JPH104874A - 乳酸発酵による漬床およびその製造方法 - Google Patents

乳酸発酵による漬床およびその製造方法

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JPH104874A
JPH104874A JP15845996A JP15845996A JPH104874A JP H104874 A JPH104874 A JP H104874A JP 15845996 A JP15845996 A JP 15845996A JP 15845996 A JP15845996 A JP 15845996A JP H104874 A JPH104874 A JP H104874A
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JP15845996A
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Shuichi Shiomi
修一 汐見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糠味噌は、手入れを怠ると著しい臭気を発生
し、気密性の高い最近の住宅では利用し難いので、臭気
を発生しない漬床の開発が望まれている。 【解決手段】本発明の漬床は、マメ類、穀類、イモ類な
どの利用残渣に食塩、ヨモギエキス、乳酸菌、酵母など
を添加して、低温発酵させたことを特徴とする漬床であ
って、野菜を漬ける場合でも重石を載せることなく、1
日後に元の色彩を残した色の鮮やかな漬物を得ることが
できる。さらに、特別な手入れをすることなしに、長期
間使用しても悪臭を発生することはない。また、この漬
床を水に懸濁して得た上澄液は、浅漬用の漬液として利
用でき、この漬液に1時間ほど野菜を漬けることにより
容易に浅漬けが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜類の漬物を製
造する際に漬け込む漬床および浅漬用の漬液並びにその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、野菜類の漬物に用いる漬床は、野
菜の種類によって米糠、酒粕、麹などを使い分けて風味
のよい漬物が生産されてきた。また、手軽に風味のある
浅漬を製造するための漬液の販売も近時行われるように
なってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来用いられてきた漬
床のうち酒粕および麹は高価であるため、特殊な風味を
要求される漬物にのみ用いられ、一般家庭においては米
糠が最も多く原料として用いられてきた。しかし、米糠
を発酵させた漬床、いわゆる糠味噌は毎日その手入れを
しないと表面に産膜酵母が生じ、著しい臭気を発生す
る。したがって、近年のように気密性の高い家屋内では
利用し難くなってきているのが現状である。また、重石
を必要とするので、家族の構成が高齢化している現在で
は、その取扱は面倒なものになってきた。そのため、臭
気を発生せず、重石を必要としない漬物用の素材が待ち
望まれていた。また、浅漬用の漬液は味をよくするた
め、化学調味料などの合成食品添加物が多く含まれてい
るので、長期間摂取するには健康上問題視されている。
【0004】したがって、本発明者は上記課題を解決す
るために、豆類、穀類または芋類の利用残渣に動物腸内
微生物の培養物と塩と水とを加えて低温で発酵させたこ
とを特徴とする漬物床を発明し、特許出願した(特願平
7−98149)。しかし、この漬床も常温で保存する
とき、嫌気状態でなければ腐敗するなどの欠点を有し、
取扱いが面倒であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するためにさらに検討を行った結果、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明の漬床は、マメ類、
穀類およびイモ類から選ばれた1種または2種以上の利
用残渣に食塩を加えた混合物に、ヨモギエキス、乳酸菌
および酵母を添加して発酵させたことを特徴とする漬床
であり、上記混合物にパン粉を加えてもよく、また、マ
メ類の利用残渣としておからを使うことができる漬床で
ある。さらに、上述の漬床を水に懸濁させ、静置した
後、得られた上澄液からなる浅漬用漬液である。
【0006】本発明の第2は、マメ類、穀類およびイモ
類から選ばれた1種または2種以上の利用残渣に食塩を
加えた混合物に、ヨモギエキス、乳酸菌および酵母を添
加して低温発酵させたことを特徴とする漬床の製造方法
および上記混合物にパン粉を加える漬床の製造方法であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明でいうマメ類とは、食用に
供することができるマメ科植物の種子をいい、大豆、小
豆、ササゲ、エンドウ、ソラ豆、インゲン豆などをい
い、その利用残渣としては、豆腐の残渣であるおから、
製餡の滓である小豆の皮、搾油の粕である大豆粕、菜種
粕などを例示することができる。おからとか製餡の滓は
水分も多く、腐りやすく、その利用方法が限定されてい
るが、本発明の目的を達するためには十分に使用可能で
ある。
【0008】本発明でいう穀類とは、米、小麦、大麦、
燕麦などのことをいい、その利用残渣としては、米糠、
小麦ふすまあるいはビール粕といわれるビール製造過程
で生じる糖化液の残渣などを例示することができる。さ
らに、イモ類とは、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ
などが例としてあげられ、その利用残渣として、デンプ
ンを取得したのちの残渣などがある。
【0009】本発明に用いるヨモギは、キク科ヨモギ属
の植物であればいずれの植物であってもよく、ヨモギ、
モウコヨモギ、ヤマヨモギ、オオヨモギ、ハマヨモギ、
カズザキヨモギ、ニガヨモギ、カワラヨモギ、シナヨモ
ギ、オトコヨモギ、ミブヨモギなどを例示することがで
きる。ヨモギエキスは、これらのヨモギの乾燥した葉
を、マメ類の利用残渣にパン粉および食塩を加え、さら
に乳酸菌および酵母を添加して4〜10℃の低温で、2
〜3週間熟成させた混合物を水に懸濁させ、静置して得
られた上澄液により抽出して得られたエキスである。
【0010】本発明に用いられる乳酸菌は、ラクトバシ
ルス(Lactobacillus )属、ペジオコッカス(Pediococ
cus )属、ロイコノストック(Leuconostoc )属、ビフ
ィドバクテリウム(Bifidobacterium )属などの微生物
をいい、ラクトバシルス属としては、ラクトバシルス
カゼイ(L. casei)、ラクトバシルス プランタルム
(L. plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L. bre
vis )、ラクトバシルスアラビノサス(L. arabinosus
)などを例示することができる。また、ペジオコッカ
ス属としては、ペジオコッカス ハロフィルス(P. hal
ophilus )、ペジオコッカス ペントサシウス(P. pen
tosaceus)などが、ロイコノストック属としては、ロイ
コノストック メセンテロイデス(Leu. mesenteroide
s)などが、ビフィドバクテリウム属としては、ビフィ
ドバクテリウム ビフィダス(B. bifidus)などを例示
することができる。
【0011】本発明に用いられる酵母は、サッカロマイ
セス(Saccharomyces )属、キャンディダ(Candida )
属、トルロプシス(Torulopsis)属、ピキア(Pichia)
属、ジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces )属な
どの真菌類をいい、サッカロマイセス セルビシエ(S.
cerevisiae )、キャンディダ クルゼイ(C. kuruse
i)、トルロプシス ベルサチリス(T. versatilis
)、ピキア メンブレナファシエンス(P. membranaef
aciens )、ジゴサッカロマイセス ルクシイ(Z. roux
ii )などを例示することができる。
【0012】
【実施例】本発明の概要について説明する。先ず、マメ
類、穀類およびイモ類などの利用残渣の水分が50〜7
0%になるように調整する。このとき、原料がおから、
製餡滓など水分が多い場合には、パン粉を加えることに
より水分を調整することができる。一方、大豆粕、菜種
粕などの油粕では水分が少ないので、水を加えて水分を
調整する。このように水分の調整された原料に、ヨモギ
エキス、乳酸菌および酵母を添加した後、場合によって
は少量の大豆油を混入する。原料に対する大豆油の割合
は通常100:1〜5であって、好ましくは100:2
〜3である。大豆油を混入した場合には、その原料を攪
拌機で30〜40分よくかき混ぜ、パン粉による特有の
粘りがでたものを袋に入れて、4〜10℃の低温で2〜
3週間嫌気発酵させ漬物用漬床を得る。この漬床を水に
懸濁させ、静置した後、得られた上澄液が浅漬用漬液で
あって、合成食品添加物は含まれていない。
【0013】さらに、本発明の詳細を、実施例により説
明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではな
い。 (実施例1) おからにパン粉を加え、水分が60%になるように調整
したもの1kgに食塩100g を加え、よく混捏する。こ
の混合物に、別に調製したヨモギエキス40ml、乳酸菌
(株式会社ビオック製乳酸菌、ペジオコッカス ハロフ
ィルス(P. halophilus ))5g および酵母(株式会社
ビオック製酵母味噌用、Zygosaccharomycess rouxii )
5g を添加し、よく混合したのちポリエチレン製袋に真
空包装し、10℃にて2週間熟成し、漬床を得た。な
お、使用したヨモギエキスは、おから100g にパン粉
15g および食塩10g を加えて混合し、さらに上述の
乳酸菌3g および上述の酵母3g を添加して10℃に
て、2週間熟成させたのち水50L に懸濁させ、静置し
て得られた上澄液1L に、乾燥したニガヨモギの葉30
g を添加し、10℃にて5日間熟成して得られた上澄液
である。
【0014】(実施例2)実施例1で得られた漬床5kg
に水500L を加え、よく攪拌したのち静置し、得られ
た上澄液が浅漬用漬液である。
【0015】(実施例3)実施例1で得られた漬床に、
キウリをよく洗浄し、周囲を食塩で擦り込んだ後、漬け
込んだ。12時間後に取り上げたが、よく漬かったキウ
リの漬物が得られた。さらに、12時間経った24時間
後に取り上げたが、12時間後のものとほたんど変わり
のない漬物が得られた。
【0016】(実施例4)ナスを水でよく洗い、縦方向
に2つに切断したのち、全体を食塩で軽く揉んで、実施
例1で得られた漬床に漬け込んだ。このとき、重石をの
せることなく漬け込み、24時間後にナス色が鮮やかな
ナスの漬物が得られた。この漬物は、3日後においても
24時間後の状態と変わりがなかった。また、新しくナ
スを漬け込んでも、最初と同様の漬物が得られた。この
漬床は1か月後においても、臭気を発生しなかった。
【0017】(実施例5)キウリを水でよく洗い、輪切
りにしたのち、全体を食塩で軽く揉んで、実施例2で得
られた浅漬用漬液をキウリにかけて、全体が液に浸るよ
うにした。約1時間後にキウリの浅漬けが得られた。な
お、24時間後においても浅漬けのキウリを得ることが
でき、漬液にも臭いは生じなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明のマメ類、穀類およびイモ類など
の利用残渣にヨモギエキス、乳酸菌および酵母を添加し
て発酵させた漬床は、キウリやナスなどの野菜を漬ける
ことにより、重石をのせることなく、1日後に元の色彩
を残した色の鮮やかな漬物を得ることができる。さらに
2〜3日漬けておいても同様の漬物を得ることができ
る。また、繰り返し野菜をこの漬床に漬けることがで
き、この漬床は1か月後においても臭気を発生すること
なく、長期間密閉度の高い室内においても容易に漬物を
漬けることができる。また、この漬床から得られる漬液
は、キウリなどの野菜にかけることにより、1時間程度
の短時間で浅漬けを得ることができるとともに、1日後
においても同様の浅漬けを得ることができ、漬液に臭気
を生じることはない。上記漬床および漬液の主原料に
は、マメ類、穀類およびイモ類などの利用残渣を使用す
ることができるので、食品工業における産業廃棄物の処
理の面からも、本発明は非常に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マメ類、穀類およびイモ類から選ばれた1
    種または2種以上の利用残渣に食塩を加えた混合物に、
    ヨモギエキス、乳酸菌および酵母を添加して発酵させた
    ことを特徴とする漬床。
  2. 【請求項2】マメ類、穀類およびイモ類から選ばれた1
    種または2種以上の利用残渣にパン粉および食塩を加え
    た混合物に、ヨモギエキス、乳酸菌および酵母を添加し
    て発酵させたことを特徴とする漬床。
  3. 【請求項3】マメ類の利用残渣がおからである請求項1
    または2記載の漬床。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載の漬
    床を水に懸濁させ、静置した後、得られた上澄液からな
    る浅漬用漬液。
  5. 【請求項5】マメ類、穀類およびイモ類から選ばれた1
    種または2種以上の利用残渣に食塩を加えた混合物に、
    ヨモギエキス、乳酸菌および酵母を添加して低温発酵さ
    せたことを特徴とする漬床の製造方法。
  6. 【請求項6】マメ類、穀類およびイモ類から選ばれた1
    種または2種以上の利用残渣にパン粉および食塩を加え
    た混合物に、ヨモギエキス、乳酸菌および酵母を添加し
    て低温発酵させたことを特徴とする漬床の製造方法。
JP15845996A 1996-06-19 1996-06-19 乳酸発酵による漬床およびその製造方法 Pending JPH104874A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000217505A (ja) * 1999-01-26 2000-08-08 Hideo Mitomi 醤油粕及びオカラを利用した漬物床用粉末の製法
KR100394510B1 (ko) * 2001-06-08 2003-08-14 순천농업협동조합 쑥 김치제조방법
KR100426279B1 (ko) * 2000-02-03 2004-04-08 주식회사 디히 유산균 발효식품 및 그 제조방법
JP2011062150A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Koichi Sugino 漬物床
US11542434B2 (en) 2016-06-21 2023-01-03 Golden Renewable Energy, LLC Char separator and method

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JP2011062150A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Koichi Sugino 漬物床
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