JPH10504837A - δオピオイド受容体アンタゴニストまたは混合されたμアゴニスト/δアンタゴニストの作用を有する新規ペプチド誘導体 - Google Patents

δオピオイド受容体アンタゴニストまたは混合されたμアゴニスト/δアンタゴニストの作用を有する新規ペプチド誘導体

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JPH10504837A JP8508658A JP50865896A JPH10504837A JP H10504837 A JPH10504837 A JP H10504837A JP 8508658 A JP8508658 A JP 8508658A JP 50865896 A JP50865896 A JP 50865896A JP H10504837 A JPH10504837 A JP H10504837A
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Abstract

(57)【要約】 式(I)

Description

【発明の詳細な説明】 δオピオイド受容体アンタゴニストまたは混合された μアゴニスト/δアンタゴニストの作用を有する新規 ペプチド誘導体発明の分野 本発明はδオピオイド受容体アンタゴニストまたは混合されたμアゴニスト/ δアンタゴニストである新規群のオピオイドペプチド類似体、それらの合成並び に鎮痛剤および免疫抑制化合物としてのそれらの使用に関する。背景および従来技術 知られている非ペプチドのδオピオイドアンタゴニストはナルトリンドール(n altrindole)であり、それはP.S.Portoghese,et al.J.Med.Chem.31,281-2 82(1988)に記載されている。しかし、ナルトリンドールはまた受容体結合アッセ イで極めて高いμオピオイド受容体親和性 (Ki μ=12nM) を有しそして本発明化 合物とは違って、モルモット回腸(GPI) アッセイで強力なμアンタゴニスト性質 (Ke=29nM)を有する(P.S.Portoghese,J.Med.Chem.34,1757-1762 (1991) 参照)。 別の知られたδ−アンタゴニストはR.Cotton et al.Eur.J.Pharmacol.97 ,331-332 (1984) に記載されているエンケファリン類似体のN,N−ジアリル−Ty t−Aib−Aib−Phe−Leu−OH(ICI 174864)である。本出願に記載のいくつかの アンタゴニストと比較して、ICI 174864はMVDアッセイではδアンタゴニスト効 力が遥かに小さい(効力は200倍小さい) 。 H-Tyr-Tic-Aaa配列(Tic=1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン− 3−カルボン酸、Aaa=芳香族アミノ酸残基)をN−末端に含有していて、非常に 強力でかつ高い選択性を有するδアンタゴニストであるペプチドが、最近P.W.S chiller等により、FASEB J.6 (No.4),A 1575 (1992)、国際麻薬研究会(INRC) 学会(Keystone,CO,6月 催)、第2回日本ペプチド化学シンポジウム (静岡、11月9〜13日(1992)開催) 、第22回ヨーロッパペプチドシンポジウム(Interlaken,スイス,9月9〜13日( 1992)開催)、Proc.Natl.Acod.Sci.USA89,11871-11875(1992)およびJ.Med .Chem.36,3182-3187(1993)において開示されている。 構造的にTIPPに類似していて、混合されたμアゴニスト/δアンタゴニストで あるペプチドが、最近P.W.Schiller等により、Proc.Natl.Acad,Sci.USA 89 ,11871-11875(1992)および国際麻薬研究会(INRC)学会(North Falmouth,Mass. ,USA,7月16〜21日(1994)において開示されている。混合されたμアゴニスト /δアンタゴニストの両性質を有する環状β−カソモルフィン類似体が、最近R .Schmidt et al,J.Med.Chem.37,1136-1144(1994)に開示されている。E.E .Abdelhamid et al.,J.Pharmacol Exp.Ther.258,299-303(1991) で得られ ている結果によれば、混合されたμアゴニスト/δアンタゴニストは耐性および 依存性を生ずる傾向の低い鎮痛剤として期待されるが故に関心が持たれている。 本発明の課題は低分子量であってかつ新油性の高い、δアンタゴニストまたは 混合されたμアゴニスト/δアンタゴニストの性質を有する新規ジペプチド誘導 体を見出すことであった。これらの性質は血液−脳の障壁における通過を促進す る。本発明 本発明によれば、後記式Iで定義されるジペプチドH-Tyr-Tic-OHのある種の新 規誘導体は、δアンタゴニストとしての高い効力および混合されたμアゴニスト /δアンタゴニストの性質を有しそしてμアンタゴニスト性質を全く欠いている ことが見出された。 本発明による新規化合物は一般式I 〔式中、 -CH2-CH=CH2であり、 R3、R4、R5、R6は全てHであるか;または R4およびR5は双方ともHでありそしてR3およびR6は双方ともC1〜C6アルキル基 であるか;または R3、R5、R6は全てHでありそしてR4はF、Cl、Br、OH、NH2またはNO2であり、 R7はカルボニルまたはCH2であり、 R8はHまたはC1〜C12アルキルまたはアラルキル(ここでアルキルはC1〜C12ア ルキルである) であり、 R9は線状または分枝状のC1〜C12アルキルまたはアラルキル(ここでアルキルは C1〜C12アルキルである)、または複素環部分に結合したC1〜C12アルキルである 〕 を有する。 R9はの具体例は下記のとおりである。 R10はH、F、Cl、Br、I、OH、NH2、NO2、CH3またはフェニルである) (ここで上記R9の定義の全ての例に記載のmは1〜20である)。 本発明の好ましい化合物は、式中 R1はHまたはCH3から選択され; R2はHまたはCH3から選択され; R3はHまたはCH3から選択され; R4はHであり; R5はHであり; R6はHまたはCH3から選択され; R7はカルボニルまたはCH2から選択され; R8はHまたはCH3から選択され;そして 本発明の特に好ましい化合物はR4およびR5がHでありそしてR3およびR6が双方 ともメチル基である化合物である。 現在知られている本発明実施の最良の方法は実施例4、14および18の化合物を 用いることにある。合成 ペプチド合成で使用する大抵のBoc−アミノ酸誘導体は商業的に入手し得る。2 ′,6′−ジメチル−チロシン(Dmt) はJ.H.Dygos et al.Synthesis,No.8 (Aug ust) pp.741-743 (1992) に記載のようにして製造した。 全てのジペプチド誘導体は溶液合成により、まず第1にBoc-Tic-OHのカルボン 酸官能にC−末端アミン置換分を結合させ(混成無水物法)、次いで酸好ましくは 無機酸、特に好ましくはTFAで脱保護し、Boc−保護されたN−末端チロシンまた はチロシン類似体を結合させ(混成無水物法)そして最後に酸で脱保護することに より製造した。Boc−脱保護のための好ましい酸系はアニソール(3%)含有の95 %TFA水溶液である。 Tic残基とC−末端置換分との間に還元アミド結合(Ψ〔CH2-NH〕)を有する 化合物は、まず第1にBoc-Tic-3−(N−メトキシ−N−メチルアミド)を製造し 次にそれを酸、特に好ましくはTFAで脱保護することにより得た。得られた生成 物をBoc−保護されたチロシンまたはチロシン類似体に結合させ(混成無水物法) 、次に水素化アルミニウムリチウムでの還元によりジペプチドアルデヒドを得た 。それをアミン成分と反応させ、次いで水素化シアノホウ素ナトリウムで処理し 、最後にTFAで脱保護して所望の生成物を得た。 プログラム可能な溶媒モジュール(solvent module) 126およびダイオードアレ イディテクターモジュール(diode array detector module) 168からなるHPLC系G 0LD(Beckman社製)をペプチドの精製および純度調整のために用いた。逆相HPLCは 2種の溶媒:(A)水中の0.1%TFAおよび(B)アセトニトリル中の0.1%TFAから調製 した勾配を用いて実施した。調製用実施ではVidac 218 TP 1022カラム(250×22m m) を13ml/分の流速で45分にわたって15〜40%Bの一次勾配で用い、各吸収を2 16nmおよび280nmの両者において測定した。Vidac 218 TP 0046カラム(250×4.6m m)での分析用実施では1.0ml/分の流速で30分にわたり上記と同一の勾配を用い た。ペプチドの純度はまた、プレコートされたシリカゲルプレート60F-254(E.M erck,Darmstadt,FRG) でのTLCにより下記の溶媒系(全てv/v): (A) CHCl3/MeOH/AcOH(85:10:5)、(B) n-BuOH/H2O/AcOH(4:1:1)およ び(C) EtOAc/ヘキサン(1:1) で確定された。ペプチドはUVおよびニンヒドリン噴霧試薬を用いて明視化した。 ペプチドの分子量は、DS-90データシステムが連結されたMS-50 HMTCTA質量分析 計でのFAB質量分析法によって測定した。 融点は電熱融点測定装置で測定したが、未補正である。発明の詳細な説明 以下に本発明を実施例により詳述する。 ペプチド合成:一般的方法 1) 混成無水物法 THF中に溶解した1mmolのBoc−保護されたアミノ酸の撹拌溶液にNMM(1当量) を加えた。混合物を−15℃に冷却し、IBCF(1当量)で処理し、3〜4分反応させ た。次いでアミノ成分(1当量) を加えた。反応混合物を−15℃で30分撹拌し、 そのままで室温にした。次いで溶媒を真空蒸発により除去し、残留油状物をEtOA c 100ml中に溶解した。得られた溶液をブライン、5%KHSO4、ブライン、飽和Na HCO3およびブラインで順次抽出した。有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過しそして蒸 発乾固した。得られた粗生成物は、精製せずに脱保護用に用いた。 2) 脱保護 Boc−保護されたペプチドを、撹拌および氷冷下でチオアニソール(3%) 含有 の95%TFA水溶液を用いて脱保護した。真空中で蒸発後にペプチドの純粋なTFA塩 をEtOH/エーテルからの結晶化またはHPLC精製により得た。 実施例 1 A) H-Tic-NH-(CH2)3-Ph(化合物1)の製造 方法1に従ってBoc-Tic-0H (1.5mmol) をH2N-(CH2)3-C6H5 (3−フェニル−1 −プロピルアミン、1.5mmol)と結合させた。脱保護の後に化合物1がEtOH/エー テルからの結晶化により95%収率で得られた。 FAB-MS:MH+=295 TLC(シリカ):Rf=0.40(A)、Rf=0.68(B) mp=148〜150℃ B) H-Tyr-Tic-NH-(CH2)3-Phの製造 混成無水物法を用いて、Boc-Tyr(Boc)-0H(1mmol)をNMM(1当量)の存在下で化 合物1(1mmol)のTFA塩と結合させた。脱保護の後に粗生成物をHPLCにより精製 した。純粋な形態での化合物2が80%収率で得られた。 FAB-MS:MH+=458 TLC(シリカ):Rf=0.29(A);Rf=0.65(B) HPLC:K′=6.8 実施例2〜19の化合物は前記実施例1に記載のようにして合成された。 実施例 20 A) Boc−Tyr(Boc)−Tic−3−(N−メトキシ−N−メチルアミド)(化合物2) の製造 P.W.Schiller et al.,J.Med.Chem.36,3182-3186(1993) に記載のように して製造したBoc−Tic−3−(N−メトキシ−N−メチルアミド)を前記の方法2 )を用いて脱保護した(95%収率;TLC(シリカ):Rf=0.31(A))。Boc-Tyr(Boc)-0H の結合を前記の方法1)に従って実施し、得られた粗生成物を溶離剤としてヘキサ ン/EtOAc(2:1)を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーに より精製した(48%収率)。 FAB-MS:MH+=584 TLC(シリカ):Rf=0.85(A);Rf=0.28(C) B) Boc−Tyr(Boc)−Tic−3−アルデヒド(化合物3)の製造 580mg(1mmol)の化合物2を氷冷EtOH 10ml中に溶解し、水素化アルミニウムリ チウム100mg(2mmol)を撹拌下で加えた。0℃で1時間反応を実施した。エーテ ル50ml次に20%クエン酸の氷冷溶液(50ml)を加え、その混合物を30分間激しく撹 拌した。有機層を集め、水性相エーテル(50ml)で再び抽出した。合一したエーテ ル抽出物を飽和NaHC03、ブライン、10%クエン酸およびH2Oで洗浄し、MgSO4で乾 燥し次いで真空中で蒸発させて透明な油状物を得た(50%収率)。 TLC(シリカ):Rf=0.49(C) C) H-Tyr-TicΨ〔CH2-NH〕(CH2)3-Phの製造 アルデヒド (化合物3)(270mg,0.5mmol) を3−フェニルプロピルアミン (97 μl,0.5mmol) 含有のMeOH/AcOH(99:1)10ml中に溶解した。次に水素化シアノ ホウ素ナトリウム(38.2mg,0.6mmol)を45分かけて少しずつ加え、反応を15時間 実施した。反応の終了時に飽和NaHCO3(50ml)を撹拌下で加え、次いでEtOAc 100m lを加えた。有機相を集め、水洗しそしてMgSO4で乾燥した。溶媒の蒸発後に、得 られた生成物を前記の方法1)を用いることにより脱保護し、粗製の標的化合物を HPLCにより精製した(収率=42%)。 FAB-MS:MH+=444 TLC(シリカ):Rf=0.24(A);Rf=0.18(B) 本発明により製造した化合物の例を下記の表1に示す。 μアゴニスト成分を有するδオピオイドアンタゴニストの試験管内薬理試験 マウス輸精管 (MVD) およびモルモット回腸 GPI) 電気的に誘発された収縮の 阻害に基づくバイオアッセイを実施した。GPIアッセイにおいては、オピオイド 作用は主としてμオピオイド受容体によって仲介されるが、MVDアッセイにおい ては収縮の阻害は殆どδオピオイド受容体との相互作用による。これらのアッセ イにおけるアンタゴニスト効力は、いわゆるKe−値〔H.W.Kosterlitz&A.J.Wat t,Br.J.Pharmacol.33,266-276(1968)〕として表示される。アゴニスト効力 は、IC50値(電気的に誘発された収縮の50%阻害を生ずるアゴニストの濃度) として表示される。単離された器官標本を使用したバイオアッセイ GPIおよびMVDの各バイオアッセイは、P.W.Schiller等〔Biochem.Biophys.R es.Commun85,1332-1338(1978)〕およびJ.DiMaio等〔J.Med.Chem.25,1432 -1438(1982)〕によって報告されているように実施した。log用量−反応曲線は、 それぞれ回腸および輸精管標本に対する標準として〔Leu5〕エンケファリンを使 用して測定した。そして試験する化合物のIC50値は、A.A.Waterfield等〔Eur. J.Pharmaco1.58,11-18(1979)〕によって正規化した。δオピオイドアンタゴ ニストに対するKe値は、固定されたアンタゴニスト濃度(a)の存在下および不存 在下で得られたIC50値の比(DR)から測定した(Ke=a/(DR-1))〔H.W.Kosterl itz & A.J.Watt,Br.J.Pharmacol.33,266-276(1968)〕。これらの測定は2 種の異なるδ−選択性アゴニストのDPDPEおよび〔D-A1a2〕デルトルフィンIを 用いて、MVDアッセイで行なった。結論 実施した試験の結果に基いて得られた結論は下記のとおりである。 −全ての化合物はδアンタゴニスト性質を示した。 −全ての化合物は10μM程度の濃度でGPIアッセイにおいてμアンタゴニスト活性 を全く示さなかった。 −全ての化合物はGPIアッセイにおいて部分的なアゴニストまたは完全なアゴニ ストのいずれかであった。 −化合物4、14および18は強力な、混合されたμアゴニスト/δアンタゴニスト であった。オピオイド受容体結合アッセイ 本発明化合物のμおよびδオピオイド受容体結合定数(Ki μ,Ki δ)をラットの 脳膜標本の結合部位からの相対的選択性μ−およびδ−放射リガンドの置換によ って測定した〔ChengおよびPrusoffの式(Y.C.ChengおよびW.H.Prusoff,Bioch em.Pharmacol.22,3099-3102 (1973))を基にして測定したIC50値から計算した 〕。 Ki μ/Ki δの比はδ受容体対μ受容体の選択性の量的基準であった。オピオイド受容体結合研究 全ての新規類似体のμ−、δ−およびκ−オピオイド受容体親和性を、ラット の脳膜結合部位からのμ−、δ−およびκ−選択性放射リガンドの置換を基にし た結合アッセイで測定した。κ−リガンドの場合においては、κ−結合部位の相 対的割合はラットの脳におけるよりもモルモットの脳において高いので、モルモ ットの脳ホモジネートを使用した。本発明者等の実験室において使用されている 実験操作は、Pasternak等〔Mol.Pharmacol.11,340-351 (1975)〕により記載 されている結合アッセイの変形型を示す。Canadian Breading Laboratoriesから の雄性スプレーグードーリー(Sprague-Daw1ey)ラット(300〜350g)を断首し、小 脳の除去後に脳を氷冷標準緩衝液(50mM トリス−HCl,pH7.7)30容量中でホモジ ナイズした。30,000×g、4℃で30分間遠心分離後に膜を標準緩衝液の最初の容 量中で再構成し次いで37℃で30分間インキュベートした(結合した内因性リガン ドを放出するために)。次の遠心分離および新鮮な標準緩衝液の当初の容量中の ペレットの再懸濁によって、最終膜懸濁液を得た。この膜標本の一部(2ml)を、 試験するペプチドおよび以下に示す放射リガンドの1種を以下に示す最終濃度で 含有する標準緩衝液1mlを使用して25℃で1〜2時間インキュベートした。〔3H 〕DAMG0、μ−選択性、0.7nM;〔3H〕DSLET,〔3H〕DPDPE、または〔3H〕TIPP, δ−選択性、1.0nM;および〔3H〕U69,563、κ−選択性、0.5nM。インキュベー ションは4℃の真空下におけるWhatman GF/Bフイルターを通した濾過により終 了した。氷冷標準緩衝液5mlずつで2回洗浄した後にフイルターをシンチレーシ ョンバイアルに移し、そしてProtoso1(New England Nuclear社製) 1mlで30分処 理し次い で酢酸0.5mlおよびAquasol(New England Nuclear社製) 10mlを加えた。30分振盪 した後にバイアルを40〜45%の効率でカウントした。実験は全て二重に遂行し、 少なくとも3回反復した。3種の放射リガンドのそれぞれの特異的結合は1ミク ロモルの濃度のそれぞれ冷DAMG0、DSLETおよびU69,563の存在下においてインキ ュベーションを遂行することによって明らかにした。特異的結合の半−最大阻害 (IC50)の値は半対数のプロットからグラフ的に得た。それから、測定したIC50値 から結合阻害定数(Ki)をChengおよびPrusoffの式〔Biochem.Pharmacol.22,30 99-3102(1973)〕を基にして計算した。μ−、δ−およびκ−代表的結合アッセ イにおけるKi−値の比は研究している化合物の受容体選択性の測定値である(例 えばKi μ/Ki δはδ−受容体対μ−受容体の選択性を示す)。本発明による化合 物はκ−受容体に対して有意な親和性を全く有していなかった。可能な用途 弱い部分的μアゴニスト成分を有するδアンタゴニストは、耐性および依存性 の発生を防ぐのにμアゴニスト型の鎮痛剤(例えばモルフィン)と組合せて用い ることができる〔E.E Abdelhamid et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.258,299 -303(1991)参照〕。最近の研究ではまた、混合されたμアゴニスト/δアンタゴ ニストの性質を有する化合物は、耐性および依存性を生じない鎮痛剤として治療 的に有用であるとする結論が支持されている。本出願に記載のTyr1の代りに2′, 6′−ジメチルチロシン(Dmt)を含有するジペプチド誘導体は強力な、混合された μアゴニスト/δアンタゴニストであって、分子量は比較的小さい。 本出願に記載の、弱い部分的μアゴニスト成分を有するδアン タゴニストはまた、免疫抑制剤として治療的に有用であることもある。δアンタ ゴニストのナルトリンドールの免疫抑制効果はK.Arakawa et al.,Transplanta tion Proc.24,696-697(1992);Transplantation 53,951-953(1992)に記載さ れている。略記 Aib=α−アミノイソ酪酸 Boc=tert−ブトキシカルボニル DAMG0=H-Tyr-D-Ala-Gly-Phe(NαMe)-Gly-オール Dmt=2′,6′−ジメチルチロシン DPDPE=〔D-Pen2,D-Pen5〕エンケファリン DSLET=H-Tyr-D-Ser-Gly-Phe-Leu-Thr-OH FAB-MS=高速原子衝撃質量分析法 GPI =モルモット回腸 HPLC=高性能液体クロマトグラフィー IBCF=イソブチルクロロホルメート MVD =マウス輸精管 NMM =N−メチルモルホリン TFA =トリフルオロ酢酸 THF =テトラヒドロフラン Tic =1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸 TIPP=H-Tyr-Tic-Phe-Phe-OH TLC =薄層クロマトグラフィー U69,593=(5α,7α,8β)−(−)−N−メチル−〔7−(1− ピロリジニル)−1−オキサスピロ〔4,5〕デカ−8− イル〕ベンゼンアセトアミド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,WM,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)式 〔式中、 -CH2-CH=CH2であり、 R3、R4、R5、R6は全てHであるか;または R4およびR5は双方ともHでありそしてR3およびR6は双方ともC1〜C6アルキル 基であるか;または R3、R5、R6は全てHでありそしてR4はF、Cl、Br、OH、NH2またはNO2であり 、 R7はカルボニルまたはCH2であり、 R8はHまたはC1〜C12アルキルまたはアラルキル(ここでアルキルはC1〜C12 アルキルである)であり、 R9は線状または分枝状のC1〜C12アルキルまたはアラルキル(ここでアルキ ルはC1〜C12アルキルである)または複素環部分に結合したC1〜C12アルキルであ る〕 で表される化合物。 2)R1がHまたはCH3から選択され; R2がHまたはCH3から選択され; R3がHまたはCH3から選択され; R4がHであり; R5がHであり; R6がHまたはCH3から選択され; R7がカルボニルまたはCH2から選択され; R8がHまたはCH3から選択され;そして 合物。 3)R4およびR5がHでありそしてR3およびR6が双方ともメチル基である請求項1 記載の式Iの化合物。 である請求項1記載の式Iの化合物。 である請求項1記載の式Iの化合物。 6)治療に使用するための請求項1記載の式Iの化合物。 7)鎮痛剤として使用するための請求項1記載の式Iの化合物。 8)免疫抑制剤として使用するための請求項1記載の式Iの化合物。 9)−Boc−Tic−OHのカルボン酸官能にC−末端アミン置換分を結合させ; −次いで酸により脱保護し; −Boc−保護されたN−末端チロシンまたはチロシン類似体をTicアミド誘導 体のアミノ基に結合させ; −酸で最後の脱保護を行う 上記各工程からなる溶液合成による請求項1記載の式Iの化合物の製造方法。 10)結合を混成無水物法により実施する請求項9記載の方法。 11)(i) Boc−Tic−3−(N−メトキシ−N−メチルアミド)を酸で脱保護し ; (ii) Boc-Tyr(Boc)-OHを H−Tic−3−(N−メトキシ−N−メチルアミド )に結合させ; (iii) 水素化アルミニウムリチウムで還元してジペプチドアルデヒドを得; (iv) ジペプチドアルデヒドを所望のアミン成分と反応させ;次いで水素化 シアノホウ素ナトリウムで処理しそして酸による最後の脱保護を行う 上記各工程よりなる式 で表される化合物の製造方法。 12)活性成分としての請求項1記載の式Iの化合物の有効量を場合により1種ま たはそれより多くの製薬的に許容しうる担体とともに含有する製剤。 13)鎮痛剤として使用する医薬の製造における請求項1記載の式Iの化合物の使 用。 14)免疫抑制剤として使用する医薬の製造における請求項1記載の式Iの化合物 の使用。 15)痛みを軽減する必要のある患者に請求項1記載の式Iの化合物の有効量を投 与することによる痛みの治療方法。 16)免疫抑制効果を達成する必要のある患者に請求項1記載の式Iの化合物の有 効量を投与することによる免疫抑制効果を作り出す方法。
JP8508658A 1994-08-30 1995-08-10 δオピオイド受容体アンタゴニストまたは混合されたμアゴニスト/δアンタゴニストの作用を有する新規ペプチド誘導体 Pending JPH10504837A (ja)

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