【発明の詳細な説明】
折りたたみ梯子
発明の分野
本発明は梯子に関し、特には収納する際に折りたためる梯子に関する。
発明の背景
車のトランクやクロゼット等の如き限られた小スペース内に収納する際に折り
たためる折りたたみ梯子は知られている。これら折りたたみ梯子は、一般的には
約36インチ(約90cm)の長さに折りたたむことができる。これらの梯子は
、直線的に引き伸ばしされ固定して使用される。折りたたみ梯子を使用すると、
時には、折りたたみ梯子がその固定ポジションから倒壊ポジション(collapsibl
e position)に比較的容易に移行するとか、引き伸ばしされた時にその折りたた
み構造によっては梯子の強度が不十分となる場合があり作業者の自重を安全に支
えることができないことがある、という危険性がある。
梯子の構造(construction)はその製造コストを妥当なものにすべく可能な限
り簡単にすべきである。
発明の概要
本発明は、収納する際に折りたたむことができ、使用のために引き伸ばして固
定できる梯子を提供せんとするものである。本発明に係る梯子は、使用中の不測
の倒壊(collapse)を防止できる構造を有しており、梯子に負荷される重量を支
えている間、その固定形状を維持するに充分な強度を備えている。
本発明の広い観点によれば、一対のサイドレール(親桁)と複数のラング(子
桁)とを含む梯子として提供されるものであり、それぞれのラングとサイドレー
ルとの間には回動連結体が配置されており、これらサイドレールを、ラングと実
質的に共通の平面にあるポジションから、ラングとは実質的に垂直な平面を定義
するポジションにまで自由に回動させることができ、前記回動連結体は、ラング
と実質的に共平面であるポジションから90度以内の角度でサイドレールを相対
的に回動させることができるように配置されており、そして、サイドレールは、
それぞれの端部において回動可能に取り付けられた複数の分節体(segments)で
構成されており、サイドレールを蛇腹状(accordion arrangement)にすること
ができるようになっている。
発明の説明
本発明に係る梯子は、サイドレールに沿って提供された回動連結体により折り
たたみ可能な複数の分節体を持たせることにより、蛇腹形状にすることが可能で
ある。これらの回動連結体は、平行に配置された2体のサイドレールに沿って、
それぞれのサイドレールの対応した位置に互に離間して配置され、両サイドレー
ルを同時的に折りたたむことができる。このような回動連結体としては、如何な
る適当なタイプのものでも構わない。好適には、これら回動連結体は、梯子に負
荷される重量に耐えるだけの強度特性を備えたものとして提供される。一実施例
において、これら回動連結体はダブルヒンジ(double hinge)状に形成されてい
る。ダブルヒンジを利用すると、梯子の製造が容易でその強度を増強することが
できる。これらダブルヒンジは、サイドレール分節体の隣接する端部の間に、U
字形状の部材を配置することにより形成される。あるいは、これらダブルヒンジ
は、それら隣接端部間に1対の結合リンクを配置することでも形成される。サイ
ドレール分節体が中空体である場合には、回動連結体の補強するべく、例えば鋼
材またはプラスチックの如き適当な材料で成型されたプレート状またはブロック
状の挿入体を使用することができる。プラスチック製の挿入体は、スチール製の
ものに比較すると、より長期に亘ってこの回動連結体の作用を正常に維持できる
ことが見いだされており、よって、好適である。
一好適な実施例において、これらサイドレールは、各端部にシングルヒンジ(
single hinge)を有したそれぞれ2フィート(約60cm)の長さの分節体で形
成されている。これら分節体は、プラスチック、繊維補強プラスチック、若しく
は射出可能な金属のごとき、高強度の材料を成型することにより、一部材として
製造される。サイドレール分節体の好適な長さは24インチ(約60cm)であ
るが、この半分の12インチのものが、ある実施態様に利用されている。この好
適な実施例においては、サイドレールの端部のヒンジは、分節体の隣接端部を直
接的に連結するように形成されている。一好適実施例においては、これらヒンジ
は、分節体の端部から外側上方に向かって延び出ている複数のリブ(或いは肋体
)として形成されている。これらリブには、ピンを受領するための貫通孔が備え
られており、これにより、分節体を回動させることができる。
前記サイドレールの分節体は、梯子が平坦ポジションで、ラングとサイドレー
ルとが共通平面上にあるとき前記回動連結体によって自由に回動させることがで
きる。梯子として使用する際には、サイドレールを、ラングの平面に対してそれ
ぞれ垂直な平面と定義される面に向けて、約90度回動させる。このようにする
と、サイドレールは、ラングの前面あるいは背面と隣接して配置される。この配
置にあっては、サイドレールの対応するヒンジは反対向きのポジションとなり、
サイドレールの分節体は、回動連結体で折りたたみされることを阻止し、これに
より、梯子として状態を保持する。前記ラング周りのサイドレールの回動は、サ
イドレールとラングとの間に配置された回動連結体によって提供される。これら
回動連結体は、ラングの前面での隣接状態から、ラングによって定義されている
平面を通過してラングの後面との隣接状態にまで、サイドレールが実質的に約1
80度回動できるように形成されている。一好適実施例においては、回動連結体
は、両サイドレールの回動を実質的には約90度だけ、ラングの後方あるいは前
方のいずれか選択された方向での反対方向にのみ許すように提供されており、サ
イドレールの回動により生じる倒壊ポジションへのサイドレールの事故的な回動
を防止している。サイドレールが一方向で90度を越えて回動することは、サイ
ドレールをラングに接触させることで防止されている。別方向の回動は、隣接壁
体あるいはフランジ等を利用した回動ストッパー手段によって防止されている。
このように、使用中のねじれによる倒壊ポジションへのサイドレールの不測の回
動は防止される。両サイドレールはラングに隣接するように逆方向に回動するの
で、一方のサイドレールがラングに隣接することで、倒壊ポジションにむけてサ
イドレールが回動するように導くねじれ力に対して、常に抵抗する。
サイドレールをラングに連結しているヒンジは、製造工程を簡易化すべく、好
適にはサイドレールとラングとにそれぞれ一体的に形成されている。
倒壊ポジションへ向けてサイドレールが不測の回動をすることを防止すべく構
成された一好適実施例において、少なくとも1本のラングと1本のサイドレール
との間にロック手段が提供されている。一実施例にあっては、このロック手段は
フランジであり、サイドレールから延び出して、該ラングのスライドスリーブと
係合するものである。別実施例においては、このロックは、フック式クリップで
あり、そのサイドレールから延び出しており、該ラングに形成された凹部と係合
するものである。
本発明に係る梯子は、好適にはポリマー材料、繊維補強ポリマー材料、あるい
は射出成形可能な金属材料等の如き、軽量で高強度の素材で形成される。一実施
例において、サイドレールとラングは、押出成形したアルミニウム製である。こ
の実施例では、サイドレールとラングとは、好適には、回動連結体の補強に利用
されるアダプターと係合させるべく、内側に縦方向に延びる溝が形成されている
。別実施例では、当該梯子は、発泡ABS樹脂のごとき合成樹脂素材で成形され
ている。
図面の簡単な説明
以上その概要を説明した本発明のさらに詳細な説明を、以下においては、添付
の図面を利用してそのいくつかの実施例を引用して行う。これら実施例は本発明
の説明のみを目的としており、これを限定すべく意図されてはいない。
図1Aは、本発明の一実施例による梯子の側面図であり、折りたたまれた状態
を示す。
図1Bは、図1Aに示す梯子の側面図であり、引き伸ばされた状態を示す。
図1Cは、図1Aの梯子の側面図であり、使用ポジションを示す。
図2A、2B及び2Cは、図1A、図1B及び図Cの梯子のそれぞれ端部を示
す図である。
図3は、図1Cと図2Cに示した梯子の平面図である。
図4は、本発明の一実施例の梯子のヒンジ部分を示す平面図であり、その一部
を断面で示している。
図5は、本発明に利用できるヒンジの例を示す斜視図である。
図6は、本発明に利用できるヒンジの別の例を示す斜視図である。
図7は、本発明に利用できるヒンジのさらに別例のを示す斜視図である。
図8Aは、ロック構造を有した本発明の梯子の端部を示す図であり、引き伸ば
された状態である。
図8Bは、図8Aの梯子を示す端部を示す一部破断図であり、使用ポジション
にある。
図9Aは、本発明の別実施例の梯子の側面図であり、折りたたみ状態を示す。
図9Bは、図9Aの梯子の側面図であり、引き伸ばされた状態を示す。
図9Cは、図9Aの梯子の側面図であり、使用ポジションにある。
図10は、図9Bの線10−10に沿った断面図である。
図11は、ロック構造を有した本発明の梯子の分解図である。
図12は、図11に示すロック構造の概略端面図である。
発明の詳細な説明
図1A、図1B及び図1Cと、それらに対応する図2A、図2B及び図2C並
びに図3を説明する。本発明の梯子は、図1Aと図2Aとに示すような収納用の
折りたたみポジションと、図1C、図2C及び図3に示すような引き伸ばされて
固定された使用ポジションとの間で配置することが可能である。
梯子のサイドレール10は、分節体12a、12b及び12cとして形成され
ている。分節体12a、12b及び12cは、ダブルヒンジ構造体11aと11
bの手段でそれらの端部に回動可能に取付けられている。このダブルヒンジ構造
体は、分節体12a、12b及び12cが、回動部あるいは回動点14a、14
a’、14b、14b’、15a、15a’、15b、15b’(図1Aから図
1Cにかけては回動点14a、14a’、14b及び14b’は回動点15a、
15a’、15b及び15b’の背後に設けられている)の周囲を、同時的に回
動できるように分節体12a、12b及び12cを取り付けている中間部材13
a及び13bを含んでいる。複数のラング16a、16b及び16c(図1A、
図1B及び図1Cの破線)は、各々のラングの各端部に提供されたシングルヒン
ジ18の手段によって両サイドレール10間に回動式に接続されている。いかな
る数の分節体及びラングでも組み合わせて使用することができる。
この梯子を使用するには、図1Bと図2Bとに示すように、サイドレール分節
体12a、12b及び12cを展開して縦方向に平坦に延ばし、サイドレールと
ラングとが実質的に同一平面(破線19)となるようにする。このポジションで
、分節体12a、12b及び12cは、回動点14a、14a’、14b、14
b’、15a、15a’、15b及び15b’の周囲で自由に回動できる。
重量を支えるのに適した梯子として利用するには、両サイドレール10をそれ
ぞれのヒンジ接続体18にて互いに反対方向に90度回動させ、両サイドレール
に平面19とそれぞれ垂直な平面20(破線)と20a(破線)とを定義させる
(図1C、図2C及び図3)。両サイドレール10がこのように回動されると、
反対側のサイドレールの分節体は、矢印a(図3)で示すそれぞれ反対方向に回
動できるときにのみ折りたたむことができる。従って、それぞれ対応する回動点
、
例えば、反対側のサイドレールの14aと15a、14a’と15a’、14b
と15b並びに14b’と15b’では同時的に折りたためないのでサイドレー
ルは固定状態を保持する。
この梯子はこの展開操作の反対操作によって折りたたむことができる。
図4は平坦ポジションの梯子の一部を一部断面で示す平面図である。サイドレ
ール分節体12aと12bはその構造が実質的に同一であり、ダブルヒンジ11
4で連結されている。図5には、分節体12aと12bの隣接する端部間に延び
て提供されている一対のU形部材120を含んだ好適なヒンジ連結体が示されて
いる。部材120の縁部はヒンジの回動を促すように丸く加工されている。部材
120は、梯子の使用中に作用する分節体12aと12bからの重量を充分に支
えることができるようにアルミニウム製あるいはスチール製である。好適には、
部材120は3/8インチ(約1cm)から1/2インチ(約1.3cm)の厚
みを有したアルミ製である。部材120はそれぞれの分節体12aと12bの端
部に回動式に接続される。
好適には、図示のごとくそれぞれ2枚のプレート部材122が部材120とそ
れぞれの分節体12aと12bとの間に挿入される。これらプレート部材は分節
体12aと12bのそれぞれの固定延長部として作用する。プレート部材122
はリベット(図示せず)またはピン等の回動部あるいは回動点124を介して部
材120に回動式に取り付けられる。プレート部材の端部は回動点124の周囲
で回動できるように丸く加工されている。プレート部材122はリベット等のフ
ァスナー127によってサイドレール分節体に固定式に取り付けられている。プ
レート部材122は、サイドレールに提供された長溝125内に挿入されてサイ
ドレール分節体12aと12bとに固定される(図5)。長溝125はサイドレ
ール分節体12aと12bの内側面から延び出ているフランジ126で定義され
る。
フランジ126は押し出し成型によってサイドレール上に提供できる。プレー
ト部材122は梯子の使用中に回動連結部にかかる重さに耐えるだけの充分な強
度を有した材料、例えば、鋼材で製造される。回動連結部を補強するプレート部
材122の使用によって、サイドレールとラングとは薄い材料、例えば1/16
インチ(約1.6mm)厚のアルミで製造することが可能である。
図6に示す別例のヒンジ連結構造では、図5のプレート部材122に代えてブ
ロック挿入体150が使用されている。ブロック挿入体150は、サイドレール
12の端部内にフィットする第1端部150aと、サイドレール12から延び出
している第2端部150bとを有して提供されている。リベット152はサイド
レール12の貫通孔を通って延び、ブロック挿入体150と係合する。貫通孔部
156がブロック挿入体150の第2端部150bを貫通しており、ピン162
を受領する。この構造でダブルヒンジ式連結構造が提供される。ブロック挿入体
150は好適にはナイロン素材のような適当なプラスチック材料で射出成型され
る。
一対のリンク体158を図5の部材120の代用部材として使用することがで
き、サイドレール分節体のダブルヒンジ連結構造を提供する。リンク体158は
サイドレールの両側面に取り付けられ、サイドレール分節体(例えば12)の隣
接端部間に提供される。このリンク体158の縁部は第1側部160で丸く加工
されており、ヒンジの1方向回動を可能にしている。ピン162はリンク体15
8の貫通孔164と、ブロック挿入体150の貫通孔部156とに挿入され、こ
のダブルヒンジの回動式連結を提供する。リンク体158は前述のように貫通孔
166を介して別なサイドレール分節体(図示せず)に回動式に提供される。こ
れらリンク体は好適には3/8インチ(約1cm)から1/2インチ(約1.3
cm)の厚みのアルミ製である。
図5と図6とに示すプレート部材122とブロック挿入体158とは、部材1
20とリンク体158との場合と同様に相互に置換が可能である。望むならば、
これら要素のどのような組み合せでも本発明の梯子に使用することが可能である
。
図4に戻る。そこには保持部材130がラング16のサイドレールへの回動式
接続を提供するようにサイドレール分節体12bに取り付けられている。保持部
材130はリベット132の手段、あるいは溶接またはネジ型ファスナーのごと
き他の適当な手段でサイドレール12bに取り付けられる。ラング16への回動
式接続は、ラング16のそれぞれの端部に挿入された一対のプレート部材134
によって提供される。プレート部材134は、ラング16への固定を提供するリ
ベット138を受領する貫通孔136と、保持部材130への取り付けを提供す
るピン140を受領する貫通孔139とを有している。ラング16はプレート部
材134の挿入のための長溝144を定義する直立フランジ142をその内側面
に有している。あるいは、プレート部材134は、接着剤、溶接またはファスナ
ー等の手段でもラング16に保持させることができる。
図7はラング16とサイドレール分節体12との回動式接続構造の別実施例を
示している。挿入体242はラング16の1端部にフィットされており、保持部
材230に接続する。挿入体242を貫通する貫通孔部244は保持部材230
の貫通孔246と整合しており、ピン(図示せず)を受領する。挿入体242は
好適にはナイロン素材のごとき射出成型プラスチックで提供される。好適には、
挿入体242はラング16のリブ247と係合する複数の溝部245を有してお
り、その構造をさらに頑丈にしている。
サイドレールを使用ポジションにまで回動させるには、1好適実施例において
は、破線250で示す箇所に伸縮コード体がラング16を通して挿入され、挿入
体242の溝252の各端部で、緊張状態にてサイドレール分節体12(一般的
に254で)に取り付けられる。この伸縮コード250の引張力によって、梯子
が平坦ポジションに展開されたときにサイドレールを使用ポジションにまで引き
付ける作用が提供される。
この好適実施例においては、ラングとサイドレールとの回動連結体は相互に約
90度だけ回動させるように提供されている。例えば、図7に示すように、挿入
体242は1方向にのみ回動できるようにその端部がデザインされており、逆方
向の回動は挿入体242に提供された角部分248によって妨害されている。こ
のような回動の妨害は、部材230に提供する障害壁(図示せず)のごとき他の
手段でも可能である。このような手段の提供よって、サイドレールが梯子の使用
中に倒壊ポジションにまで回動することが防止される。
図8Aと図8Bとに示すように、サイドレールが梯子の使用中に倒壊ポジショ
ンに事故的に回動することをさらに防止するため、好適には、少なくとも1本の
ラング16と1本のサイドレール分節体12との間にロックが提供される。適当
なロックにはラング16にスライド式に係合するスリーブ372や、サイドレー
ル分節体12に係合したフランジ374が含まれる。好適には、フランジ374
は保持部材330の突出体として提供される。フランジ374はサイドレールか
ら延び出ているが、梯子の折りたたみの邪魔にならないように提供される。フラ
ンジ374は、図8Bに示すように、梯子の使用に際してサイドレール分節体1
2が約90度回動されたときにラング16に重なるように提供される。このポジ
ションでは、スリーブ372はラング16に沿ってフランジ374に重なるよう
に移動することができ、フランジ374と係合してサイドレール分節体12をロ
ックし、サイドレール全体をロックする。好適には、スプリング式プッシュボタ
ン380がラング16に提供される。ボタン380はラング16に形成されてい
る貫通孔382を部分的に通過して延び出ており、スリーブ372をフランジ3
74上でロックポジションに保持する。スリーブ372をフランジ374上のロ
ックポジションから開放するには、プッシュボタン380を押し、スリーブ37
2をラング16に沿って移動させる。この状態でサイドレールは倒壊ポジション
にまで自由に回動できる。
図9A、図9B及び図9Cには本発明の別実施例が示されている。この梯子は
分節体422a、422b及び422cで提供されているサイドレール421を
含んでいる。これら分節体は適当な材料のH形ビーム体として提供されている。
例えば、ファイバーグラス補強ナイロン素材で提供される個々の分節体の適当な
サイズとは、高さが3インチ(約7.6cm)、幅が1.2インチ(約3cm)
、ウェブ厚が0.1インチ(約0.25cm)である。別例では、サイドレール
はウェブ厚が0.25インチ(約0.6cm)であり、ABSプラスチック樹脂
で製造されている。これら分節体はシングルヒンジ構造体425aと425bの
手段で隣接端部同士が連結されている。複数のラング426a、426b及び4
26c(図9Aと図9Bの破線)は、各ラング426a、426b及び426c
の各端部に提供されたシングルヒンジ428の手段でサイドレール421間に回
動式に連結されている。この実施例の梯子は図1Aから図1Cにかけて説明した
ステップと同一手法で使用の準備がされる。
図10のサイドレール分節体422aと422bはシングルヒンジ425aで
連結されている。シングルヒンジ425aはヒンジピン429を含んでおり、そ
の周囲でこれら分節体は回動する。リブ430aから430cはサイドレール分
節体422aの端部から延び出しており、その端部には整合した貫通孔435が
提供されている。貫通孔435’が提供された分節体422bも同様なリブ43
0a’、430b’及び430c’を有している。貫通孔435と435’とに
はヒンジピンが配置される。これらリブの縁部は丸みを帯びており、そのピンの
周囲での回動を可能にしている。分節体422aと422bとを縦方向に整合さ
せるため、分節体422aのリブ430a、430b及び430cは分節体42
2bの430a’、430b’及び430c’から外れた位置に提供されている
。好適には、これらリブは図示のごとくにそれぞれの分節体と一体的に成型され
ている。あるいは、これらリブを分離して製造し、適当な手段でそれぞれの分節
体に取り付けることもできる。全部の隣接分節体を整合させて連結させるためと
、それらの製造を容易にするため、各分節体は第1形状端部と第2形状端部とを
有して提供される。1体の分節体のこの第1形状端部は別の分節体とのいずれの
第2形状端部ともヒンジ式に連結するように形状化されている。当業者には理解
されようが、これらリブの他のアレンジや、リブの数であっても、連結された1
体
の分節体と別の分節体とが重なる隣接ポジションから、それぞれ相対的に回動で
きるようにこれら分節体を提供することは可能である。
ラング426bはピン440によって分節体422bに回動式に接続されてい
る。このピン440は分節体422bの保持部材444に形成された整合する貫
通孔442と、ラング426bを貫通する整合可能な貫通孔446とを通過して
挿入されている。保持部材444は好適にはそれぞれの分節体と一体的に成型さ
れる。
図11は本発明の別実施例を図示している。ラング526はその端部に提供さ
れた複数のリブ570を有している。各リブは他のリブの貫通孔と整合する貫通
孔571を有している。サイドレール分節体522も整合された貫通孔573を
備えた複数のリブ572を有している。このラング526をこの分節体522と
回動式に接続させるには、リブ570とリブ572とを噛み合わせ、ヒンジピン
540をそれらの整合した貫通孔に挿入する。図12は、サイドレールを梯子の
使用中に倒壊ポジションに事故的に回動させない別例のロック構造を示している
。このロックはサイドレール522とラング526との間のヒンジに作用し、貫
通孔581を含んだベース体580を有したロッククリップと、ベース体580
から延び出ているアーム体582とを含んでいる。このアーム体はフック部58
3を含んでいる。このアーム体582は好適には曲げ加工等によって、ベース体
で定義される平面から外れた平面で延長すべくデザインされている。
このロッククリップは、貫通孔581に挿入されるヒンジピン540によって
ロックされるヒンジに固定される。ヒンジピン540の拡大部はピンが貫通孔5
81から抜け落ちないように作用する。このクリップは、レール分節体の平面か
ら実質的に垂直に延び出ているアーム体582とずれないように固定されている
。ベース体580はこのクリップをヒンジピン540の周囲で回動させない形状
で提供されている。スプリング585はヒンジピン540の反対側端部に搭載さ
れており、ボルト586はヒンジピン540のネジ溝部587に固定され、スプ
リ
ング585をヒンジピン540に保持している。スプリング585はヒンジとボ
ルト586との間に作用し、ヒンジピン540を引き下げて、クリップをヒンジ
に押し付けた状態で保持している。
アーム体で定義される平面がラング方向となるようにポジションされ、フック
部583もラングに向かって延びるようにクリップはヒンジに搭載される。ラン
グ526の表面には凹部588が提供されており、アーム体582とフック部5
83とを受領する。クリップはサイドレールを、それらがラングの平面から実質
的に垂直に延び出るポジションにてロックするように作用する。スプリング58
5はクリップをヒンジ方向に垂直に引っ張る。ラング526が矢印Bで示す方向
でレール分節体の平面とは垂直なポジションにまで回動すると、クリップのアー
ム体582はスプリング585の押圧力で押し上げられてラング526の移動経
路から外れる。このクリップはラングの凹部588内に引き入れられるまで、ラ
ング526の表面上に存在する。スプリング585は、フック部583を含んだ
アーム体582を凹部588内に保持し、ラングのそれ以上の回動を防止する。
梯子を折りたたみポジションに戻したいときには、ヒンジピン540に対して
力を加えてスプリング585を押し、フック部583を含んだアーム体582を
凹部588から外す。そうすると、ラング526は自由に回動できるようになる
。
好適には、ガイドフランジ589がベース体580に提供されてクリップをそ
のポジションに保持させ、スプリング585が押されているときにクリップのヒ
ンジから離れる方向の移動と、ヒンジ方向への移動とをガイドする。ガイドフラ
ンジ589は分節体522の端部壁590に巻き付けられた形状で提供される。
好適には、フック部583はその先端に向けてテーパ加工されており、ロック
ポジションに移動するときにクリップがラングの表面を円滑に移動できるように
している。1好適実施例においては、これらクリップはラングの上側表面と係合
するように梯子に提供される。従って、梯子を使用する作業者が事故的にロック
構造部を踏むことがあっても、クリップはラングの凹部588内にさらに押し込
まれるだけである。
これら実施例には本発明の範囲を逸脱せずに多様な変更が可能であることは理
解されよう。そのような変更はすべて「請求の範囲」に含まれている。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
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MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN
(72)発明者 ソープ, ジョージ, ダブリュー.
カナダ国 アルベルタ ティー2ケー 3
アール2 カルガリー エヌ.ダブリュ
ー. 4 バックソーン クレセント