JPH1069292A - 発話関係認識装置 - Google Patents

発話関係認識装置

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JPH1069292A
JPH1069292A JP8228192A JP22819296A JPH1069292A JP H1069292 A JPH1069292 A JP H1069292A JP 8228192 A JP8228192 A JP 8228192A JP 22819296 A JP22819296 A JP 22819296A JP H1069292 A JPH1069292 A JP H1069292A
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JP8228192A
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English (en)
Inventor
Toshinori Iwadera
俊哲 巖寺
Masahito Ishizaki
雅人 石崎
Takuma Morimoto
逞 森元
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ATR ONSEI HONYAKU TSUSHIN KENKYUSHO KK
ATR Interpreting Telecommunications Research Laboratories
Original Assignee
ATR ONSEI HONYAKU TSUSHIN KENKYUSHO KK
ATR Interpreting Telecommunications Research Laboratories
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対話の話題が関わる分野又は領域に関わら
ず、発話間の関係を認識して認識結果を出力することが
できる発話関係認識装置を提供する。 【解決手段】 人間と人間との間、又は人間と機械の間
の対話において、相互に交わされる発話間の関係を認識
するための発話関係認識装置であり、発話分割部21
は、入力された発話表現の文字列を、発話中で発話タイ
プを有する最短の表現である発話単位に分割する。発話
タイプ付与部12は、発話単位に対して、発話表現が属
する類型を示す発話タイプを付与する。発話機能解析部
13は、発話単位が有する発話機能を決定するルールを
含む所定の発話機能解析ルールベースを参照して、上記
発話タイプに基づいて発話機能を決定する。発話関係認
識部14は、発話機能が有する発話関係を決定するルー
ルを含む所定の発話関係認識ルールベースを参照して、
上記発話機能に基づいて発話関係を決定して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間と人間との
間、又は人間と機械の間の対話において、相互に交わさ
れる発話をモニタし、その発話間の関係を認識する発話
関係認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】発話音
声言語文を電子計算機で処理する場合、発話間の関係を
適切に認識することは、重要である。ここで、間に翻訳
装置が介在する日本語と英語の音声による対話音声翻訳
システムの従来例について以下に述べる。日本語の発話
を英語に翻訳する場合、適切な翻訳結果の選択や発話の
解釈をするためには、発話間の関係を適切に認識するこ
とが必要である。例えば、日本語発話「はいそうです」
は、下記の表1に示すように様々な英語表現に翻訳可能
である。
【0003】
【表1】 ─────────────── Yes,I am. Yes, it would. Yes, it is. No, it isn’t. ───────────────
【0004】しかしながら、下記の表2に示すように先
行発話に呼応して適切に翻訳するためには、適切な先行
発話を認識し、それに応じて適切な翻訳結果を選択する
ことが必要である。
【0005】
【表2】 ─────────────────────────────────── 先行発話 →「はいそうです」の翻訳結果 ─────────────────────────────────── Are you Mr. Suzuki? → Yes, I am. That would be a little faster, wouldn't it? → Yes, it would. Is that ferry the same one? → Yes, it is. There isn't a discount this time, is it? → No, it isn’
t. ───────────────────────────────────
【0006】また、別の例として日本語発話「参加料は
銀行振り込みです」は、直訳すると次の表3のようにな
る。
【0007】
【表3】
【0008】この発話の場合も次の表4のように対応す
る先行発話に応じて適切に翻訳することが必要である。
【0009】
【表4】 ─────────────────────────────────── 先行発話 → 翻訳結果 ─────────────────────────────────── How should pay I the attendance fee by bank-transfer? → You should pay the attendance fee by bank-transfer. ─────────────────────────────────── How did you pay the attendance fee and hotel expences? → I paid the attendance fee by bank-transfer. ───────────────────────────────────
【0010】表4における2例が示すように、適切な翻
訳結果を選択したり発話を適切に解釈する場合に、関連
する発話に含まれる情報を利用することが必要である。
従ってこの関連する発話をまず発見、認識することが必
要である。実際の対話中では、関連する発話同士が連続
して発話されるとは限らない。例えば、次の表5に示す
対話例では、関連する発話の間に別の発話がなされてい
る。
【0011】
【表5】 ─────────────────────────────────── 発話番号 発話者 発話表現 ─────────────────────────────────── 1 お客 ぼく一枚で禁煙席をお願いします 2 駅員 分かりましたお一人様禁煙席ですねファーストとコーチ どちらがよろしいでしょうか 3 お客 お値段はそれぞれいくらくらい違うんですか 4 駅員 片道ですかそれとも往復をお買いになりますか 5 お客 片道で結構です 6 駅員 コーチは片道ですと75ドルになりますファーストです と片道115ドルになります 7 お客 じゃあコーチの方をお願いします 8 駅員 分かりました ───────────────────────────────────
【0012】表5における対話例では、次のような発話
間の関連を認識することが必要である。
【0013】
【表6】
【0014】発話間の関係の認識に関連する従来技術と
して次の2つが挙げられる。 (a)プラン認識技術(以下、第1の従来例とい
う。)。 (b)談話セグメント技術(以下、第2の従来例とい
う。)。 次にこれらの従来技術の概要と問題点について述べる。
【0015】第1の従来例のプラン認識技術は、発話、
すなわち、言語行為から興味の対象の領域における話手
の行為のプランを部分的に同定するための技術である。
このプランを認識することは、双方向的な対話において
話手の発話に適切に対応するために重要な役割を果た
す。また、引き続く複数の発話の間の整合性を理解する
ためにも重要である。このプラン認識技術では、以下に
示すように行為を表現する。この表現では、世界の状態
は、命題の集合によってモデル化される。行為は、世界
を一つの状態から別の状態へと移す演算子によってモデ
ル化される。演算子は、(a)行為の名前を記した表題
部と、(b)行為の遂行のために成り立っていなければ
ならない命題を記述した前提条件と、(c)リスト行為
の遂行の結果として成立するようになる命題を記述した
効果リストとから構成される。プランは、行為と世界の
状態からなる系列と分析される。すなわち、行為をai
と表し、状態をSiと表すと、次の数1に示すプラン
は、
【数1】S0→Sn:(a1,S1,…,Sn-1,an) 以下の条件のもとで、状態S0を状態Snへ移すためのプ
ランとなる。 (a)行為a1のすべての前提条件が状態S0で成り立っ
ている。 (b)行為anのすべての効果が状態Snで成り立ってい
る。 (c)中間的状態Siのすべてで、行為a1のすべての効
果及び行為ai+1のすべての前提条件が成り立ってい
る。
【0016】この第1の従来例のプラン認識技術におい
ては、発話間の関係の認識は、発話の関わる話題が関係
するプランを認識することによって行なわれる。この技
術の問題を以下に示す。 (a)このプランに関する知識、すなわち、行為の表現
の集合を、あらかじめ作成する必要がある。 (b)また、この知識は、対話の話題が関わる分野毎に
異なっており、分野毎に作成する必要がある。このため
対話開始時に対話が関わる分野があらかじめ認識されて
いる必要がある。 (c)さらに、対話中で分野間の移行が生起した場合
は、追従できない。
【0017】次いで、第2の従来例の談話セグメント技
術では、対話を複数の発話者と複数の発話で構成される
言語現象であるととらえている。対話を構成する発話
は、けっして無秩序な系列ではない。個々の文を構成す
る単語列が構文構造をもつのと同様に対話を構成する発
話列も構造を備えている。この談話セグメント技術で
は、この対話が備えている構造を談話構造と呼ぶ。この
技術では、談話構造を構成する各単位間の関係は、単位
の持つ言語的特徴(たとえば、手がかり語)や、単位を
構成する発話によって伝達される意図に依存するとされ
ている。しかしながら、単位のレベルの意図は、発話レ
ベルの意図から単純に規定されるのではなく、発話、領
域事実、発話レベルの意図、およびそれらに関する推論
から複雑な関係に従って規定される。この技術に従え
ば、対話の構造は、次の3種の相互関係にある要素で構
成される。 (a)言語構造(linguistic structure) (b)意図構造(intentional structure) (c)注視状況(attentional state)
【0018】ここで、意図構造は、談話単位の目的とそ
れらの相互の関係とから構成される。談話単位の目的
は、対話参加者たちの意図である。また、注視状況は、
対話の進行に伴う対話参加者の注意の焦点(focus)を
反映している。これは、談話の単位毎に1つずつ対応す
る焦点空間からなるスタックによってモデル化される。
焦点空間には、談話単位の目的と単位の中から指示され
る対象の表現が含まれている。談話単位が新たに対話に
導入されるとスタックは伸びる。反対に談話単位の意図
が充足されるとスタックは縮む。注視状況の焦点空間モ
デルは、対話の進行に伴う処理に対して制約として機能
する。談話セグメント技術は、上述した談話構造を構成
する談話単位に分割(セグメント)する技術である。セ
グメントは、手がかり語と呼ばれる境界指示句によって
行なわれる。手がかり語は、談話構造の変化に関する情
報を提示する。たとえば、「そういえば」や「いずれに
せよ」のような手がかり語は、注視状況に関する情報を
提示する。すなわち、前者は、新たな焦点空間への移行
を示す。また、後者は、以前に確立された空間への復帰
を示す。「ちなみに」という表現は、話し手が一時的に
本題から脇道に外れることを示す。従って、意図構造に
新たな意図階層が追加されるという情報を提示してい
る。また、「たとえば」という表現は、引き続く談話単
位、この手がかり語によって開始点が示された談話単位
に付随する意図は意図構造の中で直前の意図に支配され
ることを示す。
【0019】上述の第2の従来例の談話セグメント技術
においては、同一の談話単位が継続しているか、異なる
談話単位に移行しているかのみが示され得る。この技術
の問題を以下に示す。より詳細な情報を提示する局所的
な発話間の関係、たとえば、一談話単位中の発話間の関
係を認識することができない。
【0020】本発明の目的は以上の問題点を解決し、対
話の話題が関わる分野又は領域に関わらず、発話間の関
係を認識して認識結果を出力することができる発話関係
認識装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係る発話関係認
識装置は、人間と人間との間、又は人間と機械の間の対
話において、相互に交わされる発話間の関係を認識する
ための発話関係認識装置であって、各表現に対する分割
位置を示す所定の発話分割辞書を参照して、入力された
発話表現の文字列を、発話中で発話タイプを有する最短
の表現である発話単位に分割して、分割された発話単位
を出力する発話分割手段と、各発話表現パターンに対す
る発話タイプを示す所定の発話タイプ辞書を参照して、
上記発話分割手段から出力された発話単位に対して、発
話表現が属する類型を示す発話タイプを付与して出力す
る発話タイプ付与手段と、各発話タイプに対する発話状
況情報の状態に関する記述を表わす条件部と、その条件
部を満たしたときに発話単位が取り得る発話間関係上の
発話機能を示す実行部とから構成され、発話単位が有す
る発話機能を決定するルールを含む所定の発話機能解析
ルールベースを参照して、上記発話タイプ付与手段から
出力される発話タイプに基づいて発話機能を決定して出
力する発話機能解析手段と、各発話機能に対する発話状
況情報の状態に関する記述を表わす条件部と、その条件
部を満たしたときに発話機能が取り得る発話間の関係を
示す実行部とから構成され、発話機能が有する発話関係
を決定するルールを含む所定の発話関係認識ルールベー
スを参照して、上記発話機能解析手段から出力される発
話機能に基づいて発話関係を決定して出力する発話関係
認識手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。図1は、本発明に係る一
実施形態の発話関係認識装置100のブロック図であ
る。この実施形態の発話関係認識装置100は、例え
ば、図2に示すように対話音声翻訳システムの一部を構
成し、当該システムに入力される発話と先行して入力さ
れている発話の関係を認識して認識結果を提供する装置
である。対話音声翻訳システム本体から入力された発話
とそれに先行して入力されている発話の関係を認識する
場合を想定して説明する。ここで、当該発話関係認識装
置100は、入力として発話表現を受信した後、(a)
発話分割辞書メモリ21に格納された発話分割辞書と、
(b)発話タイプ辞書メモリ22に格納された発話タイ
プ辞書と、(c)発話機能解析ルールベースメモリ23
に格納された発話機能解析ルールベースと、(d)発話
関係認識ルールベースメモリ24に格納された発話関係
認識ルールベースなどの知識と入力された情報の記録で
あり発話状況情報メモリ25に格納された発話状況情報
を用いて入力された発話表現を解析し、関係する先行発
話を出力して発話の関係を認識するものである。
【0023】この実施形態の発話関係認識装置100
は、図1に示すように、各種の演算制御処理を実行する
以下の各処理部10乃至16(以下、総称して、処理部
10乃至16という。)から構成される。(a)監視制
御部10、(b)発話分割部11、(c)発話タイプ付
与部12、(d)発話機能解析部13、(e)発話関係
認識部14、(f)発話状況参照部15、(g)発話状
況記録部16。ここで、各処理部11乃至16を総合的
に監視制御する監視制御部10に、各処理部11乃至1
6が接続される。以下、各処理部10乃至16について
詳細に説明する。
【0024】発話分割部11には、発話分割辞書メモリ
21が接続され、発話タイプ付与部12には、発話タイ
プ辞書メモリ22が接続される。また、発話機能解析部
13には、発話機能解析ルールベースメモリ23が接続
され、発話関係認識部14には、発話関係認識ルールベ
ースメモリ24が接続される。さらに、発話状況参照部
15と発話状況記録部16には、発話状況情報メモリ2
5が接続される。ここで、各処理部10乃至16は、例
えばデジタル電子計算機で構成され、それぞれCPU
と、動作プログラムとそれを実行するために必要なデー
タを予め格納するROM(読出専用メモリ)と、CPU
のワーキングメモリとして用いられるRAM(ランダム
アクセスメモリ)とを備える。なお、7個の処理部10
乃至16を1つのデジタル電子計算機で構成してもよ
い。さらに、発話分割辞書メモリ21と、発話タイプ辞
書メモリ22と、発話機能解析ルールベースメモリ23
と、発話関係認識ルールベース24メモリと、発話状況
情報メモリ25は、例えばハードディスクメモリなどの
メモリで構成される。
【0025】まず、各処理部11乃至16に接続される
データベースについて以下に説明する。 (a)発話分割辞書は、入力発話表現を発話単位に分割
する発話分割処理のトリガとなる表現と分割位置に関す
るデータベースである。 (b)発話タイプ辞書は、発話の表現パターンと発話の
表層表現形式の分類である発話タイプとの対応関係に関
するデータベースである。 (c)発話機能解析ルールベースは、発話タイプと発話
機能の対応関係に関するデータベースである。 (d)発話関係認識ルールベースは、発話機能と発話状
況情報から発話間の関係の有無を認識するために必要と
する知識が格納されているデータベースである。 (e)発話状況情報は、対話の開始から発話の入力順に
各発話を構成する発話単位、各発話単位の発話タイプ、
発話機能、関係する発話単位、発話者、発話順の情報を
記録するデータベースである。
【0026】以下、各データベースの内容について詳述
する。発話分割辞書は、2つのカラムから構成されるテ
ーブルである。発話分割辞書における各カラムには、次
のように記述される。 カラム(1):発話分割のトリガとなる表現、 カラム(2):分割位置。 このテーブルにおいて各行は、カラム(1)に記述され
る表現とカラム(2)に記述される分割位置の対応関係
を示す。発話分割のトリガとなる表現を記述するカラム
(1)には、入力される発話表現に含まれ得る表現が記
述される。一方、分割位置を記述するカラム(2)に
は、入力発話の分割位置が記述される。ここに記述され
る値は、次の3値のいずれかである。(a)直前、
(b)直後、(c)両端。これは、カラム(1)に記述
されている表現の「直前」、「直後」、あるいは、「両
端」で発話が分割されることを示す。発話分割辞書の一
例を、次の表7に示す。
【0027】
【表7】 ───────────────── 表現 分割位置 ───────────────── かしこまりました 両端 すみません 両端 すみませんが 両端 失礼いたします 両端 承知いたしました 両端 もしもし 両端 はい 両端 いいえ 両端 いえ 両端 さようでございますか 両端 できましたら 直前 できれば 直前 恐れ入ります 直前 すいませんが 直前 おそれいりますが 直前 あいにくですが 直前 じゃあ 直前 それで 直前 あのですね 直後 ありがとう 直後 すいません 直後 ておきます 直後 ありがとうございます 直後 ありがとうございました 直後 かね 直後 ください 直後 くださいまして 直後 くださいませ 直後 けれども 直後 けれど 直後 ─────────────────
【0028】発話タイプ辞書は、2つのカラムから構成
されるテーブルである。発話タイプ辞書における各カラ
ムには、次のように記述される。 カラム(1):発話表現パターン、 カラム(2):発話タイプ。このテーブルにおいて各行
は、カラム(1)に記述される表現パターンと、カラム
(2)に記述される発話タイプの対応関係を示す。カラ
ム(1)には、発話分割部によって発話単位に分割され
た各発話単位に含まれ得る表現パターンが記述される。
一方、カラム(2)には、カラム(1)の表現パターン
と一致した発話単位が示す発話タイプが記述される。こ
こで、発話タイプは、次のいずれかの値を取る。 (a)[INITIATE]、(b)[RESPONS
E]、(c)[NEUTRAL]。
【0029】発話タイプの付与は、発話単位毎にその発
話単位が持つ表層表現のみに従って付与される。発話タ
イプ[INITIATE](質問や依頼のような聞き手
へ働きかける機能を持つ発話を表わすタイプ。新たな発
話間の対応関係の開始を意味する。すなわち、後続する
発話と対応関係があることを意味する。)は、発話単位
が持つ表層表現から、その発話単位が質問や依頼のよう
な表現であると判断される場合に付与される。発話タイ
プ[RESPONSE](質問や依頼のような対話相手
からの働きかけに対する応答機能を持つ発話を表わすタ
イプ。すでに先行する対話中に対応する発話が存在する
ことを意味する。)は、発話単位が持つ表層表現が何ら
かの先行する発話の生起を必須とする表現であると判断
される場合に付与される。さらに、発話タイプ[NEU
TRAL](対応する発話が先行しているのか後続する
のか判断できないことを意味する。)は、発話単位が持
つ表層表現のみからは、上記のいずれであるか一意に判
断できない場合、すなわち、[INITIATE]と
[RESPONSE]を同時に付与可能である場合、あ
るいはどちらであるかともいえない場合に付与される。
発話タイプ辞書の一例を表8に示す。
【0030】
【表8】 ───────────────────────── 表現パターン 発話タイプ ───────────────────────── いらっしゃいませ [NEUTRAL] なるほど [RESPONSE] *させていただきます [INITIATE] もちろんです [RESPONSE] *しょうか [INITIATE] *ますか [INITIATE] *お伺いできます*か [INITIATE] *何名*か [INITIATE] *何時*か [INITIATE] *どのように*か [INITIATE] *どんな*か [INITIATE] お待たせいたしました [NEUTRAL] もしもし [INITIATE] *よろしくお願いします [RESPONSE] いえ [RESPONSE] *願いしていますけれども [NEUTRAL] *ご存じですか [INITIATE] *お伝え願えますか [INITIATE] *頂け*か [INITIATE] 少々お待ちください [NEUTRAL] *いいんですけども [NEUTRAL] *ですよね [INITIATE] お楽しみください [NEUTRAL] *いくら*か [INITIATE] *どれ*か [INITIATE] *お世話さまでした [NEUTRAL] *ておきます [NEUTRAL] *お知らせ*か [INITIATE] *伺えます*か [INITIATE] *できますが [NEUTRAL] *たいんです [INITIATE] 承知いたしました [RESPONSE] *そうですね [NEUTRAL] *どちら*か [INITIATE] *いつ*か [INITIATE] *何*か [INITIATE] *ほかには*か [INITIATE] はい [RESPONSE] *ございます [NEUTRAL] *けれども [NEUTRAL] ─────────────────────────
【0031】表8において、表現パターン欄「*」は、
任意の文字列が「*」が現れる位置に生起し得ることを
示している。
【0032】発話機能解析ルールベースは、発話単位の
持つ発話機能を決定するルールのデータベースである。
ルールは、条件部として、特定の発話タイプと、発話状
況情報の状態とに関する記述の組合せを持つ。また、実
行部は、その条件部を満たした場合に発話単位が取り得
る発話機能を示す。ここで、発話機能は、次のいずれか
の値を取る。 (a)[開始]、(b)[応答]、(c)[補足]。
【0033】発話状況情報と発話タイプから発話単位
が、質問や依頼のような話し手から聞き手に働きかける
機能を持つと判断される場合は、発話機能[開始]を持
つ判断される。また、発話状況情報と発話タイプから発
話単位が、質問や依頼のような働きかける機能を持つ発
話に対する応答する機能を持つと判断される場合は、発
話機能[応答]を持つと判断される。さらに、発話状況
情報と発話タイプから発話単位が、発話機能[応答]を
持つ発話単位に対する補足や評価を与える機能を持つと
判断される場合、または、発話機能[応答]を持つ発話
単位を受信したことを明示的に表示する機能を持つと判
断される場合は、発話機能[補足]を持つと判断され
る。上記発話機能解析ルールベースの一例を表9に示
す。
【0034】
【表9】 ─────────────────────────────────── ルールA001 if 発話タイプ=[INITIATE] then 発話機能=[開始] ─────────────────────────────────── ルールA002 if 発話タイプ=[RESPONSE] and exit パターン with [応答]スロット=empty then 発話機能=[応答] ───────────────────────────────────
【0035】表9に示すように、ルールA001におい
ては、発話タイプが[INITIATE]であるとき
は、発話機能を[開始]と設定する。また、ルールA0
2において、発話タイプが[RESPONSE]であっ
てかつ[応答]スロットが無いパターンが存在するとき
は、発話機能を[応答]と設定する。
【0036】発話関係認識ルールベースは、発話間の関
係を認識するために使用されるルールのデータベースで
ある。ルールは、条件部として発話機能と発話状況情報
の特定の状態に関する記述の組合せを持つ。また、実行
部は、その条件部を満たした場合に、発話関係認識部が
行なう動作に関する指示を示す。特定の各発話単位同士
相互の関係付けをする条件は、発話状況情報の状態によ
って記述される。ここで、発話関係関係認識ルールは、
下記のパターンで示す原則にしたがって記述される。 (a)パターン1:[開始]−[応答]−[補足] (b)パターン2:[開始]−[応答]
【0037】ここで、上記パターン1は、発話機能[開
始]、[応答]、[補足]の各機能を持つ発話単位が相
互に関係することを示す。同様に、パターン2は、発話
機能[開始]、[応答]の各機能をもつ発話単位が相互
に関係することを示す。これらのパターンにおいて、あ
る発話単位同士が同一のパターンを構成するためには、
次の条件を満たす必要がある。 (a)発話機能[開始]を持つ発話単位の発話者と発話
機能[応答]を持つ発話単位の発話者は異なる。 (b)発話機能[開始]を持つ発話単位の発話者と発話
機能[補足]を持つ発話単位の発話者は同一である。 ここで、各パターンは、例えば次のようなデータ形式で
記述される。
【0038】
【表10】
【0039】表10における上記データ形式において、
「?」で始まる記号は、変数を示す。変数は、その位置
に任意の値が記述され得ることを示す。また、同一の変
数名は、同一の値を取る。上記発話関係認識ルールベー
スの一例を表11に示す。
【0040】
【表11】 ─────────────────────────────────── ルールB01 if 発話機能=[開始] and not exist パターン with [開始]スロット=filled then generate パターン ─────────────────────────────────── ルールB02 if 発話機能=[開始] and exist パターン with [開始]スロット=filled then use パターン ───────────────────────────────────
【0041】表11に示すように、発話関係認識ルール
ベースのルールB01では、発話機能が[開始]であっ
てかつ[開始]スロットが値を持つパターンが存在しな
いときは、パターンを生成する。ルールB02では、発
話機能が[開始]であってかつ[開始]スロットが値を
持つパターンが存在するときには、そのパターンを使用
する。
【0042】発話状況情報は、属性とその属性値の組か
らなるリストで記述され、対話の開始から発話の入力順
に各発話を構成する発話単位毎に、下記の属性とその値
を持つ。 (a)発話タイプ、(b)発話機能、(c)関係する発
話単位、(d)発話者、(e)発話順を示すID。 ここで、発話状況情報は、例えば、上記のパターンのデ
ータ形式のリストで記述される。
【0043】監視制御部10は、すべての処理部11乃
至16の動作及び処理を制御し、データフローを統制す
るモジュールである。図3及び図4は、監視制御部10
によって実行される監視制御処理を示すフローチャート
である。これについて、以下図3及び図4を参照して説
明する。
【0044】図3において、まず、ステップS1で発話
表現の文字列が入力されたか否かが判断される。入力さ
れた場合は、S2に進む。入力されていない場合は、ス
テップS1の処理を繰り返す。ステップS2では、入力
された発話表現の文字列を発話分割部11に転送する。
これに応答して、発話分割部11は、入力された発話表
現の文字列に対して発話分割処理を実行し、発話分割結
果であるすべての発話分割単位を監視制御部10に出力
する。ステップS3では、発話分割部11から出力され
た発話分割結果を受信したか否かを判断し、受信するま
でステップS3の処理を繰り返し、受信したときはステ
ップS4に進む。ステップS4で、発話分割部11から
出力された発話分割結果を発話タイプ付与部12に転送
する。これに応答して、発話タイプ付与部12は、発話
分割処理結果のすべての発話単位に対して発話タイプ付
与処理を実行し、発話タイプ付与されたすべての発話単
位を監視制御部10に出力する。ステップS5で、発話
タイプ付与部12から出力された発話タイプ付与結果及
び発話状況参照部15から出力される発話状況情報を受
信したか否かが判断され、受信するまでステップS5の
処理を繰り返し、受信したときは、ステップS6で、発
話タイプ付与部12から出力された発話タイプ付与結果
を発話機能解析部13に転送するとともに、発話状況参
照部15から出力される発話状況情報を発話機能解析部
13に転送する。これに応答して、発話機能解析部13
は、発話タイプ付与結果と発話状況情報に基づいて発話
機能解析処理を実行する。処理結果である発話機能解析
結果を監視制御部10に出力する。
【0045】次いで、図4のステップS7において、発
話機能解析部13から出力された発話機能解析結果及び
発話状況参照部15から出力される発話状況情報を受信
したか否かが判断され、受信するまでステップS7の処
理を繰り返し、受信したときは、ステップS8で、発話
機能解析部13から出力された発話機能解析結果を発話
関係認識部14に転送するとともに、発話状況参照部1
5から出力される発話状況情報を発話関係認識部14に
転送する。これに応答して、発話関係認識部14は、発
話機能解析結果と発話状況情報に基づいて発話関係認識
処理を実行する。処理結果は、監視制御部10に出力さ
れる。次いで、ステップS9で、発話関係認識部14か
ら出力された発話関係認識結果を受信したか否かが判断
され、受信するまでステップS9の処理を繰り返し、受
信したときは、ステップS10で、発話関係認識部14
から出力された発話関係認識結果を発話状況記録部16
に転送する。これに応答して、発話状況記録部16は、
転送された発話関係認識結果を発話状況情報メモリ25
に記録する。さらに、ステップS11で、すべての入力
された発話表現の文字列が処理されたか否かが判断さ
れ、すべての文字列の処理が終了していないときは、図
3に戻って未処理の文字列についてステップS1以下の
処理を繰り返す。一方、ステップS11で、すべての文
字列の処理が終了しているときは、ステップS12で、
発話状況記録部16に対して、発話状況メモリ25から
すべての入力された発話表現の文字列に対する発話関係
認識結果のデータを読み出して監視制御部10に転送さ
せ、転送された発話関係認識結果のデータを出力データ
として出力して、当該監視制御処理を終了する。
【0046】さらに、各処理部11乃至16の処理につ
いて詳述する。発話分割部11では、まず、入力された
発話表現に対して、発話分割処理が実行される。この処
理では、発話単位へ分割するトリガとなる表現と分割位
置を記述したテーブルであるメモリ21内の発話分割辞
書を参照して発話表現を分割する。複数のトリガと一致
する場合は、その中で最適なトリガが選択され、使用さ
れる。トリガが決定すると発話分割辞書にそのトリガと
対応付けられて記述されている分割位置で発話表現を分
割する。最適なトリガは、例えば、後方最長一致法を用
いることによって選択できる。発話表現が「片道ですか
それとも往復ですか」である場合を例に示す。発話分割
辞書21を参照すると、2個のトリガ「です」と「です
か」と一致する。後方最長一致法を用いると最適なトリ
ガとして「ですか」が選択される。このトリガ「です
か」の対応する分割位置は、発話分割辞書21中では
「直後」と記述されている。トリガ「ですか」を使用し
て発話表現「片道ですかそれとも往復ですか」を分割す
る。その結果、2個の発話単位「片道ですか」と「それ
とも往復ですか」に適切に分割できる。そして、分割さ
れ生じたすべての発話単位を監視制御部10に出力す
る。
【0047】発話タイプ付与部12は、発話単位に発話
タイプを付与する。発話単位は、発話分割処理の結果で
ある。発話タイプの付与は、メモリ22内の発話タイプ
辞書を参照して、発話単位と一致可能である表現パター
ンを抽出する。表現パターンが決定すると発話タイプ辞
書にそのトリガと対応付けられて記述されている発話タ
イプが発話単位に付与される。そして、付与された発話
タイプは、監視制御部10に出力される。
【0048】発話機能解析部13は、発話単位が持つ機
能を解析する。発話機能は、発話タイプと発話状況情報
に基づき決定される。この処理では、まず、メモリ23
内の発話機能解析ルールベースを参照して、発話単位が
持つ発話タイプと発話状況情報の状態とに一致するルー
ルを抽出する。ルールの記述に従って発話機能を決定す
る。複数のルールを充足する場合は、充足したすべての
ルールに記述されている発話機能を処理結果とする。発
話タイプと発話機能の対応関係は、次のようになる。
【0049】
【表12】 ───────────────────────── 発話タイプ 発話機能 ───────────────────────── [INITIATE] [開始] [RESPONSE] [応答][補足] [NEUTRAL] [開始][応答][補足] ─────────────────────────
【0050】表12に示すように、各発話タイプが複数
の発話機能に対応し得る。発話機能は、上記の対応し得
るものの中から発話状況情報を参照することによって1
つに決定される。そして、処理結果である発話機能は、
すべて、監視制御部10に出力される。
【0051】発話関係認識部14は、発話単位間の関係
の有無を認識する。このとき、発話単位の発話機能と、
発話状況メモリ25から発話状況参照部15を介して得
られる発話状況情報が参照される。関係の認識は、発話
単位間の関係の新たなパターンを生成したり、すでに生
成されている特定のパターンの対応する発話機能に発話
単位を加えることにより行なわれる。パターンの生成や
特定は、メモリ24内の発話関係認識ルールベースに格
納されているルールに従って行なわれる。そして、認識
された発話単位間の関係は、監視制御部10に出力され
る。
【0052】発話状況参照部15は、発話状況情報メモ
リ25内の発話状況情報を読み出して出力する。出力結
果は、発話単位が入力された順の発話状況情報の状態の
列であり、出力結果は、監視制御部10に出力される。
一方、発話状況記録部16は、各処理部11乃至14か
ら出力される各発話単位に関する属性とその属性に関す
る値を1組としてその発話単位と対応つけて、発話状況
情報メモリ25に記録する。記録は、発話単位が生起し
た順に行なわれる。
【0053】以下、次の表13に示す対話例を処理する
場合を仮定して本装置の動作を説明する。
【0054】
【表13】 ─────────────────────────────────── 発話番号 発話者 発話表現 ─────────────────────────────────── 1 お客 ぼく一枚で禁煙席をお願いします 2 駅員 分かりましたお一人様禁煙席ですねファーストとコーチ どちらがよろしいでしょうか 3 お客 お値段はそれぞれいくらくらい違うんですか 4 駅員 片道ですかそれとも往復をお買いになりますか 5 お客 片道で結構です 6 駅員 コーチは片道ですと75ドルになりますファーストです と片道115ドルになります 7 お客 じゃあコーチの方をお願いします 8 駅員 分かりました ───────────────────────────────────
【0055】発話表現の文字列の入力は、表13中にに
示す発話番号の順に従って1つずつ入力されると仮定す
る。
【0056】<発話番号1>「お客 ぼく一枚で禁煙席
をお願いします」の処理 発話番号「1」と、発話者「お客」と、発話表現「ぼく
一枚で禁煙席をお願いします」とが監視制御部10に入
力されると、まず、発話分割部11に転送される。これ
に応答して、発話分割部11では、入力された発話表現
を発話単位に分割する。分割は、メモリ21内の発話分
割辞書を参照して行なわれる。発話分割辞書を参照する
と発話分割のトリガになる表現「します」が発見され
る。「します」に対応する分割位置は、「直後」と記述
されている。従って、入力発話表現を「します」の直後
で分割する。しかしながら、入力発話表現は、「しま
す」で終了しており、入力発話表現全体が1個の発話単
位になる。例えば、この発話単位は、次のようなデータ
形式で表現される。
【0057】
【表14】 ────────────────────── [[ID: 1-1] [話者: お客] [表現: ぼく一枚で禁煙席をお願いします]] ──────────────────────
【0058】表14に示すこの発話単位のデータは、監
視制御部10を介して、次の発話タイプ付与部12に転
送される。これに応答して、発話タイプ付与部12で
は、転送されてきた発話単位に発話タイプを付与する。
発話タイプは、メモリ22内の発話タイプ辞書を参照し
て付与される。発話タイプ辞書を参照すると、転送され
てきた発話単位「ぼく一枚で禁煙席をお願いします」と
照合可能である表現パターン「*お願いします」が発見
される。辞書中で、この表現パターンに対応する発話タ
イプは、「[INITIATE]」と記述されている。
従って、発話単位「ぼく一枚で禁煙席をお願いします」
には、発話タイプ「[INITIATE]」が付与され
る。例えば、この発話単位は、次のようなデータ形式で
表現される。
【0059】
【表15】 ────────────────────── [[ID: 1-1] [話者: お客] [表現: ぼく一枚で禁煙席をお願いします] [発話タイプ: [INITIATE]]] ──────────────────────
【0060】表15に示すこの発話単位と発話タイプの
データは、監視制御部10を介して次の発話機能解析部
13に転送される。これに応答して、発話機能解析部1
3では、転送されてきた発話単位の発話機能を解析す
る。この解析は、転送されてきた発話単位の持つ発話タ
イプに基づいて行なわれる。また、メモリ23内の発話
機能解析ルールベースと、メモリ25から発話状況参照
部15を介して得られる発話状況情報を参照しながら行
なわれる。この発話単位の場合、発話タイプが「[IN
ITIATE]」であり、直ちに発話機能「[開始]」
と決定される。例えば、この結果は、次のようなデータ
形式で表現される。
【0061】
【表16】 ────────────────────── [[ID: 1-1] [話者: お客] [表現: ぼく一枚で禁煙席をお願いします] [発話タイプ: [INITIATE]] [発話機能; [開始]]] ──────────────────────
【0062】表16に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して次の発話関係認識部14に転送される。これ
に応答して、発話関係認識部14では、発話機能解析部
13から転送されてきたデータと、メモリ25から発話
状況参照部15を介して転送されてきた発話状況情報と
に基づいて、発話状況情報中のパターンの特定、あるい
は、新たなパターンの生成を通して、発話単位間の関係
が認識される。認識は、メモリ24内の発話関係認識ル
ールベースに格納されているルールに従って行なわれ
る。まず、転送されてきた発話単位と発話状況情報の状
態を発話関係認識ルールベースに格納されているルール
の条件部と照合し、これらを満たすルールを抽出する。
さらに、抽出されたルールの実行部の記述にしたがって
処理を行なう。この場合、新たなパターンが生成され、
パターン中の発話機能[開始]に転送されてきたデータ
が加えられる。例えば、処理結果は、次のようになる。
【0063】
【表17】 ─────────────────────────────────── [[PID: 1] [[開始]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: お客 ぼく一枚で禁煙席をお願いします] [ID: 1-1]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: ?s2] [発話: [:LIST [[表現: ?uex2] [ID: ?uid2]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0064】表17に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して次の発話状況記録部16に転送される。これ
に応答して、発話状況記録部16では、転送されてきた
データを、発話状況情報として発話状況情報メモリ25
に記録する。発話状況情報メモリ25の格納状況は、転
送されてきたデータを示すPIDを用いて略記すると次
のようになる。
【0065】
【表18】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ─────────────────────── ([PID: 1]) ───────────────────────
【0066】<発話番号2>「駅員 分かりましたお一
人様禁煙席ですねファーストとコーチどちらがよろしい
でしょうか」の処理 発話番号「2」と、発話者「駅員」と、発話表現「分か
りましたお一人様禁煙席ですねファーストとコーチどち
らがよろしいでしょうか」とが監視制御部10に入力さ
れると以下のように処理される。まず、発話分割部11
では、入力発話表現は、発話単位に分割される。分割
は、メモリ21内の発話分割辞書を参照して行なわれ
る。発話分割辞書を参照すると発話分割のトリガになる
表現「分かりました」が検索される。発話分割辞書中で
は、このトリガに対応する分割位置は、「直後」と記述
されている。従って、発話表現は、「分かりました」と
「お一人様禁煙席ですねファーストとコーチどちらがよ
ろしいでしょうか」とに分割される。同様に、トリガ
「ですね」、「でしょうか」が検索される。対応する分
割位置は、どちらも「直後」である。その結果、発話表
現は、「分かりました」、「お一人様禁煙席ですね」、
「ファーストとコーチどちらがよろしいでしょうか」の
3つの発話単位に分割される。例えば、この結果は次の
ようなデータ形式で表現される。
【0067】
【表19】 ───────────────────────────── [[ID: 2-1] [話者: 駅員] [表現: 分かりました]] ───────────────────────────── [[ID: 2-2] [話者: 駅員] [表現: お一人様禁煙席ですね]] ───────────────────────────── [[ID: 2-3] [話者: 駅員] [表現: ファーストとコーチどちらがよろしいでしょうか]] ─────────────────────────────
【0068】表19に示すこれらの発話単位のデータ
は、監視制御部10を介して発話タイプ付与部12に転
送される。これに応答して、発話タイプ付与部12で
は、各発話単位に発話タイプを付与する。発話タイプ
は、メモリ22内の発話タイプ辞書を参照して付与され
る。発話タイプ辞書を検索した結果は、次のようにな
る。
【0069】
【表20】 ─────────────────────────────────── 発話単位 表現パターン 発話タイプ ─────────────────────────────────── 「分かりました」 「分かりました」 [RESPONSE] 「お一人様禁煙席ですね」 「*ですね」 [RESPONSE] 「ファーストとコーチどちらが 「*どちらが*でしょうか」 [INITIATE] よろしいでしょうか」 ───────────────────────────────────
【0070】従って、発話単位「分かりました」と「お
一人様禁煙席ですね」とには、発話タイプ[RESPO
NSE]が付与される。また、発話単位「ファーストと
コーチどちらがよろしいでしょうか」には、発話タイプ
[INITIATE]が付与される。例えば、この結果
は、次のようなデータ形式で表現される。
【0071】
【表21】 ───────────────────────────── [[ID: 2-1] [話者: 駅員] [表現: 分かりました] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ───────────────────────────── [[ID: 2-2] [話者: 駅員] [表現: お一人様禁煙席ですね] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ───────────────────────────── [[ID: 2-3] [話者: 駅員] [表現: ファーストとコーチどちらがよろしいでしょうか] [発話タイプ: [INITIATE]]] ─────────────────────────────
【0072】表21に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話機能解析部13に転送される。こ
れに応答して、発話機能解析部13では、転送されてき
たすべての発話単位について、各発話単位毎に発話機能
を解析する。解析は、メモリ23内の発話機能解析ルー
ルベースに格納されているルールに従って行なわれる。
転送されてきた発話単位「分かりました」と、「お一人
様禁煙席ですね」は、どちらも発話タイプ「[RESP
ONSE]」である。また、この時点の発話状況情報中
には、発話機能「[応答]」が充足されていないパター
ン[PID:1]が存在する。従って、これらの発話単
位の発話機能は、「[応答]」であると決定される。ま
た、発話単位「ファーストとコーチどちらがよろしいで
しょうか」は、発話タイプ「[INITIATE]」で
あり、発話機能「[開始]」と決定される。例えば、こ
れらの結果は、次のようなデータ形式で表現される。
【0073】
【表22】 ───────────────────────────── [[ID: 2-1] [話者: 駅員] [表現: 分かりました] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [応答]]] ───────────────────────────── [[ID: 2-2] [話者: 駅員] [表現: お一人様禁煙席ですね] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [応答]]] ───────────────────────────── [[ID: 2-3] [話者: 駅員] [表現: ファーストとコーチどちらがよろしいでしょうか] [発話タイプ: [INITIATE]] [発話機能: [開始]]] ─────────────────────────────
【0074】表22に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話関係認識部14に転送される。こ
れに応答して、発話関係認識部14では、発話単位間の
関係が認識される。関係は、発話状況情報中のパターン
の特定、あるいは、パターンの生成を行なうことによっ
て認識される。認識は、メモリ24内の発話関係認識ル
ールベースに格納されているルールに従って行なわれ
る。発話単位「分かりました」と「お一人様禁煙席です
ね」は、発話機能「[応答]」であり、発話状況情報中
に発話機能[応答]が充足されていないパターンは、
[PID: 1]のみである。従って、これらの発話単
位は、このパターン[PID: 1]の発話機能[応
答]部を充足する。これは、例えば、次のようなデータ
形式で表現される。
【0075】
【表23】 ─────────────────────────────────── [[PID: 1] [[開始]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: ぼく一枚で禁煙席をお願いします] [ID: 1-1]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: 分かりました] [ID: 2-1]] [[表現: お一人様禁煙席ですね] [ID: 2-2]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0076】表23に示すこの結果から、下記の3つの
発話単位間の関係が認識された。
【0077】
【表24】
【0078】また、発話単位「ファーストとコーチどち
らがよろしいでしょうか」に対しては、新たなパターン
が生成される。同時に、このパターン中の発話機能[開
始]にこの発話単位が加えられる。例えば、この結果
は、次のようなる。
【0079】
【表25】 ─────────────────────────────────── [[PID: 2] [[開始]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ファーストとコーチどちらがよろし いでしょうか] [ID: 2-3]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: ?s2] [発話: [:LIST [[表現: ?uex2] [ID: ?uid2]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0080】表25に示すこれらのデータは、監視制御
部10を介して発話状況記録部16に転送される。これ
に応答して、発話状況記録部16では、転送されてきた
データに基づいて、発話状況情報メモリ25内の発話状
況情報を更新して付加する。ここでは、[PID:1]
が更新され、[PID:2]が加えられる。発話状況2
5の発話状況情報の格納状況は、次のようになる。
【0081】
【表26】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ───────────────────────── ([PID: 1] [PID: 2]) ─────────────────────────
【0082】<発話番号3>「お客 お値段はそれぞれ
いくらくらい違うんですか」の処理 発話番号「3」、発話者「お客」、発話表現「お値段は
それぞれいくらくらい違うんですか」が監視制御部10
に入力されると次のように処理が行なわれる。まず、発
話分割部11では、メモリ21内の発話分割辞書を参照
して、発話分割のトリガとなる表現を検索する。その結
果、表現「ですか」が検索される。この表現に対応する
分割位置は、「直後」と記述されている。従って、入力
発話表現を「ですか」の直後で分割する。入力発話表現
は、1個の発話単位になる。例えば、この発話単位は、
次のようなデータ形式で表現される。
【0083】
【表27】 ────────────────────────── [[ID: 3-1] [話者: お客] [表現: お値段はそれぞれいくらくらい違うんですか]] ──────────────────────────
【0084】表27に示すこの発話単位のデータは、監
視制御部10を介して発話タイプ付与部12に転送され
る。これに応答して、発話タイプ付与部12では、転送
されてきた発話単位に発話タイプを付与する。発話タイ
プは、メモリ22内の発話タイプ辞書を参照して付与さ
れる。発話タイプ辞書を参照すると、転送されてきた発
話単位と合致可能である表現パターン「*いくら*か」
が検索される。さらにこの表現パターンに対応する発話
タイプは、「[INITIATE]」である。従って、
この発話単位には、発話タイプ「[INITIAT
E]」が付与される。例えば、これは次のようなデータ
形式で表現される。
【0085】
【表28】 ─────────────────────────── [[ID: 3-1] [話者: お客] [表現: お値段はそれぞれいくらくらい違うんですか] [発話タイプ: [INITIATE]]] ───────────────────────────
【0086】表28に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話機能解析部13に転送される。こ
れに応答して、発話機能解析部13では、転送されてき
た発話単位の発話機能を解析する。転送されてきた発話
単位には、発話タイプ「[INITIATE]」が付与
されている。従って、発話機能は、「[開始]」と決定
される。例えば、この結果は、次のようなデータ形式で
表現される。
【0087】
【表29】 ────────────────────────── [[ID: 3-1] [話者: お客] [表現: お値段はそれぞれいくらくらい違うんですか] [発話タイプ: [INITIATE]] [発話機能: [開始]]] ──────────────────────────
【0088】表29に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して発話関係認識部14に転送される。これに応
答して、発話関係認識部14では、発話単位間の関係の
認識が行なわれる。処理は、転送されてきた発話単位
と、発話状況情報メモリ25から発話状況参照部15を
介して得られる発話状況情報とを参照しながら行なわれ
る。また、メモリ24内の発話関係認識ルールベースに
格納されているルールの記述内容に従って処理される。
この場合、ルールに従って新たなパターンが生成され
る。さらに生成されたパターン中の発話機能[開始]
に、転送されてきた発話単位が加えられる。例えば、処
理結果のデータは、次のように記述される。
【0089】
【表30】 ─────────────────────────────────── [[PID: 3] [[開始]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: お値段はそれぞれいくらくらい 違うんですか] [ID: 3-1]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: ?s2] [発話: [:LIST [[表現: ?uex2] [ID: ?uid2]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0090】表30に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話状況記録部16に転送される。こ
れに応答して、発話状況記録部16では、転送されてき
たデータに基づいて、発話状況情報メモリ25内の発話
状況情報の格納状況を更新する。例えば、更新後の発話
状況情報のデータは、次のようになる。
【0091】
【表31】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ──────────────────── ([PID: 1] [PID: 2] [PID: 3]) ────────────────────
【0092】<発話番号4>「駅員 片道ですかそれと
も往復をお買いになりますか」の処理 この時点で、発話番号「4」と、発話者「駅員」と、発
話表現「片道ですかそれとも往復をお買いになります
か」とが監視制御部10に入力されると、以下のように
処理が進む。まず、発話分割部11では、入力発話表現
を分割する。分割は、メモリ21内の発話分割辞書を参
照して行なわれる。発話分割辞書より発話分割のトリガ
となる表現「ですか」と、「ますか」が得られる。これ
らの表現に対応する分割位置は、どちらも「直後」であ
る。その結果、入力発話表現「片道ですかそれとも往復
をお買いになりますか」は、2個の発話単位、「片道で
すか」と「それとも往復をお買いになりますか」とに分
割される。例えば、これらのデータは、次のように表現
される。
【0093】
【表32】 ─────────────────────── [[ID: 4-1] [話者: 駅員] [表現: 片道ですか]] ─────────────────────── [[ID: 4-2] [話者: 駅員] [表現: それとも往復をお買いになりますか]] ───────────────────────
【0094】表32に示すこれらのデータは、監視制御
部10を介して発話タイプ付与部12に転送される。こ
れに応答して、発話タイプ付与部12では、転送されて
きた発話単位に発話タイプを付与する。発話タイプは、
メモリ22内の発話タイプ辞書を参照して付与される。
発話タイプ辞書の参照の結果、表現パターン「*です
か」と「*ますか」が検索される。発話タイプ辞書22
中では、これらに対応する発話タイプは、「[INIT
IATE]」と記述されている。従って、発話単位「片
道ですか」と「それとも往復をお買いになりますか」
は、どちらも発話タイプ[INITIATE]が付与さ
れる。例えば、この結果のデータは、次のように表現さ
れる。
【0095】
【表33】 ─────────────────────── [[ID: 4-1] [話者: 駅員] [表現: 片道ですか] [発話タイプ: [INITIATE]]] ─────────────────────── [[ID: 4-2] [話者: 駅員] [表現: それとも往復をお買いになりますか] [発話タイプ: [INITIATE]]] ───────────────────────
【0096】表33に示すこれらのデータは、監視制御
部10を介して発話機能解析部13に転送される。これ
に応答して、発話機能解析部13では、転送されてきた
発話単位の発話機能を解析する。解析は、メモリ23内
の発話機能解析ルールベースを参照して行なわれる。転
送されたきた2個の発話単位は、どちらも発話タイプ
は、[INITIATE]である。従って、とちらの発
話単位も直ちに発話機能「[開始]」と決定される。例
えば、これらの発話単位は、次のようなデータ形式で表
現される。
【0097】
【表34】 ─────────────────────── [[ID: 4-1] [話者: 駅員] [表現: 片道ですか] [発話タイプ: [INITIATE]] [発話機能: [開始]]] ─────────────────────── [[ID: 4-2] [話者: 駅員] [表現: それとも往復をお買いになりますか] [発話タイプ: [INITIATE]] [発話機能: [開始]]] ───────────────────────
【0098】表34に示すこれらのデータは、監視制御
部10を介して発話関係認識部14に転送される。これ
に応答して、発話関係認識部14では、転送されてきた
発話単位についての発話間の関係を認識するための処理
が行なわれる。この場合、発話タイプが「[INITI
ATE]」であり、新たなパターンが生成される。次い
で、生成されたパターン中の発話機能[開始]に転送さ
れてきた発話単位が加えられる。例えば、この処理結果
のデータは、次のようになる。
【0099】
【表35】 ─────────────────────────────────── [[PID: 4] [[開始]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: 片道ですか] [ID: 4-1]] [[表現: それとも往復をお買いになりますか] [ID: 4-2]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: ?s2] [発話: [:LIST [[表現: ?uex2] [ID: ?uid2]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0100】表35に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して発話状況記録部16に転送される。これに応
答して、発話状況記録部16では、転送されてきたデー
タを発話状況情報メモリ25内の発話状況情報にに加え
て更新する。例えば、その結果のデータは、次のように
なる。
【0101】
【表36】発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の
格納状況: ──────────────────── ([PID: 1][PID: 2][PID: 3][PID: 4]) ────────────────────
【0102】<発話番号5>「お客 片道で結構です」
の処理 次の発話の、発話番号「5」と、発話者「お客」と、発
話表現「片道で結構です」とが監視制御部10に入力さ
れると、発話分割部11に転送される。まず、発話分割
部11では、入力発話表現を発話単位に分割する。メモ
リ21内の発話分割辞書を参照すると発話分割のトリガ
になる表現「です」が検索される。発話分割辞書で、
「です」に対応して記述されている発話分割位置は、
「直後」である。従って、入力発話表現は、「です」の
「直後」で分割される。この結果得られる発話単位は、
「片道で結構です」の1個である。例えば、この発話単
位のデータは、次のように表現される。
【0103】
【表37】 ───────────── [[ID: 5-1] [話者: お客] [表現: 片道で結構です]] ─────────────
【0104】表37に示すこの発話単位のデータは、監
視制御部10を介して発話タイプ付与部12に転送され
る。これに応答して、発話タイプ付与部12では、転送
されてきた発話単位に発話タイプを付与する。発話タイ
プは、メモリ22内の発話タイプ辞書を参照して付与さ
れる。発話タイプ辞書を参照すると、転送されてきた発
話単位「片道で結構です」と一致する表現パターン「*
です」が検索される。辞書記述によると、この表現パタ
ーンと一致する表現には、発話タイプ「[RESPON
SE]」が付与される。例えば、この発話単位は、次の
ようなデータ形式で表現される。
【0105】
【表38】 ─────────────── [[ID: 5-1] [話者: お客] [表現: 片道で結構です] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ───────────────
【0106】表38に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して発話機能解析部13に転送される。これに応
答して、発話機能解析部13では、転送されてきた発話
単位について発話機能を解析する。解析は、メモリ23
内の発話機能解析ルールベースに格納されているルール
に従って行なわれる。転送されてきた発話単位「片道で
結構です」は、発話タイプ「[RESPONSE]」で
ある。一方、発話状況情報メモリ25から発話状況参照
部15を介して得られる発話状況情報中には、発話機能
「[応答]」が充足されていない3個のパターン、[P
ID: 2]、[PID: 3]、[PID: 4]が
存在する。従って、発話単位「片道で結構です」は、こ
れらのパターンのいづれかの発話機能「[応答]」を構
成し得るので、発話機能「[応答]」であると決定され
る。例えば、この結果のデータは、次のように表現され
る。
【0107】
【表39】 ─────────────── [[ID: 5-1] [話者: お客] [表現: 片道で結構です] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [応答]]] ───────────────
【0108】表39に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して発話関係認識14に転送される。これに応答
して、発話関係認識部14では、発話単位間の関係を認
識する。まず、発話機能解析部13から転送されてきた
発話単位と、発話状況情報メモリ25から発話状況参照
部15を介して提供される発話状況情報とを、メモリ2
4内の発話関係認識ルールベースに格納されているルー
ルと照合する。次いで、適合したルールに従って発話関
係を認識する。転送されてきた発話単位の発話機能は
「[応答]」であり、話者は「お客」である。また、発
話状況情報メモリ25から発話状況参照部15を介して
得られる発話状況情報中には、発話機能「[応答]」が
充足されていない3個のパターン、[PID: 2]、
[PID:3]、[PID: 4]が存在する。しかし
ながら、パターン[PID: 3]は、発話機能「[開
始]」を満たしている発話の話者が「お客」であり、発
話機能「[応答]」と同じ話者になってしまう。従っ
て、話者「お客」でかつ発話機能「[応答]」を満たし
得るパターンは、[PID: 2]、[PID: 4]
の2個である。この2個のパターンの中からより新しく
生成されたパターン[PID: 4]が選択され、この
パターンの発話機能「[応答]」に発話単位が加えられ
る。例えば、この結果のデータは次のように表現され
る。
【0109】
【表40】 ─────────────────────────────────── [[PID: 4] [[開始]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: 片道ですか] [ID: 4-1]] [[表現: それとも往復をお買いになりますか] [ID: 4-2]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: 片道で結構です] [ID: 5-1]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0110】表40に示すこのパターンにより、下記の
3つの発話単位間の関係が認識された。
【0111】
【表41】
【0112】表40に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話状況記録部16へ転送される。こ
れに応答して、発話状況記録部16では、転送されてき
たデータに基づいて発話状況情報メモリ25内の発話状
況情報を更新する。例えば、その結果のデータは、次の
ようになる。
【0113】
【表42】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ──────────────────── ([PID: 1] [PID: 2] [PID: 3] [PID: 4]) ────────────────────
【0114】<発話番号6>「駅員 コーチは片道です
と75ドルになりますファーストですと片道115ドル
になります」の処理 発話番号「6」と、発話者「駅員」と、発話表現「コー
チは片道ですと75ドルになりますファーストですと片
道115ドルになります」とが監視制御部10に入力さ
れると、まず、発話分割部11に転送される。これに応
答して、発話分割部11では、メモリ21内の発話分割
辞書を参照し、発話分割のトリガとなる表現「になりま
す」が得られる。このトリガに対応する分割位置は、
「直後」である。従って、入力発話表現は、「コーチは
片道ですと75ドルになります」と「ファーストですと
片道115ドルになります」の2個の発話単位に分割さ
れる。例えば、これらの発話単位のデータは、下記のよ
うに表現される。
【0115】
【表43】 ─────────────────────────── [[ID: 6-1] [話者: 駅員] [表現: コーチは片道ですと75ドルになります]] ─────────────────────────── [[ID: 6-2] [話者: 駅員] [表現: ファーストですと片道115ドルになります]] ───────────────────────────
【0116】表43に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話タイプ付与部12に転送される。
これに応答して、発話タイプ付与部12では、転送され
てきた発話単位に発話タイプを付与する。発話タイプ
は、メモリ22内の発話タイプ辞書を参照して付与され
る。発話タイプ辞書を参照すると転送されてきた発話単
位と照合可能である。表現パターン「*になります」が
検索される。この表現パターンに対応する発話タイプ
は、「[RESPONSE]」と記述されている。この
結果、これらの発話単位の発話タイプは、「[RESP
ONSE]」と決定される。例えば、これらの発話単位
は、次のようなデータ形式で表現される。
【0117】
【表44】 ────────────────────────── [[ID: 6-1] [話者: 駅員] [表現: コーチは片道ですと75ドルになります] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ────────────────────────── [[ID: 6-2] [話者: 駅員] [表現: ファーストですと片道115ドルになります] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ──────────────────────────
【0118】表44に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して発話機能解析部13に転送される。これに応
答して、発話機能解析部13では、転送されてきた発話
単位の発話機能を決定する。これらの発話単位の発話タ
イプは、「[RESPONSE]」である。また、この
時点で、発話状況情報メモリ25から発話状況参照部1
5を介して得られた発話状況情報中には、発話機能
「[応答]」が充足されていない2個のパターン、[P
ID: 2]、[PID: 3]、が存在する。このた
め、これらの発話単位は、発話機能「[応答]」である
と決定される。例えば、これらの発話単位のデータは、
次のように記述される。
【0119】
【表45】 ─────────────────────────── [[ID: 6-1] [話者: 駅員] [表現: コーチは片道ですと75ドルになります] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [応答]]] ─────────────────────────── [[ID: 6-2] [話者: 駅員] [表現: ファーストですと片道115ドルになります] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [応答]]] ───────────────────────────
【0120】表45に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話関係認識部14に転送される。こ
れに応答して、発話関係認識部14では、発話単位間の
関係が認識される。認識は、発話状況情報中のパターン
の特定、あるいは、パターンの新規生成を通して行なわ
れる。処理は、メモリ24内の発話関係認識ルールベー
スに格納されているルールに従って行なわれる。発話状
況情報中には、発話機能「[応答]」が充足されていな
い2個のパターン、[PID: 2]、[PID:
3]が存在する。しかしながら、パターン[PID:
2]は、発話機能「[開始]」を満たしている発話の話
者が「駅員」であり、発話機能「[応答]」と同じ話者
になってしまう。従って、話者「駅員」でかつ発話機能
「[応答]」を満たし得るパターンは、[PID:
3]である。従って、この2個のパターンの中からパタ
ーン[PID: 3]が選択され、このパターンの発話
機能「[応答]」に発話単位が加えられる。例えば、こ
の結果のデータは次のように表現される。
【0121】
【表46】 ─────────────────────────────────── [[PID: 3] [[開始]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: お値段はそれぞれいくらくらい 違うんですか] [ID: 3-1]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: コーチは片道ですと75ドルに なります] [ID: 6-1]]]] [[表現: ファーストですと片道115ド ルになります] [ID: 6-2]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0122】表46に示すこのパターンにより、下記の
3つの発話単位間の関係が認識される。
【0123】
【表47】
【0124】表47に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話状況記録部16へ転送される。こ
れに応答して、発話状況記録部16では、転送されてき
たデータに基づいて発話状況情報メモリ25内の発話状
況情報を更新する。例えば、その結果のデータは、次の
ようになる。
【0125】
【表48】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ──────────────────── ([PID: 1] [PID: 2] [PID: 3] [PID: 4]) ────────────────────
【0126】<発話番号7>「お客 じゃあコーチの方
をお願いします」の処理 さらに、発話番号「7」と、発話者「お客」と、 発話
表現「じゃあコーチの方をお願いします」とが監視制御
部10に入力されると以下のように処理される。まず、
発話分割部11では、メモリ21内の発話分割辞書を参
照することによって、発話表現分割のトリガになる表現
「します」とこれに対応して記述されている分割位置
「直後」が得られる。この参照結果に従って、入力発話
表現を発話単位に分割する。この入力発話表現「じゃあ
コーチの方をお願いします」は、1個の発話単位にな
る。例えば、この発話単位のデータは次のように表現さ
れる。
【0127】
【表49】 ───────────────────── [[話者: お客] [表現: じゃあコーチの方をお願いします] [ID: 7-1]] ─────────────────────
【0128】表49に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話タイプ付与部12に転送される。
これに応答して、発話タイプ付与部12では、転送され
てきた発話単位に発話タイプを付与する。このとき、メ
モリ22内の発話タイプ辞書を参照され、この辞書より
表現パターン「*お願いします」が検索される。辞書中
では、この表現パターンに対応して発話タイプ「[RE
SPONSE]」が記述されている。従って、発話単位
「じゃあコーチの方をお願いします」には、発話タイプ
「[RESPONSE]」が付与される。例えば、この
結果のデータは、次のように表現される。
【0129】
【表50】 ────────────────────── [[話者: お客] [表現: じゃあコーチの方をお願いします] [ID: 7-1] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ──────────────────────
【0130】表50に示すデータは、監視制御部10を
介して発話機能解析部13に転送される。これに応答し
て、発話機能解析部13では、転送されてきた発話単位
の発話機能を解析する。解析は、発話状況参照部15か
ら転送されてくる発話状況情報と、メモリ23内の発話
機能解析ルールベースを参照して行なわれる。転送され
てきた発話単位には、発話タイプ「[RESPONS
E]」が付与されている。また、発話状況情報中には、
発話機能「[応答]」が充足されていないパターン[P
ID: 2]が存在する。従って、この発話単位の発話
機能は、「[応答]」と決定される。例えば、この結果
は、次のようなデータ形式で表現される。
【0131】
【表51】 ────────────────────── [[話者: お客] [表現: じゃあコーチの方をお願いします] [ID: 7-1] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [応答]]] ──────────────────────
【0132】表51に示すデータは、監視制御部10を
介して発話関係認識部14に転送される。これに応答し
て、発話関係認識部14では、発話間の関係の認識が行
なわれる。認識は、発話状況情報メモリ25から発話状
況参照部15を介して転送されてくる発話状況情報を参
照しながら行なわれる。この認識は、発話間の関係のパ
ターンを生成したり、特定したりすることにより行なわ
れる。パターンの生成や特定は、メモリ24内の発話関
係認識ルールベースに格納されているルールに従って行
なわれる。転送されてきた発話単位「じゃあコーチの方
をお願いします」の発話機能「[応答]」である。ま
た、発話状況情報中には、発話機能[応答]が充足され
ていないパターン、[PID: 2]が存在する。このパタ
ーンの発話機能[開始]の話者は、「駅員」であり、転
送されてきた発話単位の話者「お客」と異なっている。
従って、この発話単位は、このパターン[PID: 2]の
発話機能[応答]を充足することが可能である。以上よ
り、このパターンが選択され、この発話機能[応答]に
発話単位が加えられる。例えば、この結果のデータは、
次のように表現される。
【0133】
【表52】 ─────────────────────────────────── [[PID: 2] [[開始]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ファーストとコーチどちらがよろ しいでしょうか] [ID: 2-3]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: じゃあコーチの方をお願いします] [ID: 7-1]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ?uex3] [ID: ?uid3]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0134】上記表52に示すこのパターンにより、下
記の2つの発話単位間の関係が認識できた。
【0135】
【表53】
【0136】表52に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話状況記録部16へ転送される。こ
れに応答して、発話状況記録部16では、転送されてき
たデータに基づいて発話状況情報メモリ25内の発話状
況情報を更新する。例えば、その結果のデータは、次の
ようになる。
【0137】
【表54】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ──────────────────── ([PID: 1] [PID: 2] [PID: 3] [PID: 4]) ────────────────────
【0138】<発話番号8>「駅員 分かりました」の
処理 この時点で、発話番号「8」と、発話者「駅員」と、発
話表現「分かりました」とが監視制御部10に入力され
ると以下のように処理が行なわれる。この発話表現のデ
ータは、まず、発話分割部11に転送される。これに応
答して、発話分割部11では、入力発話表現が発話単位
毎に分割される。分割は、メモリ22内の発話分割辞書
を参照して行なわれる。参照の結果、発話分割のトリガ
となる表現「分かりました」が検索される。辞書中で、
このトリガに対応する分割位置は、「両端」と記述され
ている。従って、入力発話表現はトリガ「分かりまし
た」と一致する部分の両端で分割される。この結果、こ
の入力発話表現は、1個の発話単位「分かりました」に
なる。例えば、これは、下記のデータ形式で表現され
る。
【0139】
【表55】 ───────────── [[ID: 8-1] [話者: 駅員] [表現: 分かりました]] ─────────────
【0140】表55に示すこのデータは、監視制御部1
0を介して発話タイプ付与部12に転送される。これに
応答して、発話タイプ付与部12では、転送されてきた
発話単位に発話タイプが付与される。付与は、メモリ2
2内の発話タイプ辞書を参照して行なわれる。参照の結
果、転送されてきた発話単位と一致可能である表現パタ
ーン「分かりました」が検索される。辞書中で、この表
現パターン「分かりました」に対応する発話タイプは、
「[RESPONSE]」と記述されている。従って、
この発話単位には、発話タイプ「[RESPONS
E]」が付与される。例えば、この結果のデータは、次
のように表現される。
【0141】
【表56】 ─────────────── [[ID: 8-1] [話者: 駅員] [表現: 分かりました] [発話タイプ: [RESPONSE]]] ───────────────
【0142】表56に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話機能解析部13に転送される。こ
れに応答して、発話機能解析部13では、転送されてき
た発話単位の発話機能を解析して決定する。転送されて
きた発話単位には、発話タイプ「[RESPONS
E]」が付与されている。この発話単位の充足し得る発
話機能の候補として[応答]と[補足]が挙げられる。
発話状況情報メモリ25から発話状況参照部15を介し
て転送されてきた発話状況情報中のすべてのパターン
は、すでに発話機能[応答]が充足されている。従っ
て、発話機能は、「[補足]」と決定される。例えば、
この結果は、次のようなデータ形式で表現される。
【0143】
【表57】 ────────────── [[ID: 8-1] [話者: 駅員] [表現: 分かりました] [発話タイプ: [RESPONSE]] [発話機能: [補足]]] ──────────────
【0144】表57に示すこの結果のデータは、監視制
御部10を介して発話関係認識部14に転送される。こ
れに応答して、発話関係認識部14では、発話単位間の
関係を認識する。発話単位間の関係の認識は、発話状況
情報メモリ25から発話状況参照部15を介して転送さ
れてくる発話状況情報を参照して行なわれる。発話単位
間の関係は、転送されてきた発話単位が属し得るパター
ンを発話状況中で特定することによって認識される。転
送されてきた発話単位の発話機能は、「[補足]」であ
る。発話状況情報中で発話機能「[補足]」が充足され
ていないパターンは、下記の4個のパターンである。
【0145】
【表58】 ────────────────────────────── [PID: 1] 、 [PID: 2]、 [PID: 3]、 [PID: 4] ──────────────────────────────
【0146】表58に示す4個のパターンの中から、1
個のパターンが決定される。発話単位の話者は、「駅
員」である。発話機能「[補足]」であり、かつ、話者
が「駅員」の発話単位が属し得るパターンは、[PI
D: 2]、 [PID: 4]の2個である。この2
個のパターンの中で、より新しく発話機能[応答]を充
足されたパターンは、[PID: 2]である。従っ
て、発話単位「分かりました」が、属し得るパターン
は、[PID: 2]と決定される。例えば、この結果
のデータは、次のように表現される。
【0147】
【表59】 ─────────────────────────────────── [[PID: 2] [[開始]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: ファーストとコーチどちらがよろ しいでしょうか] [ID: 2-3]]]] [発話タイプ: [INITIATE]]] [[応答]: [話者: お客] [発話: [:LIST [[表現: じゃあコーチの方をお願いします] [ID: 7-1]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]] [[補足]: [話者: 駅員] [発話: [:LIST [[表現: 分かりました] [ID: 8-1]]]] [発話タイプ: [RESPONSE]]]] ───────────────────────────────────
【0148】表59に示すこのパターンにより、下記の
3個の発話単位間の関係が認識できる。
【0149】
【表60】
【0150】上記表59に示すこの結果のデータは、監
視制御部10を介して発話状況記録部16へ転送され
る。これに応答して、発話状況記録部16では、転送さ
れてきたデータに基づいて発話状況情報メモリ25内の
発話状況情報を更新する。例えば、その結果のデータ
は、次のようになる。
【0151】
【表61】 発話状況情報メモリ25中の発話状況情報の格納状況: ──────────────────── ([PID: 1] [PID: 2] [PID: 3] [PID: 4]) ────────────────────
【0152】以上説明したように、上記の動作を経て、
本装置は、表13に示す対話例中の発話間の関係を認識
する。認識された発話間の関係は、下記の通りである。
すなわち、表62から明らかなように、それぞれ3つの
文の間で密接な関係が存在することを認識することがで
きる。
【0153】
【表62】
【0154】図2は、図2の発話関係認識装置100を
用いた、話者Aと話者Bとの間の対話音声翻訳システム
のブロック図であり、音声認識部202,212、音声
合成部207,217及び言語翻訳装置200は公知の
如く構成される。ここで、例えば、話者Aは、日本語を
話す日本人であり、話者Bは英語を話す英国人である。
【0155】図2において、話者Aの発話音声は、マイ
クロホン201に入力されて音声信号に変換された後、
音声認識部202に入力される。音声認識部202は、
入力される音声信号をA/D変換した後LPC分析を実
行してケプストラム係数などの所定の複数の特徴パラメ
ータを抽出し、これに基づいて、例えば音素HMMを参
照して音素認識するとともに、例えば自由文脈文法を参
照して音声認識を実行することにより、上記発話音声の
音声文の文字列を言語解析部203及び発話関係認識装
置100に出力する。発話関係認識装置100は、入力
される発話音声の文字列に基づいて、上述のように、発
話関係認識処理を実行して発話関係認識結果のデータを
言語解析部203と意味解析部204に出力する。言語
解析部203は、入力される発話音声の文字列に基づい
て、例えば形態素辞書と、上記発話関係認識結果のデー
タを参照して、言語解析を行って言語解析結果のデータ
を意味解析部204に出力する。これに応答して、意味
解析部204は、入力される言語解析結果のデータに基
づいて、例えば意味辞書と、上記発話関係認識結果のデ
ータを参照して、言語解析を行って、上記発話音声の文
字列と言語解析結果のデータを言語翻訳部205に出力
する。
【0156】これに応答して、言語翻訳部205は、入
力される上記発話音声の文字列と言語解析結果のデータ
に基づいて、例えば言語変換規則を参照して和文英訳を
実行して英訳結果の文字列を言語生成部206に出力す
る。これに応答して、言語生成部206は、入力される
英訳結果の文字列に基づいて、例えば英語形成規則を参
照して言語生成を実行して、上記発話音声の日本語文字
列に対応する英語文字列を音声合成部207に出力す
る。これに応答して、音声合成部207は、白色雑音源
とパルス発生器とを備えて、入力される英語文字列を音
声合成して音声信号を発生し、スピーカ208に出力す
ることにより、英語の翻訳後音声を出力する。従って、
話者Aの日本語の発話音声がマイクロホン201に入力
され、英語の発話音声に変換されて、スピーカ208に
出力される。
【0157】一方、音声認識部212と、言語解析部2
13と、意味解析部214と、言語翻訳部215と、言
語生成部216と、音声合成部217とはそれぞれ、言
語の違いを除いて、音声認識部202と、言語解析部2
03と、意味解析部204と、言語翻訳部205と、言
語生成部206と、音声合成部207と同様に動作す
る。従って、話者Aの日本語の発話音声がマイクロホン
201に入力され、英語の発話音声に変換されて、スピ
ーカ208に出力される。
【0158】以上説明したように、図2の対話音声翻訳
システムにおいては、言語解析及び意味解析を実行する
ときに、発話関係認識装置100から出力される発話関
係認識結果のデータを参照して、対話文の解析を実行し
ている。これにより、対話中の適切な先行情報に基づい
て翻訳することができるので、他の言語へのより正確な
翻訳を行なうことができる。
【0159】以上説明したように、本実施形態の発話関
係認識装置100によれば、入力される発話間の関係を
対話の進行にともなって漸進的に認識し出力することが
できる発話関係認識装置100を提供することができ
る。これにより、人間の複雑な内容を含んでいるにも関
わらず簡潔な表現である入力発話を、対話中で先行して
入力されている発話中の情報に基づいて処理することが
可能となる。また、本実施形態の発話関係認識装置10
0を、例えば、対話音声翻訳システムに適用することに
よって、対話中の適切な先行情報に基づいて翻訳するこ
とができるので、他の言語へのより正確な翻訳を行なう
ことができる。さらに、本実施形態の発話関係認識装置
100を、人間との音声対話により情報を授受し、ある
いは、命令を受けることにより様々な処理を行なう音声
対話システムに適用することによって、音声発話により
提供される情報を統合的に利用することができ、より適
切な処理を行なうことができる。
【0160】<変形例>以上の実施形態においては、人
間と人間との間の対話において、相互に交わされる発話
間の関係を認識するための発話関係認識装置100につ
いて述べているが、本発明はこれに限らず、人間と機械
(デジタル計算機)との間の対話において、相互に交わ
される発話間の関係を認識するための発話関係認識装置
に適用することができる。
【0161】以上の実施形態において、種々の辞書に定
義した値を用いているが、これらの値は設計値であり必
要に応じて変更してもよい。
【0162】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る発話関
係認識装置によれば、人間と人間との間、又は人間と機
械の間の対話において、相互に交わされる発話間の関係
を認識するための発話関係認識装置であって、各表現に
対する分割位置を示す所定の発話分割辞書を参照して、
入力された発話表現の文字列を、発話中で発話タイプを
有する最短の表現である発話単位に分割して、分割され
た発話単位を出力する発話分割手段と、各発話表現パタ
ーンに対する発話タイプを示す所定の発話タイプ辞書を
参照して、上記発話分割手段から出力された発話単位に
対して、発話表現が属する類型を示す発話タイプを付与
して出力する発話タイプ付与手段と、各発話タイプに対
する発話状況情報の状態に関する記述を表わす条件部
と、その条件部を満たしたときに発話単位が取り得る発
話間関係上の発話機能を示す実行部とから構成され、発
話単位が有する発話機能を決定するルールを含む所定の
発話機能解析ルールベースを参照して、上記発話タイプ
付与手段から出力される発話タイプに基づいて発話機能
を決定して出力する発話機能解析手段と、各発話機能に
対する発話状況情報の状態に関する記述を表わす条件部
と、その条件部を満たしたときに発話機能が取り得る発
話間の関係を示す実行部とから構成され、発話機能が有
する発話関係を決定するルールを含む所定の発話関係認
識ルールベースを参照して、上記発話機能解析手段から
出力される発話機能に基づいて発話関係を決定して出力
する発話関係認識手段とを備える。
【0163】従って、入力される発話間の関係を対話の
進行にともなって漸進的に認識し出力することができる
発話関係認識装置を提供することができる。これによ
り、人間の複雑な内容を含んでいるにも関わらず簡潔な
表現である入力発話を、対話中で先行して入力されてい
る発話中の情報に基づいて処理することが可能となる。
また、本発明の発話関係認識装置を、例えば、対話音声
翻訳システムに適用することによって、対話中の適切な
先行情報に基づいて翻訳することができるので、他の言
語へのより正確な翻訳を行なうことができる。さらに、
本発明の発話関係認識装置を、人間との音声対話により
情報を授受し、あるいは、命令を受けることにより様々
な処理を行なう音声対話システムに適用することによっ
て、音声発話により提供される情報を統合的に利用する
ことができ、より適切な処理を行なうことがができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である発話関係認識
装置のブロック図である。
【図2】 図2の発話関係認識装置を用いた対話音声翻
訳システムのブロック図である。
【図3】 図1の監視制御部によって実行される監視制
御処理の第1の部分を示すフローチャートである。
【図4】 図1の監視制御部によって実行される監視制
御処理の第2の部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…監視制御部、 11…発話分割部、 12…発話タイプ付与部、 13…発話機能解析部、 14…発話関係認識部、 15…発話状況参照部、 16…発話状況記録部、 21…発話分割辞書メモリ、 22…発話タイプ辞書メモリ、 23…発話機能解析ルールベースメモリ、 24…発話関係認識ルールベースメモリ、 25…発話状況メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石崎 雅人 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール音声翻 訳通信研究所内 (72)発明者 森元 逞 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール音声翻 訳通信研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人間と人間との間、又は人間と機械の間
    の対話において、相互に交わされる発話間の関係を認識
    するための発話関係認識装置であって、 各表現に対する分割位置を示す所定の発話分割辞書を参
    照して、入力された発話表現の文字列を、発話中で発話
    タイプを有する最短の表現である発話単位に分割して、
    分割された発話単位を出力する発話分割手段と、 各発話表現パターンに対する発話タイプを示す所定の発
    話タイプ辞書を参照して、上記発話分割手段から出力さ
    れた発話単位に対して、発話表現が属する類型を示す発
    話タイプを付与して出力する発話タイプ付与手段と、 各発話タイプに対する発話状況情報の状態に関する記述
    を表わす条件部と、その条件部を満たしたときに発話単
    位が取り得る発話間関係上の発話機能を示す実行部とか
    ら構成され、発話単位が有する発話機能を決定するルー
    ルを含む所定の発話機能解析ルールベースを参照して、
    上記発話タイプ付与手段から出力される発話タイプに基
    づいて発話機能を決定して出力する発話機能解析手段
    と、 各発話機能に対する発話状況情報の状態に関する記述を
    表わす条件部と、その条件部を満たしたときに発話機能
    が取り得る発話間の関係を示す実行部とから構成され、
    発話機能が有する発話関係を決定するルールを含む所定
    の発話関係認識ルールベースを参照して、上記発話機能
    解析手段から出力される発話機能に基づいて発話関係を
    決定して出力する発話関係認識手段とを備えたことを特
    徴とする発話関係認識装置。
JP8228192A 1996-08-29 1996-08-29 発話関係認識装置 Pending JPH1069292A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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