JPH1073622A - マイクロ波測定装置 - Google Patents
マイクロ波測定装置Info
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- JPH1073622A JPH1073622A JP22820196A JP22820196A JPH1073622A JP H1073622 A JPH1073622 A JP H1073622A JP 22820196 A JP22820196 A JP 22820196A JP 22820196 A JP22820196 A JP 22820196A JP H1073622 A JPH1073622 A JP H1073622A
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- measurement
- thermistor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 広帯域のマイクロ波を高い効率で吸収できる
マイクロ波吸収材を用いたマイクロ波検出器を備えたマ
イクロ波測定装置。 【解決手段】 電気伝導性を有する積層不整構造物質か
らなるマイクロ波吸収物質をサーミスタT1 (または熱
電対)の表面に設け、前記マイクロ波吸収物質のマイク
ロ波吸収による前記サーミスタT1 (または熱電対)の
温度上昇を検出するマイクロ波検出器を備えたもの。
マイクロ波吸収材を用いたマイクロ波検出器を備えたマ
イクロ波測定装置。 【解決手段】 電気伝導性を有する積層不整構造物質か
らなるマイクロ波吸収物質をサーミスタT1 (または熱
電対)の表面に設け、前記マイクロ波吸収物質のマイク
ロ波吸収による前記サーミスタT1 (または熱電対)の
温度上昇を検出するマイクロ波検出器を備えたもの。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波吸収物
質を用いたマイクロ波検出器を備えたマイクロ波測定装
置に関するものである。
質を用いたマイクロ波検出器を備えたマイクロ波測定装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家電機器、コンピューター関連機
器、通信機器、医療機器、工作機器、航空機、自動車、
列車などに用いられる制御機器などに、マイクロ波帯域
の電磁波が使用される機会が著しく増加している。その
ため、こうした機器から漏れるマイクロ波が互いに干渉
する電波障害の問題が大きくクローズアップされ、ま
た、人体に対する影響も議論されている。この電波障害
を防ぐために、一般的には、これら機器の周りにマイク
ロ波反射材を用いた電波漏洩を防止する壁を設けること
が行われている。しかし、このマイクロ波が、どの程度
使用環境下において、漏洩しているかを知るための手段
は、同調操作することにより特定波長の測定をすること
により可能である以外、広い波長域のマイクロ波を同時
に検出する手段は、現状では存在しない。なお、市販の
Gaussメータは、低周波磁場の測定器でマイクロ波
測定器ではない。
器、通信機器、医療機器、工作機器、航空機、自動車、
列車などに用いられる制御機器などに、マイクロ波帯域
の電磁波が使用される機会が著しく増加している。その
ため、こうした機器から漏れるマイクロ波が互いに干渉
する電波障害の問題が大きくクローズアップされ、ま
た、人体に対する影響も議論されている。この電波障害
を防ぐために、一般的には、これら機器の周りにマイク
ロ波反射材を用いた電波漏洩を防止する壁を設けること
が行われている。しかし、このマイクロ波が、どの程度
使用環境下において、漏洩しているかを知るための手段
は、同調操作することにより特定波長の測定をすること
により可能である以外、広い波長域のマイクロ波を同時
に検出する手段は、現状では存在しない。なお、市販の
Gaussメータは、低周波磁場の測定器でマイクロ波
測定器ではない。
【0003】広い波長域のマイクロ波を検出する測定器
には、まず、マイクロ波検知センサー材料が必要とな
る。一般に、電波吸収は電磁波エネルギーが吸収材固有
の電子が占有された軌道と非占有軌道とのバンドギャッ
プに等しいときに起こるが、吸収効果率を上げるには、
吸収されたエネルギーが同一波長の電磁波放出にのみに
消費されることなく、例えば発熱などの他のプロセスに
より消費される必要がある。
には、まず、マイクロ波検知センサー材料が必要とな
る。一般に、電波吸収は電磁波エネルギーが吸収材固有
の電子が占有された軌道と非占有軌道とのバンドギャッ
プに等しいときに起こるが、吸収効果率を上げるには、
吸収されたエネルギーが同一波長の電磁波放出にのみに
消費されることなく、例えば発熱などの他のプロセスに
より消費される必要がある。
【0004】マイクロ波吸収材としては、BaTiO3
(特開昭54−6154号公報、特開平2−22346
号公報参照)、Fe3 O4 および磁性金属粒子(特開昭
61−500338号公報参照)、金属粒子(特開昭5
9−154710号公報、特開昭63−87535号公
報、特開平1−123917号公報、特開平2−496
11号公報、特開平2−500869号公報、特開平2
−299195号公報、特開平5−182517号公報
参照)、カーボン粉末(特開昭61−284089号公
報、特開平6−500357号公報参照)、SiC微粒
子またはSi−C−Oアモルファス(特開昭63−17
3394号公報、特開平1−167532号公報、特開
平3−67489号公報、特開平5−270941号公
報参照)、酸化インジウム(特開平2−263017号
公報参照)、チタン酸カリウム(特開昭63−8753
5号公報参照)などがあるが、カーボン粉末が最もマイ
クロ波吸収効率に優れている。
(特開昭54−6154号公報、特開平2−22346
号公報参照)、Fe3 O4 および磁性金属粒子(特開昭
61−500338号公報参照)、金属粒子(特開昭5
9−154710号公報、特開昭63−87535号公
報、特開平1−123917号公報、特開平2−496
11号公報、特開平2−500869号公報、特開平2
−299195号公報、特開平5−182517号公報
参照)、カーボン粉末(特開昭61−284089号公
報、特開平6−500357号公報参照)、SiC微粒
子またはSi−C−Oアモルファス(特開昭63−17
3394号公報、特開平1−167532号公報、特開
平3−67489号公報、特開平5−270941号公
報参照)、酸化インジウム(特開平2−263017号
公報参照)、チタン酸カリウム(特開昭63−8753
5号公報参照)などがあるが、カーボン粉末が最もマイ
クロ波吸収効率に優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロ波測定装置のセンサに使用するマイクロ波吸収材料と
して、このようなマイクロ波吸収材を用いても、各々の
吸収材のエネルギー幅に相当する特定の波長のマイクロ
波しか吸収されないため、外部から侵入してくる種々の
波長のマイクロ波を検出することはできない。広い波長
域のマイクロ波を検出する測定装置には、広い波長域を
吸収できるマイクロ波検知センサ材料が必要で、さら
に、測定装置のセンサとしては、高いマイクロ波吸収効
率の材料でなければその機能を全うできない。本発明は
このような課題を解決するためになされもので、広帯域
のマイクロ波を吸収でき、しかも高い吸収効率を有する
マイクロ波吸収材をセンサとして使用した広帯域のマイ
クロ波を測定できる測定装置を提供することを目的とす
る。
ロ波測定装置のセンサに使用するマイクロ波吸収材料と
して、このようなマイクロ波吸収材を用いても、各々の
吸収材のエネルギー幅に相当する特定の波長のマイクロ
波しか吸収されないため、外部から侵入してくる種々の
波長のマイクロ波を検出することはできない。広い波長
域のマイクロ波を検出する測定装置には、広い波長域を
吸収できるマイクロ波検知センサ材料が必要で、さら
に、測定装置のセンサとしては、高いマイクロ波吸収効
率の材料でなければその機能を全うできない。本発明は
このような課題を解決するためになされもので、広帯域
のマイクロ波を吸収でき、しかも高い吸収効率を有する
マイクロ波吸収材をセンサとして使用した広帯域のマイ
クロ波を測定できる測定装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
マイクロ波測定装置は、電気伝導性を有する積層不整構
造物質からなるマイクロ波吸収物質をサーミスタまたは
熱電対の表面に設け、前記マイクロ波吸収物質のマイク
ロ波吸収による前記サーミスタまたは熱電対の温度上昇
を検出するマイクロ波検出器を備えたものである。
マイクロ波測定装置は、電気伝導性を有する積層不整構
造物質からなるマイクロ波吸収物質をサーミスタまたは
熱電対の表面に設け、前記マイクロ波吸収物質のマイク
ロ波吸収による前記サーミスタまたは熱電対の温度上昇
を検出するマイクロ波検出器を備えたものである。
【0007】本発明の請求項2に係るマイクロ波測定装
置は、一対のサーミスタの一方は基準用温度センサとし
て、他方はその表面に電気伝導性を有する積層不整構造
物質からなるマイクロ波吸収物質を塗布した測定用温度
センサとして用いるように構成されたマイクロ波検出器
と、前記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用
温度センサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、
マイクロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温
度センサの温度差から計測する計測回路と、前記計測回
路の計測値を増幅したアナログ信号を出力する増幅器
と、前記増幅器の出力するアナログ信号値をそのまま指
示するアナログ指示器、または前記アナログ信号値から
A/D変換器を介して変換したディジタル信号値を指示
するデジタル指示器のいずれか一方よりなる計測指示器
とを備えたものである。
置は、一対のサーミスタの一方は基準用温度センサとし
て、他方はその表面に電気伝導性を有する積層不整構造
物質からなるマイクロ波吸収物質を塗布した測定用温度
センサとして用いるように構成されたマイクロ波検出器
と、前記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用
温度センサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、
マイクロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温
度センサの温度差から計測する計測回路と、前記計測回
路の計測値を増幅したアナログ信号を出力する増幅器
と、前記増幅器の出力するアナログ信号値をそのまま指
示するアナログ指示器、または前記アナログ信号値から
A/D変換器を介して変換したディジタル信号値を指示
するデジタル指示器のいずれか一方よりなる計測指示器
とを備えたものである。
【0008】本発明の請求項3に係るマイクロ波測定装
置は、一対のサーミスタの一方は基準用温度センサとし
て、他方はその表面に電気伝導性を有する積層不整構造
物質からなるマイクロ波吸収物質を塗布した測定用温度
センサとして用いるように構成されたマイクロ波検出器
と、前記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用
温度センサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、
マイクロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温
度センサの温度差から計測する計測回路と、前記計測回
路の計測値を増幅した信号値を出力する増幅器と、前記
増幅器の出力する信号値が予め測定範囲の複数に分割さ
れた範囲のうちのどの範囲内であるかを判別する信号範
囲判別器と、前記信号範囲判別器の判別結果に基づき前
記測定範囲の複数に分割されたどの範囲内であるかを表
示する表示器と、前記複数に分割されたどの範囲内であ
るかをそれぞれ異なる音響を発生して報知する音響発生
器のいずれか一方、または両方により構成された計測結
果報知器とを備えたものである。
置は、一対のサーミスタの一方は基準用温度センサとし
て、他方はその表面に電気伝導性を有する積層不整構造
物質からなるマイクロ波吸収物質を塗布した測定用温度
センサとして用いるように構成されたマイクロ波検出器
と、前記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用
温度センサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、
マイクロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温
度センサの温度差から計測する計測回路と、前記計測回
路の計測値を増幅した信号値を出力する増幅器と、前記
増幅器の出力する信号値が予め測定範囲の複数に分割さ
れた範囲のうちのどの範囲内であるかを判別する信号範
囲判別器と、前記信号範囲判別器の判別結果に基づき前
記測定範囲の複数に分割されたどの範囲内であるかを表
示する表示器と、前記複数に分割されたどの範囲内であ
るかをそれぞれ異なる音響を発生して報知する音響発生
器のいずれか一方、または両方により構成された計測結
果報知器とを備えたものである。
【0009】本発明の請求項4に係るマイクロ波測定装
置は、前記請求項1、請求項2または請求項3に係るマ
イクロ波測定装置において、前記電気伝導性を有する積
層不整構造物質が化学式MX A1-X ch2 (但し、M、
Aは異なる遷移金属、chはカルコゲンを表し、Xは複
合遷移金属ジカルコゲナイドが積層不整構造をとる範囲
の値である。)で表せる複合遷移金属ジカルコゲナイド
であるマイクロ波吸収物質を用いるものである。
置は、前記請求項1、請求項2または請求項3に係るマ
イクロ波測定装置において、前記電気伝導性を有する積
層不整構造物質が化学式MX A1-X ch2 (但し、M、
Aは異なる遷移金属、chはカルコゲンを表し、Xは複
合遷移金属ジカルコゲナイドが積層不整構造をとる範囲
の値である。)で表せる複合遷移金属ジカルコゲナイド
であるマイクロ波吸収物質を用いるものである。
【0010】本発明の請求項5に係るマイクロ波測定装
置は、前記請求項4に係るマイクロ波測定装置におい
て、前記化学式MX A1-X ch2 は、MがRe,Os,
Ru,Feの中から選ばれた少なくとも1種、AがV,
Nb,Taの中から選ばれた少なくとも1種、chが
S,Se,Teの中から選ばれた少なくとも1種よりな
る複合遷移金属ジカルコゲナイドであるものである。
置は、前記請求項4に係るマイクロ波測定装置におい
て、前記化学式MX A1-X ch2 は、MがRe,Os,
Ru,Feの中から選ばれた少なくとも1種、AがV,
Nb,Taの中から選ばれた少なくとも1種、chが
S,Se,Teの中から選ばれた少なくとも1種よりな
る複合遷移金属ジカルコゲナイドであるものである。
【0011】本発明の請求項6に係るマイクロ波測定装
置は、前記請求項5に係るマイクロ波測定装置におい
て、前記化学式MX A1-X ch2 における、MがRe,
AがNbであり、かつ0.07≦X<1/2であるもの
である。
置は、前記請求項5に係るマイクロ波測定装置におい
て、前記化学式MX A1-X ch2 における、MがRe,
AがNbであり、かつ0.07≦X<1/2であるもの
である。
【0012】本発明の請求項7に係るマイクロ波測定装
置は、前記請求項5に係るマイクロ波測定装置におい
て、前記化学式MX A1-X ch2 における、MがOs,
AがNbであり、かつ0.05≦X<1/3であるもの
である。
置は、前記請求項5に係るマイクロ波測定装置におい
て、前記化学式MX A1-X ch2 における、MがOs,
AがNbであり、かつ0.05≦X<1/3であるもの
である。
【0013】本発明の請求項8に係るマイクロ波測定装
置は、前記請求項5から請求項7のいずれか1項に係る
マイクロ波測定装置において、前記化学式MX A1-X c
h2における、chがTeであるものである。
置は、前記請求項5から請求項7のいずれか1項に係る
マイクロ波測定装置において、前記化学式MX A1-X c
h2における、chがTeであるものである。
【0014】上記のようなマイクロ波検出器を備えた結
果、本発明のマイクロ波測定装置は、広帯域のマイクロ
波電力を高感度で測定することができる。
果、本発明のマイクロ波測定装置は、広帯域のマイクロ
波電力を高感度で測定することができる。
【0015】
A.マイクロ波吸収材 従来技術における前記課題は、電気伝導性を有する積層
不整構造物質からなることを特徴とするマイクロ波吸収
材をマイクロ波検出センサに使用することにより解決さ
れる。従って本発明におけるマイクロ波吸収材を先に説
明する。
不整構造物質からなることを特徴とするマイクロ波吸収
材をマイクロ波検出センサに使用することにより解決さ
れる。従って本発明におけるマイクロ波吸収材を先に説
明する。
【0016】電気伝導性を有する物質であれば、マイク
ロ波帯域のエネルギーに相当するバンドギャップを有し
ているのでマイクロ波の吸収が可能になる。また、積層
不整構造にすることにより、接近した多くのバンドギャ
ップを形成でき、かつ吸収されたエネルギーを同一波長
の電磁波放出ではなく別のプロセスで消費できる。した
がって、電気伝導性を有する積層不整構造物質を用いれ
ば、広帯域のマイクロ波を高吸収効率で吸収できること
になる。
ロ波帯域のエネルギーに相当するバンドギャップを有し
ているのでマイクロ波の吸収が可能になる。また、積層
不整構造にすることにより、接近した多くのバンドギャ
ップを形成でき、かつ吸収されたエネルギーを同一波長
の電磁波放出ではなく別のプロセスで消費できる。した
がって、電気伝導性を有する積層不整構造物質を用いれ
ば、広帯域のマイクロ波を高吸収効率で吸収できること
になる。
【0017】電気伝導性を有する積層不整構造物質とし
て、化学式MX A1-X ch2 で表せる複合遷移金属ジカ
ルコゲナイドからなることを特徴とするマイクロ波吸収
材を挙げるとができる。ここで、M、Aは異なる遷移金
属、chはカルコゲンを表し、Xは複合遷移金属ジカル
コゲナイドが積層不整構造をとる範囲の値である。
て、化学式MX A1-X ch2 で表せる複合遷移金属ジカ
ルコゲナイドからなることを特徴とするマイクロ波吸収
材を挙げるとができる。ここで、M、Aは異なる遷移金
属、chはカルコゲンを表し、Xは複合遷移金属ジカル
コゲナイドが積層不整構造をとる範囲の値である。
【0018】化学式MX A1-X ch2 で表せる複合遷移
金属ジカルコゲナイドはマイクロ波帯域のエネルギー準
位を有する。そして、その構造を積層不整構造すること
により広帯域のマイクロ波吸収が可能で、かつ高い吸収
効率が得られる。こうした複合遷移金属ジカルコゲナイ
ドとして、MがRe、Os、Ru、Feの中から選ばれ
た少なくとも1種、AがV、Nb、Taの中から選ばれ
た少なくとも1種、chがS、Se、Teの中から選ば
れた少なくとも1種よりなる化合物が挙げられる。
金属ジカルコゲナイドはマイクロ波帯域のエネルギー準
位を有する。そして、その構造を積層不整構造すること
により広帯域のマイクロ波吸収が可能で、かつ高い吸収
効率が得られる。こうした複合遷移金属ジカルコゲナイ
ドとして、MがRe、Os、Ru、Feの中から選ばれ
た少なくとも1種、AがV、Nb、Taの中から選ばれ
た少なくとも1種、chがS、Se、Teの中から選ば
れた少なくとも1種よりなる化合物が挙げられる。
【0019】図5に、ReX Nb1-X Se2 の状態図を
示す。本状態図は、所定の比率に調製したReとNbの
金属粉末とSe粒の混合物を真空封入し、950℃で3
日間均一化のための熱処理し、所定の温度で7日間焼鈍
後急冷してX線回折により構造解析して求めたものであ
る。図で、Iは4Ha相とmixed layer相
(積層不整構造のうち2種類以上の構造の相が入り乱れ
て積層しているもの)、IIはmixed layer
相、IIIは2Hb構造の積み重なりがランダムな構造
の相であり、相IIが最も高いマイクロ波吸収効率を示
す。また、4Ha、2Hbは結晶学的な符号である。M
をRe、AをNbとしたとき、0.07≦X<1/2の
範囲でmixedlayer相IIの得られることがわ
かる。
示す。本状態図は、所定の比率に調製したReとNbの
金属粉末とSe粒の混合物を真空封入し、950℃で3
日間均一化のための熱処理し、所定の温度で7日間焼鈍
後急冷してX線回折により構造解析して求めたものであ
る。図で、Iは4Ha相とmixed layer相
(積層不整構造のうち2種類以上の構造の相が入り乱れ
て積層しているもの)、IIはmixed layer
相、IIIは2Hb構造の積み重なりがランダムな構造
の相であり、相IIが最も高いマイクロ波吸収効率を示
す。また、4Ha、2Hbは結晶学的な符号である。M
をRe、AをNbとしたとき、0.07≦X<1/2の
範囲でmixedlayer相IIの得られることがわ
かる。
【0020】図6に、OsX Nb1-X Se2 の状態図を
示す。本状態図は、所定の比率に調製したOsとNbの
金属粉末とSe粒の混合物を真空封入し、1000℃で
3日間均一化のための熱処理し、所定の温度で7日間焼
鈍後急冷してX線回折により構造解析して求めたもので
ある。II、4Haは図1と同様なものを表す。MをO
s、AをNbとしたときは、0.05≦X<1/3の範
囲でmixedlayer相IIの得られることがわか
る。さらに、chをTeとするとより高いマイクロ波吸
収効率が得られる。
示す。本状態図は、所定の比率に調製したOsとNbの
金属粉末とSe粒の混合物を真空封入し、1000℃で
3日間均一化のための熱処理し、所定の温度で7日間焼
鈍後急冷してX線回折により構造解析して求めたもので
ある。II、4Haは図1と同様なものを表す。MをO
s、AをNbとしたときは、0.05≦X<1/3の範
囲でmixedlayer相IIの得られることがわか
る。さらに、chをTeとするとより高いマイクロ波吸
収効率が得られる。
【0021】次に本発明により作成された各種マイクロ
波吸収材の吸収効率を測定した結果について説明する。
表1に示すReX Nb1-X Se2 系、OsX Nb1-X S
e2 系、ReX Nb1- X Te2 系、ReX Nb1-X S2
系の10種類の粉末試料を作成し、マイクロ波吸収効率
を測定した。ここで、ReX Nb1-X Se2 系、ReX
Nb1-X Te2 系、ReX Nb1-XS2 系の試料は、所
定の比率に調製したReとNbの金属粉末とSe、T
e、S粒の混合物を真空封入し、950℃で3日間均一
化のための熱処理し、800℃で7日間焼鈍後急冷して
作成した。
波吸収材の吸収効率を測定した結果について説明する。
表1に示すReX Nb1-X Se2 系、OsX Nb1-X S
e2 系、ReX Nb1- X Te2 系、ReX Nb1-X S2
系の10種類の粉末試料を作成し、マイクロ波吸収効率
を測定した。ここで、ReX Nb1-X Se2 系、ReX
Nb1-X Te2 系、ReX Nb1-XS2 系の試料は、所
定の比率に調製したReとNbの金属粉末とSe、T
e、S粒の混合物を真空封入し、950℃で3日間均一
化のための熱処理し、800℃で7日間焼鈍後急冷して
作成した。
【0022】またOsX Nb1-X Se2 系の試料は、所
定の比率に調製したOsとNbの金属粉末とSe粒の混
合物を真空封入し、1000℃で3日間均一化のための
熱処理し、800℃で7日間焼鈍後急冷して作成した。
比較材として、市販の鉄粉(Fe2 O3 )とグラファイ
トを用いた。マイクロ波吸収効率は以下の方法で測定し
た。
定の比率に調製したOsとNbの金属粉末とSe粒の混
合物を真空封入し、1000℃で3日間均一化のための
熱処理し、800℃で7日間焼鈍後急冷して作成した。
比較材として、市販の鉄粉(Fe2 O3 )とグラファイ
トを用いた。マイクロ波吸収効率は以下の方法で測定し
た。
【0023】図7に、マイクロ波吸収効率の測定装置を
示す。図で、21は試料、22は石英ガラス製試料ホル
ダー、23はマグネトロン、24はパイロメーター、2
5は記録器を示す。石英ガラス製試料ホルダー22に粉
末試料21を入れ、マグネトロン23でマイクロ波
(2.45GHz)を試料21に照射し、マイクロ波吸
収による試料21の温度上昇をパイロメーター24で測
定し、記録器25に記録する。定常状態での試料温度は
式(1)で表せるので、マイクロ波吸収効率μが求ま
る。 T=(μH/α)+T0 …(1) ここで、T:試料温度、T0 :室温、α:熱放射率、
H:マイクロ波出力である。
示す。図で、21は試料、22は石英ガラス製試料ホル
ダー、23はマグネトロン、24はパイロメーター、2
5は記録器を示す。石英ガラス製試料ホルダー22に粉
末試料21を入れ、マグネトロン23でマイクロ波
(2.45GHz)を試料21に照射し、マイクロ波吸
収による試料21の温度上昇をパイロメーター24で測
定し、記録器25に記録する。定常状態での試料温度は
式(1)で表せるので、マイクロ波吸収効率μが求ま
る。 T=(μH/α)+T0 …(1) ここで、T:試料温度、T0 :室温、α:熱放射率、
H:マイクロ波出力である。
【0024】マイクロ波吸収効率の測定結果を下記の表
1に示す。なお、表には鉄粉のマイクロ波吸収効率を1
としたときの相対的なマイクロ波吸収効率を示してあ
る。
1に示す。なお、表には鉄粉のマイクロ波吸収効率を1
としたときの相対的なマイクロ波吸収効率を示してあ
る。
【0025】
【表1】
【0026】本発明である積層不整構造の複合遷移金属
ジカルコゲナイドは、いずれも現状で最も優れているグ
ラファイトより高いマイクロ波吸収効率を示しており、
特に、Te系で高い吸収効率が安定して得られることが
わかる。また、複合遷移金属ジカルコゲナイドであって
も、積層不整構造とならないRe0.5 Nb0.5 Se2や
Os0.33Nb0.67Se2 では、高いマイクロ波吸収効率
が得られない。
ジカルコゲナイドは、いずれも現状で最も優れているグ
ラファイトより高いマイクロ波吸収効率を示しており、
特に、Te系で高い吸収効率が安定して得られることが
わかる。また、複合遷移金属ジカルコゲナイドであって
も、積層不整構造とならないRe0.5 Nb0.5 Se2や
Os0.33Nb0.67Se2 では、高いマイクロ波吸収効率
が得られない。
【0027】次に、本発明で作成された上記積層不整構
造の複合遷移金属ジカルコゲナイド材に種々の帯域のマ
イクロ波を照射した場合に、各帯域のマイクロ波を吸収
して温度上昇が得られる周波数の範囲についてのべる。
図7の測定に使用したマグネトロンは電子レンジ用のも
ので、周波数は2.45GHzである。この帯域より低
周波側では、携帯電話機(周波数は800MHz帯と
1.5GHz帯)、PHS(周波数は1.9GHz)及
びアナログ・コードレス電話(周波数は380MHz)
の電波を照射し、また高周波側では、公衆通信用(17
〜21GHz帯)の電波を照射し、各帯域の電波を吸収
させその温度上昇を検出した。
造の複合遷移金属ジカルコゲナイド材に種々の帯域のマ
イクロ波を照射した場合に、各帯域のマイクロ波を吸収
して温度上昇が得られる周波数の範囲についてのべる。
図7の測定に使用したマグネトロンは電子レンジ用のも
ので、周波数は2.45GHzである。この帯域より低
周波側では、携帯電話機(周波数は800MHz帯と
1.5GHz帯)、PHS(周波数は1.9GHz)及
びアナログ・コードレス電話(周波数は380MHz)
の電波を照射し、また高周波側では、公衆通信用(17
〜21GHz帯)の電波を照射し、各帯域の電波を吸収
させその温度上昇を検出した。
【0028】従って本発明による上記マイクロ波吸収材
は、約300MHzから30GHz程度の広帯域の電波
を吸収できるものと考える。本発明においては、上記積
層不整構造の複合遷移金属ジカルコゲナイドからなるマ
イクロ波吸収材を、サーミスタ又は熱電対の表面に設
け、マイクロ波吸収による温度上昇を検出するマイクロ
波検出器を備えることにより、広帯域のマイクロ波を高
感度で測定できる測定装置を構成することができる。
は、約300MHzから30GHz程度の広帯域の電波
を吸収できるものと考える。本発明においては、上記積
層不整構造の複合遷移金属ジカルコゲナイドからなるマ
イクロ波吸収材を、サーミスタ又は熱電対の表面に設
け、マイクロ波吸収による温度上昇を検出するマイクロ
波検出器を備えることにより、広帯域のマイクロ波を高
感度で測定できる測定装置を構成することができる。
【0029】B.マイクロ波測定装置 実施形態1.図1は本発明の実施形態1に係るマイクロ
波測定装置の構成例を示す図である。図1において、1
は計測回路、2は計測回路1内の計測ブリッジの2辺に
組込まれるマイクロ波検出器であり、その構造は図2に
示す。3は計測用増幅器であり、高精度の増幅特性を有
し、図3にその一例を示す。4は計測指示器であり、通
常は、アナログ指示器5、またはA/D変換器6及びデ
ジタル指示器(例えば液晶表示器)7のいずれか一方に
よりなっている。しかしアナログ指示器5での指示値を
みるのと同時に、デジタルプリンタでデジタル指示値を
印字をさせるため、デジタル指示器7の出力信号をデジ
タルプリンタ(図示せず)に接続する場合等には、アナ
ログ指示器5とA/D変換器6及びデジタル指示器7の
2系統の指示器を共に設けるようにしてもよい。
波測定装置の構成例を示す図である。図1において、1
は計測回路、2は計測回路1内の計測ブリッジの2辺に
組込まれるマイクロ波検出器であり、その構造は図2に
示す。3は計測用増幅器であり、高精度の増幅特性を有
し、図3にその一例を示す。4は計測指示器であり、通
常は、アナログ指示器5、またはA/D変換器6及びデ
ジタル指示器(例えば液晶表示器)7のいずれか一方に
よりなっている。しかしアナログ指示器5での指示値を
みるのと同時に、デジタルプリンタでデジタル指示値を
印字をさせるため、デジタル指示器7の出力信号をデジ
タルプリンタ(図示せず)に接続する場合等には、アナ
ログ指示器5とA/D変換器6及びデジタル指示器7の
2系統の指示器を共に設けるようにしてもよい。
【0030】図2は図1のマイクロ波検出器の構造例を
示す図である。図2のマイクロ波検出器は、基準用サー
ミスタT2 と測定用サーミスタT1 とを一対として構成
され、この例ではそれぞれのサーミスタには、0.7m
m角のNTCサーミスタを用いた。また測定用サーミス
タT1 には、マイクロ波吸収材のA項で説明した電気伝
導性を有する積層不整構造物質からなるマイクロ波吸収
材に少量の接着剤(セメダイン)をまぜ、アセトンで希
釈したものを、薄く塗布した。さらに、塗布した電波吸
収材料の表面をセメダインでコーティングした。
示す図である。図2のマイクロ波検出器は、基準用サー
ミスタT2 と測定用サーミスタT1 とを一対として構成
され、この例ではそれぞれのサーミスタには、0.7m
m角のNTCサーミスタを用いた。また測定用サーミス
タT1 には、マイクロ波吸収材のA項で説明した電気伝
導性を有する積層不整構造物質からなるマイクロ波吸収
材に少量の接着剤(セメダイン)をまぜ、アセトンで希
釈したものを、薄く塗布した。さらに、塗布した電波吸
収材料の表面をセメダインでコーティングした。
【0031】計測回路1内の計測ブリッジには、前記測
定用サーミスタT1 と基準用サーミスタT2 の各一端が
接続され、その2辺に組込まれる。これと対向する他の
2辺には、固定抵抗R1 とR2 が組込まれ、またR1 と
R2 の各一端はバランス調整用の可変抵抗VRを介して
接続される。そしてT1 とT2 の接続点と、VRの摺動
端との間に電源スイッチSを介してブリッジの電源Eを
印加し、T1 とR1 との接続点と、T2 とR2 との接続
点からそれぞれ出力電圧e1 ,e2 を取出す。即ちこの
計測回路1は、基準用サーミスタT2 の基準温度に基づ
く抵抗値r2と、測定用サーミスタT1 のマイクロ波吸
収により基準温度より上昇した温度に基づく抵抗値r1
とに生じる2つの電圧e1 ,e2 の差分値Δeを計測す
るものである。従ってこの計測回路1は、2つのサーミ
スタの検出する温度差から、測定用サーミスタT1 に照
射された高周波電力を測定する回路であるといえる。
定用サーミスタT1 と基準用サーミスタT2 の各一端が
接続され、その2辺に組込まれる。これと対向する他の
2辺には、固定抵抗R1 とR2 が組込まれ、またR1 と
R2 の各一端はバランス調整用の可変抵抗VRを介して
接続される。そしてT1 とT2 の接続点と、VRの摺動
端との間に電源スイッチSを介してブリッジの電源Eを
印加し、T1 とR1 との接続点と、T2 とR2 との接続
点からそれぞれ出力電圧e1 ,e2 を取出す。即ちこの
計測回路1は、基準用サーミスタT2 の基準温度に基づ
く抵抗値r2と、測定用サーミスタT1 のマイクロ波吸
収により基準温度より上昇した温度に基づく抵抗値r1
とに生じる2つの電圧e1 ,e2 の差分値Δeを計測す
るものである。従ってこの計測回路1は、2つのサーミ
スタの検出する温度差から、測定用サーミスタT1 に照
射された高周波電力を測定する回路であるといえる。
【0032】なお、計測回路1の破線で囲まれたマイク
ロ波検出器2の上部には、マイクロ波の入射を遮ぎるシ
ャッタ(図示せず)が設けられており、このシャッタは
常時閉じており、測定時のみこのシャッタを開けてマイ
クロ波をマイクロ波検出器2に照射させるようにしてい
る。この例では、上記シャッタの開閉は電源スイッチS
と連動させており、電源スイッチがオンになってから測
定に必要とされる一定時間だけシャッタを開とさせ、測
定終了後は自動的に閉とさせている。
ロ波検出器2の上部には、マイクロ波の入射を遮ぎるシ
ャッタ(図示せず)が設けられており、このシャッタは
常時閉じており、測定時のみこのシャッタを開けてマイ
クロ波をマイクロ波検出器2に照射させるようにしてい
る。この例では、上記シャッタの開閉は電源スイッチS
と連動させており、電源スイッチがオンになってから測
定に必要とされる一定時間だけシャッタを開とさせ、測
定終了後は自動的に閉とさせている。
【0033】図3は図1の計測用増幅器の一例を示す図
である。図3では、3つの演算増幅器A1 〜A3 を用
い、高精度で入力する2つの電圧e1 ,e2 の差分値Δ
eを増幅した出力電圧eを出力している。なお図の
R0 ,Rは固定抵抗で、mR0 ,nR0 はそれぞれRの
m倍、n倍の抵抗値、R/aはRの1/aの抵抗値を有
する抵抗である。またC1 〜C4 はコンデンサである。
である。図3では、3つの演算増幅器A1 〜A3 を用
い、高精度で入力する2つの電圧e1 ,e2 の差分値Δ
eを増幅した出力電圧eを出力している。なお図の
R0 ,Rは固定抵抗で、mR0 ,nR0 はそれぞれRの
m倍、n倍の抵抗値、R/aはRの1/aの抵抗値を有
する抵抗である。またC1 〜C4 はコンデンサである。
【0034】図3の増幅器の出力電圧eは次の式(2)
で表せる。 e=a(1+m+n)・(e2 −e1 ) …(2) 即ち式(2)のm,nの値を変えることにより出力電圧
eの値を変化させることができ、可変利得増幅器とな
る。従って抵抗mR,nRを可変抵抗に置換し、この抵
抗値を調整することによって、測定する電波の強度に応
じ、計測用増幅器3の利得を変更できる。
で表せる。 e=a(1+m+n)・(e2 −e1 ) …(2) 即ち式(2)のm,nの値を変えることにより出力電圧
eの値を変化させることができ、可変利得増幅器とな
る。従って抵抗mR,nRを可変抵抗に置換し、この抵
抗値を調整することによって、測定する電波の強度に応
じ、計測用増幅器3の利得を変更できる。
【0035】図1の装置では、マイクロ波電力の絶対値
を計測できるように構成されているので、その場合に
は、基準のマイクロ波測定器による較正が必要である。
即ち基準のマイクロ波測定器からの既知電力のマイクロ
波出力を本装置のマイクロ波検出器2に照射し、そのと
きの計測用増幅器3の出力電圧eが所望の電圧値となる
ように調整し、複数の既知の電力値においてそれぞれ較
正を行う。
を計測できるように構成されているので、その場合に
は、基準のマイクロ波測定器による較正が必要である。
即ち基準のマイクロ波測定器からの既知電力のマイクロ
波出力を本装置のマイクロ波検出器2に照射し、そのと
きの計測用増幅器3の出力電圧eが所望の電圧値となる
ように調整し、複数の既知の電力値においてそれぞれ較
正を行う。
【0036】また図1の計測用増幅器3は図3のような
線形増幅器に限定されるものではなく、非線形増幅器や
対数増幅器を用いるようにしてもよい。即ちマイクロ波
検出器2に照射される電力量とその温度上昇量とが線形
特性にある範囲内では、線形増幅器が適当であるが、非
線形特性となる範囲では、この検出器の非線形特性を増
幅器の利得によって補償を行うので非線形増幅器が用い
られることが多い。この場合増幅器の出力としては、線
形特性の出力となる。また1つの測定レンジで小電力か
ら大電力までを広範囲に測定して指示させる場合には、
対数特性の指示器(例えばdBM単位の指示器)を使用
することが多いので、この場合には、指示器の指示目盛
と適合する対数特性の増幅器が使用される。
線形増幅器に限定されるものではなく、非線形増幅器や
対数増幅器を用いるようにしてもよい。即ちマイクロ波
検出器2に照射される電力量とその温度上昇量とが線形
特性にある範囲内では、線形増幅器が適当であるが、非
線形特性となる範囲では、この検出器の非線形特性を増
幅器の利得によって補償を行うので非線形増幅器が用い
られることが多い。この場合増幅器の出力としては、線
形特性の出力となる。また1つの測定レンジで小電力か
ら大電力までを広範囲に測定して指示させる場合には、
対数特性の指示器(例えばdBM単位の指示器)を使用
することが多いので、この場合には、指示器の指示目盛
と適合する対数特性の増幅器が使用される。
【0037】計測用増幅器3の出力電圧eは、計測指示
器4に供給され、例えばアナログ指示器5に入力され、
アナログ信号値のまま指示される。アナログ指示器5
は、計測用増幅器3の出力が線形特性であれば線形目盛
の指示計が、また対数特性であれば対数目盛りの指示計
が使用される。また計測値のデジタル指示を行う場合に
は、計測用増幅器3の出力するアナログ信号値がA/D
変換器6に入力され、変換後のデジタル信号値がデジタ
ル指示器7に指示される。
器4に供給され、例えばアナログ指示器5に入力され、
アナログ信号値のまま指示される。アナログ指示器5
は、計測用増幅器3の出力が線形特性であれば線形目盛
の指示計が、また対数特性であれば対数目盛りの指示計
が使用される。また計測値のデジタル指示を行う場合に
は、計測用増幅器3の出力するアナログ信号値がA/D
変換器6に入力され、変換後のデジタル信号値がデジタ
ル指示器7に指示される。
【0038】なお、計測指示器4としては、アナログ指
示器5のみとし、外部のアナログ記録計(図示せず)と
接続する構成としても、また計測指示器4としてはA/
D変換器6及びデジタル指示器7として、外部のデジタ
ルプリンタ(図示せず)と接続する構成としてもよく、
種々の構成が可能である。
示器5のみとし、外部のアナログ記録計(図示せず)と
接続する構成としても、また計測指示器4としてはA/
D変換器6及びデジタル指示器7として、外部のデジタ
ルプリンタ(図示せず)と接続する構成としてもよく、
種々の構成が可能である。
【0039】実施形態2.図4は本発明の実施形態2に
係るマイクロ波測定装置の構成例を示す図である。図4
において、計測回路1、マイクロ波検出器2及び計測用
増幅器3は図1と同一のものである。8は信号範囲判別
器であり、計測用増幅器3の出力信号値が予め測定範囲
の複数(例えば3つ)に分割された範囲のうちのどの範
囲内であるかを判別するものである。9は計測結果報知
器であり、複数範囲表示器10と複数音響発生器11を
内蔵している。
係るマイクロ波測定装置の構成例を示す図である。図4
において、計測回路1、マイクロ波検出器2及び計測用
増幅器3は図1と同一のものである。8は信号範囲判別
器であり、計測用増幅器3の出力信号値が予め測定範囲
の複数(例えば3つ)に分割された範囲のうちのどの範
囲内であるかを判別するものである。9は計測結果報知
器であり、複数範囲表示器10と複数音響発生器11を
内蔵している。
【0040】図4において、計測回路1、マイクロ波検
出器2及び計測用増幅器8は、図1と同一の動作を行う
ため、その説明は省略する。図4においては、計測用増
幅器3の出力信号eは、信号範囲判別器8に供給され
る。信号範囲判別器8は、予め測定範囲(0〜emax )
を複数(この例では3つ)の範囲に分割し、入力電圧e
が3つのうちのどの範囲内にあるかを判別するものであ
る。
出器2及び計測用増幅器8は、図1と同一の動作を行う
ため、その説明は省略する。図4においては、計測用増
幅器3の出力信号eは、信号範囲判別器8に供給され
る。信号範囲判別器8は、予め測定範囲(0〜emax )
を複数(この例では3つ)の範囲に分割し、入力電圧e
が3つのうちのどの範囲内にあるかを判別するものであ
る。
【0041】例えば測定範囲内に2つの異なる値の閾値
TH1 ,TH2 を設け、入力電圧eが零からTH1 まで
を第1の範囲(例えば計測結果が安全な範囲)、TH1
からTH2 までを第2の範囲(例えば計測結果が要注意
の範囲)、TH2 から最大値(emax )までを第3の範
囲(例えば計測結果が危険な範囲)とする3つの範囲を
設けておき、入力電圧eが上記3つの範囲のうちのどの
範囲内であるかを判別し(例えば2つの範囲の境界線上
のときは、上位の範囲内に入るものとする)、この判別
結果を示す信号を計測結果報知器9へ出力する。
TH1 ,TH2 を設け、入力電圧eが零からTH1 まで
を第1の範囲(例えば計測結果が安全な範囲)、TH1
からTH2 までを第2の範囲(例えば計測結果が要注意
の範囲)、TH2 から最大値(emax )までを第3の範
囲(例えば計測結果が危険な範囲)とする3つの範囲を
設けておき、入力電圧eが上記3つの範囲のうちのどの
範囲内であるかを判別し(例えば2つの範囲の境界線上
のときは、上位の範囲内に入るものとする)、この判別
結果を示す信号を計測結果報知器9へ出力する。
【0042】計測結果報知器9は、複数範囲表示器10
と複数音響発生器11とを内蔵している。複数範囲表示
器10は、例えば前記設定された3つの範囲に対応させ
て、第1の範囲(安全の範囲)には緑色の表示灯(例え
ば発光ダイオード)、第2の範囲(要注意の範囲)には
黄色の表示灯、第3の範囲(危険な範囲)には赤色の表
示灯を設けておいて、上記3つの範囲のうちのどの範囲
であるかを示す入力信号に従い、3つの表示灯のうち1
つの表示灯を点灯させる。また複数音響発生器11は、
複数範囲表示器10と併用する場合には、第1の範囲で
あることを示す入力信号に対しては、特に音響を発生せ
ず、第2の範囲であることを示す入力信号に対しては、
注意を喚起する第1の音響を発生し、第3の範囲である
ことを示す入力信号に対しては、危険を報知する第2の
音響をそれぞれ発生する。
と複数音響発生器11とを内蔵している。複数範囲表示
器10は、例えば前記設定された3つの範囲に対応させ
て、第1の範囲(安全の範囲)には緑色の表示灯(例え
ば発光ダイオード)、第2の範囲(要注意の範囲)には
黄色の表示灯、第3の範囲(危険な範囲)には赤色の表
示灯を設けておいて、上記3つの範囲のうちのどの範囲
であるかを示す入力信号に従い、3つの表示灯のうち1
つの表示灯を点灯させる。また複数音響発生器11は、
複数範囲表示器10と併用する場合には、第1の範囲で
あることを示す入力信号に対しては、特に音響を発生せ
ず、第2の範囲であることを示す入力信号に対しては、
注意を喚起する第1の音響を発生し、第3の範囲である
ことを示す入力信号に対しては、危険を報知する第2の
音響をそれぞれ発生する。
【0043】なお本装置の消費電力を少くするため、計
測結果報知器9には複数範囲表示器10と複数音響発生
器11のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
但し複数音響発生器11のみを設ける場合には、第1の
範囲であることを示す入力信号に対しても、安全である
ことを示す音響を発生するようにする。これは計測結果
が安全の場合を無音とすると、装置が故障で音響を発生
できない場合と、測定結果が安全の場合との識別ができ
なくなるからである。
測結果報知器9には複数範囲表示器10と複数音響発生
器11のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
但し複数音響発生器11のみを設ける場合には、第1の
範囲であることを示す入力信号に対しても、安全である
ことを示す音響を発生するようにする。これは計測結果
が安全の場合を無音とすると、装置が故障で音響を発生
できない場合と、測定結果が安全の場合との識別ができ
なくなるからである。
【0044】なお、図4の装置においては、測定結果を
安全、要注意、危険等の複数の区分された範囲のうちの
どの範囲内であるかを報知させるものであるから、相対
値による計測を行い、この計測値を複数の閾値と比較し
てどの範囲内であるかを判別できればよい。従って絶対
値による計測は、必ずしも必要とされない。
安全、要注意、危険等の複数の区分された範囲のうちの
どの範囲内であるかを報知させるものであるから、相対
値による計測を行い、この計測値を複数の閾値と比較し
てどの範囲内であるかを判別できればよい。従って絶対
値による計測は、必ずしも必要とされない。
【0045】なお図1及び図4においては、マイクロ波
検出器の測定用温度センサ及び基準用温度センサとして
サーミスタを用いた例を示したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば熱電対を用いても、2つの
温度センサの温度差を計測できれば、同様の測定結果が
得られる。
検出器の測定用温度センサ及び基準用温度センサとして
サーミスタを用いた例を示したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば熱電対を用いても、2つの
温度センサの温度差を計測できれば、同様の測定結果が
得られる。
【0046】図1及び図4の構成によるマイクロ波測定
装置は、現在のLSIや高密度実装技術を採用すること
により、電子体温計や小型カメラ程度の大きさの携帯用
の測定装置として構成することが可能である。従って本
装置を携帯し、マイクロ波の漏洩の恐れのある箇所で測
定を行い、漏洩の有無を確認し、漏洩箇所を特定できる
と共に、その計測値又は計測結果を知ることができる。
特に図4の構成による装置は、マイクロ波の測定に習熟
していない一般の人が使用しても、安全、要注意、危険
等の計測結果を得ることができるので、一般大衆用の計
器として使用することができる。
装置は、現在のLSIや高密度実装技術を採用すること
により、電子体温計や小型カメラ程度の大きさの携帯用
の測定装置として構成することが可能である。従って本
装置を携帯し、マイクロ波の漏洩の恐れのある箇所で測
定を行い、漏洩の有無を確認し、漏洩箇所を特定できる
と共に、その計測値又は計測結果を知ることができる。
特に図4の構成による装置は、マイクロ波の測定に習熟
していない一般の人が使用しても、安全、要注意、危険
等の計測結果を得ることができるので、一般大衆用の計
器として使用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電気伝導
性を有する積層不整構造物質からなるマイクロ波吸収物
質をサーミスタまたは熱電対の表面に設け、前記マイク
ロ波吸収物質のマイクロ波吸収による前記サーミスタま
たは熱電対の温度上昇を検出するマイクロ検出器を備え
るようにしたので、広帯域のマイクロ波の電力を測定す
ることができる。
性を有する積層不整構造物質からなるマイクロ波吸収物
質をサーミスタまたは熱電対の表面に設け、前記マイク
ロ波吸収物質のマイクロ波吸収による前記サーミスタま
たは熱電対の温度上昇を検出するマイクロ検出器を備え
るようにしたので、広帯域のマイクロ波の電力を測定す
ることができる。
【0048】また本発明によるマイクロ波測定装置は、
一対のサーミスタの一方は基準用温度センサとして、他
方はその表面に電気伝導性を有する積層不整構造物質か
らなるマイクロ波吸収物質を塗布した測定用温度センサ
として用いるように構成されたマイクロ波検出器と、前
記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用温度セ
ンサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、マイク
ロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温度セン
サの温度差から計測する計測回路と、前記計測回路の計
測値を増幅した信号値出力する増幅器と、前記増幅器の
出力する信号値をアナログ指示またはA/D変換器を介
してデジタル指示する計測指示器とを備えるようにした
ので、小形軽量に構成された本装置を携帯しマイクロ波
の発生又は漏洩の恐れのある箇所での測定を行い、マイ
クロ波の発生又は漏洩箇所を特定し、その計測値を知る
ことができる。
一対のサーミスタの一方は基準用温度センサとして、他
方はその表面に電気伝導性を有する積層不整構造物質か
らなるマイクロ波吸収物質を塗布した測定用温度センサ
として用いるように構成されたマイクロ波検出器と、前
記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用温度セ
ンサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、マイク
ロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温度セン
サの温度差から計測する計測回路と、前記計測回路の計
測値を増幅した信号値出力する増幅器と、前記増幅器の
出力する信号値をアナログ指示またはA/D変換器を介
してデジタル指示する計測指示器とを備えるようにした
ので、小形軽量に構成された本装置を携帯しマイクロ波
の発生又は漏洩の恐れのある箇所での測定を行い、マイ
クロ波の発生又は漏洩箇所を特定し、その計測値を知る
ことができる。
【0049】また本発明によるマイクロ波測定装置は、
前記マイクロ波検出器、計測回路及び増幅器と、該増幅
器の出力する信号値が予め測定範囲の複数に分割された
範囲のうちのどの範囲内であるかを判別する信号範囲判
別器と、前記信号範囲判別器の判別結果に基づき前記測
定範囲の複数に分割されたどの範囲内であるかを表示す
る表示器と、前記複数に分割されたどの範囲内であるか
をそれぞれ異なる音響を発生して報知する音響発生器の
いずれか一方、または両方により構成された計測結果報
知器とを備えるようにしたので、マイクロ波の測定に習
熟していない一般の人でも、小形軽量に構成された本装
置を携帯して測定を行いマイクロ波の発生又は漏洩箇所
を特定し、その大まかな測定結果を知ることができる。
前記マイクロ波検出器、計測回路及び増幅器と、該増幅
器の出力する信号値が予め測定範囲の複数に分割された
範囲のうちのどの範囲内であるかを判別する信号範囲判
別器と、前記信号範囲判別器の判別結果に基づき前記測
定範囲の複数に分割されたどの範囲内であるかを表示す
る表示器と、前記複数に分割されたどの範囲内であるか
をそれぞれ異なる音響を発生して報知する音響発生器の
いずれか一方、または両方により構成された計測結果報
知器とを備えるようにしたので、マイクロ波の測定に習
熟していない一般の人でも、小形軽量に構成された本装
置を携帯して測定を行いマイクロ波の発生又は漏洩箇所
を特定し、その大まかな測定結果を知ることができる。
【0050】また本発明によれば、前記電気伝導性を有
する積層不整構造物質が化学式MXA1-X ch2 (但
し、M、Aは異なる遷移金属、chはカルコゲンを表
し、Xは複合遷移金属ジカルコゲナイドが積層不整構造
をとる範囲の値である。)で表せる複合遷移金属ジカル
コゲナイドであるマイクロ波吸収物質を用いるようにし
たので、広帯域のマイクロ波の電力を高感度で測定する
ことができる。
する積層不整構造物質が化学式MXA1-X ch2 (但
し、M、Aは異なる遷移金属、chはカルコゲンを表
し、Xは複合遷移金属ジカルコゲナイドが積層不整構造
をとる範囲の値である。)で表せる複合遷移金属ジカル
コゲナイドであるマイクロ波吸収物質を用いるようにし
たので、広帯域のマイクロ波の電力を高感度で測定する
ことができる。
【0051】また本発明によれば、前記化学式MX A
1-X ch2 において、chをTeとすることにより、広
帯域のマイクロ波の電力をさらに高感度で測定すること
ができる。
1-X ch2 において、chをTeとすることにより、広
帯域のマイクロ波の電力をさらに高感度で測定すること
ができる。
【図1】本発明の実施形態1に係るマイクロ波測定装置
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図2】図1のマイクロ波検出器の構造例を示す図であ
る。
る。
【図3】図1の計測用増幅器の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2に係るマイクロ波測定装置
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図5】ReX Nb1-X Se2 の状態図である。
【図6】OsX Nb1-X Se2 の状態図である。
【図7】マイクロ波吸収効率の測定装置を示す図であ
る。
る。
1 計測回路 2 マイクロ波検出器 3 計測用増幅器 4 計測指示器 5 アナログ指示器 6 A/D変換器 7 デジタル指示器 8 信号範囲判別器 9 計測結果報知器 10 複数範囲表示器 11 複数音響発生器 21 試料 22 石英ガラス製試料ホルダー 23 マグネトロン 24 パイロメータ 25 記録器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 宏哉 岡山県岡山市理大町一丁目1番 岡山理科 大学内 (72)発明者 加藤 誠軌 岡山県岡山市理大町一丁目1番 岡山理科 大学内 (72)発明者 高橋 達人 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加藤 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 電気伝導性を有する積層不整構造物質か
らなるマイクロ波吸収物質をサーミスタまたは熱電対の
表面に設け、前記マイクロ波吸収物質のマイクロ波吸収
による前記サーミスタまたは熱電対の温度上昇を検出す
るマイクロ波検出器を備えたことを特徴とするマイクロ
波測定装置。 - 【請求項2】 一対のサーミスタの一方は基準用温度セ
ンサとして、他方はその表面に電気伝導性を有する積層
不整構造物質からなるマイクロ波吸収物質を塗布した測
定用温度センサとして用いるように構成されたマイクロ
波検出器と、 前記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用温度
センサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、マイ
クロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温度セ
ンサの温度差から計測する計測回路と、 前記計測回路の計測値を増幅したアナログ信号を出力す
る増幅器と、 前記増幅器の出力するアナログ信号値をそのまま指示す
るアナログ指示器、または前記アナログ信号値からA/
D変換器を介して変換したディジタル信号値を指示する
デジタル指示器のいずれか一方よりなる計測指示器とを
備えたことを特徴とするマイクロ波測定装置。 - 【請求項3】 一対のサーミスタの一方は基準用温度セ
ンサとして、他方はその表面に電気伝導性を有する積層
不整構造物質からなるマイクロ波吸収物質を塗布した測
定用温度センサとして用いるように構成されたマイクロ
波検出器と、 前記マイクロ波検出器の測定用温度センサと基準用温度
センサとをそれぞれ計測ブリッジの一辺に組込み、マイ
クロ波検出器の検出した高周波電力を前記2つの温度セ
ンサの温度差から計測する計測回路と、 前記計測回路の計測値を増幅した信号値を出力する増幅
器と、 前記増幅器の出力する信号値が予め測定範囲の複数に分
割された範囲のうちのどの範囲内であるかを判別する信
号範囲判別器と、 前記信号範囲判別器の判別結果に基づき前記測定範囲の
複数に分割されたどの範囲内であるかを表示する表示器
と、前記複数に分割されたどの範囲内であるかをそれぞ
れ異なる音響を発生して報知する音響発生器のいずれか
一方、または両方により構成された計測結果報知器とを
備えたことを特徴とするマイクロ波測定装置。 - 【請求項4】 前記電気伝導性を有する積層不整構造物
質が化学式MX A1- X ch2 (但し、M、Aは異なる遷
移金属、chはカルコゲンを表し、Xは複合遷移金属ジ
カルコゲナイドが積層不整構造をとる範囲の値であ
る。)で表せる複合遷移金属ジカルコゲナイドであるマ
イクロ波吸収物質を用いることを特徴とする請求項1、
請求項2または請求項3記載のマイクロ波測定装置。 - 【請求項5】 前記化学式MX A1-X ch2 において、
MがRe,Os,Ru,Feの中から選ばれた少なくと
も1種、AがV,Nb,Taの中らか選ばれた少なくと
も1種、chがS,Se,Teの中から選ばれた少なく
とも1種よりなる複合遷移金属ジカルコゲナイドである
ことを特徴とする請求項4記載のマイクロ波測定装置。 - 【請求項6】 前記化学式MX A1-X ch2 において、
MがRe,AがNbであり、かつ0.07≦X<1/2
であることを特徴とする請求項5記載のマイクロ波測定
装置。 - 【請求項7】 前記化学式MX A1-X ch2 において、
MがOs,AがNbであり、かつ0.05≦X<1/3
であることを特徴とする請求項5記載のマイクロ波測定
装置。 - 【請求項8】 前記化学式MX A1-X ch2 において、
chがTeであることを特徴とする請求項5から請求項
7のいずれか1項に記載のマイクロ波測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22820196A JPH1073622A (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | マイクロ波測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22820196A JPH1073622A (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | マイクロ波測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1073622A true JPH1073622A (ja) | 1998-03-17 |
Family
ID=16872790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22820196A Withdrawn JPH1073622A (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | マイクロ波測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1073622A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198794A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Aloka Co Ltd | 界面検出装置及び方法、並びに体積計測装置及び方法 |
WO2019020085A1 (zh) * | 2017-07-26 | 2019-01-31 | 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 | 采样电流处理电路、功率检测电路以及电磁烹饪器具 |
-
1996
- 1996-08-29 JP JP22820196A patent/JPH1073622A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198794A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Aloka Co Ltd | 界面検出装置及び方法、並びに体積計測装置及び方法 |
WO2019020085A1 (zh) * | 2017-07-26 | 2019-01-31 | 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 | 采样电流处理电路、功率检测电路以及电磁烹饪器具 |
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