JPH10505222A - グリア細胞分裂誘発因子とその調製および使用 - Google Patents

グリア細胞分裂誘発因子とその調製および使用

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JPH10505222A JP8501151A JP50115196A JPH10505222A JP H10505222 A JPH10505222 A JP H10505222A JP 8501151 A JP8501151 A JP 8501151A JP 50115196 A JP50115196 A JP 50115196A JP H10505222 A JPH10505222 A JP H10505222A
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Abstract

(57)【要約】 グリア細胞(特にシュワン細胞)の細胞分裂の刺激とグリア細胞の腫瘍の治療とに有用な様々なポリペプチドをコードするDNAの特徴づけと精製とが開示される。更に、グリア細胞の細胞分裂の刺激およびグリア細胞の腫瘍の治療における利用可能性を有する新規なポリペプチドをコードするDNA配列も開示される。グリア細胞に関連する疾病の治療において、治療および診断の補助手段としての利用のために公知および新規なポリペプチドを合成、精製およびテストをする方法も提供される。更に、グリア細胞の関する疾病における診断および治療に有用な抗体プローブを合成する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 グリア細胞分裂誘発因子とその調製および使用 関連出願の相互参照 本出願は、1993年3月24日出願の出願番号第08/036,555号と 、1992年10月23日出願の出願番号第07/965,173号と、199 2年9月3日出願の出願番号第07/940,389号と、1992年6月30 日出願の出願番号第07/907,138号と、1992年4月3日出願の出願 番号第07/863,703号との一部継続出願である。 発明の背景 本発明は、脊椎類に見られ、シュワン細胞を含むグリア細胞の細胞分裂誘発成 長因子であるポリペプチドに関する。本発明は、更に、そのような因子を生成可 能な方法と、そのような因子の治療的利用とにも関する。 脊椎類のグリア細胞は、中枢および末梢神経システムの特殊化した接続組織を 構成している。重要なグリア細胞としてシュワン細胞があるが、これは、ニュー ロンの為の代謝支持体を提供するとともに、特定の末梢神経の神経軸索の周囲に 髄鞘(ミエリン鞘)を提供することに よって、個別の神経線維を形成する。シュワン細胞は、ニューロンを支持し、近 接する神経軸索の周囲において近接同心の膜層を形成し、その成長につれて前記 軸索の周囲において捻れながら形成されることにより、ミエリン鞘効果を提供す るものである。これらのミエリン鞘は、多くの神経線維の弱い部分であり、これ らシュワン細胞の損傷、発育および成長の不全が、数多くの末梢神経システムの 疾患と障害を特徴づける大幅な脱髄や神経退化に関連している可能性がある。神 経システムの発達において、その細胞がその分裂と成長を制御するのに様々な因 子を必要とすることが明らかになった。そして、近年、このような種々の因子が 同定され、これらの内のいくつかはシュワン細胞の分裂と発達に影響することが 判っている。 従って、ブロックス(Brockes)他,interalia,in Ne uroscience,(1984)75〜83は、ウシの脳と下垂体組織と からの抽出物質に存在するタンパク質成長因子について記載しており、これはグ リア細胞成長因子(GGF)と命名された。この因子は、胎児子ウシ血清を10 %含有するバックグラウンド培地において、培養ラットのシュワン細胞を刺激 してこれを分裂させた。又、この因子は分子量31,000ダルトンであり、容 易にダイマー化することも記載されている。In Meth.Enz.,147 (1987),217〜225において、ブロックス(Brockes)は、G GFの、シュワン細胞に基づく分析について記載している。 ブロックス(Brockes)他,上記、は、更に、GGFの外見上の均質状 態への精製方法についても記載している。要約すると、ここに記載された1つの 大規模精製方法は、凍結乾燥したウシの前頭葉の抽出と、それによって得られた 物質をCMセルロースからのNaClグラジエント溶出を使用したクロマトグラ フィーに関するものである。次に、ゲル濾過を、先ずウルトロゲル(Ultro gel)カラムで、次に、ホスホセルロースカラムで、そして最後に、小規模S DSゲル電気泳動法で行う。あるいは、前記CMセルロース物質を、ホスホセル ロースカラムに直接に適用し、このカラムからのフラクションをプールして、調 製天然ゲル電気泳動によって精製し、その後、最終的なSDSゲル電気泳動にか ける。 ブロックス(Brockes)他は、以前に報告されたゲル濾過実験(ブロッ クス(Brockes)他,J.Biol.Chem.255(1980)83 74〜8377)において、成長因子活性の大きなピークが、分子量56,00 0ダルトンで移動(migrate)することが観察され、これに対して、上述 の手法の最初のものにおいては、分子量31,000において主に活性が観察さ れた、と述べている。GGFダイマーは、この実験において、主として、CMセ ルロースからのグラジエント溶出の生成物として除去されることが報告されてい る。 ベンヴェニスト(Benveniste)他(PNAS,82(1885), 3930〜3934)は、Tリンパ球由来のグリア細胞発育誘発因子について記 載している。この因子は、還元状態において、SDSゲルの見かけ上の分子量の 変化を示す。 キムラ(Kimura)他(Nature,348(1990),257〜2 60)は、自ら神経線維腫由来成長因子(SDGF)と呼称する座骨神経鞘腫瘍 から得られる因子について記載している。これらの著者は、 反対に部分的に精製された下垂体フラクション含有のGGFが活性な状態におい ては、SDGFは、トリチウム標識化TdRのシュワン細胞への結合を刺激しな いと述べている。SDGFの見かけ上の分子量は31,000〜35,000で ある。 デイヴィス(Davis)とストローバント(Stroobant)(J.C ell.Biol.,110(1990),1353〜1360)とは、多数の 候補細胞分裂誘発物質について記載している。ラットのシュワン細胞を使用し、 選択された候補物質が、FCS(胎児子ウシ血清)が10%存在して、フォルス コリン(forskolin)が存在する場合と、存在しない場合とにおいて、 シュワン細胞へのDNA合成を刺激する能力をテストした。テストした因子の1 つは、GGF−カルボキシメチルセルロースフラクション(GGF−CM)であ り、これはFCSが存在する場合、フォルスコリン(forskolin)が存 在および不在の両方の場合において細胞分裂誘発作用を有していた。この研究に より、フォルスコリンの存在下において、特に血小板由来成長因子(PDGF) が、シュワン細胞に対する潜在的細胞分裂誘発物質であることが判った。PDG Fは、以 前には、シュワン細胞に影響しないと考えられていたものである。 ホルムズ(Holmes)他,Science(1992)256:1205 及びウェン(Wen)他,Cell(1992)69:559は、レセプタ(p 185erbB2)に結合するタンパク質をコードするDNA配列がいくつかのヒト の腫瘍に関連していることを示している。 前記p185erbB2タンパク質は、チロシンキナーゼ活動を備えた185キロ ダルトン膜長のタンパク質である。そしてこのタンパク質は、erbB2プロト −癌遺伝子によってコードされる(ヤーデン(Yarden)及びユルリック( Ullrich)Ann.Rev.Biochem.57:433(1988) )。前記erbB2遺伝子は、HER−2(ヒト細胞)、あるいはneu(ラッ ト細胞)とも呼称されるが、上皮細胞成長因子(EGF)のレセプタに密接に関 連している。最近の証拠によれば、p185erbB2と作用する(そしてそのキナ ーゼを活性化する)タンパク質は、p185erbB2を有する細胞の増殖を誘発す ることが示されている(ホ ルムズ(Holmes)他,Science 256:1205(1992); ドバシ(Dobashi)他,Proc.Natl.Acad.Sci.88: 8582(1991);ルプ(Lupu)他,Proc.Natl.Acad. Sci.89:2287(1992))。更に、p185erbB2結合タンパク質 をコードする前記遺伝子が、それぞれ長さが異なり、かつ、いくつかの共通のペ プチド配列とユニークなペプチド配列とを含む一連のタンパク質を生成する多く の、大きさとスプライシングとが異なったRNA転写体を生成することが明らか である。これは、ヒトの乳ガン(MDA−MB−231)から得られるスプライ シングが異なったRNA転写体によって証明されている(ホルムズ(Holme s)他,Science 256:1205(1992))。更に、これは(こ こに記載されているように)p185erbB2レセプタのためのリガンドとして作 用する広範囲のタンパク質によっても証明されている(下記参照)。 発明の要旨 一般に、本発明は、グリア細胞(特に、シュワン細胞と中枢神経システムのグ リア)の分裂を刺激する方法と、更に、そのようなグリア細胞の分裂誘発活性を 示す新規 なタンパク質とに関する。更に、これらのタンパク質とこれらタンパク質と、関 連タンパク質とに結合する抗体をコードするDNAも提供される。 本発明の新規なタンパク質は、公知のポリペプチドをコードする配列の別のス プライス生成物を含む。一般に、これらの公知タンパク質は、前記GGF/p1 85erbB2族タンパク質のメンバーである。 より詳しくは、本発明は、所定の式のポリペプチドと、これらのポリペプチド をコードするDNA配列とを提供する。即ち、これらポリペプチドは、以下の式 を有する。 WYBAZCX ここで、WYBAZCXは、図31に示されるアミノ酸配列からなり(配列認 識番号136〜139,141〜147,160,161,173〜178,4 2〜44,77)、Wは、ポリペプチドセグメントFを有するか、あるいは有さ ず、Yは、ポリペプチドセグメントEを有するか、あるいは有さず、Zは、ポリ ペプチドセグメントGを有するかあるいは有さず、そして、ここにXはポ リペプチドセグメントC/D HKL,C/D H,C/D HL,C/D D ,C/D’HL,C/D’HKL,C/D’H,C/D’D,C/D C/D’ HKL,C/D C/D’H,C/D C/D’HL,C/D C/D’D,C /D D’H,C/D D’HL,C/D D’HKL,C/D’ D’H,C /D’D’HL,C/D’D’HKL,C/D C/D’D’H,C/D C/ D’D’HL,またはC/D C/D’D’HKLを含み、 以下のいずれかの条件を満たす、 a)F、Y、B、A、Z、C又はXの少なくとも1つは、ウシ由来である、 b)YはポリペプチドセグメントEであるか、又は、 c)XはポリペプチドセグメントC/D HKL,C/D D,C/D’HK L,C/D C/D’HKL,C/D C/D’D,C/D D’H,C/D D’HL,C/D D’HKL,C/D’D’H,C/D’D’HKL,C/D C/D’D’H,C/D C/D’D’HL,C/D C/D’HKL,C/ D’H,C/D C/D’H,またはC/D C/D’HLを含む。 更に、本発明は、コード・セグメント5'FBA3'と、図31に示されるアミノ 酸配列(配列認識番号136,138,139,173〜175)を有する対応 のポリペプチドセグメントを備えたDNA配列も含む。 前記DNA配列は、コード・セグメント5'FBA’3'と、図31に示されるア ミノ酸配列(配列認識番号136,138,140,173,174)を有する 対応のポリペプチドセグメントを含む。 前記DNA配列は、コード・セグメント5'FEBA’3'と、図31に示される アミノ酸配列(配列認識番号136〜139,173〜175)を有する対応の ポリペプチド・セグメントを含む。 前記DNA配列は、コード・セグメント5'FEBA3'と、図31に示されるア ミノ酸配列(配列認識番号136〜138,140,173,174)を有する 対応のポリペプチド・セグメントを含む。そして、 前記DNA配列は、CGF2HBS5 cDNAクローンのポリペプチドコー ド・セグメントを含む(ATCC 寄託 No.75298,1992年9月2日寄託された)。 本発明は、更に、式FBA,FEBA,FBA’,FEBA’のペプチドと、 これらペプチドをコードするDNA配列とを含み、前記ポリペプチドセグメント は、図31において、それぞれ、配列認識番号(136,138,139,17 3〜175)、(136〜139,173〜175)と(136、138,14 0.173,174)、及び(136〜138,140,173,174)とで 示されるアミノ酸配列に対応する。精製GGF−IIポリペプチド(配列認識番 号167)である前記ポリペプチドも本発明の一部に含まれる。 更に、本発明の一態様は、中枢神経システムのグリア、特に乏突起膠細胞、小 グリア細胞および星状膠細胞、の治療に有用なペプチドと、これらのペプチドを コードするDNAと、更にこれらのペプチドの投与方法を含む。 本発明には、更に、前記N末端信号配列を除いて、前記成熟GGFペプチドと 、このペプチドをコードするDNAが含まれ、これは中枢神経系の症状の治療と 、前 記ペプチドに対して特異的な抗体の製造にも有用である。これら抗体は、こに記 載したペプチドの純化と、診断用途のために有用である。 本発明は、更に、前記定義のアミノ酸配列をコードするDNA配列を含むベク ターを含む。又、前述のアミノ酸配列をコードする単離DNAを含有するホスト 細胞も含まれる。本発明は、更に、前記p185erbB2レセプタを結合し、生体 内(インヴィヴォ)および/又は生体外(インヴィトロ)でグリア細胞分裂を刺 激する化合物を含む。 又、前述の新規なペプチドに対する抗体も本発明の一部として含まれる。更に 、ここに記載のすべてのペプチドに対する抗体は、ここに記載のポリペプチドの 精製に利用可能である。又、これらのポリペプチド対する抗体は、グリア細胞の 細胞分裂治療用インヒビタとしても利用可能である。 本発明は、更に、グリア細胞の細胞分裂を刺激する方法も提供し、この方法は 、グリア細胞を以下の式で定義されるポリペプチドに接触させる工程を有する、 即ち、 WYBAZCX ここで、WYBAZCXは、図31に示されるアミノ酸配列からなり(配列認 識番号136〜139,141〜147,160,161,173〜178,4 2〜44,77)、Wは、ポリペプチドセグメントFを有するか、あるいは有さ ず、Yは、ポリペフチドセグメントEを有するか、あるいは有さず、Zは、ポリ ペプチドセグメントGを有するか、あるいは有さず、そして、ここにXはポリペ プチドセグメントC/D HKL,C/D H,C/D HL,C/D D,C /D’HL,C/D’HKL,C/D’H,C/D’D,C/D C/D’HK L,C/D C/D’H,C/D C/D’HL,C/D C/D’D,C/D D’H,C/D D’HL,C/D D’HKL,C/D’D’H,C/D’ D’HL,C/D’D’HKL,C/D C/D’D’H,C/D C/D’D ’HL,またはC/D C/D’D’HKLを含む。 本発明は、更に、グリア細胞分裂誘発因子を合成する方法に関し、この方法は 、上記定義の変成ホスト細胞を、本発明のDNA配列の発現を許容する条件下に おいて培 養することから構成される。 本発明のペプチドは、薬用または獣医療用としての薬用調合物質または獣医療 調合物質の製造に利用可能である。オプションとして、前記調合物質は、許容可 能な希釈液、キャリア又は補形薬との併用で、及び/又は単位投与薬の形態とし て使用可能である。 グリア細胞を生体内または生体外において、グリア細胞分裂誘発物質としての 上述のポリペプチドと接触させることによって、グリア細胞の細胞分裂を刺激す る方法も、本発明の一態様を構成するものである。有効量の前述のポリペプチド を投与することによって、脊椎類(好ましくは哺乳類、更に好ましくはヒト)に おいてグリア細胞分裂効果を作り出す方法も本発明の一部である。 前述のポリペプチドを使用して様々な疾病および障害を治療する方法も本発明 の一部である。例えば、前述のポリペプチドによって、神経疾病または障害の治 療または予防方法を行うことができる。更に、前記ポリペプチドに対して敏感で あるか、又は反応する種類の細胞における神経系の病態生理学的症状を予防また は治療する方 法も、本発明の一部を構成する。 更に、本発明は、末梢神経の損傷、中枢神経系における神経損傷、神経性障害 、末梢または中枢神経系における脱髄、シュワン細胞の損傷または消失、乏突起 膠細胞、小グリア細胞、星状膠細胞に関連する病状の治療方法にも関する。例え ば、知覚神経線維または運動神経線維の神経障害や、神経変成性障害の治療が含 まれる。これらのいずれの場合においても、その治療方法は、有効量の前記ポリ ペプチドを投与する工程からなる。 本発明は、更に、有効量の前記ポリペプチドを投与することによって、神経の 再生および/又は修復する方法にも関する。そのような薬品は、前記ポリペプチ ドを薬剤的に有効なキャリアと共に投与することによって得られる。 本発明は、薬品の製造における前記ポリペプチドの使用にも関する。 本発明は、更に、前記定義のポリペプチドの以下に記載するような使用を含む 。 −選択的に治療または診断目的に利用可能な抗体を生成するために哺乳動物を 免疫化するのに利用すること。 −前記ポリペプチドのレセプタ結合特性に対応するレセプタ結合特性を有する 分子を同定したり定量化したりする競合アッセイに利用すること、及び/または 、 −前記ポリペプチドに特異的に結合可能なレセプタとともにこのポリペプチド にサンプルを接触させて、該ポリペプチドに対する結合の競合阻害を検出する目 的に利用すること、 −例えば、アフィニティークロマトグラフィ等のアフィニティー分離プロセス に使用して対応のレセプタを分離するのに利用すること、 本発明は、更に、グリア細胞腫瘍の予防または治療方法にも関する。この方法 は、前記ペプチドによって定義される因子の結合を抑止する物質の有効量を投与 することからなる。 更に、本発明は、以下に記載するものをグリア細胞に 適用することによってグリア細胞分裂誘発活性を刺激する方法にも関する、即ち 、 −MDA−MB231ヒト胸細胞ラインから分離された30kDのポリペプチ ド因子、又は −ラットI−EJ形質転換線維芽細胞系からグリア細胞に分離された35kD のポリペプチド因子、又は −SKBR−3ヒト胸細胞系から分離された75kDのポリペプチド因子、又 は −ラットI−EJ形質転換線維芽細胞系から分離された44kDのポリペプチ ド因子、又は −活性化マウス腹膜マクロファージから分離された25kDのポリペプチド因 子、又は −MDA−MB231ヒト胸細胞から分離された45kDのポリペプチド因子 、又は −ATL−2ヒトT−細胞ラインからグリア細胞に分 離された7〜14kDのポリペプチド因子、又は −ウシ腎臓細胞から分離された25kDのポリペプチド因子、又は −脳から分離された42kDのポリペプチド因子(ARIA)。 本発明は、更に、生体内及び生体外でのグリア細胞の細胞分裂誘発の刺激用の 、それぞれ図38〜43において配列認識番号154〜159によって示され、 EGFLI、EGFL2、EGFL3、EGFL4、EGFL5、EGFL6ポ リペプチドの利用方法にも関する。 本発明には、更に、グリア細胞の細胞分裂誘発を刺激する図45の、その配列 を示すGCF−IIポリペプチドの投与も含まれる。 本発明の他の一態様は、上記のペプチドをシュワン細胞を刺激し、科学的用途 または治療用途に採取可能な成長因子を生成させる使用にも関する。 更に、ここに記載のペプチドは、再髄鞘形成が必要な、例えばMS等の疾患の 治療のための、中枢グリア細胞の増殖および再髄鞘形成誘発に利用することも可 能である。 本発明の更に別の態様において、ここに記載の新規なポリペプチドは、アセチ ルコリンレセプタの合成を刺激するのに利用できる。 上述のように、本発明は、公知の因子とは異なった、ウシやヒトを含むほ乳類 源から得られる新規なグリア成長因子を提供するものである。これらの因子は、 胎児子ウシプラズマ(FCP)をバックグラウンドとして、シュワン細胞に対し て細胞分裂誘発活性を有する。本発明は、更に、これらの因子の調合方法と、こ れら及びその他の因子の活性を定義する改良方法も提供するものである。これら 因子の治療への適用も本発明の重要な一態様である。 従って、本発明の重要な特徴は以下の通りである。 (a)胎児子ウシプラズマの存在下においてグリア細胞分裂誘発活性、特に、 シュワン細胞分裂誘発活 性を有し、分子量が約30kD〜約36kDの範囲で、そのアミノ酸配列内に、 以下に記載のペプチド配列の1つ又は複数を有する基礎(ベーシック)ポリペプ チド因子、 FKGDAHTE ASLADEYEYMXK TETSSSGLXLK ASLADEYEYMRK AGYFAEXAR TTEMASEQGA AKEALAALK FVLQAKK ETQPDPGQILKKVPMVIGAYT EYKCLKFKWFKKATVM EXKFYVP KLEFLXAK、及び (b)胎児子ウシプラズマの存在下において、グリア細胞の細胞分裂誘発、特 に、シュワン細胞の分裂誘発を刺激する基礎ポリペプチド因子であって、分子量 が約55kD〜約63kDの範囲であり、 そのアミノ酸配列内において以下のペプチド配列のうちの1つ又は複数のものを 含む、 VHQVWAAK YIFFMEPEAXSSG LGAWGPPAFPVXY WFVVIEGK ASPVSVGSVQELQR VCLLTVAALPPT KVHQVWAAK KASLADSGEYMXK DLLLXV EGKVHPQRRGALDRK PSCGRLKEDSRYIFFME ELNRKNKPQNIKIQKK 分子量が小さなポリペプチド因子と、分子量が大きなポリペプチド因子とから 得られる上記の新規なペプチド配列も、それ自身本発明の権利の一部を構成する ものである。これらの配列は、本発明のポリペプチド因子について、広範囲の様 々な種からこのような因子(又は対応の遺伝子配列)を調査し、分離し、あるい は合成し、又 は、このような因子を遺伝子組替え技術によって合成するためのプローブ源とし て有用であり、更には、対応する抗体、好ましくはモノクローナル抗体、であっ てそれ自身が有用な研究手段であり、また治療物質としての可能性も有する抗体 の、従来技術による合成にも有用である。本発明は、更に、本発明の新規なペプ チド配列のための前記の方法によって得られる、遺伝子配列またはそのフラグメ ントをコードする分離グリア細胞分裂誘発活性にも関する。 本発明における高度に精製された因子から得られる短いペプチドの使用により 、更に別の配列も特定することが可能になった(下記の例参照)。 従って、本発明は、更に、グリア細胞分裂誘発活性を有し、以下に記載するD NA配列によってコードされるアミノ酸配列を備えたポリペプチド因子も含む。 即ち、 (a)図28a,28b又は28cのいずれかにおいてそれぞれ配列認識番号 133〜135で示されるDNA配列、 (b)図22において、配列認識番号89によって示されるDNA配列、 (c)図28aにおいて配列認識番号133によって示される配列のヌクレオ チド281〜557によって表されるDNA配列、 (d)前記(a),(b)又は(c)によって、いずれかのDNAとハイブリ ッド可能なDNA配列。 本発明は、更に、上述の配列に対して60%以上、好ましくは80%以上の相 同同一性を有する配列を含む。 本発明は、特定のハイブリッド形成条件に限定されるものではないが、以下の 実験記録は、便宜的に従われるガイダンスを提供するものである。 DNAプローブは、ショワルター(Schowalter)及びゾマー(So mmer)(Anal.Biochem.,177:90〜94,1989)に 従い、ニックトランスレーションあるいはPCR反応によって、高比活性(約1 08〜109 32Pdmp/μg)に標識化して、G−150セファーデックス( Sephadex)カラ ムでの脱塩によって精製できる。プローブは、変性し(沸騰水中で10分間、そ の後、冷水に漬ける)、次に、106dpm32P/mlにて10%の硫酸デキス トランを含有する80%のバッファB(ポリビニルピロリジン2g、Ficol l−400 2g,ウシ血清アルブミン2g,1M Tris HCL(ph7 .5)50ml,NaCl 58g,ピロ燐酸塩ナトリウム1g、ドデシル硫酸 ナトリウム10g、H2O 950ml)のハイブリッド化溶液に加え、60℃ で一晩(約16時間)培養することができる。次に、前記フィルタを、60℃に て、先ず、バッファB中で15分間、次に、2X SSC、0.1%SDS中で 20分間洗浄を3回、1X SSC、0.1%SDS中での20分間の洗浄を1 回行うことによって洗浄することができる。 その他の態様において、本発明は、以下記載のものを提供する、 (a)ウシ下垂体物質から得られた場合には、還元状態であるか否かに関わら ず、下記の分子量標準を使用したSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動におい て、約30kD〜約36kDの分子量が観 察される基礎ポリペプチド因子: リゾチーム(鶏卵白) 14,400 大豆トリプシン インヒビター 21,500 カルボニック アンヒドラーゼ(ウシ) 31,000 卵白アルブミン(鶏卵白) 45,000 ウシ血清アルブミン 66,200 フォスフォリラーゼ B(ラビット筋肉) 97,400 そして当該因子は、胎児子ウシプラズマの存在下において、ラットシュワン細 胞の分裂を含むグリア細胞分裂誘発活性を有し、逆相HPLCを使用して分離し た場合、4℃で0.1%のトリフルオロ酢酸中での10週間の培養後においてそ の活性の少なくとも50%を保持する。 そして、 (b)ウシ下垂体物質から得られた場合に、非還元状態において、下記の分子 量標準を使用したSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動において、約55kD 〜約63kDの分子量が観察される基礎ポリペプチド因子: リゾチーム(鶏卵白) 14,400 大豆トリプシン インヒビター 21,500 カルボニック アンヒドラーゼ(ウシ) 31,000 卵白アルブミン(鶏卵白) 45,000 ウシ血清アルブミン 66,200 フォスフォリラーゼ B(ラビット筋肉) 97,400 そして当該因子のヒトの等価物質は、ここに記載のDNAクローンGGF2H BS5によってコードされ、また該因子は、胎児子ウシプラズマの存在下におい て、ラットシュワン細胞の分裂を含むグリア細胞分裂誘発活性を有し、逆相HP LCを使用して分離した場合、4℃で0.1%のトリフルオロ酢酸中での10週 間の培養後において、その活性の少なくとも50%を保持する。 尚、便宜上、本発明の低い分子量の因子と高い分子量の因子とを、それぞれ、 ”GGF−I”、”GGF−II”と称する。前記GGF−IIという表示は、 GGF−IIタンパク質由来のペプチド配列データで分離されたすべてのクロー ン(即ち、GGF2HBS5,GGF2BPP3)に使用される。 尚、前述の分子量範囲は、正確なものではなく、特定のポリペプチド因子のソ ースによって僅かに変化するものである。たとえば、別のソースからの物質にお いて約10%の変化は不可能であろう。 本発明の別の重要な特徴は、グリア細胞分裂誘発20活性を有するポリペプチド をコードするDNA配列であって、以下のDNA配列である、 (a)図28a,28b又は28cのいずれかにおいてそれぞれ配列認識番号 133〜135で示されるDNA配列、 (b)図22において、配列認識番号89によって示されるDNA配列、 (c)図28aにおいて配列認識番号133によって示される配列のヌクレオ チド281〜557によって表されるDNA配列、 (d)前記(a),(b)又は(c)により、他のDNAとハイブリッド可能 なDNA配列。 本発明の別の態様は、グリア細胞因子とp185erbB2リガンドタンパク質と が前記同じ遺伝子によってコードされるという事実を利用するものである。この 遺伝子から様々なメッセンジャRNAスプライシング変異体が由来し、これらの 生成物質の多くが、p185erbB2結合および活性を示す。前記(GGF−II )遺伝子生成物のいくつかを使用して、シュワン細胞分裂誘発活性が示された。 本発明は、前記GGF/p185erbB2リガンド遺伝子のすべて公知の生成物( 前記参考文献に記載されている)のシュワン細胞分裂誘発物質としの利用を提供 するものである。 本発明は、更に、その他のこれまで自然には分離されていないグリア成長因子 遺伝子のスプライシング変異体にも関する。図30は、ポリメラーゼ連鎖反応実 験(逆転写RNAにおける)とcDNAクローン(ここに記載)の分析、更に、 p185erbB2リガンドをコードする配列として公開されているもの(ペレス( Peles)他,Cell 69:205(1992)及びウェン(Wen)他 ,Cell 69:559(1992))からのスプライシングの公知のパター ンを示している。これらのパターンは、ここに記載のその他のパターンと ともに、存在する可能なスプライシング変異体を表すものである。従って、本発 明の別の態様は、この遺伝子から由来の新規なタンパク質因子をコードするヌク レオチド配列に関する。本発明は、更に、これらの因子の合成方法にも関する。 これらの新規な因子の治療への適用も本発明の更に別の態様を構成するものであ る。 従って、本発明の他の重要な特徴は以下の通りである、 (a)シュワン細胞の分裂の刺激を含むグリア細胞分裂誘発活性を有する一連 のヒト及びウシポリペプチド因子。これらのポリペプチド配列は、図31,32 ,33及び34において、それぞれ配列認識番号136〜137,173として 示されている。 (b)シュワン細胞の分裂の刺激を含むグリア細胞分裂誘発活性を有する一連 のポリペプチド因子であって、以下の記載概要に基づいて精製され、特徴づけら れるもの、即ち、ルプ(Lupu)他,Science 249:1552(1 990);ルプ(Lupu)他,Proc.Natl.Acad.Sci US A 89:2287(1992);ホルムズ(Holmes)他, Science 256:1205(1992);ペレス(Peles)他, :205(1992); ヤーデン(Yarden)およびペレス(Pele s),Biochemistry 30:3543(1991);ドバシ(Do bashi)他,Proc.Natl.Acad.Sci.88:8582(1 991);デイヴィス(Davis)他,Biochem.Biophys.R es.Commun.179:1536(1991);ビューモント(Beau mont)他,特許出願PCT/US91/03443(1990);グリーン (Green)他,特許出願PCT/US91/02331(1990)、アス ディン(Usdin)およびフィッシュバック(Fischbach),J.C ell.Biol.103:493〜507(1986); フォールズ(Fa lls)他,Cold Spring Harbor Symp.Quant. Biol.55:397〜406(1990);ハリス(Harris)他,P roc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7664〜7668(1 991); 及びフォールズ(Falls)他,Cell 72:801〜815(1993 )。 (c)シュワン細胞の分裂の刺激を含むグリア細胞分裂誘発活性を有するポリ ペプチド因子(GGFBPP5)。そのアミノ酸配列は、図32において配列認 識番号148によって示され、図32において配列認識番号148によって示さ れるウシDNA配列によってコードされる。 上述の新規なヒトペプチド配列は、図31,32,33,34において、それ ぞれ配列認識番号136〜150,173〜176,178,42〜44,77 として示され、これらは、天然ソース(適当な線維組織から得られるcDNAラ イブラリ)からの完全長の相補性DNA(cDNA)として分離可能であり、あ るいは、当業者によって、個々のエクソン(例えば、分離エクソンとして得られ る)とのDNA構造物として組立可能である。 p185erbB2レセプタに特異的に結合する他の化合物、特に、ペプチドも、 本発明においては、グリア細胞 分裂誘発物質として利用可能である。候補化合物は、p185erbB2結合により ルーチン的にスクリーニングすることができ、もしも結合する場合には、ここに 記載の方法を使用してグリア細胞分裂誘発活性のスクリーニングを行うことがで きる。 本発明は、活性が大幅に減少したものでない、上記ポリペプチド因子のすべて の変成物質および等価物質も含む。 例えば、その活性に大きな悪影響を与えることなくアミノ酸内容又は配列を変 化させた変形物質が含まれる。例として、天然タンパク質のEP−A10974 8における突然変異が開示され、ここでは、生物学的反応には必要のない該天然 の配列中のシステインを中性アミノ酸に置換することによって、不要な二硫化物 結合の可能性を避けている。従ってここに含まれる効果および使用方法の記載は 、このような変形物質及び同等物質の効果および使用方法をも含むものであると 理解される。 本発明の新規な配列は、組替え技術の利点を新たに開くものである。従って、 本発明は、以下の態様を含む。 (a)前記コンストラクトによる形質転換後の選択されたホスト細胞のベクタ ー(前記配列の発現を許容すべく制御配列に対して位置決めされている)内の作 動読み取り枠における前述のDNA配列からなるDNAコンストラクト(好まし くは、前記制御配列は、例えばTrp等の調節可能プロモータを有している)。 尚、プロモータと調節配列(あるとすれば)の選択は当業者における選択事項で ある。 (b)前記DNA配列が前記ホスト細胞において発現できるように上記(a) に定義されたコンストラクトを組み込むことによって変成されたホスト細胞─ホ ストの選択は重要でなく、選択される細胞は、原核生物あるいは真核生物のいず れであってもよく、公知の方法によって遺伝子的に変形して前記コンストラクト を組み込むことが可能である。そして (c)DNA配列の発現を許容する条件下において、変成されたホスト細胞を 培養することからなる上記因子の合成方法。前記条件は、DNA組替え技 術の当業者によって実施態様に応じて容易に決定することが可能である。本発明 は、この手段によって合成されたグリア細胞分裂誘発物質を含む。 この技術において記載されているいずれの因子も、本発明の新規なポリペプチ ド因子が有する組合せの特性を有していない。 前述したように、本発明の因子を特徴づけるシュワン細胞分析は、バックグラ ンドとして胎児子ウシプラズマを使用する。その他すべての点においては、この 分析は、ブロックス(Brockes)他,in Meth.Enz.,sup raと同じであってよいが、但し、10%のFCSを10%のFCPで置き換え る。この分析技術の違いは重要である。というのは、胎児子ウシプラズマにおい て血清由来の因子が不在にであることによって(血清に対抗するように)、その 他のいくつかの因子からの疑似効果を除去することにより、シュワン細胞に於け る活性を厳密に定義することが可能になるからである。 本発明は、更に、上述のポリペプチドを調製する方法 を含み、該方法は、タンパク質を得るために脊椎類の脳物質を抽出し、この抽出 物をハイドロキシアパタイトHPLCによってクロマトグラフィ精製し、次に、 これらのフラクションをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけること よりなる。約30kDの分子量が観察されたフラクション及び/又は約55kD 〜63kDの分子量が観察されたフラクションを採取する。いずれの場合におい ても、このフラクションを、下記の分子量標準を使用してSDS−ポリアクリル アミドゲル電気泳動にかける。 リゾチーム(鶏卵白) 14,400 大豆トリプシン インヒビター 21,500 カルボニックアンヒドラーゼ(ウシ) 31,000 卵アルブミン(鶏卵白) 45,000 ウシ血清アルブミン 66,200 フォスフォリラーゼ B(ラビット筋肉) 97,400 分子量の小さなフラクションの場合には、前記SDS−ポリアクリルアミドゲ ルを、非還元条件下、あるいは還元条件下のいずれかでランさせ、分子量の大き なフラクションの場合には、該ゲルを非還元条件下でランさせる。 次に、これらのフラクションの、胎児子ウシプラズマのバックグラウンド下でラ ットシュワン細胞の分裂を刺激する活性についてテストする。 好ましくは、上記方法は、例えば、ウシ下垂体物質からのカルボキシルメチル セルロースクロマトグラフィによって得られた関連フラクションを分離すること によって始める。又、好ましくは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の 前に、ハイドロキシアパタイトHPLC、陽イオン交換クロマトグラフィ、ゲル 濾過、および/または逆相HPLCを使用する。この方法の各段階において、上 述のブロックス(Brockes)in Meth.Enz.,に一般的手段と して記載されている分析、但し、10%FCPを10%FCSに代えた分析、に より、放射性ヨウ化デオキシウリジンを標準として組み入れ、シュワン細胞を使 用することによって活性を測定することができる。 従って、本発明は、更に、分析対象の物質によって刺激された(もしあれば) グリア細胞におけるDNA合成を評価することに対して、バックグランドとして 胎児子ウシプラズマを使用するグリア細胞分裂誘発活性の分析 方法を含む。 本発明の更に別の態様は、オプションとして、許容可能な希釈液、キャリア又 は補形薬との併用により、及び/又は単位投与として使用される、薬用又は獣医 用として調合された前述のすべての因子からなる薬用または獣医療用調合物質に 関する。本発明の因子の使用においては、適当な調合または組成を提供するため 従来の薬学的または獣医学的慣用手段を利用することが出来る。 従って、本発明は、例えば、静脈内、皮下内、筋肉内、眼窩内、眼用、心室内 、頭蓋内、嚢内、髄腔内 槽内、腹膜内、鼻腔内、噴霧状、乱切の各投与、そし て又、経口、口内、直腸、又は膣への投与などの非経口投与法に適用可能である 。 本発明の調合物は、更に、本発明のDNAを発現するホスト細胞の患者への移 植、あるいはこれら調合物を放出する外科移植によって投与することも可能であ る。 非経口調合物の形態は、溶液や懸濁液であってよく、又、経口投与調合物の形 態は、錠剤、カプセル等であり、 鼻腔内投与調合物の形態は、粉末、鼻腔点滴薬、エアロゾル等とすることができ る。 公知の調合方法は、例えば、”Remington’s Pharmaceu tical Sciences”に記載されている。非経口投与用調合物は、補 形薬として、例えば、滅菌した水または塩水、ポリエチレングリコール等のポリ アルキレングリコール、植物性オイル、水素化ナフタレン、生物学的適合性、生 物分解性ラクチドポリマ、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマ ー等を使用して本発明の因子の放出を調節することが可能である。他のこれら因 子の非経口投与システムとして可能なものとしては、エチレン−ビニルアセテー トコポリマー粒子、浸透ポンプ、移植可能注入システムやリポソーム等がある。 吸引用の調合物は、補形薬として、例えば、ラクトースを含有することが可能で あり、又は、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココー ル酸塩やデオキシコール酸塩などを含有する水溶液にしたり、鼻腔点滴液投与用 としては油性溶液としたり、あるいは、ゲル状にしたりすることができる。非経 口投与用調合物としては、更に、口内投与用にはグリココール酸塩、直腸投与に はメトキシサリチル酸塩、 または膣投与用にはクエン酸などがある。 本発明の因子は、単独の活性薬剤として使用したり、あるいは他の活性成分、 例えば、神経疾患における神経生存を容易にする他の成長因子や、ペプチダーゼ 又はプロテアーゼインヒビタ等と組み合わせて使用することができる。 本発明の調合物における本発明の因子の濃度は、投与される量な投与経路など の多くの要因に応じて変化する。 一般に、本発明の因子は、非経口投与用としては水性生理バッファ溶液中に約 0.1〜10%w/v化合物を入れて提供することができる。一般的な投与量は 、体重当り、一日につき、約1mg/kg〜約1g/kgの範囲である。好まし い投与量範囲は、体重当り、一日につき、約0.01mg/kg〜100mg/ kgである。この好ましい投与量は、治療対象の病理状態の種類と程度、患者の 全体的健康状態、調合物の形態及び投与経路によって異なったものになる。 前述のように、シュワン細胞(末梢神経系のグリア細 胞)は、本発明の因子が存在することによって刺激され分裂する。末梢神経のシ ュワン細胞は、ニューロンの支持と、個々の神経線維の周りの髄鞘(ミエリン鞘 )の形成に関連している。この鞘は、筋肉への電気パルスと知覚レセプタからの 電気パルスの適当な伝達にとって重要である。 一次的または二次的にシュワン細胞と神経線維が損傷を受ける数多くの種類の 末梢神経障害が存在する。又、知覚神経と運動神経の双方の神経障害も数多くの ものがある(アダムズ(Adams)およびヴィクター(Victor),Pr inciples of Neurology)。これらの神経障害のなかで最 も重要なものは、恐らく、糖尿病、多発性硬化症、Landry−Guilli an−Barr症候群、腫瘍によって発生する神経障害、及び毒物によって生じ る神経障害(これらの内のいくつかは腫瘍の治療に利用される)である。 しかしながら、本発明は、神経システムの損傷が、例えば、感染または怪我な どいかなる原因によって生じた場合においても使用できる治療方法と予防方法と を提供 するものである。従って、脱髄またはシュワン細胞の損失が存在する神経システ ムの障害又疾患の治療において本発明の因子を使用することに加えて、これらの グリア細胞成長因子は、末梢神経に対する損傷によって生じた神経系の障害の治 療においても有効である。末梢神経に対する損傷の後、シュワン細胞の成長また は再形成によって再生プロセスが誘発され、その後、神経線維がその目標に向か って再成長する。シュワン細胞の分裂を加速することによって、損傷後の再生プ ロセスを促進することができる。 中枢神経系(脳および脊髄)の損傷または神経退化疾患の治療にも類似の方法 を使用することができる。 更に、様々なグリア細胞の腫瘍があるが、それらの内で最も一般的なものは、 恐らく、神経線維腫であり、これはグリア細胞の過剰成長によって生じる斑状小 腫瘍である。又、いくつかのシュワン細胞腫瘍においてGGFに非常に類似した 活性物質が見られることも知られており、従って、それらのレセプタに対する本 発明のインヒビタ活動によってグリア腫瘍を治療することができ、これは前述の ように、因子のレセプタへの結合を阻害するのに有効量の物質を投与することか らなる。 一般に、本発明は、因子−敏感性又は因子−反応性細胞が関連する神経系の病 態生理学的症状の予防または治療に本発明のポリペプチド因子を使用することを 含む。 本発明のポリペプチド因子は、更に、標準的技術に従って、モノクローナル抗 体等の抗体を作る免疫源としても利用可能である。このような抗体も本発明の範 囲に含まれる。又、これらの抗体を、治療や診断の目的のために利用することも 可能である。従って、恐らく因子が異常なレベルであることに関連する状態を、 このような抗体を利用して追求することができる。標準的方法により単離された サンプルの分析を利用し、インヴィトロ技術が使用できる。又、腫瘍画像化技術 を利用して抗体を、例えば、放射性アイソトープで標識化し、体外から画像化で きる画像化方法も、使用可能である。 本発明は、更に、前記因子をインヴィヴォ(in vivo)又はインヴィトロ(in vit ro)でグリア細胞分裂誘発物質として使用することと、そのような用途としての 因子とを含む。従って、1つの具体的実施例は、有効量の本発明の因子を投与す ることによって、脊椎類においてグリア細胞細胞分裂誘発効果を生成する方法に 関する。その ような方法の好適な実施例は、神経システム疾患または障害の治療方法または予 防方法である。 本発明の更に別の態様は、本発明の因子を、薬品の製造、好ましくは、神経疾 患または障害、あるいは神経再生又は修復のための薬品の製造に使用することで ある。 更に、本発明は、本発明の因子の、前記ポリペプチドに対応のレセプタ結合特 性を有する分子を同定、あるいは定量する競合アッセイへの利用も含む。これら のポリペプチドは、ラジアイソトープによって標識化してもよい。競合アッセイ は、関連するレセプタの拮抗薬と作用薬の両方を同定することができる。 別の態様において、本発明は、それぞれの対応レセプタを分離するために、例 えばアフィニティークロマトグラフィ等のアフィニティー分離プロセスにおける 本発明の因子の使用を提供する。このような特定のタンパク質に対応するレセプ タの分離のためのプロセスは、当該技術において公知であり、本発明の因子にお いても数多くの技術が適用可能である。例えば、IL−6とIFNとに関して、 ノヴィック,ディ(Novick,D.)他, J.Chromatogr.(1990)510:331〜7が挙げられる。ゴ ナドトロピン放出ホルモンに関しては文献は以下のものである:ハザム,イー( Hazum,E.),J.Chromatogr.(1990)510:233 〜8。またG−CSFに関しては、フクナガ,アール(Fukunaga,R. )他,J.Biol.Chem.,265:13386〜90がある。IL−2 に関しては、スマート,ジェイ,イー(Smart,J.E.)他,(1990 )J.Invest.Dermatol.,94:158S〜163Sがあり、 ヒトIFN−ガンマに関しては、ステファノス,エス(Stefanos,S. )他,(1989)J.Interferon Res.,:719〜30が ある。 図面の簡単な説明 先ず、図面について説明する。図面 図1〜8は例1に関し、これらについて簡単に説明する。 図1はカルボキシルメチルセルロース・クロマトグラフィからの生成物のプロ フィール、 図2はハイドロキシルアパタイトHPLCからの生成物のプロフィール、 図3はモノ S FPLCからの生成物のプロフィール、 図4はゲル濾過処理FPLCの生成物のプロフィール、 図5及び6は逆相HPLCからの2つの部分的に精製されたポリペプチド生成 物のプロフィールを示す、 図7及び8は胎児子ウシ血清または胎児子ウシプラズマのバックグランドを使 用した逆相HPLCからのGCF−II及びGCF−IIの投与量−反応曲線を 示す、 図9〜12はGCF−IとGCF−II,配列認識番号1〜20,22〜29 ,32〜53及び169から由来のペプチド配列を示し(後記の例2参照)、図 10及び12は、特に、新規な配列を示す、 図10において、パネルAは、退化オリゴヌクレオチドプローブと退化PCR プライマとを構成するのに使用するGCF−Iペプチドの配列がリストされてい る(配列認識番号20,1,22〜29及び17)。パネルAのこれらの配列の 内のいくつかは、合成ペプチドの構成にも使用された。パネルBは、退化プロー ブと退化PCRプライマの構成には短すぎた(6アミノ酸以下)新規なペプチド の配列のリストである(配列認識番号17及び52)、 図12において、パネルAは、退化オリゴヌクレオチドプローブと退化PCR プライマとを構成するのに使用するGCF−IIペプチドの配列がリストされて いる(配列認識番号45〜52)。パネルAのこれらの配列の内のいくつかは、 合成ペプチドの構成に使用された。パネルBは、退化プローブと退化PCRプラ イマの構成には短すぎた(6アミノ酸以下)新規なペプチドの配列のリストであ る(配列認識番号53)、 図13〜20は後記の例3に関し、本発明の因子の細胞分裂誘発活性を示し、 図21〜28(a,b及びc)は後記の例4に関し、これらについて以下簡単 に説明する、 図21は図10のパネルA及び図12のパネルAに示された新規なペプチド配 列から構成された退化オリゴヌクレオチド(配列認識番号54〜88)のリスト である、 図22(配列認識番号89)は退化オリゴヌクレオチドプローブ609,65 0(それぞれ図21,配列認識番号69及び72参照)の結合サイトを含有する 組替えウシゲノムファージGCF2BG1からの推定ウシGGF−II遺伝子配 列のストレッチを示す。同図は、DNA配列のコード・ストランドと第3読み取 り枠の推定されたアミノ酸配列である。因子2(太字)からのペプチド12の配 列は、66アミノ酸転写解読枠(ヌクレオチド75272)の一部である、 図23は後部下垂体からのRNAに存在するウシGGF−IIコード下配列の セグメントを分離する実験に使用された退化PCRプライマ(パネルA,配列認 識番号90〜108)とユニークなPCRプライマ(パネルB,配列認識番号1 09〜119)である、 図24は図7のパネルA,Bのプライマのリストを使用したPCR増幅実験に おいて得られた9つの別々の隣接したウシGGF−II cDNAコンストラク トと配列、および後部下垂体からのRNAを示す。同図の最上ラインは、特徴づ けられたcDNAコンストラクトに寄与するコード配列の略図である、 図25はGGF2BG1のウシ組替えファージの物理的地図である。前記ウシ フラグメントは、長さが約20kbであり、ウシGGF−II遺伝子の2つのエ クソン(太字)を有している。酵素Xbal,SpeI,Ndel,EcoRI ,Kpnl,SstIの制限サイトがこの物理的地図上に示されている。斜線部 分は、配列のためにサブクローンされたフラグメントに対応する、 図26は前記推定ウシGGF−II遺伝子の3つの別の遺伝子生成物の構造の 略図である。エクソンはその発見の順番にA〜Eとしてリストされている。別の スプライシングパターン1,2及び3は、3つのオーバラップする推定タンパク 質コンストラクト(GGF2BPP1,2,3)を生成し、これらはそれぞれ別 の図28a,b,c(下記)に示されている、 図27(配列認識番号120〜132)は図28a,28b,28c(下記) に示された推定タンパク質配列において同定されたGGF−I及びGGF−II と、図10及び12にリストされた新規なペプチド配列との比較である。同図は 、9つの新規なGGF−IIペプチド配列の内の6つが、これらの推定タンパク 質配列に見られることを示している。GGF−I配列に類似の2つのペプチド配 列も見られる、 図28a(配列認識番号133)は図26のスプライシングパターンNo.1 から得られるコード・ストランドDNAと推定アミノ酸配列のリストである。前 記推定ウシGGF−II遺伝子のこの部分cDNAは、206アミノ酸のタンパ ク質をコードする。太字のペプチドは、図10及び12に示したリストから同定 されたペプチドである。潜在的グリコシル化サイトがアンダーラインされている (ポリアデニル化信号AATAAAとともに)。 図28b(配列認識番号134)は図26のスプライシングパターンNo.2 から得られるコード・ストランドDNAと推定アミノ酸配列のリストである。前 記推定ウシGGF−II遺伝子のこの部分cDNAは、281 アミノ酸のタンパク質をコードする。太字のペプチドは、図10及び12に示し たリストから同定されたペプチドである。潜在的グリコシル化サイトがアンダー ラインされている(ポリアデニル化信号AATAAAとともに)。 図28c(配列認識番号135)は図26のスプライシングパターンNo.3 から得られるコード・ストランドDNAと推定アミノ酸配列のリストである。前 記推定ウシGGF−II遺伝子のこの部分cDNAは、257アミノ酸のタンパ ク質をコードする。太字のペプチドは、図10及び12に示したリストから同定 されたペプチドである。潜在的グリコシル化サイトがアンダーラインされている (ポリアデニル化信号AATAAAとともに)。 図29は、下記の例6に関し、サザンブロット上の種々なほ乳類DNAに対す る推定ウシGGF−II遺伝子配列のクロスハイブリッド化分析のオートラジオ グラムである。前記フィルタは、同図にリストされた種からのEcoRI−消化 DNA(各レーンにつき5μg)を含有する。前記プローブは、図25の物理的 地図によって予測されるウシDNAの4キロベースのフラグメントを含んで、各 DNAサンプルにおける単一の強力なバンド を検出する。より力の小さいバンドも観察され、これらは関連DNA配列を示す 。他のほ乳類DNAサンプルからの強いハイブリッド化バンドは、これらの種の GGF−II相同体を示すものと考えられる。 図30は種々なスプライシング変異体を示す図である。コード・セグメントは 、F,E,B,A,G,C,C/D,C/D’,D,D’,H,K及びLによっ て示されている。精製タンパク質からのペプチド配列の位置は、”0”によって 示されている。 図31(配列認識番号136〜147,160,161,173〜178,4 2〜44,77)はGGFのコード・セグメントのDNA配列と予想ペプチド配 列のリストである。ライン1は、ウシGGFの予想アミノ酸配列のリストであり 、ライン2は、ウシGGFのヌクレオチド配列のリストであり、ライン3は、ヒ トGGF(ヘレグリン(heregulin))のヌクレオチド配列のリストで あり(ヌクレオチドベースのマッチングは縦線にて示してある)、ライン4は、 前記予想ウシ配列とは異なる場合におけるヒトGGF/ヘレグリンの予想アミノ 酸配列のリストである。コード・セグメントE、A’及び Kは、ウシ配列のみを表す。コード・セグメントD’は、ヒト(ヘレグリン)配 列のみを表す。 図32(配列認識番号148)はBPP5の予想GGF2アミノ酸配列とヌク レオチド配列である。上方ラインは、ヌクレオチド配列であり、下方ラインは、 予想アミノ酸配列である。 図33(配列認識番号149)はGGF2BPP2の予想アミノ酸配列とヌク レオチド配列である。上方ラインは、ヌクレオチド配列であり、下方ラインは、 予想アミノ酸配列である。 図34(配列認識番号150)はGGF2BPP4の予想アミノ酸配列とヌク レオチド配列である。上方ラインは、ヌクレオチド配列であり、下方ラインは、 予想アミノ酸配列である。 図35(配列認識番号151〜152)は2つのGGFペプチド配列(GGF 2pp4とGGF2pp5)のヒトEGF(hEGF)との整合を示す。星印は 、保存されたシステインを示す。 図36はGGFの増加に対する、約200kD(アンチ燐酸化ポリクローナル 抗体とともに現像したウエスタンブロット上における200kDバンドの強度) のタンパク質のGGF活性のレベル(シュワン細胞分裂誘発分析)と、チロシン 燐酸化を示す。 図37は図31の配列からのスプライシング変異体のリスト、 図38はEGFL1(配列認識番号154)の、予想アミノ酸配列を下部に、 核酸配列を上部に示す、 図39はEGFL2(配列認識番号155)の、予想アミノ酸配列を下部に、 核酸配列を上部に示す、 図40はEGFL3(配列認識番号156)の、予想アミノ酸配列を下部に、 核酸配列を上部に示す、 図41はEGFL4(配列認識番号157)の、予想アミノ酸配列を下部に、 核酸配列を上部に示す、 図42はEGFL5(配列認識番号158)の、予想 アミノ酸配列を下部に、核酸配列を上部に示す、 図43はEGFL6(配列認識番号159)の、予想アミノ酸配列を下部に、 核酸配列を上部に示す、 図44はクローンのスケールコード・セグメントマップである。T3は、前記 クローンからmRNAを生成するのに使用するバクテリオファージプロモータを 示す。R=隣接のEcoRI制限酵素サイト。5’UTは、5’非翻訳領域を示 す。E,B,A,C,C/D’及びDは、コード・セグメントを示す。O=翻訳 開始サイト。∧=ウシEセグメントに対して相同の領域の5’限界(例6参照) 、そして、3’UTは3’非翻訳領域を示す。 図45はGGF2HBS5(配列認識番号167)の予想アミノ酸配列(中間 部)と、核酸配列(上部)とを示す。下部(中間)配列は、GGF−II調製物 (図11及び12参照)からのペプチド配列を示す。 図46は組替えヒト及びウシグリア成長因子のシュワン細胞分裂誘発活性を示 すグラフ。 図47はCHO細胞のならし培地の大きさの異なる部分標本(aliquot s)の投与から生じたシュワン細胞増殖活性物質の投与量−反応曲線である。 図48はGGF2HBS5cDNAクローンを含有するバクロウィルスによっ て感染したSF9昆虫細胞によって細胞外培地中に分泌されたシュワン細胞分裂 誘発活性物質の投与量−反応曲線、 図49はGGFペプチド抗体を使用した組替えCHO細胞のならし培地のウェ スタンブロット、 図50(A)は陽イオン交換カラムから溶出した組替え(COS細胞が生成) ヒトGGF−II(rhGGF−II)ピークのシュワン細胞増殖活性のグラフ であり、(B)は、rhGGFIIの特定のペプチドに対して生成されたポリク ローナル抗体を使用した組替えGGFIIピークに対する免疫ブロットである、 図51(A)はフラクションごとの陽イオン交換カラムでのrhGGF−II (CHO細胞が生成)の精製を示すグラフ、(B)は、(A)に示されたフラク ション とrhGGF−II特異抗体を使用したウエスタンブロットの写真である、 図52は組替えグリア成長因子で処理したシュワン細胞におけるチロシン燐酸 化を示すゲルの写真、 図53はGGFHBS5,GGFHFB1及びGGFBPP5ポリペプチド( 配列認識番号170,171,と172)の配列、 図54は前記CHO細胞−発現ベクターpcDHFRpolyAのマップであ る。 図55は成熟hGGF2をコードするcDNAの、アミノ酸配列である(配列 認識番号179) 詳細な説明 この発明は、新規なグリア成長因子の分離と精製、および、これら因子をコー ドするDNA配列のクローニングとに関する。この発明の他の組成物は、一連の グリア成長因子を潜在的にコードできるいくつかの遺伝子スプライシング変異体 、特に、GGF2HBS5、特にウシ GGF−IIのヒト等価物をコードする変異体である。GGF's及びp185er bB2 結合タンパク質をコードする遺伝子が、長さが異なりいくつかの共通のペプ チド配列といくつかのユニークなペプチド配列とを有する一連のタンパク質を生 み出すRNA転写体であって、様々な大きさとスプライス状態の異なったRNA 転写体を生成することは明らかである。これは、ウシ後方下垂体RNA(ここに 開示される)、ヒトの乳ガン(MDA−MB−231)(ホルムズ(Holme s)他,Science256:1205(1992))や鶏の脳のRNA(フ ォールズ(Falls)他,Cell 72:1〜20(1993))から回収 可能なスプライシングの異なる諸配列によって証拠付けられている。又、シュワ ン細胞に対する細胞分裂誘発物質(ここに開示)として、また、前記p185er bB2 レセプタ(下記参照)のためのリガンドの両方として作用する広範囲のタン パク質によっても証拠づけられている。 前記GGFとp185erbB2をコードする遺伝子が相同であるという事実の更 なる証拠は、ヌクレオチド配列の比較から得られる。Science,256( 1992),(1205〜1210)ホルムズ(Holmes)他, は、前記レセプタタンパク質p185erbB2に特異的に反応し、いくつかのヒト の悪性腫瘍に関連する45−キロダルトンのヒトタンパク質(ヘレグリン−α) の精製について記載している。ヘレグリン−αをコードするいくつかの補足性D NAクローンが分離された。ペレス(Peles)他(Cell69:205( 1992))及びウェン(Wen)他(Cell 69:559(1992)) は、”neu分化因子”(NDF)と称するタンパク質をコードするラット細胞 から分離された補足性DNAについて記載している。前記NDFcDNAのトラ ンスレーション生成物は、p185erbB2結合活性を有する。アスディン(Us din)及びフィッシュバック,ジェイ5(Fischbach,J.)Cel l.Biol.103:493〜507(1986);フォールズ(Falls )他,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Bio l.55:397〜406(1990);ハリス(Harris)他,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 88:7664〜7668(1991 );及びフォールズ(Falls)他,Cell 72:801〜815(19 93)は、レセプタタンパク質p185erbB2と作用する42Kdのグリコプロ テインの精製されたこと、 また、いくつかの補足性cDNAが分離されたこと(フォールズ(Falls) 他 Cell 72:801:815(1993))を示している。その他のグ ループとしては、ルプ(Lupu)他(1992)Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 89:2287;ヤーデン(Yarden)とペレス(P eles)(1991)Biochemistry 30:3543;ルプ(L upu)他(1990)Science 249:1552;ドバシ(Doba shi)他(1991)Biochem.Biophys.Res.Comm. 179:1536;そしてフアング(Huang)他(1992)J.Biol .Chem.257:11508〜11512等が含まれる。 他の実施例 本発明は、図31のコード・セグメント(配列認識番号136〜147,16 0及び161,173〜178,42〜44,77)にほぼ相同のすべてのタン パク質と、自然発生GGFポリペプチドとを含む。更に、対立遺伝子変異体、自 然突然変異体、誘発突然変異体、自然発生の核酸に対する高厳密(high s tringent)条件または低厳密条件下においてハイブリッド化した DNAによってコードされたタンパク質(高厳密条件および低厳密条件の定義に 関しては、ここに参照文献として提示するCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & S ons,New York,1989,6.3.1−6.3.6を参照)、そし て、抗血清によってGGFポリペプチドに特異的に結合したポリペプチド又はタ ンパク質も含まれる。又、この用語は、図31からの配列を有するGGF ポリ ペプチドを含むキメラポリペプチドも含む。 以下の例は、本発明を限定するものではなく、本発明を有用に例示する目的で 提供されるものであり、有効な調製技術に関するガイダンスを提供するものであ る。 下記の例3から理解されるように、本発明の因子は、ある範囲のタイプの細胞 に細胞分裂誘発活性を示す。線維芽細胞に関する活性は、傷修復能力があること を示し、本発明は、この利用方法も含むものである。上述の調合物及び/又は薬 品、およびその製造方法に関連の本発明の一般的記載は、適当な製造物とその使 用方法を含むものであると理解されるべきである。これは、線維芽成長 因子(FGFs)に対する類似の活性に関する報告に鑑みて、本発明に対し合理 的に期待されるものである。例えば、スポーン(Sporn)他,”ペプチド成 長因子とそのレセプタI”396頁(Baird and Bohlen)の” 傷の治癒と線維組織の修復におけるFGFs”というタイトルを付けられた章を 参照。 例1 ウシ下垂体からのGGF−IとGGF−IIとの精製 I.因子−CMフラクションの調製 4,000の冷凍全ウシ下垂体(約12kg)を一晩解凍し、先ず水で簡単 に洗浄し、次に、Waring Blenderによって各々同量の0.15M 硫酸アンモニウムでバッチ処理によりホモジナイズした。このホモジナイズ化物 を1.0MのHClでpH4.5に調節し、4,900gで80分間遠心分離機 にかけた。上清液中のすべての脂肪分を、グラスウールを通過させることによっ て除去した。前記上清液のpHを1.0MのNaOHを使用して6.5に調整し た後、固体の硫酸アンモニウムを添加して36%の飽和溶液となるようにした。 数時間の攪拌後、その縣濁液を4,900gで80分間遠心分離機にか け、沈澱物を取り除いた。グラスウールでのフィルタ処理後、更に前記上清液に 固体硫酸アンモニウムを追加し、75%の飽和溶液となるようにし、数時間の攪 拌後、これを再び4,900gで80分間遠心分離機にかけた。そのペットを、 約2リットルのpH6.0の0.1M燐酸ナトリウム中にて再縣濁し、3×40 Lの同じバッファで透析した。透析物の導電性が20.0μジーメンス以下であ ることを確認した後、毎分2mlの流量で、カルボキシメチルセルロース(CM −52,Whatman)でパックしたバイオプロセスカラム(120×113 mm,Pharmacia)に負荷した。このカラムを、先ず、2倍量のpH6 .0の0.1M燐酸ナトリウムで、次に、2倍量の50mMNaClで、そして 最後に2倍量の0.2M NaClで、同じバッファ中にて洗浄した。最終工程 中において、10mL(5分間)のフラクションが収集された。フラクション7 3〜118までをプールし、10倍量のpH6.0の10mM燐酸ナトリウムで 2度、透析し、100,000gで60分間の遠心分離によって浄化した。II.ハイドロキシルアパタイトHPLC ハイドロキシルアパタイトHPLCは、グリア成長因子の分離において従来 使用された技術ではないが、この発明において特に有効であることが判った。 前記CM−セルロースクロマトグラフィによって得られた物質を、0.22 μmのフィルタ(Nalgene)によって濾過し、室温にて、ガードカラム( 15×25 mm,Biorad)を備えた高性能ハイドロキシルアパタイトカ ラム(50×50mm,Biorad)に負荷し、pH6.0の10mMの燐酸 カリウムで平衡させた。室温での抽出を、下記のプログラムされたリニアグラジ エントを使用して毎分2mlの流量で行った。 6.0mL(3分間)フラクションを、前記グラジエント溶出中に採取した 。フラクション39〜45をプールし、10分量の50mM燐酸ナトリウムpH 6.0で透析した。III.モノ S FPLC モノ S FPLCにより、後のゲル濾過のためにより高濃度の物質を作る ことが可能となった。 前記ハイドロキシルアパタイト・カラムからのプールされた物質のすべての 粒状成分を、調製HR10/10モノ S 陽イオン交換カラム(100x10 mm,Pharmacia)にかける前に、10,000gでの浄化スピンによ って、60分間で除去し、次に、これを室温下で、毎分1.0mlの流量でpH 6.0の50mM燐酸ナトリウムに再平衡させた。これらの条件下において、結 合したタンパク質を、下記のプログラムされた一次グラジエントを使用して溶出 した。 1.0mL(1分間)フラクションを、このグラジエントプログラム中に採 取した。フラクション99〜115までをプールした。 IV.ゲル濾過 FPLC この工程は、最終精製処理の前に、この発明の2つの因子の分離より始め、 濃縮フラクションを作った。 この実験の目的のため、調製スペローズ(Superose)12 FPL C カラム(510×20mm,Pharmacia)を、その製造会社の指示 に従って充填した。このカラムを標準化するために、製造会社の指示にしたがっ て、理論段数測定を行い、9,700理論段数という値を得た。 モノ S 溶出物質のプールを、室温において、2.5Mlの部分標本ごと に、予めC18逆相カラム(Sep−pak Millipore)に通過させ た50mM燐酸ナトリウム、0.75 NaCl pH6.0中で毎分1.0m Lの流量でこのカラムに適用した。各サンプルが該カラムに適用された後、35 分後から1mL(0.5分間)のフラクションが採取された。各実行(ラン)か らフラクション27〜41(GGF−II)及び42〜57(GGF−I)まで がプールされた。 V.逆相HPLC 上記スペローズの12回のランから得られたGGF−1とGGF−IIとを 、それぞれ、3つの等しい部分標本に分割した。各部分を、ガードカートリッジ (RP−8,15x3.2mm,Applied Biosystems)によ って保護され、40℃に平衡させた、C8逆相カラム(Aquapore RP −300 7μ C8 220x4.6mm,Applied Biosyst ems)にて、毎分0.5mLの流量で通過させた。これらの条件下において、 下記のプログラムによるリニアグラジエントを 使用してタンパク質を溶出した。 200μL(0.4分間)のフラクションを前記プログラムグラジエントの 開始後からの15.2分間でシリコン化チューブ(Multilubeチューブ 、Bioquote)内に採取した。VI.SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 この工程においては、Bio−Rad Labo−ratories Li mited,Watford,Englandのタンパク質分子量標準、低レン ジ、カタログNo.161−0304を使用した。実際に使用されたタンパク質 とその分子量標準は、前述の通りであった。 前記逆相プログラムのランから得たフラクション47〜53(GGF−I) とフラクション61〜67(GGF−II)を、個別にプールした。このプール した物質の7μLを、0.0125M Tris−Cl,4%SDS,20%グ リセロール、及びGGF−Iに対しては10%のβ−メルカプトエタノールの等 量混合液中で、5分間沸騰させ、4%のスタッキングゲルを有する11%ポリア クリルアミドLaemmliゲル中に充填し、50Vの定電圧を16時間かけた 。このゲルを、次に、固定し、銀着色キット(Amersham)を使用して着 色した。これらの条件下において、前記因子は、分子量マーカを基準として、相 対分子量が30,000〜36,000ダルトン(GGF−I)と55,000 〜63,000ダルトン(GGF−II)の、幾分拡散したバンドとして観察さ れる。前記ゲル着色から、前記逆相プログラム実行からプールされた物質におい て前記GGF−IとGGF−IIと同等のレベルで、他のタンパク質が存在する ことが明らかである。VII.トリフルオロ酢酸中における安定性 トリフルオロ酢酸存在下における、この発明の因子 の安定性に関して得られたデータは以下の通りである。 GGF−I: 0.1%TFAとアセトニトリルの存在下において、前記逆 相HPLCから得た物質を、カラムランの完了後12時間以内と、その40℃で の10週間の培養後とにおいて分析した。培養後、GGF−Iは、カラム流出後 、直接にとって分析した物質の活性の少なくとも50%を保持していた。 GGF−II: 0.1%TFAとアセトニトリルの存在下において、前記 逆相HPLCから得て、−20℃にて保存しておいて物質を、解凍後と、40℃ で4日間の培養後とにおいて分析した。培養後、GGF−IIは、解凍直後の物 質の活性の少なくとも50%を保持していた。 尚、上記研究において使用されたトリフルオロ酢酸濃度は、逆相クロマトグ ラフィにおいて最も一般的に使用されるものである。VIII.活性分析条件(Activity Assay Conditions) 特に明記の無い限り、すべての作業は37℃で行っ た。そして図1〜6に示されるように、各工程での活性は、下記の変更以外には 、ブロックス(Brockes)(Meth.Enz.,上述)の技術を使用し て測定された。従って、シュワン細胞の調製において、5μMのフォルスコリン (forskolin)を、DMEM(Dulbecco’s modifie d Eagle’s medium)、FCS及びGGF以外に添加した。分析 に使用した細胞は、パッセージ番号(passage number)が10以 内の無線維芽細胞シュワン細胞であり、これらの細胞は、トリプシンとともにフ ラスコから除去され、1ミクロ・ウェル当り3.3 千細胞の割合で平底96− ウェル・プレートにプレート化した。 [125I]IUdRを、テスト溶液の添加後の最後の24時間後に添加した 。バックグラウンド(非刺激)の各分析に対する関与は、100cpm以下であ り、最大の組込みは、シュワン細胞のバッチとパッセージ番号(passage number)とに応じて、20〜200倍(fold)であった。 上述の逆相HPLCから得られるGGF−I及び GGF−IIフラクションの場合、各因子に対する一本の曲線について、全く同 じ前述の方法を使用して、2本の投与量−反応曲線が得られた。そして、この分 析実験において上記方法は、各因子についての他の曲線を得るために、胎児子ウ シプラズマを胎児子ウシ血清に代えた点のみ変更された。その結果は図7及び8 に示されている。 例2 精製GGF−IとGGF−IIのアミノ酸配列 高度に精製したウシ下垂体GGF−I及びGGF−IIを使用してアミノ酸配 列分析研究を行った。これらの配列の記載には従来式の単一文字コードを使用し た。ペプチドは、還元されそしてカルボキシメチル化されたサンプルについて、 リシルエンドペプチダーゼとプロテアーゼV8による消化物として得られた。特 に前記GGF−IIのリシルエンドペプチダーゼの消化は、11%SDS−PA GE(前記マーカに対するMW)の55−65RD領域において行った。 GGF−Iに関して全部で21のペプチド配列(図9、 配列認識番号1〜20,169参照)が得られ、その内の12のペプチド(図1 0、配列認識番号1,22〜29,17,19及び32)は現在のタンパク質デ ータベースには存在しないものであり、従って、新規な配列である。GGF−I Iに関して全部で12のペプチド配列(図11、配列認識番号33〜39,51 ,52,164〜166参照)が得られ、その内の10のペプチド(図12、配 列認識番号45〜53)は現在のタンパク質データベースには存在しないもので あり、従って、新規な配列である(例外は、ペプチドGGF−II 06であり 、これは多くのタンパク質においても同じ配列を示しているが、これらはその残 基の数が小さいことから恐らく重要ではない)。これらの新規な配列が、GGF −IとIIの真のアミノ酸配列の部分に対応するものである可能性は極めて高い 。 特に注目されるのはGGF−I 07とGGF−II12とであって、これら は明らかに互いに密接に関連している。その類似性は、これらのペプチドの配列 がほぼ確実に指定されたGGF類のそれであることと、汚染タンパク質由来であ る可能性が非常に低いこととを示すものである。 更に、ペプチドGGF−II 02において、配列X S Sは、Xによって 示す位置におけるアスパラギンのN−結合の炭水化物モエティ(moiety) の存在と一致している。 一般に、図9及び11において、Xは、サイクル中に同じ大きさの信号が1つ 以上存在したか、あるいは、全く信号が無かったことによって1つの位置も確実 に呼び出すことができなかったシーケンスサイクルを表す未知の残基を示してい る。星印は、最後に呼び出したアミノ酸が、そのペプチドに存在する最後のアミ ノ酸に対応するペプチドを示す。その他のタンパク質において、最後に呼び出し たアミノ酸の後の信号強度では、そのペプチドの末端まで呼び出しを継続するの には不十分であった。右側のカラムは、NBRFとEMBL配列データベースを 分析するためにGCGパッケージFASTA及びTFASTAプログラムを使用 して行ったコンピュータデータベースサーチの結果を示している。このカラムの タンパク質の名称は、その配列の一部の一致を示し、呼び出されたペプチドアミ ノ酸配列は最大2つのミスマッチを許容するものであった。疑問符(?)は、許 容された3つのミスマッチを示している。使用された略記は以 下の通りである。 HMG−1 高移動性グループタンパク質−1 HMG−2 高移動性グループタンパク質−2 LH−アルファ 黄体形成ホルモンアルファサブユニット LH−ベータ 黄体形成ホルモンベータサブユニット 例3 精製GCF−IとGCF−IIの細胞分裂誘発活性 GCF−IとGCF−IIとの両方を含有する高度に精製したサンプルの細胞 分裂誘発活性の研究を、定量方法により行った。この方法は、単一のミクロ培養 による、DNA合成、細胞組織形態、細胞数、細胞アンチゲンの発現の評価を可 能にするものである。この技術は、以前にミュール(Muir)他,Analy tical Biochemistry 185,377〜382,1990に よって報告された方法を変更したものである。主な変更点は、1)非被覆ミクロ タイター(microtiter)プレートの使用、2)一ウェル当りの細胞数 、3)10%胎児子ウシ血清(FCS)に代えての5%の胎児ウシプラズマ(F BP)の使用、 そして4)培養に同時に添加された細胞分裂誘発物質と臭化デオキシウリジン( BrdU)の存在下における培養時間、である。更に、細胞の損失を避けるため に、前記細胞の単層は、固定前において洗浄しなかった。そして、モノクローナ ル・マウス 抗−BrdU抗体とペロキシダーゼ接合ヤギ 抗−マウス免疫グロ ブリン(IgG)抗体とを、分析の感度を高めるために、2倍にした。ラットの 座骨神経シュワン細胞ように最適化した分析も、前記細胞培養条件に対して適当 な変更を施した後に、いくつかの細胞系に使用した。I.細胞分裂誘発テスト 第1日目に、精製したシュワン細胞を、5%EBP/Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)(5,000細胞 /ウェル)中で、非被覆の96ウェルのプレートにプレート化した。第2日目に 、GGF又はその他のテスト因子を、10pmの最終濃度のBrdUとともに、 前記培養物に添加した。48時間後(第4日目)、BrdU組み込みを、前記培 地を吸引することによって終わらせ、室温で20分間、70%エタノールを20 0μl/ウェル添加し、細胞を固定した。次に、これらの細胞を、 水及び37℃で10分間、100μlの2N HClでの培養によって変質させ たDNAで洗浄した。吸引後、残りの酸を、前記ウェルを0.1Mホウ酸塩バッ ファpH9.0で満たすことによって中和し、細胞を燐酸バッファ塩水(PBS )で洗浄した。次に、細胞を、50μlのブロッキングバッファ(0.1%のト リトンX100と2%の正常ヤギ血清とを含有するPBS)で37℃にて15分 間処理した。吸引後、モノクローナル・マウス 抗−BrdU抗体(ダコ・コー ポレイション(Dako Corp.),カリフォルニア州,サンタ・バーバラ )(50μl/ウェル,ブロッキングバッファ中で1.4μg/mlに希釈)を 添加し、37℃で2時間培養した。非結合抗体を、0.1%トリトンX−100 を含有のPBS中において3回の洗浄して除去し、ペロキシダーゼ−結合ヤギ・ 抗−マウスIgG抗体(ダコ・コーポレイション(Dako Corp.),カ リフォルニア州,サンタ・バーバラ)(50μl/ウェル,ブロッキングバッフ ァ中で2μg/mlに希釈)を添加し、37℃で1時間培養した。PBS/トリ トンでの3回の洗浄と、PBS中での最終すすぎ後、ウェルは、0.05%の溶 解性クロモゲンO−フェニレンジアミン(OPD) と、0.02%のH22とを含有する100μl/ウェルの50mMのpH5. 0燐酸/クエン酸塩バッファを受けた。室温で5〜20分後、各ウェルから80 μlを、2N硫酸を40μl/ウェル含有するクリーンなプレートにピペットで 移すことによって、前記反応をに終結させた。490nmにおける吸光はプレー トリーダ(Dynatech Labs)を使用して記録した。前記細胞単層を 含有する分析プレートを、PBSで2回洗浄し、100μl/ウェルの基質ジア ミノベンジジン(DAB)を加えてBrDU−DNAについて免疫細胞化学的に 染色し、0.02%のH22とを添加することによって溶解不能生成物とした。 10〜20分後、前記染色反応を、水で洗浄することによって終結させ、倒立型 顕微鏡(inversed microscope)を使用してBrdU−ポジ ティブ細胞核を観察計数した。場合により、ネガティブ核を0.001%のトル イジンブルーで対比染色し、上述と同じように計数した。II.細胞分裂誘発分析に使用した細胞系 Swiss 3T3 線維芽細胞:Flow Labsからの細胞を、10 %CO2の空気中で、加湿雰囲気 下、37℃で、10%のFCS、ペニシリン、ストレプトマイシンを補足したD MEM中に保持した。細胞を、2日毎に供給又は二次培養した。細胞分裂誘発分 析のために、細胞を、完全培地にて5,000細胞/ウェルの濃度でプレート化 し、細胞が融合性を得て、鎮静状態になるまで1週間培養した。血清を含有する 培地を除去し、細胞単層を、無血清培地で2回洗浄した。細胞分裂誘発物質を含 有する100μlの無血清培地と、10μMのBrdUとを各ウェルに添加し、 48時間培養した。GGFと血清又はPDGF(ホジティブコントロールとして )に対する投与量反応を行った。 BHK(ベビーハムスター腎臓)21 C13線維芽細胞:Europea n Collection of Animal Cell Cultures (ECACC)からの細胞を、5%CO2空気中、加湿雰囲気下、37℃で、5 %のFCS、ペニシリン、ストレプトマイシンを補足したGlasgow Mo dified Eagle Medium(GMEM)中で保持した。細胞を、 2〜3日毎に供給又は二次培養した。細胞分裂誘発分析のために、細胞を、完全 培 地にて、2,000細胞/ウェルの濃度で、24時間プレート化した。血清を含 有する培地を除去し、無血清培地で2回洗浄した後、100μlの、0.1%の FCSを含有するGMEMあるいはGMEMのみで、置換した。ホジティブコン トロールとしてGGFとFCS又はbFGFとを、10μMのBrdUとともに 、添加し、48時間培養した。次に、細胞培養のシュワン細胞を、前述の方法で 処理した。 C6 ラット グリオーム細胞系:パッセージ39から得た細胞を、10% CO2空気中、加湿雰囲気下、37℃で、5%のFCS、ウマ血清(HS)、ペ ニシリン、ストレプトマイシンを含有したDMEM中で保持した。細胞を、3日 毎に供給又は二次培養した。細胞分裂誘発分析のために、細胞を、完全培地にて 2,000細胞/ウェルの濃度でプレート化し、24時間培養した。次に、培地 を、無血清培地中にて洗浄した後、DMEMと0.1%のFCSを含有するF1 2の1:1の混合物にて置換した。次に、GGF,FCS及びαFGFに対する 投与量反応を行い、細胞を、他のタイプの細胞に関して前述した方法でELIS Aを通じて処理した。 PC12(Rat Adrenal Pheo−chromocytoma 細胞):ECACCからの細胞を、5%CO2空気中、加湿雰囲気下で37℃ でコラーゲン被覆フラスコ内にて、10%のFCS、ペニシリン、ストレプトマ イシンを補足したRPMI1640中で維持した。細胞を、3日毎に培地の80 %を置換することによって、供給した。細胞分裂誘発分析のために、細胞を、完 全培地にて3,000細胞/ウェルの濃度でコラーゲン被覆プレート(50μl /ウェル コラーゲン、ヴィトロゲン・コラーゲン・コーポレイション(Vit rogen Collagen Corp.)、1:50に希釈、37℃で30 分間)にプレート化し、24時間培養した。次に、前記培地を、新たなRPMI のみか、あるいは、1mMのインシュリンを含有したもの、あるいは、1%のF CSによって置換した。ポジィティブコントロールとしてのFCS/HS(1: 2)及びGGFとに対する投与量反応を前述のように行った。48時間後、細胞 を固定して、ELISAを前述したように行った。III.細胞分裂誘発分析の結果: この例におけるすべての実験は、セファローズ12クロマトグラフィ精製工 程(例1のセクションD参照)からの、GGF−1とGGF−II(GGFs) との混合物を含有する高度に精製したサンプルを使用して行った。 先ず、BrdU組み込み分析によって得られた結果を、ジェイ・ピー・ブロ ックス(J.P.Brockes)著(Methods Enzymol.14 7:217,1987)に記載の、分裂細胞のDNAへの[125]I−UdR 組み込みに基づくシュワン細胞の古典的な細胞分裂誘発分析と比較した。 図13は、同じ細胞培養条件(5,000細胞/ウェル 5%FBP/DM EM中、GGFs又の存在下で48時間培養)で行われた2つの分析によって得 られた結果を比較して示したものである。同図に明らかに示されているように、 これらの結果は比較可能であるが、BrdU組み込み分析の方が、グラフにおい て曲線が左側、即ち、GGFSの低い濃度の方へシフトしていることに示される ように、僅かに感度が高い。 ”細胞分裂誘発テスト方法”と題された章に記載されているように、免疫反 応性BrdU−DNAを、前記OPDペロキシダーゼ反応の溶解生成物強度を読 み取ることによって定量化した後、細胞単層を含有する元の分析プレートを、第 2の反応をさせて、非溶解性DAB生成物を得ることができ、これはBrdUポ ジティブ細胞核を染色する。次に、前記マイクロ培養を、倒立型顕微鏡で調べ、 細胞の形態と、BrdU−ポジティブ及びネガティブ細胞核の数を観察すること ができる。 図14a及び図14bにおいて、490nmでの吸収の読み取りによって評 価されたBrdU−DNAの免疫活性が、同じ培養内における、BrdU−ポジ ティブ細胞核の数と、ウェル当りのBrdU−ポジティブ細胞核の百分率と比較 されている。標準偏差は、10%以内であった。2つの評価方法は、GGFsの 最大投与量における値の間の非常に良好な相関関係と不一致とが、BrdU−ポ ジティブとして検出された細胞におけるDNA合成の程度の違いによって説明可 能であることを示している。 従って、BrdU組み込み分析は、前記(125)I−UdR組み込み分析 との比較した場合、シュワン細胞に対するポリペプチドの生物学的活性について の別の有用な情報を提供するものである。例えば、図15に報告されるデータは 、GGFsがシュワン細胞に作用して、DNA合成を誘発することができるが、 より少ない投与量においては、48時間後においてマイクロ培養中に存在するネ ガティブ細胞の数を増やすことを示している。 次に、前記分析を、起源の異なるいくつかの細胞系に使用した。図16にお いて、GGFsに対する、シュワン細胞とSwiss線維芽細胞との細胞分裂誘 発反応が比較されており、3T3線維芽細胞においては弱い反応しか得られなか ったにも拘らず、これらの培養中においていくつかのはっきりとしたBrdU− ポジティブ細胞核が検出された。コントロール培養を、FCS又はヒト組替えP DGFの複数の投与量の存在下において平行に実行したところ、これら細胞が適 当な刺激に対して反応可能であることが判った(図示せず)。 線維芽細胞のGGFsに対する反応性を、更に、BHK 21 C13細胞 系を使用して調べた。これらの腎臓から得た線維芽細胞は、接触阻止反応を示さ ず、あるいは、融合性状態の場合に鎮静状態には到らない。従って、細胞の生存 力を損なわない範囲で、バックグラウンドの増殖が非常に低くなるように実験条 件を調節した。GGFsは、図17及び18に示すように、BHK21C13細 胞において非常に顕著な細胞分裂誘発活性を有する。図17は、0.1%のFC Sの存在下においてGGFSによって刺激されたBHK21 C13細胞による 、BrdUのDNAへの組み込みを示している。FCSに対する良好な応答は、 細胞培養条件が限定的でなかったことを示している。図18において、GGFs の細胞分裂誘発効果が、1ウェル当りに計測されたBrdU−ポジティブ及びB rdU−ネガティブ細胞の数として表されている。データは、全く同一条件で実 行された2つの実験を示すものであり、少なくとも1つのウェル毎に3つのフィ ールドが数えられた。シュワン細胞の観察において、低投与量における増殖性効 果に加えて、GGFsは、非反応性細胞の生存数も増加させる。BrdU−ポジ ティブ細胞の率は、前記培養に添加されたGGFsの 増加量に比例する。高投与量のGGFsの存在下における48時間後の細胞の総 数は、少なくとも2倍に増加し、これはGGFsがBHK21 C13細胞にお けるDNA合成と増殖とを誘発することを確証するものである。同じ条件下にお いて、2%のFCSの存在下において48時間維持した細胞は、約6倍の増加を 示した(図示せず)。 C6グリオーム細胞は、グリア細胞の特性の研究のための有用なモデルを提 供した。発現した表現型は、細胞パッセージに依存し、細胞は、初期段階におい ては星状膠細胞表現型に類似し、後期段階(パッセージ70以降)においては乏 突起膠細胞表現型に類似するようである。これらの実験において使用されたC6 細胞は、パッセージ39からパッセージ52からのものであった。C6細胞はき わめて増殖性の高い個体群であるので、BrdU組み込みのバックグランドを非 常に低くするように実験条件を最適化した。FCSに対する投与量反応に示され るように、細胞分裂誘発反応に大きく影響することなく細胞の生存力を維持する のに、0.1%の血清の存在が必要であった(図19)。 図20において、aFGF(酸性線維芽細胞成長因子)とGGFsとに対す る細胞分裂誘発反応が、FCS(8%)の存在下において得られた最大のBrd U組み込みの百分率として表されている。値は、全く同一の条件で実行された二 つの実験の平均値である。GGFの効果は、aFGFの純粋調合物の効果と等価 である。C6細胞の独特の成長因子としてaFGFが既に記載されており(リム ・アール(Lim R)他,:741〜746,1990)、その理由で、こ れはポジティブコントロールとして使用された。BrdUポジティブ及びネガテ ィブ細胞を直接に数えることは、マイクロ培養の細胞濃度が高かったために不可 能であった。これまでに報告された細胞系とは対照的に、PC12細胞は、この PC12が血清に対して反応可能な培養条件下(細胞の維持において通常に使用 されるFCSとHSとの混合物)において処理された場合GGF2に対してはっ きりとした反応を示さない。しかしながら、各ウェル毎のプレート化された細胞 の数は、PC12細胞の挙動に影響するようである。従って、更に実験が必要で ある。 例4 GGF−I及びGGF−IIペプチドを含有するタンパ ク質をコードするヌクレオチド配列の分離とクローン化 GGF−IIヌクレオチド配列の分離とクローン化とを、ペプチド配列情報と ライブラリスクリーニングとを使用した結果を外観し、そして以下に記載の方法 によって実際に行った。尚、図4及び5のペプチドは、下記の技術にしたがって GGF−I配列を分離およびクローン化する出発点として利用することができる ことは評価されるであろう。即ち、図21(配列認識番号54〜88)は、この 目的のために利用可能な退化オリゴヌクレオチドプローブを示し、図23(配列 認識番号90〜119)は、利用可能なPCRプライマをリストアップしている 。DNA配列とポリペプチド配列とは、GGF−IIと同様にこの手段によって 入手されるべきであり、更に、このようなDNA配列を組み込んだDNAコンス トラクトと発現ベクター、このようなコンストラクト/ベクターを組み込むこと によって遺伝子的に変成されたホスト細胞、また、このようなホスト細胞を培養 することによって得られるタンパク質も同じである。本発明は、更に、これらの 物質をも含む。I.オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマの構成と分析 前記アミノ酸配列(精製GGFタンパク質からのペプチド由来のもの)をヌ クレオチド配列に逆転写(backtranslate)することによって退化 DNAオリゴマプローブを構成した。オリゴマは、前記DNA配列のコード・ス トランド又は非コード・ストランドを表した。オリゴマ構成にセリン、アルギニ ン又はロイシンが含まれていた場合には、曖昧さをなくすために2つの別の合成 物を作った。例えば、セリンは、537及び538又は609及び610のTC N又はAGYのいずれかによってコードされた。アルギニン又はロイシン(例え ば、544,545)について類似のコドン分割を行った。DNAオリゴマを、 0.2マイクロモルスケールでのβ−シアノエチル化学反応を使用してBios earch87504−カラムDNAシンセサイザーで合成した。オリゴマを、 前記カラム(500オングストロームCpG樹脂)から切り離し、濃い水酸化ア ンモニウム中において55〜60℃で6〜24時間保護解除(de−prote cted)した。これら保護解除オリゴマを真空下で乾燥させ(Speedva c)、7Mの尿 素を含有する、15%アクリルアミド(20モノ:1ビス)50mM Tris −ほう酸−EDTAバッファのゲル中での電気泳動によって精製した。UV シ ャドウイング(shadowing)によって、前記ゲル中に全長オリゴマが検 出され、次に、前記バンドを摘出し、DNAオリゴマを4〜16時間のシェイキ ングによって、1.5 mls H20に溶出した。この溶出液を乾燥し、0. 1ml H2O中に再溶解し、光吸収測定を260nmで行った。 濃度は、次の式に基づいて測定した。 (A 260 × 単位/ml)(60.6/長さ=xμM) すべてのオリゴマを、H2Oの添加によって、50μMの濃度に調節した。 上記構成の退化プローブが、図21,配列認識番号54〜88に示されてい る。 下記の変更を加えたうえでプローブに対して使用し たものと実質的に同じ手順によってPCRプライマを作った。13のヌクレオチ ド含有制限サイトのリンカーが、ベクターへのクローン化用の前記退化オリゴマ の5’末端に含まれていた。DNA合成を、1,000オングストロームCpG 樹脂を使用した1マイクロモルスケールで行い、すべての4つのヌクレオチドが 退化プローブに正常に取り込まれた位置においてはイノシンを使用した。PCR プライマの精製は、前記ゲル電気泳動精製後にエタノール沈澱することを含むも のであった。II.ライブラリ構築及びスクリーニング ウシゲノムDNAライブラリを、Stratagene(Catalogu e Number:945701)から購入した。このライブラリは、ベクター ラムダダッシュIIにクローン化された、2x106の15〜20kb Sa u3Al 部分ウシDNA2フラグメントを含有していた。ウシの全脳CDNA ライブラリを、Clonetech(Catalogue Number:BL 10139)から購入した。全脳と、ウシ下垂体と、ウシ後部下垂体とから、調 製したmRNAから補足性DNAライブラリを構成した (In Vitrogen; Stragene)。Vitrogenは2つの cDNAライブラリからなる:1つのライブラリは、ベクター ラムダ g10 であり、他方はベクター pcDNAIである(プラスミドライブラリ)。前記 Stratageneライブラリは、ベクターラムダ ユニザップ(uniza p)よりなる。全体として、前記cDNAライブラリは、1,400万の一次組 替えファージを含有していた。 前記ウシゲノムライブラリを、各プレートにつき、150,000〜200 ,000のファージプレークで、coli K12ホスト株LE392で2 3x23cmのプレート(Nunc)にプレート化した。各プレートは、約1つ のウシゲノム等価物を表した。37℃での一晩の培養後、前記プレートを冷却し て、マニアティス(Maniatis)他(1:60〜81)の手法に従って、 複製フィルタを作った。4つのプレークリフトを、各プレートから非チャージナ イロン膜に作った(Pall Biodyne A又はMSI Nitropu re)。前記DNAを、紫外線下で5分間のクロスリンキングによって、又は、 80℃の真空下において2時間のベーキングで、前記 膜上に固定した。DNAプローブを、製造会社の指示に従って、ガンマ32P ATP(New England Nuclear;6500 Ci/mmol )とともにT4 ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Bio labs)を使用して標識化した。簡単に説明すると、50pmolsの退化D NAオリゴマを、37℃で30分間、600μCi ガンマ32P−ATPと5単 位のT4 ポリヌクレオチドキナーゼの存在下において培養した。反応を終結さ せ、ゲル電気泳動負荷バッファを添加し、次に、放射能標識化プローブを、電気 泳動によって精製した。32P標識化プローブを、ゲルスライスから摘出し、水 に溶出した。別の方法として、DNAプローブを、ショウォルター(Schow alter)及びソマー(Sommer),Anal.Biocem 177: 90〜94(1989)の実験記録にしたがって、α−32P−dA5 TP又 はα−32P dCTPを組み込むことにより、PCR増幅で標識化した。PC R反応において標識化したプローブを、セファーデックス G−150カラムで の脱塩によって精製した。 プレハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーションを、GMCバッファ (0.52 M NaPi,7% SDS,1% BSA,1.5mM EDT A,0.1M NaCl 10mg/ml tRNA)中で行った。洗浄は、オ リゴウォシュ(160ml 1M Na2HPO4,200ml 20% SDS ,8.0ml 0.5 M EDTA,100ml 5M NaCl,3632 ml H2O)。通常は、10のウシゲノム等価物の複写コピーを表す20の フィルタ(それぞれ400平方センチ)を、100pmolsの退化オリゴヌク レオチドプローブ(128〜512倍の退化)とともに200mlのハイブリッ ド化溶液中において培養した。ハイブリッド化は、前記退化プローブに対し算出 された最低溶融温度以下の5℃で、一晩、進行させるようにした。尚、最低溶融 温度の計算においては、ATペアに対して2℃、GCペアに対して4℃と仮定し た。 フィルタを、そのハイブリダイゼーション温度において、オリゴウォシュを 繰り返し交換して、4〜5時間にわたり洗浄し、最後に、DNAプローブの長さ に依存した温度において30分間、3.2M テトラメ チルアンモニウムクロライド、1%SDSで2度洗浄した。20量体の場合、最 終洗浄温度は60℃であった。フィルタを取り付け、次に、強化スクリーン(デ ュポン社、Cronex Lightening Plus)を使用してX線フ ィルム(コダック社XAR5)に露光した。通常は、−80℃において3〜5日 間の露光で、これらのライブラリスクリーン中の複製信号を検出するのに十分で あった。その結果の分析後、フィルタを取り外して、再プローブすることができ た。フィルタの取り外しは、10mMのEDTApH8を含有する1%SDSの 溶液中で、フルパワー状態のマイクロウェーブオーブンで15分間のサイクルを 2回行って培養することによって行われた。フィルタは、最低3〜4回のサイク ルを通じて取られ、様々なプローブで再プローブした。III.組替えファージの分離、成長及びDNA調製 これらの手法は、組替えDNA(マニアティス(Maniatis)他2: 60−2:81)に記載の標準実験記録に基づいて行われた。IV.DNA消化とサザンブロットとを使用した分離クローンの分析 組替えファージDNAサンプル(2マイクログラム)を、制限エンドヌクレ アーゼ製造会社(New England Biolabs)によって推奨され た条件にしたがって消化した。37℃に於ける4時間の培養後、反応生成物を、 0.1M 酢酸ナトリウムと3倍量のエタノールとの存在下において沈澱させた 。沈澱DNAを、遠心分離によって採取し、75%のエタノールですすぎ、乾燥 させた。すべての再懸濁サンプルを、アガロースゲル(通常、TAEバッファに おいて1% 0.04M Trisアセテート、0.002M EDTA)にか けた。ゲルのランは、1センチメートル当り1ボルトで4〜20時間行った。マ ーカーには、ラムダHind III DNAフラグメント及び/又はΦX17 4HaeIII DNAフラグメント(New England Biolab s)が含まれていた。前記ゲルを、0.5マイクログラム/mlの臭化エチディ ウムによって染色し、撮影した。サザンブロッティングのために、DNAを、先 ず0.125 N HClでの処理によって、前記ゲル中にて脱プリンし、0. 5N NaOHで変成し、そ して20xSSC(3M 塩化ナトリウム、0.03Mクエン酸ナトリウム)で 非チャージナイロン膜に移した。ブロッティングを、6時間から24時間かけて 行い、次に、フィルタを、0.5Tris HCl pH7.5,0.15M塩 化ナトリウム中で中和し、次に、50mMのTris−ほう酸 EDTA中で簡 単にすすいだ。 架橋するのために、前記フィルタを、先ず、透明プラスチックラップに包み 、次に、DNA側を紫外線に5分間露光した。ハイブリッド化と洗浄を、ライブ ラリスクリーニングに関して説明したように行った(この実施例の第2節参照) 。類似の遺伝子が他の種に存在するか否かを調べるたハイブリッド分析において 、僅かな変成を行った。前記DNAフィルタは、Clonetech(Cata logue Number7753−1)から購入したもので、各レーン当り様 々な種に関しての5マイクログラムのEcoRI消化DNAを含有している。前 記プローブを、前記セクション2に記載の方法で、PCR増幅反応によって標識 化し、ハイブリッド化を、硫酸デキストランを10%を含有する80%バッファ B(2gのポリビニルピロ ロリジン、2gのFicoII−400、2gのウシ血清アルブミン、50ml 1M Tris−HCl(pH7.5)58g NaCl,1gピロ燐酸ナト リウム、10gのドデシル硫酸ナトリウム、950mlの水)中で行った。前記 プローブを、10分間の沸騰で変成させ、次に、氷水中にて急冷させた。このプ ローブを、ミリリットル当り106dpm32P で前記ハイブリッド化バッファ に添加し、60℃で一晩培養した。前記フィルタを60℃にて、先ずバッファB 中で、次に2X SSC、0.1%SDSで、その後、1x SSC,0.1% SDSで洗浄した。厳密度を高くするために、実験、最終洗浄は、0.1x S SC、1%SDSで、温度を65℃に上げて行った。 前記ゲノムクローンの制限マップを作り、どのサブフラグメントが前記GG Fプローブ(サブクローニングの候補)にハイブリッドしたかを示すため、サザ ンブロットを使用した。V.DNA相同体のセグメントのハイブリッド化プローブへのサブクローニング DNA消化物(例えば、5マイクログラム)を、1% のアガロースゲルに投入し、次に、適当なフラグメントを染色後、ゲルから摘出 した。前記DNAを、ガラスビーズへの吸着によって精製し、その後、製造会社 (Bio 101)によって記載された実験記録を使用して溶出した。回収した DNAフラグメント(100〜200ng)を、T4リガーゼ(New Eng land Biolabs)を使用して、例えば、pUC18の派生物であるp T3T7(Ambion)等のリニア化された脱燐酸化ベクター中に結合した。 このベクターは、coli.βラクタマーゼ遺伝子を有しているので、形質 転換物質を、アンピシリンを含むプレート上で選別することが可能である。前記 ベクターは、更に、ホスト細胞へβ−ガラクトシダーゼ相補性を与えるので、非 −組替え(ブルー)を、イソプロピルチオガラクトシドとブルオーグ(Bluo g)他(Bethesda Research Labs)とを使用して検出す ることができる。前記結合(ligation)反応物の一部を、使用して、coli K12 XL1ブルー競合細胞(Stratagene Cata logue Number:200236)を形質転換し、次に、これらの形質 転換物質をアンピシリン1ml当り50 マイクログラムを含有するLBプレート上にて選別した。ホワイトコロニーを選 別し、プラスミドミニプレップをDNA消化及びDNA配列分析のために調製し た。選別したクローンを、それらの挿入DNAが前記GGFプローブとハイブリ ッド化したか否かを確認するために再テストした。VI.DNA配列決定 2重ストランドプラスミドDNAテンプレートを、標準実験記録に従って、 5mlの培養から調製した。製造業者の実験記録に従い、シーケナーゼ2.0と ジデオキシヌクレオチド配列キット(US Biochemical)とを使用 したジデオキシチエーン終結法によって、配列決定を行った(サンガー(San ger)他PNAS;USA 74:5463(1977)の変形)。あるいは 、配列決定を、サイクル配列決定キット(New England Biola bs;Bethesda Research Laboratories)を使 用した熱サイクラー(Perkin Elmer,model 4800)中に おいて行い、5’−末端標識化プライマを使用した製造業者の指示にしたがって 行った。配列プライマ は、前記配列決定キットで供給されたものか、あるいは、前記クローンから決め られた配列によって合成されたものであった。配列決定用反応物を、6%ポリア クリルアミドの0.4mm厚さ配列決定用ゲル上に負荷(load)し、溶解し た。ゲルを乾燥し、X線フィルムに露光した。通常、標準配列決定キットが使用 された時は35Sが組み込まれ、32P末端標識化プライマをサイクル配列決定 反応に使用した。配列は、ゲルの底部から頂部の方向(5’より3’の方向に向 かって)にDNA配列エディタに読み込まれ、データを、ジェネティクス・コン ピューター・グループ(Genetics Computer Group)( GCG,ウィスコンシン大学)によって供給されているプログラムを使用して解 析した。 VII.RNAの調製とPCR増幅 ゲノムDNA中に検出され、GGFペプチドをコードする配列を含む転写解 読枠を、下垂体RNAのPCR増幅によって拡張した。RNAは、グアニジン中 性−CsCl手法(チャーグウィン(Chirgwin)他 Biochemi stry 18:5294(1979))に従って冷凍ウシ線維組織 (Pelfreeze)から調製した。ポリアデニール化RNAは、オリゴ−d Tセルロースカラムクロマトグラフィによって選別した(Aviv and L eder PNAS (USA)69:1408(1972))。 特定のDNA目標配列を、全RNA、もしくは、Perkin Elmer PCR/RNAキットNo.N808−0017を使用してcDNAから変換 しておいたポリアデニール化RNAサンプルから始めて増幅した。第1ストラン ド逆転写反応は、1μgのテンプレートRNA及び、制限酵素認識サイトリンカ ーを結合したオリゴdTのプライマーか、又は、制限サイトを結合したクローン 化配列から決められた特定のアンチセンスプライマのいずれかを使用した。第2 ストランドを作るために、前記プライマは、3’RACE反応(フローマン(F rohman)他,PNAS(USA)85:8998(1988))において 使用されるプラスストランド特徴配列か、あるいは、第2目標サイトが、予め、 dATPを備えた第1ストランド反応生成物の後の終端トランスフェラーゼによ って添加された場合(例えば、5’のレース反 応、フローマン(Frohman)他 ibid)には制限サイトを取り付けた オリゴdTプライマのいずれかであった。あるいは、固定されたPCR反応物と 同様に、前記第2ストランドプライマは分解物であって、従って特定のペプチド 配列を示すものであった。 増幅プロフィールは、次の一般的手法に従った。1)95℃で5分間の浸漬 ファイル;2)95℃、1分間の熱サイクルファイル、1分間で45℃、50℃ 又は55℃のアニーリング温度にまで下げ、このアニーリング温度を1分間維持 ;1分間以上で72℃にまで温度を上げる;72℃で拡張するか、あるいは、1 分10秒で自動拡張、3)72℃での5分間の拡張サイクル、及び4)4℃で不 定時間の浸漬ファイル。熱サイクルファイル(#2)は、通常、30サイクルだ け実行した。各100μlの増幅反応の16μlサンプルを3時間、1センチメ ータ当り4ボルトの条件で、TAEバッファ中において2%Nusieve、1 %アガロースゲルでの電気泳動法によって分析した。これらゲルを染色し、次に 、前記プライマの内部の標識化DNAプローブでプローブした非チャージナイロ ン膜にブロットした。 このブロッチング実験において、特定のセットのDNA増幅生成物を同定す ることができた。そして、その位置を、精製と再増幅のためのガイドとして使用 した。適当な場合、選別されたサンプルの残りの部分を、調製ゲルに負荷し、次 に、電気泳動を行い、前記ゲルから0.5mm厚さの4〜5のスライス(特定生 成物の予想位置をブラケット化する)を取り出した。前記アガロースを粉砕し、 次に、40℃で2〜16時間、0.5mlの電気泳動バッファ中に浸漬した。粉 砕したアガロースを2分間遠心分離し、水相を新しい試験管に移した。 最初の反応と同じセットのプライマと反応プロフィールとを使用し、5μl (生成物の約1%)の溶出物質に対して再増幅を行った。再増幅反応が完了した とき、サンプルを、クロロフォルムで抽出し、新しい試験管に移した。リンカー 中に存在する制限サイトで切り離すために、濃縮制限酵素バッファと酵素とを、 反応物に添加した。消化PCR生成物を、ゲル電気泳動によって精製し、次に、 前述のサブクローン化の章に記載のようにベクターにサブクローン化した。DN A配列決定は、前述のように行った。VIII.DNA配列分析 フラグメントアセンブリ・プログラムを使用してDNA配列をアセンブルし 、アミノ酸配列を、GCGプログラム GelAssemble,Map an d Translateによって推定した。これらの推定タンパク質配列を、質 問配列(query sequence)として使用して、ワード・サーチ(W ord Search)を使用してタンパク質配列データベースを検索した。分 析は、VMS5.1で作動するVAXステーション3100ワークステーション にて行った。前記データベース検索は、GCGバージョン7.0を使用したSw issProtrelease No.21にて行った。IX.GGF−I及びGGF−IIをコードする遺伝子のクローン化と配列決定 の結果 前述のように、ウシGGF−IIをコードするDNA配列を同定するために 、分解オリゴヌクレオチドプローブを、GGF−IIペプチド配列から構成した 。リシルエンドペプチダーゼによって消化された、精製GGF−II調合物のペ プチドであるGGF−II 12(配列認識番号44)(図11及び12参照) は、 精製GGF−I調製物から調製されたトリプシンペプチドであるGGF−I 0 7(配列認識番号39)と強いアミノ酸配列相同性を示した。従って、10個の 退化オリゴヌクレオチドプローブを作るためにGGF−II 12を使用した( 図21の配列認識番号69,70,71,79として、それぞれ示されているオ リゴ609,610,649〜656参照)。フィルタの複製セットを、GGF −II 12の2つのオーバーラップする部分をコードする2セットのプローブ (セット1=609,610;セット2=649−5656)でプローブした。 ハイブリッド化信号が観察されたが、両方のプローブセットにハイブリッドした クローンは一つだけであった。このクローン(GGF2BG1として指定)を精 製した。 前記ファージクローンGGF2BG1からのDNAのサザンブロッチング分 析によって、両方のプローブセットが前記ウシDNA配列とハイブリッドしたこ とが確認されるとともに、更に、両方のプローブが、このクローン中において、 同じセットのDNAフラグメントと反応していることが判った。これらの実験に 基づき、元のクローンの4kb Eco RIサブ−フ ラグメントが同定され、サブクローン化され、部分的に配列決定された。図22 は、前記ヌクレオチド配列配列認識番号89とプローブ609及び650のハイ ブリダイゼーションサイトを含む初期DNA配列解読の推定アミノ酸配列を示し 、更に、このウシゲノムDNAの部分がペプチド12(KASLADSGEYM )をコードしたことを立証している。 更に配列分析をしたところ、前記GGF−II 12が、ウシGGF−II 遺伝子とcDNAとを表すオーバーラップ配列の分離の開始点になった66アミ ノ酸転写解読枠(下記参照)に位置することが判った。 いくつかのPCR手法を使用して、推定ウシGGF−II遺伝子の、更に別 のコード配列を得た。全部のRNA及びオリゴdT−選択(ポリA含有)RNA サンプルを、ウシの全下垂体、前方下垂体、後方下垂体、および視床下部から調 製した。図23、配列認識番号109〜119に示すリストからのプライマを使 用して、片側(one−sided)PCR反応によって、3’と5’との両方 の方向において、cDNA末端を増幅し、固定PCR反応を、別のGGF−II ペプチ ドを表す退化オリゴヌクレオチドプライマにて行った。図24は、これらの実験 において得られた隣接するDNAコンストラクトと、配列とをまとめて示してい る。3’レース(RACE)反応から、3つの交互にスプライスされたcDNA 配列が生成され、これらをクローン化し配列決定した。5’レース反応によって 、少なくとも52のアミノ酸のコード配列を含む別のエクソンが発見された。こ の推定アミノ酸配列の分析によって、ペプチドGGF−II−6と、GGF−I −18に類似した配列とが明らかになった(下記参照)。固定化PCR反応によ って、300bpの別のcDNAセグメント中に含有されるペプチドGGF−I I−1,2,3及び10の(cDNA)コード配列が同定された。このセグメン トの5’境界(即ち、図31のセグメントE)は、ペプチドGGF−II−1を コードするとともに、前記PCR反応において使用されたオリゴヌクレオチドに よって規定されている(例6のヒトクローンに関して記載されているように別の 5’配列データが存在する)。従って、このクローンは、既存の全部で9つの新 規なGGF−IIペプチド配列の内の6つをコードするヌクレオチド配列を有す る。 前記クローン化遺伝子は、先ず、前記コード配列を、それらが見出された状 態(図25参照)において位置決めすることを可能にするGCF2BG1の物理 的地図を構成することによって特徴づけられる。上述のコード配列からのDNA プローブを使用して、このファージクローンにおいて前記エクソンを含有する更 に別のDNAフラグメントを同定するとともに、両方の方向においてオーバラッ プするクローンを同定した。前記推定ウシGGF−II遺伝子は、少なくとも5 つのコード・セグメントに分割される。コード・セグメントは、ユニバーサルな 遺伝子コードを使用してポリペプチド配列に翻訳可能な、個々の長さのDNA配 列であると定義される。図31に示し、本出願において言及されるこれらコード ・セグメントは以下の通りである。1)GGF遺伝子内に存在する特定のエクソ ン(例えば、コード・セグメントa)、あるいは、2)各セットが図示の遺伝子 生成物と同様に特定のポリペプチドセグメントに翻訳可能な場合において、mR NAsの特定のサブーグループ中に現れる2つ又はそれ以上のエクソンのセット から派生するもの。請求の範囲において言及されているポリペプチドセグメント は、前記相同DNAコード・セグメントの翻訳生成物である。 これまで、コード・セグメントA及びBのみが、エクソンとして定義され、配列 決定されマップ化された。図26は、同定された隣接コード配列をまとめて示し ている。エクソンは、その発見の順序(アルファベット順)でリストされている 。そのイントロン/エクソン境界から、エクソンBを、コード・セグメントEと コード・セグメントAとを接続するcDNAsに含めることが出来ることが明ら かである。即ち、エクソンBは、その読み取り枠を損なうことなく、スプライス することは出来ない。従って、我々は、3つのスプライシングパターンが、推定 ウシGGF−II cDNA配列1,2及び3を生成することが出来ると示唆す る。それぞれ、GGF2BPP1.CDS、GGF2BPP2.CDS及びGG F2BPP3.CDSとされるこれらのコード配列は、図28a(配列認識番号 133)、28b(配列認識番号134)及び28c(配列認識番号135)に それぞれ示されている。これら3つのcDNAの推定アミノ酸配列も、図28a (配列認識番号133)、28b(配列認識番号134)及び28c(配列認識 番号135)にそれぞれ示されている。 これら3つの推定コンストラクトは、アミノ酸長さが206,281,25 7であるタンパク質をコードする。推定されたタンパク質配列の最初の183残 基は3つの遺伝子生成物において同一である。位置184において、前記クロー ンは大幅に異なっている。GGF2BPP1におけるグリシンGGT用に対する コドンは、又、GGF2BPP2とGGF2BPP3に対するスプライスドナー としても作用し、これらは、それぞれ交互に、エクソンC,C/D,C/D’及 びD又はC,C/D及びDに加わるものであり、図33において、配列認識番号 149として示されている。GGFIIBPP1は、前記コード・セグメントA スプライス接合部を越えて、次の介在配列(イントロン)への読み取りによって 生成される裁頭遺伝子生成物である。これは、図31におけるコード・セグメン トA’を示す(配列認識番号140)。前記転写体は、標準型AATAAAポリ アデニール化配列の隣で終端し、我々は、この裁頭遺伝子生成物が、真性成熟転 写体を表すものであると提案する。他の2つのより長い遺伝子生成物は、同じ3 ’非翻訳配列とポリアデニリン化配列を共有する。 これらの3つの分子は、すべて、9つの新規なGGF−IIペプチド配列の 内の6つを有し(図12参照)、もう1つのペプチドがGGF−I−18に対し てきわめて高い相同性を有している(図27参照)。この発見は、この組替え分 子が、ウシGGF−IIの少なくとも一部分をコードしている可能性がきわめて 高いことを示している。更に、3つのペプチドの計算上の等電点は、GGF−I とIIの物理的特性と一致している。GGF−IIの分子の大きさはおよそ60 kDであるので、これら3つのcDNAの最も長いものが、予想数のアミノ酸の 1/2近くをコードしているはずである。 B及びAエクソンを含むプローブを、PCR増幅によって標識化し、ウシ後 部下垂体から分離されたRNAから作られたcDNAライブラリのスクリーニン グに使用した。1つのクローン(GGF2BPP5)は、図30に示すパターン を示し、コード・セグメントAとCとの間にもう1つのDNAコード・セグメン ト(G)を有していた。核酸配列の全体が、図32に示されている(配列認識番 号148)。最長転写解読枠からの予想翻訳生成物は、241のアミノ酸である 。 第2のcDNAの一部(GGF2BPP4)も、上述のプローブを使用してウシ 後部下垂体ライブラリから分離された。このクローンは、図30に示すパターン を示した。このクローンは、5’の部分において不完全であるが、コード・セグ メントG及びDを欠いているという意味においてこれはスプライシング変異体で ある。BPP4も、領域C/D以降において領域H,K及びLを備えた新規な3 ’末端を示す。BPP4の配列は、図34に示されている(配列認識番号150 )。 例5 様々な種におけるGGF配列 データベース検索によっては、予想GGF翻訳生成物と公知のタンパク質配列 との間になんら有義な類似性は見つからなかった。これは、GGF−IIが、タ ンパク質の新規なファミリ又はスーパーファミリの最初のメンバであることを示 唆している。これまでに我々が示した、他のほ乳類DNAとの高厳密度のクロス ハイブリッド研究(DNAブロッチング実験)においては、はっきりと、このウ シ組替え分子からのDNAプローブによって、テストされた様々なサンプルにお いて特定の配列が容易に 検出される。相同性の高い配列は、ヒトゲノムDNAにも検出された。そのオー トラジオグラムを図29に示す。ラットとヒトのDNAを含むレーンの信号は、 GGF遺伝子のラット及びヒト同等物を表し、この遺伝子によってコードされた 複数のcDNAの配列が、最近、ホルムズ(Holmes)他(Science 256:1205(1992))とウェン(Wen)他(Cell69:55 9(1992))とによって報告されている。例6 ヒト配列エンコード・ヒトGGF2の分離 ウシGGFIIコード・セグメントEをからの配列を含む複数のヒトクローン を、脳幹から調製されたヒトcDNAライブラリをスクリーニングすることによ って分離した(Stratagene catalog#935206)。この ストラテジーを、大半のGGF2ペプチド(GGF2に特有)と、前記ウシEセ グメントを含むクローンからの予想ペプチド配列との間の強い関連性に基づき、 追求した。このライブラリは、次にリストするオリゴヌクレオチドプローブ91 4〜919を使用した前述の例4、第II章で記載したものと同様にス クリーニングした。 914TCGGGCTCCATGAAGAAGATGTA 915TCCATGAAGAAGATGTACCTGCT 916ATGTACCTGCTGTCCTCCTTGA 917TTGAAGAAGGACTCGCTGCTCA 918AAAGCCGGGGGCTTGAAGAA 919ATGARGTGTGGGCGGCGAAA これらのプローブで検出されたクローンを、ハイブリッド化によって更に分析 した。セグメントAからのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物を標識化する ことによって生成された、コード・セグメントAからのプローブ(図21参照) は、一次ライ・ブラリをスクリーニングするのにも利用した。A及びE由来のプ ローブとハイブリッド化した複数のクローンを選別し、1つの特定のクローン、 GGF2HBS5、を選別して更に分析した。このクローンは、コード・セグメ ントのパターン(図31に示すEBACC/D’D)によって表されている。こ のクローン中のEセグメントは、図37に示されるEの裁頭化ウシ・バージョン のヒト等価物である。GGF2HBS5は、前述のすべての”推定”GGF− II候補の内で最も可能性の高い候補である。コード・配列セグメントEの長さ は、786のヌクレオチドと非翻訳配列を有する264塩基のベースとである。 GGF2HBS5によってコードされるタンパク質の予想サイズは、約423ア ミノ酸であり(約45キロダルトン、図45,配列認識番号167参照)、これ はデグリコシル化状態のGGF−II(例16参照)のサイズに類似している。 更に、図27にリストしたGGF−IIペプチドのうちの7つは、領域Eから予 想されるタンパク質配列内に属する同等配列を有している。ペプチドII−6と II−12は例外であって、それぞれコード・セグメントB及びコード・セグメ ントAに属する。GF2HBS5タンパク質をコードするRNAを、GGF2H BS5挿入部を有するベクター(Bluescript SK [Strata gene Inc.]図44参照)にあるバクテリオファージT7プロモータに よってドライブされたインヴィトロ転写システム中において生成した。このRN Aは、無細胞(ラビット網状赤血球)翻訳システムに翻訳され、そのタンパク質 生成物のサイズは45kdであった。更に、前記無細胞生成物を、シュワン細胞 分裂誘発分析において分離し、生物学的活性を確認した。調整培地によって処理 されたシュワン細胞は、125I−ウリジンの組み込みによって測定した増殖度の 増加と、185キロダルトン領域のタンパク質のチロシンの燐酸化との両方を示 した。 従って、GGF2HBS5によってコードされた生成物のサイズと、図12に 示したウシペプチドに対する相同性の高いヒトペプチドをコードするDNA配列 の存在とは、GGF2HBS5が、ウシGGF2のヒト等価物をコードすること を裏付けるものである。このクローンと形質変換した細胞から作られた調整培地 が、シュワン細胞分裂誘発活性を顕在化させるという事実から、GGFIIHB S5遺伝子生成物(前記BPP5遺伝子生成物とは違って)が分泌されるという ことが確かめられた。更に、GGFIIBPP5遺伝子生成物は、p185erbB2 等のレセプタチロシンキナーゼや、あるいは、密接に関連したレセプタ(図14 参照)を介してシュワン細胞増殖反応を仲介すると考えられる。例7 ほ乳類および昆虫細胞におけるヒト組替えGGF2の発現 ヒトGGF2をコードする前記GGF2HBS5cDNA(例6において記載 され、ここでHBS5と称される)を、ベクターpcDL−SRα296にクロ ーン化し(タケベ(Takebe)他 Mol.Cell.Biol.8:46 6〜472(1988))、COS−7細胞を、DEAE−デクストラン法(サ ムブルック(Sambrook)他 Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed. CSH Labor atory NY(1989))によって、100mmディシュにおいて移入さ せた。細胞溶解物又は一過的発現COS細胞からの調整培地を、移入の3又は4 日後に収穫した。溶解物を調製するために、細胞単層を、PBSによって洗浄し 、150μlの0.25M Tris−HCl,pH8中での3回の冷凍/解凍 サイクルによって溶解したディシュから掻き取った。細胞堆積物をペレットで取 り、上清を回収した。調整培地サンプル(7ml)を収集し、次に、濃縮し、製 造業者(アミコン(Amicon),マ サチューセッツ州,ビヴァリー)によって記載されたようにCentiprep −10とCentricon−10ユニットを使用して、10mM Tris, pH7.4とバッファ交換した。前述したように(例3参照)、ラットの神経シ ュワン細胞のDNA合成先駆体の組み込みを分析した。調整培地または細胞溶解 物サンプルを、例3において記載した方法で、シュワン細胞増殖分析においてテ ストした。その細胞分裂誘発活性データは、図46に示されている。GGF2を コードする、cDNA、GGF2HBS5は、タンパク質生成物の分泌を前記培 地に振り向けた。全活性の極く一部分が、細胞分解物を使用した分析によって、 細胞内に検出可能であった。GGF2HFB1とGGFBPP5 cDNAでは 、生成物の分泌を細胞外培地に振り向けることが出来なかった。これらのクロー ンからのGGF活性物質は、細胞分解物においてのみ検出可能であった(図46 )。 組替えGGF2も、CHO細胞に発現された。GGF2をコードするGGF2 HBS5 cDNAを、ベクターpcdhfrpolyAのEcoRIサイトに クローン化し(図54)、燐酸カルシウム共沈法(Graham and Va n Der Eb,Virology 52:456〜467(1973))によってDHFRネガティブCHO細胞に 移入した。クローンを、96−ウェルプレート中のヌクレオチド及び無ヌクレオ チドα媒体(Gibco)内で選別した。3週間後、個々のクローンの調整培地 を、例3で記載したシュワン細胞増殖分析によって、GGF発現のためにスクリ ーニングした。前記培地へかなり高いレベルのGGF活性物質を分泌した安定し たクローンが同定された。CHO細胞調整培地の異なった分量の部分標本から得 られたシュワン細胞増殖活動データを使用して、図47に示す投与量反応曲線を 得た(Graham and Van Der Eb,Virology 52 :456,1973))。この物質を、GGF2特定ペプチドに対して生成した ポリクローナル抗血清によってプローブしたウェスタンブロッチングにて分析し た。約69〜90kd(下垂体および高分子量グリコフォームから抽出されたG GF2の予想サイズ)の広い範囲のバンドが特異的に標識化されている(図49 ,レーン12)。 組替えGGF2は、バクロウィルス発現を使用して昆虫細胞にも発現した。S f昆虫細胞を、GGF2HBS5 cDNAクローンを含有するバクロ ウィルスに、3〜5の多重度(106細胞/ml)で感染させ、そしてSf90 0−II媒体(Gibco)中で培養した。シュワン細胞分裂誘発活性物質を、 前記細胞外媒体中に分泌させた(図48)。異なった分量の昆虫細胞調整培地を 、フォルスクリン不存在の状態で、シュワン細胞増殖分析でテストし、そのデー タを使用して図48に示す投与量反応曲線を得た。 この物質は、更に、前述のGGF II特異性抗体でプローブしたウェスタン ブロッチング(図47)でも分析した。45kdのバンド、デグリコシル化GG F−II(例16)のサイズが示されている。 この例で使用された方法は、次の通りである。 組替えヒト及びウシ・グリア成長因子のシュワン細胞分裂誘発活性を以下のよ うに測定した。培養シュワン細胞の細胞分裂誘発反応を、短命ほ乳類発現実験か ら得た粗組替えGGF生成物を使用して、5μMのフォルスクリンの存在下にお いて測定した。[125I]−ウリジンの組み込みを、前述の方法に記載の移入し た、あるいは疑似移入したCOS細胞から得た物質にたいして18〜 24時間さらした後に行った。4セットのデータの平均及び標準偏差が図示され ている。部分的に精製された天然ウシ下垂体GGF(カルボキシルメチル セル ロースフラクション:グッドアール(Goodearl)他、提出)に対する細 胞分裂誘発反応が、100パーセントの活性の標準として図示(GGF)されて いる。 cDNA(図53)を、pcDL−SRα296にクローン化し(タケベ(T akebe)他,Mol.Cell Biol.8:466〜472(1988 ))、COS−7細胞を、DEAE−デキストラン法(サムブルック(Samb rook)他,In Molecular Cloning.A Labora tory Manual,2nd.ed.(Cold Spring Harb or Laboratory Press,Cold Spring Harb or,NY,1989))によって100mmディシュ中で移入した。細胞溶解 物または調整培地を転写の3又は4日後に収穫した。溶解物を調製するために、 細胞単層をPBSによって洗浄し、ディシュから掻き取り、150μlの0.2 5MTris−HCl,pH8中での3回の冷凍/解凍サイクルによって溶解し た。細胞堆積物をペレ ットとし、上清を回収した。調整培地サンプル(7mls)を採取し、次に、濃 縮し、製造業者(アミコン(Amicon),マサチューセッツ州,ビヴァリー )によって記載されたようにCentiprep−10とCentricon− 10ユニットを使用して、10mM Tris,pH7.4とバッファ交換した 。前述したように(デイヴィス(Davis)およびストローバント(Stro obant),J.Cell Biol.110:1353〜1360(199 0);ブロックス(Brockes)他,Brain Res.165:105 〜118(1979))、ラットの座骨神経シュワン細胞はDNA合成先駆体の 組み込みについて分析した。 組替えCHO細胞調整培地のウェスタンブロッチングは、以下のように行った 。1つのCHOクローンを、7mlのMCDB302無タンパク質媒体中で3日 間、培養した。2mlの調整培地を濃縮し、10mMのTris−HCl pH 7.4に対してバッファ交換し、凍結乾燥させた。そのペレットをSDS−PA GEサンプルバッファ中で再懸濁し、還元性SDSゲル電気泳動にかけ、GGF ペプチド抗体でのウェスタンブロッチン グによって分析した。CHOコントロールを、非移入CHO−DG44ホストか らの調整培地を使用して行い、CHO HBS5レベルを、組替えクローンから の調整培地を使用して分析した。例8 ウシGGFに関連する他のヒト配列の分離 例5及び6の結果は、ヒトのソースからのGGF関連配列が、ウシGGF配列 由来のDNAプローブを使用することによっても容易に分離可能であることを示 している。これに代えて、ホルムズ(Holmes)他(Science 25 :1205(1992))によって記載された方法も利用可能である。この例 において、前記p185erbB2レセプタに結合し、これを活性化する(そしてG GFに関係する)ヒトタンパク質(ヘレグリン α)が、腫瘍細胞系から精製さ れ、派生したペプチド配列を使用して、cDNAコード・ヘレグリンをクローン 化するのに使用されたオリゴヌクレオチドプローブを生成する。p185erbB2 レセプタ活性の生化学的分析は、シュワン細胞の増幅とは異なる。これは、下垂 体cDNAからGGF配列をクローン化するために 例1〜4において使用した方法に類似している。ヘレグリンタンパク質と補足性 DNAとは、次の手法に従って腫瘍細胞系から分離した。ヘレグリンは、Per cell Biolytica ミクロキャリア ビーズ(Hyclone L abs)上で成長したMDA−MB−231乳ガン細胞(ATCC #HTB2 6)によって調整した培地から精製した。前記培地(10リットル)は、膜(1 0−kD カットオフ)(Millipore)によるフィルタ処理によって〜 25倍に濃縮し、遠心分離処理と、フィルター(0.22μm)を通す濾過処理 とによって清浄化した。濾過物を、ヘパリンセファローズカラム(Pharma cia)にかけ、そのタンパク質を、燐酸−バッファ化塩水中にて0.3、0. 6及び0.9MのNaClステップで溶出した。種々のクロマトグラフィック・ フラクション中の活性を、MCF−7乳ガン細胞(ATCC #HTB22)中 におけるp185erbB2のチロシン燐酸化の増加を定量化することによって測定 した。MCF−7細胞を、血清(10%)を含有した(ウェル当り105の細胞 )、F12(50%)のDulbeccoの最小必須培地(50%)中にて24 −ウェルCostarプレートにプレート化し、少なくとも24時間付着させた 。分析の 前に、細胞を、少なくとも1時間、血清を含まない培地中に移した。カラムフラ クション(10〜100μl)を、37℃で30分間、培養した。次に上清を吸 引して、SPD−PAGEサンプルバッファ(100μl)を添加することによ って反応を終わらせた。サンプルを100℃で5分間加熱し、一部分(10〜1 5μl)を、tris−グリシン ゲル(4〜20%)(Novex)にかけた 。電気泳動後、タンパク質を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜上に電子ブ ロッチングし、次に、ツイーン(Tween)−20を含有する(0.05%) tris−バッファ化塩水(TBST)中にてウシ血清アルブミン(5%)でブ ロックした。ブロットを、ホスホチロシン(Upstate Biotechn ology)に対するモノクローナル抗体(1:1000希釈)で、室温で最低 1時間、プローブした。ブロットをTBSTで洗浄し、室温で最低30分間、ア ルカリフォスホターゼと結合したマウスの免疫グロブリンGに対する抗体(Pr omega)(1:7500に希釈)でプローブした。反応性バンドは、5−ブ ロモ−4−クロロ−3−インドイル−1−ホスフェートとニトロ−ブルーテトラ ゾリウムによって可視化された。免疫ブロットを、Scan Jet Plus (ヒューレットパーカード) 濃度計によって走査した。非刺激MCF−7細胞の信号強度は、20〜30ユニ ットであった。完全に刺激したp185erbB2は、180〜200ユニットであ った。活性のほとんどを有する0.6M NaClプールを、エタノール(30 %)を含有する17mMの燐酸ナトリウム(pH6.8)中で平衡されたポリア スパラギン酸(PolyLC)カラムに適用した。前記平衡バッファ中で、0. 3から0.6M NaClまでのリニアグラジエント使用して、結合タンパク質 を溶出した。活性のピーク(〜0.45M NaClにおける)を、TFA(0 .1%)とアセトニトリル(15%)とを含有するバッファで平衡させたC4逆 相カラム(SynChropackRP−4)にて更にフラクション化した。こ のカラムから、25から40%のアセトニトリル・グラジエント範囲にて、60 分間にわたり、タンパク質が溶出した。フラクション(1ml)を採取し、その 活性を分析し、tris−グリシン ゲル(4〜20%,Novex)上でSD S−PAGEによって分析した。HPLC−精製したHRG−αを、SDS(0 .1%)、10mMジチオトレイトール、0.1M NH4HCO3(pH8.0 )中で、リシンCにて、37℃で20時間にわたって消化させ、その結果得られ たフラグメントを、 Synchrom C4カラム(4000Å,0.2by 10cm)上で溶解 させた。このカラムを、0.1%のTFA中で平衡させ、次いで0.1%TFA 中で1−プロパノール使用グラジエントで溶出した(ダブリュ・ジェイ・ヘンゼ ル(W.J.Henzel),ジェイ・ティ・スタルツ(J.T.Stults ),シー・スー(C.Hsu),ディ・ダブリュ・アスワド(D.W.Aswa d),J.Biol.Chem.264,15905(1989))。クロマト ログラフ・ランのピークを真空下において乾燥し、配列決定した。これらのペプ チドの1つ(〜24% 1−プロパノールで溶出)の配列は、[A]AEKEK TF[C]VNGGEXFMVKDLXNP(配列認識番号162)であった。 括弧内の残基は、不確定であり、Xは、アミノ酸の同定が不可能であったサイク ルを示している。最初の収量は、8.5pmolであり、その配列はいずれの公 知のタンパク質にも対応していなかった。残基1,9,15及び22は、後に、 cDNA配列中においてシステインとして同定された。これまで過負荷され(o ver−loaded)、そしてPVDFにブロットされたゲルから得られた〜 45kDバンドの直接的配列決定は、初期収量が極めて低い(0.2pmol) 、低量(low abundance)の配列、XEXKE[G][R]GK[G]K[G]KK KEXGXG[K](配列認識番号30)を示した。これは、ヘレグリン−α( 図31)のアミノ酸残基2〜22に対応し、セリン2がproHRG−αのNH2 末端であることを示唆している。NH2末端はブロックされているが、ときとし て少量の自然にブロックされたタンパク質は、翻訳後に変成されないこともある ことが観察された。前記NH2末端指定は、臭化シアンとの消化後のタンパク質 のマススペクトル分析によって確かめられた。前記分離タンパク質のCOOH− 末端は、はっきりとは同定されていなかったが、タンパク質分解消化物の混合配 列決定によって、成熟した配列は、残基241を越えて拡張しないようである。 アミノ酸残基の略称は以下の通りである。A,Ala;C,Cys;D,Asp ;E,Glu;F,Phe;G,Gly;H,His;I,Ile;K,Lys ;L,Leu;M,Met;N,Asn;P,Pro;Q,Gln;R,Arg ;S,Ser;T,Thr;V,Val;W,Trp;そしてY,Tyr。 cDNAクローンの源として、オリゴ(dT)−開始λgt10(ティ・ヴィ ・ハイン(T.V.Huynn), アール・エイ・ヤング(R.A.Young),アール・ダブリュ・デイヴィス (R.W.Davis),λgt10及びλgt11 DNAクローン化技術: APractical Approach,D.Glover,Ed.(IRC Press,Oxford,(1984))cDNAライブラリを、MDA− MB−231細胞からの、mRNA精製(ジェイ・エム・チャーウィン(J.M .Chirwin),エイ・イー・プルズビラ(A.E.Przbyla),ア ール・ジェイ・マクドナルド(R.J.MacDonald),ダブリュ・ジェ イ・ラッター(W.J.Rutter),Biochemistry18,52 94(1979)によって構成した(ユー・ガブラー(U.Gubler)およ びビー・ジェイ・ホフマン(B.J.Hoffman),Gene 25,26 3(1983))。13−アミノ酸配列AEKEKTFCVNGGE(配列認識 番号31)(13)をコードする下記の8重の退化アンチセンスデオキシオリゴ ヌクレオチドを、ヒトコドン周波数最適値(frequency optima )(アール・ラテ(R.Lathe),J.Mol.Biol.183,1(1 985))のベースに構成し、化学的に合成した。即ち、5’−CTCGCC( G OR T)CC(A OR G)TTCAC(A OR G)CAGAAGGTCTTCTCCTTC TCAGC−3’(配列認識番号40)。プローブ構成の目的のため、システイ ンを前記アミノ酸配列中の未知の残基に指定した。このプローブを燐酸化により 標識化し、低−厳密度条件下におけるcDNAライブラリへのハイブリッド化し た。前記proHRG−αタンパク質を、このライブラリ中において同定した。 HRB−β1 cDNAは、proHRG−αの5’と3’との両方の末端から の配列とともに、MDA−MB−231細胞mRNAから作られた第2オリゴ( dT)−開始λgt10ライブラリのプローブ化によって同定された。クローン 13(図2A)は、プライム化(5’−CCTCGCTCCTTCTTCTTG CCCTTC−3’プライマ(配列認識番号41);proHRG−αアンチセ ンスヌクレオチド33〜56)MDA−MB−231 λgt10ライブラリを 5’HRG−α配列によってスクリーニングすることによって得られた生成物で あった。前記プローブとしてのクローン13の5’末端に対応する配列を使用し てMDA−MB−231細胞mRNAからの第3のオリゴ(dT)−開始λgt 10ライブラリ中におけるproHRGβ2とproHRGβ3とを同定した。 4つのHRGのそれ ぞれをコードする2つのcDNAクローンを配列決定した(エフ・サンガー(F .Sanger),エス・ミルケン(S.Milken),エイ・アール・カル ソン(A.R.Coulson),Proc.Natl.Acad.Sci.U .S.A.74,54631977))。別のcDNA指定クローン84は、ア ミノ酸数420を通じてproHRGβ2と同一のアミノ酸配列を有している。 位置421の終止コドンの後には、異なった3’−非翻訳配列が続く。 例9 別のスプライシング変異体の分離 例6の方法によって、スプライシング変異の結果として4つの密接に関連した 配列(ヘレグリンα,β1,β2,β3)が作り出された。ペレス(Peles )他(Cell 69,205(1992))及びウェン(Wen)他(Cel l 69,559(1992))は、p185erbB2に結合するタンパク質に関 する例1〜4及び6に記載の方法に類似の精製方法とクローン化方法を使用して 別のスプライシング変異体を分離した(ラットから)。cDNAクローンは次に ようにして得られ た(形質転換ラット線維芽細胞系からのp185erbB2結合タンパク質の精製と 配列決定による)。 p185erbB2結合タンパク質は、以下のようにして調整培地から精製された 。500のローラボトル(全部で120リットル)の3回の収穫からのプールさ れた調整培地を、0.2μのフィルタによる濾過によって浄化し、20kd分子 径カットオフの膜によるPelicon限外濾過システムによって31倍に濃縮 した。すべての精製工程は、Pharmacia fast タンパク質液体ク ロマトグラフィーシステムを使用して行われた。前記濃縮物を、直接、ヘパリン −セファローズ(150ml,燐酸塩−バッファ化塩水(PBS)によって予め 平衡化しておいたもの)に負荷した。カラムを、280nmの波長において全く 吸収が検出されなくなるまで、0.2MNaClを含有のPBSで洗浄した。結 合タンパク質を、次に、NaCl(250ml)の連続グラジエント(0.2M から1.0M)で溶出し、5mlのフラクションを採取した。サンプル(前記採 取フラクションの0.01ml)を使用して、キナーゼ刺激活性の定量分析を行 った。3つのカラム・ラン(全容量=360ml)からの活性フラクションを、 プールし、YM10 限外 濾過膜(アミコン(Amicon),マサチューセッツ州,ダンヴァース)を使 用して25mlに濃縮し、1.7Mの濃度となるように硫酸アンモニウムを添加 した。遠心分離処理(10,000xg,15分間)による浄化後、プールされ た物質をフェニール・スペローズカラム(HR10/10,Pharmacia )上に負荷した。前記カラムを、0.1MのNa2PO4(pH7.4)中で(N H42SO4の45mlグラジエント(1.7Mから無塩状態まで)で展開し、 2mlのフラクションを採取してそのキナーゼ刺激を分析(一サンプルにつき0 .002ml)した(例6に記載のように)。活性の主なピークをプールし、5 0mMの燐酸ナトリウムバッファ(pH7.3)に対して透析した。1つのモノ −S陽イオン交換カラム(HR5/5,Pharmacia)を、50mMの燐 酸ナトリウムで予め平衡させた。活性物質(タンパク質の0.884mg;35 ml)の負荷後、前記カラムを、開始バッファで洗浄し、次に、NaClのグラ ジエントで1ml/分の速度で展開した。キナーゼ刺激活性は、0.45〜0. 55M塩で回復され、それぞれ2mlづつの4つのフラクションにわたっていた 。これらをプールし、Cu+2キレート化カラムに直接負荷した(1.6ml,H R2/5キレート化スペローズ, Pharmacia)。大半のタンパク質は樹脂に吸着されたが、これらは徐々 に塩化アンモニウムの30mlのリニアグラジエント(0−1M)によって溶出 した。前記活性物質は、0.05〜0.2M NH4Clの範囲の一つのタンパ ク質ピークで溶出した。様々な精製工程から得られたサンプルを、ゲル電気泳動 によって分離し、ICN(カリフォルニア州,コスタ・メサ)のキットを使用し た銀着色後、それらのタンパク質内容を、Bio−Rad(カリフォルニア州, リッチモンド)のキットを使用したコマーシブルー(Coomassie bl ue)染色結合分析によって調べた。 前記p44タンパク質(10μg)を、0.1M重炭酸アンモニウムバッファ (pH7.8)200μl中で再構築した。L−1−トシル−アミド 2−フェ ニールエチル クロロメチル ケトン処理トリプシン(Serva)による消化 を、1:10の酵素対基質比で、37℃で18時間かけて行った。その結果得ら れたペプチド混合物を、Vydac C4マイクロカラム(2.1mm i.d .x15cm,300Å)と、ダイオードアレイ検出器とワークステーションと を備えたHP1090液体クロマトグラフィシステムとを使用し、 215nmでモニタしつつ、逆相HPLCで分離した。前記カラムを、0.1% トリフルオロ酢酸(移動相A)で平衡させ、0%から55%の移動相B(0.1 %のトリフルオロ酢酸中に90%のアセトニトリル)のリニアグラジエントで7 0分間にわたり溶出を行った。その流量は0.2ml/分で、カラム温度は、2 5℃に制御された。前記HPLCシステムから手作業によって採取されたペプチ ドのピークの1/3部分は、Edman分解によるN−末端配列分析によって特 徴づけられた。27.7分後(T27.7)に溶出されたフラクションは、混合 アミノ酸配列を有し、還元後、つぎのようにして更に、再クロマトグラフされた 。前記ペプチドフラクションの70%の部分を真空中で乾燥し、100μlの0 .2M重炭酸アンモニウムバッファ(pH7.8)中で再構築した。前記溶液に DTT(最終濃度2mM)を添加し、これを次に37℃で30分間培養した。次 に還元したペプチド混合物を、Vydacカラム(2.1mmi.dx15cm )を使用して逆相HPLCによって分離した。溶出条件と流量は、前述したもの と同じであった。前記ペプチドのアミノ酸配列の分析を、オンライン・フェニル チオヒダントイン(PTH)アミノ酸分析器を備えたモデル477タンパク質シ ーケンサ(アプライド・ バイオシステムズ・インコーポレイテッド(Applied Biosyste ms,Inc.),カリフォルニア州,フォスター・シティ)と、モデル900 データ分析システム(フンカピラー(Hunkapiller)他(1986) In Methods of Protein Microcharacter ization ,J.e.Shively,ed.(ニュージャージー州,クリ フトン: Humana Press p.223−247)とによって行った 。前記タンパク質を、ポリブレンとNaClとでプレサイクルしたトリフルオロ 酢酸−処理グラスファイバーディスクに負荷した。PTH−アミノ酸分析を、デ ュアルシュリンジポンプと逆相(C−18)小口径カラムを使用したマイクロ液 体クロマトグラフィシステム(モデル120)で行った(アプライド・バイオシ ステムズ(Applied Biosystems),2.1mm x 250 mm)。 RNAを、標準手順(マニアティス(Maniatis)他,Molecul ar Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor,New York(1982))によってラッ ト1−EJ細胞から分離し、 ポリ(A)+をrRNA分離キット(クロンテック・ラボ・インコーポレイテッ ド,カリフォルニア州,パロ・アルト)を使用して選別した。cDNAをSup erscriptキット(ビー・アール・エル・ライフ・テクノロジーズ・イン コーポレイテッド(BRL Life Technologies,Inc.) ,メリーランド州,ベテスダ)で合成した。カラム−細分化−二重ストランドc DNAをSal1及びNot1−消化pJT−2プラスミドベクター、pCD− Xベクターの派生物に結合し(オカヤマ(Okayama)およびベルク(Be rg),Mol.Cell Biol.:280(1983))、電気泳動に よってDH10Bcoli細胞に形質転換した(ダウアー(Dower)他 、Nucl.Acids Res.16:6127(1988))。約5x105 の一次形質転換物が、N−末端のNDF(残基5−24)とT40.4トリプ シンペプチド(残基7−12)のタンパク質配列から由来の2つのオリゴヌクレ オチドプローブによってスクリーニングされた。これらのそれぞれの配列は以下 の通りである(Nはすべての4ntを示す): 前記合成オリゴヌクレオチドを、T4ヌクレオチドキナーゼにより、[γ−32 P]ATPによって末端標識化し、これらを使用してニトロセルロースフィルタ の複製セットをスクリーニングした。そのハイブリッド化溶液は、6xSSC, 50mMの燐酸ナトリウム(pH6.8)と、0.1%のピロ燐酸ナトリウム、 2xDenhardt’s溶液、50μg/ml鮭精子DNAと、20%のフォ ルムアミドを含有(プローブ1について)又はフォルムアミド0%(プローブ2 について)を含んでいた。フィルタを、50℃で0.5xSSC,0.2%AS A,2mMEDTAによって(プローブ1について)、又は37℃で2xSSC ,0.2%SDS,2mM EDTAによって(プローブ2について)、洗浄し た。これらフィル タのオートラジオグラフィは、両方のプローブとハイブリッドした10のクロー ンを示した。これらのクローンを、前述のような再プレート化とプローブハイブ リッドによって精製した。アプライド・バイオシステムズ(Applied B iosystems)373A自動DNAシーケンサとApplied Bio systems Taq DyeDoxyTM ターミネータサイクル配列決定キ ットとを、該製造業者の指示に従って使用して、前記cDNAクローンの配列決 定をした。いくつかの場合においては、配列は、[35S]dATP(Amers ham)及びU.S.BiochemicalsのSequenaseTMキット を使用することによって得られた。cDNAクローン44の両方のストランドは 、合成オリゴヌクレオチドをプライマとして使用することによって配列決定され た。ほぼ5’350ntの配列が、7つの独立したcDNAクローンにおいて決 定された。その結果、得られたクローンは、図30示すパターンを示した(ND F)。 例10 他の可能なスプライシング変異体の検出戦略 ウシのcDNAクローンとPCR生成物の推定アミノ 酸配列、及び公表されているヒト(図31)とラット配列との整合性は、高いレ ベルの類似性を示しており、これはこれらの配列が3つの種の中の相同遺伝子由 来のものであることを示している。cDNA/PCR生成物レベルにおいて検出 可能なメッセンジャRNA転写体の数が変化するのは、恐らく、広範囲な組織− 特異スプライシングに依るものと思われる。得られた、そして図30に示すパタ ーンは、その他のスプライシング変異体が存在することを示唆している。可能な スプライシング変異体のリストが図37に示されている。これらの変異体の多く は、様々な組織から由来のcDNAライブラリのコード・セグメント特異なプロ ーブ化と、特定のコード・セグメントに特異的なプライマ対を使用したPCR実 験とによって得ることが出来る。あるいはこれに代えて、これら変異体は、当業 者の公知の切断およびスプライス技術により、特異なcDNAクローン、PCR 生成物また又はゲノムDNA領域から組み立てることも可能である。例えば、共 通のコード・セグメント(例えば、A)中の稀な制限酵素切断サイトを使用して 、GGF2BPP5のFBAアミノ末端を、GGF2BPP1、GGFBPP2 、GGFBPP3、又はGGFBPP4のカルボキシ末端配列に接続することが できる。コード・セグメントE及 び/又はGの存在または不在が、目的とし、又既述の用途のために有利である場 合には、これらのコード・セグメントを、発現コンストラクトに含ませることが できる。これらの変異体配列は、組替えシステム中に発現させることができ、そ の組替え生成物を分析して、そのシュワン細胞分裂誘発活性のレベルと、そのp 185erbB2レセプタに結合しこれを活性化する能力とを測定することができる 。 例11 GGFの機能要素の同定 GGF配列のファミリの推定構造は、その最長の形状(GGF2BPP4によ って表される)が、細胞外部分が上皮細胞成長因子に類似するドメインを含む場 合に、経膜タンパク質をコードすることを示している(Carpenter a nd Wahl in Peptide Growth Factors an d Their Receptors I pp.69〜133,Spring er−Verlag,NY 1991参照)。コード・セグメントC及びC/D 又はC/D’ペプチド配列におけるシスチン残基の位置は、 上皮細胞成長因子(EGF)ペプチド配列における相同残基に対して保存されて いる(図35、配列認識番号151〜153参照)。これは、前記細胞外ドメイ ンが、レセプタ認識および生物学的活性サイトとして機能することを示唆してい る。変異体形状の内のいくつかは、H,K及びLコード・セグメントを欠如して おり、従って、分泌、拡散可能生物学的活性タンパク質として発現可能である。 EGF状ドメイン(EGFL)を含むポリペプチドをコードするGGF DNA 配列は、グリア細胞分裂誘発活性を刺激するための十分な生物学的活性を有して いる可能性がある。 このタンパク質の膜結合バージョンは、胚形成中または、神経再生中(ニュー ロンの表面が増殖シュワン細胞の表面に密接に関連している場合)にニューロン の表面に発現された場合、シュワン細胞の増殖を誘発する可能性がある。 分泌(非膜結合)GGFは、シュワン細胞とその分泌位置からいくらか離れた 位置において作用することが可能な分類上拡散可能な因子として作用する可能性 がある。他の形態も、細胞の損傷や細胞の破壊を通じた源から細 胞内から放出される可能性がある。分泌GGFの一例は、GGF2HBS5によ ってコードされるタンパク質であり(例6参照)、これは細胞の外部に向けられ ることが判った唯一のGGFである(例7)。分泌は、恐らく、GGF2HBS 5によってコードされる組替えGGF−II中に含まれるN−末端ドメインであ って、領域Eにおいてのみ見られるN−末端疎水性配列によって仲介される。 他のGGFは、分泌されるものではないように思える(例6参照)。これらの GGFは、組織の損傷の結果として放出される損傷反応形態であるのかもしれな い。 GGF−II(GGF2HBS5によってコードされる)の予想タンパク質構 造の他の領域と、領域B及びAを含む他のタンパク質とは、ヒト基底膜ヘパラン 硫酸プロテオグリカン核タンパク質(ref.)に対する類似性を示す。これら のGGFにおけるC2免疫グロブリンフォールドの第2システインの隣に位置す るペプチドADSGEYは、基底薄膜タンパク質に見られる22のC−2反復の 内の9つに発生する。この証拠は、これらのタンパク質が、ニューロンやグリア 等に関連するマト リックスタンパク質に関連していることを強く示唆するものであり、その目標サ イトとしてのグリア成長因子の隔離の方法を示唆している可能性がある。 例12 組替え細胞からのGGFの精製 その生物学的活性を分析するべく完全長GFFあるいはGGFの部分を得るた めに、タンパク質を、クローン化DNAを使用して過剰生産することができる。 いくつかの方法が使用可能である。前述の配列を有する組替えcoli細胞 を構築することができる。pNH8aやpHH16a(ストラトジェン・インコ ーポレイテッド(Stratagene,Inc.))等の発現システムをその 製造業者の指示に従ってこの目的のために使用することができる。あるいはこの 代わりに、これらの配列を、ほ乳類発現ベクターに挿入して、過剰生産細胞系を 構築することができる。例えば、この目的のために、GGFをコードするDNA 、クローンGGF2BPP5を、COS細胞と、チャイニーズハムスタの卵巣細 胞との両方に発現させた(例7参照)(J.Biol.Chem.263,35 21〜3527(1981))。 このGGGF DNAを有するベクターを、公知の手法を使用してホスト細胞に 移入することができる。 一過的発現を調べるか、もしくは、G418耐性クローンを、メトトレキサー トの存在下おいて成育させることにより、dhfr遺伝子(pMSXNDベクタ ー上に含まれる)を増幅し、その過程において、隣接のGGFタンパク質コード 配列を共増幅する細胞を選別することができる。全く血清やタンパク質を含まな い培地(ハミルトン(Hamilton)およびハム(Ham),In Vit ro 13,537〜547(1977))中に、CHO細胞維持することがで きるので、所望のタンパク質は、その培地から精製することが可能である。例9 において作られた抗血清を使用したウェスタン分析を使用して、前記過剰生産細 胞の調整培地中における所望のタンパク質の存在を検出することができる。 所望のタンパク質(rGGF−II)を、次のようにして、COS細胞を一過 的に発現させることによって調整した培地から精製した。rGGF−IIを、調 整培地から収穫し、陽イオン交換クロマトグラフィ(POROS−HS)を使用 して部分精製した。前記カラムを、 33.3mM MES pH6.0で平衡化した。調整培地を、10ml/分の 流量で負荷した。シュワン細胞増殖活性と免疫反応性(ポリクローナル抗血清を 上述のようにGGFIIペプチドに対して使用した)とを有するピークを、50 mM Tris,1M NaCl pH8.0で溶出した(それぞれ、図50A 及び50B)。 rGGF−IIも、安定したチャイニーズハムスタの卵巣細胞系を使用して発 現される。収穫された調整培地からのrGGF−IIを、陽イオン交換クロマト グラフィ(POROS−HS)を使用して部分精製した。前記カラムを、PBS pH7.4によって平衡化した。調整培地を、10ml/分で負荷した。シュ ワン細胞増幅活性と免疫反応性(GGF−IIポリクローナル抗血清を使用)と を有するピークを、50mM Hepes,500mM NaCl pH8.0 で抽出した。増殖性と免疫反応性の両方を備えた別のピークが、50mM He pes,1M NaCl pH8.0で観察された。 rGGF−IIは、高分解能工程として疎水性反応クロマトグラフィ(陽イオ ン交換/リザーブフェーズクロマトグラフィ(必要な場合には第2高分解能工程 として)、 陰イオン交換クロマトグラフィのようなウィルス不活性化工程およびDNA除去 工程、を使用することによって更に精製することができる。 使用した手法の詳細な記述は以下の通りである。 前記陽イオン交換カラムから抽出した組替えGGF−IIピークのシュワン細 胞増幅活性は、以下のようにして測定した。培養シュワン細胞の細胞分裂誘発反 応を、50mM Tris 1M NaCl pH8.0によって抽出したピー クを使用して5M フォルスコリンの存在下において測定した。前記ピークは、 20 1,10 1(1:10)10 1及び(1:100)10 1で添加し た。125I−ウリジンの組み込みを測定し、18〜24時間の露光後に(CPM )として表現した。 GGF−IIのペプチドに対して発育させたポリクローナル抗体を使用した免 疫ブロットを、次のようにして行った。10μlの異なったフラクションを、4 〜12%のグラジエントゲルでランさせた。これらのゲルを、ニトロセルロース 紙に移し、このニトロセルロースブロッ トを5%のBSAでブロックし、GGF−II−特異抗体(1:250希釈)で プローブした。125I タンパク質A(1:500希釈、特異的活性=9.0/ Ci/g)を、二次抗体として使用した。前記免疫ブロットを、コダック社X線 フィルムに6時間露光した。1M NaClで溶出したピークフラクションは、 65〜90Kdにおいて、GGF−IIと高分子量グリコフォームの予想サイズ 範囲である,広い免疫反応性バンドを示した。 陽イオン交換カラムでのGGF−II精製は以下のように行った。rGGFI Iを発現するCHO細胞調整培地を、10ml/分で前記陽イオン交換カラムに 負荷した。このカラムを、PBS pH7.4で平衡化した。溶出は、それぞれ 、50mM Hepes 500mM NaCl pH8.0と50mM He pes 1M NaCl pH8.0とで行った。すべてのフラクションを、こ こに記載のシュワン細胞増殖分析(CPM)を使用して分析した。タンパク質濃 度(mg/ml)は、BSAを標準として使用したBradford分析によっ て測定した。 10μlの各フラクションを使用したウェスタンブロ ットを行った。図51A及び51Bに示すように、免疫反応性とシュワン細胞活 性とは相互移動する。 前述のシュワン細胞分裂誘発分析を使用して、完全長クローン又はその全ての 物学的活性部分からの発現生成物の分析を行った。完全長クローンGGF2BP P5が、COS細胞に一過的に発現された。移入されたCOS細胞の細胞内抽出 物は、例1に記載したシュワン細胞増殖分析により分析した時に生物学的活性を 示す。更に、GGF2HBS5を発現する完全長に近いものが、CHOと昆虫( 例7)細胞とに一過的に発現された。この場合、細胞抽出物と調整培地との両方 が、例1に記載したシュワン細胞増殖分析において生物学的活性を示す。当業者 によって、GGF(ヘレグリンを含む)からのスプライシング変異体補足性DN Aのファミリのすべてのメンバを、このようにして発現させ、シュワン細胞増殖 分析において分析することができる。 あるいは、組替え物質を、COS−7細胞においてスプライシング変異体Ne u分化因子(NDF)を発現させたウェン(Wen)他(Cell 69,55 9(1992))に従って、他の変異体から分離すること ができる。pJT−2真核生物プラスミドベクターに挿入したcDNAクローン は、SV40初期プロモータのコントロール下にあり、SV40終結およびポリ アデニール化信号に3’で挟まれている。COS−7細胞は、以下のようにして 、電気ポレーションによって、pJT−2プラスミドDNAで移入された。即ち 、6x106の細胞を(0.8mlのDMEMと10%のFEBSにおいて)、 0.4cmのキュベットに移し、10μlのTE溶液中(10mM Tris− HCl(pH8.0),1mM EDTA)にて20μgのプラスミドDNAと 混合した。電気ポレーションは、パルスコントローラユニットを200オームに 設定したBio−Rad Pulser装置を使用して、室温で、1600V、 24μFで行った。次に、細胞を、20mlのDMEM,10%FBS中に希釈 し、T75フラスコ(Falcon)中に移した。37℃における14時間の培 養後、培地を、DMEM,1% FBSと置換し、培養を更に48時間継続した 。細胞から収穫した組替えタンパク質を含む調整培地は、このタンパク質のレセ プタを発現する細胞系において生物学的活性を示した。この細胞系(ヒト乳ガン 細胞ラインAU565)を、組替え物質で処理した。処理された細胞は、erb B2レセプタの活性化に特徴 的な形態変化を示した。このタイプの調整培地も、シュワン細胞増殖分析におい てテストすることが出来る。 例13 p185erbB2レセプタに結合する 他のタンパク質の精製と分析 I.gp30とp70との精製 ここに参考文献として提示するルプ(Lupu)他(Science 24 ,1552(1992))及びリップマン(Lippman)およびルプ(L upu)(特許出願番号 PCT/US91/03443(1990))は、以 下のようにして、ヒト乳ガン細胞ラインMDA−MB−231の調整培地からタ ンパク質を精製した。 調製培地採取を、周知の方法を用いて行った。培地を、Amicon 限外 濾過フィルタセル(YM5膜)(Amion,Danvers,MA)中にて1 00倍に濃縮した。浄化し濃縮した後、培地を、−20℃で保存し、一方、連続 採取を以後数日の間に行った。濃縮培地を、4℃で2日間にわたり、100容量 の0.1Mの ービング(スペクトラム・メディカル・インダストリーズ(Spectrum Medical Industries),カリフォルニア州,ロス・アンジェ ルス)を使用して透析した。透析中に沈澱した物質を、4℃で30分間、400 0rpmでの遠心分離処理によって除去し、プロテアーゼインヒビタを添加した 。次に、浄化したサンプルを凍結乾燥した。 凍結乾燥した調整培地を、全タンパク質が約25mg/mlの最終濃度とな るように、1Mの酢酸中に溶解させた。不溶性物質は、10,000rpmで1 5分間の遠心分離処理によって除去した。次に、このサンプルをセファーデック ス G−100カラム(XK 16,Pharmacia,Piscatawa y,NJ)に負荷し、平衡化し、更に、これに、4℃で1Mの酢酸を30ml/ 時間の流量で上方に流すことによる溶出を行った。4mlの100倍濃縮培地か ら、100ngのタンパク質が処理された。3mlの溶出物を含むフラクション を、凍結乾燥させ、分析用に300μlのPBS中で再懸濁させ、更なる精製の ための原料として利用した。 セファーデックス G−100精製物を、逆相高圧液体クロマトグラフィ( HPLC)でランした。第1の工程には、急勾配のアセトニトリルグラジエント を使用した。急勾配アセトニトリルグラジエントと他のすべてのHPCL工程と は、C3−逆相カラムを、水中(HPLC−グレード)0で0.05%のTFA (トリフルオロ酢酸)によって平衡化した後に、室温で行った。これらのサンプ ルを負荷し、フラクションは、1ml/分の流量で30分間に渡って、リニアグ ラジエント(0.05%のTFA中で0−45%のアセトニトリル)で溶出した 。280nmで吸収が観察された。1mlのフラクションを採取し、EGFレセ プタ−競合活性の分析の前に凍結乾燥させた。 第2のHPLC工程には、緩勾配アセトニトリルグラジエントを使用した。 前のHPLC工程からの活性フラクションのプールを、同じカラムに関して再び クロマトグラフィ分析した。0.05%のTFA中で5分間の0−18%アセト ニトリルグラジエント後に、0.05%のTFA中で30分間のリニアな18− 45%アセトニトリルグラジエントにて、溶出を行った。流量は1.0ml/分 で、1mlのフラクションが採取された。ヒトTGFα− 状因子が、30〜32%のアセトニトリル濃度で、RRAによる検出可能な1つ のピークとして溶出した。 ルプ(Lupu)他(Proc.Natl.Acad.Sci.89,22 87(1992))は、p185erbB2レセプタに結合する別のタンパク質を精 製した。この特定のタンパク質、p75、は、10%の胎児ウシ血清(GIBC O)を補足した改良Eagle’s培地(IMEM: GIBCO)中で繁殖さ せたSKBr−3(ヒト乳ガン細胞系)の成長に使用される調整培地から精製さ れたものである。タンパク質p75は、p185erbB2アフィニティーカラムを 使用した濃縮(100倍)調整培地から精製された。p185erbB2の94キロ ダルトン細胞外ドメイン(p75に結合)を、組替え発現によって生成し、ポリ アクリルアミドヒドラジド−セファローズアフィニティークロマトグラフィマト リックスに結合させた。結合後、前記マトリックスを、氷冷した1.0M HC l中で十分に洗浄し、そのビーズを0.5M NaNO2で活性化させた。温度 は20分間、0℃に維持し、その後に、濾過と、氷冷した0.1M HClでの 洗浄を行った。500mlの濃縮調整培地を、重力によって前記ビーズに流した 。カラム を洗浄し、1.0Mのクエン酸で、4.0から2.0のpH値で(erbB2と p75を分離させるため)ステップ的に溶出させた。すべてのフラクションを、 Pharmacia PD10カラム上で脱塩させた。精製によって、3.0〜 3.5溶出pHで75kDaの均一なポリペプチドが得られた(銀着色によるS DS/PAGEでの分析によって確認)。II.gp30のp185erbB2への結合 精製gp30タンパク質を、それがp185erbB2に結合したか否かを調べ る分析においてテストした。p185erbB2に対するモノクローナル抗体を備え た競合アッセイ。gp30タンパク質は、SK−BR−3及びMDA−MB−4 53細胞(p185erbB2レセプタを発現するヒト乳ガン細胞系)中でP185e rbB2 に結合する抗体を置換した。gp30のシュワン細胞増殖活性は、さらに、 シュワン細胞培養物を、例1〜3に記載の分析手法を使用して、精製pg30に よって処理することによっても示すことができる。III.p75のp185erbB2への結合 SKBr−3調整培地から得た75kDaのポリペ プチド(p75)が実際に、SKBr−3細胞中のerbB2ガン・タンパク質 のためのリガンドであるのか否かを分析するために、gp30のための前述の競 合アッセイを使用した。p75が結合活性を示すことが判ったが、これに対して 、他のクロマトグラフィフラクションからの物質はそのような活性を示さなかっ た(データは図示せず)。通過物質は、いくらかの結合活性を示した。これは、 抜け出たerbB2 ECDの存在によるものであろう。IV.他のp185erbB2リガンド ペレス(Peles)他(Cell 69,205(1992))は、更に 、ラット細胞(NDF,その方法については例8参照)からのp185erbB2刺 激リガンドをも精製した。ホルムズ(Holmes)他(Science 25 ,1205(1992))は、p185erbB2に結合し、これを刺激する、ヒ ト細胞からのヘレグリンαを精製した(例6参照)。ここに参考として提示する 、タラコフスキー(Tarakovsky)他Oncogene 6:218( 1991)は、活性化マクロファージから分離された25kDのポリペプチドの 、p185erbB2 相同体である、Neuレセプタへの結合を示した。VI.NDFの分離 ヤーデン(Yarden)およびペレス(Peles)(Biochemi stry 30,3543(1991))は、p185erbB2レセプタを刺激す るであろう35キロダルトンのグリコタンパク質を同定した。このタンパク質は 、次の手法に従って調整された培地中において同定された。ラットI−EJ細胞 を、175−cm2フラスコ(Falcon)中で集合成長させた。単層を、P BSで洗浄し、無血清培地中にて10〜16時間放置した。前記培地を廃棄し、 新たな無血清培地によって置換し、3日間の培養後に採取した。調整培地を、低 速遠心分離によって浄化し、YM2膜(分子量2000でカットオフ)を備えた Amicon 限外濾過セル中で100倍に濃縮した。調整培地におけるneu 刺激活性の生化学的分析は、前記リガンドが、熱に対しては安定しているが還元 に対しては敏感な35−kDグリコタンパク質であることを示している。該因子 は、高い塩濃度か、酸性アルコールのいずれかによって沈澱させることができる 。選択的沈澱、ヘパリン−アガロースクロマトグラフィ、 及び希釈酸中でのゲル濾過によって前記分子を部分精製することにより活性リガ ンドが得られ、これはがん原遺伝子のレセプタを刺激することが出来るが、構造 的に活性ながん遺伝子neuタンパク質に対しては無効果であった。しかしなが ら、この精製されたフラクションは、EGFのための関連レセプタをも刺激する 能力を保持しており、これはこれらの2つのレセプタが、双方向メカニズムを介 して機能的に結合していることを示唆するものである。あるいは、前記推定リガ ンドは、同時に2つのレセプタと反応する。該因子の、提示された生化学的特徴 を利用して、これらの可能性が探求される完全に精製された因子を達成すること ができる。 他の出版物において、デイヴィス(Davis)他(Biochem,Bi ophys.Res.Commun.179,1536(1991),Proc .Natl.Acad.Sci.88,8582(1991)およびグリーン( Green)他,PCT特許出願 PCT/US91/02331(1990) )は、ヒトT−細胞(ATL−2)系の調整培地からのタンパク質の精製につい て記載している。 ATL−2細胞系は、IL−2独立HTLV−1(+)T細胞系である。無 マイコプラズマATL−2細胞を、5%のCO2を含む加湿雰囲気中において3 7℃で、培養培地として10%のFCBを含有するRPMI 1640(10% FCS−RPMI 1640)培地中に保持した。 タンパク質物質の精製のために、ATL−2細胞を、1xPBSで2回洗浄 し、72時間、無血清RPMI 1640培地/2mM L−グルタミン中で3 x105mlで培養し、その後、前記細胞をペレット化した。このように生成し た培養上清を、”調整培地”(C.M.)と称する。 C.M.を1000dカットオフのYM−2Diaflo膜(アミコン(A micon),マサチューセッツ州,ボストン)を使用して、1リットルから1 0mlへと濃縮した。いくつかの分析用に、1000MW以上の成分を含有する 濃縮C.M.を、RPMI培地によって、もとの容量に再希釈した。ポリアクリ ルアミドグラジエントゲル(インテグレイテッド・セパレーション・システムズ (Integrated Separation Systems),メリーランド州,ハイド・パーク又 はフォアキャスト・システム・バイ・アマーシャム(Phorecast Sy stem by Amerscham),イリノイ州,アーリントン・ハイツ) を使用してゲル電気泳動にかけ、その後、前記1リットルの調合物からのこの2 つのカラム精製物資の幾らかを銀着色したところ、少なくとも4〜5のバンドが 現れ、これらの内、10kDと20kDとのバンドがこの物質に特有のものであ った。通過した、1000 NW以下のC.M.含有成分は希釈せずに使用した 。 濃縮調整培地を、.45μ ユニフロフィルタ(Schleicher a nd Schuell,Keene,NH)でフィルタ殺菌し、次に、予め10 mM Tris−Cl,pH8.1で平衡化させておいたDEAE−SW陰イオ ン交換カラム(ウォーターズ・インコーポレイテッド(Waters,Inc. ),マサチューセッツ州,ミルフォード)への適用によって更に精製し、一ラン のHPLC当り1リットルの元のATL−2調整培地を表す濃縮C.M.タンパ ク質を、前記カラムに吸着させ、次に、4ml/ 分の流量で、0mMから40mMのNaClのリニアグラジエントで溶出した。 フラクションを、10%の適当なDEAEフラクション(1カラム精製物)又は 1%の適当なC18フラクション(2カラム精製物)に対するインヴィトロ免疫 複合体キナーゼ分析を使用して、分析した。このインヴィトロ免疫複合体キナー ゼ分析を使用して投与量−依存的にp185c−neuのチロシンキナーゼ活性 を増加させた活性物質は、220〜240mMのNaClの近辺での4〜5のフ ラクション(36〜40)に渡って1つの主要ピークとして溶出した。HPLC −DEAE精製後、前記活性フラクション中のタンパク質を、濃縮、プールして 、更に濃縮し、その後、C18(百万マトリクス)逆相クロマトグラフィ分析し た(ウォーターズ・インコーポレイテッド(Waters,Inc.),マサチ ューセッツ州,ミルフォード)(C18+1工程または2カラム精製物と称する )。溶出は、0.1%のTFAに対する2−プロパノールのリニアグラジエント で行った。すべてのフラクションを、RPMI1640培地に対して透析して2 −プロパノールを除去し、下記のように、前記インヴィトロ免疫複合体キナーゼ 分析と、適当なフラクションの1%濃縮物を使用して分析 した。p185c−neuのチロシンキナーゼ活性を増加させる活性物質は、2 つのピークで抽出された。1つはフラクション11〜13において溶出し、第2 番目の僅かに低い活性の活性物質ピークは、フラクション20〜23において溶 出した。これらの2つのピークは、それぞれ、約5〜7%のイソプロパノールと 約11〜14%のイソプロパノールとに対応している。C18#1発生フラクシ ョン11〜13を、特徴づけ研究に使用した。第2クロマトグラフィ工程から得 られた活性フラクションをプールし、タンパク質物質サンプルに指定した。 20リットルの調合も同じ精製戦略を使用した。前記DEAE活性フラクシ ョン35〜41をプールし、前述のようにしてc18クロマトログラフィ分析に かけた。C18#1フラクション11〜13と21〜24との両方が、投与量− 依存活性を有していた。フラクション11〜13のプールを、更にC18クロマ トグラフィ分析工程にかけた(C18#2又は3カラム精製物と称する)。ここ でも再び、フラクション11〜13と21〜24とが活性を有していた。例8で 記載のインヴィトロ免疫複合体キナーゼ分析において測定 されたフラクション23の投与量反応は、フラクション23を容量で0.005 %、フラクション23を容量で0.05%添加することによって得られる。これ は達成された最も高い純度である。 分子量の範囲を、ゲル濾過クロマトグラフィ分析と限外濾過膜分析とに基づ いて測定した。ほぼ同じ量のチロシンキナーゼ活性を、保持し、10,000分 子量カットオフフィルタにより通過した。ほとんどすべての活性物質が、30, 000分子量カットオフフィルタを通過した。活性物質クロマトグラフフラクシ ョンの分子量範囲を、投与量−依存neu−活性化活性物質を含むフラクション を、同じ実行条件を使用して発生された一組のタンパク質分子量標準(シグマ・ ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.,ミズーリ州, セント・ルイス)の溶出プロフィールと比較することによって決定した。活性物 質の低分子量の領域が、7,000と14,000ダルトンの間に見つかった。 活性物質の第2の範囲は、約14,000から約24,000ダルトンの間であ った。 ポリアクリルアミドグラジエントゲル(インテグレイテッド・セパレーショ ン・システムズ(Integrated Separation System s,メリーランド州,ハイド・パーク又はフォアケース・システム・バイ・アマ ーシャム(Phorecase System by Amerscham), イリノイ州,アーリントン・ハイツ)を使用した電気泳動後、3−カラム精製物 質(c18#2)の銀着色を、市販の銀着色キット(BioRad,Rockv ille Centre,NY)を使用して行った。20リットルの調合物のc 18#2精製から得られたフラクション21,22,23及び24を、マーカと ともにランさせた。フラクション22と23とが、185erbB2(neu)キナ ーゼ分析(下記参照)において最も強力な投与量反応を示した。選択された分子 量フラクションがp185erbB2と作用するという事実が、免疫複合体キナーゼ 分析によって示された。 ここに参考文献として提示するフアング(Huang)他(1992,J. Biol.Chem.257:11508〜11512)は、ウシの腎臓から別 の neu/erb B2リガンド成長因子を分離した。25kDのポリペプチド因 子が、カラム分別の手法によって分離され、次いで、DEAE/セルロース(D E52)、Sulfadex(硫酸エステル化されたセファーデックス G−5 0)、ヘパリン−セファローズ4B、そしてSuperdex 75(高速タン パク質液体クロマトグラフィ)で連続カラムクロマトグラフィ分析された。前記 因子、NEF−GF、は、neu/erb B2遺伝子生成物のチロシン−特異 性自己燐酸化を刺激する。VII.p185erbB2に結合するリガンドに対する 免疫複合体分析NDF この分析は、ATL−2調整培地(C.M.)又はタンパク質物質を変量さ せながらPN−NR6細胞溶解物の予備培養によって推進した、免疫沈降したp 185の自己燐酸化活性物質における相違を示すものであって、これをここでn eu−活性化活性物質と称する。 免疫複合体キナーゼ分析において使用した細胞系は、ここにその全部を参考 文献として添付する、コカイ (Kokai)他,Cell 55,287〜292(July 28,198 9)と、これもその全部を参考文献として提示する、マーク・アイ・グリーン( Mark I.Green)の名のもとに”アンチ−レセプタ抗体によってがん 細胞を治療する方法”という名称で1989年7月27に出願された米国出願第 386,820号とに記載の方法によって、入手、調合、培養したものである。 細胞ラインは、すべて、5%のCO2を有する加湿雰囲気中において、培養 培地として5%のFCSを含有するDMEM培地(5% FCS−DMEM)中 に維持した。 150mmディシュ中の細胞の濃縮培養物を、冷たいPBSで2回洗浄し、 10mlの冷凍−解凍バッファ(150mM NaCl,1mM MgCl2, 20mM Hepes,pH7.2,10%グリセロール,1mM EDTA, 1%アプロチニン)中に掻き入れ、遠心分離(600x6,10分間)した。細 胞ペレットを、1mlの溶出(Lysis)バッファ(50mM Hepes, pH7.5,150mM NaCl,3% Brij 35,1mM EDTA,1.5mM MgCl2 ,1%アプロチニン,1mM EGTA,20μM Na3VO4,10% グリ セロール)中で再懸濁させ、4℃で30分間回転させた。すべての化学物質は、 特に明記のない限り、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemi cal Co.),ミズーリ州,セント・ルイスからのものであった。非溶解物 質を、40,000xgで30分間の遠心分離によって除去した。次に使用する クリアな上清を、細胞溶出物と指定する。 前記細胞溶出物を、50μlの50%(容量/容量)タンパク質A−セファ ローズ(シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co .),ミズーリ州,セント・ルイス)と、15分間培養し、2分間の遠心分離で 、溶出物を予備浄化した。この予備浄化細胞溶出物の50μl部分を、調整培地 、タンパク質物質、または特定の他の因子とともに、溶出バッファと1mlの最 終容量で、氷上で15分間培養した。次に、サンプルを、p185neu及びp 185c−neuを認識する5μgの7.16.4モノクローナル抗体または他 の適当な抗体と共に、氷上で20分間 培養し、その後4℃で回転させながら、50μlの50%(容量/容量)タンパ ク質A−セファローズで培養した。免疫複合体を、遠心分離によって収集し、5 00μlの洗浄バッファ(50mM Hepes,pH.7.5、0.1%,B rij 35、150mMNaCl、2mM EDTA、1% アプロンチニン 、30μm Na3VO4)で4回洗浄し、更に、反応バッファ(20mM He pes(pH7.4)、3mM MnCl2、及び0.1% Brij 35、 30μm Na3VO4)で2回洗浄した。ペレットを、50μlの反応バッファ 中で再懸濁させ、(ガンマー32P)−ATP(アマーシャム(Amersham ),イリノイ州,アーリントン・ハイツ)を添加して0.2μmの最終濃度を得 た。これらのサンプルを、27℃で20分間、又は純粋サンプルとともに4℃で 25分間培養した。2mM ATPと2mM EDTAとを含有する3xSDS サンプルバッファを添加することによって反応を終結させ、次に、これらを10 0℃で5分間培養した。これらのサンプルを、次に、10%のアクリルアミドゲ ル上でSDS−PAGE分析にかけた。ゲルを着色、乾燥し、強化スクリーンを 備えたKodak XARまたはXRPフィルムに露光した。VIII.活性を有するアセチルコリンレセプタ(ARIA)の精製 ARIA、即ち、アセチルコリンレセプタの合成を刺激する42kDのタン パク質が、Gerald Fischbach(フォールズ(Falls)他C ell 72:801〜815(1993))の実験室にて分離された。ARI Aは、p185erbB2に類似の185Kda筋肉経膜タンパク質のチロシン燐酸 化を誘発し、培養胚筋管内のアセチルコリンレセプタ合成を刺激する。ARIA をコードするcDNAクローンの配列分析は、ARIAが、タンパク質のGGF /erbB2リガンドグループのメンバであることを示しており、これは、グリ ア細胞分裂誘発を刺激や、ここに記載の例えばGGF2の適用に潜在的に有効で ある可能性を有している。 例14 シュワン細胞中のGGFによって仲介されたタンパク質チロシン燐酸化 増殖を誘発するための十分なレベルのグリア成長因子での処理の後、ラットシ ュワン細胞は、タンパク質チロシンの燐酸化の刺激を示す(図36)。様々な量 の部分 精製GGFを、例3に概述した手法に従ってラットシュワン細胞の一次培養に適 用した。シュワン細胞を、ポリD−リジン被覆した24のウェルプレート内の、 1mLのGGF−CMにつき(1ウェル当り0.5mL)DMEM/10%胎児 子ウシ血清/5μM フォルスコリン/0.5μg中で発育させた。集合状態に おいて、前記細胞に、ウェル当り0.5mLでDMEM/10%の胎児子ウシ血 清を供給し、培養器内に一晩放置して鎮静化させた。次の日、前記細胞に、0. 2mLのDMEM/10%胎児子ウシ血清を供給し、培養器内で1時間放置した 。つぎに、テストサンプルを、必要に応じて、様々な濃度と長さで、前記培地に 直接添加した。次に、細胞を、沸騰している溶解バッファ(燐酸ナトリウム、5 mM,pH6.8; SDS,2%,β−メルカプトエタノール、5%;ジチオ トレイトール、0.1M;グリセロール、10%;ブロモフェノール ブルー, 0.4%;バナジウム酸ナトリウム,10mM)中で溶解し、沸騰水浴中で10 分間培養し、次に、直接に分析するか、あるいは、−70℃で冷凍した。サンプ ルは、7.5%SDS−PAGEゲル上でのランによって分析し、トウビン(T owbin)他(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:4350〜 4354に記載の標準手法を使用してニトロセルロース上にエレクトロブロッチ ングした。ブロットされたニトロセルロースを、Kamps and Selt on(1988) Oncogene 2:305〜315に記載されている標 準方法を使用して、アンチホスホチロシン抗体でプローブした。プローブされた ブロットを、一晩オートラジオグラフィに露光し、標準実験室手法を使用して現 像した。濃度測定を、ウルトラスキャンXL強化レーザ濃度計(LKB)を使用 して行った。分子量指定は、予備染色高分子量標準(Sigma)に対して行わ れた。タンパク質燐酸化とシュワン細胞増殖の投与量反応は非常に類似している (図36)。燐酸化バンドの分子量は、p185erbB2の分子量に非常に近い。 シュワン細胞を、GGF2HBS5クローンによってCOS細胞翻訳物から調整 した培地によって処理した場合にも類似の結果が得られた。これらの結果は、予 想されていた、GGFsとの相互作用および185erbB2の活性化とよく相関し ている。 この実験を組替えGGF−IIで繰り返した。GGF−IIクローンで安定的 に形質転換したCHO細胞系(GGF2HBS5)からの調整培地は、上述の分 析を 使用して、タンパク質チロシン燐酸化を刺激する。疑似移入されたCHO細胞系 ではこの活性を刺激することは出来なかった(図52)。 例15 MDA−MB−231細胞系からのタンパク質因子によるシュワン細胞増殖の分 シュワン細胞の増殖は、ヒト乳ガン細胞ラインMDA−MB−231由来の調 整培地によって媒介される。分析の第1日目、104個の一次ラットシュワン細 胞を、96ウェル・ミクロタイター(microtiter)プレート中に、ウ ェル当り5%の胎児ウシプラズマを補足した100μlのDulbecco’s Modified Eagle’s培地内にプレート化した。分析の第2日目 、10μlの調整培地(例6に記載のように培養された、ヒト乳ガン細胞ライン MDA−MB−231からのもの)を、前記ミクロタイタープレートの各ウェル に添加した。第6日目、各プレート当りのシュワン細胞の数を、酸ホスファター ゼ分析(コノリー(Connolly)他 Anal.Biochem.152 :136(1986)の手法に従って)によって測定した。前記 プレートを、100μlの燐酸塩バッファ化塩水(PBS)と100μlの反応 バッファ(0.1m 酢酸ナトリウム,(pH5.5))と0.1%のトリトン (Triton)X−100で洗浄し、各ウェル毎に、10mMの燐酸p−ニト ロフェニルを添加した。プレートを37℃で2時間培養し、10μlの1N N aOHを添加することによって反応を終結させた。各サンプルの光濃度を、分光 光度計で410nmで読み取った。コントロール細胞系(HS−294T,er bB−2リガンドの非プロデューサ)からの調整培地によって処理したシュワン 細胞において細胞数の38%の刺激が観察された。この結果は、MDA−MB− 231細胞ライン(p185erbB2結合活性を刺激する)によって分泌されたタ ンパク質が、シュワン細胞の増殖を刺激することを示すものである。 例16 GGFのN−グリコシル化 GGF−II候補クローンGGF2BPP1,2及び3のcDNA配列から予 測されるタンパク質配列は、多数のコンセンサスN−グリコシル化モチーフを有 している。GGFII02ペプチド配列におけるギャップは、 これらのモチーフの1つにおけるアスパラギン残基に一致し、これは、このサイ トにおいて恐らく炭水化物が結合していることを示している。 GGFのN−グリコシル化を、タンパク質中において炭水化物とアスパラギン 残基との間の共有結合を切断する酵素であるN−グリカナーゼとの培養後におい てSDS−PAGE上の移動度の変化を観察することによって調べた。 GGF−IIのN−グリカナーゼ処理によって、MW40−42kDaの主要 なバンドと、45−48kDaの副バンドとが得られた。非還元条件下における 活性物質溶出実験は、約45−50kDaにおける1つの活性脱グリコシル化種 を示した。 GGF−Iの活性物質溶出実験も、N−グリカナーゼによって処理された場合 に、MW26−28kDaの活性種を生ずることにより、電気泳動的移動度の増 加を示している。銀着色によって、移動度のシフトがあることが確認されたが、 使用されたサンプルのバックグラウンドの着色によってN−脱グリコシル化バン ドを指定する ことが出来なかった。 例17 成熟GGF2タンパク質が発現され、移入細胞から分泌されたところで、この タンパク質を測定するために更にテストを行った。 前記cDNAコード・ヒトGGF2を、増幅ベクターpcdhfrpolyA にクローン化し、CHO−DG44細胞に移入して安定的に発現させた。rhG GF2を前記調整培地中に分泌させた。前記組換えGGF2が分泌される能力は 、前記N−末端疎水性区間(ストレッチ)、即ち信号配列、を介して仲介される 。信号仮説に依れば、信号配列は、一旦ラフ型(rough)小胞体を介した成 長タンパク質鎖の放出(export)を開始すると、特定部位において成熟タ ンパク質から切断される。発現され純化されたrhGGF2のN末端の分析は、 この切断部位がA50とG51との間であることを示している。最初の50のアミノ 酸残基が成熟タンパク質から切断され、従って、rhGGF2は373個のアミ ノ酸からなる。cDNA個hGGF2のアミノ酸配列は、図55に見られる。 前記タンパク質のN末端の最初の15のアミノ酸残基は、次の表1に示すN末 端配列分析によって確認された。 寄託 T7プロモータのコントロール下におけるプラスミドpブルースクリプト5k 中の核酸コード・GGF−II(cDNA,GGF2HBS5)タンパク質(例 6)を、1992年9月2日、米国菌培養収集所(American Type Culture Collection),メリーランド州ロックスビルに寄 託し、ATTC番号75298を与えられた。本出願人は、もしもこのプラスミ ドが、本件が特許となったときにこの特許の権利期間が終結するまでに生存不能 となった場合には、これを取り替える義務と、更に、そのような特許が発行され たことをATTCに通知し、その発行時にこの寄託物を公衆に利用可能とする義 務があることを認識するものである。それ以前においては、この寄託物は、37 CFR1.14条および35 USC 112条の規定に従って特許庁長官に利 用可能とされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/22 AES C12P 21/08 39/395 AAR G01N 33/566 C07K 14/46 C12N 5/00 B 16/18 A61K 37/24 ADU C12N 5/10 AAQ C12P 21/02 AES 21/08 ABA G01N 33/566 AAB //(C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR ,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN, MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SI,SK,T J,TT,UA (72)発明者 ストローバント,ポール イギリス国 ロンドン エヌ8 9エイエ ス クラウチ・エンド セシル・パーク 52エイ (72)発明者 ミンゲッティ,ルイザ イタリア国 イ−48012 バナキャヴァッ ロ ヴィア・ストラデッロ 22 (72)発明者 ウォーターフィールド,マイケル イギリス国 バークシャー アールジー13 1アールエヌ ニューベリー スピーン スピーン・レーン シャンターマーク (無番地) (72)発明者 マルキオニ,マーク アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02174 アーリントン トゥイン・サーク ル・ドライブ 24 (72)発明者 チェン,メイオー,スー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02174 アーリントン デカッター・スト リート 65 (72)発明者 ハイルズ,イアン イギリス国 ロンドン ダブリュ1ピー 8ビーティ ライディング・ハウス・スト リート 91

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. シュワン細胞分裂誘発活性を有する基礎ポリペプチド因子であって、前記 ポリペプチド因子は、N末端信号配列を欠如している。 2. 請求項1の基礎ポリペプチド因子であって、前記ポリペプチド因子は、図 55においてアミノ酸位置51〜アミノ酸位置422として定義されるアミノ酸 配列(配列認識番号179)を有する。 3. シュワン細胞分裂誘発活性を有するポリペプチド因子をコードする単離D NA配列であって、前記DNA配列は、N末端信号配列を欠如している。 4. 請求項2のポリペプチド因子をコードする単離DNA配列。 5. グリア細胞の細胞分裂誘発を刺激する方法であって、前記方法は、前記グ リア細胞を、有効量の請求項1のポリペプチドに接触させる工程を有する。 6. ほ乳類の神経系の生態病理学的症状の予防または治療方法であって、この 症状は、請求項1のポリペプチドに対する敏感性または反応性を有するタイプの 細胞に関連し、前記方法は、有効量の前記ポリペプチドを前記ほ乳類に投与する 工程を有する。 7. グリア細胞分裂誘発活性を有するポリペプチドであって、このポリペプチ ドは請求項3のDNA配列によってコードされたものであり、前記ポリペプチド は、前記DNA配列の発現を許容する条件下において変成ホスト細胞を培養する 工程を有する方法によって得られたものである。 8. サンプル中で請求項1のポリペプチドのためのレセプタの存在を同定する 方法であつて、前記サンプルを前記ポリペプチドに接触させ、これらの間の結合 を決定する工程を有し、前記結合は前記レセプタの存在を示すものである。 9. 患者のグリア腫瘍を予防または治療する方法であって、この方法は、前記 患者に、請求項1のポリペプチドのそのレセプタへの結合を阻止する物質の有効 量 を投与する工程を有する。 10.許容可能希釈物、キャリア又は補形剤とともに、および/又は単位投与形 態により、それぞれ薬用または獣医療用に調合された請求項1のポリペプチドを 有する薬剤用または獣医療用調剤。 11.ほ乳類の末梢神経損傷に関連する症状を治療する方法であって、この方法 は、前記末梢神経を、請求項1のポリペプチドの有効量に接触させる工程を有す る。 12.ほ乳類の症状を予防または治療する方法であって、前記症状は、脱髄また は損傷またはシュワン細胞の損失に関連し、前記方法は、前記シュワン細胞を、 請求項1のポリペプチドの有効量に接触させる工程を有する。 13.請求項12の方法であって、前記症状は、知覚または運動神経の神経傷害 である。 14.ほ乳類の神経退化傷害の予防または治療方法であって、この方法は、ほ乳 類のグリア細胞を、請求項1のポリペプチドの有効量に接触させる工程を有する 。 15.ほ乳類の神経再生および/又は修復を誘発する方法であって、この方法は 、ほ乳類のグリア細胞を、請求項1のポリペプチドの有効量に接触させる工程を 有する。 16.線維芽細胞増殖を誘発する方法であって、この方法は、前記線維芽細胞を 請求項1のポリペプチドに接触させる工程を有する。 17.ほ乳類の傷を修復する方法であって、この方法は前記傷を請求項1のポリ ペプチドに接触させる工程を有する。 18.薬品を製造する方法であって、請求項1のポリペプチドを薬剤的に許容可 能なキャリアと混合する方法を有する。 19.抗体を生成する方法であって、ほ乳類を請求項1のポリペプチドで免疫化 する工程を有する。 20.請求項1のポリペプチドに結合可能なレセプタを検出する方法であって、 この方法は、前記ポリペプチ ドを親和性リガンドとして使用し、前記サンプルにおいて親和分離を行う工程を 有する。 21.患者のグリア腫瘍を予防または治療する方法であって、この方法は、前記 患者に対して、請求項1のポリペプチドのそのレセプタへの結合を阻止する物質 の有効量を投与する工程を有する。 22.グリア細胞分裂誘発物質または、このグリア細胞分裂誘発物質をコードす る遺伝子を調査、分離または調合する方法であって、この方法は、組織調製物ま たはサンプルを、請求項19の記載の抗体と接触させる工程を有する。 23.グリア細胞分裂誘発活性を有する分子をコードする核酸配列を単離する方 法であって、この方法は、サンプルを含む細胞を、グリア細胞分裂誘発物質特異 抗体と接触させ、前記サンプル中における前記細胞分裂誘発物質の発現を測定す る工程と、前記核酸配列を、前記発現を示す細胞から単離する工程とを有する。 24.神経細胞のシュワン細胞による髄鞘形成を誘発する方法であって、この方 法は、前記シュワン細胞を請求項1のポリペプチドに接触させる工程を有する。 25.細胞におけるアセチルコリンレセプタ合成を誘発する方法であって、この 方法は、前記細胞を請求項1のポリペプチドと接触させる工程を有する。 26.請求項1に記載のポリペプチドに対する抗体。 27.グリア細胞分裂誘発活性を備えたタンパク質を精製する方法であって、こ の方法は、細胞抽出物を請求項26の抗体と接触させる工程を有する。 28.グリア細胞増殖の疾病を有するほ乳類を治療する方法であって、この方法 は、前記ほ乳類に請求項26の抗体を投与する工程を有する。 29.請求項3のDNA配列を有するベクター。 30.請求項3の単離DNAを含有するホスト細胞。 31.グリア細胞分裂誘発因子を製造する方法であって、この方法は、請求項3 0のホスト細胞を、前記DNA配列の発現を許容する条件下において培養する工 程を有する。 32.グリア細胞分裂誘発物質としての請求項1のポリペプチド。 33.患者の多発性硬化症を予防または治療する方法であって、この方法は、前 記患者に請求項1のポリペプチドのそのレセプタに対する結合を阻止する物質の 有効量を投与する工程を有する。 34.グリア細胞分裂誘発物質であるポリペプチドであり、このポリペプチドは 請求項3に記載のDNA配列によってコードされるものであり、前記ポリペプチ ドは、グリア細胞分裂誘発因子を製造する方法によって得られるものであり、更 に、前記方法は、変成ホスト細胞を、前記DNA配列の発現を許容する条件下に おいて培養する工程を有する。
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