JPH1047303A - クローズドセンタ式油圧回路 - Google Patents

クローズドセンタ式油圧回路

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JPH1047303A
JPH1047303A JP21781996A JP21781996A JPH1047303A JP H1047303 A JPH1047303 A JP H1047303A JP 21781996 A JP21781996 A JP 21781996A JP 21781996 A JP21781996 A JP 21781996A JP H1047303 A JPH1047303 A JP H1047303A
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JP
Japan
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pressure
hydraulic pressure
valve
hydraulic
downstream
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JP21781996A
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Inventor
Tomohide Hamada
知秀 濱田
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Komatsu Ltd
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローズドセンタ式の流量特性を活かしつ
つ、圧力特性を可変化し、以て従来の圧力特性の短所を
解消できるクローズドセンタ式油圧回路の提供 【解決手段】 操作レバー(41)の操作量に応じたパイロ
ット信号を受け、このパイロット信号に応じた開口面積
で開口し、この開口を介して可変容量形の油圧ポンプ
(1) からの圧油をアクチュエータ(36)に供給するクロー
ズドセンタ式の方向切換弁(33)と、一側に所定の第1付
勢力を予め有すると共に第2付勢力として方向切換弁(3
3)の下流側油圧(PLS1)を受け、他側に第3付勢力として
方向切換弁(33)の上流側油圧を受け、第3付勢力が第
1、2付勢力の合計値よりも大きいときはポンプ吐出量
(Pp)を減らす信号を油圧ポンプ(1) に入力する流量制御
弁(7) とを有するクローズドセンタ式油圧回路におい
て、下流側油圧(PLS1)とパイロット信号とを受け、下流
側油圧(PLS1)からパイロット信号の大きさに応じた第2
油圧を生成し、第2油圧を第2付勢力として流量制御弁
(7) に与える油圧生成器(15・17・48・21) を有することを
特徴とするクローズドセンタ式油圧回路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローズドセンタ
式油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】方向切換弁はオープンセンタ式とクロー
ズドセンタ式とに大別される。オープンセンタ式は古く
から油空圧回路に用いられる。一方、クローズドセンタ
式は近時油圧回路に散見される。
【0003】例えば生コンミキサー車は、坂道、渋滞
路、交差点、踏切、制動時、加速時等ではエンジン回転
が変化するが、これに応じてミキサーの回転までも変化
したのでは生コンの品質に悪影響を与える。そこでエン
ジン回転等の影響を受けることなくミキサーを最適回転
に維持させるためにクローズドセンタ式が用いらる。
【0004】即ち方向切換弁からアクチュエータへの流
量Qは、方向切換弁の開口面積Aと、方向切換弁の上流
側油圧と下流側油圧との差圧ΔPの平方根との乗算値に
比例する(Q∝A・ΔP1/2 )。ところで差圧ΔPを一
定に維持すれば(ΔP→ΔPc)、「エンジン回転数の
変化やアクチュエータの負荷の大小に関わりなく、流量
Qは開口面積Aだけに比例する」という「流量特性(Q
∝A)」が得られる。
【0005】そして上記一定差圧ΔPcを確保するには
先ず、方向切換弁が中立位置であるときでも、方向切換
弁の上流側に一定差圧ΔPcに等しい初期圧ΔPoを確
保しておく必要がある。
【0006】ところがオープンセンタ式は、中立位置が
タンクに接続されて全量ドレーンしているため、初期圧
ΔPoの確保が困難である。即ちオープンセンタ式で
は、中立位置から作動位置に切換えた瞬間に初期圧ΔP
oを設定できないため、前記「流量特性(Q∝A)」を
得るための初期設定が困難である。次いで中立位置から
作動位置への切換え中も、一部油量がタンクにドレーン
しているため、このときの一定差圧ΔPcの確保も困難
である。即ちオープンセンタ式では前記「流量特性(Q
∝A)」を得ることが困難である。
【0007】一方クローズドセンタ式は、中立位置がタ
ンクに接続されていないため、初期圧ΔPoを予め確保
しておくことが容易である。また切換え中も全流量がア
クチュエータに流れるため、一定差圧ΔPcの確保も容
易である。即ちクローズドセンタ式では前記「流量特性
(Q∝A)」を得ることが容易である。前記ミキサーで
は、クローズドセンタ式油圧回路を用いて方向切換弁の
開口面積を最適値に固定可能とし、もって最適回転を維
持可能としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来のク
ローズドセンタ式油圧回路には、次のような問題点があ
る。
【0009】オープンセンタ式では、図7の点線に示す
ように、操作レバーによって方向切換弁を中立位置から
作動位置に切換えると、ドレーンポートが全開から遮断
へと漸次移行するため、操作レバーのレバーストローク
に応じてポンプ吐出圧PP がアクチュエータ負荷圧まで
漸増する。従ってアクチュエータ作動開始時、ショック
が小さいという利点がある。
【0010】これに対しクローズドセンタ式では、ドレ
ーンポートが無く、かつアクチュエータの負荷油圧に係
わりなく一定差圧ΔPcを維持する比例制御(Q∝A)
が行われるため、同図7の実線に示すように、ポンプ吐
出圧PP がアクチュエータ負荷圧Pw及び一定差圧ΔP
cの合計値まで突然昇圧する。即ちクローズドセンタ式
では、前記「流量特性(Q∝A)」を得ることはできる
が、方向切換弁を切り換えたときにポンプ吐出圧PP が
突然昇圧するという「圧力特性」がある。そしてこの
「圧力特性」によれば、アクチュエータ作動開始時、大
きなショックが発生する欠点がある。そしてこのショッ
クによって車体が揺れ、作業性に悪影響を及ぼす外、ホ
ース等の油器の寿命低下が懸念されている。
【0011】上記クローズドセンタ式での「圧力特性」
は、前記生コンミキサー車のように、長時間、所定回転
を維持するものであるならば、さ程支障は無いが、複数
のアキュムレータを頻繁に切換え、かつ複合操作する、
例えば油圧式掘削機械では由々しき問題となる。
【0012】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
クローズドセンタ式の長所なる「流量特性(Q∝A)」
を活かしつつ、「圧力特性の可変化」を得ることによ
り、従来の「圧力特性」の短所(例えばアクチュエータ
作動開始時のショック)を解消できるクローズドセンタ
式油圧回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および効果】上記目的を達
成するため、本発明に係るクローズドセンタ式油圧回路
の第1構成は、(1) 操作レバーの操作量に応じたパイロ
ット信号を受け、このパイロット信号に応じた開口面積
で開口し、この開口を介して可変容量形の油圧ポンプか
らの圧油をアクチュエータに供給するクローズドセンタ
式の方向切換弁と、(2) 一側に所定の第1付勢力を予め
有すると共に第2付勢力として方向切換弁の下流側油圧
を受け、他側に第3付勢力として方向切換弁の上流側油
圧を受け、第3付勢力が第1、2付勢力の合計値よりも
大きいときはポンプ吐出量を減らす信号を油圧ポンプに
入力する流量制御弁とを有するクローズドセンタ式油圧
回路において、(3) 下流側油圧とパイロット信号とを受
け、下流側油圧からパイロット信号の大きさに応じた第
2油圧を生成し、第2油圧を第2付勢力として流量制御
弁に与える油圧生成器を有することを特徴としている。
【0014】上記第1構成を説明する。クローズドセン
タ式及びオープンセンタ式に係わらず、近時の油圧回路
の殆どは、アクチュエータへの供給油量の制御を、操作
レバーの操作量の大きさに基づく電気や油空圧等のパイ
ロット信号によって方向切換弁を漸次開閉することで行
っている。第1構成(後述する第2、第3構成も同じ)
でもこのような操作レバーを備えることとした。
【0015】流量制御弁は「(第3付勢力−第2付勢
力)=第1付勢力」を維持するように、ポンプ吐出量を
増減している。ここで左辺(第3付勢力−第2付勢力)
は「上流側油圧−下流側油圧」(即ち、差圧ΔP)に相
当し、右辺(第1付勢力)は「初期圧ΔPo」(一定差
圧ΔPcとも言える)に相当する。即ち流量制御弁は
「ΔP=ΔPc」を維持するように、ポンプ吐出量を増
減していることになる。従って基本的には、流量制御弁
がクローズドセンタ式油圧回路における方向切換弁での
「流量特性(Q∝A)」を得る基本となっている。かか
る方向切換弁と流量制御弁とを有するクローズドセンタ
式油圧回路における「圧力特性の可変化」は、差圧ΔP
が一定差圧ΔPcに維持されていることから、「上流側
油圧」及び「下流側油圧」のいずれか一方を可変化する
ことになる。ところがアクチュエータ作動開始時のショ
ックを無くすということは、「上流側油圧」を出力値と
して初期圧から漸増させることになるため、入力値であ
る「下流側油圧」を可変化することとなる。この場合で
も勿論、前記「ΔP=ΔPc」は維持され「流量特性
(Q∝A)」を得ることができる。従って油圧生成器
は、方向切換弁の下流側油圧を受け、この下流側油圧を
パイロット信号に応じた大きさに第2油圧を生成するも
のとした。即ち、下流側油圧を零(=0kg/cm2 )から
アクチュエータ負荷圧PLS1 まで変化可能な変更値とし
ている。第1構成は、この第2油圧を第2付勢力として
流量制御弁に導いている。
【0016】具体的には次のようになる。例えばΔPc
=20kg/cm2 (第1付勢力である)に予め設定したと
する。また方向制御弁の下流側油圧が100kg/cm2
で昇圧すると、アクチュエータが作動開始する場合を想
定する。この場合、仮に油圧生成器が無いとすると(即
ち、従来のクローズドセンタ式油圧回路ならば)、ポン
プ吐出圧PP は、前記図7の実線に示した通り、突然1
20kg/cm2 (=20kg/cm2 +100kg/cm2 )まで
昇圧しアクチュエータを作動させるため、ショックが生
ずる。
【0017】ところが第1構成によれば、油圧生成器が
操作レバーを操作量に応じて下流側油圧を零(=0kg/
cm2 )から100kg/cm2 まで漸増させることができ
(即ち、ポンプ吐出圧PP を20kg/cm2 から120kg
/cm2 まで漸増することができ)、そしてポンプ吐出圧
PP が100kg/cm2 を越えたときに始めてアクチュエ
ータが作動開始するため、ショックが無くなる。
【0018】第2構成は、 (1) 方向切換弁と、圧力補償弁と、この圧力補償弁に向
けて流通のチェック弁とを複数組有し、(1-1) 各組の方
向切換弁は、操作レバーの操作量に応じたパイロット信
号を受け、このパイロット信号に応じた開口面積で開口
し、この開口を介して可変容量形の油圧ポンプからの圧
油をアクチュエータに供給するクローズドセンタ式の方
向切換弁であり、(1-2) 各組の圧力補償弁は夫々の組に
おいて、一側に第4付勢力として、方向切換弁の下流側
油圧をチェック弁を介して受けると共に他の組の方向切
換弁の下流側油圧を当該他の組のチェック弁を介して受
け、他側に第5付勢力として、方向切換弁の下流側油圧
を受け、第4付勢力が第5付勢力よりも大きいときは方
向切換弁の上流側油圧及び下流側油圧のいずれか一方又
は両方を昇圧させる圧力補償弁であり、 (2) 一側に所定の第1付勢力を予め有すると共に第2付
勢力として各第4付勢力を生成した油圧を各チェック弁
を介して受け、他側に第3付勢力としてポンプ吐出圧を
受け、第3付勢力が第1、2付勢力の合計値よりも大き
いときはポンプ吐出量を減らす信号を油圧ポンプに入力
する流量制御弁とを有するクローズドセンタ式油圧回路
において、 (3) 同じ組の方向切換弁の下流側油圧とパイロット信号
とを受け、下流側油圧からパイロット信号の大きさに応
じた第2油圧を生成し、第2油圧を第2付勢力として同
じ組のチェック弁を介して流量制御弁に与える油圧生成
器を備えた第1組及び第2組を有すると共に、 (4) 第1組のチェック弁の上流側に、第2組のチェック
弁の下流側を接続したことを特徴としている。
【0019】上記第2構成を説明する。第2構成では、
方向切換弁と、圧力補償弁と、この圧力補償弁に向けて
流通のチェック弁とを複数組有している。方向切換弁は
アクチュエータに対して対とされる。従ってアクチュエ
ータ、方向切換弁と、圧力補償弁と、チェック弁とを複
数組有していることになる。そして流量制御弁は油圧ポ
ンプに対して対とされて1つ設けてある。一方、油圧生
成器は少なくとも2つの組に設けることを前提としてい
る。即ち第2構成は、複数アクチュエータを有し、各ア
クチュエータを単独又は複合操作可能とされたクローズ
ドセンタ式油圧回路となっている。尚、油圧ポンプと、
流量制御弁と、方向切換弁と、油圧生成器との単体機
能、及び、油圧ポンプと流量制御弁との関係と、各組の
方向切換弁と流量制御弁との関係と、各組での方向切換
弁と油圧生成器との関係と、各組の油圧生成器と流量制
御弁との関係とは、上記第1構成とほぼ同一であるた
め、重複説明を省略し、圧力補償弁とチェック弁とを中
心に以下詳述する。
【0020】圧力補償弁の説明において、「一側に第4
付勢力として、方向切換弁の下流側油圧をチェック弁を
介して受けると共に他の組の方向切換弁の下流側油圧を
当該他の組のチェック弁を介して受け、」の記載は、上
記「チェック弁が圧力補償弁に向けて流通」であること
から明らかなように、「第5付勢力が全組の方向切換弁
の下流側油圧の内の最大油圧を受ける」ことを意味す
る。一方「他側に第5付勢力として、方向切換弁の下流
側油圧を受け」の記載は、この記載の通りであってさら
なる説明は要さない。そして「第4付勢力が第5付勢力
よりも大きいときは方向切換弁の上流側油圧及び下流側
油圧のいずれか一方又は両方を昇圧させる」の記載とは
次の通り。
【0021】クローズドセンタ式油圧回路が複数のアク
チュエータを有すとき、各アクチュエータ負荷圧は互い
に異なるのが普通である。この場合、かつ油圧ポンプが
一つであるときに、複数のアクチュエータを複合操作す
ると、油圧ポンプからの圧油は当然ながら、軽負荷側の
アクチュエータに流れ込み、重負荷側のアクチュエータ
には流れ込まない。ところがこのままでは、各方向切換
弁における「流量特性(Q∝A)」を確保できない。そ
こで各方向切換弁が圧力補償弁を夫々有していると、複
数のアクチュエータを複合操作したときでも、各方向切
換弁は、次のように、夫々の「流量特性(Q∝A)」を
確保できる。
【0022】複数のアクチュエータに対する複合操作
時、負荷圧が最大であるアクチュエータの組では、その
組の圧力補償弁での第4付勢力と第5付勢力とは同圧で
あるから、その組の方向切換弁は「流量特性(Q∝
A)」を確保できる。一方、アクチュエータを動作中の
他の組の圧力補償弁では、その第4付勢力が前記最大負
荷圧の組の方向切換弁の下流側油圧であり、第5付勢力
がその組の方向切換弁の下流側油圧となるから(即ち、
「第4付勢力<第5付勢力」となるから)、圧力補償弁
はその組の方向切換弁の上流側油圧及び下流側油圧のい
ずれか一方又は両方を昇圧させる。
【0023】尚、「圧力補償弁はその組の方向切換弁の
上流側油圧及び下流側油圧のいずれか一方又は両方を昇
圧させる」の記載は、次に具体例を掲げて説明する。
【0024】(1) 方向切換弁の上流側油圧を昇圧させる
のであれば、油圧ポンプと方向切換弁との間に可変絞り
(圧力補償弁である)を設け、この可変絞りを第5、第
6付勢力の比較によって絞ることによりこの可変絞りと
方向切換弁の上流側との間を昇圧させ、もって方向切換
弁の上流側油圧と下流側圧との差圧ΔPを一定差圧ΔP
cとする。尚このときの方向切換弁の下流側圧は、アク
チュエータ負荷圧である。
【0025】(2) 方向切換弁の下流側油圧を昇圧させる
のであれば、大きく分けて次の2つがある。
【0026】(2-1) 方向切換弁とアクチュエータとの間
に可変絞り(圧力補償弁である)を設け、この可変絞り
を第5、第6付勢力の比較によって絞ることにより方向
切換弁と可変絞りとの間を昇圧させ、もって方向切換弁
の上流側油圧と下流側圧との差圧ΔPを一定差圧ΔPc
とする。尚このときの可変絞りの下流側圧は、アクチュ
エータ負荷圧である。
【0027】(2-2) アクチュエータのメータアウト側に
可変絞り(圧力補償弁であり、後述する事例と同じ)を
設け、この可変絞りを第5、第6付勢力の比較によって
絞ることによりアクチュエータ負荷圧を昇圧させ、もっ
て方向切換弁の上流側油圧と下流側圧との差圧ΔPを一
定差圧ΔPcとする。尚このときの方向切換弁の下流側
圧は、アクチュエータ負荷圧と可変絞りによる昇圧との
加算値である。
【0028】各組のチェック弁は、流量制御弁に対する
「第2付勢力として各第4付勢力を生成した油圧を各チ
ェック弁を介して受け」の記載及び油圧生成器に対する
「第3油圧を第2付勢力として下流側油圧に代えて同じ
組のチェック弁を介して流量制御弁に与える」の記載か
ら明らかなように、流量制御弁に向けて流通のものであ
り、かつ油圧生成器と流量制御弁との間に設けられてい
る。そして油圧生成器を備えた特定の組のチェック弁の
上流側に、他の組のチェック弁の下流側を接続してあ
る。
【0029】即ち第2構成によれば、次のような効果を
奏する。仮に「油圧生成器を備えた特定の組のチェック
弁の下流側に、他の組のチェック弁の下流側を接続し
た」とする。そして特定の組のチェック弁の上流側の第
2油圧(仮にP21とする) の方が、他の組のチェック弁
の上流側の第2油圧(仮にP22とする) よりも低いとす
ると(P21<P22)、特定の組の油圧生成器が如何に作
動しても、両チェック弁によって特定の組の圧力補償弁
が他の組の第2油圧P22を受けて作動するため、特定の
組では「圧力特性の可変化」を受けないという問題が生
ずる。尚、他の組の圧力補償弁は、その第2油圧P22を
受けて作動するため、当該他の組の油圧生成器による
「圧力特性の可変化」を得ることができる。即ちこのよ
うな構成では複合操作時、アクチュエータ負荷圧が最大
の組でしか、「圧力特性の可変化」を得ることができな
いと言う問題が生ずる。
【0030】尚、第1構成は上記問題を抱える構成も含
んでいる。即ち、第1構成において「圧力特性の可変
化」が得られるのは、「只一つのアクチュエータを有す
るクローズドセンタ式油圧回路」又は「複数のアクチュ
エータを有するクローズドセンタ式油圧回路であっても
一つのアクチュエータだけを単独操作したとき」だけに
生ずる効果である。言い換えれば、第1構成が複数のア
クチュエータを有したクローズドセンタ式油圧回路であ
り、かつ複数のアクチュエータを複合操作を行ったとき
には、上記と同じ問題が生じる。
【0031】即ち第2構成は「油圧生成器を備えた特定
の組のチェック弁の上流側に、他の組のチェック弁の下
流側を接続してある」ため、油圧生成器を有する組の間
で複合操作を行っても、夫々において「圧力特性の可変
化」を得ることができる(詳細は、後述する事例説明で
説明する)。また第2構成はアクチュエータの作動速度
においても、第1構成を凌駕する効果を有する(詳細は
後述する)。即ち、第2構成は、第1構成を大幅に改良
したものとなっている。
【0032】第3構成は、第1又は2構成のクローズド
センタ式油圧回路において、油圧生成器を他の油器や周
辺部材に対してボルト等の締結手段によって着脱自在に
固設したことを特徴としている。
【0033】上記第3構成によれば次のような効果を奏
する。油圧生成器は、上記したように、「圧力特性の可
変化」を達成させるが、この可変化としては、段階的な
変化や線形的な変化等、各種準備できる。つまり、ある
クローズドセンタ式油圧回路に対してアタッチメント的
に油圧生成器を取り替え装着することによって各種「圧
力特性の可変化」を得ることができる。つまり、油圧生
成器は各種交換可能とされることが好ましい。ところで
油圧生成器は、方向切換弁の下流側油圧とパイロット信
号とを受け、第4油圧を流量制御弁に与えるものであ
る。つまりパイロット信号は勿論のこと、下流側油圧も
第4油圧も共にパイロット油圧である。従って方向切換
弁のように流量に比例したサイズとする必要は全くな
く、極めてコンパクトに構成でき、配置箇所も選ばな
い。即ち第3構成は「油圧生成器を他の油器や周辺部材
に対してボルト等の締結手段によって着脱自在に固設し
た」ため、あるクローズドセンタ式油圧回路に対して、
各種油圧生成器を交換可能としたため、各種「圧力特性
の可変化」を与えることができ、また例えば最もメイン
テナンスし易い箇所にでも配置できる。
【0034】
【発明の実施の形態および実施例】以下図1〜図6を参
照し好適な事例を説明する。各事例は、例えば図6の油
圧式掘削機械に使用されるクローズドセンタ式油圧回路
である。
【0035】図6の油圧式掘削機械は、下部走行体81
上に上部旋回体82を旋回自在に搭載し、上部旋回体8
2上にエンジン等の動力源、運転室83及び作業機を搭
載している。作業機は上部旋回体82に対して起伏自在
に装着されたブーム84と、ブーム84の先端に揺動自
在に装着されたアーム85と、アーム85の先端に揺動
自在に装着されたバケット86とを有する。そしてブー
ム84、アーム85、バケット86はブームシリンダ5
6、アームシリンダ87、バケットシリンダ36のアク
チュエータによって起伏自在また揺動自在とされてい
る。
【0036】尚、第1事例を示す図1と第2事例を示す
図4とはいずれも、上記図6の油圧式掘削機械の複数ア
クチュエータの中からバケットシリンダ36とブームシ
リンダ56とを抜粋して説明用に再編成してある。
【0037】第1事例を図1を参照し説明する。先ず図
示左部の流量制御系を説明する。エンジン(図示せず)
によって駆動される可変容量形の油圧ポンプ1(以下、
油圧ポンプ1とする)は、サーボシリンダ2のピストン
ロッドに連結され、ピストンに作用する油圧によって斜
軸角又は斜板角が変化し、これによって吐出量可変とさ
れている。
【0038】サーボシリンダ2は、ヘッド側にポンプ吐
出圧PP を受けてポンプ吐出量を増し、ボトム側に制御
弁3とオリフィス4とをこの順で経たポンプ吐出圧PP
を受けたときにポンプ吐出量を減らす。
【0039】制御弁3は、減圧弁11を経た油圧源10
からの油圧と、アンロード弁を兼ねる流量制御弁7から
オリフィス23を経てタンク21へのドレン管路22の
前記オリフィス23の上流側からオリフィス8、管路9
を経て導かれる油圧と、ポンプ吐出圧PP との3油圧を
パイロット圧として受け、これらパイロット圧に応じて
ポンプ吐出圧PP をサーボシリンダ2のボトム側に導
く。尚、減圧弁11は、ポンプ馬力を一定化させるトル
ク可変制御装置(TVC:Torque Variable Con-trol)
からの信号を受け、ポンプ馬力が一定化するように、油
圧源10からの油圧を調整し、この調整済み油圧をパイ
ロット圧として制御弁3に供給する。
【0040】流量制御弁7は、管路5、6を経て油圧ポ
ンプ1の吐出油が導かれる弁であり、前記管路6とオリ
フィス23を経てタンク21に至るドレン管路22とを
連通させる左位置と、前記管路6とドレン管路22と遮
断させる右位置とを有する。そして右端に、付勢バネ7
a(第1付勢力である)を有すると共に、詳細を後述す
る調圧弁48、75の夫々の生成油圧の内、いずれか高
い方(第2付勢力である)を管路20を経て受け、左端
に、管路6からオリフィス13付きの管路12を経て導
びかれたポンプ吐出圧PP (第3付勢力である)を受け
る。
【0041】従って流量制御弁7は、「第3付勢力>
(第1付勢力+第2付勢力)」であるときは、左位置に
切換えられて流量制御弁7のドレン油圧をパイロット圧
として制御弁3に与えポンプ吐出量を減らす。一方「第
3付勢力<(第1付勢力+第2付勢力)」であるとき
は、右位置を維持してポンプ吐出量を増量側とする。即
ち流量制御弁7は、「第3付勢力=(第1付勢力+第2
付勢力)」となるように、ポンプ吐出量を増減する。即
ち前記「流量特性(Q∝A)」が確保される。
【0042】次に図示中央部のバケットシリンダ36の
組を説明する。油圧ポンプ1の吐出管路5に接続された
管路31は、下流方向へ流通のチェック弁32を介して
クローズドセンタ式の方向切換弁33に接続される。方
向切換弁33の出口側の管路34はリリーフ弁35を介
してバケットシリンダ36のボトム側に接続される。バ
ケットシリンダ36のヘッド側に接続された管路37
は、方向切換弁33及び圧力補償弁38を介してタンク
21に接続されている。
【0043】方向切換弁33は、オペレータが操作する
操作レバー41の操作量に比例したパイロット油圧を発
生するPPC弁(Pilot Pressure control Valve)42
からのパイロット油圧の大小に応じた開口面積となるよ
うに作動する。
【0044】そして方向切換弁33の下流側には管路4
3が接続される。管路43は圧力補償弁38の右端に接
続され、方向切換弁33の下流側油圧PLS1 (アクチュ
エータ負荷圧PLS1 )によって前記右端に付勢力(第5
付勢力である)を与える。また管路43は管路44を経
て減圧弁15の上端に接続される。減圧弁15は、管路
14からポンプ吐出圧PP を受けて管路16に前記管路
43によって導かれた方向切換弁33の下流側油圧PLS
1 を出力する。管路16の下流側にはオリフィス17が
設けられ、このオリフィス17の下流側が管路18と管
路47とに分岐している。管路47は調圧弁48に導か
れる。一方管路18は、下流側に向けて流通のチェック
弁19を経て管路20と管路45とに分岐する。管路2
0は流量制御弁7の右端に導かれる。一方管路45は途
中にオリフィス46を備えて圧力補償弁38の左端に導
かれる。
【0045】調圧弁48は、左側遮断位置と、管路47
をタンク21に連通させる中央の絞り付き連通位置と、
右側遮断位置とを有する3位置切換弁であり、特に絞り
付き連通位置では、PPC弁42からのパイロット油圧
の大小に応じた開口面積となるように作動する。
【0046】つまり調圧弁48は、左端に付勢バネを有
し、右端にパイロット油圧を受ける。従ってパイロット
油圧が加わらないとき(即ち、操作レバー41を操作し
ないとき)は、付勢バネによって左側遮断位置を維持し
ている。次にパイロット油圧が生じたとき(即ち、操作
レバー41を若干操作したとき)は、パイロット油圧が
付勢バネに打ち勝って調圧弁48を絞り付き連通位置と
する。そして操作レバー41をさらに操作すると、パイ
ロット信号の大きさに応じた第2油圧が生成される。詳
しくは次の通り。
【0047】先ず調圧弁48の絞り付き連通位置が左側
遮断位置近傍に在るときは、開口面積を大きくしてタン
ク21へのドレン流量を多くしている。即ち、管路16
の油圧は減圧弁15の減圧作用によってアクチュエータ
負荷圧PLS1 に等しくされているが、オリフィス17の
絞り効果によってオリフィス17の下流側の管路47、
18の油圧が減圧可能となる。従って管路43の第2油
圧は、殆ど零(0kg/cm2 )とすることができる。次い
で絞り付き連通位置が右側遮断位置に近づくにつれて開
口面積を絞るようにしている。そして操作レバー41を
さらに操作して調圧弁48を左側遮断位置に切換える
と、前記オリフィス効果と調圧弁48とによる減圧作用
がなくなり、第2油圧はアクチュエータ負荷圧PLS1 と
同圧になる。即ち、第2油圧はパイロット信号の大きさ
に応じた油圧となる。即ち、前記油圧生成器は、本事例
では減圧弁15、オリフィス17、調圧弁48、タンク
21、管路14、16、47及びドレン管路から構成さ
ている。
【0048】第2油圧は、管路18、下流側へ流通のチ
ェック弁19、管路45、オリフィス46を経て圧力補
償弁38の左端に第4付勢力として作用すると共に、チ
ェック弁19、管路20を経て流量制御弁7の右端に第
2付勢力として作用する。
【0049】図示右部のブームシリンダ56の組は、上
記左側のバケットシリンダ36の組と同じである。即
ち、管路50は管路5に、管路51は管路31に、管路
71は管路45に、管路54は管路34に、管路57は
管路37に、管路63は管路43に、管路69は管路1
8に、方向切換弁53は方向切換弁33に、チェック弁
52はチェック弁32に、リリーフ弁55はリリーフ弁
35に、アクチュエータ負荷圧PLS2 はアクチュエータ
負荷圧PLS1 に、圧力補償弁58は圧力補償弁38に、
操作レバー61は操作レバー41に、PPC弁62はP
PC弁42に、チェック弁70はチェック弁19に、調
圧弁75は調圧弁48に、ブームシリンダ56はバケッ
トシリンダ36に、オリフィス73はオリフィス46に
対応する。また管路66は管路14に、管路64は管路
44に、管路67は管路16に、管路74は管路47
に、減圧弁65は減圧弁15に、オリフィス68はオル
フィス17に対応して油圧生成器を構成している。従っ
て右部のブームシリンダ56の組の作動説明は省略す
る。尚、管路72は管路20に接続されている。
【0050】尚、実際回路は、管路37にもリリーフ弁
35と同様のリリーフ弁を備え、また方向切換弁33
は、管路31を管路37に接続すると共に管路34を圧
力補償弁38に接続する逆側位置と、バケットシリンダ
36に対して管路31を遮断する中立位置とを有する3
位置切換弁であるが、同図1ではこれら逆側位置及び中
立位置を省略して図示してある。一方、方向切換弁53
も、実際は、前記方向切換弁33と同様の3位置切換え
弁であるが、同図1ではこの方向切換弁53も前記方向
切換弁33と同様に逆側位置及び中立位置を省略して図
示してある。
【0051】上記第1事例によれば、次のような効果を
奏する。図2を参照しつつ具体例と共に説明する。仮に
流量制御弁7が付勢バネ(第1付勢力)によって初期圧
ΔPが20 kg/cm2 に設定されているとする。さらに操
作レバー41だけの単独操作とする。さらにバケットシ
リンダ36は、方向切換弁33の下流側油圧PLS1 が1
00kg/cm2 となると、作動開始するものとする。調圧
弁48は、前述の通り、操作レバー41の操作量の大き
さに応じた大きさの第2油圧を出力する。具体的には、
絞り付き連通位置において、調圧弁48が左位置から右
位置への移動に応じて絞りの開度を閉じることにより、
第2油圧は零(0kg/cm2 )から100kg/cm2 まで漸
増する。
【0052】即ち、流量制御弁7は、図2の点線に示す
ように、操作レバー41の操作に応じて零(0kg/c
m2 )から100kg/cm2 までの漸増油圧を第2油圧と
して右端に受けるため、かつ流量制御弁7における前記
「第3付勢力=(第1付勢力+第2付勢力)」が「ポン
プ吐出圧PP =(初期圧ΔPo+漸増油圧)」に対応す
るため、油圧ポンプ1は、同図2の実線に示すように、
20kg/cm2 から120kg/cm2 までのポンプ吐出圧P
P を操作レバー41の操作に応じて吐出するようにな
る。そしてポンプ吐出圧PP が120kg/cm2 となる
と、方向切換弁33の下流側油圧は100kg/cm2 とな
り、その後は、前記「流量特性(Q∝A)」に基づきバ
ケットシリンダ36は自在に作動可能となる。尚、前記
第2油圧の漸増期間は、バケットシリンダ36は作動し
ない。
【0053】即ち、第1事例によれば、負荷の大きさに
係わらず、方向切換弁の開口面積に応じた流量をアクチ
ュエータに流せるというクローズドセンタ式油圧回路の
利点である「流量特性(Q∝A)」を維持しつつ、圧力
特性のみ、オープンセンタ式並に改善できる。従って従
来技術において生じていたクローズドセンタ式油圧回路
における方向切換弁の切換え時のショックの発生を阻止
できる。尚、この効果は、操作レバー61を単独操作さ
せたときも同じく生ずる。
【0054】次に、図3、図4を参照し第2事例を説明
する。尚、この第2事例は、詳細を次に述べるように、
上記第1事例をさらに大幅に改善したものである。
【0055】(1) 即ち、第1事例において「圧力特性の
可変化」が完全に得られるのは、管路72が管路20に
接続されているため、操作レバー41、61の夫々を単
独操作したときだけである。図3を参照して次に説明す
る。図1のクローズドセンタ式油圧回路では(また図1
では省略したが、調圧弁を有さない例えばアームシリン
ダの第3組のチェック弁の下流を管路20に接続してア
クチュエータ負荷圧PLS3 が管路20に導かれたクロー
ズドセンタ式油圧回路でも)、複合操作時、仮に後に作
動させる組のアクチュエータの作動圧(図3のPLS1)が
先に作動させる組のアクチュエータの作動圧(図3のP
LS2)よりも低いときは(PLS1 <PLS2)、先にアクチュ
エータが作動した組の第2油圧(ここの意味での第2油
圧は、当該アクチュエータの作動圧PLS2 自体となる)
に基づきポンプ吐出圧PP が既に高圧となっているか
ら、後に作動させた組のアクチュエータにはその操作レ
バーの操作に係わらず、前記高圧PP が作用する。従っ
て後の組のアクチュエータには、その動き始めにポンプ
吐出圧Pp が急激に加わり、ショックが生ずる。
【0056】(2) また第1事例は、管路72が管路20
に接続されているため、次の問題を生ずる。仮に第2組
のアクチュエータ負荷圧PLS2 が高圧であるとき(例え
ばリリーフ弁55がリリーフしているとき)、ポンプ吐
出量は油圧ポンプでの漏れ等による効率低下によって少
なくなる。また本事例では特にTVCからの信号によっ
て油圧馬力の一定制御(「PV値」一定制御である、P
はポンプ吐出圧PP 、Vは油圧ポンプ1の一回転当たり
の押し退け容積)を行っているため、ポンプ吐出量は更
に少なくなくなる。従って、第1組の操作レバー41を
どのように制御しても(即ち、絞り付き絞り付き連通位
置又は右側遮断位置で制御しても)、方向切換弁33に
は「圧力特性の可変化」が発生せず、かつ流量低下に伴
いバケットシリンダ36の作動速度が低下する。
【0057】即ち第2事例は、図4に示すように、管路
72を管路47に接続して構成したものである。他の部
分は、前記図1の構成と同じであるので、同一要素には
同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0058】上記第2事例によれば、次のような効果を
奏する。
【0059】(A)操作レバー41、61のいずれか一
方を単独操作したときは、上記第1事例と同様、夫々の
操作レバー41、61の操作量に応じた「圧力特性の可
変化」が得られる。即ち、操作レバー41を単独操作し
たときは、その第2油圧がチェック弁19を経て流量制
御弁7の右端に第2付勢力として作用するためである。
一方操作レバー61を単独操作したときは、その第2油
圧がチェック弁70、管路72、18、チェック19を
経て流量制御弁7の右端に第2付勢力として作用するか
らである。尚、「流量特性(Q∝A)」も得られること
は説明を要さない。
【0060】(B)操作レバー41、61の複合動作の
ときは、次の通り。
【0061】(B1)仮に各アクチュエータの作動開始
油圧PLS1 、PLS2 が「PLS1 <PLS2 」であるとす
る。また操作レバー41の操作に遅れて操作レバー61
を操作したとする。先ず、操作レバー41の単独操作時
は、上記(A)の通り、バケットシリンダ36は調圧弁
48による「圧力特性の可変化」を受けるため、作動開
始時のショックはない。次いで操作レバー61を操作し
て「管路47の第2油圧>管路74の第2油圧」の間
は、チェック弁70が遮断状態であるため、ブームシリ
ンダ56は管路47の第2油圧に基づくポンプ吐出圧P
P を受けるが、「PP <PLS2 」であるためブームシリ
ンダ56は未だ作動しない。次いで操作レバー61を操
作して「管路47の第2油圧<管路74の第2油圧」と
すると、チェック弁70が連通状態となるため、ブーム
シリンダ56は管路74の第2油圧に基づくポンプ吐出
圧PP を受ける。このためブームシリンダ56は、調圧
弁75による「圧力特性の可変化」を受けるため、作動
開始時のショックはない。
【0062】(B2)次に各アクチュエータの作動開始
油圧PLS1 、PLS2 が「PLS1 <PLS2 」又は「PLS1
>PLS2 」であるとし、一方、操作レバー61の操作に
遅れて操作レバー41を操作したとする。先ず、操作レ
バー61の単独操作時は、上記(A)の通り、ブームシ
リンダ56は調圧弁75による「圧力特性の可変化」を
受けるため、作動開始時のショックはない。次いで操作
レバー41を操作して「管路47の第2油圧<管路74
の第2油圧」の間は、チェック弁70が連通状態となる
が、管路74の第2油圧は調圧弁48によって減圧され
るため、ポンプ吐出圧PP は管路74の第2油圧から何
の影響も受けなくなる。次いで操作レバー41を操作し
て「管路47の第2油圧>管路74の第2油圧」となる
と、チェック弁70が遮断状態となるため、これも上記
同様に、ポンプ吐出圧PP は管路74の第2油圧から何
の影響も受けなくなる。即ちこの場合、各アクチュエー
タの作動開始油圧PLS1 、PLS2 の大小とは無関係に、
バケットシリンダ36は、調圧弁48だけによる「圧力
特性の可変化」を受けるため、作動開始時のショックは
ない。
【0063】(C)また仮に第2組のアクチュエータ負
荷圧PLS2 が高圧であるとき(例えばリリーフ弁55が
リリーフしているとき)、ポンプ吐出量は少なくなる。
本事例では特にTVCからの信号によって油圧馬力の一
定制御(「PV値」一定制御である、Pはポンプ吐出圧
PP 、Vは油圧ポンプ1の一回転当たりの押し退け容
積)が成されているため、ポンプ吐出量は更に少ない。
ところが上記「第2組のアクチュエータ負荷圧PLS2 が
高圧であるとき」は、上記(B2)「PLS1 <PLS2 」
の状態と同じであるため、バケットシリンダ36は、調
圧弁48だけによる「圧力特性の可変化」を受ける。即
ち、ポンプ吐出圧PP を零(0kg/cm2)からバケットシ
リンダ36の負荷油圧まで漸増できるため(言い換えれ
ば、ブームシリンダ56に対するポンプ吐出圧PP が低
下し、リリーフ弁55がリリーフしなくなり、ブームシ
リンダ56の作動が停止するが)、バケットシリンダ3
6への流量を方向切換弁33の「流量特性(Q∝A)」
に基づき確保できる。従ってバケットシリンダ36の作
動速度が向上する。
【0064】尚、油圧生成器を構成する各油器(例え
ば、減圧弁15、65、オリフィス17、68、調圧弁
48、75)は、いずれもパイロット油圧を受けて第2
パイロットを生成するだけであるから、コンパクトに構
成できる。そしてこれを他の油器や周辺部材に対してボ
ルト締め等により着脱自在に装着することができる。そ
してこのように、構成して配置することが好ましい。
尚、上記各事例での調圧弁48、75は、図5に示すよ
うに、特性の異なる複数の調圧弁48b、48cと共
に、これらを切換える切換弁49で構成しても良い。こ
のようにしてもコンパクト性が損なわれることはない。
【0065】尚、上記事例で僅かに述べたが、他のアク
チュエータの組を含めて本願発明のクローズドセンタ式
油圧回路を構成するときは、他のアクチュエータの夫々
に対して夫々、方向切換弁、圧力補償弁、上記事例での
符号19に相当するチェック弁を最小限備えて、各チェ
ック弁の下流を管路20に接続すればよい。
【0066】尚、上記事例では、メータアウト側に設け
られてメータアウト油圧を高める圧力補償弁を有するク
ローズドセンタ式油圧回路で説明したが、クローズドセ
ンタ式油圧回路の圧力補償弁としては例えば次のような
ものもある。そしてこのような圧力補償弁を有するクロ
ーズドセンタ式油圧回路に対しても上記事例を適用でき
ることは、説明を要さない。
【0067】(1) 各方向切換弁の上流側に可変オリフィ
スを設け、この可変オリフィスが各方向切換弁のアクチ
ュエータ負荷圧の中から最大油圧を受けてその絞り具合
を調整されることにより可変オリフィスから方向切換弁
までの油圧を昇圧し、以て可変オリフィスから方向切換
弁までの油圧とアクチュエータ負荷圧との差圧が予定値
となるように制御される形式の圧力補償弁を有するクロ
ーズドセンタ式油圧回路。
【0068】(2) 各方向切換弁の下流側に可変オリフィ
スを設け、この可変オリフィスが各方向切換弁のアクチ
ュエータ負荷圧の中から最大油圧を受けてその絞り具合
を調整されることにより方向切換弁から可変オリフィス
までの油圧を昇圧し、以て方向切換弁の上流側の油圧と
方向切換弁から可変オリフィスまで油圧との差圧が予定
値となるように制御される形式の圧力補償弁を有するク
ローズドセンタ式油圧回路。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1事例の回路図である。
【図2】第1、第2事例による「圧力特性の可変化」を
説明するグラフである。
【図3】第1事例の問題を説明するグラフである。
【図4】第2事例の回路図である。
【図5】他の調圧弁の回路図である。
【図6】事例を搭載した油圧式掘削機械の斜視図であ
る。
【図7】オープンセンタ式とクローズドセンタ式との圧
力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…油圧ポンプ、7…流量制御弁、15、65…減圧
弁、17、68…オリフィス、19、70…チェック
弁、20、70…管路、21…タンク、33、53…方
向切換弁、36、56、87…アクチュエータ、38、
58…圧力補償弁、41、61…操作レバー、48、7
5…調圧弁、PP …ポンプ吐出圧、PLS1 、PLS2 …下
流側油圧。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 操作レバーの操作量に応じたパイロ
    ット信号を受け、このパイロット信号に応じた開口面積
    で開口し、この開口を介して可変容量形の油圧ポンプか
    らの圧油をアクチュエータに供給するクローズドセンタ
    式の方向切換弁と、(2) 一側に所定の第1付勢力を予め
    有すると共に第2付勢力として方向切換弁の下流側油圧
    を受け、他側に第3付勢力として方向切換弁の上流側油
    圧を受け、第3付勢力が第1、2付勢力の合計値よりも
    大きいときはポンプ吐出量を減らす信号を油圧ポンプに
    入力する流量制御弁とを有するクローズドセンタ式油圧
    回路において、(3) 下流側油圧とパイロット信号とを受
    け、下流側油圧からパイロット信号の大きさに応じた第
    2油圧を生成し、第2油圧を第2付勢力として流量制御
    弁に与える油圧生成器を有することを特徴とするクロー
    ズドセンタ式油圧回路。
  2. 【請求項2】 (1) 方向切換弁と、圧力補償弁と、この
    圧力補償弁に向けて流通のチェック弁とを複数組有し、
    (1-1) 各組の方向切換弁は、操作レバーの操作量に応じ
    たパイロット信号を受け、このパイロット信号に応じた
    開口面積で開口し、この開口を介して可変容量形の油圧
    ポンプからの圧油をアクチュエータに供給するクローズ
    ドセンタ式の方向切換弁であり、(1-2) 各組の圧力補償
    弁は夫々の組において、一側に第4付勢力として、方向
    切換弁の下流側油圧をチェック弁を介して受けると共に
    他の組の方向切換弁の下流側油圧を当該他の組のチェッ
    ク弁を介して受け、他側に第5付勢力として、方向切換
    弁の下流側油圧を受け、第4付勢力が第5付勢力よりも
    大きいときは方向切換弁の上流側油圧及び下流側油圧の
    いずれか一方又は両方を昇圧させる圧力補償弁であり、 (2) 一側に所定の第1付勢力を予め有すると共に第2付
    勢力として各第4付勢力を生成した油圧を各チェック弁
    を介して受け、他側に第3付勢力としてポンプ吐出圧を
    受け、第3付勢力が第1、2付勢力の合計値よりも大き
    いときはポンプ吐出量を減らす信号を油圧ポンプに入力
    する流量制御弁とを有するクローズドセンタ式油圧回路
    において、 (3) 同じ組の方向切換弁の下流側油圧とパイロット信号
    とを受け、下流側油圧からパイロット信号の大きさに応
    じた第2油圧を生成し、第2油圧を第2付勢力として同
    じ組のチェック弁を介して流量制御弁に与える油圧生成
    器を備えた第1組及び第2組を有すると共に、 (4) 第1組のチェック弁の上流側に、第2組のチェック
    弁の下流側を接続したことを特徴とするクローズドセン
    タ式油圧回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクローズドセンタ
    式油圧回路において、油圧生成器を他の油器や周辺部材
    に対してボルト等の締結手段によって着脱自在に固設し
    たことを特徴とするクローズドセンタ式油圧回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104929184A (zh) * 2015-06-07 2015-09-23 黄进堂 一种挖掘机油压系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104929184A (zh) * 2015-06-07 2015-09-23 黄进堂 一种挖掘机油压系统

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