020】
【化5】
【0021】従って、この構成されるモノマー毎の特性
値であるQ,e値がわかっている系については、反応性
比rijを上式の推算式で置き換えることができ、その結
果モノマーの消費速度(共重合速度)比が推算できる。
Q,e値は、これまで多くのモノマーに対して実験値か
ら求められており、例えば、J. Brandup, E. H. Immerg
ut:" Polymer Handbook 3rd Ed.",1989 John Wiley等に
記載されている。
【0022】本配合設計システム内には、いくつかのモ
ノマーに対してこれらの特性値を予め登録しておくこと
や新たに値を更新することができるデータベース部分を
持っている。
【0023】次に、2成分間の反応性比をもとに3成分
以上のモノマーが存在する場合での各成分間の共重合成
分間の共重合速度比を推算する方法は、Fordyce,Chapi
n,Hamらの式(J. Amer. Chem.Soc.,70, 2489(1948))
を変形すると次の式のように与えられる。
【0024】
【化6】
【0025】推算された各成分間の共重合速度比から、
反応の進行度合いに対する共重合体のモノマー組成の変
化を推定することができる。モノマーの投入条件として
は、各モノマーの投入量の他にモノマーを一括投入する
か、あるいは任意のタイミングにより段階的、滴下によ
り投入するか等の投入タイミングに関する条件が挙げら
れる。
【0026】以上述べてきたように、本配合設計を評価
するサブシステムでは、2成分はもちろん3成分以上の
モノマーによるラジカル共重合反応に対して、予め任意
の投入条件(モノマーの種類、投入量、投入タイミン
グ)が設定されれば、それらの共重合反応の進行度合い
に対する共重合体のモノマー組成変化を追跡することが
できる。
【0027】本配合設計システムでは、サブシステムに
て、これらの単一条件を予め与えられた範囲の条件内で
自動的に変化させて、繰り返し実行し評価を行い、各々
の結果をデータベースに蓄積した後、総合評価手段に
て、予め設定しておいた評価基準に従って総合的に評価
判断して最適な投入条件を提案するものである。
【0028】総合的な評価判断を行うための評価基準と
しては、例えば、「80%までの反応進行時に組成比が
最も均一なモノマー投入条件を出力する」、「90%ま
での反応進行時に共重合体中のあるモノマー組成比が4
0%以上、43%未満である」といった評価条件を予め
与えておくことにより、最適な投入条件を決定し提案す
ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の配合設計
システムの一例の全体のフローを示す説明図である。
【0030】設計条件の範囲設定ブロック11において
は、モノマーの種類、モノマーの投入量(全配合比)の
範囲やモノマーの投入ステップ数及び滴下投入の有無等
を設定する。モノマーの投入量の範囲設定を行う画面
は、例えば、図2のようになり、ここでまず配合設計を
行い、モノマーの選択、登録と全配合比の範囲設定を行
う。全配合比は、モノマーの部数比又はモル比で範囲設
定を行うことができる。
【0031】モノマーの選択、登録操作は図2の表示画
面に直接モノマー名と特性値(Q値、e値、モル質量)
を入力するか、あるいは図1の17で示されるデータベ
ースブロックを呼び出して、予め登録されているモノマ
ーを選択することにより実現する。この場合、データベ
ースブロック17におけるモノマー特性値の登録情報と
その選択用の画面表示は、例えば、図3のようになる。
【0032】以上により設定された範囲の中から、任意
の条件(モノマーの種類、モノマー投入量、投入段数、
滴下タイミング)を自動生成し、選ばれた条件の下で、
重合の進行度合いに対するモノマー組成の変化を推算す
る。
【0033】以下、任意の条件が設定された場合の配合
設計評価サブシステムによる評価例を説明する。図4
は、図1の13で示された任意の単一条件下での配合評
価をアクリル粘着剤の設計に適用した場合の例を示すブ
ロック線図である。配合条件表示ブロック42は、配合
条件設定ブロック41で自動生成された任意の単一条件
を表示するブロックとなっており、例えば、図5のよう
な画面になる。
【0034】図5は、重合の進行度合いに対して、各モ
ノマーをどれだけ投入するかといった投入タイミングを
示している。図4において、演算ブロック43は、2成
分のモノマーだけでラジカル共重合する場合の反応性比
を演算する演算手段46と、推算された各2成分間の反
応性比をもとに3成分以上のモノマーが存在する場合で
の各成分間の重合速度比を推算する演算手段47と、推
算された各成分間の重合速度比から重合の進行度に対す
る各モノマーの消費率やポリマーの瞬間組成、平均組成
等を推算する推算手段48とを備えたブロックであり、
配合条件設定ブロック41により設定されたモノマー種
及びモノマー配合量のデータをそれらの推算手段によっ
て順次処理する。
【0035】単一条件評価ブロック44は、演算ブロッ
ク43で推算された全重合率に対する各モノマーの消費
率やポリマーの瞬間組成等を推算し、予め設定された全
重合率に対する各モノマーの消費率やポリマーの瞬間組
成等を推算し、予め設定された評価条件に従った評価結
果とともにデータベースブロック45に蓄積される。
尚、このデータベースブロックは、図1では18で示さ
れている。このとき、必要であれば例えば図6のような
グラフ出力を得ることができる。
【0036】図1に示すように、本配合設計システムで
は、与えられた条件範囲の内から任意の単一条件を自動
生成し、上記配合条件下の配合設計評価を繰り返し実行
することにより、総合的な評価判断を行い、最適な条件
の提示を行う。
【0037】次に、本配合設計システムにより、予め
「モノマー一括投入で、60%の反応進行時まで、均一
なモノマー組成を与える」という評価基準を設定し、3
成分アクリル系共重合体の設計を行った。
【0038】モノマーの種類として、2─ヒドロキシエ
チルアクリレート、2─ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2─ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリル
酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸、メタクリル酸ア
ミドの中から3成分を選び、各々モル分率で20〜40
%の間で配合設計評価を行った。
【0039】最終的に評価された条件は、2─ヒドロキ
エチルアクリレート、2─ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、アクリル酸をそれぞれモル分率40:40:20
%で配合した場合であり、このとき共重合体内のモノマ
ー組成の変化は3重量%以内に止まっており、本配合設
計システムを用いることにより最適な条件投入となる。
【0040】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
ることなく、アクリル粘着剤のラジカル共重合反応に適
用した場合について説明したが、感光性樹脂組成物のベ
ースポリマーや、その他のラジカル共重合系についても
同様に適用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明1の配合設計システムは、上記の
ような構成とされていることにより、多種類のモノマー
をラジカル共重合する場合の、モノマー配合組成として
得られるポリマー内のモノマー組成の関係を容易に把握
することができる。このため、特に開発の初期段階にお
いてモノマーの選択やモノマー配合組成の一次決定に効
力を発揮し、実験の省略となることから、設計開発を短
縮することが可能である。
【0042】本発明2の配合設計システムは、上記のよ
うな構成とされていることにより、各モノマー毎の特性
値を予め配合設計システム内のデーターベースに登録し
ておくことにより、開発現場の技術者が簡易に操作し、
設計を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配合設計システムの一例の全体のフロ
ーを示す説明図である。
【図2】モノマーの投入量の範囲設定を行う画面の例を
示す説明図である。
【図3】モノマー特性値の登録情報とその選択用の画面
表示の例を示す説明図である。
【図4】任意の単一条件下における配合評価をアクリル
粘着剤の設計に適用した場合の例を示すブロック線図で
ある。
【図5】重合の進行度合いに対して、各モノマーをどれ
だけ投入するかといった投入タイミングの例を示す説明
図である。
【図6】データベースのグラフ出力の例を示す説明図で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル共重合性モノマーをラジカル反
    応によって共重合する際に、各モノマーの投入量と投入
    タイミングからなる単一条件下での配合設計を評価する
    サブシステムと、その評価を蓄積するデータベースと、
    総合判断する総合評価手段とを備え、サブシステムに
    て、予め範囲設定されたモノマー種類とモノマーの投入
    条件を自動的に変化させて単一条件下での配合設計評価
    を繰り返し実行し、評価結果をデータベースに蓄積した
    後、総合評価手段にて、評価された評価結果を予め設定
    された評価条件に従って総合判断し、最適な重合条件を
    提案することを特徴とする配合設計システム。
  2. 【請求項2】 上記サブシステムが、各モノマー毎の特
    性値を登録、更新できるデータベースと、そのデータベ
    ースに登録された各モノマー毎の特性値を用いた推算式
    により、共重合に用いられるモノマーの構成される各2
    成分のモノマーが2成分だけでラジカル共重合する場合
    の共重合速度比を推算する手段と、推算された各2成分
    間の共重合速度比をもとに3成分以上のモノマーが存在
    する場合での各成分間の共重合速度比を推算する手段
    と、推算された各成分間の共重合速度比から、反応の進
    行度合いに対する共重合体のモノマー組成の変化を推定
    する手段とを備えたものからなることを特徴とする請求
    1記載の配合設計システム。
JP16608096A 1996-06-26 1996-06-26 配合設計システム Pending JPH107703A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012087186A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd リソグラフィー用重合体およびその製造方法、レジスト組成物、ならびに基板の製造方法
US9733564B2 (en) 2010-10-18 2017-08-15 Mitsubishi Chemical Corporation Copolymers for lithography and method for producing same, resist composition, method for producing substrate with pattern formed thereupon, method for evaluating copolymers, and method for analyzing copolymer compositions

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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