JPH1045777A - 新規な有機リン化合物及びその用途 - Google Patents

新規な有機リン化合物及びその用途

Info

Publication number
JPH1045777A
JPH1045777A JP19912196A JP19912196A JPH1045777A JP H1045777 A JPH1045777 A JP H1045777A JP 19912196 A JP19912196 A JP 19912196A JP 19912196 A JP19912196 A JP 19912196A JP H1045777 A JPH1045777 A JP H1045777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
alkyl group
alkyl
alkenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19912196A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanobu Ooshima
崇伸 大島
Akio Sakamoto
暁夫 坂本
Toshio Wachi
都司雄 和知
Hideo Tsujimoto
英雄 辻本
Suenori Nakashita
末徳 中下
Katsuji Miyata
勝治 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakai Chemical Industry Co Ltd filed Critical Sakai Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP19912196A priority Critical patent/JPH1045777A/ja
Publication of JPH1045777A publication Critical patent/JPH1045777A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】特に、ポリオレフィン系樹脂及び塩素含有樹脂
の熱劣化及び光酸化劣化のいずれに対しても高い安定化
効果を同時に発現する新規な有機リン化合物を提供す
る。 【解決手段】新規な有機リン化合物は、一般式(I) (式中、R1 はアルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル置基ア
リール基、炭素数2〜18のアルケニル置換アリール
基、アルコキシアルキル基、アリールアルキル基、アリ
ールオキシアルキル基、ポリオキシアルキレンアルキル
基又はポリオキシアルキレンアリール基を示し、R2
びR4 はそれぞれ独立に水素、および上のR1 と同様の
基の他にヒンダードピペリジニル基を示し、少なくとも
一方はヒンダードピペリジニル基であり、R3 は水素又
はメチル基を示す。)で表わされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な有機リン化
合物及びその用途に関し、詳しくは、樹脂を含む種々の
有機材料の熱老化と光酸化劣化のいずれに対しても安定
性を向上させるのに有効なヒンダードピペリジニル基を
有する新規な有機リン化合物と、その用途、特に、塩素
含有樹脂やポリオレフィン系樹脂等の樹脂の熱老化と光
酸化劣化に対する安定剤としての用途とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的には、ポリ塩化ビニル樹脂
等のような塩素含有樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂等の樹脂のほか、天然又
は合成ゴム、鉱油、潤滑油、接着剤、塗料等の種々の有
機材料は、その加工時や使用時に、熱、光、酸素等の影
響によって、分子切断や分子架橋、更には、軟化、脆
化、変色等の現象を伴って劣化し、その商品価値が著し
く損なわれることが知られている。このような有機材料
の熱劣化や光酸化劣化の問題を解決するために、従来か
ら、種々のリン化合物、ヒンダードピペリジン化合物、
フェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤等を樹脂に配合
することによって、有機材料を安定化させることが知ら
れている。
【0003】特に、従来、有機材料が熱劣化と光酸化劣
化の両方に対して安定であるように、リン化合物とヒン
ダードピペリジン化合物を併用することがよく知られて
おり、更に、最近に至って、例えば、特開平6−220
075号公報、特開平7−285981号公報、特開平
6−16873号公報等に記載されているように、分子
中にヒンダードピペリジニル基を有する有機リン化合物
の幾つかが有機材料用安定剤として提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の樹脂
を含む種々の有機材料の安定剤における上述したような
事情に鑑みてなされたものであって、有機材料の熱劣化
及び光酸化劣化のいずれに対しても高い安定化効果を同
時に発現する新規な有機リン化合物を提供することと、
更に、かかる有機リン化合物を配合した安定化有機材料
組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(I)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R1 はアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜18の
アルキル基を有するアリール基、炭素数2〜18のアル
ケニル基を有するアリール基、アルコキシアルキル基、
アリールアルキル基、アリールオキシアルキル基、ポリ
オキシアルキレンアルキル基又はポリオキシアルキレン
アリール基を示す。R2 及びR4 はそれぞれ独立に水
素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、炭素数1〜18のアルキル基を有するアリー
ル基、炭素数2〜18のアルケニル基を有するアリール
基、アルコキシアルキル基、アリールアルキル基、アリ
ールオキシアルキル基、ポリオキシアルキレンアルキル
基、ポリオキシアルキレンアリール基又はヒンダードピ
ペリジニル基を示し、少なくとも一方はヒンダードピペ
リジニル基である。R3 は水素又はメチル基を示す。)
で表わされる新規な有機リン化合物が提供される。
【0008】また、本発明によれば、上記有機リン化合
物を有効成分とする有機材料用安定化剤が提供され、更
に、上記有機リン化合物を有機材料に有効量配合してな
る有機材料の安定化方法が提供される。上記のほか、本
発明によれば、上記有機リン化合物の有効量を有機材料
に配合してなる安定化有機材料組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による新規有機リン化合物
は、一般式(I)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1 はアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜18の
アルキル基を有するアリール基、炭素数2〜18のアル
ケニル基を有するアリール基、アルコキシアルキル基、
アリールアルキル基、アリールオキシアルキル基、ポリ
オキシアルキレンアルキル基又はポリオキシアルキレン
アリール基を示す。R2 及びR4 はそれぞれ独立に水
素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、炭素数1〜18のアルキル基を有するアリー
ル基、炭素数2〜18のアルケニル基を有するアリール
基、アルコキシアルキル基、アリールアルキル基、アリ
ールオキシアルキル基、ポリオキシアルキレンアルキル
基、ポリオキシアルキレンアリール基又はヒンダードピ
ペリジニル基を示し、少なくとも一方はヒンダードピペ
リジニル基である。R3 は水素又はメチル基を示す。)
で表わされる。
【0012】本発明においては、好ましくは、前記一般
式(I)において、R1 は炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数3〜10の
シクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜18のアル
キル基を有するアリール基、炭素数2〜18のアルケニ
ル基を有するアリール基、アルキル基の炭素数が1〜1
8であり、アルコキシル基の炭素数が1〜18であるア
ルコキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜18で
あるアリールアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜1
8であるアリールオキシアルキル基、アルキル基の炭素
数が1〜18であるポリオキシアルキレンアルキル基又
はポリオキシアルキレンアリール基を示し、ここに、上
記非置換又は置換アリール基において、アリール基と
は、炭素数6〜18のフェニル基、トリル基、キシリル
基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナ
ントリル基等を示し、なかでも、フェニル基が好まし
い。更に、本発明によれば、基R1 としては、フェニル
基が最も好ましい。
【0013】また、好ましくは、R2 及びR4 はそれぞ
れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3
〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキ
ル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル基を有す
るアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基を有する
アリール基、又はヒンダードピペリジニル基を示し、少
なくとも一方はヒンダードピペリジニル基である。
【0014】特に、本発明においては、R2 及びR
4 は、いずれもがヒンダードピペリジニル基であるか、
又はいずれか一方がヒンダードピペリジニル基であり、
他方が炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数6〜18
のアリール基であることが好ましい。更に、本発明にお
いて、上記ヒンダードピペリジニル基は、好ましくは、
一般式(II)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R5 は水素、水酸基、酸素、ニト
ロソ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシル基、炭素数3〜12のシクロアルキルオ
キシ基、炭素数3〜20のアルケニル基、アリール基、
アリールアルキル基、炭素数1〜18のアルキル基を有
するアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基を有す
るアリール基、アルキル基の炭素数が1〜18であり、
アルコキシル基の炭素数が1〜18であるアルコキシア
ルキル基、アルキル基の炭素数が1〜18であるポリオ
キシアルキレンアルキル基、ポリオキシアルキレンアリ
ール基、アルキル基の炭素数が1〜8であるアシルオキ
シル基、アロイルオキシル基、アルキル基の炭素数が1
〜18であるアシル基又はアルケニル基の炭素数が3〜
18であるアルケニルカルボニル基を示す。R6 はそれ
ぞれ独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素
数3〜10のアルケニル基を示す。)で表わされ、特
に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル基又は
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル基である
ことが好ましい。以下、本発明においては、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジニル基をZにて表わす。
【0017】本発明によるこのような有機リン化合物
は、特開平5−194562号公報に記載されている方
法に準じて、後述するような式Cで表わされるジクロロ
有機リン化合物を合成し、これとアルコールとを脱塩化
水素剤の存在下に反応させることによって、ビス(ヒン
ダードピペリジニル)化合物を得ることができる。ま
た、上記ジクロロ有機リン化合物にヒンダードピペリジ
ノール以外のアルコールを反応させて、ジエステル体と
した後、ヒンダードピペリジノールとエステル交換すれ
ば、モノ(ヒンダードピペリジニル)化合物を得ること
ができる。別の方法として、ジクロロ(フェニル)ホス
フィンに2倍モル量のアルコールを反応させて、後述す
るような式Aで表わされる化合物を合成し、これに(メ
タ)アクリル酸エステルに付加反応させて、ヒンダード
ピペリジノールとエステル交換することによって、本発
明による有機リン化合物を得ることができる。
【0018】本発明によるこのような有機リン化合物
は、特に、熱や光、酸素の作用によって劣化しやすい種
々の有機材料の安定剤として有用である。これら有機材
料として、例えば、種々の熱可塑性又は熱硬化性樹脂、
合成又は天然ゴム、種々の樹脂を基材とする塗料や接着
剤、ワックス類、潤滑油等を挙げることができる。
【0019】特に、本発明による有機リン化合物は、上
記有機材料のうち、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビ
ニル樹脂、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹
脂、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂、塩化ビニル−プ
ロピレン共重合樹脂等のような塩素含有樹脂や、低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニアー低密度ポ
リエチレン等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系
樹脂等に代表されるポリオレフィン系樹脂の安定剤とし
て有用であり、特に、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂又はポリプロピレン樹脂の安定剤として有用であ
る。
【0020】更に、本発明による有機リン化合物は、例
えば、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、エチレン/アクリル酸エステル共重合樹脂、アク
リロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル
/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、メタクリル樹脂、
アクリルゴム、天然ゴム、塩素ゴム系塗料、ウレタン樹
脂塗料、アクリル樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、ポリエス
テル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、アミノアルキル樹脂
塗料等のための安定剤としても有用である。しかし、本
発明による有機リン化合物を安定剤として用い得る有機
材料は、上記例示に限定されるものではない。
【0021】本発明による有機リン化合物を有機材料に
安定剤として有効量を配合して、安定化有機材料組成物
を得る場合、その配合量は、通常、有機材料100重量
部に対して、0.01〜5重量部の範囲である。本発明に
よるこのような安定化有機材料組成物を調製するに際し
て、樹脂、ゴム、塗料、接着剤等、その有機材料の用途
や特性等に応じて、通常の配合剤を適宜に配合してもよ
い。そのような配合剤としては、例えば、可塑剤、強化
剤、加工助剤、熱安定剤、着色防止剤、金属石鹸類、滑
剤、難燃剤、造核剤、金属不活性剤、帯電防止剤、顔
料、無機充填剤、有機リン酸エステル、有機亜リン酸エ
ステル、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒン
ダードアミン系光安定剤、プレートアウト防止剤、エポ
キシ化合物等を挙げることができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0023】実施例I(有機リン化合物の合成) 実施例1 (式(III)で表わされる化合物の合成)
【0024】
【化7】
【0025】(1) 中間体Aの合成
【0026】
【化8】
【0027】温度計、冷却管及び滴下漏斗を備えた1L
容量四つ口フラスコに1−ブタノール333.5gを仕込
み、これに5〜10℃の温度にてジクロロ(フェニル)
ホスフィン161.1gを滴下した。滴下終了後、25℃
で3時間反応させた後、得られた反応混合物から塩化水
素を減圧留去し、次いで、1−ブタノールと塩化ブチル
とを減圧留去して、低粘性で油状の中間体Aを得た。収
量124.9g、収率70.0%。 プロトン核磁気共鳴スペクトルデータ(60MHz、δ
(ppm)):
【0028】
【表1】
【0029】(2) 中間体Bの合成
【0030】
【化9】
【0031】温度計、冷却管及び滴下漏斗を備えた1L
容量四つ口フラスコに上記中間体A124.9gとt−ブ
トキシカリウム1.4gとを仕込み、これにアクリル酸メ
チル56.9gを滴下した後、25℃で3時間反応を行な
った。反応終了後、得られた反応混合物を塩酸50mL
にて洗浄し、続いて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄した後、硫酸マグネシウムで脱水した。この後、反
応混合物から低沸点物を減圧留去して、淡黄色油状の中
間体Bを得た。収量164.9g、収率92.1%。 プロトン核磁気共鳴スペクトルデータ(60MHz、δ
(ppm)):
【0032】
【表2】
【0033】(3) (中間体Bから式(III)で表わされる
化合物の合成) 温度計、冷却管及び滴下漏斗を備えた1L容量四つ口フ
ラスコに上記中間体B116.6gと2,2,6,6 −テトラメ
チル−4−ピペリジノール77.4gとジブチルスズオキ
サイド1.5gとを仕込み、メタノール−トルエン共沸物
を留去しながら、4時間反応を行なった。
【0034】反応終了後、得られた反応混合物を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、更に、水洗した後、
硫酸マグネシウムで脱水し、この後、低沸点物を減圧留
去して、目的物を黄色油状物として得た。収量125.3
g、収率74.6%。 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3400 (s, NH), 2970
(s, -CH2-), 1740 (s, C=O), 1230 (s, P=O) プロトン核磁気共鳴スペクトルデータ(60MHz、δ
(ppm)):
【0035】
【表3】
【0036】実施例2 (式(IV)で表わされる化合物の合成)
【0037】
【化10】
【0038】温度計、冷却管及び滴下漏斗を備えた1L
容量四つ口フラスコに2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジノール86.5gとトリエチルアミン209mLと
を仕込み、これに次式(C)
【0039】
【化11】
【0040】で表わされる中間体C62.8gのトルエン
希釈液を25℃で滴下した。滴下終了後、25℃で6時
間反応させた後、析出物を濾過し、濾液を水洗した後、
これから低沸点物を留去して、目的物を茶色の粘稠物と
して得た。収量44.0g、収率35.7%。 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3400 (s, NH), 2970
(s, -CH2-), 1740 (s, C=O), 1230 (s, P=O) プロトン核磁気共鳴スペクトルデータ(60MHz、δ
(ppm)):
【0041】
【表4】
【0042】実施例3 (式(V)で表わされる化合物の合成)
【0043】
【化12】
【0044】実施例1において、1−ブタノールに代え
て、ラウリルアルコール232.9gを用いた以外は、実
施例1と同様にして、目的物を得た。収量159.0g、
全収率78.1%。 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3400 (s, NH), 2930
(s, -CH2-), 2850 (s, -CH2-), 1740 (s, C=O), 1235
(s, P=O) プロトン核磁気共鳴スペクトルデータ(60MHz、δ
(ppm)):
【0045】
【表5】
【0046】実施例4〜9 実施例1から2と同様にして、それぞれ下記式(VI)、
(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び(XI)で表わさ
れる化合物を得た。
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】
【化18】
【0053】実施例II(安定化樹脂組成物の調製とその
安定性の評価) 実施例1〜9及び比較例1〜3 (安定化ポリエチレン樹脂組成物の調製とその安定性の
評価) ボリエチレン樹脂100重量部とステアリン酸カルシウ
ム0.1重量部とからなるベース配合に前記実施例Iの実
施例1〜9にて得られた化合物(式(III)〜(XI))又
は従来より安定剤として知られているヒンダードアミン
系化合物、即ち、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)セバケート(aで示す。)又はベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤、即ち、2−(2'−ヒドロキ
シ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(bで示
す。)0.1重量部を加え、170℃でカレンダー加工し
た後、170℃でプレスシートを製造した。
【0054】このようにして得られたシートを試験片と
して、サンシャインウェザーメータ(光源カーボンアー
ク)中に置き、ブラックパネル温度83℃、スプレーサ
イクル18分/120分の条件で光照射し、光照射面上
に亀裂が生じるまでの時間で耐候性を評価した。即ち、
亀裂発生までの時間が長い程、耐候性がすぐれることを
意味する。得られた結果を表6に示す。
【0055】
【表6】
【0056】実施例10〜18及び比較例4〜6 (安定化ポリプロピレン樹脂組成物の調製とその安定性
の評価)ボリプロピレン樹脂100重量部とステアリン
酸カルシウム0.1重量部とからなるベース配合に前記実
施例Iの実施例1〜9にて得られた化合物(式(III)〜
(XI))又は従来より安定剤として知られているヒンダ
ードアミン系化合物、即ち、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジニル)セバケート(aで示す。)又
はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、即ち、2−(2'
−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル(bで示す。)0.1重量部を加え、160℃でカレン
ダー加工した後、170℃でプレスシートを製造した。
【0057】このようにして得られたシートについて、
実施例1と同様にして、耐候性を評価した。得られた結
果を表7に示す。
【0058】
【表7】
【0059】実施例19〜27及び比較例7〜11 (安定化ポリ塩化ビニル樹脂組成物の調製とその安定性
の評価)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度=1000)10
0重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート50重量
部、エポキシ化大豆油3重量部、ステアリン酸バリウム
0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.3重量部からなるベ
ース配合に前記実施例Iの実施例1〜9にて得られた化
合物(式(III)〜(XI))又は従来より安定剤として知
られているヒンダードアミン系化合物、即ち、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート
(aで示す。)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
即ち、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール(bで示す。)、従来より知られてい
るヒンダードアミン系化合物、即ち、ポリ(〔6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル〕〔2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジル)イミノ〕)(cで示す。)又はテトラ
キス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(dで示す。)
0.1重量部を加え、160℃でカレンダー加工を行なっ
て、厚さ0.3mmのフィルムを製造した。
【0060】このようにして得られたフィルムについ
て、耐候性、着色性及び耐熱性を評価し、これらに基づ
いて、総合評価を行なった。得られた結果を表8に示
す。表8において、◎は、非常によい、○は、よい、△
は、やや悪い、×は、悪いを示す。 耐候性 製造したフィルムを屋外にて1年間曝露し、その変色
(褐変)の程度で耐候性を評価した。 着色性 製造したフィルムで170℃にてプレスシートを作成
し、その着色程度を目視にて評価した。 耐熱性 製造したフィルを180℃ギアーオーブンで加熱して、
黒化するまでの時間で評価した。黒化するまでの時間が
長い程、耐熱性がすぐれていることを意味する。
【0061】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 英雄 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社堺事業所内 (72)発明者 中下 末徳 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社堺事業所内 (72)発明者 宮田 勝治 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、アルケニル基、シクロアル
    キル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル基を有
    するアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基を有す
    るアリール基、アルコキシアルキル基、アリールアルキ
    ル基、アリールオキシアルキル基、ポリオキシアルキレ
    ンアルキル基又はポリオキシアルキレンアリール基を示
    す。R2 及びR4 はそれぞれ独立に水素、アルキル基、
    アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、炭素数
    1〜18のアルキル基を有するアリール基、炭素数2〜
    18のアルケニル基を有するアリール基、アルコキシア
    ルキル基、アリールアルキル基、アリールオキシアルキ
    ル基、ポリオキシアルキレンアルキル基、ポリオキシア
    ルキレンアリール基又はヒンダードピペリジニル基を示
    し、少なくとも一方はヒンダードピペリジニル基であ
    る。R3 は水素又はメチル基を示す。)で表わされる有
    機リン化合物。
  2. 【請求項2】ヒンダードピペリジニル基が一般式(II) 【化2】 (式中、R5 は水素、水酸基、酸素、ニトロソ基、炭素
    数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ
    ル基、炭素数3〜12のシクロアルキルオキシ基、炭素
    数3〜20のアルケニル基、アリール基、アリールアル
    キル基、炭素数1〜18のアルキル基を有するアリール
    基、炭素数2〜18のアルケニル基を有するアリール
    基、アルキル基の炭素数が1〜18であり、アルコキシ
    ル基の炭素数が1〜18であるアルコキシアルキル基、
    アルキル基の炭素数が1〜18であるポリオキシアルキ
    レンアルキル基、ポリオキシアルキレンアリール基、ア
    ルキル基の炭素数が1〜8であるアシルオキシル基、ア
    ロイルオキシル基、アルキル基の炭素数が1〜18であ
    るアシル基又はアルケニル基の炭素数が3〜18である
    アルケニルカルボニル基を示す。R6 はそれぞれ独立に
    水素、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数3〜10
    のアルケニル基を示す。)で表わされる請求項1に記載
    の有機リン化合物。
  3. 【請求項3】一般式(I) 【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3
    〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキ
    ル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル基を有す
    るアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基を有する
    アリール基、アルコキシル基の炭素数が1〜18であ
    り、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルコキシア
    ルキル基、アルキル基の炭素数が1〜18であるアリー
    ルアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜18であるア
    リールオキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜1
    8であるポリオキシアルキレンアルキル基又はポリオキ
    シアルキレンアリール基を示し、ここに、上記アリール
    基とは炭素数6〜18のフェニル基、トリル基、キシリ
    ル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフ
    ェナントリル基を示す。R2 及びR4 はそれぞれ独立に
    水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の
    アルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭
    素数1〜18のアルキル基若しくは炭素数2〜18のア
    ルケニル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリー
    ル基、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル基又
    は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル基を示
    し、少なくとも一方は上記ピペリジニル基である。R3
    は水素又はメチル基を示す。)で表わされる有機リン化
    合物。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の有機リ
    ン化合物を有効成分とする有機材料用安定化剤。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の有機リ
    ン化合物を有機材料に有効量配合してなる有機材料の安
    定化方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれかに記載の有機リ
    ン化合物の有効量を有機材料に配合してなる安定化有機
    材料組成物。
  7. 【請求項7】有機材料が熱可塑性樹脂である請求項6に
    記載の安定化有機材料組成物。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂が塩素含有樹脂である請求項
    7に記載の安定化有機材料組成物。
  9. 【請求項9】塩素含有樹脂がポリ塩化ビニル樹脂である
    請求項8に記載の安定化有機材料組成物。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂で
    ある請求項7に記載の安定化有機材料組成物。
JP19912196A 1996-07-29 1996-07-29 新規な有機リン化合物及びその用途 Pending JPH1045777A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19912196A JPH1045777A (ja) 1996-07-29 1996-07-29 新規な有機リン化合物及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19912196A JPH1045777A (ja) 1996-07-29 1996-07-29 新規な有機リン化合物及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1045777A true JPH1045777A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16402496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19912196A Pending JPH1045777A (ja) 1996-07-29 1996-07-29 新規な有機リン化合物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1045777A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7442711B2 (en) 2002-05-17 2008-10-28 Othera Holding, Inc. Amelioration of the development of cataracts and other ophthalmic diseases
US7825134B2 (en) 2003-05-19 2010-11-02 Othera Holding, Inc. Amelioration of cataracts, macular degeneration and other ophthalmic diseases

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7442711B2 (en) 2002-05-17 2008-10-28 Othera Holding, Inc. Amelioration of the development of cataracts and other ophthalmic diseases
US8383648B2 (en) 2002-05-17 2013-02-26 Colby Pharmaceutical Company Amelioration of the development of cataracts and other ophthalmic diseases
US7825134B2 (en) 2003-05-19 2010-11-02 Othera Holding, Inc. Amelioration of cataracts, macular degeneration and other ophthalmic diseases

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI638038B (zh) 阻燃性聚合物組合物
CN1048019C (zh) 水解稳定的季戊四醇二亚磷酸酯
US4161592A (en) Piperidinyl-s-triazines
EP0305002B1 (en) Bicyclic phosphate ether, ester, and carbonate intumescent flame retardant compositions
EP0041479B1 (de) Mit Amino-thiouracilen stabilisierte chlorhaltige Thermoplasten
CA2476294A1 (en) Flame retardant compositions
US4316837A (en) Polyalkylated 4-aminopiperidine derivatives as stabilizers for synthetic polymers
US4385143A (en) Stabilizer for synthetic resins
FR2580639A1 (fr) Composes piperidiniques, matieres organiques qui en contiennent et applications de ces composes piperidiniques a la stabilisation de matieres organiques
US4340533A (en) Novel stabilizers
JPH04233958A (ja) 着色したポリオレフィンの再循環の方法
JP2952707B2 (ja) イソシアヌル酸誘導体、その製造法および用途
JPH1045777A (ja) 新規な有機リン化合物及びその用途
CA1093556A (en) Cyanuric acid derivatives
JPS6212782A (ja) 1−オキサ−3−オキソ−4、8−ジアザ−スピロ−〔4、5〕−デカン化合物、それらの製造方法およびそれらの用途
US4617333A (en) Stabilized polyolefinic compositions and stabilizer compounds suitable to that purpose
US4146522A (en) Smoke suppressant composition
JPH1045778A (ja) 新規なヒンダードアミン塩及びその用途
EP0095066A2 (en) 2-Keto-diazacycloalkane-urethane oligomers and UV light stabilized compositions
JPH10298439A (ja) 樹脂用安定剤及びその利用
US4154722A (en) Polyalkylpiperidinyl esters of diazocarboxylic acid and their use for stabilizing polymers
US4621110A (en) Alkyl-substituted 4-methyl-piperidine derivatives and use thereof as stabilizers
US4601839A (en) Stabilized polymers, novel stabilizers, and synthesis thereof
US4104251A (en) Substituted tetraalkylpiperidone-4-oximes
CA1264743A (en) Derivatives of alkyl-substituted 4-hydroxy-methyl- piperidine and use thereof as stabilizers