JPH107592A - 磁気共鳴画像診断装置による組織内酸素−17の 測定方法 - Google Patents

磁気共鳴画像診断装置による組織内酸素−17の 測定方法

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JPH107592A
JPH107592A JP9052189A JP5218997A JPH107592A JP H107592 A JPH107592 A JP H107592A JP 9052189 A JP9052189 A JP 9052189A JP 5218997 A JP5218997 A JP 5218997A JP H107592 A JPH107592 A JP H107592A
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Puradeiipu Gaputei
ガプティ・プラディープ
Toshiyuki Arai
俊之 荒井
Sigmand E Lasker
ラスカー・シグマンド・イー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素−17を投与可能な造影剤として被検者に
投与し、被検者の組織内のH 17Oの産生を磁気共鳴
画像診断装置により測定する。 【解決手段】酸素−17と生物学的に受容可能な液体担
体とからなる混合物で、本質的に血液と等しいイオン構
成と、約0.6ミクロン未満の平均粒子径とを有する造
影剤の有効量を被検者に投与し、被検者の組織内H
17Oの産生を磁気共鳴画像診断装置を使用して測定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、磁気
共鳴画像診断装置における撮像のために、酸素−17(
17O)を組織中に導入する方法に関するものである。
一面からいえば、本発明は、19F−NMR(核磁気共
鳴)(フッ素−19の画像化)による組織中灌流につい
ての情報およびH−NMR(代謝産物としてのH
17Oの画像化)による酸素利用度についての情報を得
るために使用する、非侵襲的方法を対象とするものであ
る。他の面からいえば、本発明は、酸素−17と生物学
的に受容可能な(生体に受け入れることができる)液体
との混合物(complex)を含む診断用造影剤を対
象とするものである。さらにもう一つの面からいえば、
本発明は、過フッ化化合物と酸素−17との乳化された
混合物ならびにその製造方法を対象とするものである。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴画像診断装置は、磁気モーメン
トを有する原子核が、そのスピンを外部の磁場に一致さ
せようとする傾向に基づくものである。奇数の核子を持
つ原子核だけが磁気モーメントを有する。従って、この
ような原子核だけが検出され、画像化される。水素は、
その原子核に1個の核子、すなわち陽子を持っているの
で、現在の医療において画像化される最も主要な原子核
である。酸素の最も一般的な同位体である酸素−16
は、偶数個の核子を持っているため、磁気画像装置にお
いて画像化することができない。酸素−15は不安定
(放射性)であり、患者に放射線被曝を与えるための他
の画像化技術において使用される。酸素−17は安定で
あり、磁気共鳴画像診断に必要な、核子が奇数であると
いう基準に合致する。しかしながら、これは極めて希な
元素であり、比較的多量に必要であるので、利用されて
いない。本発明の前までは、酸素−17同位体はこの同
位体を水溶液の形で温血動物に投与することにより、診
断目的に使用されたに過ぎなかった。磁気共鳴画像を使
用して体内の水の分布を追跡することにより、酸素−1
7同位体の所在部位を追跡することが可能であった。エ
ス・メイブーム(S.Meiboom)によってJ.C
hem.Phys39,375,1961において報
告されたように、従来の、水中の蛋白質の核磁気共鳴
(NMR)による考察によれば、中性のpHにおいて、
蛋白質の横緩和時間(T)は、縦緩和時間(T)よ
りも有意に短いことが示されている。著者によれば、こ
の相違は、H 16Oにおいて自然に生じるH 17
同位体(0.037 at.)によるものであり、中性
pHにおいてこの効果は4極子17Oと陽子とのスケー
ラーカップリング相互作用によりより大きくなる。メイ
ブームは、さらに、中性pHより以上または以下のいか
なるpHにおいても、陽子の17O(スピン=5/2)
における滞留寿命は短かすぎて、緩和の増大を生じな
い、ということを証明した。Tとは対照的に、T
pHの増加によって影響されない。Mag.Reso
n.Med.,,399,1987におけるホプキン
ズ(Hopkins)等の研究においては、メイブーム
の蛋白質交換率の研究と一致する、蛋白質溶液および生
体組織に対するH 17Oの濃縮効果が報告されてい
る。1988年8月のリサーチ・リソーシズ・リポータ
ーの12頁には、磁気共鳴画像診断装置(MRI)にフ
ッ素を使用して、血流についての情報を得たことが開示
されている。そこでは、いくつかの原子核を同時に考察
することにより正確な情報が得られ、血流をリアルタイ
ムで測定できたことが記載されている。共著者のひとり
であるジェイ・エス・レイ博士(Dr.J.S.Lei
gh)は、MRIと磁気共鳴分光計(MRS)とを組み
合わせることにより、人体の内部の画像を得ることがで
き、そこに存在するものの極めて完全な生化学的分析を
得ることができることを明らかにしている。しかしなが
ら、前述したように、酸素−17同位体の投与は、同位
体を含む水により行われたに過ぎなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の実施により、
下記の目的のひとつまたはそれ以上が達成される。
【0004】本発明の目的は、磁気画像装置において撮
像するために、酸素−17を組織中に導入する方法を提
供することである。
【0005】本発明のもう一つの目的は、酸素−17の
促進された陽子T緩和の増大を利用して、組織内のH
17O代謝物の生体内の産生をモニタすることによ
り、生理的条件下における局部的代謝活動を検出するた
めの方法を提供することである。
【0006】本発明のもう一つの目的は、局部的代謝活
動を検出するために、温血動物に投与することができ
る、酸素−17同位体と生物学的に受容可能な乳濁液担
体との新規な混合物を提供することである。
【0007】さらにもう一つの目的は、酸素−17同位
体と過フッ化化合物との新規な混合物を提供することで
ある。
【0008】本発明の他の目的は、酸素−17同位体と
ペルフルオロトリブチルアミンとの混合物を提供するこ
とである。
【0009】本発明のもう一つの目的は、本発明の新規
な混合物の製造方法を提供することである。
【0010】本発明のさらにもう一つの目的は、局部的
代謝活動を検出するために、酸素−17を温血動物に注
入する方法を提供することである。
【0011】もう一つの目的は、フッ素−19を画像化
して、組織中の灌流についての情報を得、代謝物として
のH 17Oを画像化して、酸素利用についての情報を
得ることである。
【0012】これらの目的およびその他の目的は、ここ
に記載した教示に照らせば、当業者にはただちに明らか
であろう。
【0013】広い意味では、本発明は、組織内に注入し
て磁気共鳴画像診断装置において画像化するための、酸
素−17同位体と生物学的に受容可能な液体担体との新
規な混合物、および、被検者の組織内における当該混合
物の代謝物としてのH 17Oの場所的分布を、非侵襲
的に、かつ視覚により測定する方法とに関するものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に先立ち、酸素を
運搬する代用血液としての過フッ化炭化水素の使用と、
目的器官に酸素を運搬するその優れた能力とに対し多大
の興味が表明されていた。酸素は液体の過フッ化物に高
度に可溶性である。生理食塩水または血漿は、体積比で
約3パーセントの酸素を溶解し、全血は約20パーセン
トの酸素を溶解するが、過フッ化物は40パーセントか
らそれ以上も溶解する。しかしながら、フッ化物は多量
の酸素を吸収する能力を有するにもかかわらず、過フッ
化物の静脈注射は、過フッ化物が血液と混和せず、従っ
て塞栓を形成する恐れがあるので、極めて有害である。
このため、文献には、過フッ化物は優れた酸素の担体で
あると記載されているにもかかわらず、本発明の前まで
は、それは酸素−17同位体と混合されて、組織内の灌
流と酸素の場所的分布の両方の画像化のために使用され
たことは一度もなかった。前述したように、本発明は、
酸素−17を含む新規な診断用造影剤、その製造方法、
およびフッ素−19の灌流および酸素−17の代謝の画
像化のための使用を対象とするものである。この方法
は、19F−NMRによるフッ素−19の直接検知、お
よび、H−NMRによる新しい混合物の代謝物である
17O中の酸素−17の間接検知に使用することが
できる。混合物とその代謝物の分布は、臨床用磁気共鳴
装置により、同時にまたは交互に画像化することができ
る。
【0015】診断用造影剤は、酸素−17、生物学的に
受容可能な液体担体および生物学的に受容可能な乳化剤
との混合物を含み、該混合物は本質的に血液のイオン構
成と等しいイオン構成を有し、その平均粒子径は約0.
6ミクロン未満である。酸素−17は、市販されている
アイソトープ(同位体)であり、大量生産はされていな
いが、いくつかの製造元から入手することができる。
【0016】実際上は、過フッ化化合物が生物学的に受
容可能な担体として好ましいことが分かったが、血液や
血漿を含み他の液体も使用することができる。しかしな
がら、前に説明したように、過フッ化化合物は大量の酸
素を吸収する能力を有する。このような化合物として
は、例えば、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフル
オロトリブチルテトラヒドロフラン、ペルフルオロ−n
−オクタン、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロ
デカリン、ペルフルオロメチルデカリン、ペルフルオロ
シクロヘキシルジエチルアミン、ペルフルオロ−イソ−
ペンチルピラン、ペルフルオロジブチルメチルアミン、
などの過フッ化化合物があるが、これらに限定されな
い。
【0017】乳化剤または表面活性剤は、多様な市販の
製品の中から選択することができる。選択された乳化剤
は、勿論、無毒で、生物学的に受容可能であり、酸素−
17と過フッ化化合物とのいずれとも相溶性であり、か
つ人体に対して悪影響のないものでなければならない。
現在知られている一群のポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレン共重合体は、有機相を乳化するばかりでな
く、通常、血液蛋白によって供給されるコロイド浸透圧
(oncotic pressure)をつくりだすた
めの血漿増量剤(プラズマ・エキスパンター)の働きも
する。これらのポリオールは低濃度では無毒であり、多
くのイオン性または非イオン性表面活性剤とは異なり、
赤血球の溶血現象を生じない。
【0018】本発明における乳化剤として使用するため
に特に好ましい表面活性剤は、東京の旭電化株式会社が
発売しているプルロニックF−68である。この共重合
体は平均分子量が約8350であり、非イオン性の表面
活性剤および洗剤である。
【0019】実際上は、本発明の診断用造影剤は、過フ
ッ化化合物を重量比で約5から50パーセント、より望
ましくは約15から30パーセント含み、血液のイオン
構成と同様なイオン構成を有する水溶液の表面活性剤
を、約1から20パーセント、より望ましくは約2.5
から10パーセント含んでいる。尚、体積比では、過フ
ッ化化合物は、乳化剤の体積の約4倍以上の比率で含ま
れる。
【0020】酸素−17、過フッ化化合物および乳化剤
の混合物の製造は、次のような工程により行う。 (1) (a)平均粒子径が約0.6ミクロン未満である、生物
学的に受容可能な液体の過フッ化化合物、と(b)生物
学的に受容可能な乳化剤、との乳濁液を、少なくとも一
回の凍解サイクルを行った後、該乳濁液に、酸素を有し
ない不活性ガスを吹き込んで、乳濁液を脱酸素化し、 (2)酸素−17を該乳濁液に導入し、 (3)その後、診断用造影剤を回収する。 場合によっては、酸素−17アイソトープを導入する前
にすべての酸素−16を完全に除去するために、乳濁液
を数回の凍解サイクルにかける必要があることもある。
また、ある場合には、脱酸素化工程を、減圧下で行うこ
とが望ましいかも知れない。前述した通り、天然の酸素
の同位体として圧倒的割合を占める酸素−16は、磁気
共鳴画像診断用造影剤として使用することができないの
で、本発明の乳濁液中に酸素−17を導入するに先立
ち、まず、酸素を含んでいる空気を該乳濁液から除去す
る必要がある。
【0021】本発明における「凍解サイクル」とは、そ
の名の示す通り、乳濁液を凍結・融解することにより、
乳濁液中の酸素を除去する、即ち脱酸素化するための方
法である。乳濁液を凍結すると、乳濁液中に存在してい
る酸素ガスの一部は空気泡として液中に閉じ込められ
る。乳濁液を融解すると、閉じ込められた酸素ガスは空
気中に遊離される。気泡を形成しないで乳濁液中に溶解
している酸素ガスも、液の融解により液温度が上昇する
につれて液中におけるガスの溶解度が低下するので、空
気中に遊離される。次に、不活性ガスを吹き込むことに
より、空気中に遊離したこれらの酸素ガスが排出され、
酸素ガスをほとんど含まない乳濁液が得られるのであ
る。1回の凍結・融解サイクルでは酸素ガスの除去が不
充分な場合にはこのサイクルを反復して行う。減圧下で
はガスの溶解度は低下するので、凍解サイクルを減圧下
で行えば、酸素ガス除去の効率は更に大きくなる。
【0022】造影剤の投与は、好ましくは、静脈内注入
によって行う。造影剤を被検者の体内に導入するために
は、いろいろな方法と器具を使用することができる。好
ましい方法の一つは、カテーテルを使用することであ
る。これにより造影剤を体内の特定の部位に向けること
ができ、望ましい画像を得るために注入する量をより良
くコントロールすることができる。カテーテルを使用す
れば、撮像の後または撮像中に、治療薬剤を投与するこ
ともできる。
【0023】酸素−17は過フッ化化合物と混合されて
いるので、理論的には、混合物を被検者の全血液量の約
30パーセントまで注入しても悪影響を生じない。望ま
しい画像を得るために実際に使用する分量は、勿論、部
分的には、ガス中の酸素−17の濃度にもよる。99パ
ーセントの濃度が望ましいが、酸素−18の製造中に生
成される酸素−17は、通常70パーセントの濃度で得
られる。一般に、酸素−17の、過フッ化化合物と乳化
剤に対する割合は、通常、少なくとも約1:5である。
即ち、酸素の体積は、上記過フッ過化合物及び乳化剤の
体積5に対して、約1以上であるべきことを意味する。
従って、好ましくは、100mlの濃縮ガスが、100
mlの過フッ化化合物および乳化剤と混合される。混合
物は希望する画像化に必要な有効量だけ使用されるが、
この分量は数ミリリットルから10ミリリットルまたは
それ以上の範囲内で変動する。
【0024】本発明のもう一つの利点は、市販の磁気共
鳴装置に全く変更を加えず、またはごく僅かの変更を加
えるだけで、造影剤を検知できることである。市販のM
RI装置は機種によって使用される磁場の強さが異なっ
ており、現在では、最大で2.0テスラ、最小で0.2
テスラである。特定の磁場の強さに応じて、原子核は異
なった周波数を有する。例えば、磁場の強さが1.0テ
スラの場合は、水素についての共鳴周波数は42.57
メガヘルツであり、りん−31については17.24、
ナトリウム−23については11.26メガヘルツであ
る。水素以外の原子核の画像化のためには、磁場の強さ
がより大きいほうが望ましい。従って、酸素−17代謝
物およびフッ素−19の画像化のためには、既存の装置
が使用できる。さらにこれらの元素の画像化は、同時に
行うこともできるし、また、順次行うこともできる。
【0025】本発明の方法は、脳、および心臓、肝臓、
腎臓等の重要な臓器における酸素の場所的分布を、非侵
襲的に、かつ視覚により測定することを可能にする。器
官における場所的酸素分布の視覚的画像化により、組織
への酸素運搬およびかかる組織内の酸素の利用について
の情報が得られる。このことは、実地臨床において患者
の病態生理の状態を判断するために極めて有用である。
前述した造影剤およびその使用方法は、他にもいくつか
の望ましい特徴を有する。使用されるすべての酸素−1
7が使用前に過フッ化化合物と混合物化されるので、使
用するアイソトープの量の完全なコントロールを維持す
ることができ、かつ、吸入により投与する場合のよう
に、損失が仮に生じたとしても、ごく僅かである。
【0026】さらに、本発明の造影剤は製造が容易であ
り、その結果得られた混合物は、静脈輸液と同じ方法で
静脈内に投与することができ、従って本質的に非侵襲的
な方法である。さらに、カテーテルを使用すれば、造影
剤を、検査しようとする組織内に直接入れることができ
る。このようにして、臨床MRI装置において、本発明
の新規な診断用造影剤は、フッ素−19による組織内灌
流およびH−NMRによる酸素利用についての情報を
与えることができる。
【0027】核磁気共鳴画像化実験は、ゼネラル・エレ
クトリック・1.5T・シグマ画像化装置によって行っ
た(H共鳴周波数 63.9メガヘルツ)。1.5T
において、35.9 at.%酸素−17濃縮水のin
vitroのT測定の値は、1910±60ミリ秒
であった。このことは、17Oは弱い陽子緩和剤であ
り、従って比較的高い濃度で使用しなければならないと
いう、従前の提言を裏付けるものである。Tと比較し
て、濃縮水(35.9 at.%)の測定されたT
値は10.6±0.4ミリ秒であり、17Oにより促進
された陽子T緩和の増大を示している。in vit
roでのPFC(FC乳濁液)のTおよびTの値の
測定結果は、それぞれ、2064±14ミリ秒および約
800ミリ秒であった。PFCを17で酸素化した
4時間後に測定したPFC−17混合物のT値は
約190ミリ秒であった。
【0028】
【発明の実施の形態】
【実施例】使用する混合物は、ペルフルオロトリブチル
アミン(PFC)と日本国大阪のグリーン・クロス・株
式会社から入手したポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン乳化剤との混合物から天然の酸素(酸素−1
6)を脱酸素化することによりにより調製した。この混
合物に窒素を吹き込み、加熱して酸素−16を除去し
た。その後、この混合物を同じ体積の70%酸素−17
ガスと接触させ、よく撹拌してガスを吸収させた。その
結果得られた混合物は100mlの混合物であり、冷所
に保管した。犬(体重5kg)をペンタバルビタール
(30mg/kg)で麻酔した。カニューレを大腿静脈
から下大静脈に挿入して食塩水を注入し(10ml/k
g/hr)、次に酸素−17とPFCとの混合物を注入
した。犬は、GE・1.5テスラ・シグマ画像装置のプ
ラットホーム上に固定し、ニー・コイル内に位置させ
た。注入装置をそのままにして対照(コントロール)画
像を得た。犬の脳を、混合物の注入前(対照)、注入中
および注入後にスキャンし、脳組織の異なった部位(マ
ルチスライス)において5mm厚の軸方向の画像を得
た。画像は、265のデータラインの2回励起の二次元
フーリエ変換法とマグニチュードリーコンストラクショ
ンを使用して再構成された。
【0029】脳の対照画像を得た後、混合物をカニュー
レを通して一定速度(100ml/8min)で注入し
た。注入中及び注入後に、犬の脳をいろいろな位置でス
キャンし、2時間の間に数セットの画像を得た。対照画
像と比較すると、T強調像は、陽子強度の著しい減少
(32−40%)を示した。この効果は一時的なもので
はなく、少なくとも2時間継続した。これは混合物の代
謝物としてのH 17Oから得られた酸素−17のT
強調像の陽子に対する常磁性効果によるものと考えられ
る。T強調像は、T対照像と比べて、陽子画像強度
に何らの変化も示さなかった。従って、得られたデータ
から、本発明の混合物を目的部位に投与すると、代謝副
産物の一つとしてのH 17O組織代謝物の生体内検出
が、陽子NMR画像により明白に示されることが明らか
となった。本発明は上記実施例により説明したが、実施
例に使用した材料に限定されるものではなく、本発明は
前述の一般的分野を対象とするものである。本発明の精
神と範囲を逸脱することなく、種々の変更と実施例が可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガプティ・プラディープ アメリカ合衆国ニューヨーク州10952、 トールマン、ラリッサ・コート 3 (72)発明者 荒井 俊之 日本国京都府左京区岡崎西福ノ川町26−46 (72)発明者 ラスカー・シグマンド・イー アメリカ合衆国ニューヨーク州10044、 ニューヨーク、メイン・ストリート 531

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検者の組織内におけるH 17Oの場所
    的分布を、非侵襲的に、かつ視覚により測定する方法で
    あって、該方法が、酸素−17と生物学的に受容可能な
    液体担体との混合物からなり、該混合物が、本質的に血
    液と等しいイオン構成と、約0.6ミクロン未満の平均
    粒子径とを有する診断用造影剤の有効な造影量を該被検
    者に投与し、前記組織内のH 17Oの産生を陽子磁気
    共鳴画像診断装置を使用して測定することを含む、測定
    方法。
  2. 【請求項2】前記造影剤が、カテーテルを使用して前記
    被検者の血流中に注入することにより投与される、請求
    項1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】前記液体担体が過フッ化化合物を含む、請
    求項1記載の測定方法
  4. 【請求項4】前記過フッ化化合物がペルフルオロトリブ
    チルアミンである、請求項3記載の測定方法。
  5. 【請求項5】前記造影剤が、生物学的に受容可能な過フ
    ッ化化合物と乳化剤とを、化合物の乳化剤に対する割合
    が体積比で少なくとも約4:1の比率で含み、かつ、酸
    素−17を、化合物の酸素−17に対する割合が体積比
    で5:1までの比率で含み、前記診断用造影剤の平均粒
    子径が約0.6ミクロン未満である、請求項1記載の測
    定方法。
  6. 【請求項6】被検者の組織内におけるH 17Oの場所
    的分布を、非侵襲的に、かつ視覚により測定する方法で
    あって、該方法が、酸素−17の有効な造影量を前記被
    検者に投与し、陽子磁気共鳴画像診断装置を使用して、
    生体内におけるH 17Oの産生をモニタすることを含
    む、測定方法。
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