JPH10502034A - 自転車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自転車フレーム、クランクシャフト、クランクおよびペダルからなる自転車であって、自転車は、クランクシャフトの１回の全回転中に、完全に外側の位置と完全に内側の位置との間で、単一の、行き来する並進をペダルに行わせる装置を含む。ペダルを動かしている間、自転車が人間の脚の自然な動きによりよく適合されているので、この自転車は、人間工学的な改善を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 自転車 本発明は、自転車フレーム、クランクシャフト、クランクおよびペダルからな る自転車に関する。そのような自転車は一般に知られており、例えば競争用自転 車、マウンテンバイク、全地形車（ＡＴＢ）および普通の男性用および女性用自 転車である。自転車は、人々を運ぶ手段として知られており、またしばしば気晴 らしの機能を果たす。自転車は人間の力で運転され、人の能力には限りがあるの で、自転車で行くことができる距離および達することができる速度は限りがある 。 自転車がより長い距離を行く、または速度を増加させることに、大きな要求が ある。このことは、人々が、自転車の運転中に、より少ない重量およびより少な い摩擦抵抗を持つ自転車を得るために費やす大きな努力によって反映されている 。 本発明は、より長い距離を行くための、または速度をさらに増加させるための 自転車を提供することを目的とする。 驚くべきことに、この目標が達成された。というのは、本発明の自転車は、ク ランクシャフトの１つの全回転内で、完全に外側の位置から完全に内側の位置へ 、またその逆に、単一の行き来する並進運動で、ペダルを動かすための手段 を含むからである。このようにして、この自転車は、自転車のペダルを動かす間 、人間の脚によって作られる自然な動きに適合されるので、この自転車は公知の 自転車に比べてより人間工学的である。したがって、あまり疲れない、もしくは 公知の自転車に乗るのに比べて疲れ方が少なくさえあるのに、自転車でより長い 距離を行く、より高い速度に達する、またはその両方を達成することさえ可能で ある。本発明の自転車のさらなる利点は、自転車に乗る人が、脚の関節のより少 ない摩耗を経験することである。なお、さらなる利点は、自転車に乗る人が、そ の尻に関して、より不満が少ないことである。というのは、公知の自転車に比べ て、その尻に対する剪断力がより少ないからである。 自転車フレームは一般に、パイプ系から成る。パイプの中央線は面を形成し、 これは自転車フレームのフェイス(face)と呼ばれる。クランクシャフトの完全な １回転ごとのペダルの行き来する並進は、ペダルが連続して自転車の外側に向か って動き、外側に達し、自転車の内側に向かって動き、そして内側に達すること を意味する。自転車の外側に向かう並進は、ペダルを自転車フレームのフェイス からさらに離して動かすところの並進である。自転車の内側に向かう並進は、自 転車の外側に向かう並進と反対の並進である。 装置は好ましくは、ペダルに、自転車フレームのフェイスに垂直な線に沿って 行き来する並進を行わせる。装置がペダルに並進運動を行わせるやり方は、多く のやり方で、 ペダルの位置および方向に依存し得る。装置は、例えばペダルが座席に向かって 動いている間、自転車の外側へ向かう並進を実施し、かつ、ペダルが座席からさ らに遠く離れて動く間、自転車の内側へ向かう並進を実施することができる。ペ ダルが座席からさらに遠く離れて動く間、自転車の外側へ向かう並進が行われ、 ペダルが座席に近付いて動く間、内側へ向かう並進が行われる等のことがまた可 能である。どの並進のやり方が最良の結果をもたらすかは、人に依存する。ペダ ルを動かすのに最適のやり方は、試験することによって決定され得る。例えば、 人を自転車に乗せ、同時にその人により生み出されるエネルギーを測定すること によって決定される。例えば、脚、膝の関節および骨盤の位置にすべて依存する 。 装置は好ましくは、ペダルが自転車の座席からさらに遠く離れて動くときに主 に、完全に内側から完全に外側への並進をペダルに行わせる。好ましい状況では 、ペダルが自転車の座席からさらに遠く離れて動く間、完全に内側の位置から完 全に外側の位置への並進の少なくとも６０％が行われ、より好ましくは少なくと も８０％、さらに好ましくは少なくとも９０％である。このようにして、大多数 の人について、特に専門の自転車乗りについて、非常に良い結果が達成される。 ペダルが自転車の座席から最も遠く離れた位置にある瞬間に、ペダルが完全に 外側の位置に達するならば、より良い結果が達成される。この位置においては、 自転車に乗っ ている人の脚は、クランクシャフトの回転中に達することのできる最も引き伸ば された位置にある。 装置は好ましくは、いかなる突然の速度変化もなしに、滑らかな動きで、ペダ ルに行き来する並進を行わせる。行き来する並進が調和された振動として行われ るときに良い結果が達成される。 良い結果が達成されるところの、ペダルの完全に内側の位置と完全に外側の位 置との間の距離は、特に自転車の大きさおよび自転車に乗る人の体格例えば脚の 長さおよび股関節間の距離に依存する。好ましくは、ペダルの内側の位置と外側 の位置との間の距離は、３〜４０ｍｍである。これにより、平均的体格を持つ人 は良い結果を達成できる。ペダルの内側の位置と外側の位置との間の距離は、よ り好ましくは４〜２０ｍｍであり、さらに好ましくは５〜１５ｍｍである。 クランクシャフトの全回転ごとに、行き来する並進をペダルにさせる装置は、 機械工学の中ではよく知られている。装置が、クランクシャフトの回転もしくは ペダルシャフトの回りのペダルボディの回転を、行き来する並進に移すために、 らせん状の接合部(screwed connection)または偏心器(eccentric)からできてい るならば、良い結果が得られる。 本発明はまた、ペダルに、行き来する並進を与えるための装置を含むペダルに 関する。そのようなペダルの利点は、それらを、既存の自転車に容易に取り付け ることができる ことである。 本発明はまた、ペダルに、行き来する並進を与えるための装置を有するクラン クシャフトに関する。そのようなクランクシャフトの利点は、丈夫なクランクシ ャフトとして作られることができ、その結果、クランクシャフトの磨耗がより少 なくなること、およびそのようなクランクシャフトを有する自転車の信頼性がよ り大きいことである。 このクランクシャフトの別の利点は、ペダルに、行き来する並進を与えるのに 必要とされる装置が、クランクシャフト、クランクおよびペダルからできている 構造からの慣性力に少しの増加しか与えないことである。これによって、人がよ り疲れることなく、自転車でより長い距離が達成できる。 本発明を、幾つかの図を用いてさらに説明するが、これは、限定としてみなさ れるべきではない。 図１は、本発明の自転車の概略を示す。 図２および３は、行き来する並進をペダルに与えるための本発明の装置を有す るペダルを示す。この装置は、カムとカムのための溝とからできている。このペ ダルは、完全に外側の位置にある。 図４は、図３からのペダルを示す。このペダルは今、完全に内側の位置にある 。 図１は、フレーム１、クランクシャフト２、クランク３ａおよび３ｂおよびペ ダル４ａおよび４ｂから成る、本発明の自転車の概略正面図を示す。Ａ−Ａは、 自転車フレー ムのフェイスである。ペダル４ａは完全に外側の位置にあり、また座席から最も 遠く離れている。ペダル４ｂは完全に内側の位置にあり、また座席に最も近い。 自転車に乗っている人の足は、図の面に垂直なペダルの面Ｂにある。 図２は、ペダルシャフト１およびペダルボディ２を有する、本発明のペダルの 側面図を示す。自転車に乗っている人の足は、図に垂直な面Ｂにある。 図３は、ペダルシャフト１およびペダルボディ２を有する、図２からのＡ−Ａ で見たペダルを示す。自転車に乗っている人の足は、ペダルボディの面Ｂにある 。ペダルシャフトはカム４を受け入れるための溝３を含み、カム４はペダルボデ ィと固く結合している。自転車に乗っている間、ペダルは、クランクシャフトの 完全な１回転当たり、ペダルシャフトのまわりで完全な１回転を行い、ここで、 ペダルシャフトにおける溝とカムの作用は、ペダルに、行き来する並進を行わせ る。ペダルは、クランクに対して任意の所望の位置でペダルを固定するためのナ ット５を含む。これによって、任意の所望の瞬間に、ペダルが、完全に外側の位 置および完全に内側の位置に達するやり方で、ペダルがクランクに対して配置さ れ得る。 自転車に乗る人の足がペダルの面Ｂにあり、そのときのみ、ペダルが、クラン クシャフトの回転中に所望の位相で、行き来する並進を行うことが重要である。 競争用自転車のペダルは普通、自転車に乗る人の足をペダルの面Ｂに固定する ための装置を含む。面Ｂの反対側の 面で、ペダルをより重くすることがまた可能であり、よって、ペダルは常に、重 力によって所望の位置にある。このことの利点は、そのようなペダルは、普通の 女性用または男性用の自転車において容易に使用できることであり、そうすれば 、足をペダル面に固定する装置は普通存在しない。 図２および３にかかるペダルの利点は、行き来する並進をさせる装置がペダル の中に含まれることであり、このことは、装置が汚れることを防ぎ、容易に潤滑 剤を差すことができ、かつ自転車に乗る人をじゃましない。 図４は、完全に外側から完全に内側の位置まで１０ｍｍの距離に亘って動いた 、図１からのペダルを示す。ペダルボディが、ペダルシャフトに固定された１以 上のカムを受け入れるための溝を含むことがまた可能である。さらに、クランク シャフトが、溝と１以上のカムを有する同様の系を含むことがまた可能であり、 ここでは、クランクシャフトが溝を含み、カムは、フレームのクランクシャフト ボディと固定結合されている。クランクシャフトがこの装置を含むならば、足は 、ペダルの任意の側に対して置くことができる。というのは、所望の位相での行 き来する並進が、足の位置と無関係に、クランクシャフトの回転によってなされ るからである。 実施例によって本発明をさらに記載するが、限定とみなされるべきではない。 比較例Ａおよび実施例１ フィンランドのツンツリ(Tunturi)社により提供された、ツンツリ（商標）プ ロ エルゴ レーサー エルゴメーター(Pro Ergo Racerer gometer)によって、 約１８才の、皆訓練された自転車乗りである４人について、最大試験(maximum t est)を行った。最大試験中、１５０ワットの開始の力を、３５０ワットの最大ま で、５０ワットの段階で３分３０秒ごとに増加させた。被検者いずれについても 、連続Ｈｆ‐記載（心臓脈搏数の記載）をし、かつ毎段階後、１０マイクロリッ トルの血液を被検者から採取して光度計で乳酸塩の量を測定した。その後、被検 者がその人の最大力に達するまで、再び力を３０分３０秒ごとに５０ワットずつ 増加させた。 比較例Ａにおいては、エルゴメーターは、公知の普通のペダルを備えていたの で、ペダルは行き来する並進を行わない。実施例１では、エルゴメーターは、図 ２および３に示した本発明のペダルを備えていた。完全に内側と完全に外側の位 置の間の距離は１０ｍｍであった。ペダルが座席から最も遠く離れているとき、 ペダルは完全に外側の位置に達した。ペダルが座席に最も近いとき、完全に内側 の位置に達せられた。４人の被検者の結果の平均値を表１および２に示した。 結果は、本発明の（実施例１の）ペダルを使用すると、公知のペダルの使用に 比べて、より低い心臓脈搏数および血中のより少ない乳酸塩量をもたらすことを 示す。このことは、本発明のペダルの使用により、被検者がより疲れにくいこと を意味する。 この結果は、本発明のペダルの使用により、被検者がより高い最大力に達した ことを示す。このことは、例えば、本発明のペダルを使用すると、人はより高い 速度に達することができることを意味する。最大試験の結果は、例えば、自転車 乗りが、インドア トラック レース、持久力、トライアスロンおよびＡＴＢ中 、およびクロスカントリーレースがあるとき、その人の最大能力に近付くか、ま たはそれに完全に達するところのスポーツのためこの自転車が、非常に有用であ ることをまた示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＥＥ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ， ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＧ，Ｓ Ｉ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 クパース，レオナルダス，ロレンティア ス，ヨハネス オランダ国，6105 シーエー マリアフー プ，ディールガールデストラート ツイド ５Ａ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．自転車フレーム、クランクシャフト、クランクおよびペダルを含む自転車に おいて、自転車が、クランクシャフトの完全な１回転中に、完全に内側の位置と 完全に外側の位置との間で、単一の、行き来する並進運動をペダルに行わせるた めの装置を含むことを特徴とする自転車。 ２．ペダルが座席からより遠くへ離れて動くとき、装置が、主としてまたは完全 に、完全に内側の位置から完全に外側の位置へ、各ペダルを並進させる請求項１ 記載の自転車。 ３．ペダルが座席から最も遠く離れた瞬間、各ペダルが完全に外側の位置に達す る請求項２記載の自転車。 ４．ペダルが座席に最も近付く瞬間、各ペダルが完全に内側の位置に達する請求 項２または３記載の自転車。 ５．ペダルの完全に外側の位置と完全に内側の位置との間の距離が３〜４０ｍｍ の長さである請求項１〜４のいずれか１項記載の自転車。 ６．前記距離が５〜１５ｍｍの長さである請求項５記載の自転車。 ７．装置が、クランクシャフトの回転もしくはペダルシャフトの回りのペダルボ ディの回転を行き来する並進に移す、スクリュー状の接合部または偏心器からで きている請求項１〜６のいずれか１項記載の自転車。 ８．ペダルに、請求項１〜７のいずれか１項記載の自転車におけるような、行き 来する並進を行わせる装置を含むことを特徴とするペダル。 ９．請求項１〜７のいずれか１項記載の自転車におけるように、ペダルを行き来 する並進で動かすための装置を含むことを特徴とするクランクシャフト。 10．装置が、少なくとも１つのカムを受け入れるためのペダルシャフト中の溝か らできており、カムはペダルボディと固定接合を有する請求項８記載のペダル。