JPH10504284A - 抗原パルス化樹状細胞によるin vivo T細胞活性化法 - Google Patents

抗原パルス化樹状細胞によるin vivo T細胞活性化法

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JPH10504284A JP8502392A JP50239296A JPH10504284A JP H10504284 A JPH10504284 A JP H10504284A JP 8502392 A JP8502392 A JP 8502392A JP 50239296 A JP50239296 A JP 50239296A JP H10504284 A JPH10504284 A JP H10504284A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、in vivo で免疫応答を誘導するために外因性抗原を提示するための単離したヒト樹状細胞の使用方法に関する。特に、本発明は、ヒト血液から樹状細胞を単離し、該細胞を抗原としてのリンパ腫由来免疫グロブリンに露出し、そして自己由来抗原パルス化樹状細胞をリンパ腫患者に再注入して腫瘍反応性免疫応答を誘起および/または増強することに関する。ここに記載した本発明の方法は、ワクチンとしてのおよび/またはがんや感染性病原体(ウイルスなど)に対する免疫療法としての抗原パルス化樹状細胞の臨床的使用を含むがこれらに限らない広範囲の用途を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗原パルス化樹状細胞によるin vivo T細胞活性化法 1.序論 本発明は、in vivo で免疫応答を誘導するために外因性抗原を提示するための 単離したヒト樹状細胞の使用方法に関する。特に、本発明は、ヒト血液から樹状 細胞を単離し、該細胞を抗原としてのリンパ腫由来免疫グロブリンに露出し、そ して自己由来抗原パルス化樹状細胞をリンパ腫患者に再注入して腫瘍反応性免疫 応答を誘起および/または増強することに関する。ここに記載した本発明の方法 は、ワクチンとしてのおよび/またはがんや感染性病原体(ウイルスなど)に対 する免疫療法としての抗原パルス化樹状細胞の臨床的使用を含むがこれらに限ら ない広範囲の用途を有する。 2.発明の背景 2.1. 免疫応答の生起 生体に外来抗原が侵入すると、生体はT細胞およびB細胞として知られる2つ の機能的に区別されるリンパ球集団により仲介される細胞性免疫応答と体液性免 疫応答の2つの主要な成分からなる免疫応答を誘起する。T細胞は機能と表現型 により2つのサブセットにさらに分割できる。1つのT細胞サブセットは、免疫 系において各種の他の細胞型を「助ける」または活性化するリンホカインを産生 することによって抗原刺激に応答する。もう1つのT細胞サブセットは、抗原陽 性標的細胞を直接破壊する能力がある抗原特異的な細胞障害性エフェクター細胞 へと発達することができる。一方、B細胞応答は主として分泌タンパク質の抗体 によって行われる。抗体は抗原を中和することにより、あるいは抗体依存性細胞 毒性を仲介する際に免疫系の他のエフェクター細胞と共同して働く。 ヘルパーT細胞(TH)は、CD4と呼ばれる糖タンパク質マーカーをそれら の細胞表面に発現することにより、古典的な細胞障害性Tリンパ球(CTL)お よびB細胞とは区別できる。CD4+TH が機能するメカニズムは十分には解明 されていないが、CD4+T細胞画分内に機能的に異なるサブセットが存在する ことが報告されている(Mosmann and Coffman,1989,Ann.Rev.Immunol.7:145 -173)。マウスでは、1型ヘルパーT細胞(TH1)が活性化後にインターロイキ ン-2(IL-2)とγ−インターフェロン(γ-IFN)を産生するのに対し、2型ヘル パーT細胞(TH2)はIL-4とIL-5を産生する。リンホカイン産生の様相に基づく と、TH1はCTLを含めた他のT細胞サブセットの活性化と増殖を促進すること に関与しているようだが、TH2はB細胞の増殖と分化、抗体の合成、抗体のクラ ススイッチを特異的に調節している。一部のCD4+T細胞は、CD8+CTLと 同様に、細胞障害性エフェクター機能ももつようである。 第2のT細胞サブ集団はCD8表面マーカーを発現する古典的なCTLである 。大部分のTH と違って、これらの細胞は標的細胞との直接接触の際に細胞溶解 活性を示すが、それらはある種のリンホカインを産生する能力も持ち合わせてい る。in vivo において、抗体応答のみでは不十分な場合にCTL機能が特に重要 となる。ウイルス感染やがんに対する防御においては、B細胞とそれらの抗体産 物よりもむしろCTLが主要な役割を果たしているとする実験的証拠が優勢を占 めている。 T細胞とB細胞の両応答の著しい特色は免疫抗原に対するそれらの完ぺきなま での特異性である。しかし、抗原認識のメカニズムはこれら2つの細胞型間で異 なっている。B細胞は、細胞表面受容体として作用するか、または固体表面上の もしくは溶液中の抗原に直接結合する分泌タンパク質として作用する抗体により 抗原を認識する。一方、T細胞は、小さい断片に処理または分解されて、抗原提 示細胞の表面などの固相上に提示された抗原を認識するにとどまる。さらに、抗 原断片は主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によりコードされるクラスIまた はクラスII分子とともにT細胞に提示されねばならない。MHCはさまざまな免 疫学的機能を有するタンパク質をコードしている遺伝子類のクラスターを指す。 ヒトでは、MHCはHLAとして知られている。クラスI遺伝子産物はあらゆる 体細胞に存在しており、もともとは主な移植拒絶反応の標的として発見されたも のである。クラスII遺伝子産物は大部分が種々の造血系統の細胞で発現されてお り、免疫系における細胞−細胞相互作用に関与している。最も重要な点は、MH Cコード化タンパク質がAPCの表面上で処理された抗原断片の受容体として機 能していることがわかったことである(Bjorkmanら,1987,Nature 329: 506-512 )。 2.2. 抗原提示細胞 T細胞への抗原の提示は抗原提示細胞(antigen presenting cell: APC)と呼 ばれる特殊な細胞集団により行われる。一般的に、APCにはマクロファージ/ 単球、B細胞、および骨髄由来の樹状細胞(dendritic cell: DC)が含まれる。 DCは「プロフェッショナル」APCと呼ばれることもある。APCは外因性抗 原を内在化して、それらを酵素に富む小胞内でより小さい断片に切断し、そして 細胞表面上での発現のためにMHCコード化クラスIまたはクラスII産物にそれ らの断片を結合させることができる(Goldberg and Rock,1992,Nature 357: 3 75-379)。APCはMHCによりコードされるクラスIとクラスIIの両方の糖タ ンパク質を発現しているので、それらは免疫応答の開始のためにCD4+T細胞 とCD8+T細胞の両方に抗原断片を提示することができる。 定義によると、APCは抗原特異的受容体をもつT細胞に抗原を提示できるの みならず、T細胞の活性化に必要なあらゆるシグナルを提供することができる。 こうしたシグナルは十分には定義されていないが、おそらくサイトカインや成長 因子だけでなく種々の細胞表面分子を含む。さらに、ナイーブつまり非感作T細 胞の活性化に必要な因子は、すでに感作された記憶T細胞の再活性化に必要とさ れる因子と異なっているかもしれない。APCが抗原を提示しかつT細胞活性化 のためのシグナルを送る能力は、一般にアクセサリー細胞機能と言われている。 単球とB細胞はコンピテントAPCであることがわかっているが、in vitroでの それらの抗原提示能はすでに感作されたT細胞の再活性化に限られるようである 。それゆえ、それらは機能的にナイーブな、つまり感作されていないT細胞集団 を直接活性化することはできない。 APCが抗原を処理してT細胞に提示できることは久しく知られているものの 、小さな抗原ペプチドがMHCコード化分子に直接結合できることは、比較的最 近まで知られていなかった(Babbitら,1985,Nature 317: 359; Townsend ら, 1986,Cell 44: 959)。しかしながら、通常、複雑な抗原はAPCの内部で加水 分解的に断片へと処理されて、細胞内でMHCコード化タンパク質と物理的に会 合してから、複合体として細胞表面に移行すると考えられる。抗原提示のための 2つの異なる経路が提案されている(Bracialeら,1987,Immunol.Rev.98:95- 114)。外因性抗原はAPCによって取り込まれ、処理されて外因的経路でクラ スII制限CD4+T細胞に提示されるが、一方、内因的経路は、MHCクラスI タンパク質との会合とCD8+CTLへの提示のために、ウイルス感染細胞内の ウイルス遺伝子産物などの合成タンパク質を細胞内で処理すると考えられた。抗 原処理および提示における2つの経路はいくつかの点で今もなお正しいかもしれ ないが、外因的に加えられた抗原もクラスI制限CTLに提示され得るという最 近の知見を考慮すると、その区別はぼやけてくる(Moore ら,1988,Cell 54:77 7)。 「樹状細胞」という用語は、さまざまなリンパ系または非リンパ系の組織に存 在する形態学的に類似した細胞型の多様集団を指す(Steinman,1991,Ann.Rev .Immunol.9:271-296)。これらの細胞には、脾臓のリンパ系DC、表皮のラン ゲルハンス細胞、および血液循環系のベール細胞が含まれる。それらは形態、高 レベルの表面MHCクラスII発現、そしてT細胞、B細胞、単球およびナチュラ ルキラー細胞上に発現されるその他の表面マーカーの不在に基づいて一群として 集合的に分類されているが、それらが共通の前駆細胞に由来するのか、すべてが 同じやり方でAPCとして機能し得るのか、については現在のところ不明である 。さらに、大多数の研究報告はマウス脾臓から単離したDCを利用しているので 、こうした研究結果は他の組織型から得られたDCの機能と必ずしも相関しない かもしれない(Inaba ら,1987,J.Exp.Med.166:182-194; Hengelら,1987, J.Immunol.,139:4196-4202; Kastら,1988,J.Immunol.,140:3186-3193; Ro maniら,1989,J.Exp.Med.169:1169-1178; Macatonia ら,1989,J.Exp.Me d.169:1255-1264; Inaba ら,1990,J.Exp.Med.172:6631-6640)。例えば、 高レベルのMHCクラスII発現にもかかわらず、マウス表皮ランゲルハンス細胞 は、脾臓DCと違って、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)と ともに培養しないかぎり、混合リンパ球反応(MLR)において活性APCとはなら ない(Witmer-Pock ら,1987,J.Exp.Med.166:1484-1498; Heufler ら,1988 ,J.Exp.Med.167:700-705)。ほとんどのヒトランゲルハンス細胞はCD1お よびCD4マーカーを発現するが、新たに単離した血液DCはCD4を弱く発現 するもののCD1は発現しない。一方、培養した末梢血DCはCD1cを発現す るがCD4を発現しない。さらに、マウスDCにおいて観察された機能的特徴が どの程度ヒトDC(特に、非脾臓組織から得られたDC)に適用可能であるのか 、まだ確定されていない。それは一部にはヒト免疫系とマウス免疫系の生来の相 違によるものである。 その上、in vivo におけるヒトDCの働きは本発明以前には研究されたことが なかった。マウスリンパ腫細胞のイディオタイプタンパク質に露出したマウス樹 状細胞は、in vivo で腫瘍免疫性を引き出すことが報告されているが、こうした 成功がヒト患者において実証されたことはない(Bohlenら,1991,Internationa l Publication No.WO91/13632)。このような方策が臨床的使用に適していると する証拠は当分野にはない。実際、当分野では、がんは複雑な病気であって、モ デル動物で行った治療からヒトにおけるその成功の可能性を十分に予測できない ことは周知である。ヒトがんの治療法の有効性および毒性は、すべての変動要因 が存在する臨床的背景においてのみ適切に試験され得るのである。 3.発明の概要 本発明は、抗原特異的免疫応答を誘導および/または増強するための、単離し て抗原でパルスしたヒトDCのAPCとしてのin vivo 使用に関する。本発明は また、かかる細胞を含む医薬組成物に関する。 本発明は、一部には、逐次密度勾配遠心によりヒト血液から部分精製されたヒ トDCがB細胞リンパ腫患者の生体内で強力なAPCとして機能するという出願 人の発見に基づくものである。以下の実施例6に示すように、単離した自己由来 のDCを、患者のリンパ腫細胞から「常法により調製した(custom made)」免疫 グロブリンでパルスして患者に再注入すると、イディオタイプ特異的T細胞の増 殖応答が検出される。最も重要な点は、このような治療期間にわたり患者の腫瘍 が実質的に退縮することである。ここに記載する本発明には、一次免疫応答を開 始させるためのワクチンとしてのおよび/または二次免疫応答を増強するための 免疫療法としての抗原パルス化DCのin vivo 投与を含むがこれらに限らない、 さまざまな用途が考えられる。こうした応答は腫瘍抗原(例えば、リンパ腫イデ ィオタイプ、p53腫瘍サプレッサータンパク質、メラノーマ抗原MAGE、オンコ ジーン産物)から感染性病原体(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV))に及ぶ 、対象のいかなる抗原に対しても引き出すことができる。 4.図面の簡単な説明 図1 治療中の示した時点で採取した患者の血液の“FICOLL/HYPAQUE”勾配遠 心により末梢血リンパ球を単離した。細胞を1%ヒトAB血清を含むIscove's改良Du lbecco's培地(IMDM)にKLH または自己由来の免疫グロブリンイディオタイプとと もに4×105個/マイクロタイターウェルでまいた。3日間の培養後、細胞を分 割して、5% FCSと30単位/ml のIL-2を含むIMDMを供給した。5% CO2の雰囲気下37 ℃で合計5日間培養した後、細胞を1μci/ ウェルの3H-チミジンで16時間パル スした。データは4通りの培養物の1分あたりの平均カウント数として表してあ る。 図2A-2D 免疫グロブリンパルス化DCで治療する前および4回目の免疫感作(任 意のブースター)の2ヵ月後に、胸部の連続コンピュータ断層撮影(CTスキャ ン)を行った。図2Aおよび2Bは大動脈傍(paraaortic)アデノパシーの退縮を示す 。図2Cおよび2Dは心臓傍塊(paracardiac mass)および大動脈傍アデノパシーの退 縮を示す。治療に先立って、これらの結節塊はゆっくりと進行していることが証 明された。 5.発明の詳細な説明 免疫グロブリンまたは抗体分子はH鎖とL鎖からなるポリペプチドで、そのア ミノ末端に高度に特異的な可変部を有する。H鎖およびL鎖の可変部は集合して 免疫グロブリンタンパク質の特異な抗原認識部位を形成している。これらの可変 部はそれら自体が免疫系によって抗原として認識され得る抗原決定基を含み、そ れらをイディオタイプと言う。 B細胞の悪性疾患(B細胞リンパ腫、白血病および骨髄腫)は、H鎖およびL 鎖に特異な可変部を有する単一の免疫グロブリン分子(またはモノクローナル抗 体)を合成する腫瘍細胞のクローン増殖の産物である。このような腫瘍は起源が 単クローン性であるので、患者の所定の腫瘍の全細胞により発現される免疫グロ ブリンは同一であり、その特異なイディオタイプによって正常なB細胞と区別す ることができる。B細胞リンパ腫は成熟リンパ球の腫瘍であり、一般にはその細 胞表面に免疫グロブリンを発現する。したがって、B細胞リンパ腫の表面免疫グ ロブリンのイディオタイプ抗原決定基は、身体の他のどのような組織によっても 発現されないので、悪性クローンの腫瘍特異的マーカーとして利用できる。 動物およびヒトでの研究により、免疫グロブリンのイディオタイプは腫瘍特異 的抗原として、また、in vivo 受動免疫療法の標的として有用であることが示さ れた(Campbellら,1990,J.Immunol.145:1029; Campbellら,1988,J.Immun ol.141:3227)。悪性B細胞上のイディオタイプ抗原決定基に対する能動免疫は 同系腫瘍のいくつかのモデル動物で腫瘍増殖に対して抵抗性を、そして株化腫瘍 に対して特異的な抗腫瘍治療をもたらした(Campbellら,1988,J.Immunol.14 1:3227; Georgeら,1988,J.Immunol.141:2168)。さらに、ヒト以外の霊長類 での前臨床研究から、ヒトリンパ腫由来の免疫グロブリンによる最適な免疫感作 には、このタンパク質と免疫原性の強い担体タンパク質(例えばキーホールリン ペットヘモシアニン(KLH))との複合体化およびアジュバント中での乳化が必要 であることが実証された。 最近の研究では、病気の活動度が最も小さい数人のリンパ腫患者に、KLH に結 合させたイディオタイプタンパク質を実験的アジュバント製剤中に乳化したもの を繰り返し注入した(Kwakら,1992,New Eng.J.Med.327:1209)。最適な免疫 感作状態はKLH のような免疫原性タンパク質とアジュバントの両方の使用を必要 とした。アジュバントの不在下では、ないに等しいイディオタイプ特異的免疫応 答しか観察されなかった。しかし、KLH-イディオタイプとアジュバントの組合せ で治療した数人の患者はin vitroで抗イディオタイプ免疫応答を示し、重大な病 気を抱える二人の患者は客観的な腫瘍退縮を経験した。ところが、免疫学的アジ ュバントの使用は毒性を伴った。さらに、容認されているヒトのアジュバントで あるミョウバンは抗イディオタイプ応答を引き出すのに効果的でない。 本発明は、骨髄移植をするのに適格でない非ホジキンB細胞リンパ腫患者が、 かれら自身のDCと自己由来の腫瘍細胞から単離・精製した免疫グロブリンイデ ィオタイプとのin vitroインキュベーション後のこれら細胞を注入することに耐 えられることを実証する。患者は腫瘍関連イディオタイプに対する免疫応答およ び腫瘍量の退縮を生じることを知らされる。免疫グロブリンのような単離抗原の 免疫原性は弱いことがあり、免疫をうまく誘起させるには免疫原性担体への抗原 の結合と免疫原性アジュバントの使用が必要であるので、抗原パルス化DCはin vivo での抗原提示においてこれら2つの要件に取って代わることができる。こ こに記載する特定の手順および方法は、ヒト血液から単離したDCおよび抗原と してのリンパ腫由来の免疫グロブリンを用いて例示されるが、それらは本発明を 実施するための単なる例示にすぎない。類似の手順および技術は同様に適用可能 である。かくして、ここに記載する方法の変法を用いて、DCが存在する任意の 供給源からDCを単離し、任意の抗原またはその断片でパルスし、そして該抗原 を発現する細胞または組織を含む患者に、このような細胞および組織の免疫学的 破壊のために再注入することができる。 5.1. ヒト樹状細胞の単離 本発明は、in vivo でのT細胞の活性化のためにDCを用いる抗原提示系に関 する。DCはほとんどの組織中に少数しか存在しないため、まずDCを単離して 富化する必要がある。DCはリンパ系と非リンパ系の両方の組織に見られるが、 天然の容易に入手できるヒトDCの供給源は末梢血であり、末梢血は白血球100 個につき1個より少ないDCを含むと推定される。 抗原提示におけるDCのアクセサリー細胞機能の効力により、富化した場合に は比較的少数でのこれら細胞の使用が可能であり、in vivo でのT細胞応答の生 起にとって絶対的な純度は必要でない。しかしながら、in vivo 投与には高度に 精製したDC集団(>90%)を用いることが最も好ましい。 DCは正常なヒトから、または病気にかかっている患者から単離することがで きる。さらに、単離に先立ってDCの数を増やすためにこれらの個体をコロニー 刺激因子で処理してもよい。例えば、DC精製用の末梢血単核白血球を得る前に 、GM-CSF(“LEUKINE”,Immunex Corporation,Seattle,WA)を250 mcg/m2/ 日 で数日ないし3週間個体に注入する。この方法は抗原パルスとその後の注入のた めのDCの収量を高めるだろう。 ヒトDCは、各種の分離法を使って、それらが存在するあらゆる組織から単離 し得る。以下の実施例6に、ヒト末梢血からDCを単離するためのこのような方 法の変法を例示する。この方法は特に、末梢血白血球の分離に用いられるウシ胎 児血清、ヒツジ赤血球、マウスモノクローナル抗体などの抗原へのDCの露出を 避けるように設計される。DCは、他の外因的に加えられた抗原の不在下でさえ も、このようなタンパク質をT細胞に提示する能力があるので、従来のDC単離 法は対象抗原に特異的でなく、それゆえ求める応答をマスクする可能性のあるT 細胞活性化に結びつく。本発明のこの態様によると、ヒト末梢血単核白血球(PBM L)は、血液サンプルから、特に搬出(apheresis)により調製されたバフィーコー トまたは白血球から、“FICOLL HYPAQUE”勾配遠心と、これに続く“PERCOLL” 不連続遠心(Markowicz and Engleman,1990,J.Clin.Invest.85:955)と、こ れに続く“METRIZAMIDE”(2-[3-アセトアミド-5-N- メチル- アセトアミド- 2, 4,6- トリヨードベンズアミド]-2-デオキシ-D- グルコース)または“NYCOPREP 1.068”NYCODENZ,N,N’-ビス(2,3- ジヒドロキシプロピル)-5-[N-(2,3-ジヒド ロキシプロピル)アセトアミド]-2,4,6-トリヨード- イソフタルアミド不連続遠 心により単離できる。高浮遊密度(HD)画分はγδおよびαβ- T細胞、B細胞お よびNK細胞を含み、一方、DCは“METRIZAMIDE”または“NYCOPREP 1.068” の低浮遊密度(LD)画分中に存在する。その後LD画分を2回目の“METRIZAMIDE ”または“NYCOPREP 1.068”勾配にかけて、さらに富化されたDC集団を得るこ とができる。DCはまた、必要とされる純度に応じて、追加のプロトコールを使 ってさらに富化させてもよい。単離したDCは直ちに対象の抗原でパルスされ得 る。 別法として、反復密度勾配遠心、正の選択(positive selection)、負の選択(n egative selection)、またはこれらの組合せを含む方法によりDCを単離するこ ともできる。しかしながら、上記の密度勾配遠心法が好適である。なんとなれ ば、それらは対象の外因性抗原の添加前にDCが内在化して提示し得るマウス抗 体やヒツジ赤血球の形の異種タンパク質を含まないからである。正の選択法はD C表面マーカーに対する抗体によるアフィニティークロマトグラフィーを利用し 得る。しかし、正の選択にはDC特異的抗原決定基を認識する抗体を必ずしも使 用する必要はない。例えば、まず初めにDC含有画分から密度勾配遠心、プラス チック付着、およびFc受容体パンニング後にB細胞と単球を除き、次に、DC について正の選択を行うべくMHCクラスII抗原に対する抗体を使用できる。負 の選択は先に記載したプロトコールの改変を含む。 基本的には、DC含有細胞調製物を、非DCの除去のためにDCが発現しない 細胞表面抗原に対する抗体1種以上と反応させる。任意のT細胞、B細胞、単球 および顆粒球マーカーに対する抗体を使用できる。こうした抗体の例として、T 細胞に特異的な抗CD3、抗CD4、抗CD5および抗CD8;B細胞に特異的 な抗CD12、抗CD19および抗CD20;単球に特異的な抗CD14;およ びナチュラルキラー細胞に特異的な抗CD16および抗CD56が挙げられる(B ecton Dickinson,San Jose,CA およびOrtho Diagnostics,NJ)。これらの抗体 はDCの富化のために任意の組合せで繰り返しまたは逐次的方法で使用される。 抗体への結合後、細胞は次のようにして分離することができる。細胞表面マーカ ーに対するモノクローナル抗体の大多数はマウス由来のものであるから、抗マウ ス抗体を被覆した固相表面に吸着させる;または、抗体がビオチンと結合してい るのであれば、アビジンまたはストレプトアビジン被覆表面により抗体結合細胞 を分離できる;または、抗体が磁気ビーズに結合しているのであれば、抗体によ り認識される抗原を発現している細胞は磁場におくことにより分離できる(Harlo w and Lane,1988,Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor La boratory Press)。 5.2. 抗原提示細胞としての樹状細胞の使用 免疫応答の開始はAPCにより仲介されるが、APCは酵素的分解によって複 雑な抗原をより小さな断片へと処理して、MHCコード化分子と会合したそれら 断片をT細胞に提示する。マクロファージ/単球がAPCとして最も広く研究さ れているが、マウスDCも強力なアクセサリー細胞機能をもつことが明らかにさ れている。本発明では、ヒト血液から単離したDCがin vivo で抗原特異的T細 胞の活性化のために抗原を提示することを実証する。 5.2.1. 樹状細胞による提示のための抗原系 DCの強力なアクセサリー細胞機能は、T細胞とB細胞がそれらの特異的受容 体を介して認識し得るほとんど全ての抗原エピトープのための抗原提示系を提供 する。以下の実施例6には、DCがin vivo で抗原としての免疫グロブリンイデ ィオタイプをT細胞に提示できることを示す。T細胞の活性化は抗原に応答する 際のT細胞の増殖により証明される。それゆえ、DCはウイルス、微生物などの 感染性病原体によりコードされる抗原ならびにがん細胞により発現される腫瘍抗 原の提示においてin vivo で有用であり得る(Urban and Schreiber,1992,Ann .Rev.Immunol.10: 617-644)。 本発明に適用できる感染性病原体としては、細菌、寄生体、真菌およびウイル スがあるが、これらに限らない。DCが処理して提示し得る、これら病原体によ りコードされる抗原には外部表面タンパク質と、内部酵素を含めた構造タンパク 質とが含まれるが、これらに限らない。例えば、env、gag、pol、nef、vif、rev およびtat 遺伝子を含むHIVゲノムの遺伝子によりコードされる抗原は、全 てがin vivo でDCにより提示され得る。さらに、肝炎B型ウイルス、肝炎C型 ウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘−帯状疱疹ウイ ルス、ブドウ球菌種、およびマイコバクテリウム種を含めて、種々の他の感染性 病原体が本発明の範囲に包含される。 腫瘍特異的抗原としての免疫グロブリンイディオタイプのほかにも、多くのヒ ト腫瘍関連抗原がモノクローナル抗体によって同定されている(Reisfeld and Ch eresh,1987,Adv.Immunol.40: 323-377)。これらの細胞性抗原はいくつかの 腫瘍細胞によって比較的多量に選択的に発現されているものの、それらががん患 者の体内で免疫応答を自然に誘起するのか、またはこのような応答を引き出すた めに効果的に使用し得るのか、いまだ確立されていない。腫瘍細胞または腫瘍抗 原を用いる高度免疫処理によって腫瘍反応性のTおよびB細胞を誘導できる動 物腫瘍モデルと違って、承認された臨床プロトコールなしではヒトにおいてヒト 腫瘍細胞そのものまたはオンコジーンのタンパク質を容易に試験することはでき ない。したがって、ほとんどのヒト研究では、がん患者から得られたリンパ球( おそらく体内で自己由来腫瘍細胞が発現した抗原に露出されたもの)を利用して きた。しかしながら、いくつかの系では、腫瘍の進行がサプレッサー細胞により 仲介される腫瘍特異的免疫応答のダウンレギュレーションを伴うことが明らかに された。もしそうであれば、がん患者から単離したT細胞は、腫瘍−免疫宿主か ら得られたT細胞と同様には機能しないようにin vivo でこのような抑制の影響 下にすでに入っているかもしれない。さらに、ヒト腫瘍反応性T細胞を活性化す るこれらの試みは一般にAPCとして単球を使用してきたが、単球は、特にその T細胞が腫瘍抗原に対してin vivo で十分に感作されていない場合、DCよりも 効果がかなり劣ることが判明した。 ここに記載する抗原パルス化DCはin vivo で腫瘍抗原を提示するための細胞 性アジュバントとして用いることができる。DCの強力なアクセサリー細胞機能 は、その免疫応答がin vivo で腫瘍を消失させるには明らかに不十分ながん患者 のT細胞に、in vivo で腫瘍抗原を提示することができる。生存能のあるまたは 照射された全腫瘍細胞、腫瘍膜調製物、および天然の供給源から精製されたまた は組換え産物として発現された腫瘍抗原はどれもin vitroでDCをパルスするた めに使用し得る。 最近、オンコジーンの産物がマウスT細胞活性を誘導し得ることがわかった。 例えば、ラット遺伝子産物p21のオンコジーン形態、およびbcr-abl 遺伝子の 融合産物p210は、マウスを免疫するために用いたとき、T細胞増殖応答を引 き出す(Peace ら,1991,J.Immunol.146: 2059-2065; Chenら,1992,Proc. Natl.Acad.Sci.USA 89: 1468-1472)。したがって、アミノ酸置換の結果とし て正常細胞の対応物と異なっているオンコジーンのタンパク質は、T細胞によっ て認識され得る新しい免疫原決定基をもつかもしれない。こうしたタンパク質は 細胞表面に発現される必要はない。細胞質および核のタンパク質は細胞内で処理 を受け、MHCコード化産物に結合して、複合体の形で細胞表面に移動するから である(Gould ら,1989,J.Exp.Med.170: 1051-1056)。オンコジーン産物は 結腸がん、白血病、リンパ腫などのさまざまな腫瘍型で発現されるので、抗原パ ルス化DCはこうしたがんに対してin vivo でT細胞を活性化するために使用で きる。いろいろなタイプのがんと関連している他の分子も本発明に包含され、そ れらには、制限するものではないが、HER-2/neu 遺伝子産物(米国特許第4,968, 603 号)、エストロゲン受容体、乳脂グロブリン、p53腫瘍サプレッサータン パク質(Levine,1993,Annu.Rev.Biochem.62:623)、ムチン(Taylor-Papadi mitriou,1990,国際公開 WO90/05142)、テロメラーゼ、核マトリックスタンパ ク質、MART-1、MAGE-1、MAGE-2、MAGE-3(van der Bruggen ら,1991,Science 254:1643; Celis ら,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2105)、GP100(Ba kker ら,1994,J.Exp.Med.179:1005)、がん胎児性抗原、チロシナーゼおよ びパピローマウイルス抗原がある。 細胞またはウイルスに由来する、細菌、寄生体、真菌、ウイルスおよび腫瘍の 抗原は、DC培養物に添加した後のインキュベーションにより、飲作用による取 込み後のピノソームの浸透圧溶解により(Moore ら,1988,Cell 54: 777-785) 、または抗原含有リポソーム内の取込みにより、DCに導入され得る。抗原は精 製形態の天然に存在する完全ポリペプチド、精製形態の組換え完全ポリペプチド 、生存または死滅形態の全生物または細胞、酵素的消化により得られたタンパク 質断片、または固相化学合成により製造された合成ペプチドとして用いられる(C reighton,1983,Protein Structures and Molecular Principles,W.H.Freema n and Co.,N.Y.pp 50-60)。DCをパルスするのに必要な抗原量はその分子の 性質、大きさおよび純度に応じて変化する。一般には、ポリペプチドは1〜100 μg/mlで用いられ、小型のペプチドは1〜50μg/mlで用いられる。ピノソームの 浸透圧溶解による導入には、200 〜500 μg/106APC の範囲の、より多量のタン パク質が必要となる。また、対象の特定抗原をコードする外因性遺伝子または該 遺伝子もしくはその部分を含む発現べクターを、トランスフェクション、組換え ワクシニアウイルスおよびレトロウイルスを含む慣用法により、DCに組み込む こともできる(Sambrookら,1989,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,C old Spring Harbor Laboratory Press)。このアプローチは組み込まれた遺伝子 の連続発現を生じさせ、遺伝子産物によるMHC占拠をもたらす。外因 性抗原をDCに導入するための上記方法並びに当業者が常用する他の方法を、以 後、ひとまとめにしてDCの抗原パルス(antigen pulsing)と言う。 5.2.2. in vivo での一次および二次T細胞応答の誘導 本発明は、抗原に対するヒト患者の免疫応答を活性化する方法に関する。この 方法は、ヒトDCを、好ましくは末梢血から、単離すること、該細胞をin vitro で抗原によりパルスすること、その後細胞または組織が該抗原を発現している患 者に抗原パルス化細胞を投与することを含む。 抗原を処理して、抗原断片を数日間保持するDCの能力は、強力な免疫原とし てのそれらのin vivo 使用を可能にする。上記第5.2.1 節に記載した各種の方法 にしたがってDCを抗原でパルスし、洗浄した後、すでに存在するが弱いT細胞 応答を誘起または増強するためにワクチンとしておよび/または免疫療法剤とし てin vivo 投与する。抗原パルスとその後のin vivo 投与のために、単離したD Cの数を増やそうとする場合は、抗原とのインキュベーションに先立って単離細 胞の数を増加させる。GM-CSFと腫瘍壊死因子αはヒト造血前駆細胞のDCへの分 化を誘導することがわかっている (Cauxら,1992,Nature 360: 258)。こうして 、単離したDCは培養下にこのようなサイトカインで処理することにより増やす ことができる。 抗原パルス化DCによる免疫感作は、応答の強さと特異性の両方を高めること ができる。こうした免疫感作を数日間または数週間の間隔で繰り返すことが好ま しいかもしれない。DCのAPCとしての効力は応答を増強するための慣用アジ ュバントの使用の必要性を少なくするが、免疫反応をさらに高めるためのアジュ バントの使用を排除するものではない。さらに、抗原パルス化DCは、in vivo でそれらの数および活性を長期間維持できるサイトカインとともに投与してもよ い。この種のサイトカインにはGM-CSFなどのコロニー刺激因子およびIL-12 など のインターロイキンが含まれる。 抗原パルス化DCは、T細胞の増殖、T細胞の細胞障害性、抗体生産または抗 原陽性細胞または組織の数の減少を測定するアッセイで検出したとき免疫応答を 引き出すのに十分な濃度で、公知の生理食塩水中に浮遊させる。患者には通常、 単離して抗原でパルスしたDCの総数を投与する。それぞれの単離法後のDCの 収量に応じて、数百万から数億個のDCを患者に注入し得る。細胞はオートロガ ス(autologous)患者に、HLA適合の同種患者に、またはHLA不適合の同種患 者にさえも注入することができる。 6.実施例: 自己由来免疫グロブリンイディオタイプでパルスした ヒト樹状細胞により誘導されたB細胞リンパ腫の退縮 6.1. 材料および方法 6.1.1. 細胞の分離 ヒトDCは白血球搬出後のリンパ腫患者のバフィーコートから得た。PBMLは“ FICOLL HYPAQUE”勾配遠心により単離した(Boyum,1968,J.Clin.Lab.Invest : 21:21-29)。簡単に述べると、バフィーコートをCa2+やMg2+などの2価イオン を含まないDulbecco's PBS(DPBSという)で10mlに希釈した。10mlの“FICOLL” を各チューブの底に穏やかに入れ、室温にて1000×g、35分遠心した。界面を集 め、DPBSで3回洗った。 残存する単核細胞画分から各種の細胞集団をさらに分離するため、調製物を4 層不連続“PERCOLL”勾配(30%,40%,50.5% および 75%)(Pharmacia,Uppsala ,Sweden)でさらに分画化した(Markowicz and Engleman,1990,J.Clin.Inves t.85:955)。もとの“PERCOLL”密度は1.130g/ml DPBSで調製し、50.5%“PERCOL L”溶液15mlを調製し、円錐形のポリプロピレンチューブ中で揺すって“PERCOLL ”溶液の表面に泡を発生させた。このチューブの底に約6.5ml の75%“PERCOLL” を徐々に入れ、次にゆっくり回転させたチューブの壁面に沿って滴下して3〜3. 5ml の40%“PERCOLL”を重層し、次に同様にして2.5ml の30%“PERCOLL”を重層 した。約4時間以内に使用するように勾配を氷上で保持した。 5%ヒト血清を補給したDPBS 5〜10ml中の2.5〜3×108個のPBMLを4層不連続“ PERCOLL”勾配上に載せた。細胞を4℃で1000×g、20〜25分遠心した。“PERCOL L”50.5% 層上の界面からLD細胞(単球)を集め、一方、リンパ球とDCは75% 層と50.5% 層の界面から集めた。集めた細胞画分を少なくとも3倍容量のDPBS で希釈し、4℃で1000×g、12分遠心した。5%ヒト血清を補給したDPBSを 用いて2回、4℃で400 ×g、5〜6分の遠心により細胞を洗った。 次に、HD細胞(10% のプールしたヒト血清を含むRPMI 50ml につき3〜7× 108個)をテフロン容器内で37℃にて一夜培養した。その後、培養細胞を10mlの1 5.5%(wt/vol)“METRIZAMIDE”(Sigma Chemical Co.)の上に載せ、室温で650 ×g 、10分遠心することにより、“METRIZAMIDE”(15.5%)の勾配遠心にかけた。こ の画分から、ヒトIgG 被覆ペトリ皿上での約20分間の固相吸着法により、混入し ている単球をさらに除いた。IgG はヒトでの静脈内使用について試験して承認を 受けた市販の製剤であった。次に、2回目の“METRIZAMIDE”勾配(14%)にかけて DCを富化させた。1回目の“METRIZAMIDE”勾配から得られたHD細胞はαβ およびγδ−T細胞、B細胞およびNK細胞の混合物からなるものだった。この 方法を用いて得られたDCの純度は60〜90% であった。 また、DCは一夜培養後に“NYCOPREP 1.068”不連続勾配(Nycomed Pharma AS ,Oslo,Norway)による遠心にかけて富化させることもできる。約2.5 ×108個の 細胞を85% DPBS、10% ヒト血清および5% EDTA からなる溶液 15 〜20ml中に浮遊 させた。この下に順次 50%ヒト血清、10% EDTAおよび10% DPBSの溶液4〜5ml、 次に75%“NYCOPREP 1.068”、24% DPBSおよび1% ヒト血清の溶液4ml、続いて10 0%“NYCOPREP 1.068”8mlを入れた。細胞は室温で400 ×g、13分遠心した。界 面とペレットを集め、10% ヒト血清を含むDPBS少なくとも3倍容量で希釈し、20 ℃で800 ×g、12分遠心した。細胞を室温にてRPMI中の10% ヒト血清で2回洗っ た。DCは全細胞集団の30〜40% を占めていた。しかし、これらの細胞を“NYCO PREP”遠心にもう1回かけることによりさらに富化させることができ、80〜90% DCのLD画分を得ることができた。これとは別に、最初の“NYCOPREP”段階の 後のLD細胞を負の選択に付すため抗体被覆ペトリ皿とインキュベートすること により、CD3+、CD14+、CD16+およびCD20+細胞を除くことができ た。非付着細胞集団も80〜90% のDCを含んでいた。しかし、白血球マーカーに 対する抗体の形の異種タンパク質の使用を避けるために、密度勾配遠心が好適で あった。ここに記載した方法はどれも400 〜500ml の全血から1〜2.5 ×106個 の収量の細胞をもたらすことができた。 それぞれのDC富化段階後のDCの純度は、フルオレセインに結合させた抗 HLA-DR(抗 MHCクラスII)抗体(CA141)とフィコエリトリンに結合させた抗CD14 (抗単球)で染色することにより測定した。全細胞集団のフルオログラフィー分 析は蛍光活性化セルソーターで評価した。HLA-DR+でCD14-の細胞がDC集団に相 当した。 6.1.2. 腫瘍免疫グロブリンイディオタイプの生産 全ての患者は組織病理学的に非ホジキンのリンパ腫であると診断された。腫瘍 の免疫表現型研究から、それらはB細胞由来のものであり、単一タイプのパター ンでH鎖とL鎖からなる免疫グロブリン分子を表面に発現していることがわかっ た。低グレードのB細胞リンパ腫を有し、しかも骨髄移植をするのに適格でない 患者が選ばれた。全患者の臨床疾患を評価するために用いたベースライン研究は 完全な理学的検査、胸部X線撮影、日常的な血球算定および化学試験、腹部およ び骨盤のCTスキャンを含み、二足性リンパ管造影は行っても行わなくてもよく 、これらは全てリンパ腫患者のルーチンの臨床ケアの一部であった。ベースライ ンで用いられる客観的手法にしたがってこの研究の間に全てが再ステージング(r e-staging)を受けた。 精製後に抗原として使用するための免疫グロブリンをB細胞リンパ腫に分泌さ せるために、腫瘍バイオプシー検体から得られた細胞浮遊液をリン酸緩衝溶液(P BS)で洗い、HAT 感受性ヘテロハイブリドーマB5/K6H6(B5)と1:4または1:5 (融合相手:腫瘍細胞)の比率で混合した。B5はNS-1マウスミエローマ融合相 手とヒトリンパ腫細胞との融合により作製されたヘテロハイブリドーマである。 B5クローンは免疫グロブリンを自然分泌する能力を失っている。ヒトB細胞と 融合したとき免疫グロブリン分泌能を保持しているサブクローンを同定した。こ のサブクローンは、HAT 培地で生き残れないようにドラッグマーク(drug-mark) された。Carroll らの研究(1986,J.Immunol.Methods 89:61)は、B5が非分 泌性ヒトB細胞腫瘍からイディオタイプ分泌を救済するための有効な融合相手で あることを示す。マウス免疫グロブリンがB5またはそれから誘導されたハイブ リドーマによって生産されることはない。 腫瘍細胞と融合相手細胞との混合物をハンクス平衡塩溶液(HBSS)中で2回洗っ た。上清を吸引し、細胞ペレットを40% ポリエチレングリコール(PEG)に2分間 さらした。PEG にHBSSを加えて徐々に希釈し、細胞を遠心した。次に、細胞を完 全培地(RPMI培地、10% ウシ胎児血清、グルタミン 4mM)中に再浮遊させて2× 106個/mlの密度とし、その後0.1ml をマイクロタイタープレートのウェルに加 えた。細胞をPEG 融合から回収した24時間後、培地をHAT 培地(ヒポキサンチン 10-4M、チミジン 1.6×10-3M およびアミノプテリン 4×10-5M を添加した完全 培地)に変えることにより救済融合体の選択を開始させた。細胞を含むマイクロ タイタープレートを37℃の湿潤5% CO2/空気インキュベーターに入れて10〜20日 間インキュベートした。上清をウェルから除き、細胞にアミノプテリンを含まな い上記の培地(HT培地)を供給した。 ELISA アッセイを用いて、マイクロタイタープレートのどのウェルが救済され た腫瘍免疫グロブリンを分泌しているハイブリドーマを含んでいるのかを調べた 。細胞融合に使用した腫瘍バイオプシー検体は、単−L鎖型(κまたはλ)を発 現する悪性細胞を多量に含んでいた。その腫瘍検体の既知の免疫表現型に対応す るHおよびL鎖型を有する免疫グロブリンを分泌するウェルを選択し、増やした 。 ヤギ抗ヒト免疫グロブリンH鎖特異的試薬を0.05M 重炭酸ナトリウム緩衝液(p H9.5)で希釈した。96ウェルのマイクロタイタープレートにこの抗体を50μl/ウ ェルの容量で被覆した。プレートを4℃で一夜インキュベートした。その後プレ ートを0.05% トリトンX含有生理食塩水(洗浄緩衝液)で5回洗った。このウェ ルを5%脱脂乳/PBSとともに1時間インキュベートし、次に洗浄緩衝液で5回洗っ て非特異的結合をブロックした。ハイブリドーマ上清を加え(50μl/ウェル)、 室温で1時間インキュベートした。プレートを再度洗い、ヤギ抗ヒト免疫グロブ リンL鎖特異的試薬に結合させた西洋ワサビペルオキシダーゼを50μl/ウェルで 加えて発色させた。プレートを室温で60分インキュベートした。抗体の反応性は 添加したABTS基質により判定され、マイクロタイタープレートリーダーを用いて 405nm で光学濃度を読み取った。 ハイブリドーマが生育したときは、上記のELISA を使って免疫グロブリン含量 について上清を試験した。上清の希釈液を、患者の腫瘍上に発現されたものと同 一のイソタイプの精製ヒト免疫グロブリンを用いて作成した標準曲線と比較した 。 クローニングおよびリンパ腫と救済融合体の両方からの可変部遺伝子のDNA配 列の比較により、イディオタイプタンパク質が患者のリンパ腫から誘導されるこ とを確認した。絶えず2μg/mlよりも多く産生するハイブリドーマを大容量(200 0 〜5000ml)へと増やした。培地が完全に消費されるまで細胞密度を増加させた 後、上清を回収してプールした。 救済された腫瘍イディオタイプタンパク質はアフィニティークロマトグラフィ ーを使って上清から精製した。IgM クラスの場合は、マウスモノクローナル抗ヒ トIgM H鎖特異的抗体を臭化シアン活性化セファロースB4または同等の固相マト リックスに2〜6mg/ml の膨潤ビーズ(免疫吸着剤)の濃度で結合させた。IgA クラスの救済された腫瘍イディオタイプは固相マトリックスに同様に結合させた ヤギまたはウサギ抗ヒトIgA 特異的抗体からなる免疫吸着カラムを使って精製し た。IgG クラスのイディオタイプは固相に結合させたプロテインAのカラムを使 って精製した。イディオタイプ含有上清は免疫吸着カラムを重力流動させた。吸 着後、カラムを200ml の生理食塩水で洗って未結合タンパク質を除いた。イディ オタイプは0.1Mグリシン-HCl緩衝液(pH2.4)で溶出するので、280nm での吸収を 用いてタンパク質溶出液をモニターした。タンパク質ピークを集め、ELISA 法ま たは280nm での吸収により免疫グロブリンレベルを測定した。タンパク質の純度 はSDS-PAGEで測定した。 6.1.3. 抗原の調製 キーホールリンペットヘモシアニン Megathura crenulata(KLH)はCalbiochem ,San Diego,California(Cat.#374805)から入手した。BES 緩衝液および硫酸 マグネシウム中にタンパク質を60% 以上含む形でKLH を供給した。販売者によっ て測定されたタンパク質の純度は90% を越えていた。 使用に先立って、KLH を生理食塩水に対して十分に透析し、その後PBS pH7.4 でデトキシゲル(detoxigel)カラム(Pierce Chemical Company,Rockford,Illi nois,Cat.#20339)を通過させるか、または25mMトリス-HCl pH8.0を用いてQAE Zeta Prep 15ディスク(LKBm,Broma,Sweden,Cat.#224-202)を通過させた 。塩化ナトリウムの勾配を用いてカラムに付着した内毒素を除いた。KLH を カラムに繰り返しかけたところ、内毒素が許容できるレベルに減少した。リムル ス変形細胞分解産物(limulus amoebocyte lysate: LAL)アッセイを用いて内毒 素レベルをモニターした。 次に、精製したイディオタイプ特異的タンパク質とKLH を無菌の生理食塩水に 対して十分に透析した。それぞれの生成物を濃縮または希釈して塩化ナトリウム 中1mg/ml の最終濃度を得た。その後、0.45μm フィルターを通してタンパク質 を滅菌濾過した。最終濃度は280nm での吸収を測定するか、最終生成物の少量の 消費してよいアリコートでELISA を行うことにより測定した。最終生成物は層流 フードのもとで無菌の容器に無菌充填した。バイアルを凍結し、必要になるまで -20 ℃で貯蔵した。最終生成物の無菌性は臨床実験室で行われる標準5日細菌培 養により確認した。 6.1.4. 抗原による樹状細胞のパルス化 富化したDCは約 100万個/mlの濃度でRPMI培地中に再浮遊させた。24ウェル プレートで500 万個ずつの2つの独立した培養物にDCを分割した。次に、各組 のDCを、50μg/mlの濃度の無菌精製イディオタイプ免疫グロブリンタンパク質 またはKLH のいずれかと、37℃の湿潤5% CO2インキュベーター内で4〜5時間ま たは一夜培養した。 6.1.5. 抗原パルス化樹状細胞の注入 イディオタイプタンパク質かKLH のいずれかでパルスしたDCを、パイロジェ ンフリーの注射級生理食塩水で3回洗い、静脈注射投与バッグ中で100ml の容量 に再懸濁した。それぞれの注入につき、患者は自分自身の血液から単離されたD Cを全部受け取った。単離ごとに異なる数のDCが得られたので、各細胞注入液 は5×106から100 ×I06個の抗原パルス化DCを含んでいた。患者にアセトアミ ノフェンとジフェンヒドラミンを前投薬し、末梢静脈内ラインまたは(入手可能 であれば)中心カテーテルから30〜60分かけてDCを注入した。注入前と注入中 に生命徴候を連続的にモニターした。すべての治療は医師によりモニターされ、 念入りに管理された。患者は同様に調製した抗原パルス化DCを4回まで受け取 った。 この処置に対する全身反応を注意深く観察した。全身反応として体温、血圧、 および気管支痙攣、脈管炎および/または免疫複合体の形成の徴候を調べた。自 己由来の細胞を使用する場合はアナフィラキシーの危険がきわめて低かった。 6.1.6. イディオタイプ特異的増殖応答のアッセイ 増殖反応アッセイは Chainらの技法(1987,J.Immunol.Methods 99:221)を 改良したものであった。“FICOLL-HYPAQUE”勾配遠心で調製した新鮮なPBMLを洗 い、1%ヒトAB血清を加えたIscove's改良Dulbecco's培地(IMDM)(IMDM-1% AB)にウ ェルにつき4×105個の濃度でまいた。IMDM-1% AB調製物中の0から100 μg/ml の濃度のKLH または自己由来免疫グロブリンイディオタイプを4反復実験で加え た。3日後、細胞を分割し、5% FCSと30単位/ml のIL-2を含むIMDMを与えた。5% CO2を含む雰囲気中37℃で合計5日間インキュベートした後、細胞を3H標識チミ ジン(1μCi/ウェル)で16〜20時間パルスした。データは[3H]チミジン取込みの 毎分カウント数からバックグラウンドを差し引いた値の平均として表される。 6.1.7. 抗イディオタイプ抗体のアッセイ マイクロタイタープレートにイディオタイプタンパク質か同じイソタイプの他 の免疫グロブリンのパネルを被覆した。患者の血清を段階的に希釈した。陰性対 照として予備処理サンプルを用いた。患者血清中の抗体の、患者のイディオタイ プを含む免疫グロブリンの試験パネルへの結合は、患者のイディオタイプと反対 のL鎖に特異的なヤギ抗ヒトL鎖-HRP抗体により、または患者のイディオタイプ と反応しなかった抗ヒトH鎖イソタイプ特異的-HRP抗体の混合物により検出した 。 6.2. 実施例 臨床研究に登録された3人の患者のうち、1人は免疫グロブリンパルス化DC の4回の注入を完了した。この患者は胸部と腹部のX線断層撮影で容易に認めら れる腫瘍塊により活動性の疾患が明らかになったため、この研究に参加した。イ ンフォームド・コンセント(説明と同意)のあとで、患者はスタンフォード大学 血液センターで4週おきに3回、白血球搬出(leukapheresis)を受けた。各白血 球搬出後にDCを単離し、等分のアリコート(5×107個の細胞)をKLH または 患者自身の腫瘍から単離した免疫グロブリンイディオタイプとともに一夜培養し た。抗原パルス化DCを十分に洗って遊離の免疫グロブリンを除き、等張食塩水 中に懸濁し、静脈内注入した。それぞれの注入の2週間後、患者にブーストとし て無菌生理食塩水中の可溶性イディオタイプタンパク質 0.5mgを皮下投与し、別 の皮下部位に無菌KLH の別個の 0.5mgブーストを投与した。細胞注入とブースト は十分に耐えられるものであり、それぞれの注入の2週間後に、末梢血から単離 した新鮮なリンパ球を段階的用量のKLH またはイディオタイプでin vitroでチャ レンジし、それらの増殖反応活性をアッセイした。 DC注入以前には、患者はKLH にも免疫グロブリンイディオタイプにも応答し なかった。しかし、DC注入後は患者のリンパ球がKLH とイディオタイプの両方 に応答して増殖した。図1に示すとおり、抗原パルス化DCの注入前にはこれら の抗原に対する応答はほとんどまたは全くなかったが、初回の注入後には有意な 増殖応答が見られ、3回目の注入後にはその応答が増強された。さらに、患者は 患者自身の腫瘍に由来するイディオタイプタンパク質と反応する抗イディオタイ プ抗体を血清中に産生していた。最も重要なことは、DC注入前には1年以上も の間増え続けていた患者の腫瘍量が、抗原パルス化DCの3回目の注入後に測定 したとき50% 以上消失し、4回目の処置後にはほぼ100%消失したことである(図 2A〜2D)。 これらの結果は、DCを単離し、それらを腫瘍抗原でパルスし、該細胞をオー トロガス患者に間隔をおいて繰り返し注入することの実施可能性と安全性を示す ものである。それらはさらに、このような注入が臨床的に重要な免疫応答を引き 出すことと関連していることを示唆している。 本発明は、本発明の個々の面を例示する特定の実施態様によってその範囲を制 限されるものではない。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明のさま ざまな改変が前記の説明および添付図面から当業者には明らかになるだろう。こ のような改変も請求の範囲に含まれるものとする。 本明細書に引用した刊行物はすべてその全体を参考としてここに組み入れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レヴィー,ロナルド アメリカ合衆国 94305 カリフォルニア 州 スタンフォード,メアーズ コート 966番地 (72)発明者 スー,フランク アメリカ合衆国 94303 カリフォルニア 州 パロ アルト,ロマ ヴェルデ アベ ニュー 761エイ番地 (72)発明者 ベニケ,クローディア アメリカ合衆国 94536 カリフォルニア 州 フレモント,ローレン ドライブ 4388番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)ヒト樹状細胞を単離し、 (b)該細胞を抗原でパルスし、そして (c)抗原でパルスした細胞をヒト患者に投与する、 ことを含んでなる、抗原に対するヒト患者の免疫応答を活性化する方法。 2.樹状細胞をヒト末梢血から単離する、請求項1に記載の方法。 3.免疫応答がT細胞により仲介される、請求項1に記載の方法。 4.免疫応答がB細胞またはそれらの分泌抗体により仲介される、請求項1に記 載の方法。 5.抗原が腫瘍細胞により産生される、請求項1に記載の方法。 6.抗原がB細胞の腫瘍細胞により産生される、請求項5に記載の方法。 7.抗原が免疫グロブリンである、請求項6に記載の方法。 8.抗原が全微生物である、請求項1に記載の方法。 9.抗原がウイルスである、請求項1に記載の方法。 10.抗原がポリペプチドである、請求項1に記載の方法。 11.抗原がペプチドである、請求項1に記載の方法。 12.in vitroで抗原によりパルスされた単離ヒト樹状細胞を含んでなる医薬組成 物。 13.樹状細胞がヒト末梢血から単離されたものである、請求項12に記載の医薬組 成物。 14.抗原が腫瘍細胞により産生される、請求項12に記載の医薬組成物。 15.抗原がB細胞の腫瘍細胞により産生される、請求項14に記載の医薬組成物。 16.抗原が免疫グロブリンである、請求項15に記載の医薬組成物。 17.抗原が微生物である、請求項12に記載の医薬組成物。 18.抗原がウイルスである、請求項12に記載の医薬組成物。 19.抗原がポリペプチドである、請求項12に記載の医薬組成物。 20.抗原がペプチドである、請求項12に記載の医薬組成物。
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