JPH1047316A - 流体抵抗吸収ダクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 流体内で高速移動する物体の、流体から受
ける前面圧力抵抗をできるだけ小さくし、移動のための
エネルギー効率を高める。 【構 成】 流れの中にある物体の圧力差のある部分を
ダクトで連結し、涙滴形断面体前面部の高圧抵抗を、流
れの速い側面外部流体の吸引力で吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一様な流体内で移動す
る高速車輛、船舶、飛行機等、涙滴形断面、あるいは翼
形断面を成す物体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、高速車輛、船舶、飛行機等におい
ては、このような前面圧力抵抗を吸収するためのダクト
の設置はなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとしている課題】流体内で高速で移
動する物体の受ける抵抗は、理論的には流速の二乗であ
り、その必要エネルギーは三乗となる。従って、流体内
移動体にとってはこの前面圧力抵抗を少しでも小さく
し、エネルギー効率を高めることが重要な課題である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】一様の流れの中にある物
体はベルヌーイの定理に従う。涙滴形断面体、あるいは
翼形断面体もその形状からこの定理に従い、周辺に圧力
差を生じる。つまり、流れの遅いところは圧力は高く、
流れの速いところでは圧力は低い。この圧力差のある場
所をダクトで連結、高圧流を低圧高速流で吸収し、流れ
自身のエネルギーで前面圧力抵抗を減少させようとする
ものである。

【０００５】この原理は自然界では高速で泳ぐ、マグロ
やサバの鰓呼吸機構。人工機器では、霧吹き器や、拡散
ポンプに見ることができる。

【０００６】高速車輛、船舶、飛行機等にもこの機構を
設置し、高速移動体の前面圧力抵抗を小さくする手段と
する。

【０００７】

【作 用】流体内涙滴形断面体が受ける最も圧力の高い
部分は、流れに対し直角点にある第一図の頭部（２）の
先端であり、最も流圧の低い部分は、流速の速い場所。
側壁部（４）である。

【０００８】したがって、第二図のようにこの両部を
（３）（５）と内蔵する連結空間ダクト（６）で連結し
開けば、高圧部（３）から低圧部（５）へと外部流体の
力で圧力抵抗は吸収される。

【０００９】

【実施例】気体や液体の中で高速で移動する涙滴形断面
体を成す物体、つまりリニアモーターカー車輛、水中翼
船の水中翼、ウエルズタービン翼、飛行機のボデーや翼
への実施が考えられる。

【００１０】実施にあたっては流入開口部（３）および
排出開口部（５）の大きさ、場所、形の組み合わせは数
多くある。また、連結空間ダクト（６）は必ずしも管状
である必要はない

【００１１】

【発明の効果】効果はダクト機構がない場合の第一図の
頭部（２）の先端抵抗をＡとし、ダクト機構がある場合
の第二図の排出開口部（５）の外部流体にる低圧吸引力
をＢとすると、連結空間ダクト（６）の内部抵抗Ｃは、
圧力抵抗のみを考える場合。Ｃ＝Ａ−Ｂ従ってＣ＜Ａと
なる。

【００１２】自作による模型実験では、排出開口部
（５）を閉じた場合と、開いた場合の抵抗差はおよそ２
０％であった。

【００１３】風洞による実験ではなかったが、流速が速
くなる程、その差は大きくなる。

【００１４】また、魚類のまぐろ属が休むことなく一生
大陸棚間を回遊し続けたり、時速１００ｋｍちかい高速
を出せるのも、生理学的にこのラム・ジェット鰓呼吸機
構による効果と言われている。

【図面の簡単な説明】

【第一図】一様な流れの中の涙滴形断面体が受ける、抵
抗状態図

【第二図】本発明ダクト装備涙滴形断面体の断面図

【符号の説明】

（１）涙滴形断面体 （２）頭部 （３）流入開口部 （４）側壁部 （５）排出開口部 （６）連結空間ダクト Ａ 連結空間ダクトがないときの先端圧力抵抗 Ｂ 連結空間ダクトがあるときの排出開口部の外部流体
による吸引力 Ｃ 連結空間ダクト内の流体による圧力抵抗 実線矢印は流体の流れとその方向 点線矢印は圧力抵抗の状態

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一様な流れ（矢印）の中にある涙滴形断面
   体（１）の頭部（２）（丸みのある部分）に、流れが来
   る方向に開口された流入開口部（３）があり、その
   （１）の側壁部（４）に排出開口部（５）がある。そし
   て、それら開口部（３）（５）は、連結空間ダクト
   （６）で連結されていること。
2. 【請求項２】請求項１記載の連結空間ダクト（６）の内
   部は、流体は他の機器と接触することがなく、滑らかに
   流れること。