JPH1052607A - フィルタエレメントおよびフィルタ装置 - Google Patents

フィルタエレメントおよびフィルタ装置

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JPH1052607A
JPH1052607A JP8210776A JP21077696A JPH1052607A JP H1052607 A JPH1052607 A JP H1052607A JP 8210776 A JP8210776 A JP 8210776A JP 21077696 A JP21077696 A JP 21077696A JP H1052607 A JPH1052607 A JP H1052607A
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JP8210776A
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English (en)
Inventor
Kazuki Matsubara
一樹 松原
Masahiro Tomita
正広 冨田
Sadahito Fukumori
貞仁 福盛
Toshihiro Takahara
敏広 高原
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部へのゴミ等の異物の侵入を防止すること
ができるフィルタエレメントおよびこれを用いたフィル
タ装置を提供すること。 【解決手段】 フィルタエレメント2は、星型あるいは
菊花型に形成された筒状の濾材21と、その両端面を塞
ぐように貼りつけられた端板22、23と、濾材21の
内側のクリーンサイドを実質的に閉塞するように端板2
2、23の表面に取り付けられた不織布よりなる端板シ
ール24、25とを含んで構成される。フィルタエレメ
ント2は、脱着可能な底部と蓋部の内部に収納されるも
のであり、組付け時には端板シール25に形成されたス
リット26を押し開くように蓋部の軸が挿入され、クリ
ーンサイドと外部との気密が保たれる。単独で保管等を
行う際には内部のクリーンサイドが閉塞されるため、異
物の侵入が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンオイル等
の濾過を行うフィルタエレメントおよびこれを収納した
フィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられるフィルタ装置は、エン
ジンオイルの循環系で発生する金属粉や燃料の不完全燃
焼により発生する燃焼カーボン等のスラッジを循環オイ
ル中から濾過し潤滑部に清浄なオイルを供給するもので
ある。一般には、筒型容器内にフィルタエレメントを収
納した状態で、オイルの出入口が形成された底板を巻き
締めする使い捨て形のフィルタ装置が汎用されている。
【0003】ところが、最近では省資源等の観点から、
内部に封入されたフィルタエレメントのみを取り出して
交換することにより、容器が繰り返し使用でき、リサイ
クルが可能なフィルタ装置が見直されている。ドイツ国
公開特許第4243217号に記載された液体フィルタ
は、分割可能な底部と蓋部を有しており、その内部にフ
ィルタエレメントを収納する構造を有している。したが
って、フィルタエレメントの交換時期がきた場合にはこ
の底部と蓋部を分割してフィルタエレメントのみを取り
出して交換することができる。
【0004】また、フィルタエレメントの従来技術とし
ては、特開平7−185218号公報に開示されたフィ
ルタ装置がある。このフィルタ装置は、不織布を使用し
た中央部分が開口した支持リングをフィルタエレメント
の端板に組み込んだものであり、径方向シールが可能と
なっている。このフィルタエレメントを上述したリサイ
クルが可能なフィルタ装置に使用することも考えられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルタエ
レメントのみが交換可能なフィルタ装置はフィルタエレ
メントのみが取引きされ、保管等が行われるため、フィ
ルタエレメント内部の所謂クリーンサイド側にゴミが侵
入しないようにする必要がある。上述したドイツ国公開
特許第4243217号に記載された液体フィルタに用
いられるフィルタエレメントは、フィルタエレメントの
両端にフィルタエレメントの内径より小さい内径を有す
る環状プレートを有し、これによりオイルシールを行う
構造であるが、交換用フィルタエレメントの保管や流通
を特に考慮したわけではないので、フィルタエレメント
単体ではクリーンサイド側へのゴミ等の侵入を防止する
ことができないという問題がある。ゴミ等が侵入したフ
ィルタエレメントを組付けた液体フィルタを使用した場
合には、エンジン潤滑系内にゴミが侵入するため、ゴミ
等の侵入防止対策が必要となる。例えば、ビニールフィ
ルム等でフィルタエレメントの両端にカバーを設けた
り、フィルタエレメントを常にビニール袋に収納してお
く等の対策が考えられるが、保管等のために部品点数や
作業工数が増えることになるため好ましくない。
【0006】また、特開平7−185218号公報に開
示されたフィルタ装置についても同様であり、フィルタ
エレメントの保管や流通を特に考慮したわけではないの
で、フィルタ単体ではクリーンサイド側へのゴミ等の侵
入を防止することができず、何らかの対策が必要とな
る。
【0007】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は内部へのゴミ等の異物の侵入
を防止することができるフィルタエレメントおよびこれ
を用いたフィルタ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルタエレメ
ントは、濾材とシート状部材とを有しており、このシー
ト状部材を押し開いたときに、所定の空間に連通する開
口部が形成される。したがって、シート状部材を押し開
くまでの間、すなわちこのフィルタエレメントを容器に
収納するまでの間は、内部に形成される所定の空間が外
部から遮断された状態となるため、ゴミ等の異物の侵入
を防止することができる。これにより、包装の簡素化を
図ってもよく、例えば保管や流通の際のゴミ侵入防止の
フィルムカバー、ビニール袋への収納を不要としてもよ
い。また、この異物侵入が防止可能なシート状部材によ
ってシール部材を兼ねることも可能であり、この場合に
は部品点数の増加がなく、製造時の作業工数の低減が可
能となる。
【0009】また、本発明のフィルタエレメントは、上
述したシート状部材よりも硬い開口区画部材によって開
口部を区画し、シート状部材のシール部材をこの開口区
画部材に沿って開口部の内側に配置可能とすることによ
り、シール部材によるシール機能を充分発揮させること
ができる。
【0010】具体的には、上述した濾材を筒状に形成す
るとともに、シート状部材をこの濾材の少なくとも一方
の端面に設けることにより、所定の空間をシート状部材
によって区間することが可能となり、上述した異物侵入
防止等の効果を生じさせることができる。
【0011】また、上述したシート状部材は、複数本の
切り込みによって分割された複数の舌片を有しており、
開口部を形成する際に容易に押し開くこができる。特
に、シール部材を兼ねる場合には切り込みの位置をシー
ル部材として機能する場合の最内周位置より内側に形成
することが好ましく、このような位置に切り込みを形成
した場合には、シール部材として機能する部分に切り込
みの一部がかからないため、切り込みを入れたことによ
る作業性向上とともにシール部材としての機能を確保す
ることができる。
【0012】上述した切り込みは、互いに連続している
必要はなく、部分的に不連続に形成、あるいはシート状
部材を貫通しないように一方の面だけに形成してもよ
い。この場合には、破断する前はシート状部材がつなが
っているため、不用意に一部が折れ曲がることを防止す
ることができる。上述した切り込みは、シート状部材を
押し開く際の偏りを防止するために、シート状部材の中
心から放射状に形成することが好ましい。
【0013】また、本発明のフィルタエレメントは、内
側空間に連通可能な開口部をその外周から内周に向けて
延び出した複数の可動片により実質的に閉塞しており、
開口部から内側空間への異物侵入を防止することができ
る。具体的には、この可動片は、シート状部材に形成し
た複数の切り込みに沿って分割された舌片により構成す
ることができ、これら各舌片を押し開くことにより上述
した開口部を容易に外部に臨ませることができる。ま
た、上述したシート状部材がシール部材を備えることに
より、別にシール部材が必要な場合と比べて部品点数を
削減でき、製造時の作業行程の簡略化も可能となる。
【0014】また、本発明のフィルタ装置は、上述した
フィルタエレメントを脱着可能な底部と蓋部によって収
納することにより構成されている。収納前の状態におい
ては、フィルタエレメント内の所定の空間がシート状部
材によって閉塞されているため、フィルタエレメント交
換までの保管時等に内部空間への異物侵入を防止するこ
とができる。また、フィルタエレメント交換時にはシー
ト状部材を底部と蓋部の少なくとも一方に形成された軸
によって押し開くだけでよいため、異物侵入防止用に用
意したビニールフィルム等を取り除く場合に比べると、
作業の手間を省くことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のフィルタエレメントは、
フィルタ装置の容器に収納されるとともに使用後は交換
が可能であり、エレメント単体で保管等を行った場合で
あっても内部のクリーンサイド側への異物侵入を防止で
きる点に特徴がある。以下、本発明を適用した一の実施
形態のフィルタエレメントとこれを用いたフィルタ装置
について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】図1は、本発明を適用した一実施形態のフ
ィルタ装置全体の断面構造を示す図である。同図に示す
ように、本実施形態のフィルタ装置1は、濾材を含むフ
ィルタエレメント2と、オイルの取入口31と取出口3
2とが一部に形成された底部3と、底部3とともにフィ
ルタエレメント2を収納する蓋部4とを含んで構成され
ている。これら底部3と蓋部4とによりフィルタエレメ
ント2を収容するハウジングが形成される。このフィル
タ装置1は、所定の交換時期がきたときに、内部に収容
したフィルタエレメント2を交換することができるよう
に、蓋部4と底部3とが脱着可能な構成を有している。
【0017】フィルタエレメント2は、濾過面積を大き
くするために星型あるいは菊花型などの多数のひだを有
する形状にひだ折りして形成された筒状の濾材21と、
その両端面にひだ端面を塞ぐように貼りつけられた中央
開口部22a、23aを有する紙製の端板22、23
と、収納前の状態において濾材21の内側のクリーンサ
イド空間を実質的に閉塞するように端板22、23の表
面にそれらの中央開口部22a、23aを覆って取り付
けられた不織布よりなるシート状部材としての端板シー
ル24、25とを含んで構成される。このように、フィ
ルタエレメント2は内側空間を形成する袋状に形成され
ており、その内側空間に連通可能な開口部を持ってい
る。しかも、この内側空間は主として濾材21によって
区画されるがその一部では端板シール24、25でも区
画されている。
【0018】なお、開口部22a、23aを区画形成す
る開口区画部材としての端板22、23は、開口部から
径方向に広がる平板状であり、濾材21との接着によっ
て開口部においてその径方向に関して端板シール24、
25より十分硬く形成されている。また、フィルタエレ
メント2は、所定の交換時期に取り外して廃棄されるも
のであり、焼却による廃棄を可能とするために、金属材
料の部品を排除した構造となっている。また、端板シー
ル24、25の詳細については後述する。
【0019】底部3は、取入口31を介して取り込んだ
オイルの逆流を防止するための逆止弁33と、フィルタ
エレメント2を交換時期が過ぎて使用している場合等に
濾材21が目詰まりを起こしたときにバイパス路を形成
するリリーフバルブ34と、フィルタエレメント2を取
り付けたときにその内部に挿入される軸35とを含んで
構成される。また、底部3の端面であって取入口31の
外周側には、リング状のパッキングであるガスケット3
6を嵌め込むために環状溝37が形成されている。上記
軸35は筒状に形成され、上記逆止弁33とリリーフバ
ルブ34とを保持固定するリテーナとして設けられると
ともに、先端に開口35aを有する出口管として設けら
れている。
【0020】蓋部4は、フィルタエレメント2の収納時
に内部の気密性を保持するために外周側に取り付けられ
るOリング41と、フィルタエレメント2の収納時にフ
ィルタエレメント2の一方の端板シール25の外周環状
部25aを部分的に押圧することによりフィルタエレメ
ント2の固定をするスプリング42と、フィルタエレメ
ント2の収納時にその内部に挿入される軸43とを含ん
で構成される。この軸43は、フィルタエレメント2の
径方向の位置決めとフィルタエレメント2にオイルが外
周から内側へ流入する際の圧力によるエレメント変形を
防ぐプロテクタの機能を有する。この軸43は、完全な
円柱状の根元部43aと、そこから延びる十字断面の先
端部43bとを有する。また、蓋部4の端面には、脱着
用工具穴44が形成されており、フィルタエレメント2
を交換する際には脱着用工具をこの穴44にセットし
て、一体的に組付いた状態にある底部3と蓋部4とを分
離することも可能である。
【0021】このような構造を有するフィルタ装置1が
車両に取り付けられ、図示しないエンジンに連動してオ
イルポンプが動作すると、濾過前の汚染オイルが取入口
31を介して流入し、逆止弁33を押し開いてフィルタ
エレメント2の外周側と底部3および蓋部4の内周側と
の間を上昇する。そして、濾材21を外側から内側へ通
過することによって汚染オイルは濾過され、濾過された
オイルは底部3の軸35内を通って取出口32を介して
排出される。
【0022】図2は、フィルタエレメント2の詳細を示
す外観斜視図である。上述したように、濾材21の端面
を覆うように端板23が貼りつけられており、この中央
部分に形成された開口部23aをさらに覆うように端板
シール25が取り付けられている。また、この端板シー
ル25には複数本の切り込みであるスリット26が開口
部23aに対応して放射状に形成されて、複数の可動片
としての舌片25b〜eに分割されている。図1に示す
蓋部4を底部3に組み付けたときに、蓋部4の軸43が
スリット26を押し開いて舌片25b〜eを内側に折り
曲げ、各舌片25b〜eがフィルタエレメント2のクリ
ーンサイド側に進入するようになっている。このよう
に、端板シール25は、舌片25b〜eを折り曲げるこ
とにより開口区画部材としての端板23に形成された開
口部23aの内側に配置可能となっている。なお、他方
の端板22表面に取り付けられた端板シール24も同様
の形状を有しており、複数本のスリットを押し開いて底
部3の軸35がフィルタエレメント2のクリーンサイド
側に進入するようになっている。このように、フィルタ
エレメント2の内側空間に連通する開口が可動片として
の舌片で覆われることで、この開口の実質的な閉塞とそ
れらを押し開くことによる開口の開放とが可能となって
いる。
【0023】図3は、端板シール25の詳細形状を示す
平面図である。同図に示すように、端板シール25は、
複数本、例えば放射状に形成された4本のスリット26
を有しており、その外径寸法aは、図5に示す蓋部4に
形成された軸43の外径寸法b以下に設定されている。
したがって、スリット26を開くように軸43をフィル
タエレメント2のクリーンサイドに挿入したときに、端
板シール25のスリット26の外径部分が押し広げられ
る。また、軸43の外径寸法bは、フィルタエレメント
2の内径(クリーンサイド外径)cよりも小さく設定さ
れており、軸43とフィルタエレメント2の内径側との
間に隙間が生じるが、図4に示すように端板シール25
がクリーンサイド側に折れ曲がり、この隙間が端板シー
ル25のスリット26が形成されていない環状のシール
部材としての環状部分によって埋められるため、フィル
タエレメント2のクリーンサイドと外部との間が隔離さ
れる。
【0024】図5は、クリーンサイド側に折り曲げた端
板シール25の詳細を示す断面図であり、図1に示した
端板シール25近傍の拡大断面が示されている。上述し
たように、蓋部4の軸43の根元部43aの外径bより
もフィルタエレメント2の内径cの方が大きいためそれ
らの間に所定の隙間が生じ、この隙間にスリット26を
押し開いて折り曲げられた端板シール25の一部が入り
込むようになっている。したがって、軸43とフィルタ
エレメント2との間が端板シール25によって隙間なく
満たされ、しかも端板23はその径方向に関して端板シ
ール25よりも十分硬く形成されているため、シール部
材としての機能を果たすことができる。なお、底部3側
においても軸35とフィルタエレメント2との間が端板
シール24により密封される。
【0025】このように、上述したフィルタエレメント
2は、底部3と蓋部4の内部に収納する前の状態におい
て、クリーンサイド両端に形成される開口部を端板シー
ル24、25で閉塞しているため、フィルタエレメント
2を単独で保管する場合等においてもクリーンサイドに
ゴミ等の異物が侵入することがない。この端板シール2
4、25はスリット26等が形成されているため、蓋部
4の軸43あるいは底部3の軸35をフィルタエレメン
ト2の内径部分に容易に挿入することができる。しか
も、フィルタエレメント2の包装を簡素化でき、フィル
タエレメント2の組み付け作業において異物侵入防止用
のビニールフィルム等を取り除くといった面倒な行程が
不要となる。また、端板シール24、25を含むフィル
タエレメント2の全体を可燃物で構成しているため焼却
が可能であり、不燃物ゴミの発生を防止することができ
る。
【0026】図6は、端板シールの変形例を示す図であ
る。一例として一方の端板シール25について説明する
が、他方の端板シール24についても同様である。同図
(A)はスリット26の本数を6本に変更した端板シー
ル25Aを、同図(B)はスリット26の本数を3本に
変更した端板シール25Bをそれぞれ示している。この
ように、スリット26の本数は4本以外とすることもで
き、不織布で形成された端板シールの厚みや柔軟性の度
合い、あるいはスリット26の外径寸法等に応じて適宜
変更すればよい。例えば、端板シールの柔軟性が少なく
折り曲げにくい場合にはスリット26の本数を増やし、
反対に柔らかい端板シールを用いた場合にはスリット2
6の本数を減らすように設定すればよい。なお、図6で
は端板シール25A等の外形形状を円形としたが、図3
に示した端板シール25のように六角形やその他の多角
形形状であってもよい。
【0027】また、図6(C)には放射状のスリット2
6を中央で交差させずに間隔を置いた端板シール25C
が示されている。このように、可動片としての舌片が互
いに連結された構成としても、その連結部を容易に破断
可能な構成とすることで、異物侵入防止と、交換時の取
付作業の容易さとを両立でき、シール部材を一体化する
ことで構成の簡単化も図ることができる。スリット26
を押し開いて底部3の軸35または蓋部4の軸43をフ
ィルタエレメント2のクリーンサイド側に挿入する場合
には、端板スリットの中央部分を破る必要があるが、中
央部分を破らない限りは端板シール25Cが折れ曲がる
ことがないためクリーンサイドに不用意に異物が侵入す
ることを防止できる利点もある。
【0028】また、図6(D)には放射状のスリット2
6の外径部分に円周方向のスリットを追加した端板シー
ル25Dが示されている。このように円周方向のスリッ
トを追加することにより、端板シール25Dを折り曲げ
る際にスリットの延長上に沿って破れることが防止で
き、クリーンサイドへの端板シール25Dの折り曲げが
容易となる。特に端板シールの柔軟性が低い場合やスリ
ット本数を少なくした場合等に有効な形状であるといえ
る。
【0029】また、図6(E)にはスリット26の方向
を放射状から螺旋状に変更した端板シール25Eが示さ
れている。端板シール25Eのスリット26が形成され
た部分は、フィルタエレメント2のクリーンサイド側に
折り曲げる部分であり、その形状は機能上は特に限定さ
れないため、スリット26の方向も任意に設定すること
ができる。したがって、図6(F)に示すように、放射
状に形成したスリット26の外径部分を折り曲げるよう
にしてもよく、しかも図6(C)と同様に中央部でスリ
ット26が不連続になるように形成してもよい。
【0030】図7は、フィルタエレメントの他の例を示
す斜視図である。同図に示すフィルタエレメント2A
は、濾材21の端面の全体を覆うように端板シール27
が設けられており、その中央部分にスリット29が形成
されている。すなわち、図2に示したフィルタエレメン
ト2では端板23とは別にその中央付近に端板シール2
5を設けたのに対し、図7に示したフィルタエレメント
2Aではこれらの機能を併せ持った端板シール27を用
いている点が異なっている。端板シール27に形成され
たスリット29の外径寸法は、図3に示したスリット2
6の外径寸法と同じであり、本数や形状等については図
6に示したような各種変形例が考えられる。このよう
に、端板シール27を濾材21の外径部分まで延長した
場合には、別に用意していた端板23が不要となるた
め、部品点数の削減が可能となる。
【0031】上述した各種のフィルタエレメント2、2
Aは、端板シール25等によって濾材21の内側に形成
されたクリーンサイドを閉塞することにより、クリーン
サイドへの異物侵入を防止するとともにクリーンサイド
と外部との間のシール機能を持たせているが、これら2
つの機能を分離することもできる。
【0032】図8は、フィルタエレメントの他の例を示
す断面図であり、異物侵入防止機能とシール機能を分離
したフィルタエレメントの組付け状態における部分断面
が示されている。同図に示すフィルタエレメント2B
は、濾材21と、その一方の端面に貼り付けられた端板
23と、端板23上に形成された円板部分とクリーンサ
イド側に延びた円筒部分からなる樹脂プロテクタ51
と、この樹脂プロテクタ51の円板部分に接着等により
取り付けられた異物侵入防止シート52とを含んで構成
されている。この異物侵入防止シート52は、図3に示
した端板シール25等と同じ外観形状を有しており、上
述した異物侵入防止機能のみを有している。したがっ
て、シール機能が必要ないため材質は不織布である必要
はなく、単なる紙や柔軟性のある樹脂であってもよい。
図8に示す蓋部4Bの軸47とフィルタエレメント21
の内径との間を埋める必要もないため、板厚は薄くても
よい。
【0033】また、蓋部4Bの軸47には環状溝45が
形成されており、この環状溝45にOリング46がはめ
込まれている。フィルタエレメント2Bを蓋部4B内に
収納した状態では、このOリング46の外周がフィルタ
エレメント2Bの樹脂プロテクタ51に押圧されるよう
になっており、このOリング46を境にしてクリーンサ
イドと外部との間のシール機能が実現されている。な
お、端板のシール機能を別にする場合は上記に限ったも
のではない。
【0034】このように、収納前の状態においては、フ
ィルタエレメント2Bの端面(端板23の表面)にシー
ル機能を持たない異物侵入防止シート52を取り付ける
ことによりクリーンサイドを閉塞しており、クリーンサ
イドにゴミ等の異物が侵入することを防止することがで
きる。フィルタエレメント2Bを交換する際には、この
異物侵入防止シート52を取り付けた状態で作業を行う
ことができるため、異物侵入防止用に別に取り付けたビ
ニールフィルム等を取り外す等の必要がなく、交換作業
の手間を軽減することができる。また、図2に示したフ
ィルタエレメント2等と比較すると、フィルタエレメン
ト2Bには樹脂プロテクタ51が追加されているが、全
体を可燃物で構成していることに変わりはなく、焼却が
可能であって不燃物ゴミの発生を防止することができ
る。
【0035】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態で使用した端
板シール25等は不織布によって形成したが、柔軟性や
エンジンオイルの熱に耐えられる耐熱性あるいは所定の
厚みがあればよいため、その他の布や繊維材料あるいは
これらの条件を満たす合成樹脂等であってもよい。
【0036】また、図1に示したフィルタ装置1は、底
部3と蓋部4とを互いの凹凸を噛み合わせて組付けを行
い、Oリング41によってオイルのシールを行っている
が、例えば底部3の内周側と蓋部4の対向する外周側の
それぞれにネジ部を形成しておいて、このネジ部に沿っ
て回転させることにより組付けとオイルシールを行うよ
うにしてもよい。また、上述した実施形態では、交換可
能なフィルタエレメント2等について説明したが、底部
と蓋部が溶接や巻き締め等によって分離できないように
なっている使い捨て型のフィルタ装置に用いられるフィ
ルタエレメントに適用することもできる。また、フィル
タエレメント2等の全体を焼却できるように紙製の端板
22、23を用いたが、一部の部品を金属等の焼却不可
能な材質に置き換えたフィルタエレメントに本発明を適
用してもよい。
【0037】また、上述した実施形態では、端板シール
25等にその表裏を貫いた切り込みであるスリット26
を形成するようにしたが、スリット26を形成する代わ
りに端板シール25の表側あるいは裏側に貫通しない切
り込みを入れて、軸43を挿入する際に端板シール25
の所定の領域がこの切り込みに沿って裂けるようにして
もよい。同様に、それぞれのスリットをミシン目で構成
するようにしてもよい。
【0038】また、上記実施形態では、フィルタエレメ
ント2の両端面から軸を挿入する場合を示したが、一方
のみから軸が挿入されるように構成してもよい。例え
ば、クリーンサイドとしての内側空間から濾過済オイル
を取り出す出口管としての軸35のみを挿入する構成と
し、フィルタエレメント2の軸43側を端板23で完全
に閉塞して軸43に代わる台座で押さえるように構成し
てもよい。
【0039】また、上記実施形態では、星型あるいは菊
花型などの多数のひだを有する形状に濾材21をひだ折
りしてフィルタエレメント2を形成したが、ひだ折りし
た濾材21を用いる代わりに濾材繊維を筒状に形成する
ようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態のフィルタ装置全
体の断面構造を示す図である。
【図2】フィルタエレメントの詳細を示す外観斜視図で
ある。
【図3】端板シールの詳細形状を示す平面図である。
【図4】端板シールに軸を挿入した状態を示す外観斜視
図である。
【図5】クリーンサイド側に折り曲げた端板シールの詳
細を示す断面図である。
【図6】端板シールの変形例を示す図である。
【図7】フィルタエレメントの他の例を示す斜視図であ
る。
【図8】フィルタエレメントの他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 フィルタ装置 2 フィルタエレメント 3 底部 4 蓋部 21 濾材 22、23 端板 24、25、27 端板シール 26、29 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高原 敏広 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾材と、この濾材と共同して所定の空間
    を区画するシート状部材とを備え、 前記シート状部材は前記空間に連通する開口部を形成す
    るべく押し開き可能に形成されていることを特徴とする
    フィルタエレメント。
  2. 【請求項2】 濾材と、この濾材と共同して所定の空間
    を区画するシート状部材とを備え、 前記シート状部材は前記空間に連通する開口部を形成す
    るべく押し開き可能に形成されており、さらに前記シー
    ト状部材は前記開口部の外周に沿って配置されたシール
    部材を形成することを特徴とするフィルタエレメント。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記シート状部材より硬く形成され、前記開口部を区画
    する開口区画部材を備え、前記シート状部材の前記シー
    ル部材は前記開口区画部材に沿って前記開口部の内側に
    配置可能であることを特徴とするフィルタエレメント。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記濾材は筒状に形成されており、前記シート状部材は
    前記筒状濾材の少なくとも一方の端面に設けられて、前
    記空間として筒状の空間を区画していることを特徴とす
    るフィルタエレメント。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記シート状部材には、前記空間に連通する開口部に対
    応して複数本の切り込みが形成されており、前記切り込
    みに沿って複数の舌片に分割されて押し開き可能に形成
    されていることを特徴とするフィルタエレメント。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれかにおいて、 前記シート状部材には、前記シール部材としての最内周
    位置より内側に位置して複数本の切り込みが形成されて
    おり、前記切り込みに沿って複数の舌片に分割されて押
    し開き可能に形成されていることを特徴とするフィルタ
    エレメント。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記シート状部材に形成された前記切り込みは部分的に
    形成されており、前記シート状部材は前記切り込みに沿
    った部分的な破断を伴って押し開き可能に形成されてい
    ることを特徴とするフィルタエレメント。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかにおいて、 前記シート状部材に形成された前記切り込みは、前記開
    口部に対応して放射状に形成されていることを特徴とす
    るフィルタエレメント。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のフィル
    タエレメントと、前記フィルタエレメントを収容する互
    いに脱着可能な底部および蓋部を含むハウジングとを有
    し、前記底部および前記蓋部の少なくとも一方には前記
    フィルタエレメントに設けられた前記シート状部材を押
    し開いて前記空間に挿入された軸部が設けられているこ
    とを特徴とするフィルタ装置。
  10. 【請求項10】 内側空間を形成するとともに、この内
    側空間に連通可能な開口部を有するフィルタエレメント
    において、 前記開口部の外周から内周に向けて延び出して配置され
    た複数の可動片により前記開口部を実質的に閉塞したこ
    とを特徴とするフィルタエレメント。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記可動片は、前記開口部に対応して複数の切り込みが
    形成されたシート状部材を備え、前記切り込みに沿って
    分割された複数の舌片により前記可動片が構成されるこ
    とを特徴とするフィルタエレメント。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記シート状部材は前記開口部の外周に沿って配置され
    たシール部材を備えることを特徴とするフィルタエレメ
    ント。
JP8210776A 1996-08-09 1996-08-09 フィルタエレメントおよびフィルタ装置 Withdrawn JPH1052607A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011009922A1 (de) * 2011-01-31 2012-08-02 Mann + Hummel Gmbh Filterelement zur Filtrierung von Fluiden

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011009922A1 (de) * 2011-01-31 2012-08-02 Mann + Hummel Gmbh Filterelement zur Filtrierung von Fluiden

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