JPH10500410A - フリーラジカル薬物の製造用のセレンコンジュゲート - Google Patents

フリーラジカル薬物の製造用のセレンコンジュゲート

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JPH10500410A JP7529805A JP52980595A JPH10500410A JP H10500410 A JPH10500410 A JP H10500410A JP 7529805 A JP7529805 A JP 7529805A JP 52980595 A JP52980595 A JP 52980595A JP H10500410 A JPH10500410 A JP H10500410A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeSeR’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、アルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール性反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム化合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合を形成できる構造を有し、且つ標的部位に特異的に結合する能力を有する担体に共有結合させて、セレニウム−担体複合体を製造することよりなる、セレニウム−担体複合体の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 フリーラジカル薬物の製造用のセレンコンジュゲート 発明の分野 本発明はセレン化合物に関し、より詳しくは、官能性及び部位指向性(site-di rected)の分子及びデバイスに共有結合したときに、チオールの存在下で超酸化 物及び他の反応性化合物を生じるセレン化合物に関する。発明の背景の説明 セレンはあらゆる既知物質の中で最も有害な物質の1種である。馬におけるそ の中毒症状はマルコポーロによって恐らく中国のシルクロードを旅行したときに 記載されている。1920年代に、合衆国の中西部では家畜類の死亡がひどかっ た。家畜類のこの死亡はサウスダコタにある合衆国農務省試験場で研究された。 1934年に、この試験場によって家畜類の死亡の原因がセレン元素であると突 き止められた、セレン元素はある一定の土壌に多く含まれ、Astragalu s(ソラマメ属)、Xylorhisa(ウッディアスター属)、Conops is(アキノキリンソウ属)及びStanleya(Prince’s Plu me)の数種からの植物に二次的に多く含まれる。上記その他のセレン含有植物 を家畜類が摂取することはしばしば致命的であると実証された。 1934年と1988年における家畜類のセレン中毒発見の間の期間を通して 、セレン化合物の全てではないとしても多くの化合物が毒性である機構を説明す るために多くの仮説が発表された。セレン中毒についてのこれらの理論のいずれ もセレンが何故毒性であるかを完全に説明することに満足であるとは実証されて いない。1989年に、Seko Y.E.,Saito.Kitahare, J.及びImura,N.,“セレナイトと還元されたグルタチオンとのin vitroでの反応による活性酸素発生”,セレンと薬剤とに関する第4回国際 シンポジウムの要約集(Wendel,A.編集),70〜73頁,Sprin ger−Verlag,ドイツ,ハイデルブルグ(1989)は、セレナイト( SeO3),セレンの無機形がチオール、グルタチオンと反応して、超酸化物( O2 -) を生じることを報告している。超酸化物は既知の毒物であるので、このことは、 有害である全てのセレン化合物が超酸化物を発生するのではないかという可能性 を提起した。多くのセレン化合物の試験によって、SeO3と二酸化セレン(S eO2)とは、例えばグルタチオン、システイン(CysSH)とジチオトレイ トール D(SH)2のような、チオールと共に存在する場合にO2 -と過酸化水 素(H22)とを発生しうることが発見された。さらに、試験された組成RSe SeRの全てのジセレニドが上記チオールのいずれかと共に存在する場合にO2 - とH22とを同様に発生することが発見された。 1947年に、Feigl,F.とWest,P.W.,“触媒効果に基づく セレンに関する試験”,Analytical Chemistry,19巻, 351〜353(1947)は、セレンがスルフィド酸化を含むレドックス反応 を触媒することができることを報告している。これは間もなくメチレンブルーを 用いるセレンの一般的試験になった。この反応は他の研究者によって異なるセレ ン化合物とチオールとを用いてさらに研究されて、全てではないとしても幾つか のセレン化合物の触媒作用を実証した。West,P.W.とRamakris hna,T.V.,“痕跡量のセレンを検出するための触媒方法”,Analy tical Chemistry,40巻,966〜968(1968);Le vander,O.A.Morris,V.C.及びHiggs,D.J.,“ グルタチオンによるチトクロムCの還元に対する触媒としてのセレン”、Bio chemistry,12巻,4591〜4595頁(1973);Rhead ,N.J.及びSchrauzer,G.N.,“チオールによるメチレンブル ーのセレン触媒作用還元”,3巻,225〜242頁(1974)を参照のこと 。チオール存在下でのセレノシステイン(RSeSeR)のセレン触媒活性は1 958年に報告された。セレン化合物の上記反応の全てが超酸化物を生じると現 在考えられている。Xu,M.,Zhang,L.,Sun,E.及びFan, H.,“微量元素セレンと酸素フリーラジカルとの相互作用に関する研究”,A dvance in Free Radical Biology and M edicine,1巻,35〜48頁(1991);Xu,H.,Feng,Z .及 びYi,C.,“セレン化合物の毒性のフリーラジカル機構”,Huzahon g Longong Daxus Xuebao,19巻,13〜19頁(19 91);Kitahara,J.,Seco,Y.及びImura,N.,“単 離されたラット肝細胞におけるセレナイト中毒への活性酸素種の可能な関与”, Archives of Toxicology,67巻,497〜501頁( 1993);Chaudiere,J.,Courtin,O.及びLedai re,J.,“セレノーシスタミンのグルタチオンオキシダーゼ活性:機構研究 ”,Archives of Biochemistry and Bioph ysics,296巻,328〜336頁(1992)を参照のこと。 セレンと数種のその化合物が抗癌性を有することが1970年代初期から知ら れている。セレナイトと二酸化セレンとがin vitro及び動物実験におい て良好な抗癌剤であることと、これらの化合物がin vitroにおいて癌細 胞と正常細胞の両方に対しても細胞毒性であることが一般に認められている。K ralick等への米国特許第5,104,852号は、構造(configuration) (GSSeSG)のセレノジグルタチオンと他のセレノジチオールとの癌の治療 への使用を述べている。セレノジグルタチオンはセレノナイト又は二酸化セレン とグルタチオンとの反応の生成物である。化合物,セレノジグルタチオンは単離 されている。しかし、米国特許第5,104,852号はセレノジグルタチオン と同様な化合物が癌治療に有用である作用機抒を述べていない。 1982年に、細胞毒性とラット赤血球膜の溶解とにおけるセレナイト及びセ レノシステインとグルタチオンとの相互作用が、Hu,M.L.とSpallh olz,J.E.,“セレン化合物によるラット赤血球のin vitro溶血 作用”,Biochemical Pharmacology,32巻,857 〜961頁(1983)によって述べられた。ラット赤血球の走査電子顕微鏡検 査によって明らかにされた、この細胞毒性は赤血球膜を有棘状(burred)にさせ、 Kellogg,E.とFridovich,I.,“酵素によって発生した超 酸化物と過酸化物とによるリポソーム酸化と赤血球溶解”,J.Biol.Ch em.,252巻,6721〜6728頁(1977)によって述べられたと同 様に、細胞を4倍の大きさにして、溶解させた。しかし、この毒性は構造RSe Rを有する化合物,セレノメチオニンによっては発現されなかった。1991年 には、Yan.L.とSpallholz,J.E.による論文,“セレン化合 物によるフリーラジカル発生”,FASEB J.,5巻,A581頁(199 1)はヒト乳房腫瘍細胞ラインに対する数種類のセレン化合物の用量反応性毒性 を示した。レシゲニン化学発光とルミノール化学発光とを用いる他の研究は、セ レナイト、二酸化セレン及び構造RSeSeRを有する試験したあらゆるセレン 化合物によるO2 -とH22発生化学発光における用量反応性を明らかにした。さ らに、セレン化合物が腫瘍細胞又はグルタチオン単独の存在下で超酸化物とH2 2とを生じることが判明した。ルシゲニンとO2 -との反応又はルミノールとH2 2との反応からの化学発光はネイティブ酵素の超酸化物ジスムターゼ(SOD )、カタラーゼ(CT)又はグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPX)によ って消滅されることが判明した。変性酵素はこれらの反応を停止させず、セレン 化合物とチオールとによるフリーラジカル(O2 -)とH22との発生を立証した 。このセレンフリーラジカル化学の全てはSpallholz,J.E.の“セ レン中毒の性質と抗癌活性とに関して”,Free Radical Biol ogy and Medicine,17巻,45〜64頁(1994)によっ て検討されている。セレン毒性、触媒作用及び抗癌活性に関するこの膨大な量の 実験データの要約は次の通りである: (1)セレン化合物,SeO2とSeO3はチオールと反応して、構造(RSS eSR)のセレノジチオールを生じる。この化合物はそれ自体では毒性でも抗癌 性でもない。RSeRの毒性抗癌性形は還元されたセレニドアニオン,RSe- である。Seのこのセレノペルスルフィド形は、ヨード酢酸とメルカプトコハク 酸とによる触媒作用と超酸化物発生の両方の抑制によって実証されるように触媒 的である。 (2)構造(RSeSeR)又は(RSeSeR’)のセレン化合物はチオー ルと反応して、還元セレナイトアニオンRSe-又はR’Se-を生じる。Seの このスレノペルスルフィド形は、ヨード酢酸とメルカプトコハク酸とによる触媒 作用と超酸化物発生の両方の抑制によって実証されるように触媒的である。 (3)構造RSe-,セレノペルスルフィドアニオンによる有機セレン触媒は チオールの存在下で触媒的であり、RSe-は媒質中に充分な濃度のO2 -とチオ ールとが存在するかぎり、超酸化物(O2 -)イオンを発生し続ける。グルタチオ ン(GSH)と反応するセレナイト又は二酸化セレンに由来するセレン化合物は 次式に従って元素状セレン(Se)に転化する: SeO3(SeO2)+2GSH−2GSSeSG=2GSSG+Se 元素状セレン(Se)は非触媒的であり、毒性ではない。 (4)構造RSe-のセレン化合物は、O2 -、H22及びより毒性なフリーラ ジカル、ヒドロキシルラジカル(・OH)を生じるチオール酸化を促進するため に毒性である。この化学は、チオールの自然酸化に関する、Misra,H.P .,“チオールの自動酸化中の超酸化中の超酸化物フリーラジカルの発生”,J .Biol.Chem.,249巻,2151〜2155(1974)によって 考察されている。構造RSe-のセレン化合物による迅速なチオール触媒作用と 、これがフリーラジカルと反応性で毒性の酸素生成物とを生じることによる毒性 との関連は本発明者の一人によって1992年に認められている。 動物における実験的な癌及びin vivoのヒトの癌との治療へのセレンの 使用は、例えばMilner,J.A.,Greeder,G.A.,Poir ier,K.A.,“セレンと転移可能な腫瘍”,(Spallholz,J. E.,Martin,J.L.,Ganther,H.E.編集),Selen ium in Biology and Medicine,AVI Publ ishing CO.(1981);Ip,C.とGanther,J.E., “セレンの化学形と抗癌活性との関係”,CRC Press社,479〜48 8頁(1992);Caffrey,P.B.とFrenkel,G.D.,“ 薬物耐性と非耐性のヒト卵巣腫瘍細胞におけるセレナイト細胞毒性”,Canc er Research,52巻,4812〜4816頁(1992);Sch rauzer,G.N.,“セレン:抗癌作用の機構的考察”,Biol.Tr ace Elem.Res.,33巻,51〜62頁(1992);Yan,L . とSpallholz,J.E.,“セレン化合物とチオールとの反応からの反 応性酸素種の発生と哺乳動物腫瘍細胞”,Biochemical Pharm acology,45巻,429〜437頁(1963)のように、多くの研究 者に広範囲に述べられている。in vitroにおける正常細胞と癌細胞の両 方に対する細胞毒性剤としてのセレンの使用は、腫瘍細胞を殺すための腫瘍塊中 へのセレノジグルタチオンの注入に関する米国特許第5,104,852号に述 べられている。米国特許第4,671,958号では、Rodwell等は多く の抗菌性薬物、3種類の抗ウイルス性薬物、1種類の抗真菌剤、7種類の抗腫瘍 薬、3種類の放射性薬物、3種類の重金属及び2種類の抗マイコプラズマ薬を抗 体仲介投与用の薬物として挙げている。米国特許第4,671,958号の表1 に挙げられるこれらの薬物の全ての薬理学は一般に理解されている。Rodwe ll等の特許の表1はセレンを含有していないが、この理由は(O2 -)及び他の 反応性酸素分子のフリーラジカル発生剤としてのセレンの薬理学的作用が当時は 理解されていなかったか又は知られていなかったからである。 ウイルスを殺傷するように設計された薬剤(agent)がウイルス中に取り込まれ ることができる取り込み機構をウイルスが有さないので、ウイルス感染を治療す ることは困難である。ヒトがウイルスに感染したことが分かっている場合にも、 ウイルスが宿主の細胞を感染して、細胞中で増殖するのを待つことが今までは必 要であった。取り込み機構を有する細胞は薬剤を吸収する。そのときに、ウイル ス増殖のみがブロックされることができる。実際に、治療が可能であるときにま でにウイルス感染は通常蔓延している。このことは特に、後天的免疫不全症候群 (AIDS)の原因となる作因(causative agent)、HIVウイルス感染に関し て圧倒的である。感染者はしばしば、彼又は彼女がウイルスに暴露されているが 彼らの細胞が感染されるまでウイルスの蔓延を停止させることができないことを 知っている。 細菌感染の治療にかっては信頼できた抗生物質が挫折している。例えばNew sweek誌の1994年3月28日号に同定され、以下の表1に記載されるよ うな多くの薬物耐性菌株の出現によって、感染症を治療する新規な薬剤の必要性 が重大になっている。 新規な殺菌剤と殺ウイルス剤を提供することが、本発明の目的である。 殺菌剤又は殺ウイルス剤として上記フリーラジカル技術を用いる方法を提供す ることが、本発明の他の目的である。超酸化物とその派生種の局在産生を感染症 から癌、手術後の凝血(clotting)までの種々な局在問題を治療するための細胞、 膜又は細胞外液体の選択的破壊又は改変に向ける方法を提供することが、本発明 の他の目的である。 発明の概要 本発明は構造RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeR又はRSeSe R’の有機セレン化合物の種々なキャリヤー分子への有機共有化学結合を含み、 上記構造中RとR’は1つ以上のアルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、ア ルコール基、ホスフェート基、スルフェート基、ハロゲン基又はフェノール反応 性基及び、例えば−(CH2nHN2、−(CH2nCOOH、−(CH2n− φ(式中、nは1以上の整数である)のような、これらの基の組合せを含有する 脂肪族残基から成る群からそれぞれ選択される。RとR’は同一又は異なる基で あることができる。セレン化合物の反応性基と共有結合を形成することができる 相補的反応性成分を有するキャリヤー分子は、モノクローナル抗体、ポリクロー ナル抗体、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、脂質、ビタミン、薬物及び、例 えばウイルス、細菌、原生動物、リッケチア、酵母、マイコプラズマ、真菌類若 しくは他の病原菌によって惹起される疾患と例えば癌及び緑内障のような病因が 分かっている又は分かっていない疾患との治療のための他の有機キャリヤー又は デバイスを包含する。本発明は広範囲スペクトルの癌、細菌感染症、ウイルス感 染症及び他の生物感染症の治療及びケアに関する。 本発明の興味深い発見は、組織、細胞又は体液が超酸化物(O2 -)の発生を抑 制する(reducing)力を与えることである。しかし、in vivoで付加的な抑 制力が必要である場合には、既知方法に従って、外因的なグルタチオン又はシス テインによってこの力を与えることができる。 本発明はまた、癌腫瘍及び病原菌を含み、外因性チオール化合物を有する標的 部位に、局在的に投与及び結合するための有効量のセレン−キャリヤーコンジュ ゲートを投与することによる癌腫瘍及び病原菌感染症の治療方法を包含する。こ のセレン−キャリヤーコンジュゲートは、(ii)セレン化合物の反応性基と共 有結合を形成してセレン−キャリヤーコンジュゲートを生成することができるキ ャリヤーに共有結合する、(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSe R又はRSeSeR’から選択される有機セレン化合物[式中、RとR’は同一 又は異なる基であり、それぞれ、アルデヒド基、アミノ基、アルコール基、カル ボキシル基、ホスフェート基、スルフェート基、ハロゲン又はフェノール反応性 基及びこれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの反応性基を含 有する脂肪族残渣である]を含む。キャリヤーは、標的部位を局在的に破壊する 超酸化物の局在的発生のために標的部位に特異的に結合することができる。本発 明はまた、インプラントの使用に関連した組織損傷を防止し、外科手術処置にお ける好ましくない瘢痕形成を防止する方法をも包含する。インプラント又は外科 手術部位において瘢痕組織又は他の好ましくない細胞増殖を抑制するために超酸 化物を局在的に発生させる場合のように、上記有機セレン化合物は移植可能なデ バイス又は固定されたマトリックスの表面に共有結合して、セレン被覆デバイス 又はキャリヤーを生成する。 本発明はまた、本明細書に援用される米国特許第4,341,757号(19 82年7月23日付け)によって述べられているように、イムノアッセイ及びそ の他の定量分析研究へのこれらの同じセレンアダクツの関与をも含む。本発明は 例えば生物学的に重要な化合物の存在の検出方法であって、この生物学的に重要 な化合物を含むと疑われるサンプルと、上述したような、キャリヤーが生物学的 に重要な化合物と特異的に結合することができるセレン−キャリヤーコンジュゲ ートとの混合物を一緒にインキュベートして、生物学的に重要な化合物上の決定 基(determinant)にセレン−キャリヤーコンジュゲートを結合させる工程を含む 方法を包含する。次に、結合されないセレン−キャリヤーコンジュゲートを除去 する。その後に、この方法はこの混合物にチオール化合物を加えてセレンと反応 させて、超酸化物を発生させる工程と、次にこの混合物にレポーティング剤(rep orting agent)を加える工程を含む。レポーティング剤は超酸化物と反応するこ とができる。最後に、レポーティング剤と超酸化物との間の反応を検出する。レ ポーティング剤は例えばルシゲニン、メチレンブルー又はチトクロムCであるこ とができる。生物学的に重要な化合物はタンパク質、ビタミン、ホルモン、酵素 、抗体、多糖類、細胞と組織抗原、本明細書に挙げた病原菌、薬物又は他の血液 細胞又は細胞内若しくは細胞外流体であることができる。これらの化合物のいず れかに特異的な抗体は周知の方法によって製造することができる。このような抗 体は本発明のセレン化合物に結合するキャリヤーとして用いる。 上記構造のセレン化合物のキャリヤー、診断薬又はデバイスへの結合は、あら ゆる好気性生活細胞において生じる例えばグルタチオンのような内因性チオール 又は例えばグルタチオン若しくはシステインのような外因性チオールに与えられ たときに、超酸化物(O2 -)、過酸化酸素、ヒドロキシルラジカル(・OH)及 び他の細胞毒性反応性酸素種を生じて、触媒セレンアニオン,RSe-に基づく 局在フリーラジカル薬理学及び新規な薬局方(pharmacopeia)を集団的に形成する 。超酸化物は細胞にとって非常に致命的であるので、身体は超酸化物を破壊する 自然の機構、即ちジスムターゼによって破壊する機構を有する。このように、超 酸化物ラジカル(O2 -)は比較的短い半減期を有して、分解する。H22と・O H は二次的に形成され、やや長く生存する。本明細書で用いるかぎり、簡潔さのた めに、超酸化物はO2 -とその派生酸素種とを包含することになる。O2 -は、短い 寿命のために、予定の破壊部位若しくはその近くで発生されなければならない。 RSe-アニオンを生じるセレン化合物の共有結合は、化学発光又は例えばメチ レンブルー若しくはチトクロムCのような種々な染料の還元を用いて、超酸化物 (O2 -)の発生と検出とに基づく新しい分析化学を提供する。酸化形でのメチレ ンブルーとチトクロムCとは受容体分子に結合したセレンによって、超酸化物の 発生を介して還元されることができる。還元されるメチレンブルー若しくはチト クロムCの量は分光測光的に測定され、定量されることができ、それによってセ レンが結合する分子の濃度を表すことができる。 本発明は好ましくは、小分子アダクツ、RSeH、RSeR、RSeR’、R SeSeR又はRSeSeR’、超酸化物(O2 -)の発生による化学発光若しく は化学染料を用いる分析化学の検出体基及び超酸化物(O2 -)の発生体を提供し 、それによって、これはコンジュゲートRSe-によって生じ、キャリヤー分子 の結合によって決定されるか又は安定な不溶性マトリックスによって局在化され る非常に局在化された部分においてのみ毒性であるにすぎない。本発明は例えば 転移性癌のような疾患の治療における全身セレン中毒の一般化した問題を実質的 に克服し、新規な応用フリーラジカル薬理学を実証する。本発明は疾患治療にお けるセレン毒性の適用と、安定なアイソトープイムノアッセイについての拡張又 は検出の分析感度と容易さとにおける大きな進歩を表す。本発明の標的分子への セレン添加に基づく標的超酸化物フリーラジカル薬理学は、新規な細菌薬局方の 有望性を維持する。同じことがウイルス感染症にも該当し、それによって例えば 抗体又は結合ペプチドのようなウイルス標的剤への適当なセレン構造の結合は有 毒なウイルスを無毒にする。 図面の簡単な説明 本発明は図面を参照することによってさらに良好に理解されることができる: 図1はAb−Seコンジュゲート、ネイティブAb及び両方の組合せによって 生じるヒト赤血球の血液溶解%を示すグラフであり; 図2は共有抗体−セレンコンジュゲートの細胞毒性を示すグラフであり; 図3はその後の共有セレノシスタミンカップリング有り又は無しのCO2プラ ズマで処理したプラスチック上での、トリチウム化チミジン組込みによって測定 された、細胞増殖を示す棒グラフであり; 図4はその後の種々な処理時間のセレノシスタミンの共有カップリング有り又 は無しのCO2プラズマで処理したプラスチック上での細胞増殖を示す棒グラフ であり; 図5はトリチウム化チミジン組込みによって測定された、共有結合したセレン 処理セルローススポンジの存在又は不存在下での細胞増殖を示す棒グラフである 。 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、構造RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeR又はRSeS eR’のセレンアダクツの、キャリヤー分子、診断薬及びデバイスへの共有結合 に関する。このように製造されたSe−キャリヤーコンジュゲートは注射若しく は摂取によって投与され、通常の生理学的手段によって標的部位に運ばれるか、 又は標的部位に外科手術によって移植され、標的部位においてSe−キャリヤー コンジュゲートが標的局所組織、細菌、ウイルス、原生動物又は他の標的化合物 の表面において内因性チオールと反応するときに超酸化物(O2 -)が発生される 。コンジュゲートRSe-によって生じるセレン中毒は、該コンジュゲートがキ ャリヤー分子の特異的結合によって決定されるか又はインプラントの安定な不溶 性マトリックスによって局在化されるので、非常に局在化される。RとR’は1 つ以上のアルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、アルコール基、ホスフェー ト基、スルフェート基、ハロゲン基又はフェノール反応性基及び、例えば−(C H2nHN2、−(CH2nCOOH、−(CH2n−φ(式中、nは1以上の 整数、好ましくは約1〜50の整数、より好ましくは約3〜5の整数である)の ような、これらの組合せを含有する脂肪族残基から成る群からそれぞれ選択され る。RとR’は同一又は異なる基であることができる。R基自体は、キャリヤー に結合する反応性基を与えて、セレンを標的部位に達するまで保護すること以外 には、本発明の方法に実際の役割を有さない。したがって、脂肪族鎖の長さは重 要では ない。化合物の好ましい分子量は約1000以下であるが、大きい分子量の方が 安定である。セレン化合物の典型的な例は非限定的に、NH2CH2CH2SeC H3(RSeR’)、NH2CH2CH2SeCH2CH2NH2(RSeR)、NH2 CH2CH2SeSeCH2CH2NH2(RSeSeR)、NH2CH2CH2SeS eCH2CH2NH−セルロース(RSeSeR’)及び]セレノシスタミンを包 含する。RSeH、RSeR及びRSeR’構造が好ましい。これらのセレン化 合物はポリクローナル又はモノクローナル抗体に共有結合又は他のやり方で結合 して、チオールに接触した場合に、超酸化物(O2 -)、H22、若しくはヒドロ キシルラジカル(・OH)又は他の反応性酸素種を発生させることができる。チ オールは例えば競合イムノアッセイに加えられる外因性チオール、膜、細胞の細 胞質又は細胞外流体中に見い出される内因性チオールであることができる。ネイ ティブチオールが不充分である場合には、外因的に供給されるグルタチオン、グ ルタチオン誘導体、システイン又は他のチオールを超酸化物の発生のために明ら かに用いることができる。セレン−キャリヤーコンジュゲートは薬理学的な方法 で、原発性と転移性の両方の癌、あらゆる植物、動物若しくはヒト起源のあらゆ るウイルス、あらゆる植物、動物若しくはヒト起源のあらゆる細菌、あらゆる植 物、動物若しくはヒト起源のあらゆる原生動物及び他の病原菌によって惹起され る感染症及び疾患の治療に用いられる。抗体−セレンコンジュゲートは例えば、 ウイルス、細菌、原生動物又は癌細胞に特異的に結合して、超酸化物、H22、 及び他の反応性酸素種の産生を触媒する。ウイルスは表面タンパク質を有し、こ れに抗体セレン−コンジュゲートが結合することができる。セレンはこのような 表面タンパク質中のチオールと反応して、ウイルスの表面に超酸化物を発生させ る。ウイルスに取り込み機構が無いことは、ウイルス表面に損傷が与えられるの で、重要ではない。 有機Se化合物が部位指向性抗体分子に結合するときには、これは抗体のF( Ab-2フラグメントに典型的に結合すると考えられる。例えば炭水化物又は修 飾アミノ酸のような、天然又は合成の抗体の他のフラグメントが結合の部位であ ることができる。 セレンを有する部位指向性分子はタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水 化物、脂質、薬物、ビタミン、ホルモン、レクチン、プラスミド、リポソーム、 核酸であるか、又はそれらの受容体が存在する他の部位指向性有機分子であるこ とができる。このような部位指向性物質は当業者に周知である。問題の位置(loc ation)がいずれであっても、その部位に誘導される成分がキャリヤーとして選択 される。セレンは例えばアミノ酸セリンのような既存部分の化学的修飾によって 抗体又は他の部位指向性分子に導入されて、共有結合構造(covalent configurat ion)RSeH、RSeSeR、RSeSeR’又はRSe-を形成する。 セレンは、任意のイムノアッセイ又は競合結合アッセイに用いられる任意のタ ンパク質、抗体、ハプテン又はマトリックスに共有結合することができ、未知セ レンアダクツ濃度のリポーターとしてのO2 -又はH22と反応する化学発光又は 化学染料又は分子を用いて、超酸化物(O2 -)又はその派生反応性酸素種が検出 系として用いられる。 セレン化合物は、マトリックスが移植されたときに超酸化物(O2 -)とその派 生反応性酸素種を発生させるために、例えばセルロースパッド、タンパク質パッ ド、他の炭水化物パッド、プラスチック若しくは他のポリマーマトリックス、又 は生体適合性繊維質マトリックスのような固体若しくは固定マトリックスに結合 することができる。デバイスは金属であってはならないが、有機金属化合物又は 、セレン化合物が結合することができる有機化合物で被覆された金属であること ができる。不溶性マトリックスに結合したセレンは、超酸化物の局在化発生によ って、マトリックスの局在化部分における細胞増殖を阻害する。 本明細書で用いるかぎり、診断薬とはセレンが結合した分子を意味し、この分 子は次に超酸化物ラジカルの発生の診断的検査と測定に用いられるために他の分 子と特異的に結合する。本発明のSe−キャリヤーコンジュゲートが特に良好に 適する診断試験の例は、競合結合アッセイ、直接結合アッセイ、イムノアッセイ 、及びホルマザン形成からのニトロブルーテトラゾリウム還元のような組織学的 アッセイを包含する。 本明細書で用いるかぎり、デバイスとは例えば、セレンに結合可能な、セルロ ース、プラスチック、コラーゲン及びポリマーのような物質の固定サポート表面 を意味する。このようなデバイスの例はプロテーゼ心臓弁、眼球内レンズインプ ラント、ペニスインプラント、カテーテル、血管シャント、及び特殊化機能を有 する他のプロテーゼインプラントを包含する。例えば、眼球内レンズインプラン トの表面をセレン化合物に結合させると、移植時にセレンがインプラント表面で の超酸化物産生を局所的に触媒する。超酸化物は細胞表面と反応して、瘢痕形成 を最小にする。血管インプラントを例えばセレン化合物で被覆すると、移植時に インプラント部位における血液凝固が阻害される。これらのインプラントの表面 はセレン化合物を結合し、セレンを部位特異的に供給するためのマトリックスを 提供する。効果は局在化される。さらに、漏出するセレンが有ったとしても、非 常に少量であり、有害であることはなく、容易に代謝される。超酸化物は非常に 短い半減期を有する。 非金属元素のセレンはin vitro及びin vivoで、幾つかの触媒 的及び非触媒的酸化状態で存在する。チオール化合物が充分な濃度で存在する場 合には、例えばセレニド,RSe-のようなセレン化合物はチオールを酸化して 、超酸化物(O2 -)と他の生物学的反応性酸素種を生じる。超酸化物と得られる 他の反応性酸素生成物、過酸化水素、チオールラジカル及び他の有機フリーラジ カルは生物学的膜、分子及び細胞にとって有害である。セレノセレニドアニオン ,RSe-として充分な濃度で存在する場合に、セレンは正常細胞、癌細胞、細 菌細胞、酵母細胞及びウイルスを抑制し、殺害することができる。有機セレン化 合物が例えばポリクローナル抗体、ペプチド又はポリペプチド、ホルモン、ビタ ミン、薬物又はデバイスのような標的分子と結合する場合には、このようなコン ジュゲートはフリーラジカルを生成する、新規な種類の薬剤又はデバイスを含む 。セレンは硫黄と置換する小アダクツを容易に形成することができ、炭素と水素 の化合物と共有結合する点で、フリーラジカルを生成する他の元素、即ち、鉄、 銅又はコバルトとは独特に異なる。適当な化学のこのようなセレン標識アダクツ は、チオールによって活性化されるまでは非毒性に留まり、フリーラジカル薬理 学はキャリヤー分子によって分子的に局在化されることができる。このフリーラ ジカ ル化学は競合タンパク質結合アッセイにも有用である。セレン化合物によって生 じるフリーラジカル化学は化学発光又は染料の還元によって分光測光計を用いて 検出されることができ、セレンが結合し、このセレンが次にチオールと反応する 抗体、ハプテン又は薬物と結合する化合物の定量を可能にする。 一連の試験を実施して、セレン化合物を多様なキャリヤーに共有結合させた。 セレン−キャリヤーコンジュゲートが超酸化物を産生して、細胞を殺害するか又 は細胞増殖を阻害する能力を試験するために、他の試験を行った。セレン化合物 をキャリヤーに結合させるための温度範囲は用いるキャリヤーに依存するが、一 般には4℃〜約37℃の範囲内、好ましくはほぼ室温から37℃までの範囲内で ある。 実施例1細胞毒性セレンキャリヤー抗体の合成 5mgタンパク質/mlを含有するヒト赤血球抗体(Dako Corpor ationから入手可能)をリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)中で1500 倍モル過剰なNa2IOと共にほぼ室温において1〜2時間インキュベートした 。この溶液に、過剰な過ヨウ素酸塩を除去するために100μgのグリセロール を加えて、透析後に、1:2.2モル比のトリエチルアミンを含有する200倍 モル過剰なセレノシスタミンHCl(Sigma Chemical Co.か ら入手可能)を加えた。この方法はその一般化した操作において、Hurwit z,E.,Levey,R.,Mason,R.,Wilcheck,M.,A ron,R.及びSela,M.,“薬物と抗体の両方を保持する、抗体へのダ ウノマイシンとアドリオンマイシンとの共有結合”,Cancer Resea rch,35巻,1175〜1161頁(1975)と;Hurwitz,E. ,“癌の化学療法を改良するための特異的及び非特異的高分子−薬物コンジュゲ ート”,Biopolymers,22巻,557〜567頁(1983)と; O’Shannessy,D.J.とQuarles,R.H.,“免疫グロブ リンのオリゴ糖部分の標識”,J.Immunologic Methods, 99巻,153〜161頁(1987)と;Rodwell等,米国特許第4, 571,958号(1987年6月9日発行)とによって述べられている方法で ある。 この反応では、シアノボロヒドレート(cyanoborohydrate)による還元時に構造 (RSeSeR)のセレノシスタミンが安定な共有結合シフト塩基(covalent sh ift base)と、セレノアミンと過ヨウ素酸塩酸化炭水化物アルデヒド部分との間 の共有結合とを形成する。次に、ShephadexG−25カラム上で抗体− セレンコンジュゲート(Ab−Se)を分離して、溶出して、280nmにおい てUVモニターによって検出した。徹底的な透析後に、Los Alamos Diagnostics Luminometerを用いるグルタチオン存在下 で周知の方法であるルシゲニン(Sigma Chemical Co.から入 手可能)化学発光によってモニターすると、Ab−SeはpH7.2又はpH9 .0において連続的に超酸化物(O2 -)を産生した。O2 -に特異的である化学発 光はネイティブ超酸化物ジスムターゼによってこの反応において完全に抑制され ることができる。 実施例2ヒト赤血球に対するAb−Seの細胞毒性 種々な濃度の、即ち用量反応式のAb−Seアリコートを、細胞生活性を維持 するために、生理的平衡溶液中の洗浄済みヒト赤血球の1%懸濁液と共に37℃ において14時間インキュベートした。この時点において、赤血球の血液溶解を 415nmにおいて、Hu,M.L.とSpallholz,J.E.,“セレ ン化合物によるラット赤血球のin vitro血液溶解”,Biochemi cal Pharmacology,32巻,957〜961頁(1983)に よって述べられているように、放出ヘモグロビンの吸収によって測定する。実施例 3赤血球膜に対する細胞毒性の比較例 Ab-Se 結合体の細胞毒性の第二の測定において、赤血球膜に対する細胞毒性に よる損傷を視覚的に評価するために次の条件を実施した。ヒト赤血球の1%懸濁 液を、実施例1のように調製した高いレベルのAb-Se 担体とともに37℃で3時間 インキュベーションした。次いで、細胞を、オリンパスマイクロスコープ(Olymp us Microscope)BH を用いて次の倍率で膜損傷について調べた;4x、10x、40x および100x。 実験は次のサンプルからなる: 1) 抗体なしの対照赤血球細胞; 2) Ab-Se を有する赤血球細胞; 3) 天然Abを有する赤血球細胞; 4) 天然Abとともに20分間予備インキュベーションし続いて37℃でAb-Se を添 加した赤血球細胞; 5) Ab-Se と同じセレン濃度、すなわちAb-Se 結合体につきSe 5μg のセレ ノシスタミンとともに37℃で3時間インキュベーションした赤血球。 以下は、3時間インキュベーションした後の赤血球細胞の外観の記述である: 1) 対照細胞は全て正常の大きさおよび形状であり、これらは平滑な膜を有す る代表的赤血球両凹面のディスクを有した。 2) Ab-Seを有する赤血球細胞は細胞の外観に強い溶解が現れ、対照細胞の大 きさの4-6 倍まで強く膨潤した;細胞にはまたはっきりした複数のまたは一つの 膜孔が現れ、そして細胞質が突出した;無傷のまま残った細胞は膜全体が強くザ ラザラし、外観は完全にスパイクのような端部であり、フリーラジカル活性から 膜への脂質過酸化反応による損傷の証拠である。 3) 天然Abを有する赤血球細胞は全て完全に滑らかな細胞膜を有する通常の大 きさであり、膜損傷の証拠は視認できなかった;細胞は細胞塊の大規模な列状で 一緒に凝集する傾向であった。この効果は細胞間の天然Ab形成リンク、すなわち 細胞- Ab- 細胞- Ab- 細胞- Ab等の集合体のためである。ここでは細胞の溶解は なかった。 4) Ab-Seを添加する前に天然Abと20分間予備インキュベーションした赤血球 細胞は前記#3と同じ外観であり、細胞膜損傷は現れなかった。 5) Ab-Seと等しいSe濃度のセレノシスタミン・HCL とインキュベーションし た赤血球細胞は細胞の溶解を示さなかったが、しかし表面のざらざらが膜に対す る僅かな毒性の証拠である細胞が、少ない割合で、すなわち約5% あった。 この実施例は、Ab単独では細胞損傷を起こさないこと、そして担体との結合体 ではなくセレン化合物単独が、細胞に対しわずかに損傷を起こすかまたは全く起 こさないことを示す。しかしながらAb-Se におけるように、担体と結合すると、 この組合せは強い細胞損傷を起こす。細胞をAb-Se とともに予備インキュベーシ ョンする実施例では、標的部位と特異的に結合してチオールと反応しスーパーオ キシドを生成するであろう。予備インキュベーション工程により天然Abが結合部 位をブロックするようになる。天然Abの低いレベルは、Ab-Se 結合を阻害するで あろう。天然Abのより高いレベルは、Ab-Se の結合を完全にストップするであろ う。 図1は、実施例2と同じ系列の比較試験について、高いレベルのAb-Se が14時 間でほぼ100%の溶血を起こし、最初の4時間以内で85% が生じることを示す;一 方、天然AbとAb-Se の比が1:1 であるAb/ Ab-Se の例においては、非標識化天然 抗体の等量がAb-Se の結合部位をブロックして溶血を70% 低下させる。天然Abの Ab-Se に対する比が2.5:1 まで増えると、溶血の割合が著しく低下する。PBS お よび天然抗体単独の存在における対照細胞はそれぞれ約8%および約6%の自然溶血 だけを示した。実施例4: 細胞毒性癌抗体B72.3 を含むセレンの合成 もとは結腸癌細胞から得られるが他の様々な癌でも見られる、広く発現する癌 抗体、TAG-72に特異的な免疫グロブリンを、セレノシスタミンの共有結合により 変性し、インビトロでチオールの存在下にスーパーオキシドを生じ、結合しそし てインビトロで癌細胞に対し細胞毒であることがわかった。一般に、マウスにお いて非常に良く知られた手段により生じる、TAG-72抗体に特異的な5mg/ml B-72. 3 抗体を、0℃で1時間 NaIO4 0.42mg で酸化する。グリセロール100 μl を添 加する。酸化されたB-72.3抗体を4℃で48時間セレノシスタミンの200 倍過剰量 と反応させる。抗体- Se 複合体をシアノホウ水素化物の100 倍過剰量により低 下させ、次いで公知技術によりG-25セファデックスカラムにおいてクロマトグラ フィーにかける。280nm でモニターされた抗体を集め、透析しそしてプロテイン G カラムにおいて濃縮する。抗体- Se免疫結合体が増幅したルシゲニン- 化学ル ミネセンスを用いてインビトロでスーパーオキシド(O2 -)を作ることが示される 。化学ルミネセンスはスーパーオキシドジスムターゼの添加により阻害されうる 。 この癌抗体を24凹部プレートにおいて組織培養物中で増殖した癌細胞へ添加す ると、抗体- Se免疫複合体が、2日にわたって投与量依存方法で行われた培養に おいて増殖した癌細胞に対し細胞毒性であることが示され、これはトリチウム化 したチミジンの細胞混入により測定されるように図2に示される。実施例 5 : セレノフォレートの細胞毒性 この技術の別の実施例は、配列フォレート- SeSeR の、ビタミン、葉酸および セレノシスタミン・HCL からのセレノフォレートの合成である。ストッパーと攪 拌バーを備えた丸底フラスコへ、セレノシスタミン・HCL 26mg、葉酸44mgおよび 乾燥クロロホルム(20ml)中のトリエチルアミン26μl を添加する。この懸濁液へ ジシクロヘキシルカルボジイミド23mgを添加した。混合物を48時間電磁攪拌し、 その後水4ml を添加した。反応混合物を250ml 丸底フラスコへ移し、ブッチ(Buc hii)1回転蒸発器を用いて乾燥した。乾燥黄色- オレンジ内容物を蒸留水で洗 浄し、これを捨て、次いで温メタノール中で再溶解した。三回のアリコート中の 内容物をメタノール中のセファデックスLH-20 カラム28.0x2.4 cm においてクロ マトグラフィーにかけた。生成物、セレノフォレートを溶出容量71-104mlの間で 集めた。葉酸と異なり、セレノフォレートは黒い(UV)光線下で蛍光を発しない。 生成物(非常に明るい黄色- 白色結晶)は、熱メタノールから結晶化された。60 ÅシリカゲルTLC においてメタノールにおけるセレノフォレートのRfは0.65であ る;葉酸およびセレノシスタミンのRfは0.00である。生成物、セレノフォレート 、および反応物の100%メタノールにおけるスペクトルデータを表2に示す。 生成物、配列フォレート-N-CH2CH2SeSeCH2CH2NH2のセレノフォレートは、ルシ ゲニン化学ルミネセンスにより測定されたようにグルタチオンの存在下にスーパ ーオキシド(O2 -)を作る。この変性されたビタミン化合物は、投与量依存性方法 で吸収されると細胞に対して毒性である。フォレートの誘導体は通常、ストック スタッド、イー.エル.アール.(Stokstad,E.L.R.)およびジュークス、ティー. エッチ.(Jukes,T.H.)“スルフォンアミドおよび葉酸拮抗剤(Sulfonamide and f olic acid antagonists):A historical review)”、J.Nutrition,vol.117,pp .1335-1341(1987);クラマー、ケー.ジィー.(Kramer,K.G.)、ベル、アール.( Bell,R.)およびピエテラズ、ジィ.エー.(Pieteraz G.A.)、“アミノプテリン- モノクロナール抗体結合体:抗腫瘍活性および毒性(Aminopterin-Monoclonal an tibody conjugates:Antitumor activity and toxicity)”Drug Delivery vol.1 ,pp 29-33(1993)に記載されているように、化学療法薬剤に使用される。実施例 6 : セレノシスタミンHCL のセルロースマトリックス装置への結合: 頭頂部がネジ式の50ml試験管へ、各々ほぼ6mg のセルロースパッド10ピースお よび20 ml 中にpH6.0 に調節されたNa2IO4 34mg を添加した。過ヨウ素酸エステ ル酸化を室温で4時間行い、その後セルロースパッドの水気を切り、pH6.0 の緩 衝剤で5回洗浄した。25ml PBS緩衝剤 pH6.0におけるセルロースパッドへセレノ シスタミン・HCL 21mgおよび緩衝剤5ml に含まれたトリエチルアミン30μl を添 加する。0時(対照)で開始し、1/2、1、2、3、4および8時間後に、緩衝 剤からセルロースパッドを除去し、蒸留水で洗浄し、そして風乾した。8時間目 にパッド三枚を集め、洗浄しそして風乾した。表3に示すように、グルタチオン の存在下にpH7.2 でルシゲニン化学ルミネセンスにより測定されるように、セル ロースパッド、セルロース- NH-CH2CH2SeSeCH2CH2NH2のスーパーオキシド(O2 -) を生じる能力は、一般にセレノシスタミンを有する酸化セルロースパッドのイン キュベーション時間に比例する。 さらに別の結果は、セレンがその期間中にわたって著しく変性することなく、 作用に寄与することを示す。 図5は、セレン化合物が、セルローススポンジと結合すると、他の点では迅速 に増殖するマウス繊維素細胞列、NIH-3T3 の増殖を著しく阻害する能力を示す。 NIH-3T3 細胞は、増殖を刺激するための標準的混合物である子牛血清のプレート において増殖した。これらのプレートへ、実施例6のように調製したスポンジを 置いた。実験を二回行った。各時点で、細胞増殖は、セレン担体結合体に曝され ない対照細胞と比較して著しく低下した。 最も高く標識化されたセルロース- セレンパッドを、ヒト無反応性緑内障を模 倣する一次濾過手術を受けたニュージーランドウサギの目へ実験的に移植した。 免疫性緑内障による小柱形成手術の失敗は、上強膜レベルにおける繊維症および 水泡(眼の後房において開口を行った後に組織を縫い合わせた時に作られるポケ ット)の跡のためである。ウサギにおいて、対照手術(左目にセレンで標識され ていないセルロースーパッドを移植し、右の実験する目にセレン塗布セルロース - パッドを移植する疑似的操作)と比較して、セレン標識化セルロースパッドの 一片約1X 0.5 nm の移植は以下の実験的効果を示した; 1)実験した眼の脈管内圧力は術後に著しく低下し、対照眼を正常に戻す時間が より長くかかり、そして2)病理検査すると、繊維症を有するセルロースパッド( セレンなし)を有する対照眼と比較して、Se- セルロースパッドを有する実験眼 はパッド付近またはその内側に繊維症が見られなかった。これらの結果は、セル ロース- セレンパッドがウサギにおける繊維症のために傷痕を防止することを示 す。繊維症による傷痕は、ヒト無反応性緑内障における手術の失敗の大きな原因 である。セルロース- セレンパッドは、試験されたウサギにおける傷痕組織の増 殖の局所形成を阻止し、正常組織に対する病理的に観察されうる損傷がない。実施例 7 : プラスチックへセレン含有化合物を結合させる結果材料が細胞増殖を 阻止する プラスチックを、フロリダ州、セントピータースバーグ(St.Petersburg,FL)の アドバーンスト プラズマ システムズ社(Advanced Plasma Systems,Inc.)によ り製造されたガスプラズマ機においてCO2プラズマのイオンフラックスで処理 する。これにより、CO2が原子の表面層と反応させてプラスチックの表面にカル ボキシル基を作る。次に、これらのカルボキシル基を、たとえばアミノ基をカル ボキシル基へ結合するペプチド合成に使用される等の公知技術によりにより、セ レン含有化合物たとえばセレノシスタミンへ、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプ ロピル)カルボジイミド塩酸塩の使用により、共有結合的に架橋することができ る。この技術はテフロンを含むいずれのプラスチック材料にも使用されるであろ う。共有結合されたセレン化合物を含むプラスチックは、組織培養において増殖 する細胞の増殖を阻害することがわかっている。これらの結果は、図3および4 に示されており、これらは未処理プラスチックが細胞の増殖を維持するが一方セ レンを有するプラスチックは細胞増殖を阻害することが示される。実施例 8CD4 セレノペプチドの合成 AIDSを起こす、HIV ウィルスは、ヘルパー- T-細胞に結合してその機能を破壊 し、これにより免疫システムを害することが知られている。HIV(AIDS)ウィルス が結合するヘルパー- T-細胞の表面におけるCD4 たんぱく質のセグメントを表す ペプチド、TYICEVEDQKEEが合成された。これは、AIDSウィルスとより良く結合す るために変性され、その結果ベンジル化形:TYICbxlEbzlVEDQKEE になる。セレ ノプロプリオン酸を次いでカルボジイミドたとえばEDC[1-エチル-3-(3-ジメチル アミノプロピル)-カルボジイミド]との反応により活性化した。この活性O-アシ ルイソウレア中間体を前記ペプチドと反応させて、AIDSウィルスに対するセレン を攻撃させる付加物を形成する。 試験は、ペプチド- Se結合体がHIV ウィルスの外側表面と特異的に結合し、ウ ィルスの表面たんぱく質においてチオールと接触するとスーパーオキシドの産生 を触媒化しそしてウィルスを殺滅することを示す。前記で記載したように、本発 明のメカニズムはウィルスにおける摂取メカニズムの欠如のために遭遇する問題 を排除する。この手法はまた、突然変異を起こしこれによりウィルスの殺滅また はAIDS処理の早まった試みを混同するHIV ウィルスの能力に関係する問題を避け ることができると望まれる。 実施例9:フリーラジカル診断応用 セレニウムは特に適し、そして前記実施例1および5にそれぞれ抗体および葉 酸の標識に示したとおり、種々の生化学物質と大きな相容性を有する。フリーラ ジカルは細胞毒性であることが知られている。ここに記載したセレニウム複合体 の新規化学法、即ちチオールの存在下でのスーパーオキシドO2 -の生成、の応用 は、化学蛍光法またはメチレンブルーのような色素の還元により、ミリメーター 当たり10-10ないし10-12グラムの検出限界を可能にする。上記のとおり、酸化型 のメチレンブルーおよびチトクロームCは、レセプター分子に結合したセレニウ ムにより、スーパーオキシドの生成を介して還元される。還元されたメチレンブ ルーまたはチトクロームCは、スペクトロフォトメトリーにより測定して定量し 、セレニウムが結合した分子の濃度を反映させることができる。 本発明は米国特許4,341,757号の発明を次のように改良したものであ る:1)分析のために、セレニウム含有複合体の化学的分解を必要とせず、そし て、2)化学蛍光または色素検出法は、時間が検出のためのセレニウムの低濃度 をその触媒的性質のゆえに増幅するので、分析感度がミリメーター当たり10-10 ないし10-12グラムにおよぶ。米国特許4,341,757号には、タンパク質 、ペプチドおよび抗原に対して高い反応性を有するクラスのセレニウム、および 「コールド」の非アイソトープイムノアッセイを用いた競合的タンパク質結合ア ッセイが開示されている。本発明はこの検出限界を拡大し、そして安定なセレニ ウムアイソトープ免疫アッセイのために化学系を単純化した。 セレニウムがin vitroにおいて全ての細胞に対して制癌性および細 胞毒性を示し、そしてin vivoにおいて動物に全身性の毒性を示す理由は いくつかあるが、ようやく最近になって、Spallholz,J.E.,「セレニウムの毒 性および制癌活性の性質について(On the nature of selenium toxicity and ca rcinostatic activity)」,Free Radical Biology and Medicine,vol.17,pp.4 5-64(1994))において、スーパーオキシド(O2 -)および他の反応性の酸素子孫 の予備酸化的触媒性生成因子として、セレニウム毒性の包括的な実験的および理 論的理解が提供された。Yan およびSpallholz,「セレニウム化合物とチオール 類および哺乳類腫瘍細胞との反応からの反応性酸素種の生成(Generation of Rea ctive Oxygen Species From the Reaction of Selenium Compounds With Thiols and Mammary Tumor Cells)」,Biochemical Pharmacology,vol.45,pp.429-43 7(1993)より前の刊行物には、腫瘍細胞の存在下における単純なセレニウム化合 物のフリーラジカル化学性について検討したものは存在しない。 触媒性フリーラジカルセレニウム化学の理解および応用により、特定の構造(c onfiguration)のみのセレニウム化合物、RSeH,RSeSeR,およびRSeSeR’の共有 結合による複合体とし、すなわち、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、 ペプチドおよび葉酸のような他の化合物、およびセルロースパッドまたはプラス チックインプラントとの複合体として、全身性のセレニウム毒性を生じることな く、マクロの分子環境においてのみ生じる、指向性のセレニウム毒性が提供され る。分子を指向させる技術、例えば抗体、ペプチド、ビタミン、リポゾームまた は他の指向剤との分子複合体〔例えばSela,M.およびHurwitz,E.,「細胞毒性 薬剤と抗体の複合体(Conjugates of antibodies with cytotoxic drugs)」,Imm unoconjugates,Antibody Conjugates in Radioimaging and Therapy of Cancer ,pp.189-216(C-W Vogel,編)(オクスフォード ユニバーシティ プレス,1987 );Dillman ら,「薬剤と毒物の免疫複合体の比較(Comparisons of Drug and to xin immunoconjugates)」,Antibody,Immunoconjugates and Radiopharmaceutic als,vol.1,pp.65-77(1988);およびKoppel,G.A.,「ヒトの癌の治療のための モノクローナル抗体薬剤指向方法の最近の進歩(Recent advances with monoclon al antibody drug targeting for the treatment of human cancer)」,Bioconj ugate Chemistry,vol.1,pp.13-23(1990)に記載されている〕に精通する当業者 は、本発明のセレニウムのフリーラジカルを指向させる技術の重要性を理解する であろう。 本発明は特定のセレニウム化合物のフリーラジカルの十分な理解を利用する。 これらの化合物は全身性に毒性であるが、本発明ではその毒性を制御的方法で使 用するため、該セレニウム化合物を指向性分子、例えば抗体、結合タンパク質も しくはペプチド、またはセルロースもしくはプラスチックのようなマトリックス に結合させて用いる。このことにより、全身性毒性をなくして細胞の選択的破壊 もしくは増殖抑制を可能にする。例えば、本発明者らは、セレニウム−抗体免疫 複合体が、細胞に結合したときだけ毒性であることを見いだした。この事実はそ の結合部位が天然の抗体により塞がれていると、セレニウムの毒性が生じないこ とにより示されている。本発明者らはまた、このセレニウム−抗体複合体は、そ の毒性を細胞外から発揮できることも見いだした。これに対して、非共有結合的 に付着したセレニウムは毒性の発揮のために細胞内に侵入する必要があり、かつ そのようなセレニウムはいかなる癌または正常細胞内にも侵入する。このセレニ ウムの毒性の機構についての考察(細胞の外側に結合したセレニウム複合体は毒 性であり、そして細胞に結合できないセレニウム複合体には毒性がないこと)は 、新規でありそしてウイルスに対して毒性なセレニウム複合体の設計も可能にす る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,MX,N O (72)発明者 リード,テッド・ダブリュー アメリカ合衆国テキサス州79413,ラボッ ク,フォーティーサード・ストリート 3511

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeSe R’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、ア ルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール性 反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの 反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム化 合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合してセレニウム− 担体複合体を形成できる構造を有し、且つ標的部位に特異的に結合する能力を有 する担体に共有結合させることよりなるセレニウム−担体複合体の製造方法。 2.担体が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、ビタミン、薬剤、レシ チン、プラスミド、リポソーム、核酸および移植可能器具から選ばれる、請求項 1の方法。 3.担体が、バクテリア、ウイルス、原生動物、または細胞抗原に対して特異 的な抗体である、請求項1の方法。 4.セレニウム化合物を担体に共有結合させる工程が、次の工程を含む請求項 1の方法: 該担体を酸化剤で酸化して、セレニウム化合物の反応性基に対応する反応性基 を生じさせ、 過剰の酸化剤を除去し、そして 該セレニウム化合物と酸化した担体とを、セレニウム化合物の反応性基が担体 の対応反応性基と共有結合するのに十分な時間インキュベートして、セレニウム −担体複合体を形成させる。 5.担体が標的部位指向性担体であり、そして該方法がさらに、該セレニウム −担体複合体ラジカルの有効量を患者に投与することを含み、投与により該担体 が、特異的標的部位に結合し、該標的部位は内在性のチオール化合物を有し、該 セレニウムは該標的部位で内在チオールと反応してスーパーオキシドを発生して 局所的破壊を生じ、そして、上記有効量とは該破壊を引き起こすのに十分な量の スーパーオキシドを発生させるのに十分な量である、請求項1の方法。 6.標的部位が細胞抗原である、請求項5の方法。 7.標的部位が病原因子である、請求項5の方法。 8.病原因子が、ウイルス、バクテリア、原生動物、リケッチア、酵母、マイ コプラズマまたは真菌である請求項7の方法。 9.標的部位の近傍に外来のチオール化合物を投与することをさらに含む、請 求項5の方法。 10.担体が不溶性材料製の移植可能な器具であり、さらに該器具を内在性チ オール化合物を有する標的部位に移植することを含む、請求項1の方法。 11.担体が、標的部位に特異的な抗体のF(Ab’)2フラグメントである 、請求項1の方法。 12.(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeS eR’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、 アルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール 性反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つ の反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム 化合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合してセレニウム −担体複合体を形成できる構造を有し、且つ標的部位に特異的に結合して、該標 的部位で局所的破壊をひきおこすための局所的スーパーオキシドの発生させる能 力を有する担体に共有結合させてなるセレニウム−担体複合体を、 内在性のチオール化合物を有する癌腫瘍または病原因子を含む標的部位へ局所 的に運搬しそして付着させるための有効量で投与することよりなる、癌腫瘍およ び病原因子の感染の治療方法。 13.病原因子が、ウイルス、バクテリア、原生動物、リケッチア、酵母、マ イコプラズマおよび真菌からなる群から選択される、請求項12の方法。 14.担体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ポリペプチド、ペ プチド、炭水化物、脂質、ビタミン、薬剤、レシチン、プラスミド、リポソーム 、核酸および移植可能な器具からなる群から選択される、請求項12の方法。 15.外来性チオール化合物を標的部位の近傍に投与することをさらに含む、 請求項12の方法。 16.(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeS eR’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、 アルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール 性反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つ の反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム 化合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合してセレニウム −被覆具を形成できる表面構造を有する不溶性の非金属製の移植具に、下記標的 部位で局所的破壊をひきおこす局所的スーパーオキシドを発生させるために共有 結合させてなるセレニウム−被覆具を、 内在性のチオール化合物を有する標的部位に移植することよりなる、移植具を 使用することに伴う不所望な細胞の増殖を防止する方法。 17.移植器具が眼内移植器具である、請求項16の方法。 18.移植器具が血管用シャントである、請求項16の方法。 19.移植器具がペニス用移植器具である、請求項16の方法。 20.外来性チオール化合物を標的部位の近傍に投与することをさらに含む、 請求項16の方法。 21.(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeS eR’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、 アルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール 性反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つ の反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム 化合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合してセレニウム −担体を形成できる構造を有する担体に、手術部位で傷組織の形成を局所的に防 止する局所的スーパーオキシドを発生させるために共有結合させてなるセレニウ ム−担体を、 内在性チオール化合物を有する手術部位に移植することよりなる、手術におけ る不所望の傷を防止する方法。 22.生物学的な興味対象の化合物を含むと予測されるサンプルと、 (i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeS eR’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、 アミノ、アルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフ ェノール性反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なく とも一つの反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セ レニウム化合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合してセ レニウム−担体複合体を形成できる対応構造を有し、且つ生物学的な興味対象の 化合物に特異的に結合する能力を有する担体に共有結合させてなるセレニウム− 担体複合体と、 からなる混合物をインキュベートして、該セレニウム−担体複合体を、興味対象 の化合物の決定基に結合させて複合体を形成させ、 結合しなかったセレニウム−担体複合体を除去し、 該混合物にチオール化合物を添加してセレニウムと反応させてスーパーオキシ ドを生ぜしめ、 該混合物に、スーパーオキシドと反応する能力を有するレポーティング試薬を 添加し、そして スーパーオキシドとレポーティング試薬との反応を検出する、 ことよりなる生物学的な興味対象の化合物の存在を検出する方法。 23.予め定めた標的部位に移植できる構造の不溶性材料でできており、表面 に反応性成分を有し、そして該表面の少なくとも一部分には、該反応成分の少な くとも一部に対応して結合させるための、 RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeSeR’ (式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、アルコ ール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール性反応 基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの反応 性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム化合物 が被覆されてなる移植器具。 24.眼内移植器具である請求項24の移植器具。 25.血管用シャントである請求項24の移植器具。 26.ペニス用移植器具である請求項24の移植器具。 27.(i)RSeH、RSeR、RSeR’、RSeSeRおよびRSeS eR’(式中、RおよびR’は同一または異なって各々、アルデヒド、アミノ、 アルコール性基、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基、ハロゲンまたはフェノール 性反応基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つ の反応性基を含む脂肪族残基である)からなる群から選択される有機セレニウム 化合物を、(ii)前記セレニウム化合物の該反応性基と共有結合してセレニウム −担体複合体を形成できる構造を有し、且つ標的部位に特異的に結合して該標的 部位で局所的破壊を行うためにスーパーオキシドを局所的に発生させる能力を有 する担体に共有結合させてなる、セレニウム−担体複合体であって、 内在性チオール化合物を有する、癌腫瘍または病原因子を含む標的部位に局所 的に運搬しそして結合させるための上記セレニウム−担体複合体からなる、癌腫 瘍および病原因子感染の治療のための薬剤組成物。 28.病原因子が、ウイルス、バクテリア、原生動物、リケッチア、酵母、マ イコプラズマおよび真菌からなる群から選択される請求項27の薬剤組成物。 29.担体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ポリペプチド、ペ プチド、炭水化物、脂質、ビタミン、薬剤、レシチン、プラスミド、リポソーム 、核酸および移植可能な器具からなる群から選択される、請求項27の薬剤組成 物。 30.担体が、標的部位に特異的な抗体のF(Ab’)2フラグメントである 請求項27の薬剤組成物。
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