JPH10507737A - アラキドン酸代謝産物および粒子製剤を用いる治療 - Google Patents

アラキドン酸代謝産物および粒子製剤を用いる治療

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JPH10507737A JP7518686A JP51868695A JPH10507737A JP H10507737 A JPH10507737 A JP H10507737A JP 7518686 A JP7518686 A JP 7518686A JP 51868695 A JP51868695 A JP 51868695A JP H10507737 A JPH10507737 A JP H10507737A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、遊離のアラキドン酸代謝産物を動物に投与する方法を提供するものであり、この方法は遊離の代謝物および取り込み作用を有する粒子を含有する組成物の投与を包含するものである。この方法は細胞活性化及び癒着、炎症又は毒血症を特徴とする障害に苦しむ動物を治療するのに使用することができる。本発明では又、上記のような障害に苦しむ動物に抗障害有効量の取り込み作用を有する粒子を含有する薬理学的組成物を投与することを包含する、上記動物の治療方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アラキドン酸代謝産物および粒子製剤を用いる治療 本出願は、米国特許出願08/179,739,1994年1月11日の一部 継続出願であり、アラキドン酸代謝産物/粒子製剤の治療的使用に関する。 プロスタグランジンを作るには、アラキドン酸及びその他の炭素数20で少な くとも3個の二重結合を有する“必須”脂肪酸を用いることができる[例えば、 「グッドマン及びギルマンの治療のための薬理学的基礎」(A.Goodman、Gilman 等編)、600〜611頁、Pergamon press、New York(1990);L.Strye r「バイオケミストリー(Biochemistry)」(第2版)、853〜854頁、W.H.F reeman and Co.、New York(1981)参照]。種々のプロスタグランジンは、い くつかのカテゴリー(A〜I)にグループ分けされ、プロスタグランジン合成中 に、炭素数20の脂肪酸前駆体に導入される5炭素環の置換基を変えることによ って区分される。これらのグループは、プロスタグランジン中の炭素鎖における 二重結合の数及び位置に基づいて、更に細分することができる。 プロスタグランジンは、広範囲にわたる生物活性を有することができ、例えば Eシリーズのプロスタグランジンは、血管の平滑筋、例えば動脈、プレ毛細管、 括約筋および後毛細管細静脈に作用し、それによって、有効な血管拡張薬となり 得る。PGD2、PGFアルファおよびPGI2も血管拡張的な効果をもつことが できる。また、プロスタグランジンおよびその関連誘導体は、血液細胞、特に好 中球及び血小板の機能化にも影響を及ぼすことができる。例えばPGI2は1n Mという低濃度で血小板の凝集を抑制することができる(前出の Goodman、Gilm an の The Pharmacological Basis of Therapentics 参照)。子宮収縮は、PG E、PGFおよびPGI作用の影響を受け、このプロスタグランジン作用は、腎 臓、中枢神経系及び求心神経の機能にも影響を及ぼすことができる。種々の内分 泌組織は、通常、プロスタグランジンに反応することができる。更に、プロスタ グランジンは、動物の炎症性の症状を和らげることができ、毒血症等の病気を改 善することができる。プロスタグランジンは、細胞表面のレセプタを経て目的と する細胞に作用すると考えられる。つまり、これらのレセプタは、プロスタグラ ンジンの作用を媒介する第2の伝達系と結合すると考えられる。 Mizishima 等[J.Rheumatol.、14巻、97頁(1987)]及び Hoshi 等 [Drugs.Exptl.Clin.Res.、12巻(8)、681頁(1986)]は、プロ スタグランジンE1(PGE1)を含有する脂質マイクロスフィアについて述べ ている。しかしながら、Mizishima 等(米国特許第4,493,847号)及び Imagawa 等(米国特許第4,684,633号)に開示されているように、こ れらの“マイクロスフィア”は、実際にはプロスタグランジン含有脂肪のエマル ジョンである。このエマルジョンは粒子ではなく、ここに提供される粒子および アラキドン酸代謝物と同様の治療的利点を有するものでもない。これらの文献は 該エマルジョン自身の薬学的または治療的活性について何ら記載していない。Sh ell 及びSee(米国特許第4,820,732号及び4,955,878号)は 、プロスタグランジン含有組成物を患者に投与することを含む、血管形成中の機 能障害を減らすための治療について開示している。これらの組成物は、担体をも 含有している。しかしながら、開示されている液体担体、例えば、無水アルコー ル及び食塩水は、これらの特許では粒子を含んでいない。開示されている脂肪に 装填されたマイクロスフィア担体は、少なくとも赤血球と同程度の大きさ、即ち 、直径が少なくとも7ミクロンであると教示されており、それよりも、もっと大 きいこともあり得る。このような大きいサイズの粒子を動物に投与すると、肺の 毛細血管などの小さい血管内でマイクロスフィアが固着するようになり、詰まる ため、障害が生じることになる。Shell 及び See 特許に記載されている粒子は 本願で用いられている粒子より大きく、これと対照的に本発明で用いられている 粒子は動物に安全に投与することができる。 発明の要旨 本発明は、遊離のアラキドン酸代謝産物を動物に投与する方法を提供するもの であり、この方法は薬理学的に許容し得る担体、遊離の代謝物および取り込み作 用を有する(endocytosable)粒子を含有する組成物を該動物に投与するもので ある。この組成物はヒトに投与するのが好ましい。 この代謝産物は、プロスタグランジン、中でもプロスタグランジンのEまたは Iシリーズ、特にプロスタグランジンE1であることが好ましい。この粒子はい ずれの取り込み作用粒子であることもでき、例えばリポソーム、ラテックスマイ クロスフィア、ポリスチレン、サイモジン(xymozin)、スターチまたはゼラチン 粒子であるが、リポソームが好ましい。 本発明の方法は、遊離のアラキドン酸代謝産物を動物に投与して、細胞活性化 及び癒着、炎症又は毒血症を特徴とする障害に苦しむ動物 を治療するのに使用することができる。治療される障害は、血管閉塞性障害、関 節性障害又は自己免疫障害があるが、これらに限定されることはない。一般に、 治療される障害としては、脈管炎、再灌流傷害、外傷後ショック、心筋梗塞、リ ウマチ性関節炎、痛風、全身性エリテマトーザス、若年性糖尿病、多発性硬化症 、橋本甲状腺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群、成人呼吸障害症候 群、術後合併症、重症筋無力症、火傷又は血管形成後の再狭乍が挙げられ、好ま しくは、成人呼吸障害症候群(ARDS)又は全身性炎症反応症候群(SIRS )である。治療される障害は、取り込み作用粒子の非存在下、遊離のアラキドン 酸代謝物に動物をさらしたとき悪化するような障害であることができる。 したがって、抗障害有効量の代謝物および粒子を含有する量の組成物を動物に 投与する。代表的には、代謝産物の有効量は、動物の体重1kg当たり代謝産物 約10-12g以上である。一般には、代謝産物の有効量は、動物の体重1kg当 たり代謝産物約10-12gから、体重1kg当たり約10-3gまでである。好ま しくは、代謝産物の有効量は、動物の体重1kg当たり代謝産物約10-8gから 、体重1kg当たり約10-4gまでである。更に好ましくは、アラキドン酸代謝 産物の抗細胞活性化/接着有効量は、動物の体重1kg当たり代謝産物約10-6 gである。 この取り込み作用性粒子はその形状が球状であることが好ましいが、必ずしも それに限定されることはない。この粒子は約50nmから約1000nmの直径 を有する球状粒子であることがより好ましい。通常、抗障害有効量の組成物は、 動物の体重1kgにつき約1010ないし約1014の上記取り込み作用粒子を含有 し、体重1kgにつき約1 0-6gの粒子を含有する。抗障害有効量の組成物は、体重1kg当り約10-6g の代謝物+約10-6gの粒子を含有するのが好ましく、約10-6gの代謝物と約 1010ないし1014の粒子を体重1kg当り含有するものである。 本発明では、薬理的に許容し得る担体および抗障害有効量の遊離アラキドン酸 代謝物および取り込み作用のある粒子を投与剤当り含有する薬剤組成物をも提供 するものである。 更に本発明では細胞活性化及び癒着、炎症又は毒血症を特徴とする障害に苦し む動物を治療する方法を提供するものであり、この方法は該動物に対し、薬理的 に許容し得る担体および抗障害有効量の取り込み作用性の粒子、例えばリポソー ム、ラテックスマイクロスフィア、ポリスチレン、サイモジン(xymozin)、スタ ーチまたはゼラチン粒子、好ましくはリポソームを含有する組成物を投与するも のである。抗障害有効量の組成物は、動物の体重1kgにつき約1010ないし約 1014の上記取り込み作用粒子を含有し、体重1kgにつき約10-6gの粒子を 含有する。治療される障害は、好ましくは成人呼吸障害症候群(ARDS)又は 全身性炎症反応症候群(SIRS)である。 図面の簡単な説明 第1図 ラットの空気袋の研究。x−軸:食塩水対照,遊離PGE1,遊離の 15−M−PGE1(15−メチル−PGE1)、LUV−PGE1製剤(“C− 53”,ユニラメラリポソーム性PGE1,後述の実施例1記載の方法によって 製造)、LUV偽薬リポソーム(“C−53偽薬”,LUV−PGE1を製造す るための方法にしたがって製造するが、PGE1を有さないリポソーム)、LU V偽薬リポソーム +遊離PGE1、MLV−PGE1(マルチラメラリポソーム,下記の実施例1記 載の方法によって製造)、MLV偽薬リポソーム(LUV−PGE1を製造するた めの方法にしたがって製造するが、PGE1を有さないリポソーム)、MLV偽薬 リポソーム+遊離PGE1;y−軸:浸出物中の細胞数/ml×10,000。 第2図 白血球の浸出の抑制。この図はプロスタグランジンに対して目盛をと っている。食塩水対照中の好中球値を目盛の外れとして用い、それは1.62× 106好中球/mlであった。各組の第1の柱(影をつけていないもの):ポリ モルホヌクレオサイト(PMNS);第2の柱(薄く影をつけたもの):血小板 ;第3の柱(濃く影をつけたもの):リンホサイト;第4の柱(影をつけていな いもの):モノサイト。y−軸:浸出液中の細胞/ml×10,000。 第3図 白血球浸出の抑制の投与応答。この図ではプロスタグランジンに対し て目盛をとってある。食塩水対照中の好中球値を該目盛の外れに置き、それは1 .62×106好中球/mlであった。x−軸:食塩水対照、遊離PGE1、LU V−PGE1、LUV偽薬リポソーム、LUV偽薬リポソーム+遊離PGE1、M LV−PGE1、MLV偽薬リポソーム、MLV偽薬リポソーム+遊離PGE1; y−軸:浸出物中の細胞/ml×10,000。濃い影を付けた柱:25g/k gPGE1または偽薬リポソームの当量;影を付けてないもの:50g/kg; 薄く影を付けたもの:10g/kg。 第4図 別のリポソーム製剤による浸出の抑制。 x−軸:食塩水対照、遊離PGE1,LUV−PGE1、LUV−偽薬 リポソーム、MLV−PGE1、MLV偽薬リポソーム、SPLV−PGE1(安 定なプルリラメラ小胞体、レンク等の米国特許第4,522,803、5,03 0,453および5,169,637号を参照されたい)、SPLV偽薬リポソ ーム、SPLV偽薬+遊離PGE1、EPC/コレステロール(Chol)/P OPE−GA(1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジルコリン−グ ルタル酸)−PGE1、EPC/Chol/POPE−GA(PGE1なし)、E PC/Chol/POPE−GA/DOPE−PGE1(PGE1に共有結合して いるジオレイルホスファチジルエタノールアミン)、EPC/Chol/DOP E−PGE1、EPC/Chol/POPE−GA偽薬+遊離PGE1;y−軸: 細胞/ml×10,000。 第5図 アジュバント関節炎/遊離PGE1。x−軸:時間(日数);y軸: あごのサイズにおける変化パーセント。黒ぬりの四角:アジュバント対照(PG E1なし);白ぬき四角:日数0においてアジュバントおよびPGE1を投与した ;黒ぬりひし形:日数0においてアジュバント投与、10日目にPGE1を投与 ;白ぬきのひし形:食塩水対照(アジュバントなし)。 第6図 アジュバント関節炎/遊離PGE1。x−軸:アジュバント投与後の 時間(日数);y−軸:重量%,黒ぬり四角:アジュバント対照;白ぬき四角: 0日におけるアジュバント+PGE1;黒ぬりひし形:10日目におけるアジュ バント+PGE1;白ぬきひし形:食塩水対照。 第7図 ラットの一般的な健康/死亡率。x−軸:アジュバント対 照、0日におけるアジュバント+PGE1、10日目におけるアジュバント+P GE1、14日目におけるアジュバント+PGE1、食塩水対照(アジュバントな し);y−軸:主観的観測値(subjective score)。 第8図 ラット内毒血症(Endotoxemia)モデル。x−軸:LPS投与後の時 間(日数);y−軸:処置グループにおける生存パーセント。黒ぬり四角:食塩 水対照(0g/kg LPS)を投与されたラット;白ぬき四角:10g/kg LPSを投与されたラット;黒ぬりひし形:15g/kg LPS;白ぬきひし 形:25g/kg LPS;黒ぬり三角:50g/kg LPS;白ぬき三角:7 5g/kg LPS;黒ぬり丸:100g/kg LPS。 第9図 リポソーム偽薬は、リポポリサッカライド(LPS)に応答してヒト モノサイトTNFおよびIL−1の分泌を抑制するものである。x−軸:遊離P GE1、LUV−PGE1、偽薬LUV、偽薬LUVおよび食塩水対照(リポソー ムまたはPGE1を含有せず);y−軸:TNFおよびIL−1分泌の抑制パー セント;影をつけていないもの:TNF;影をつけたもの:IL−1。 第10図 偽薬リポソームはLPS誘導致死率を弱め、遊離のPGE1と共力 して生存率を高める。x−軸:LPS投与後の時間(日数);y−軸:処置グル ープにおける生存パーセント。黒ぬり四角:食塩水対照(LPS非投与);黒ぬ りひし形:LUV−PGE1;白ぬきひし形:偽薬LUV+遊離PGE1;黒ぬり 三角:偽薬LUV;白ぬき三角:LPS対照(リポソームまたはPGE1なし) ;黒ぬり四角: 遊離PGE1 第11図 LUVとラテックスマイクロスフィアが遊離PGE1と共力して、 遊離PGE1に誘導される致死性を回避し生存率を高めている。x−軸:食塩水 対照(LPS、PGE1またはリポソームなし)、LPS対照(LPSであるが リポソームまたはPGE1なし)、LUV−PGE1、偽薬LUV+遊離PGE1 、ラテックスマイクロスフィア+遊離PGE1、偽薬LUV、ラテックスマイク ロスフィア;y−軸:治療グループにおける生存パーセント。 第12図 遊離PGE1の一定投与量の存在下本発明の粒子を増やしていくこ とによって生存率が増大する。食塩水およびLPS対照は図示されていない。こ れらの群の生存率は各々100%および50%であった。x−軸:0,20,3 0,40,50g/kg;y−軸:治療群における生存率パーセント;z−軸: 粒子は投与せず、40g/kgの粒子と等量に当るLUV−PGE1を指示され た投与量の遊離PGE1と共に投与。 第13図 遊離PGE1のみを増量すると致死率が増大し、一方、一定量の粒 子の存在下遊離PGE1を増大させると生存率が上がる。食塩水およびLPS対 照は図示されていない。これらの群の生存率は各々100%および50%であっ た。x−軸:0,20,30,40,50g/kg;y−軸:治療群における生 存率パーセント;z−軸:粒子は投与せず、40g/kgの粒子と等量に当るL UV−PGE1を指示された投与量の遊離PGE1と共に投与。 第14図 粒子の白血球食菌作用は、ラット内毒血症の間の粒子お よびPGE1の保護効果に必須であること。x−軸:LPS対照;遊離PGE1; パンソルビン(pansorbin);パンソルビン+遊離PGE1;パンソルビン+遊離 PGE1+抗CR3モノクローナル抗体。y−軸:生存パーセント。 詳細な説明 本発明は、遊離のアラキドン酸代謝物を動物に投与する方法を提供するもので あり、この方法は薬理学的に許容し得る担体、遊離の代謝物および取り込み作用 性粒子を含有する組成物を該動物に投与するものである。この組成物はヒトに投 与するのが好ましい。 “薬理学的に許容され得る担体”とは、動物、特にヒトへの生理活性剤の投与 に関連しての使用を一般に意図する標準的な担体、希釈剤、賦形剤などのどれで もを意味する。このような担体は、当該技術分野ではよく知られており、一般に 、用いられる特定の薬剤、目的とする投与経路などの多数の因子を考慮して選択 され、それらは当業者によりよく理解されているものであり、必要以上の実験を 行わなくても当業者が決めることのできる範囲内のものである。適当な担体とし ては、生理食塩水などの塩溶液、D5Wなどのデキストロース水溶液などを挙げ ることができるが、これらに限定されるものではない。この医薬組成物は、当業 者によく知られている理由及び量で、更に、防腐剤、酸化防止剤などの補助剤を 含むことができる。 「アラキドン酸代謝物」はプロスタグランジン、またはプロスタグランジンに 人工的にまたは動物体内で変換できる化合物である。プロスタグランジンは炭素 数5の5員環で7および8個の炭素数の脂肪鎖を有するもので、アラキドン酸と 少なくとも3個の二重結合を有する 炭素数20個の他の脂肪酸(例えば“必須”の脂肪酸である8,11,14−エ イコサトリエン酸、5,8,11,14エイコサテトラエン酸、5,8,11, 14,17−エイコサペンタン酸;例えばグッドマン アンド ジルマンズ ザ フ ァーマコロジカル ベーシス オブ セラポイティックス、前出(Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of The rapeutics,)を参照されたい)とから製造されるもの である。アラキドン酸はこれらの炭素数20個のプロスタグランジン前駆体の内 、人間において最も量の多いものである。 炭素数20個の必須脂肪酸プロスタグランジン前駆体はプロスタノン酸のよう な、プロスタグランジン合成の間で製造される中間体およびこれらに変換し得る 類似体であって「アラキドン酸代謝物」である。「プロスタグランジン関連化合 物」、例えばロイコトリエン、スロンボキサン、リポキシンおよびプロスタサイ クリンは、機能的にプロスタグランジンと関連しており、それらは炭素数20個 の必須脂肪酸プロスタグランジン前駆体に由来することができる化合物を含み、 プロスタグランジンおよびプロスタグランジン関連化合物もまた「アラキドン酸 代謝物」である。本発明にしたがって動物に投与されるアラキドン酸代謝物はプ ロスタグランジンであり、より好ましくはEまたはIのプロスタグランジンであ り、最も好ましくはプロスタグランジンはPGE1である。プロスタグランジン は15−メチル−PGE1またはPGD2であこともできる。 アラキドン酸代謝物に関して用いられている「遊離」という語は同じ水性媒体 中に共存する該代謝物と粒子の間の関係を示すものである。この代謝物と粒子は 媒体中に他の場所で見つけられる濃度より大きい 局部的濃度では見つけられることはない。即ちこの代謝物と粒子は水性媒体中で は互いに会合していることはないのである。 取り込み作用粒子は通常動物に見出される食細胞によって取り込まれることの できる粒子である。飲食作用(エンドサイトーシス)〔J.E.Darnell 等、モレキュラー・セル・バイオロジー(Molecular Cell Bio logy)、Scientific American Books,Inc.( New York)、1987〕は、それによって細胞の原形質膜領域が外部媒 体中の粒子に結合し、包み込む作用である。ここで用いられている「飲食作用」 は食作用を含み、この方法によって細胞は、外部をとり囲んでいる媒体中の比較 的大きな粒子を取り込むのである。 マクロファージおよびモノサイトは典型的な食細胞(phagocytes) である。このような細胞により取り込まれた粒子は一般にまずその外表面が血清 抗体で被覆される。この食細胞の表面受容体は動物の血清中に存在する種々の抗 体に共通の領域に結合する。粒子表面上の蛋白質および細胞の受容体のこのよう な結合が飲食作用を促進する。この過程は続いて起きる、食細胞の表面受容体の 粒子外表面に結合している抗体への結合を一般に進めるものであり、該粒子が完 全に原形質膜に包み込まれるまで続くのである。 したがって、本発明の取り込み作用性の粒子は、動物の食細胞による粒子の認 識に一役買っていると考えられている血清蛋白質で被覆することのできる表面を 有する粒子である。本発明の取り込み作用性粒子は一般に種々のサイズを有し、 それに相当する種々の表面積を有し、充分な粒の抗体分子によって被覆され該粒 子の食作用を起こすために有効であるが、小さい血管につまるほどには大きくな い。通常、最も 好ましい取り込み作用のある粒子はおおよそ球状で約50nmから約1000n mのサイズ、より好ましくは約100nmのものである。粒子サイズを測定する 方法、例えば動的光散乱法等は当業者に良く知られており、過度の実験をくり返 すことなく容易に行うことができる。 取り込み作用のある粒子は、取り込み作用があり、動物に安全に投与すること ができる薬学的に許容し得る粒子であれば何れのものでもよく、このものはアラ キドン酸代謝物と組合せて用いることが出来るが、この代謝物は遊離であり、動 物に投与されたとき治療的に有効であることができる。このものは固体であって もよいが、1もしくはそれ以上の内部的非固体、例えば水性区画を有することも できる。好適な取り込み作用のある粒子としてはリポソーム、ラテックスマイク ロスフィア、パンソルビン(登録商標)、サイモジン、ゼラチンまたはポリスチ レン粒子等が挙げられるが、これらに限定されることはない。他の取り込み作用 のある粒子は、遊離アラキドン酸代謝物とin vitroで使用したり、好適 な動物モデルへの投与等、本発明の教示する所に基き当業者が容易に決めること が出来るであろう。 本発明では取り込み作用のある粒子としてリポソームを好ましく用いることが できる。これらは両親媒性脂質分子のバイレイヤーの1もしくはそれ以上を含有 する自己構成性の構造を有し、該バイレイヤーの各々は水性画分を囲んでいる。 単一の脂質バイレイヤーを有するリポソームはユニラメラである。本発明の実施 に当っては、ユニラメラリポソームはラージユニラメラリポソーム(LUV)、 即ち、約50nmより大なる直径を有するものであることが好ましい。2もしく はそれ以上の脂質バイレイヤーを有するものはマルチラメラリポソーム (MLV)である。本発明を実施するに当って、MLVは水性区画中の溶質の濃 度が各水性区画中で等しいものであることが好ましく、即ちこのMLVは実質的 に均一なラメラ間溶質分布を有するものである。このリポソームは遊離のアラキ ドン酸代謝物と共に懸濁液として投与されるもので、該代謝物を包んでいたり、 代謝物と結合したりしていることはなく、この遊離代謝物は該懸濁液中の他の場 所で見られるよリも高い濃度で見出されるのであり、このようなリポソームは取 り込み作用性の粒子であり、「偽薬」リポソームと呼ぶことができる。 リポソームは当業者が熟知している種々の技術によって製造できる。例えばL iposomes(M.Ostro編集)、Marcel Dekker(ニュ ーヨーク)、27〜51頁(1983)中のDeamerおよびUsterの“ リポソームの調製:方法および機構”、及びLiposomes,From B iophysics to Therapeutics(M.J.Ostro編) 、Marcel Dekker、39〜72頁(1987)中のCullis等 を参照されたい。Banghamの手法〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ イオロジー(J.Mol.Biol.)13:238(1965)〕はいわゆる 普通のマルチラメラ小胞体(MLV)を製造している。“普通の”MLVはその 水性区画の中で均等でない溶質の分布を有することができ、それによって区画の 間で浸透圧を有しているのである。レンク等(米国特許第4,522,803号 、第5,030,453号および第5,169,637号)、ファウンテン等( 米国特許第4,588,578号)およびクリス等(米国特許第4,975,2 82号)は実質的に均一なラメラ間溶質分布を有するマルチラメラリポソームを 製造する方法を開示している。実質的に等しいラメラ間溶質分 布を有することは、これらのMLVの水性区画の間の浸透圧が低くなることであ り、通常のMLVより安定ということである。ユニラメラリポソームはマルチラ メラリポソームに圧力をかけ、クリス等(米国特許第4,975,282号)お よびラフリー等(米国特許第5,059,421号)に従って規定されたフィル ターを通して押し出すことによって製造することができる。 リポソームおよび他の取り込み作用のある粒子は1もしくはそれ以上の生物学 的活性剤を含有またはそれらと組合せることができる。“生物活性剤”は動物に 投与できるものであればどのような化合物でも組成物でもかまわない。これらの 薬剤としては動物の体内で生物的活性のあるものの外、造影または診断の効果の あるものも含む。生物活性剤としては、抗ウィルス、抗細菌、抗かび、抗寄生虫 、抗代謝、抗緑内障、抗炎症もしくは抗腫瘍性化合物、ステロール、炭水化物、 アミノ酸、ペプチド、蛋白質、イムノグロブリン、免疫調節剤、染料、毒素、酵 素、ホルモン、神経伝導物、糖蛋白質、放射性標識物、放射性不透性化合物、螢 光物、細胞受容体蛋白質、細胞受容体リガンド、散瞳性化合物、気管支拡張剤、 局部麻酔剤、成長促進剤、再生剤等が挙げられるがこれらに限定されることはな い。本発明の粒子に用いられる生物学的活性剤は抗微生物剤、抗炎症剤および血 管拡張剤を包含するがこれに限定されることはない。本発明の方法は、細胞活性 化および癒着、炎症または毒血症の特徴ある機能障害に苦しんでいる動物の治療 に用いることができる。即ち、遊離アラキドン酸代謝物および取り込み作用のあ る粒子の抗障害有効量を有する組成物を動物に投与するものである。 細胞活性化/癒着機能障害は血液中の細胞の異常な活性化という特 徴を有し、続いてこれらの細胞を互いに癒着させるか、または周囲の血管内皮中 において活性化細胞となる。このような癒着は肺毛細血管のような小さい血管を つまらせ、血流を止め、周囲の組織をだめにすることになる。このような細胞活 性化および癒着機能障害は医療病理学の広い分野での深刻な問題である。内皮細 胞、例えば血管、複数、心膜もしくは腹部の内被細胞はサイトカイン、例えばイ ンターロイキン−1(IL−1)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−アルファ )もしくは細菌エンドトキシンによって活性化する可能性がある。同様に、血球 特に好中球および血小板はGM−CSF、細菌エンドトキシン、細菌化学誘引剤 (bacterial chems attractants)、TNF−アルフ ァおよび補体C5a成分のような薬剤によって活性化することがある。 活性化された細胞は互いに付着する付着部位をその表面に有している。活性化 され付着し合った細胞は塊を形成する可能性があり、それによって肺や心臓にあ るような小血管をつまらせることになり、周囲の組織への血流を減少させること になるのである。この活性化細胞は活性化された血管内皮細胞に付着することに もなる;このような付着によって血管内皮の脱顆粒へ、または細胞破壊の媒介物 質、例えばスーパーオキサイドアニオン(O2 -)および蛋白分解酵素の放出へと 続くことになる。したがって、細胞活性化/癒着は血管閉塞障害のある動物に見 られる循環系の問題へと続くことになる。 本発明の対象である細胞活性化/癒着障害の中で、閉塞した血管の再潅流、す なわち血流が一時的に止まっている手術に付随することがらが、例えばロイコサ イト アドヘジョン モレキュール(Leukocyte Adhesion Mo lecules),Springe r−Verlag,New York(1990)、138−148頁中のSe ewaldt−Becker等、“再潅流障害に対する抗−付着抗体の効果”( Springer等、編);およびLeukocyte Adhesion Mo lecules,Springer−Verlag,New York(199 0)、85−156頁中の“病気における付着および治療”(Springer 等、編)に記載されている。血管壁に破れが生ずると、下流の虚血性組織と同様 、周囲の内皮細胞が損傷されることになる。閉塞が排除されたとき近くの内皮細 胞に更に損傷が生じているのである。このような損傷細胞は、影響を受けた領域 への血流の回復後、好中球または血小板中に活性化を誘導することになるのであ る。 活性化され、続いて細胞間の癒着が生じることになる同じ細胞がアラキドン酸 代謝物に対する表面受容体を有することができる。何らかの理論にしばられるも のではないが、アラキドン酸代謝物による治療はこれらの受容体に結合すること によって、細胞間癒着の高い程度について責のある細胞表面受容体を脱活性化し 、それによって細胞活性化/癒着障害に関連した損傷を軽減することができる。 炎症は、傷または異常な物理的、化学的または生物学的刺激(例えばSted man’s Medical Dictionary(イラスト付)(24版、J .V.Basmajian等編)、WilliamsおよびWilkins、B altimore、MD(1982)、pp.707−708)を参照されたい )に応答して、影響を受けた血管および周囲の組織に生ずる細胞および組織の反 応の過程である。炎症反応は局部的反応およびその結果の形態的変化、障害物質 の破壊または除去、および修復機構の活性を包含する。傷または異常な生理 的刺激に対する炎症応答を抑制することのできるアラキドン酸代謝物を含む剤は 、痛風およびリウマチ様関節炎を含む種々の関節炎を含む炎症障害を治療するた めに用いることができる。 体液の炎症性応答は、該応答を導入した薬剤のある部位への細胞の溢出、即ち 細胞の循環系から攻撃部への排出により特徴づけられる。この溢出物は比較的低 い数の大細胞、比較的高い数の好中球、好酸球、モノサイト、リンホサイトおよ び血漿細胞という特徴を有している。アラキドン酸代謝物、例えばプロスタグラ ンジンは溢出を抑制でき、理論にしばられる訳ではないが、これはこのような薬 剤が炎症応答を抑制できる1つの手段である。 炎症を研究する広く受け入れられているモデルであるラット空気袋浸出モデル (Tate等、Lavoratory Invistig ation 59:1 92(1988)を参照されたい)が、アラキドン酸代謝物の溢出抑制能力を測 定するために用いられる。環境に馴らしたラットに麻酔を行いその背中に袋をつ け皮下注射により空気を入れた。この袋に炎症誘導量の炎症剤、例えばfMLP を注射することによって炎症を起こさせた。周囲の血管からの溢出により該空気 袋には細胞が入っているものと考えられる。このような溢出を抑制する抗炎症剤 の能力が、例えばこれら剤を動物に注射し、剤で処置した動物と、対照/処置し ていない動物とで空気袋に入ってきた細胞の数を比較することによって試験する ことができる。 例えば、以下に記載するように、ラットを馴化し、次いで麻酔し周囲の空気2 0ccを皮下注射した。6日後、2.15マイクログラムのfMLPを空気袋に 直接注射することによって炎症を起こさせた。遊離のプロスタグランジンE1, 遊離PGE−1+リポソーム偽薬, 遊離PGE−1+ラテックスマイクロスフィア,リポソーム偽薬単独,およびラ テックスマイクロスフィア単独を尾静脈から各々の上記ラットに注射した。炎症 導入後、6時間してから、全溢出液を該空気袋から回収した。fMLP投与はか なりの数の白血球を空気袋中に浸出させた;上記のデータはPGE−1単独投与 の場合に比べて遊離PGE−1(2.5,5および10マイクログラム)+取り 込み作用性粒子の組合せを投与した場合には溢出(空気袋液体中の細胞濃度で測 定して)が非常に(50%以上、約80%まで)抑えられた。上記と同じ炎症誘 発剤および抗炎症剤を用い、当業者からみて本発明の教示する範囲内でその量を 変えて同様の実験を行うことができる。また他の炎症誘発剤および他の抗炎症剤 を、本発明の教示する範囲でその量等も選択して用いることができる。 炎症および抗炎症作用について更に、関節炎誘発および抗関節炎剤のため広く 受け容れられている多くのモデル、例えば以下に示すラット関節炎モデルによっ て研究することができる。ラットに関節炎誘発剤を、例えばよく知られている手 段であるフロインドアジュバントを尾静脈の根元にdural内注射等により投 与する。関節炎誘発剤の量は通常の技術者が適当に決めることができ、例えばラ ットの体重1kg当り10マイクログラムのフロインドアジュバントを用いるこ とができる。関節の炎症は、関節のもろさ、痛みおよび膨潤等が典型的な症状で あり、この膨潤の抑制が抗関節炎剤、例えば遊離PGE−1+取り込み作用性粒 子の効果を測るまた別の手段とすることができ、投与された動物の一般的な健康 および致死率の増大をみることによって測定することができる。 毒血症は感染剤による感染の間に見られる臨床的現象であり、この 感染剤としては例えば微生物でこのものは毒および宿主たる動物に対し毒性の他 の物質を含有しこの毒をその動物の体内に放出するものである(Stedman ’s Medical Dictionary(イラストつき)、1274−12 75頁および1464頁参照)。このような感染はしばしば物理的または化学的 傷から生じる。熱、hypotension、白血球数の変化および下痢がグラ ム陰性細菌感染により引き起こされる内毒血症に付随する症状である。このよう な感染により血管内凝塊の散在および不可逆性ショックに至ることがある。 毒血症および毒血症を抑制する剤の能力が、この分野の研究に認められている 多くのモデル、例えば以下に示すようなラット内毒血症モデルによって研究する ことができる。LD50,即ちエンドトキシン例えばcoliリポポリサッカ ライド(LPS)のテスト群の約50%の致死量がまず確立され、続いてこの投 与量のエンドトキシンが投与される。抗毒血症剤で治療されていない動物(対照 動物)、または剤、例えばPGE−1(動物の体重1kg当り40マイクログラ ム)またはPGE−1+取り込み作用のある粒子(kg当りの遊離PGE−1単 独の投与量に相当する量の蓄積量)を投与した動物を用意する。エンドトキシン に誘導される致死率を抑制する抗−毒性剤の能力を測定する。更に、インターロ イキン−1,インターロイキン−6および腫瘍壊死因子アルファー分泌の抑制、 毒性条件のマーカーもまた評価される;増加的に効果的な抗毒性剤が、エンドト キシンにより誘導されるこれらの蛋白質の分泌の抑制のパーセンテージを無投与 対照に対し下げることが予測される。 本発明の代表的な実施例から得られるデータは遊離PGE−1+取 り込み作用のある粒子の組合せが、遊離PGE−1単独の場合に比べエンドトキ シン投与−動物の生存率の増加において非常に効果的であること、またエンドト キシン誘導の分泌抑制のパーセンテージを下げるために非常に効果的であること を示している。例えば、後述のデータは遊離PGE−1+偽薬リポソームの投与 の場合には、遊離PGE−1単独投与に比べLPSを投与された動物における生 存率が5倍多いこと、そして分泌抑制については40%減少させることを示して いる。 「抗障害有効」量の遊離アラキドン酸代謝物および粒子としては、予防もしく は治療的に、細胞活性化及び癒着、炎症または毒血症の特徴を有する障害を改善 、軽減、抑制、除去または阻止するのに有効な代謝物+粒子の量であればいずれ でもよい。遊離アラキドン酸代謝物の量はアラキドン酸代謝物で治療し得る条件 では一般的にアラキドン酸代謝物単独の場合の既知の治療有効量と同一である。 しかしながら、アラキドン酸代謝物にさらされることによって普通悪化する状態 、例えばプロスタグランジンによって誘導されたり悪化したりする炎症状態は、 同じ代謝物と取り込み作用のある粒子との組合せによって治療することができる 。したがって、このような状況に対しては取り込み作用のある粒子と一緒に用い られる遊離アラキドン酸代謝物の治療的に有効な量というものがあり、代謝物単 独の場合にはこのようなものはないのである。 アラキドン酸代謝物および取り込み作用のある粒子を含有する組成物の抗−障 害有効量に含まれる遊離のアラキドン酸代謝物の量は一般的には、本発明の教示 にしたがい当業者が予測し得る範囲の多くの因子によって変わってくる。これら の因子としては、使用される特定の 代謝物および取り込み作用のある粒子、対象動物がかかっている特定の病気;対 象動物の年齢、大きさ、体重および全般的な状態および対象動物がかかっている 可能性のある他の病気等がある。通常、この組成物の抗障害有効料は動物の体重 1kg当り少なくとも約10-12gの遊離アラキドン酸代謝物である。 上述のように、「遊離の」代謝物は同じ水性媒体中の他の場所でより大きい濃 度で取り込み作用のある粒子と共に見つけられることはない。したがってここに 記載されている遊離の代謝物の量は、該粒子と接近して媒体中にランダムに存在 するあるいは粒子の表面にランダムに結合しているいくらかの代謝物を含んでい ることがある。抗障害有効量は好ましくは、代謝産物の有効量は、動物の体重1 kg当たり代謝産物約10-12g以上である。一般には、代謝産物の有効量は、 動物の体重1kg当たり代謝産物約10-12gから、体重1kg当たり約10-3 gまでである。好ましくは、代謝産物の有効量は、動物の体重1kg当たり代謝 産物約10-8gから、体重1kg当たり約10-4gまでである。更に好ましくは 、アラキドン酸代謝産物の抗細胞活性化/癒着有効量は、動物の体重1kg当た り代謝産物約10-6gである。 抗障害有効量の遊離アラキドン酸代謝物/取り込み作用のある粒子を含有する 組成物は、通常、少なくともこのような代謝物に応答性のある状態に対して、ア ラキドン酸代謝物に対する動物の治療的応答を高めるに十分な数の取り込み作用 粒子を有し;即ち、取り込み作用のある粒子の不存在下でこのような代謝物にさ らした場合に悪化する状態において、アラキドン酸代謝物と共に投与すると治療 応答を引き出すに十分な粒子の数である。 上記のように、「取り込み作用のある粒子」は通常、血清蛋白質で被覆される 表面を有しており、このような被覆は該粒子の認識、食細胞によるその取り込み を強化すると考えられている。何らかの理論に拘束されるものではないが、この ような粒子取り込み作用は、アラキドン酸代謝物と対象細胞との利益のある相互 作用を促進することに関与するばかりでなく、それ自体の治療効果を有するもの である。したがって、抗障害有効量の組成物に含まれる粒子の数は取り込み作用 を高めるのに有効な量の血清蛋白質で被覆するのに十分な表面積を有する粒子の 量である。上述のように、取り込み粒子は、種々の形が許容されるが、通常は球 状であり、この球状粒子は通常約50nmから約1000nmの直径を有してい る。 本発明の教示の下、通常の当業者であれば抗障害有効量の組成物を調剤するた めの、取り込み作用のある粒子の数および重量を決めることができる。先に述べ たように、治療的応答を高め、強化するような量を少なくとも有する取り込み作 用粒子が組成物を調剤するために用いられる。粒子のこの量の重量は一般的に動 物の体重1kg当り約10-8〜10-4g、通常10-6gまたはそれ以下であるが 、必要とあればこの範囲外でも用いることができる。通常の当業者であれば本発 明の教示の下、過剰の実験を行わずとも、ある特定の取り込み作用のある粒子を より高重量であるいは低重量で使うべきかを決めることができる。例えばこのよ うな当業者は本発明に記載されているラット空気袋、関節リウマチおよび毒血症 モデルを用いて、ある特定の量の取り込み作用を有する粒子を単独またはある量 の遊離アラキドン酸代謝物と共に用いた場合の抗障害有効性を測定することがで きる。選択された量における取り込み作用のある粒子の数は、粒子のサイズ、形 、密 度等に加えて選択された粒子の有効な重さによって変わってくる。本発明で好ま しい取り込み作用粒子については、この数は通常1010〜1014、約1012であ ることができる。 好ましくは、この抗障害有効量の組成物は体重1kg当り約10-6gの代謝物 +粒子を含有し、即ち10-6gがこの組み合わせた重量であり、また体重1kg 当り10-5の代謝物および約1010〜1014個の取り込み作用粒子である。例え ば、ここでのデータは両者40マイクログラム、即ち40×10-6gの取り込み 作用性物質単独、リポソームまたはラテックスマイクロスフィア、すなわち40 マイクログラムの組み合わされた遊離アラキドン酸代謝物と取り込み作用粒子が 、ここに記載されているモデルにおいてより理論的に有効である。 抗障害有効量の組成物が、細胞の活性および癒着、炎症または毒血症の特徴の ある障害をもつ動物の治療のために用いることができる。したがって、この量は 細胞活性および癒着、炎症または毒血症に抗する量の遊離アラキドン酸代謝物お よび取り込み作用のある粒子を含むものである。遊離アラキドン酸代謝物および 取り込み作用のある粒子の「抗−細胞活性/癒着有効量」は、血液または周囲の 血管組織中の細胞上の癒着部位の活性化および/又は血液または周囲の血管組織 中の他の細胞に対するこのような活性化細胞の癒着を改善抑制または阻止する量 であればいずれの量でもよい。この抗−細胞活性化/癒着量は一般的に、このよ うな活性化および細胞間癒着から生ずる血管の閉塞を抑制または軽減するために 有効である。遊離のアラキドン酸代謝物および取り込み作用性の粒子の「抗炎症 障害有効量」は、異常な炎症、即ち異常な生理的刺激または傷に応答した炎症の 特徴のある症状のある動物における異常な炎症に対する応答または反応を改善、 抑制 または阻止するに有効な量であればいずれでもよい。このような量は例えば、異 常な炎症の部位へ動物の循環系からの細胞の溢出を阻止するために有効なもので ある。遊離のアラキドン酸代謝物および取り込み作用性の粒子の「抗炎症障害有 効量」は、例えば微生物感染または物理的または化学的外傷から生ずる外傷症状 のような外傷にかかっている動物の異常な炎症応答または反応を改善、抑制また は阻止するに有効な量であればいずれでもよい。 本発明の方法により治療し得る障害は、血管閉塞、関節炎、外傷性および自己 免疫障害を含み、脈管炎、再灌流傷害、外傷後ショック、心筋梗塞、リュウマチ 性関節炎、痛風、全身性エリテマトーザス、若年性糖尿病、多発性硬化症、橋本 甲状腺炎、敗血症性ショック、全身性炎症反応症候群、成人呼吸障害症候群、術 後合併症、重症筋無力症、火傷又は血管形成後の再狭乍が挙げられ、好ましくは 、成人呼吸障害症候群(ARDS)又は全身性炎症反応症候群(SIRS)であ る。 本発明の方法により治療し得る障害は、遊離アラキドン酸代謝物に動物がさら されることにより悪化する障害を含む。遊離アラキドン酸代謝物により「悪化」 する障害は、その徴候、症状または効果が遊離アラキドン酸代謝物の投与により 増加するが、取り込み作用のある粒子との組み合わせで遊離アラキドン酸代謝物 の投与により治療的にまたは予防的に改善され、軽減され、除去され、抑制され 、または阻止されるような障害である。 本発明ではまた、1投与量あたり薬理学的に許容し得る担体および抗障害有効 量の遊離アラキドン酸代謝物および取り込み作用のある粒子を含有する組成物を 提供する。 更に本発明では細胞活性化及び癒着、炎症又は毒血症を特徴とする 障害に苦しむ動物を治療する方法を提供するものであり、この方法は該動物に対 し、薬理的に許容し得る担体および抗障害有効量の取り込み作用性の粒子、例え ばリポソーム、ラテックスマイクロスフィア、ポリスチレン、サイモジン(xymoz in)、スターチまたはゼラチン粒子、好ましくはリポソームを含有する組成物を 投与するものである。取り込み作用粒子単独での抗障害有効量は遊離アラキドン 酸代謝物+該粒子の組合せの場合の有効量と大体等しい。この粒子の有効量は必 要に応じそれより多くても少なくてもよい。通常の当業者であれば本発明の教示 に基き使用される取り込み作用粒子の量は本発明の範囲内あるいは範囲外から決 めることができる。抗障害有効量の組成物は、動物の体重1kgにつき約1010 ないし約1014の上記取り込み作用粒子、即ち体重1kgにつき約10-6gの粒 子を含有する。治療される障害は、好ましくは成人呼吸障害症候群又は全身性炎 症反応症候群である。 本発明を更に次の実施例で説明する。しかしながらこれらの実施例は後述の特許 請求の範囲で規定している本発明を説明するためのものである。 実施例 実施例1 製造 偽薬リポソーム マルチラメラリポソーム(MLV)の調製 卵ホスファチジルコリン(EPC)貯蔵溶液(20mg/mlエタノール)を 次のようにして調製した:テフロン縁の蓋の付いた50mlの薬色の瓶中に1g の乾燥EPCを入れ、これをゆっくりと回転させながら50mlの無水エタノー ル中に溶解した。得られた溶液をマイナス20℃で貯蔵した。EPC貯蔵溶液の 一定量を丸底フラスコに添加し、次いで30℃で少なくとも2時間の回転蒸発に よってエタノールを除去した。乾燥EPCをクエン酸バッファー(50mMクエ ン酸塩、150mM NaClを有し、10N NaOHでpHを4.5としたも の)中に再懸濁してMLVの懸濁液をつくった。DPPC含有MLVの調製のた めに、1.035gのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を用い 、DPPC貯蔵液を上記のようにして調製した。 ユニラメラリポソーム(LUV) ヘキサン:エタノール(95:5)に溶かした卵ホスファチジルコリン(20 0mg)を37℃に設定した水浴中減圧下でロータリー蒸発させフラスコの側面 に薄い膜を形成させた。この膜を200リットルのエタノーム中に再懸濁し、こ のエタノール溶液を1.0mlのツベルクリンシリンジに入れ、21ゲージ針で 、1秒当り約2滴の割合で10重量%のデキストロース水溶液とEDTA水溶液 に対して0.01重量%の4.0mlの 溶液に撹拌しつつPH7.0で注入した。この溶液はエタノール/脂質混合物を 添加していくにつれてくもりを生じた。この溶液を0.1ミクロンのポリカーボ ネート直交フィルターから5回押出し、続いて第2回目の同型のフィルターから の5回の押出しを行った。 プロスタグランジンE1溶液 PGE1貯蔵溶液(1mg/mlエタノール)を次のようにして調製した:2 0mgの乾燥PGE1を20mlのバイアル瓶に移し、そこへ20mlの無水エ タノールを添加した。ゆっくりと回転させながらこのPGE1をエタノールに溶 解させた。得られた溶液をマイナス20℃で貯蔵した。 偽薬リポソーム懸濁液、または等数のラテックスマイクロスフィアの懸濁液を 必要量のPGE1溶液と混合した。 プロスタグランジンE1リポソーム製剤 マルチラメラリポソームPGE1製剤のために、上記のEPCまたはDPPC 貯蔵溶液(9.5ml)一定量と一定量のPGE1貯蔵溶液(0.5ml)を丸 底フラスコ中で一緒にし、次いでエタノールを除去した。ユニラメラリポソーム PGE1製剤のために、1.0mgのPGE1をエタノール注入の前に乾燥脂質 を再懸濁するために使用したエタノールに添加した。実施例2 ラット空気袋による考察 ラットの皮下の空気袋を、これは急性炎症および辺縁血管から炎症部位への白 血球のモデルである(Tate等、Lavoratory Inv estigation 59:192(1988)を参照されたい)が、fML Pによって誘導されたfMLP炎症を媒介する際の全身的なPGE1リポソーム 、非リポソーム性PGE1、および粒子の効果を検討するため使用した。 126〜150gの体重の雄Sprague−DawleyをCharles River Laboratoriesから仕入れた。受入れ後、このラットを 動物施設で2日間順化させた。この実験の間このラットは任意に水を飲み餌を食 べることができた。空気袋をつくるために、これらのラットに吸収麻酔をかけ、 背中を剃ってエチルアルコールで消毒した。このラットの背中に20ccの周囲 の空気を皮下注射して空気袋をつくり、その後このラットをケージに戻した。こ の空気袋の安全性を見るためにモニターし、必要な場合には追加の空気を注射し た。投与グループおよび対照グループ共に6匹のラットが用いられていた。空気 袋作成後6日で、2.15gのfMLPを該空気袋に直接注射して空気袋内炎症 を導入した。遊離のPGE1、またはPGE1−リポソーム偽薬、PGE1−ラテ ックスマイクロスフィア、リポソーム偽薬およびラテックスマイクロスフィア製 剤を尾静脈から同時に静注し、このラットをケージに戻した。fMLP投与後6 時間でこのラットをCO2吸入によって殺し、この空気袋から注射器を用いて全 浸出液を回収した。これらの実験の結果を第1〜4図に示している。 投与後の空気袋内の観察では、fMLPは、食塩水だけを該空気袋に注射した 対照のラットに比べ、袋内面を厚くし白血球の浸出数を増やすという傾向をみせ た。遊離のPGE1での処置では血管反応性を減少させ、袋の内部から浸出する 白血球数をも同時に減少させた。この内側中の好中球数は一過性のもの、即ち白 血球は血管から空気袋の管腔/浸出液への浸出 過程にあった。白血球は空気袋内を一過的に通過するので、リポソーム性プロス タグランジン製剤の分析は吸引された浸出液中に存在する細胞に限定された。遊 離の安定なプロスタグランジン類似体である15−メチル−PGE1は、遊離の PGE1の生物学的利用性が15分未満であるのに対し、8時間以上と長いので これらの実験に含めた。実施例3 関節炎 126〜150gの体重の雄Sprague−DawleyラットをChar les River Laboratoriesから仕入れた。受入れ後、このラ ットを動物施設で2日間順化させた。この実験の間このラットは任意に水を飲み 餌を食べることができた。尾の根元にコンプリートフロインド アジュバントを 硬膜内投与によって慢性の左右相称の関節炎を導入した。0日目に遊離PGE1 をラットの1グループに10g/kgの量を注射し、2日目毎に注射をくり返し た。遊離PGE1を別のグループにも10日目に10g/kgの量を注射し、2 日目毎に注射をくり返した。アジュバント対照(PGE1無し)および食塩水対 照(アジュバント無し)も用意した。各投与グループにおけるラット数は6であ る。 フロインド導入のラットに、10日〜14日の間に関節炎が突然始まった。処 置をしていない対照のラットに表れる徴候は最も活性のある関節における触診に 対する敏感さ、足のひじおよびひざの関節を含む対称的な浮腫、前足の屈曲収縮 (flexation contracture)、不快感、および痛みおよび 動くことが少なくなることによる餌をとれなくなったりとろうとしなくなると共 に原発的な病気による体重の減少というようなものである。 関節炎の進行の調節における、リポソーム偽薬やラテックスマイクロス フィアと組合せたPGE1と同様に、遊離のPGE1、リポソーム偽薬単独および ラテックスマイクロスフィア単独のものの効率を評価するために実験を行った。 この実験において評価されているパラメーターは、後ろひざで測られた関節のサ イズの変化、これらは週単位で行なわれたが、体重の変化、全体的な健康、元気 さおよび死亡に関するものである。これらの実験の結果は第5〜7図に示されて いる。実施例4 ラット内毒血症(Endotoxemia ) 発熱、低血圧、白血球数の変化および下痢がグラム陰性菌が感染した際の徴候 である。この感染症は血管内凝塊を散在させ非可逆的なショックへと導くもので ある。多くの文献が、IL−1、IL−6およびTNFαに由来する白血球が内 毒性ショックの進展を仲介するとしている。本発明者等のin vitroのデ ータは培養されたモノサイトからこれらのサイトカインが出てくるのを抑制する ことを示しているので、ラット内毒血症のin vivoモデルを発展させ、死 亡を最終点とし、PGE1の有効性を評価しLPSで誘導された死を減少させる 製剤をつくるためのモデルをつくった。 Sprague−DawleyラットにおけるE.coli LPS(リポポ リサッカライド)に対するLD50を確立すべく実験を計画した。これらの実験に よるデータは第8図に示されており、LD50は50g/kgであることが示され ている。次の実験においては、特にことわらない限り、このLPS投与量が使用 された。 126〜150gの体重の雄Sprague−Dawleyラットを動物施設 中で任意に水を飲み餌を食べさせながら、2日間順化させた。時間0においてラ ットグループ(n=16)にE.coli LPS(リポポ リサッカライド)を単独の剤として、あるいは食塩水対照(LPS無し)を静注 した。LPS投与後種々の時間(日)において死亡率を測定した。実施例5 リポポリサッカライド(LPS)およびPGE1に応答して腫瘍破壊因子アルフ ァ(TNFα)およびインターロイキン−1ベータ(IL−1β)合成の阻害 粘着性ヒトモノサイトをLPSで刺激し(1μg/ml/106細胞)、それ を時間0とした。遊離PGE1(リポソーム中に取り込まれていない)、LUV −PGE1(ラージユニラメラリポソーム(LUVs)+遊離PGE1)、LUV −PGE1“偽薬”リポソーム(PGE1を含有してないLUV)+遊離PGE1 、偽薬リポソームまたは食塩水対照(PGE1無し)を同時に注入した(10μ M PGE1)。3時間毎に分泌したTNFおよびIL−1を測定した。これらの 実験の結果を第9図に示す。実施例6 ラット内毒血症モデル 雄のSprague−Dawleyラットに50gLPS/体重kgで静注を 行ない、それを時間0とした。遊離PGE1、LUV−PGE1(40g/kg PGE1)、偽薬LUV(PGE1を含有してないLUV;40g/kg PGE1 --LUV−PGE1製剤と同じリポソーム数)または偽薬LUV(40g/kg 脂質と等価)+遊離PGE1(40g/kg)を各々投与する。各処置グループ には12匹のラットが割当てられた。LPS投与後6日、12日、18日および 24日において、各グループの生存数が評価された。結果を第10図に示す。実施例7 ラット内毒血症/粒子投与 雄のSprague−Dawleyラットに50g/kg LPSを静注し、 それを時間0とした。遊離PGE1(40g/kg)、LUV−PGE1(40g /kg PGE1)、偽薬LUV(40g/kg脂質等価、即ち体重1kg当り4 0マイクログラムのプロスタグランジンE1製剤におけるLUVの数と同等の偽 薬LUVの数)、ラテックス微粒子(偽薬LUVの数と同じ)またはラテックス 微粒子+遊離PGE1を同時に各々静注した。各処置グループ(16匹ラット) における生存数を24時間で評価した。結果を第11図に示す。実施例8 ラット内毒血症モデル/粒子投与 雄のSprague−DawleyラットにPGE1および粒子を含有する組 成物を投与した。この時、粒子は100nmのLUV(100nmの直径を有す るLUV)または100nmのラテックスマイクロスフィアであり、他の成分に ついてはその濃度または数を一定としたが、PGE1濃度または粒子数について プロスタグランジンE1投与量は体重1kg当り25〜40マイクログラムであ り、投与された粒子数は体重は1kg当り1.2−2×1012であった。このラ ットに時間0において、50g/kgのLPSを静注した。上記組成物を同時に 静注した。各処置グループ(16匹ラット)における生存数を24時間で評価し た。結果を第12〜13図に示す。実施例9 白血球食作用 雄のSprague−Dawleyラットに時間0において75mg/kgの LPSを投与した。PGE1(40g/kg)、非食作用性Pansorbin 粒子(1.2×1012/kg)、Pansorbin粒子 (1.2×1012/kg)+PGE1(40g/kg)、または抗CR3(Mo Ab OX42)を結合させて食作用性としたPansorbin粒子(1.2 ×1012/kg)+PGE1(40g/kg)を同時に静注した。48時間にお いて生存率を測定した。食塩水対照では生存率100%であった。各投与グルー プにおける債ット数(n)は16であった。Pansorbin(登録商標)粒 子(Calbiochem)はプロテインAで被覆したS.aureusで硬化 している。これらはその製造状態では食作用を受けないが、白血球食作用受容体 CR3に対する抗体(CDlla/CD18)がプロテインA−Fc結合を介し て該粒子に結合している時には食作用を受けるのである(Fallman,M. ,R.Andersson and T.Andersson.1993.J. Immunology 151:330−338を参照されたい)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,JP,K R,NO (72)発明者 アイアマン,デービッド,エフ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08528 キングストン,ローレル アベニ ュー,15

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.薬理学的に許容し得る担体、遊離のアラキドン酸代謝産物および取り込み作 用を有する(endocytosable)粒子を含有する組成物を動物に投与することを包 含する、遊離のアラキドン酸代謝産物を動物に投与する方法。 2.代謝産物がプロスタグランジンである請求項1記載の方法。 3.プロスタグランジンがプロスタグランジンのEまたはIシリーズのプロスタ グランジンである請求項2記載の方法。 4.プロスタグランジンがプロスタグランジンE1である請求項3記載の方法。 5.動物がヒトである請求項1記載の方法。 6.粒子がリポソーム、ラテックスマイクロスフィア、ポリスチレン、サイモジ ン(xymozin)、スターチまたはゼラチン粒子である請求項1記載の方法。 7.粒子がリポソームである請求項6記載の方法。 8.動物が細胞活性化及び癒着、炎症又は毒血症を特徴とする障害に苦しむ動物 であって、抗障害有効量の遊離のアラキドン酸代謝産物および取り込み作用を有 する(endocytosable)粒子を含有する組成物量が投与される、請求項1記載の 方法。 9.障害が、血管閉塞性障害、関節性障害又は自己免疫障害である請求項8記載 の方法。 10.障害が、再灌流傷害、再狭窄、心筋梗塞、脈管炎、外傷後ショック、急性 呼吸障害症候群、全身性炎症反応症候群、リュウマチ性関節炎、痛風、全身性エ リテマトーザス、若年性糖尿病、多発性硬化症または橋本甲状腺炎を包含する請 求項8記載の方法。 11.障害が、全身性炎症反応症候群を包含する請求項8記載の方法。 12.障害が、急性呼吸障害症候群を包含する請求項8記載の方法。 13.障害が、取り込み作用粒子の非存在下、遊離のアラキドン酸代謝物に動物 をさらしたとき悪化する障害である請求項8記載の方法。 14.抗障害有効量の組成物が、投与を受ける動物の体重1kg当たり代謝産物 約10-12gから約10-3gまでである請求項8記載の方法。 15.抗障害有効量の組成物が、動物の体重1kg当たり代謝産物約10-6gで ある請求項14記載の方法。 16.取り込み作用性粒子が約50nmから約1000nmの直径を有する球状 粒子である請求項8記載の方法。 17.抗障害有効量の組成物が、動物の体重1kgにつき約1010ないし約1014 の取り込み作用粒子を含有する請求項16記載の方法。 18.抗障害有効量の組成物が、体重1kg当り約10-6gの粒子を含有する請 求項16記載の方法。 19.抗障害有効量の組成物が、約10-6gの代謝物と約1010ないし1014の 粒子を体重1kg当り含有し、この取り込み作用性粒子が約50nmから約10 00nmの直径を有する球状粒子である請求項8記載の方法。 20.抗障害有効量の組成物が、体重1kg当り約10-6gの代謝物と粒子を含 有するものである請求項8記載の方法。 21.薬理学的に許容し得る担体、および抗障害有効量の遊離のアラキドン酸代 謝産物および取り込み作用を有する粒子を含有する薬理学的組成物。 22.細胞活性化及び癒着、炎症又は毒血症を特徴とする障害に苦しむ動物に、 薬理学的に許容し得る担体、および抗障害有効量の取り込み作用を有する粒子を 含有する薬理学的組成物を投与することを包含する、上記動物の治療方法。 23.障害が全身性炎症反応症候群または急性呼吸障害症候群を包含する 請求項22記載の方法。 24.抗障害有効量の組成物が、動物の体重1kgにつき約1010ないし約1014 の取り込み作用粒子を含有する請求項22記載の方法。 25.取り込み作用粒子がリポソーム、ラテックスマイクロスフィア、ポリスチ レン、サイモジン(xymozin)、スターチまたはゼラチン粒子である請求項22記 載の方法。
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