JPH10505319A - 肺に障害を持つ哺乳動物の通常の呼吸を補助する方法 - Google Patents

肺に障害を持つ哺乳動物の通常の呼吸を補助する方法

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JPH10505319A JP7529802A JP52980295A JPH10505319A JP H10505319 A JPH10505319 A JP H10505319A JP 7529802 A JP7529802 A JP 7529802A JP 52980295 A JP52980295 A JP 52980295A JP H10505319 A JPH10505319 A JP H10505319A
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Abstract

(57)【要約】 肺疾患を持つ哺乳動物が、例えば換気装置なしに、普通に大気ガスを呼吸できるのを助ける方法である。その方法においては、界面活性物質不全、硬直した肺、あるいは超膨張肺症候群などの肺疾患を持つ哺乳動物がおり、最少有効量のペルフルオロケミカル液或はエマルジョンで、気管を通して、哺乳動物の肺胞嚢を覆う。本ペルフルオロケミカルは超膨張肺症候群を回避するために超低蒸気圧であり、肺の内表面を覆うだけ充分な最低有効量で与えられている。本ペルフルオロケミカルは大気ガスに対して浸透性があり、超膨張肺症候群を引き起こさずに肺胞嚢内に実質的に永久に存在する。その液は、哺乳動物が通常の02/CO2血液ガス交換で、大気中のガスを呼吸できることを可能にする。ペルフルオロケミカルの水性エマルジョンを通じて、或は大量の高蒸気圧キャリアペルフルオロケミカル中に存在する超低蒸気圧化合物の混合物によって小量の超低蒸気圧液ペルフルオロケミカル(一般的に0.1ml/kg)で肺が有効に覆われる。

Description

【発明の詳細な説明】 肺に障害を持つ哺乳動物の通常の呼吸を補助する方法 本出願は1994年5月13日付け出願の米国特許番号08/242,310 の一部継続である。 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、けが、肺界面活性物質欠陥、気腫、超膨張肺等の肺硬化症候群、呼 吸窮迫症候群、他の肺機能不全による呼吸困難をもっていて機械の補助を受けて いない哺乳動物に対する、長い時間に渡る充分な肺血液ガス交換を獲得し維持す ることを目的とした、ペルフルオロ化合物の治療のための使用に関する。 2.従来技術の説明 様々な種類呼吸症候群が、大気中における肺の適切なガス交換機能に影響を及 ぼす。これらの呼吸障害が死亡率及び罹病率の主要な原因となっている。複合機 械システムは自然呼吸を増加させるために用いられる。しかしそのような解決方 法は、大人にとってはそれによって被る動作の制約のために、未熟な幼児にとっ ては非実用的て、扱いにくく、非常に高価であるために、受け入れられない場合 が多い。場合によっては、機械補助による呼吸は、生命をとりとめたとしても大 きな障害を引き起こす可能性がある。したがって、呼吸問題を扱う新しい方法、 特に機械による呼吸の補助を制限乃至不要とするような新しい方法に対して、高 い関心が払われてきた。 哺乳動物の細胞組織の大半にとってガス交換の主要な径路は血液循環であるの で、血液を増加乃至交換するための技術が、呼吸ガス交換障害の解決策として期 待されている。ペルフルオロシクロカ−ボン液及びこれらのペルフルオロカ−ボ ン分子を含んだエマルジョン(乳濁液)が、人工血液及び器官の潅流液として使 用可能であることが明らかにされている。Clark合衆国特許第3,911,138号(Artif ucial Blood and Method for Supporting Oxygen Transport in Animals)参照。 そのようなペルフルオロシクロカ−ボンは、血管内におけるO2/CO2の輸送媒 介として、また外呼吸媒体として生命を支えていることが分かっている。ペルフ ルオロシクロカ−ボンの乳化された分子を含むエマルジョンは、実験動物の静脈 に注入され、血管内におけるO2/CO2輸送媒介として機能する。これらのエマ ルジョンは有益な血液代替物であることが証明されている。そして、血管内にこ れらのエマルジョンを与えられた実験動物は生き延び、以後普通の生活を送る。 呼吸障害症候群(RDS)及び他の肺の病気、つまり肺界面活性物質欠陥、気 腫、その他の種類の肺のけが乃至機能低下等の肺の病気を有する哺乳動物におけ るガス交換の改善を目的とした、ペルフルオロ化合物の使用に関する研究が多く 報告されている。この研究を行う動機の一つは、従来の肺の界面活性物質交換療 法は成功が限られ、高価であることである。界面活性物質交換が幼児性RDSの 初期段階で用いられた場合、ガス交換を向上させることが明らかにされているが 、この療法は、幼児性RDSの進展した段階や成人性RDS、肺界面活性物質欠 陥を含む他の病気に用いられた場合、限られた成功しか収めていない。Leach et al.,Critical Care Medicine,21(9): 1270-78(1993)参照。 肺の界面活性物質欠陥を含む病気の治療法として提案されてい るものには、他に液体換気がある。液体換気は、肺のガス状の機能的残気量がペ ルフルオロ化合物液によって置き換えられ、液の一回換気量の呼気及び吸気によ ってガスが交換される過程である。この液は、人工膜肺乃至他の手段(例:酸素 含有泡)によってO2が加えられ、CO2が取り去られる。肺のガス状の機能的残 気量がペルフルオロ化合物液によって置き換えられることにより、肺胞の気体/ 液体界面が取り除かれ、界面活性物質欠陥肺の表面張力及び界面張力が減衰され る。同上参照。 液体換気は、呼吸窮迫症候群をもつ未熟な子羊及び人間の幼児におけるガス交 換を向上させることが明らかにされているが、この形態の処置はいくつかの欠点 を有する。液体換気は、液の一回換気量を供給・除去するための、また液を酸化 させCO2を除去するための特殊な装置を要する。さらに、液の一回換気量を気 道を用いて移動させる場合は、粘性による抵抗が生じ、通常の乃至自然に起きる 液体呼吸を困難乃至不可能にする。同上参照。 極最近、ペルフルオロカ−ボン関連ガス交換と呼ばれる(部分液体換気とも呼 ばれる)修正された液体換気技術が開発された。 785-92(1993)参照。ペルフルオロカ−ボン関連ガス交換においては、液体の機能 的残気量が肺中に維持され、ガスの一回換気量が従来の機械の換気装置によって 供給される。この技術は、ペルフルオロ化合物液の表面張力減衰領域と、空気の 通り道におけるガス換気のガス流れ特性に対する抵抗の低さと、従来の換気装置 の単純さ及び親密さとから恩恵を被る。ペルフルオロカ−ボン関連ガス交換は、 呼吸窮迫症候群をもつ未熟な子羊と呼吸窮迫症候群を誘導された成長したニュ− ジ−ランドウサギにおいて、酸化し、CO2を除去し、肺の機構を向上させるこ とが明らかにされ Faithful及びWeersによるPCT出願第WO 92/19232号(これ以後' 232と記す)は、この機能的残気量技術について記載している。その出願では、 様々あるうちの任意のペルフルオロカ−ボンを使用できる可能性があることを論 じているが、開示された発明の主眼は、ブロモペルフルオロオクチル(PFOB )を推薦化合物として使用することにある。この化合物が選ばれた理由は、それ が異常な正の拡大係数を示したからである。この係数は、最適の機能の本質的な 特徴であると明細書に開示されている。 '232出願は、機能的残気量にほぼ等しい量のペルフルオロカ−ボンを肺に維持 することについて考察している。この引例は、総量を50ml/kg以下とし、少な くとも体重1キログラムにつき0.1mlのフルオロカ−ボンを使用することを開 示している。実験において投与された実際の量は、3乃至15ml/kgであった。 少ない量のPFOBは化合物の投与の間に完全に蒸発するので、この化合物のや や早い蒸発率から、PFOBの量はある程度割り出される。 '232出願の技術は、液体換気における液の一回換気量に関連する問題を回避す るが、やはりいくつかの限界をもっている。とちらの技術とも肺における液の機 能的残気量を維持するために、かなりの量のペルフルオロ化合物液を必要とする 。そして、ペルフルオロ化合物の蒸発率が高いので、さらに多量のペルフルオロ 化合物液を必要とする。大気中に放出されるかなりの量のフルオロカ−ボンは、 大気汚染と完全に無縁ではありえない。さらに、処置を受けている動物は、正常 に呼吸することができないので、換気装置による補助を必要とする。 呼吸補助のためにペルフルオロ化合物液を用いることから生じる別の問題は、 ペルフルオロデカリン等の(おそらくある程度のPFOBも)特定のペルフルオ ロ化合物液は、超膨張肺症候群を引き起こすということである。Clark et al., Biomat.,Art.Cells & Immob.Biotech.,20(2-4): 1073-99(1992)参照。超膨張 肺症候群とは、肺が胸腔いっぱいに広がったまましぼまず、呼吸を大変困難にす る現象を言う。この現象を示す動物はしばしばチアノ−ゼのように見え、労働時 の呼吸をし、明白な呼吸障害に陥り、しばしば1日から4日の内に死ぬ。解剖を すると、肺はピンク色で傷がなく正常のように見えるが、胸郭を開くと縮まない 。この現象は、器官内に原液を注入した後、または静脈内に特定のペルフルオロ 化合物のエマルジョンを注入した後発生し、フルオロカ−ボンの蒸気圧に関係し ていることを示すことができる。 発明の目的と概要 本発明は、肺疾患のある哺乳動物が、例えば機械的換気装置の補助なしに普通 に大気ガスを呼吸できるようにする方法に関する。 本発明には、肺疾患のある哺乳動物が大気ガスの通常呼吸ができるようなステ ップを含めて、幾つかのステップがある。それらのステップは、例えば肺の界面 活性物質不全や超膨張肺症候群にかかった動物又は人間が空気のような大気ガス を呼吸する際の助けとなる。大気ガスは、純粋酸素や、酸素、麻酔ガス、蒸気、 不活性ガスなどの混合物など、どんなガスでもよい。 本発明の方法では、液で満たされる肺全体容量よりもむしろ肺の内側表面を、 非常に薄いペルフルオロケミカルで覆う。ペルフルオロケミカルは肺表面に広が り、肺胞嚢の膨張を確実にする界面活性物質として働く。超低蒸気圧の化合物だ けが用いられ、ペ ルフルオロケミカルの薄い覆いが、長期間に渡って肺に残り、この療法のため超 膨張や他の肺のダメ−ジが起きない。このペルフルオロケミカルは一般的に不活 性で生物的ダメ−ジを引き起こさないとして知られているが、ペルフルオロケミ カルの薄い膜だけを使うと、ダメ−ジを大きく減らし、長期に渡るダメ−ジの可 能性も制限できる。 本発明の方法では、例えばスプレ−、注入、注ぎこみ、噴霧、煙霧、などの様 々な手段でペルフルオロケミカル液を気管を通して肺胞嚢へ注入する。ペルフル オロケミカルは大気ガスに対して浸透性があり、超膨張肺症候群を引き起こさず に実質的に永久に肺胞嚢の内側表面を覆う。ペルフルオロケミカルの例として、 以下のものがある。ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサン(AP−144) 、ペルフルオロフェナントレン(Pf−フェナントレン)、ペルフルオロメチル デカリン、ペルフルオロメチルエ−テルシクロヘキサン、ペルフルオロジメチル デカリン、ペルフルオロジエ−テルデカリン、ペルフルオロメチルアダマンタン 、ペルフルオロジメチルアダマンタン、ペルフルオロ−6、7H−アンデック− 6エン、とそれらの混合物である。ペルフルオロケミカル液は、大気中で摂氏約 150度以上の沸点を持つのが望ましい。現在、ペルフルオロフェナントレンと ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサンが化合物として最もふさわしい。臭素 の毒素と、体内で化合物が破壊した時起こる遊離基とのために、この方法におい ては臭素を含む化合物は使われない。 ペルフルオロケミカル液は、原液或は水性エマルションで用いられる。目標は 肺胞嚢の内側表面を覆うことである。ペルフルオロケミカル液の量は、動物が、 肺全体の容積を満たすことなく通常のO2/CO2血液ガス交換で大気ガスを呼吸 する、最低有効量 である。 体重1kgに対して0.1mlのペルフルオロケミカル液が好ましい。 そのようなペルフルオロケミカルの最少有効量をもたらし、なおかつ肺が適切 に覆われる方法が本発明で重要である。ペルフルオロケミカルを、キャリアとし ての超低蒸気圧と高蒸気圧の液ペルフルオロケミカルの混合物の一部として、或 は水性エマルションの一部としてペルフルオロケミカルを用いることによってこ の覆いはできる。 ペルフルオロカ−ボンの場合、超低蒸気圧化合物は高蒸気圧キャリア液の余分 な量の中で溶解し、その結果約1kgに対して1mlから20mlの範囲の量が肺に注 入され、肺が確実に覆われる。比較的短期間で高蒸気圧化合物は蒸発してなくな ってしまい、超低蒸気圧フルオロカ−ボンの所望の薄い層が残る。 高蒸気圧ペルフルオロカ−ボン液は、例えば以下のようなものである。ペルフ ルオロヘキサン(FC 72、3MCorp.)、ペルフルオロ−2ブチル−テ トラヒドロフラン(FC 75、PCR/SCM)、ペルフルオロポリプロポキ シエ−テル(F(CF3CFCF2O)2CHFCF3(E2)とF(CF3CFC F2O)3CHFCF3(E3)、デュポン社)、ペルフルオロトリメチルシクロヘ キサン(AP−125、エア−プロダクツ エンドケミカル社)、ペルフルオロ −5、6H−デック−5−エン(F−44E、デュポン社)、ペルフルオロデカ リン、シス−トランス異性体(PP5)などのキャリヤ物質である。摂氏約14 0度の沸点の他のペルフルオロケミカルも使える。超膨張が引き起こされないよ うにするために、これらの化合物は超低蒸気圧ペルフルオロカ−ボンのために溶 媒として少量用いられ る。 本発明ではさらに、予め覆いに用いられた適切な超低蒸気圧ペルフルオロカ− ボン液の量を再分配或は取り除くために、安全な(高蒸気圧或は超低蒸気圧どち らでもよい)ペルフルオロカ−ボン液が注入される。 水性エマルションの場合、少量の超低蒸気圧ペルフルオロカ−ボンは、機械的 撹袢そして/或は適切な界面活性物質の使用によって水性エマルションの中に分 散される。 図面の簡単な説明 図1は、呼吸器系疾患症候群にかかり、通常呼吸ができるように補助された成 長したホワイト・ニュ−ジ−ランド・ウサギの動脈pO2を示す。横軸は実験時 間を示し、縦軸はmmHgで表されたpO2を示す。 図2は、ペルフルフェナントレンの気管内注入後、9ヶ月間のホワイト・ニュ −ジ−ランド・ウサギの動脈pO2と脳aO2酸素の流れを示すグラフである。横 軸は注入前後の日々を表し、縦軸はmmHgで表されたpO2とマイクロアンペ アで表されたaO2を表す。 図3は、ペルフルフェナントレンの気管内注入が後続する9ヶ月以上のホワイ ト・ニュ−ジ−ランド・ウサギの動脈pO2と脳aO2酸素の流れを示すグラフで ある。横軸は注入前後の日々を表し、縦軸はmmHgで表されたpCO2とマイ クロアンペアで表されたaO2を表す。 図4は ペルフルオロデカリンによって引き起こされた超膨張肺症候群にかか り、通常呼吸ができるように補助された、成長した白ニュ−ジ−ランドウサギの 動脈pO2の量を表す。横軸は 定期的にとられた動脈血液サンプルを、(A)はウサギの呼吸する空気、(O) は酸素、(C)はカ−ボゲン(95%がO2/5%がCO2)、そして縦軸はmm Hgで表されたpO2を表す。 実施例の詳細な説明 以下に、当業者が本発明を製造し使用できるように最良の実施の様態を述べる 。もっともここに、特に肺に欠陥をもつ動物が大気中のガスを正常に呼吸できる ように補助するために、つまり換気装置による機械の補助なしに、肺に最小限の 非常に低圧力ペルフルオロカ−ボン液の膜を生成する方法を提供することを目的 とし、本発明の一般的な原理が定義されているので、様々な変形した実施例が考 えられることはいうまでもない。 本願の主要な化学物質であるペルフルオロ化合物は、医療目的の使用に推薦し うる、非常に興味深い特徴を多く有している。生理的に重要なガスである酸素と 二酸化炭素の二つは、これらの化合物に極めて溶け易いため、安全な血液の代用 物として早くからそして今も注目を浴びている。ペルフルオロ化合物を推薦する しうる第二の特徴は、そのほとんど全体的な化学的不活発さである。この化合物 は、実質的に非水溶性であり、分子構造に反応性陽子が存在しないことは、水素 結合の媒介する重要な細胞親和力を全く乃至ほとんど示さないことを意味してい る。同時に、ふっ素原子が存在することは、この化合物を脂肪恐怖症にし、細胞 膜の脂質二重層に簡単には溶けない。さらに、ほとんどのペルフルオロ化合物が 低い表面張力を有しているので、薄い効果的な膜をつくりながら肺細胞を簡単に 覆うことができるため、特に本発明に好適である。 ペルフルオロカ−ボン水溶エマルジョンを血液代用物として用いた多くの実験 は、注入されたペルフルオロカ−ボンの大半は肺の中及び皮膚表面で蒸発によっ て無くなってしまうことを示している。蒸発によって無くなる前に、乳化によっ て作られた多くのペルフルオロカ−ボンは細胞システムの食細胞の大食細胞にと らえられてしまう。これらの細胞は、その後このペルフルオロカ−ボンを主に肝 臓に預ける。ただし、脾臓や骨髄に行くペルフルオロカ−ボンもある。 ペルフルオロ化合物は一般に、化学的に不活性であるが、体細胞の中に長期間 残留していると酵素分解を蒙るかもしれないという恐れがある。臭素を含むペル フルオロカ−ボンの場合には、この可能性が高まる。なぜなら、細胞内での臭化 物イオンの放出によって危険な遊離基の生成を伴う恐れがあるため、酵素の臭化 物の放出は特に望ましくないからである。その結果、当初、ペルフルオロカ−ボ ンの選択、特に人工血液としての使用を意図した選択においては、蒸発が速いた めに付き添いながらのペルフルオロ化合物の定期的補給を要する高蒸気圧化合物 と、過剰な体内残留を示す低蒸気圧化合物とのバランスを要するものと考えられ た。大気ガスのペルフルオロ化合物への溶解率が高いので、実質的に通常の試験 により蒸気圧を決定するのは不可能である。したがって、沸点を蒸気圧の代用と して用いてきている。かつては、理想的な中間沸点(蒸気圧)は、140度Cと 145度Cの範囲で沸騰するペルフルオロデカリンのような化合物を用いること で得られると考えられていた。 数年前に、本出願人は、ペルフルオロカ−ボンは化学的不活性を有する代わり に、これらの化合物の多くははっきりとした肺障害を引き起こす可能性があるこ とを発見した。通常の哺乳動物の肺 は、柔軟で弾力がある。吸気においては、筋肉が胸壁と隔膜と呼はれる内部のし きりとに作用し、胸腔に部分的な空白を設ける。空気が柔軟な肺の中に入り、肺 を膨張させてその部分的な空白の一部を満たす。呼気においては、蒸気の過程が 逆に行われ、肺がしぼむと共に空気が外に出される。普通ならば、外科の処置に よって胸腔が開かれると、それまで肺を支えていた胸腔と大気との間の圧力差が なくなるために肺はしぼむ。しかし、静脈内乃至気管内に所定のペルフルオロ化 合物を処置された動物の胸を開いた場合、その肺はしぼまない。その代わりに肺 は固いまま伸びて胸腔を満たす。全体として、この障害をもつ肺は気腫の肺に似 ている。気腫においても、肺は固く、胸腔圧の変化に反応することができない。 この肺は、超膨張肺症候群と命名された。そして、本出願人はこの肺が比較的 高い蒸気圧をもつペルフルオロカ−ボンによって引き起こされることと、動物に 、脈管内に注入されたのと同じペルフルオロカ−ボンの蒸気を含む空気を吸入さ せることによってこの肺が抑制されることに気がついた。超膨張肺症候群は、高 蒸気圧のペルフルオロカ−ボンが、肺細胞で放散するより速く蒸発するという傾 向によって引き起こされるものと思われる。 脈管内に投与された化合物の場合は血液から肺の管腔に向かって、また、気管 内に投与された化合物の場合は肺の管腔から血液に向かって、低レベルの化合物 が肺細胞で放散するにつれ、フルオロ化合物の蒸気圧が所定の臨界値を超えた時 、小泡が肺細胞内に形成される。この泡は、浸透と類似している理想気体の法則 から求められる比率に従い、周囲の血液及び大気ガスによって満たされるにつれ 拡大する。つまり、生物学的細胞は様々なガスに透過可能である。細胞は、実質 的にフルオロカ−ボン蒸気に透過す ることはできないが、大気ガスには非常な透過性を有する。従って、大気ガスは 、これらの泡における大気ガスの部分圧が大気における大気ガスの部分圧に等し くなるまでこれらの泡に放散する(肺の管腔)。肺の管腔をフルオロカ−ボン蒸 気で満たすならば、簡単に透過する性質をもつ大気ガスの部分圧を下けることに より、この大気ガスの放散のプロセスを減衰させることができる。ガス泡は、通 常柔軟な肺細胞を、泡で満たされた比較的固い細胞に変換する。それは、柔軟な プラスティック膜が泡で包まれた固い梱包材料板に変換されるのと似ている。超 膨張に関する詳細については、Schott et al."Proposed Mechanism of Pulmona ry Gas Trapping Following Intravcnous Pcrfluorocarbon Emulsion Abministr ation," poster presented at the International Synposium on Blood Substit utes,Sheraton Hote,San Diego,California March 16-20,1993を参照された い。 超膨張肺症候群の泡は、ペルフルオロ化合物が蒸発するのを減じる(つまり蒸 気圧を下げる)か、「浸透」効果を減じるために生物学的細胞においてより速く 放散するような化合物を用いることによって回避することができる。唯一の実際 的なアプロ−チは充分に低い蒸気圧をもつ化合物を用いることである。今では、 約150度C以上の沸点をもつ化合物のみが超膨張肺症候群の障害を引き起こさ ないように思われる。 現段階でこの発明に推薦される2つの化合物は、約215度Cの沸点をもつペ ルフルオロフェナントレンと、約150度Cの沸点をもつペルフルオロテトラメ チルシクロヘキサン(AP−144)とである。ペルフルオロフェナントレンは 、蒸気圧が非常に低いため肺において非常に長い残留時間をもつと思われる。こ の化合物は、目の手術において、硝子体液の安全な代用物とし て既にかなりの成功を収めている。複数の試験によって、ペルフルオロテトラメ チルシクロヘキサンが超膨張障害を回避するのに充分なほど低い蒸気圧を有する ことが確認されている。しかし、肺における残留時間は、数日乃至数週間の範囲 であることが多い。したがって、この化合物はペルフルオロフェナントレンのキ ャリアとして、また、ペルフルオロフェナントレンを除去し再供給するための洗 浄として、混ぜて使用するのが望ましい。 重要ではあるが必ずしも明確ではない点として、脈管内に投与されたペルフル オロカ−ボン(人工血液)と気管内に投与されたペルフルオロカ−ボン(本発明 )とのどちらも超膨張肺症候群を引き起こす可能性はあるが、理想的な化合物を 選択する基準はそれぞれで違っている。溶解性の低さ及び生物学的細胞への放散 の低さにより、肺に投与されたペルフルオロカ−ボンはほとんど体内の他の場所 には入り込まないので、肺内で非常に長く残留する高い沸点をもつ化合物は安全 であり、実際、気管への投与に適している。また、肺から出る空気が急速に交換 されるため、より高い蒸気圧をもつ化合物の中には、安全なものもある。なぜな ら、その投与量によって、充分なペルフルオロカ−ボン物質が生物学的細胞へ放 散してガス泡を形成する前に、これらの化合物は肺から蒸発してしまっていると 思われるからである。もちろん、このような化合物は、呼吸窮迫症候群に対して はあまり有効ではないと思われる。なぜなら、ある程度の時間で肺から消えてし まうからである。これら相争う特質が本発明の中心をなしている。 以上、超膨張肺症候群の危険性及び本発明におけるペルフルオロ化合物の選択 を制御する際の基準を説明したが、別の特質、つまりペルフルオロカ−ボンの低 表面張力についても説明を要する。以下、詳細に説明してゆくが、肺にペルフル オロカ−ボンを添加 する最大の理由は、肺胞嚢に膜を貼り、肺表面にくっついた肺表面によって、い かなる制約もなくこれらの肺胞嚢を膨張させることである。正常な状態では、肺 表面には肺特有の界面活性物質の膜が形成されている。しかし、所定の病気にか かった状態では、この肺界面活性物質は、肺細胞の粘着を充分に防ぐことができ ない。水にも脂質にも溶解しないペルフルオロ化合物のような不活性物質によっ て肺表面か覆われた場合には、肺細胞の粘着を防ぐことができる。 ペルフルオロカ−ボン液のほとんどは、非常に低い表面張力、つまり、生理学 上の温度において20mN/m以下の表面張力を有していることが知られているが、 ペルフルオロ化合物が肺表面に適切に膜を貼り付けるかどうかについては論議さ れている。化合物の比較選択を正当化するために、計算によって「拡大係数」を 導き出した研究者もいる。実際、この問題の全体は、肺表面の実際の表面張力を 計測することを意図した研究の刊行物に詳しく説明されている(S.Schurch,S. ,J.Goerke,and J.A. Clements,Proc.Ntl.Acad.Sci.USA,73: 4698-4702 (1976))。これらの研究者は、ねずみの肺の肺表面の正確な表面張力は、総肺容 量の62%から87%の範囲におけるそれぞれ異なる肺膨張において、約9mN/m から約20mN/m範囲で変化することを発見した。 上記では、もっとも界面活性物質を保護する必要のある縮小肺においては最低 表面張力を要するので、それが最も効率的な界面活性物質効果となることを示し ている。さらに、この研究は、肺表面張力がペルフルオロカ−ボンの表面張力を 超えた時には必ずペルフルオロカ−ボン液は薄いレンズとなって広がることを実 証した。界面活性物質欠陥を有する肺は30mN/m上の表面張力を有することが知 られている。この値は、候補とされるどのような 種類のペルフルオロ化合物の表面張力よりも高い数値である。したがって、肺の 界面活性物質に欠陥がある場合、ペルフルオロ化合物を均等に肺に配分したなら 、それらのペルフルオロ化合物は自動的に広がり、膜となって肺を覆うと考えら れる。もしも、もともと乃至後で適切な界面活性物質が存在する場合には、肺表 面張力はペルフルオロカ−ボンの表面張力を下回り、肺表面張力が再び高くなる ことがあるとしたらその時まで、丸い小滴になっていることが推測される。 例えば、超膨張肺症候群乃至他の肺欠陥によって肺の界面活性物質に欠陥を有 する動物乃至人間に対して、周囲の大気ガスの正常な呼吸によって補助すること ができる。周囲のガスとしては多くの種類があるが、例えば純粋酸素、酸素混合 ガス、麻酔ガス、蒸気、不活性ガス等のガスのいずれでもよい。 例えば、スプレ−、注ぐ等の、多くの異なる手段のいずれかによって、動物の 肺のより細かな空間、つまり肺胞嚢を膜で覆うことを目的として、気管内にペル フルオロ化合物液が注入される。ペルフルオロ化合物は周囲のガスに対する透過 性があり、超膨張肺症候群を誘発することなく、肺表面に膜を貼り、実質的に恒 久的に肺胞乃至肺胞嚢に残留する。「実質的に恒久的に」という表現は、数日、 数週間、数カ月、さらに数年の順に、必要とされる補助の規模によりかなりの期 間の時間を意味する。肺での残留時間は、主にペルフルオロカ−ボンの蒸気圧と 関係している。 本明細書で既に上記の通り、ペルフルオロ薬品は、化学的及び生物学的不活性 や、「湿らせ」肺の内部に薄い膜乃至層となって広がる能力、低表面張力などの 他に、O2/CO2の輸送代用物としての能力を有するが故に用いられる。ペルフ ルオロカ−ボンは、大量のO2及びCO2を簡単に分解する。また、化学的に不活 性で あるので薬理学的に有害な活動を何も有さない。使用されるペルフルオロ薬品液 は、肺に、超膨張肺症候群等の副作用を及ぼさない程度に低く、かつ充分な期間 肺胞嚢に液が残留する程度に低い蒸気圧を有する必要がある。 本発明においては、大気状態(標準圧である760mm Hg)において少なくと も約150度Cの沸点をもつペルフルオロ薬品液が推薦される。そのようなペル フルオロ薬品であって、その選択されたもの次第で数日、数週間、数カ月、さら に数年肺中に残留するようなペルフルオロ薬品が選択される。多くの異なるペル フルオロカ−ボンのうち、以下の液を含むものであればどれでも用いることがで きる:ペルフルオロフェナントレン、ペルフルオロテトラメチルヘキサン、ペル フルオロメチルデカリン、ペルフルオロディメチルエチルシクロヘキサン、ペル フルオロディメチルデカリン、ペルフルオロディエチルデカリン、ペルフルオロ メチルアダマンタン、ペルフルオロディメチルアダマンタン、ペルフルオロ−6 、ペルフルオロ−7、H-undec-6-cne、現在最も低い蒸気圧有する化合物の選択 であるペルフルオロテトラメチルシクロヘキサン及びペルフルオロフェナントレ ンを含む上記の混合物。 使用されるペルフルオロ薬品は、高蒸気圧のキャリアと非常に低い蒸気圧の「 膜」分子とを混合したものか水溶エマルジョンかの原液であってよい。油と水を 含むエマルジョンを用いる場合には、エマルジョンの水の部分及び乳化剤は吸収 され、フルオロカ−ボンの部分は「ろ過」され、肺の表面張力がペルフルオロ薬 品の表面張力より高くなった場合に広がる部分として、肺胞の内部表面上に蓄え られる。 この液は、動物が、正常なO2/CO2血液ガス交換とともに周囲のガスを呼吸 するのに充分な量が加えられる。動物が正常に呼 吸できる理由は、本発明においては比較的少量のペルフルオロ薬品液を投与する からである。液体換気及びペルフルオロカ−ボン関連ガス交換(部分的機械液体 換気)のような現存する治療では、少なくとも肺の通常の機能的残気量に匹敵す る程度の大量のペルフルオロ薬品液を投与する必要がある。未成熟の子羊では、 この量は、30ml/kgに相当し、成長したニュ−ジ−ランドのウサギの典型では 、18ml/kgに相当する。Leachct al.,Critical Care Review of Respiratory Diseasc,148: 785-92(1993)参照。液体換気では、ペル フルオロ薬品液の総投与量には、液の一回換気量が含まれる。しかし、本発明の 方法によれば、肺の機能的残気量の重要な部分を満たすのではなく、肺胞嚢の表 面を覆うだけに充分な量である、実質的に少量のペルフルオロ薬品液の投与量を 要する。この発明においては、動物が通常に呼吸するのに充分な投与量であれば よく、望ましい発明の形態におけるとしては、典型的な投与は、体重1kgにつき 約1mlの溶解から、約10ml/kgのペルフルオロカ−ボン混合乃至エマルジョン の範囲である。非常に低い蒸気圧を有するペルフルオロカ−ボンの凝縮効果は低 く、0.1ml/kg未満が望ましく、溶液の残りは非常に低い蒸気圧を有するペル フルオロカ−ボンの配分を保証する程度のものとする。 以下に、肺欠陥を有する動物が正常に周囲のガスを呼吸するのを補助する発明 方法のいくつかの面を示す例をあげる。最初の例は、ペルフルオロ薬品の効果を 示すものであるが、一般的には、望ましい値よりは多量のペルフルオロカ−ボン 投与をする。それは、化合物の残気レベルだけではなく、毒性の効果がより簡単 に検出できるようにするためである。その後の例は、長期間に渡る安全性が示さ れた後での、非常に低い蒸気圧を有するペルフルオ ロカ−ボンの望ましい効果的な投与量の中での最小の投与量の有効性を示す。 例1 例1は、正常な呼吸のための発明方法、つまり、換気装置の補助なしで行う方 法、によって補助される呼吸窮迫症候群の動物を示す。 正常な成長した白いニュ−ジ−ランドウサギに麻酔をかけ、アボカスプラスチ ックカニュ−レを血液採取のために耳の動脈に取り付けた。シリコンゴム(サイ ラスティック)カニュ−レ管を、気管を切って気管に固定し、ハ−バ−ド換気装 置さらに酸素供給器に接続された。一回拍出量及び一回拍出率はこのサイズの動 物に適した値に調整した。この接続は、酸素圧が水15cm超えないようになされ た。最大一回換気量を保証するために、ほんのわずかの負の圧力を換気装置の出 口バルブに与えた。低い側の動脈のCO2張力を維持するよう換気装置を調整し た。ヘパリンを加えた動脈血のサンプルを酸素なしで集め、すぐに血液ガス張力 及びpHを分析した。それに加えて、血液乳酸塩、グルコ−ス、ヘマトクリットの 分析をおこなった。 ウサギの肺は、肺の天然界面活性物質を除去するために、等浸透圧の塩水を流 し続けて洗浄した。洗浄された液と動脈pO2の中の粒との外観は、界面活性物 質の除去を判断する際の主要な基準として用いられた(図1参照)。洗浄用塩水 がゆっくりと注入されている間に換気装置をはずした。洗浄は、pO2が200T orrより少し下回るくらいまで落ち、動物が100%酸素を呼吸するまで続けた 。図1は、界面活性物質が洗浄によって除去された時の、動脈酸素張力の著しい 低下を示している。 酸素が気管のカニュ−レに流れ込んでいるとき、ペルフルオロ薬品液を注入し た(図1のたての矢印)。どちらも低蒸気圧ペルフルオロカ−ボンであるペルフ ルオロフェナントレンとペルフルオロメチルデカリンとを1:1の割合で混合し たものから3ml/kg(9.6ml)を気管に投与した。このフルオロカ−ボンを投 与し換気装置を作動し続けた後ては、動脈pO2は良好に維持された(図1)。 気管の管を取り外し換気装置を切った時、動物は自然に空気を呼吸した。実際 、ハ−バ−ド換気装置をウサギからはずした時の動物の反応は、まっすぐ座った まま、水をなめたり飲んだりするというものだった。動脈pO2が示すように、 肺機能は維持された。動脈pO2は、空気を呼吸する健康なウサギの平均pO2に 近いレベルを保った(図1)。 例2〜5への実験室における方法 Pasteurella及びEncephalitozoon cuniculiにかかっていない正常な成長した 白いニュ−ジ−ランドウサギ何匹かに、20mg/kgのケタミンを静脈に注入して 麻酔をかけた。それぞれの動物に対して無菌技術を用いてシリコンゴム(サイラ スティック)気管カニュ−レを取り付け、首の真ん中の切り口に固定した。この シリコンゴムカテ−テルは、ぴったりと気管の内側の直径に合う大きさであった 。12mlという多量のプラスティックの注入器から成るじょうごのついたカニュ −レを通して酸素を供給した。その間、生物学的分類によるペルフルオロフェナ ントレンをゆっくりじょうごに注いだ。使用前に粒子をきれいに取り除くために 、0.22ミクロンのフィルタ−を通してペルフルオロカ−ボン液を流し込んだ 。 ペルフルオロカ−ボン液の注入の最中、それぞれのウサギの頭と肩を少し持ち 上げた。その時、息苦しさやもがき等の苦痛の兆候はみられなかった。注入の後 で、5−0絹を2切れ用いて気管の切り口を閉じた。正方形のGelfoam(TM)を一 枚閉じた気管の切り口にかぶせ、2−0絹を用いて筋肉と皮膚を縫合した。麻酔 から醒めるとき、特に問題もなく、動物は起き、注入後1時間後には正常のよう に見えた。ペントバルビタ−ルナトリウムの静脈への過剰投与によってこれらの ウサギが犠牲となるまで、これらのウサギに対して昼間の観察を続けた。 血液を採取した後実験室で直接、血液中のpH,pO2,pCO2、ヘマトクリ ット、グルコ−ス、乳酸塩の測定を行った。息、血液、細胞中のペルフルオロカ −ボンに対して、この実験室で開発された空気乃至頭腔の分析方法を用いて、ガ スクロマトグラフィ−分析を行った。用いられたガスクロマトグラフはヒュ−レ ットパッカ−ド58880Aモデルで、コラムは1/8インチx20フィ−トの ステンレス鋼で、80/100クロマソ−ブWAWにSE−30が20%であっ た。キャリアガスはメタン5%アルゴン95%であった。 例2 例2は、ペルフルオロフェナントレンを肺胞嚢に取り付けてから数ケ月後、肺 中にペルフルオロフェナントレンが残留していることを示す。単に肺表面をおお うのに必要な量を超える量のペルフルオロカ−ボンを使用して、数ケ月後でも残 留が検出できるようにした。 表1は、ペルフルオロ薬品を気管に投与してから数ケ月後の時点における血液 及び肺中のペルフルオロフェナントレンの量を示 す。ウサギの何匹かには、表1に示すように、ペルフルオロフェナントレンとブ ロモペルフルオロオクチル(PFOB)とを1:1の割合で混合したものを投与 した。この場合、PFOB量はかっこの中の数値である。PFOBを投与するの は、肺内の配分をレントゲンで調べるためである。この混合液を与えられるウサ ギおいては、表1に示される量の半分はペルフルオロフェナントレンてあり、あ との半分はPFOBである。 表1から分かるように、分析されたそれぞれのウサギにおいて、ペルフルオロ フェナントレンは、血液中に比して肺内にはるかに多くの量を有する。肺細胞に おいてより多量であることは、多量のペルフルオロフェナントレンが投与後の肺 内に残留しているこ とを示す。また、PFOBの値が低いことは、如何にPFOBがペルフルオロフ ェナントレンを残して完全に蒸発してしまうかを示している。 例3 例3は、呼吸する空気、酸素、カ−ボゲンに対する生理学的反応(酸素95% 、二酸化炭素5%)は、気管にペルフルオロフェナントレンを投与した後9ケ月 間本質的に正常であること、及び、気管にフルオロカ−ボン液を投入したことに よる障害は脳にも肺にもないことを示す。 気管へのペルフルオロフェナントレンの投与の3週間前に、2.02kgの若い 成長したメスウサギを、ペントバルビタ−ルナトリウムの静脈への投与によって 麻酔にかけ、双プラチナボルタ計電極を脳皮質に埋めこみ、双シルバ−線電極を 皮下に埋め込み、傷が治るようにした。脳aO2(セレブロコ−ティカル酸素獲 得)及び他の電気化学生理学的計測の記録が、ペルフルオロフェナントレン液の 投与に先立ち、この動物に行われた。気管注入の時点で、このウサギは、体重2 .9kgで、11.6mlの液体が注入された。 ペルフルオロフェナントレンの投与後およそ9ケ月に渡って、同じ方法による 動脈血ガス及び脳aO2電極電流計測が実施された。表2及び3は、投与直前及 び直後の血液値を示す。図2は、pO2及び脳aO2酸素電流値を示し、図3は、 9ケ月間に渡るpCO2及び脳aO2酸素電流値を示す。これらの値は、このウサ ギが生きている間比較的一定である。 フルオロカ−ボン液投与から9ケ月後、ウサギをペントバルビタ−ルナトリウ ムの過剰投与によって殺した。解剖では、肺には損傷乃至超膨張の兆候は何も見 られなかった。 例4 例4は、呼吸する空気、酸素、カ−ボゲンに対する生理学的反応(酸素5%、 二酸化炭素95%)は、ペルフルオロフェナントレンの投与から20.5ケ月後 において、本質的に正常であることを示す。 上記の実験室の方法に従って、フルオロカ−ボンの投与のために、1.84kg の若い成長したメスウサギを準備し、3.9mlの液ペルフルオロフェナントレン (2ml/kg)を気管に注入し、20.5ケ月間観察した。表4と5に、それそれ 15.5ケ月目と20.5ケ月目における動脈血値を示す。時がたつにつれて比 較的一定である。解剖では、肺は正常に見え、損傷乃至超膨張の兆候は何も見ら れなかった。 例5 例5は、ペルフルオロデカリンを誘導したHLSを投与し、換気装置による機 械の補助なしに、本発明によって正常な呼吸を補助した動物を示す。 HLSを誘導するために、健康で成長した白いニュ−ジ−ランドウサギに、プ ルロニックF−68界面活性物質(ポリオキシリン界面活性物質)にボリュ−ム で10%のペルフルオロデカリンのエマルジョンを10ml/kg(26.6ml)静 脈に注入した。この投与は、1日で最大肺膨張を誘導することが知られている。 このエマルジョン投与の1日後、上記の標準的な実験室方法に従って、10.5 mlのペルフルオロフェナントレン原液を気管に注入した。この実験を通じて、動 物には換気装置を使用しなかった。 解剖では、数人の訓練を受けた観察者が調べ、5段階の評価を行った。段階1 は最大膨張を表し、5は膨張していない通常の縮んだ肺を表す。ペルフルオロフ ェナントレンを注入しなかったとしたら、この時点で段階1を示したと思われる 。そして、実際のところ、ペルフルオロフェナントレンを注入したウサギに与え たのと同時にペルフルオロデカリンのエマルジョンを与え、同時に殺した実験ウ サギは、段階1の評価であった。しかし、ペルフルオロフェナントレンを注入し た超膨張肺症候群を有するウサギは、解剖時で、平均段階3.25の評価であっ た。 この動物の実験期間中における動脈血ガス値を図4に示す。時間を表す水平方 向の軸は3日に分かれている。ペルフルオロデカリンのエマルジョンの静脈(I V)投与及びペルフルオロフェナントレンの気管(IT)投与は、それぞれ第1 の矢印と第2の矢印で示している。 時間経過後のpO2の値は、超膨張肺症候群に引き続き、ペルフルオロフェナ ントレンの気管への点滴によって通常通り大気ガスを呼吸できるように補助され た動物を示している。ペルフルオロデカリンのエマルジョンのIV投与の後の3 番目のデ−タのかたまりは、肺における障害を特にはっきり示している。動物が 酸素(O)を吸っている間に得られた極めて低いpO2の値は、肺障害を典型的 に示す、O2/CO2血液ガス交換の不活発さを示している。しかし、ペルフルオ ロフェナントレンのIT投与後すぐ、膜を超えて行われるO2/CO2輸送は大き く伸びている。それは、pO2の値が高くなっていることから知ることができる 。 例6 ウサギの肺に低蒸気圧ペルフルオロカ−ボンを 少量残すための手順 成長した白いメスニュ−ジ−ランドウサギを、ペントバルビタ−ルナトリウム によって麻酔にかけ、その気管を皮膚切開によって開けた。気管の内側の直径に 合うシリコンゴム管を選び、切り口から気管に挿入した。その管は一時的に包帯 でその場所に固定された。ウサギは一貫して、100%酸素を吸入した。 1v/v%のペルフルオロフェナントレンと0.1v/v%のXMO−10(Allied Chemicalの製造するペルフルオロエ−テル界面活性物質で、一般化学式(CF3 2−CFO−(CF2)3−CONH−(CH23−NO−(CH32を有する )とを含有する、水を基調としたエマルジョンを、1キログラムあたり2ミリリ ットル、プラスティックの小さなじょうごから気管カニュ−レに投与した。これ は、体重1kgにつき0.02mlのペルフルオロフェナントレンに等しい(AP− 215,Air Products & Chemicals,高純度)。界面活性物質XMO−10は、以前は、ペルフルオロ カ−ボンを簡単に乳化できるが効果的な密度に赤血球を溶血することができない 小数のフルオロ化された界面活性物質の一つとして認識されていた。水溶エマル ジョンは、ウサギの肺に均等にペルフルオロカ−ボンを広げることを意図して用 いられている。そうすることにより、肺細胞は水と界面活性物質XMO−10を 吸収し、ペルフルオロフェナントレンが残って肺の表面を覆う。XMO−10は 腎臓によって簡単に分泌されるもので、化学的な変化を蒙ることはない。 実験の全体を通して特に問題もなく、ウサギの回復は迅速かつ完全であった。 動脈血のサンプルによって、注入後1日目、2日目、4日目、30日目に、血液 ガスとpHを分析した。その時、動物は最初空気を吸い、次に酸素を吸った。pC O2の値は29.7から38.0の範囲を示した。動物が最初空気を吸い、次に 酸素を吸う時に測定された動脈pO2の値は、93.5,531;85.5,5 13;86.0,586で、30日目では、(空気のみ)94.0であった。全 てのサンプルでのpHは7.29から7.35の範囲を示した。これら全ての値は 、健康な動物では正常とみなされる。 この動物は、注入から347日後に、致死量の薬物投入によって殺した。肺は 、検死ては正常に見えたのであるが、取り出して冷凍した。その後で、フルオロ カ−ボンの内容についてガスクロマトグラフィ−分析及び電子捕獲検出を行った 。肺のサンプルは密封されたホウケイ酸塩のガラス容器に入れ、サンプルをマイ クロ波で熱してから冷ました後で頭腔を分析した。この分析結果を表6に示す。 例7 非常に低い蒸気圧を有する フルオロカ−ボンを除去することを目的とした 安全な高蒸気圧フルオロカ−ボン液による肺洗浄 本発明の非常に低い蒸気圧を有するフルオロカ−ボン液は実質的に恒久的に肺 に残留する可能性があるため、それらを取り除くための安全な方法を有するのが 望ましい。 体重200gの健康な若い成長したメスシュプラ−グド−リ−ねずみをケタミ ンとキシラジンとの混合を用いて麻酔にかけ、気管にプラスティックのカニュ− レを挿入した。20マイクロリットル(0.1mg/kg(体重))のペルフルオロ フェナントレン(AP−215)を投与し、ねずみを1時間に渡り酸素を吸入し ながら麻酔がかかったままにした。必要な分量の補足麻酔を投与した。 その後、1.2ミリリットル(6mg/kg(体重))のペルフルオロテトラメチ ルシクロヘキサン(AP−144)で肺を洗浄した。再生したペルフルオロカ− ボンを電子捕獲ガスクロマトグラフィ−によって分析した。ペルフルオロフェナ ントレンのピ−ク(保有時間:9.06分及び9.43分)はペルフルオロテト ラメチルシクロヘキサン(保有時間:3.86分)の後ろに簡単に見つけられる 。さらに2ミリリットル(10mg/kg)のペルフルオロテトラメチルシクロヘキ サンを加えた後上記のプロセスを繰り返した結果、肺から取り出されたフルオロ カ−ボンの中から再びペルフルオロフェナントレンが検出された。 この前に説明している通り、ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサンは、低 蒸気圧を有する化合物より残留時間は長くないが、完全に安全な程度の低い蒸気 圧を有する。従って、ペルフルオロフェナントレンのような極端に長い残留時間 を有するペルフルオロカ−ボンを再配分もしくは除去するのが望ましい。残留ペ ルフルオロテトラメチルシクロヘキサンそれ自体は、本質的に数日の内に全て蒸 発するものと思われる。このプロセスは、数時間の内に肺から急速に消滅するペ ルフルオロ−2−ブチルテトラハイドロフランのようなより高い蒸気圧を有する ペルフルオロカ−ボンを用いてもよい。 例8 ペルフルオロカ−ボン混合膜の効果 上記の説明及び実験結果の通り、非常に低い蒸気圧を有するフルオロカ−ボン 液は効果的に肺の表面をコ−ティングし、肺の損傷を誘発することなく呼吸困難 を解消することができる。例6では、エマルジョンを基本とした、非常に少量の 、肺のコ−ティン グに最小の量の低蒸気圧のペルフルオロカ−ボンの投与を取り入れた方法を示し た。本例では、低蒸気圧のとより高い蒸気圧のペルフルオロカ−ボンの混合液を 、非常に少量の、肺のコ−ティングに最小の量の低蒸気圧のペルフルオロカ−ボ ンを輸送する媒体として用いる。 2匹の若い成長したメスシュプラ−グド−リ−ねずみをケタミンとキシラジン との混合を用いて麻酔にかけ、気管を切開しポリエチレンのカニュ−レ管を挿入 した。これらのねずみは全体を通して100%酸素を吸入し、安定した均一の呼 吸率を続けた。 温かな酸素飽和塩水を用いた気管支肺胞の洗浄によって、天然肺界面活性物質 を除去することにより、呼吸障害を誘導した。洗浄によって、即座に不規則で不 均一な呼吸が生じ、ねずみはチアノ−ゼのように見えた。 はっきりとした回復のきざしのないまま5分が経過した後、ペルフルオロ−2 −ブチルテトラハイドロフラン(FC 75,PCR/SCM)に6ml/kgの0 .01v/v切ペルフルオロフェナントレン(AP−215,Air Products & Chem icals)を混ぜたものを、一方のねずみの肺に、気管カニュ−レを通して注入し た。呼吸は規則的になり、呼吸率は少し上昇した。そのねずみの色は通常のピン クになり、特に問題なく回復した。 もう一方のねずみには、6ml/kgのペルフルオロ−2−ブチルテトラハイドロ フランを投与した。呼吸は規則的になり、そのねずみの色は通常の色になった。 最初の5時間の間、この動物は正常に見えた。しかし、7時間目には、労働時の 不規則な呼吸を有する呼吸障害の新たな兆候を示した。さらに5時間に渡って酸 素を投与したが、ねずみの障害は減じないように見えた。 このねずみを殺し、検死の前に静脈血を再生した。肺は通常に 比べてやや赤いように見えたが超膨張ではなかった。左上葉は肝臓の色と同じ色 をしており、空気を注入した時に他の葉が膨張したのに対し、膨張しなかった。 血液中のpCO2は101.2mmHg、pO2は45.2mmHg、pHは7.008で あった。 ペルフルオロフェナントレンで処置したねずみは完全に回復した。3日後、ね ずみの息を電子捕獲検出器ガスクロマトグラフィ−で分析した。予想された通り 、ほとんどのペルフルオロテトラハイドロフランは蒸発していた。その一方で、 注入時のペルフルオロテトラハイドロフランとペルフルオロフェナントレンとの 比率は、10,000/1であったのに対し、同比率は2,301/1とかなり の量であった。 この実験は、ペルフルオロカ−ボン混合液が、非常に少量であるが効果的な肺 のコ−ティングに最小の量の低蒸気圧のペルフルオロカ−ボンを投与するのに効 果を有することを示している。この混合液の第1回目の投与においては、より高 い蒸気圧のと非常に低い蒸気圧のペルフルオロ化合物のどちらも、酸素の輸送及 び天然肺界面活性物質の代用となるのに効果を有していた。 より高い蒸気圧のフルオロカ−ボンのみを投与された第2のねずみには、その 高蒸気圧フルオロカ−ボンが発するやいなや(5時間から7時間後)、界面活性 物質の欠如によって引き起こされた呼吸障害が再発した。血液ガス測定及び肺の 外観はこの説明と一致していた。他方、第1のねずみでは、高蒸気圧フルオロカ −ボンが蒸発した後、薄い膜(0.006ml/kg未満)のペルフルオロフェナン トレンが界面活性物質の仕事を生き生きと遂行した。 この混合液の技術を用いるなら、簡単に、非常に低い蒸気圧を有するペルフル オロカ−ボンの効果的な薄膜を設けることができる。 これらの物質は一般的に非常に粘性が高く、蜂蜜のようである。したがって、通 常の技術ではこのような膜を設けることはできない。これらの化合物は、患者の 生きている間中、肺に残留することが予想される。 成功した混合は、肺及び他の部分に障害を引き起こさないような2種類のフル オロカ−ボンのみを要する。本例では、より高い蒸気圧を有するペルフルオロカ −ボンと、安全かつ非常に低い蒸気圧を有するペルフルオロカ−ボンとを混合し たが、本発明からは、異なる沸点を有する2種類の非常に低い蒸気圧を有するペ ルフルオロカ−ボンの混合も考えられる。例えば、効果的な量のペルフルオロフ ェナントレン(沸点が約215度C)とキャリアとしてのペルフルオロテトラメ チルシクロヘキサン(沸点が約150度C)とを含む混合であっても良い。この 場合、より高い沸点の化合物がほとんど恒久的に効果的な薄膜として持続するも のと考えられる。より低い沸点の化合物はより速く蒸発すると考えられる。ただ し、ペルフルオロ−2−ブチルテトラハイドロフランの場合には数時間で蒸発し たのに対し、数日間持続するものと予想される。 さらに、より高い蒸気圧を有するペルフルオロカ−ボンと、非常に低い蒸気圧 を有するペルフルオロカ−ボンとを混合したエマルジョンも、例6と例8の利点 の結合を目的として、適用するのは簡単であると思われる。これにより、肺中に おける、より少量の、より高い蒸気圧を有するペルフルオロカ−ボンによる、よ り優れた配分を得ることができると思われる。 当業者は、上記の望ましい実施例に対して、発明の範囲と精神を逸脱すること なく、様々な適用及び修正が考えられることを認めるものと思われる。したがっ て、後半に付したクレ−ムの範囲 によって、ここに記載された特定の例以外にも実施可能であることが理解されて しかるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年6月3日 【補正内容】 るものには、他に液体換気がある。液体換気は、肺のガス状の機能的残気量がペ ルフルオロ化合物液によって置き換えられ、液の一回換気量の呼気及び吸気によ ってガスが交換される過程である。この液は、人工膜肺乃至他の手段(例:酸素 含有泡)によってO2が加えられ、CO2が取り去られる。肺のガス状の機能的残 気量がペルフルオロ化合物液によって置き換えられることにより、肺胞の気体/ 液体界面が取り除かれ、界面活性物質欠陥肺の表面張力及び界面張力が減衰され る。 液体換気は、呼吸窮迫症候群をもつ未熟な子羊及び人間の幼児におけるガス交 換を向上させることが明らかにされているが、この形態の処置はいくつかの欠点 を有する。液体換気は、液の一回換気量を供給・除去するための、また液を酸化 させCO2を除去するための特殊な装置を要する。さらに、液の一回換気量を気 道を用いて移動させる場合は、粘性による抵抗が生じ、通常の乃至自然に起きる 液体呼吸を困難乃至不可能にする。 極最近、ペルフルオロカ−ボン関連ガス交換と呼ばれる(部分液体換気とも呼 ばれる)修正された液体換気技術が開発された。 785-92(1993)参照。ペルフルオロカ−ボン関連ガス交換においては、液体の機能 的残気量が肺中に維持され、ガスの一回換気量が従来の機械の換気装置によって 供給される。この技術は、ペルフルオロ化合物液の表面張力減衰領域と、空気の 通り道におけるガス換気のガス流れ特性に対する抵抗の低さと、従来の換気装置 の単純さ及び親密さとから恩恵を被る。ペルフルオロカ−ボン関連ガス交換は、 呼吸窮迫症候群をもつ未熟な子羊と呼吸窮迫症候群を誘導された成長したニュ− ジ−ランドウサギにおいて、酸化し、CO2を除去し、肺の機構を向上させるこ とが明らかにされ 比べてやや赤いように見えたが超膨張ではなかった。左上葉は肝臓の色と同じ色 をしており、空気を注入した時に他の葉が膨張したのに対し、膨張しなかった。 血液中のpCO2は101.2mmHg、pO2は45.2mnHg、pHは7.008で あった。 ペルフルオロフェナントレンで処置したねずみは完全に回復した。3日後、ね ずみの息を電子捕獲検出器ガスクロマトグラフィ−で分析した。予想された通り 、ほとんどのペルフルオロテトラハイドロフランは蒸発していた。そして、注入 時のペルフルオロテトラハイドロフランとペルフルオロフェナントレンとの比率 は、10,000/1であったのに対し、同比率は1/2,301であった。 この実験は、ペルフルオロカ−ボン混合液が、非常に少量であるが効果的な肺 のコ−ティングに最小の量の低蒸気圧のペルフルオロカ−ボンを投与するのに効 果を有することを示している。この混合液の第1回目の投与においては、より高 い蒸気圧のと非常に低い蒸気圧のペルフルオロ化合物のどちらも、酸素の輸送及 び天然肺界面活性物質の代用となるのに効果を有していた。 より高い蒸気圧のフルオロカ−ボンのみを投与された第2のねずみには、その 高蒸気圧フルオロカ−ボンが蒸発するやいなや(5時間から7時間後)、界面活 性物質の欠如によって引き起こされた呼吸障害が再発した。血液ガス測定及び肺 の外観はこの説明と一致していた。他方、第1のねずみでは、高蒸気圧フルオロ カ−ボンが蒸発した後、薄い膜(0.006ml/kg未満)のペルフルオロフェナ ントレンが界面活性物質の仕事を生き生きと遂行した。 この混合液の技術を用いるなら、簡単に、非常に低い蒸気圧を有するペルフル オロカ−ボンの効果的な薄膜を設けることができる。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年7月12日 【補正内容】 請求の範囲 1.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで大気中のガスを使いながら通常 呼吸のできる呼吸補助方法で、以下のステップを含む: 混合液を、前記肺胞嚢の内側表面を覆うために前記哺乳動物の気管を通して充 分な量注入するステップで、前記混合液は、超膨張肺症候群を引き起こさずに、 肺胞嚢内部を覆うために広がって肺胞嚢内に実質的に永久に存在するために、通 常大気状態で最低約摂氏150度の沸点を持ち、大気ガスに対して浸透性があり 、体重の1kgに対して0.1ml以下である、超低蒸気圧非臭素液ペルフルロカ− ボンの最少有効量を含む; その結果、前記哺乳動物は機械的補助無しに、そして本質的に、通常の02/ CO2血液ガス交換で、大気中のガスを呼吸できる。 2.前記混合液は、物理的に適合できる水性手段中の超低蒸気圧液ペロフルオロ カ−ボンのエマルションを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 3.前記エマルションは更に物理的に適合する界面活性物質を含むことを特徴と する請求項2記載の方法。 4.前記混合液は前記液は約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲で注入され ることを特徴とする請求項2記載の方法。 5.前記超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンはペルフルオロフェナントレン、ペ ルフルオロテトラメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルデカリン、ペルフ ルオロジメチルエ−テルシクロヘ キサン、ペルフルオロジメチルデカリン、ペルフルオロジエ−テルデカリン、ペ ルフルオロメチルアダマンタン、ペルフルオロジメチルアダマンタン、ペルフル オロ−6、7H−アンデック−6−エン、とそれらの混合物から成るグル−プか ら選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。 6.前記混合液は、肺が確実に覆われるためにキャリヤとして、大量の高蒸気圧 液ペルフルロカ−ボンに超低蒸気圧液ペルフルロカ−ボンの混ざった混合物を含 み、前記高蒸気圧ペルフルオロカ−ボンが前記高蒸気圧ペルフルオロカ−ボンは 通常大気状態で約摂氏140度以下の沸点を持ち、実質的に肺組織に拡散する前 と肺の超膨張を引き起こす前とに、全高蒸気圧ペルフルオロカ−ボンが肺から蒸 発するようにが選択されていることを特徴とする請求項1記載の方法。 7.前記高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンはペルフルオロヘキサン、ペルフルオ ロ−2ブチル−テトラヒドロフラン、ペルフルオロポリプロポキシエ−テル、ペ ルフルオロトリメチシクロヘキサン、ペルフルオロ−5、6H−デック−5−エ ン、ペルフルオロデカリンからなるグル−プから選択されることを特徴とする請 求項6記載の方法。 8.前記肺疾患は肺活性剤不全であることを特徴とする請求項1記載の方法。 9.前記肺疾患は超膨張肺症候群であることを特徴とする請求項1記載の方法。 10.予め注入された前記超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンを溶解して再分配 する高蒸気圧ペルフルオロカ−ボン液の有効量を注入するステップを含むことを 特徴とする請求項1記載の方法。 11.前記高蒸気圧ペルフルオロカ−ボンの有効量は約体重1kgに対して1mlか ら20mlの範囲であることを特徴とする請求項10記載の方法。 12.前記通常大気状態で摂氏約140度以下の沸点を持つ高蒸気圧ペルフルオ ロカ−ボンの有効量を注入するステップに加えて、注入された溶解した超低蒸気 圧ペルフルオロカ−ボンが肺から取り除かれるために、超高蒸気圧液ペリオフル ロカ−ボンの有効量の除去を伴う気管肢肺胞洗浄を含む追加ステップを有するこ とを特徴とする請求項10記載の方法。 13.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで大気ガスを用いながら大量の 水性エマルジョンを哺乳動物の気管を通して注入する呼吸補助方法で、前記水性 エマルジョンは以下を含む、 超膨張肺症候群を引き起こさずに肺胞嚢の内側表面に広がって肺胞嚢内 部に実質的に永久に存在する、大気ガスに浸透性のある、非臭素超低蒸気圧液ペ ルフルオロカ−ボンの約体重1kgに対して0.1ml以下である最少有効量; 物理的に適合可能な水性手段;と 物理的に適合可能な活性剤の有効量; その結果、前記哺乳動物は機械的補助無しに、通常の02/CO2血液ガス交換 で、大気中のガスを呼吸できる。 14.前記超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンは通常大気状態で最低約摂氏15 0度の沸点を持っていることを特徴とする請求項13記載の方法。 15.前記物理的に適合する界面活性物質は、胆汁酸塩、リン脂質、ポリオキシ レン界面活性物質、ペルフルオロカ−ボンエ−テル界面活性物質と自然肺界面活 性物質とから成るグル−プから選択されることを特徴とする請求項13記載の方 法。 16.前記水性エマルジョンは約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲で注入 されることを特徴とする請求項13記載の方法。 17.前記超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンは、ペルフルオロフェナントレン 、ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルデカリン、ペ ルフルオロジメチルエ−テルシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルデカリン、 ペルフルオロジエ−テルデカリン、ペルフルオロメチルアダマンタン、ペルフル オロジメチルアダマンタン、ペルフルオロ−6、7H−アンデック−6−エン、 とそれらの混合物から成るグル−プから選択されることを特徴とする請求項13 記載の方法。 18.前記水性エマルションの形成前にキャリアとして大量の高蒸気圧ペルフル オロカ−ボンに前記超低蒸気液ペルフルオロカ−ボンがまず最初に混合され、そ して前記高蒸気圧ペルフルオロカ−ボンは通常大気状態で約摂氏140度以下の 沸点を持ち、実質的に肺組織に拡散して肺の超膨張を引き起こす前に、全高蒸気 圧液ペルフルロカ−ボンが肺から蒸発してしまうように選択されていることを特 徴とする請求項13記載の方法。 19.前記高蒸気液ペルフルオロカ−ボンはペルフルオロヘキサン、ペルフルオ ロ−2−ブチル テトラハイドロフラン、ペルフルオロポリキシ エ−テル、ペ ルフルオロトリメチサシクロヘキシン、ペルフルオロ−5、6H−デック−5− エン、とペルフルオロデカリンから成るグル−プから選択されることを特徴とす る請求項18記載の方法。 20.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで大気ガスを用いながら 大量 の混合液を哺乳動物の気管を通して注入する呼吸補助方法で、前記混合液は以下 を含む、 約体重1kgに対して0.1ml以下の、超膨張肺症候群を引き起こさず に、前記肺胞嚢の内側表面を覆うために広がり、そして前記肺胞嚢内に実質的に 永久に存在するペルフルオロフェナントレンの有効量;と 前記キャリヤは実質的に肺組織に拡散して肺の超膨張を引き起こす前 に、全キャリヤが肺から蒸発してしまうように、選択されている、肺が確実に覆 われるためのキャリヤとしての大量のペルフルオロ−2−ブチル−テトラハイド ロフラン。 21.前記混合液は約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲で注入されること を特徴とする請求項20記載の方法。 22.前記ペルフルオロフェナントレンは、ペルフルオロテトラメチルシクロヘ キサン、ペルフルオロメチルデカリン、ペルフル オロジメチルエ−テルシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルデカリン、ペルフ ルオロジエ−テルデカリン、ペルフルオロメチルアダマンタン、ペルフルオロジ メチルアダマンタン、ペルフルオロ−6、7H−アンデック−6−エン、とそれ らの混合物から成るグル−プから選択される液ペルフルオロケミカルによって代 用できることを特徴とする請求項20記載の方法。 23.前記ペルフルオロ−2−ブチル テトラハイドロフランは、ペルフルオロ ヘキサン、ペルフルオロポリプロポキシエ−テル、ペルフルオトリメチルシクロ ヘキシン、ペルフルオロ−5、6H−デック−5−エン、とペルフルオロデカリ ンから成り立つグル−プから選択される液ペルフルオロケミカルによって代用で きることを特徴とする請求項20記載の方法。 24.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで周囲のガスを使いながら通常 呼吸のできる呼吸補助方法で、以下のステップを含む: 超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンを溶解する通常大気摂氏約140度以下 の沸点を持つ超高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンの有効量を注入するステップ; 高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンを、それが実質的に蒸発する前に、気管支 肺胞洗浄として取り除くステップ。 25.前記超高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンは約体重1kgに対して1mlから2 0mlの範囲の量であることを特徴とする請求項24記載の方法。 26.前記高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンが、超低蒸気圧ペルフルオロカ−ボ ンを再分配後肺から蒸発するために、前記高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンの量 を取り除くステップは行われないことを特徴とする請求項24記載の方法。 27.哺乳動物の実質的通常呼吸を確実にし、ペルフルオロカ−ボンに基づいた 血液の代用物によって引き起こされた超膨張肺ダメ−ジを回復する方法で、以下 のステップを含む: 超膨張肺ダメ−ジを引き起こす第1ペルフルオロカ−ボンのエマルションを含 むペルフルオロカ−ボンに基づいた血液代用品を脈管内に与えるステップ; 肺ダメ−ジを予防あるいは回復する、少なくとも全第1フルオロカ−ボンが消 滅するまで、前記哺乳動物の肺に残るように第2ペルフルオロカ−ボン即ちペル フルオロフェナントレンを有効量を気管内に与えるステップ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで大気中のガスを使いながら通常 呼吸のできる呼吸補助方法で、以下のステップを含む: 肺疾患のある哺乳動物を提供するステップ 超膨張肺症候群を引き起こさずに、前記肺胞嚢の内側表面を覆うために広がっ て前記肺胞嚢内に実質的に永久に存在する、大気ガスに浸透性のある超低蒸気圧 液ペルフルオロケミカル化合物の最小有効量を含む液を前記肺胞嚢を覆うために 前記哺乳動物の気管を通して充分な量注入するステップ; その結果、前記哺乳動物は機械的補助無しに、通常の02/CO2血液ガス交換 で、大気中のガスを呼吸できる。 2.前記液は、物理的に適合できる水性手段中の超低蒸気圧液ペロフルオロケミ カル化合物のエマルションを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 3.前記エマルションは更に物理的に適合する界面活性物質の有効量を含むこと を特徴とする請求項2記載の方法。 4.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカル化合物の有効量は、体重1kgに対し て0.1ml以下であることを特徴とする請求項1記載の方法。 5.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカルは通常の大気状態で最低約摂氏15 0度の沸点を持っていることを特徴とする請求項1記載の方法。 6.前記液は約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲で注入されることを特徴 とする請求項1記載の方法。 7.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカルは、ペルフルオロフェナントレン、 ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルデカリン、ペル フルオロジメチルエ−テルシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルデカリン、ペ ルフルオロジエ−テルデカリン、ペルフルオロメチルアダマンタン、ペルフルオ ロジメチルアダマンタン、ペルフルオロ−6、7H−アンデック−6−エン、と それらの混合物から成るグル−プから選択されることを特徴とする請求項1記載 の方法。 8.前記液は、肺が確実に覆われるために、キャリアとして大量の高蒸気圧液フ ルオロケミカルの中に前記超低蒸気圧液フルオロケミカルの混ざった混合物を含 み、実質的に肺組織に拡散する前と肺の超膨張を起こす前に肺から全高蒸気圧フ ルオロケミカルが蒸発するように、前記高蒸気圧フルオロケミカルは選択されて いることを特徴とする請求項1記載の方法。 9.前記高蒸気圧液フルオロケミカルはペルフルオロヘキサン、ペルフルオロ− 2ブチル−テトラヒドロフラン、ペルフルオロポリプロポキシエ−テル、ペルフ ルオロトリメチルシクロヘキサン、ペルフルオロ−5、6H−デック−5−エン 、ペルフルオロデカリン、シス−トランス異性体からなるグル−プから選択され ることを特徴とする請求項8記載の方法。 10.前記高蒸気圧液フルオロケミカルは通常大気状態で約摂氏 140度以下の沸点を持っていることを特徴とする請求項8記載の方法。 11.前記肺疾患は肺の界面活性物質の不全であることを特徴とする請求項8記 載の方法。 12.前記肺疾患は超膨張肺症候群であることを特徴とする請求項8記載の方法 。 13.予め注入された前記超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンを溶解して再分配 する高蒸気圧ペルフルオロケミカル液の有効量を注入するステップを含むことを 特徴とする請求項8記載の方法。 14.前記有効量は約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲であることを特徴 とする請求項8記載の方法。 15.前記高蒸気圧ペルフルオロカ−ボンの有効量を注入するステップに更に、 気管支肺胞の洗浄と、予め注入された溶解超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンが 肺から取り除かれるための前記高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンの除去とを含む 追加ステップを有することを特徴とする請求項13記載の方法。 16.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで周囲のガスを使いながら通常 呼吸できる呼吸補助方法で、以下のステップを含む、 肺疾患のある哺乳類を提供するステップ 前記哺乳動物の肺胞嚢を覆うために、充分な量の水性エマル ションを前記哺乳動物の気管を通じて注入するステップで 前記水性エマルションは以下を含む: 超膨張肺症候群を引き起こさずに、前記肺胞嚢の内側表面を覆うために 広がり、そして前記肺胞嚢内に実質的永久に存在する、大気ガスに浸透性のある 超低蒸気圧液ペルフルオロケミカル化合物の最小有効量を含み、前記最小有効量 は体重1kgに対して約0.1ml以下である; 物理的に適合する水性手段; 物理的に適合する界面活性物質の有効量; その結果、前記哺乳動物は機械的補助無しに、そして本質的に、通常の02/ CO2血液ガス交換で、大気中のガスを呼吸できる。 17.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカルは通常大気状態で最低約摂氏15 0度の沸点を持っていることを特徴とする請求項16記載の方法。 18.前記物理的に適合する界面活性物質は、胆汁酸塩、リン脂質、ポリオキシ レン界面活性物質、ペルフルオロカ−ボンエ−テル界面活性物質と自然肺界面活 性物質とから成るグル−プから選択されることを特徴とする請求項16記載の方 法。 19.前記水性エマルジョンは約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲の量で 注入されることを特徴とする請求項16記載の方法。 20.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカルは、ペルフルオロフェナントレン 、ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサン、ペ ルフルオロメチルデカリン、ペルフルオロジメチルエ−テルシクロヘキサン、ペ ルフルオロジメチルデカリン、ペルフルオロジエ−テルデカリン、ペルフルオロ メチルアダマンタン、ペルフルオロジメチルアダマンタン、ペルフルオロ−6、 7H−アンデック−6−エン、とそれらの混合物から成るグル−プから選択され ることを特徴とする請求項16記載の方法。 21.前記水性エマルジョンの形成前にキャリアとしてより大量の高蒸気圧液ペ ルフルオロカ−ボンの中で前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカル化合物がまず 最初に混合され、実質的に肺組織に拡散して肺の超膨張を起こす前に肺から全高 蒸気圧フルオロケミカルはすでに蒸発してしまっているように、前記高蒸気圧液 フルオロケミカルは選択されていることを特徴とする請求項16記載の方法。 22.前記高蒸気圧液フルオロケミカルはペルフルオロヘキサン、ペルフルオロ −2ブチル−テトラヒドロフラン、ペルフルオロポリプロポキシエ−テル、ペル フルオロトリメチルシクロヘキサン、ペルフルオロ−5、6H−デック−5−エ ン、ペルフルオロデカリン、シス−トランス異性体からなるグル−プから選択さ れることを特徴とする請求項21記載の方法。 23.前記高蒸気圧液フルオロケミカルは通常大気状態で約摂氏140度以下の 沸点を持っていることを特徴とする請求項21記載の方法。 24.肺疾患のある哺乳動物が、機械的補助無しで周囲のガスを 使いながら通常呼吸のできる呼吸補助方法で、以下のステップを含む: 肺疾患のある哺乳動物を提供するステップ; 前記哺乳動物の肺胞嚢を覆うために充分な量の液を哺乳動物の気管を通して注 入するステップでり、前記液は以下のものを含む: 体重の1kgに対して約0.1ml以下である、超膨張肺症候群を引き起こさ ずに、前記肺胞嚢の内側表面を覆うために広がり、そして前記肺胞嚢内に実質的 に永久に存在する、大気ガスに浸透性のある超低蒸気圧液ペルフルオロケミカル 化合物の有効量と、 肺が確実に覆われるためのキャリアとしての大量の高蒸気圧液フルオロケ ミカルであり、実質的に肺組織に拡散して肺の超膨張を起こす前に肺から全高蒸 気圧フルオロケミカルは蒸発するように前記高蒸気圧フルオロケミカルは選択さ れている; その結果、前記哺乳動物は機械的補助無しに、そして本質的に、通常の02/ CO2血液ガス交換で、大気中のガスを呼吸できる。 25.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカルは通常大気状態で最低約摂氏15 0度の沸点を持っていることを特徴とする請求項24記載の方法。 26.前記液は約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲で注入されることを特 徴とする請求項24記載の方法。 27.前記超低蒸気圧液ペルフルオロケミカルはペルフルオロフェナントレン、 ペルフルオロテトラメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルデカリン、ペル フルオロジメチルエ−テルシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルデカリン、ペ ルフルオロジ エ−テルデカリン、ペルフルオロメチルアダマンタン、ペルフルオロジメチルア ダマンタン、ペルフルオロ−6、7H−アンデック−6−エン、とそれらの混合 物から成るグル−プから選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。 28.前記高蒸気圧液ペルフルオロケミカルは、ペルフルオロヘキサン、ペルフ ルオロ−2ブチル−テトラヒドロフラン、ペルフルオロポリプロポキシエ−テル 、ペルフルオロトリメチルシクロヘキサン、ペルフルオロ−5、6H−デック− 5−エン、ペルフルオロデカリン、シス−トランス異性体からなるグル−プから 選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。 29.前記高蒸気圧液フルオロケミカルは通常大気状態で約摂氏140度以下の 沸点を持っていることを特徴とする請求項24記載の方法。 30.哺乳動物の肺に予め注入された超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンの有効 量を取り除く方法で、以下のステップを持つ: 超低蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンを溶解する高蒸気圧液ペルフルオロケミカ ルの有効量を注入するステップ; 前記高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンが実質的に蒸発してしまう前に気管支肺 胞洗浄としてそれを取り除くステップ。 31.前記有効量は約体重1kgに対して1mlから20mlの範囲であることを特徴 とする請求項30記載の方法。 32.前記高蒸気圧液ペルフルオロカ−ボンが、超低蒸気圧ペル フルオロカ−ボンを再分配後肺から蒸発するために、前記高蒸気圧液ペルフルオ ロカ−ボンの量を取り除くステップは行われないことを特徴とする請求項30記 載の方法。
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