JPH1038489A - 氷蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造 - Google Patents

氷蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造

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JPH1038489A
JPH1038489A JP19488796A JP19488796A JPH1038489A JP H1038489 A JPH1038489 A JP H1038489A JP 19488796 A JP19488796 A JP 19488796A JP 19488796 A JP19488796 A JP 19488796A JP H1038489 A JPH1038489 A JP H1038489A
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JP
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heat
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ice
water
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JP19488796A
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Inventor
Toshihiro Iijima
俊宏 飯島
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】伝熱管側にリブを形成し、蓄熱媒体の管内周面
に対する伝熱面積を増大させて解凍性能の向上を図ると
ともに、流路形成体の樹脂原料の選択の幅を広げつつ形
状の簡素化を図ることで流路形成体の大幅なコストダウ
ンを図る。 【解決手段】冷媒循環回路と水循環回路とを備え、蓄熱
熱交換器で水を冷却して過冷却状態にし、この水に氷核
生成器で生成した氷核を混入して過冷却状態を解消して
製氷する装置に対し、蓄熱熱交換器の容器内の各伝熱管
49の周囲に冷媒を流通させる冷媒流通部48c を備え、冷
媒流通部内の冷媒と各伝熱管内を流通する水との間で熱
交換を行う。各伝熱管内に樹脂棒82を挿入する。各伝熱
管の管内周面に、樹脂棒の軸心に向かってほぼ等間隔で
放射状に突出する8条のリブ83を樹脂棒の上下両端部間
に亘って設ける。各リブの先端を、半円弧状の曲面83a
に形成すると共に、樹脂棒の外周面に対して互いの接線
同士を一致させて当接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水又は水溶液等の
蓄熱媒体を冷媒との熱交換により過冷却状態まで冷却し
た後にこの過冷却状態を解消して生成されるスラリー状
の氷を蓄熱槽に貯蔵する氷蓄熱装置において、蓄熱媒体
と冷媒とを熱交換する過冷却熱交換器の伝熱管の内部構
造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、氷蓄熱型の空気調和装置等に
設けられている氷蓄熱装置として、冷房負荷のピーク時
における電力需要の軽減及びオフピーク時における電力
需要の拡大を図ることに鑑みて、冷房負荷のピーク時に
冷熱として利用するためのスラリー状の氷を冷房負荷の
オフピーク時に生成して蓄熱槽に貯蔵しておくものが知
られている。
【0003】この種の氷蓄熱装置の一例として、例え
ば、特開平4−251177号公報に開示されているよ
うに、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び冷媒熱交換部を冷
媒配管によって順次接続して成る冷媒循環回路と、蓄熱
槽、上記冷媒熱交換部との間で熱交換可能な蓄熱媒体熱
交換部及び過冷却解消部を水配管によって順次接続して
成る水循環回路とを備えたものが知られている。
【0004】そして、この種の氷蓄熱装置の製氷動作と
しては、蓄熱槽から水配管へ取出した蓄熱媒体を、過冷
却水生成部において冷媒熱交換部の冷媒と熱交換して過
冷却状態まで冷却し、過冷却解消部においてこの過冷却
状態を解消してスラリー状の氷を生成するようにしてい
る。さらに、この氷を循環路の氷供給口から蓄熱槽に供
給して貯留する。
【0005】上記蓄熱媒体熱交換部は、上下方向に軸芯
を有する筒形状の容器を備えているものがあり、この容
器内には、その上下両端に蓄熱媒体流通部を備えてい
る。一方、上記冷媒熱交換部は、上記両蓄熱媒体流通部
間に画成された冷媒流通部を備えている。そして、上記
冷媒流通部内には、上記両蓄熱媒体流通部間を上下に連
結する複数の伝熱管が設けられ、この冷媒流通部内にお
いて冷媒と各伝熱管内を流通する蓄熱媒体との熱交換が
行われるようになっている。上記冷媒流通部内の冷媒
は、冷媒導入管より導入される冷媒と冷媒導出管から導
出される冷媒とによって気液界面を上部側に有するほぼ
満液状態で循環するようになっている。そして、上記冷
媒導出管は、冷媒の気液界面よりも上方で開口してお
り、この開口から冷媒導出管を介して冷媒流通部内の冷
媒が導出されるようになっている。
【0006】また、上記各伝熱管内に、該各伝熱管内を
流通する蓄熱媒体の流路を伝熱管の略全長に亘って形成
する棒状の流路形成体が挿入されているものもある(特
開平5−133693号公報参照)。この流路形成体
は、樹脂よりなり、その外周面には、伝熱管の管内周面
に向かって突出するリブが一体的に設けられている。こ
のリブの先端は伝熱管の管内周面に当接している。
【0007】ところで、何らかの原因で蓄熱媒体熱交換
部内で蓄熱媒体の過冷却状態が解消してしまい、この蓄
熱媒体熱交換部内たとえば伝熱管内で氷が生成して凍結
が生じた場合には、製氷運転を停止し氷を除去するため
の解凍運転を行う。
【0008】この解凍運転では、圧縮機からの高温の吐
出冷媒を冷媒熱交換部に供給し、この供給冷媒(ホット
ガス)の温熱によって、伝熱管内(蓄熱媒体熱交換部
内)で凍結している蓄熱媒体を解凍するようにしてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如き
解凍運転を行っても、供給冷媒による温熱が伝熱管内の
蓄熱媒体に伝達され難いものであった。これは、伝熱管
の内外径が一定に形成されているために、冷媒熱交換部
内から蓄熱媒体への熱伝達が、伝熱管の管内周面に直に
接している接触部分からしか行われないためである。こ
のように蓄熱媒体の管内周面に対する接触部分の接触面
積が小さいと、蓄熱媒体の伝熱面積も小さくなる。その
ため、凍結状態にある蓄熱媒体の解凍がその接触部分か
らに限定され、蓄熱媒体の解凍が不十分なものとなる
上、解凍にかなりの時間を要し、解凍性能が十分なもの
とはいえない。
【0010】また、流路形成体にリブが一体成形されて
いるものでは、流路形成体およびリブが樹脂により形成
される場合に形状が複雑であるため、樹脂材料が限定さ
れる。また、製造コストが高くなるためにコストアップ
につながるといった欠点もある。
【0011】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、伝熱管側にリブを形成
し、蓄熱媒体の管内周面に対する伝熱面積を増大させて
温冷却水生成能力の向上を図り得る解凍性能の向上を図
るとともに、流路形成体の樹脂原料の選択の幅を広げ、
形状の簡素化を図り、大幅なコストダウンを図ることに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明が講じた解決手段は、氷蓄熱装
置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造として、圧
縮機(1) と、熱源側熱交換器(3) と、膨脹機構(52a)
と、冷媒熱交換部(42a) とが冷媒配管(8) によって冷媒
の循環が可能に接続されてなる冷媒循環回路(A) を備え
ているとともに、蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク(T)
と、蓄熱媒体を圧送する循環手段(P) と、上記冷媒熱交
換部(42a) との間で熱交換可能な蓄熱媒体熱交換部(42)
とが循環配管(45)によって蓄熱媒体の循環が可能に接続
されてなる蓄熱循環回路(B) とを備え、上記循環手段
(P) を駆動して蓄熱循環回路(B) に蓄熱媒体を循環させ
る一方、上記冷媒熱交換部(42a) で蒸発する冷媒循環回
路(A) の冷媒と、上記蓄熱循環回路(B) の蓄熱媒体とを
熱交換させて該蓄熱媒体を過冷却状態まで冷却し、この
蓄熱媒体を蓄熱媒体熱交換部(42)から導出した後に、そ
の過冷却状態を解消して氷を生成して該氷を蓄熱タンク
(T) に回収するように製氷運転を行う一方、上記蓄熱媒
体熱交換部(42)内で蓄熱媒体が過冷却状態を解消して凍
結したときに、圧縮機(1) からの高温の吐出冷媒を冷媒
熱交換部(42a) に供給して蓄熱媒体熱交換部(42)を加熱
する解凍運転を行う氷蓄熱装置を前提とする。さらに、
上記蓄熱媒体熱交換部(42)に、上下方向に軸芯を有する
筒形状の容器(48)を備え、該容器(48)内に、上下方向に
延びる複数の伝熱管(49)を設ける。一方、上記冷媒熱交
換部(42a) に、上記容器(48)内の各伝熱管(49)の周囲に
冷媒を流通させる冷媒流通部(48c) を備え、この冷媒流
通部(48c) 内の冷媒と各伝熱管(49)内を流通する蓄熱媒
体との間で熱交換を行うようにしている。上記冷媒流通
部(48c) に、その下部より冷媒を導入する冷媒導入管(5
2)と、上部から冷媒を導出する冷媒導出管(51)とを接続
し、この冷媒導入管(52)および冷媒導出管(51)による冷
媒の導出入によって冷媒流通部(48c) 内に冷媒が気液界
面(G) を有してほぼ満液状態で循環するようにしてい
る。そして、上記各伝熱管(49)内に、該各伝熱管(49)内
で蓄熱媒体の流路(81)を形成する流路形成体(82)を挿入
するとともに、上記伝熱管(49)の管内周面に、上記流路
形成体(82)の軸心に向かって突出するリブ(83),(91) を
流路形成体(82)の両端部間に亘って設け、該リブ(83),
(91) の先端を、流路形成体(82)の外周面に当接させる
構成としたものである。
【0013】請求項2記載の発明が講じた解決手段は、
請求項1記載の発明のリブ(83)の先端を特定したことを
特徴とする。具体的には、流路形成体(82)の外周面に対
して互いの接線同士が一致して当接するような曲面(83
a) にリブ(83)の先端を形成する構成としたものであ
る。
【0014】さらに、請求項3記載の発明が講じた解決
手段は、請求項1記載の発明のリブ(91)の先端を特定し
たことを特徴とする。具体的には、流路形成体(82)の外
周面に対してその接線と平行に当接するような平坦面(9
1a) にリブ(91)の先端を形成する構成としたものであ
る。
【0015】これにより、請求項1ないし請求項3記載
の発明では、各伝熱管(49)内に挿入した流路形成体(82)
は、リブ(83),(91) が流路形成体(82)の外周面に当接し
て流路形成体(82)の外周面と伝熱管(49)の管内周面との
間に流路(81)を形成した状態で伝熱管(49)内に保持され
る。
【0016】その場合、リブ(83),(91) は、伝熱管(49)
の管内周面より流路形成体(82)の外周面に向かって突出
しているので、伝熱管(49)の管内周面に直に接する蓄熱
媒体の接触面積がリブ(83),(91) によって増大し、解凍
運転時に冷媒熱交換部に供給される高温の吐出冷媒(ホ
ットガス)の温熱がリブ(83),(91) との接触部分からも
伝達されて伝熱面積が大幅に拡大されることで、温冷却
水生成能力の向上が図り得られて蓄熱媒体の解凍が十分
に行える上、解凍に要する時間が大幅に短縮される。
【0017】また、流路形成体(82)にリブ(83),(91) が
不要となることから、流路形成体(82)が樹脂製である場
合に形状が簡素化される上、樹脂原料の選択の幅が広げ
られ、大幅にコストダウンされる。
【0018】特に、請求項2又は請求項3記載の発明で
は、リブ(83),(91) の先端は、流路形成体(82)の外周面
に対してその接線方向からのみ当接し、流路形成体(82)
の伝熱管(49)内への挿入時に流路形成体(82)の外周面に
対してリブ(83),(91) の先端が接触したとしても、この
樹脂製の流路形成体(82)の外周面に傷などを付けること
が可及的に防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0020】図3及び図4は本発明の実施の形態に係る
氷蓄熱式空気調和装置に備えられた冷媒循環回路(A) 及
び水循環回路(B) の全体構成を示している。また、図4
は水循環回路(B) の詳細図である。図3に示すように、
本空気調和装置は、室外ユニット(X) と複数の室内ユニ
ット(Y,Y,Y) とが上記冷媒循環回路(A) の一部を構成す
る液側及びガス側の連絡管(RL,RG) により接続された所
謂室内マルチタイプに構成されている。以下、冷媒循環
回路(A) 及び水循環回路(B) について説明する。
【0021】−冷媒循環回路の説明− 先ず、冷媒循環回路(A) の主要回路構成について説明す
る。
【0022】この冷媒循環回路(A) は、室外ユニット
(X) に備えられた圧縮機構(1) 、四路切換弁(2) 、室外
ファン(F) が近接配置された熱源側熱交換器としての室
外熱交換器(3) 、レシーバ(4) 及び第1室外電動膨張弁
(5) と、室内ユニット(Y) に備えられた複数の室内電動
膨張弁(6,6,6) 及び利用側熱交換器としての室内熱交換
器(7,7,7) とが冷媒配管(8) によって順に接続されて成
るメイン冷媒回路(A-1)を備えている。
【0023】各機器の冷媒配管(8) による接続状態につ
いて詳しく説明すると、上記室外熱交換器(3) における
ガス側である一端にはガス側配管(10)が、液側である他
端には液側配管(11)が夫々接続されている。ガス側配管
(10)は、四路切換弁(2) によって圧縮機構(1) の吐出側
と吸込側とに切換可能に接続されている。つまり、この
ガス側配管(10)は、圧縮機構(1) の吐出側と四路切換弁
(2) とを接続する第1吐出ガスライン(10a) 、四路切換
弁(2) と室外熱交換器(3) とを接続する第2吐出ガスラ
イン(10b) 、四路切換弁(2) と圧縮機構(1) の吸入側と
を接続する吸入ガスライン(10c) を備えている。また、
この吸入ガスライン(10c) にはアキュムレータ(12)が設
けられている。
【0024】一方、液側配管(11)は、室外熱交換器(3)
とレシーバ(4) とを接続する第1液ライン(11a) 、レシ
ーバ(4) と第1室外電動膨張弁(5) とを接続する第2液
ライン(11b) 、室外電動膨張弁(5) と液側連絡管(RL)と
を接続する第3液ライン(11c) を備えている。また、第
1液ライン(11a) には、室外熱交換器(3) からレシーバ
(4) へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV1)
が、第3液ライン(11c)には、室外電動膨張弁(5) から
液側連絡管(RL)へ向かう冷媒の流通のみを許容する2個
の逆止弁(CV2,CV3) が夫々設けられている。
【0025】また、第1液ライン(11a) における逆止弁
(CV1) とレシーバ(4) との間と、第3液ライン(11c) に
おける逆止弁(CV3) の下流側とは第4液ライン(11d) に
より接続されている。この第4液ライン(11d) には、第
3液ライン(11c) から第1液ライン(11a) へ向かう冷媒
の流通のみを許容する逆止弁(CV4) が設けられている。
【0026】また、上記液側連絡管(RL)は、複数の室内
液配管(7a,7a,7a)を介して各室内熱交換器(7,7,7) の液
側に接続されている。この各室内液配管(7a,7a,7a)には
上記室内電動膨張弁(6,6,6) が設けられている。
【0027】一方、上記ガス側連絡管(RG)は、複数の室
内ガス配管(7b,7b,7b)を介して各室内熱交換器(7,7,7)
のガス側に接続されている。また、このガス側連絡管(R
G)は、ガス配管(15)を介して四路切換弁(2) に接続され
ており、この四路切換弁(2)によって圧縮機構(1) の吐
出側及び吸込側に対する接続状態が切換え可能となって
いる。
【0028】上記圧縮機構(1) は、インバータ制御され
て多数段階に容量制御される可変容量型の上流側圧縮機
(COMP-1)と、フルロード、アンロード及び停止の3段
階に切換え制御されるアンローダ機構付きの下流側圧縮
機(COMP-2)とが並列に接続された所謂ツイン型に構成
されている。
【0029】そして、本冷媒循環回路(A) には、圧縮機
構(1) に潤滑油を戻す油戻し機構(20)が設けられてい
る。この油戻し機構(20)は、油分離器(21,22)と油戻
し管(23,24)とを備えている。上記油分離器(21,22)
は、第1吐出ガスライン(10a)の一部である上流側圧縮
機(COMP-1)と下流側圧縮機(COMP-2)との各吐出管(1
0a-1,10a-2) の夫々に配設されている。また、上記油戻
し管(23,24)は、キャピラリチューブ(CP)を備え、油
分離器(21,22)の下端部と上記吸入ガスライン(10c) の
一部である上流側圧縮機(COMP-1)の吸込管(10c-1) と
に接続され、油分離器(21,22)に溜った潤滑油を上流側
圧縮機(COMP-1)に戻すように構成されている。また、
各吐出管(10a-1,10a-2) における油分離器(21,22) の下
流側には各圧縮機(COMP-1,COMP-2) から四路切換弁(2)
に向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV5,CV6) が
夫々設けられている。
【0030】また、上記吸入ガスライン(10c) の一部で
ある下流側圧縮機(COMP-2)の吸込管(10c-2) は、上流
側圧縮機(COMP-1)の吸込管(10c-1) より圧力損失が大
きく設定され、両圧縮機(COMP-1,COMP-2)の間にキャ
ピラリチューブ(CP)を備えた均油管(25)が接続されて
いる。この結果、高圧側となる上流側圧縮機(COMP-1)
に回収された潤滑油が、低圧側となる下流側圧縮機(CO
MP-2)に供給されて、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)に均等
に潤滑油が回収されるようになっている。
【0031】また、上記室外熱交換器(3) に隣接して補
助熱交換器(30)が設けられており、この補助熱交換器(3
0)のガス側は、補助ガスライン(31)によって第1吐出ガ
スライン(10a) における逆止弁(CV5,CV6) の下流側に接
続されている。一方、補助熱交換器(30)の液側は、補助
液ライン(32)によって第1液ライン(11a) における逆止
弁(CV1) の下流側に接続されている。また、この補助液
ライン(32)にはキャピラリチューブ(CP)及び第1電磁弁
(SV1) が設けられている。
【0032】更に、第3液ライン(11c) における逆止弁
(CV2) の上流側と第1液ライン(11a) における逆止弁(C
V1) の上流側との間は暖房液ライン(33)により接続され
ている。この暖房液ライン(33)には第3液ライン(11c)
から室外熱交換器(3) へ向う冷媒の流通のみを許容する
逆止弁(CV7) が設けられている。
【0033】また、第2液ライン(11b) と、第3液ライ
ン(11c) における逆止弁(CV2) の下流側とはバイパスラ
イン(34)により接続されている。このバイパスライン(3
4)には第2電磁弁(SV2) 及び第2液ライン(11b) から第
3液ライン(11c) へ向う冷媒の流通のみを許容する逆止
弁(CV8) が設けられている。以上が冷媒循環回路(A)の
主要な回路構成である。
【0034】−水循環回路の説明− 次に、水循環回路(B) の構成について説明する。
【0035】この水循環回路(B) は、図4に示すよう
に、蓄熱タンク(T) 、循環手段としてのポンプ(P) 、二
重管構造の熱交換器で成る予熱器(40)、混合器(41)、縦
型のシェルアンドチューブ式の熱交換器で成る蓄熱媒体
熱交換部としての蓄熱熱交換器(42)、及び過冷却解消器
(43)が水配管(45)によって水の循環(図4の矢印参照)
が可能に順に接続されている。また、蓄熱熱交換器(42)
と過冷却解消器(43)とを接続する水配管(45a) には、氷
核生成器(46)及び氷進展防止器(47)が備えられている。
そして、予熱器(40)及び蓄熱熱交換器(42)では冷媒循環
回路(A) を流れる冷媒と水との間で熱交換を行うように
なっている。
【0036】以下、この予熱器(40)及び蓄熱熱交換器(4
2)に対し、水との間で熱交換を行う冷媒を供給するため
の冷媒循環回路(A) の構成について説明する。
【0037】図3に示すように、予熱器(40)は、上記第
3液ライン(11c) の途中に設けられており、この二重管
でなる予熱器(40)の中央側空間を水が外側空間を第3液
ライン(11c) 内の冷媒が流れることで、この両者間で熱
交換を行うようになっている(図4参照)。また、第3
液ライン(11c) における予熱器(40)とバイパスガスライ
ン(34)の接続位置との間と、アキュムレータ(12)の上流
側とは解凍バイパスライン(50)により接続されている。
この解凍バイパスライン(50)には第3電磁弁(SV3) が設
けられている。
【0038】上記蓄熱熱交換器(42)は、図2にも示すよ
うに、上下方向に延びる軸芯を有する密閉型の円筒形状
の容器(48)を備えている。この容器(48)内には、その上
下両端部に管板(36),(36) により画成された上側および
下側水流通部(48a),(48b) を備えているとともに、その
上側水流通部(48a) と下側水流通部(48b) との間を上下
方向に延びて連結する複数の伝熱管(49)が設けられてい
る。該各伝熱管(49)は、互いに等間隔隔てた位置に配さ
れている。これらの各伝熱管(49)内には、上側水流通部
(48a) と下側水流通部(48b) との間の水が流通するよう
になっている。また、容器(48)内には、上側水流通部(4
8a) と下側水流通部(48b) との間に亘って冷媒熱交換部
(42a) を構成する冷媒流通部(48c) が上側水流通部(48
a) と下側水流通部(48b) との間に画成されて設けられ
ている。
【0039】上記冷媒流通部(48c) には、その下部より
冷媒を導入する下部接続管(52)と、上部から冷媒を導出
する上部接続管(51)とが接続されている。この上部接続
管(51)および下部接続管(52)は、後述する氷核生成運
転、冷蓄熱運転、解凍運転、冷蓄熱/冷房同時運転、温
蓄熱利用暖房運転の際、蓄熱熱交換器(42)の冷媒流通部
(48c) 内から冷媒を導出する冷媒導出管および冷媒流通
部(48c) 内に冷媒を導入する冷媒導入管として機能する
ようになっている。
【0040】上部接続管(51)は、一端が冷媒流通部(48
c) の外周面上端位置に、他端が吸入ガスライン(10c)
における上記解凍バイパスライン(50)の接続位置の上流
側に夫々接続されている。一方、下部接続管(52)は、一
端が冷媒流通部(48c) の外周面下端位置に第3液ライン
(11c) における上記予熱器(40)と逆止弁(CV3) との間に
夫々接続された下部接続管(52)の他端が開口している。
また、上部接続管(51)には第4電磁弁(SV4) が、下部接
続管(52)には第2室外電動膨脹弁(52a) がそれぞれ設け
られている。そして、冷媒流通部(48c) 内には、上部接
続管(51)および下部接続管(52)からの冷媒の導入又は導
出によって冷媒流通部(48c) 内に冷媒が気液界面(G) を
有してほぼ満液状態で循環するようになっている。つま
り、蓄熱熱交換器(42)は、冷媒流通部(48c) 内において
上部接続管(51)及び下部接続管(52)により導入、導出さ
れる冷媒が各伝熱管(49)の周囲を流通し、この冷媒と各
伝熱管(49)内を流通する水との熱交換を行うよう構成さ
れている。
【0041】また、上記レシーバ(4) の上端部と、下部
接続管(52)における第2室外電動膨張弁(52a) と蓄熱熱
交換器(42)との間は蓄熱利用バイパス管(53)により接続
されている。そして、この蓄熱利用バイパス管(53)には
キャピラリチューブ(CP)及び第5電磁弁(SV5) が設けら
れている。
【0042】更に、第1吐出ガスライン(10a) における
補助ガスライン(31)の接続位置と逆止弁(CV5,CV6) との
間と、下部接続管(52)における蓄熱利用バイパス管(53)
の接続位置と第2室外電動膨張弁(52a) との間はホット
ガス供給管(54)により接続されている。このホットガス
供給管(54)には第6電磁弁(SV6) が設けられている。
【0043】また、このホットガス供給管(54)における
第6電磁弁(SV6) の下流側と蓄熱熱交換器(42)の側面上
部との間は蓄熱利用供給管(55)により接続されている。
この蓄熱利用供給管(55)には第7電磁弁(SV7) が設けら
れている。
【0044】このようにして予熱器(40)及び蓄熱熱交換
器(42)に冷媒配管が接続されていることにより、各冷媒
配管より各機器(40,42) に冷媒が供給されると、該冷媒
と水との間で熱交換が行われて該水を冷却或いは加熱す
るようになっている。具体的には、例えば、蓄熱熱交換
器(42)において製氷用の過冷却水を生成するよう水を冷
却したり、水配管(45)を氷が循環する際には該氷を融解
するよう予熱器(40)により水を加熱する。
【0045】次に、上記氷核生成器(46)及び氷進展防止
器(47)について説明する。氷核生成器(46)は、水配管(4
5a) を流れる水の一部を冷媒循環回路(A) を流れる冷媒
により冷却氷化し、それを氷核として過冷却解消器(43)
に供給するものである。そして、この氷核生成器(46)に
は氷核生成冷媒導入管(58)及び氷核生成冷媒導出管(59)
が接続されている。氷核生成冷媒導入管(58)は、一端が
下部接続管(52)におけるホットガス供給管(54)の接続位
置と第2室外電動膨張弁(52a) との間に、他端が氷核生
成器(46)に夫々接続されている。また、この氷核生成冷
媒導入管(58)はキャピラリチューブ(CP)を備えている。
氷核生成冷媒導出管(59)は、一端が上記下流側圧縮機(C
OMP-2)の吸入管(10c-2) に、他端が氷核生成器(46)に夫
々接続されている。これにより、氷核生成冷媒導入管(5
8)から氷核生成器(46)に導入された冷媒と水配管(45a)
を流れる水との間で熱交換を行って該水を冷却し、この
水の一部を氷塊として水配管(45a) の内壁面に付着生成
し、水配管(45a) 内の水圧により氷塊の一部を剥離さ
せ、これを氷核として過冷却解消部(43)に向って流す構
成となっている。
【0046】また、氷進展防止器(47)は、上記氷核生成
器(46)よりも水の流通方向上流側に配設されており、氷
核生成器(46)から水配管(45a) の管壁に沿った氷の進展
を防止するものである。そして、この氷進展防止器(47)
には進展防止冷媒導入管(60)及び進展防止冷媒導出管(6
1)が接続されている。進展防止冷媒導入管(60)は、一端
が補助ガスライン(31)に、他端が氷進展防止器(47)に夫
々接続されている。進展防止冷媒導出管(61)は、一端が
上記補助液ライン(32)におけるキャピラリチューブ(CP)
と第1電磁弁(SV1) との間に、他端が氷進展防止器(47)
に夫々接続されている。また、この進展防止冷媒導出管
(61)はキャピラリチューブ(CP)を備えている。これによ
り、進展防止冷媒導入管(60)から導入された冷媒により
水配管(45a) の管壁を加熱することにより氷核生成器(4
6)からの氷の進展を阻止するようになっている。
【0047】また、上記混合器(41)及び過冷却解消器(4
3)は、共に中空円筒状の容器で成り、水配管(45)により
内周面接線方向から水が導入され容器内に導入された水
が旋回流となる構成とされている。これにより、混合器
(41)では、後述するように蓄熱タンク(T) から流出され
た氷と予熱器(40)で加熱された水とを混合撹拌すること
で、この氷の融解を促進させ、一方、過冷却解消器(43)
では、上記氷核生成器(46)で生成された氷核と蓄熱熱交
換器(42)で生成された過冷却水とを混合撹拌して過冷却
の解消を促進するようになっている。
【0048】また、図4における(62)は、予熱器(40)に
導入する水に含まれる氷や不純物を除去するためのフィ
ルタである。
【0049】そして、上述した四路切換弁(2) 、各電磁
弁(SV1〜SV7)及び各電動膨張弁(5,6,52a) はコントロー
ラ(70)によって開閉状態が制御されるようになってい
る。
【0050】−センサ類の構成− 上記冷媒循環回路(A) 及び水循環回路(B) には、各種の
センサが設けられている。この各センサについて説明す
ると、先ず、冷媒循環回路(A) には、室外空気温度を検
出する外気温センサ(Th-1)が室外熱交換器(3) の近傍
に、室外熱交換器(3) の液冷媒温度を検出する室外液温
センサ(Th-2)が分流管側に、圧縮機構(1)の吐出ガス冷
媒温度を検出する吐出ガス温センサ(Th-31,Th-32) が各
圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出管(10a-1,10a-2)に、
圧縮機構(1) の吸入ガス冷媒温度検出する吸入ガス温セ
ンサ(Th-4)が圧縮機構(1) の吸入ガスライン(10c) にそ
れぞれ設けられている。更に、圧縮機構(1) の吐出冷媒
圧力を検出する高圧圧力センサ(SEN-H)が第1吐出ガス
ライン(10a) に、圧縮機構(1)の吸込冷媒圧力を検出す
る低圧圧力センサ(SEN-L)が吸入ガスライン(10c) に繋
がる上記上部接続管(51)にそれぞれ設けられると共に、
各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出冷媒圧力が所定高圧
になると作動する高圧保護開閉器(HPS,HPS)が各圧縮機
(COMP-1,COMP-2)の吐出管(10a-1,10a-2) に設けられ
ている。
【0051】一方、水循環回路(B) には、予熱器(40)下
端部の水入口部分に入口水温センサ(Th-W1) が、混合器
(41)の下端部の水出口部分近傍に出口水温センサ(Th-W
2) が、蓄熱熱交換器(42)上端部の水出口側に過冷却水
温センサ(Th-W3) が、過冷却解消器(43)に氷生成検知セ
ンサ(Th-W4) がそれぞれ設けられており、各部での水温
を検知するようになっている。更に、予熱器(40)の下端
に繋がる水入口管(45b)には該水入口管(45b) 内の水の
流速を検知し、該流速が所定値以下になるとON作動す
るフロースイッチ(SW-F)が設けられている。
【0052】−伝熱管の説明− 次に、本発明の特徴部分である伝熱管(49)の構成を図1
に基づいて説明する。
【0053】図1に示すように、上記各伝熱管(49)内に
は、該各伝熱管(49)内を流れる水の流路(81)を形成する
流路形成体としての樹脂棒(82)が挿入されている。該樹
脂棒(82)は、各伝熱管(49)の軸方向の長さと略一致する
長さに形成されている。上記樹脂棒(82)は、上下両端が
閉塞された筒体よりなる。また、上記各伝熱管(49)の管
内周面には、上記樹脂棒(82)の軸心に向かってほぼ等間
隔で放射状に突出する8条のリブ(83)が樹脂棒(82)の上
下両端部間に亘って直線状に延びて設けられている。該
リブ(83)の先端は、半円弧状の曲面(83a) に形成され、
上記樹脂棒(82)の外周面に対して互いの接線同士が一致
して当接するようになっている。この場合、各伝熱管(4
9)内に挿入した樹脂棒(82)は、各リブ(83)が流路形成体
(82)の外周面に当接して樹脂棒(82)の外周面と伝熱管(4
9)の管内周面との間に流路(81)を形成した状態で伝熱管
(49)内に保持される。
【0054】これにより、伝熱管(49)の管内周面より樹
脂棒(82)の外周面に向かって突出するリブ(83)によっ
て、伝熱管(49)の管内周面に直に接する水の接触面積が
増大し、後述する解凍運転時に冷媒熱交換部(48c) に供
給される高温の吐出冷媒(ホットガス)の温熱が各リブ
(83)との接触部分からも伝達されて伝熱面積が大幅に拡
大される。このため、温冷却水生成能力の向上が図り得
られて水の解凍が十分に行える上、解凍に要する時間が
大幅に短縮され、よって解凍性能の大幅な向上を図るこ
とができる。
【0055】また、樹脂棒(82)にリブ(83)が不要となる
ことから、樹脂棒(82)の形状が簡素化される上、樹脂原
料の選択の幅が広げられ、樹脂棒(82)の大幅なコストダ
ウンを図ることができる。
【0056】しかも、リブ(83)の先端が樹脂棒(82)の外
周面に対してその接線方向からのみ当接するので、樹脂
棒(82)の伝熱管(49)内への挿入時に樹脂棒(82)の外周面
に対してリブ(83)の先端が接触したとしても、この樹脂
棒(82)の外周面に傷などを付けることが可及的に防止で
きる。
【0057】−制御の構成− そして、本空気調和装置は、各センサ(Th-1〜SEN-L,Th
-W1 〜Th-W4)、開閉器(HPS)、スイッチ(SW-F)の検出信
号がコントローラ(70)に入力され、これら検出信号に基
づいて各電磁弁(SV1〜SV7)の開閉切換え、各電動膨張弁
(5,6,52a) の開度調整及び圧縮機構(1) の容量等を制御
している。
【0058】−運転動作− 次に、上述の如く構成された空気調和装置の運転動作に
ついて説明する。
【0059】本空気調和装置の運転モードとしては、通
常冷房運転、通常暖房運転、氷核生成運転、冷蓄熱運
転、解凍運転、冷蓄熱/冷房同時運転、冷蓄熱利用冷房
運転、温蓄熱運転、温蓄熱/暖房同時運転及び温蓄熱利
用暖房運転がある。
【0060】以下、各運転モードにおける冷媒循環動作
について説明する。
【0061】−通常冷房運転− この運転モードでは、コントローラ(70)により、四路切
換弁(2) が図中実線側に切換えられ、室内電動膨張弁
(6) が所定開度に調整(過熱度制御)され、それ以外の
電動膨張弁が閉鎖される。一方、第2電磁弁(SV2) が開
放され、それ以外の電磁弁が閉鎖される。
【0062】この状態で圧縮機構(1) が駆動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図5に矢印で示すよ
うに、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に導入さ
れ、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱交換を
行って凝縮する。その後、この冷媒は液側配管(11)及び
バイパスライン(34)を経て室内ユニット(Y,Y,Y) に導入
され、室内電動膨張弁(6,6,6) で減圧された後、室内熱
交換器(7,7,7) において室内空気との間で熱交換を行い
蒸発して室内空気を冷却する。そして、このガス冷媒は
ガス配管(15)、四路切換弁(2) 及び吸入ガスライン(10
c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。このよう
な冷媒の循環動作を行うことにより室内の冷房が行われ
る。
【0063】−通常暖房運転− この運転モードでは、コントローラ(70)により、四路切
換弁(2) が破線側に切換えられ、第1室外電動膨張弁
(5) が所定開度に調整される一方、室内電動膨張弁(6)
が全開状態にされる。また、第2室外電動膨張弁(52a)
及び各電磁弁は共に閉鎖される。
【0064】この状態で圧縮機構(1) が駆動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図6に矢印で示すよ
うに、四路切換弁(2) 及びガス配管(15)を経て室内ユニ
ット(Y,Y,Y) に導入され、室内熱交換器(7,7,7) におい
て室内空気との間で熱交換を行って凝縮して室内空気を
加温する。その後、この冷媒は、第3液ライン(11c)及
び第4液ライン(11d) を経てレシーバ(4) に達し、該レ
シーバ(4) から第2液ライン(11b) を流れて第1室外電
動膨張弁(5) で減圧された後、暖房液ライン(33)から室
外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換器(3) におい
て外気との間で熱交換を行って蒸発する。その後、四路
切換弁(2) 、吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1)
の吸入側に戻される。このような冷媒の循環動作を行う
ことにより室内の暖房が行われる。
【0065】−氷核生成運転− この運転モードは、後述する冷蓄熱運転において過冷却
水の過冷却状態を解消するための氷核を生成するもので
ある。また、この運転モードでは氷核生成動作の開始前
に水循環回路(B) 内の水を所定温度(例えば2℃)まで
冷却する水冷却動作が行われる。この水冷却動作の水及
び冷媒の循環動作について説明すると、第2室外電動膨
張弁(52a) を所定開度に調整し、且つ第1及び第2電磁
弁(SV1,SV2) を開放する。それ以外の電動膨張弁及び電
磁弁は閉塞する。また、四路切換弁(2) は実線側に切換
えられる。この状態で、ポンプ(P) を駆動して水循環回
路(B) において水を循環させ、圧縮機構(1) を駆動す
る。そして、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒は、
室外熱交換器(3) で凝縮した後、液側配管(11)及び下部
接続管(52)を経て第2室外電動膨張弁(52a) で減圧した
後、蓄熱熱交換器(42)の冷媒流通部(48c) 内に導入し、
ここで各伝熱管(49)内を流通する水との間で熱交換を行
い、該水を冷却して蒸発する。その後、この冷媒流通部
(48c) 内の冷媒は、上部接続管(51)及び吸入ガスライン
(10c) によって圧縮機構(1) の吸入側に戻される。
【0066】そして、このような水冷却動作が所定時間
行われて水循環回路(B) の水温が所定温度に達すると、
以下の氷核生成動作に移る。
【0067】この氷核生成動作では、コントローラ(70)
により、四路切換弁(2) が実線側とされ、第2室外電動
膨張弁(52a) が所定開度に調整される一方、他の電動膨
張弁は閉鎖される。また、第1及び第2電磁弁(SV1,SV
2) が開放される一方、他の電磁弁は閉鎖される。
【0068】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において上述し
た水冷却動作によって冷却された水が循環する。一方、
冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構(1) の上流側圧
縮機(COMP-1)のみが駆動する。そして、この圧縮機(COM
P-1)から吐出された冷媒は、図7に矢印で示すように、
その一部が、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に
導入され、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱
交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は、液側配管
(11)及びバイパスライン(34)、下部接続管(52)、第2室
外電動膨張弁(52a) 、氷核生成冷媒導入管(58)を経て氷
核生成器(46)に導入される。また、圧縮機(COMP-1)から
吐出された冷媒の他の一部は補助ガスライン(31)を経て
補助熱交換器(30)に導入され、該補助室外熱交換器(30)
においても外気との間で熱交換を行って凝縮する。その
後、この冷媒は、液側配管(11)に合流する。そして、こ
の室外熱交換器(3) 及び補助室外熱交換器(30)で凝縮し
た冷媒は、第2室外電動膨張弁(52a) により減圧され、
氷核生成器(46)内部において水配管(45a) を流れている
水を冷却して氷核を生成した後、氷核生成冷媒導出管(5
9)及び吸込管(10c-1) を経て上流側圧縮機(COMP-1)の吸
入側に戻される。
【0069】一方、上記補助ガスライン(31)を流れる冷
媒の一部は、進展防止冷媒導入管(60)より氷進展防止器
(47)に供給され、水配管(45a) の管壁を加熱することに
より、氷核生成器(46)から管壁に沿って氷が進展するこ
とを防止する。そして、この冷媒は、進展防止冷媒導出
管(61)より補助液ライン(32)に合流される。このため、
仮に氷が壁面に沿って上流側(蓄熱熱交換器(42)側)に
成長する所謂氷の進展が発生する状況であっても、この
進展する氷は進展防止器(47)にまで達した部分では迅速
に融解されることになるので、この進展が蓄熱熱交換器
(42)にまで達することはない。このような氷核生成運転
が所定時間(例えば5分間)継続して行われた後、後述
する冷蓄熱運転に移る。
【0070】−冷蓄熱運転− この運転モードは、上述した氷核生成運転によって生成
された氷核に対して過冷却水を接触させることにより、
この氷核の周囲で過冷却状態を解消して蓄熱用の氷を生
成するためのものである。
【0071】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が実線側とされ、第2室外電動膨
張弁(52a) が所定開度に調整される一方、他の電動膨張
弁は閉鎖される。また、第1、第2、第4電磁弁(SV1,S
V2,SV4) が開放される一方、他の電磁弁は閉鎖される。
【0072】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において水が循
環する。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構
(1)が駆動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒
は、図8に矢印で示すように、その一部が、四路切換弁
(2) を経て室外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換
器(3) において外気との間で熱交換を行って凝縮する。
その後、この冷媒は、液側配管(11)及びバイパスライン
(34)、下部接続管(52)を経て蓄熱熱交換器(42)に導入さ
れる。また、圧縮機構(1) から吐出された冷媒の他の一
部は補助ガスライン(31)を経て補助熱交換器(30)に導入
され、該補助室外熱交換器(30)において外気との間で熱
交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は補助液ライ
ン(32)を経て液側配管(11)に合流する。各熱交換器(3,3
0)で凝縮した冷媒は第2室外電動膨張弁(52a) により減
圧される。そして、この蓄熱熱交換器(42)の冷媒流通部
(48c) 内に導入された冷媒は、該蓄熱熱交換器(42)の冷
媒流通部(48c) 内を各伝熱管(49)を介して流れている水
との間で熱交換を行いつつ蒸発して気泡となり、この水
を過冷却状態(例えば−2℃)まで冷却する。その後、
上部接続管(51)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機
構(1) の吸入側に戻される。このとき、各伝熱管(49)内
で過冷却状態まで冷却された水は、その主流(M) を気液
界面(G) 付近で旋回流から直線流に変換してスムーズに
流通させる各螺旋突条(83)の変換部(83a) により、気液
界面(G) 付近での冷媒とのさらなる熱交換が抑えられ、
各伝熱管(49)内の水のさらなる過冷却状態の進行による
過冷却状態の解消を抑制して、蓄熱熱交換器(42)の伝熱
管(49)内での水の凍結を防止している。
【0073】また、本運転にあっても、同時に上述した
氷核生成動作が行われている。つまり、下部接続管(52)
を流れる冷媒の一部が氷核生成冷媒導入管(58)を経て氷
核生成器(46)に導入されている。これにより、連続した
製氷が行えることになる。そして、この氷核生成器(46)
において水を冷却して氷核を生成した冷媒は、上述した
氷核生成運転と同様に氷核生成冷媒導出管(59)及び吸入
ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻され
る。
【0074】また、これと同時に、補助ガスライン(31)
を流れる冷媒の一部は氷進展防止器(47)に供給され、上
記と同様に氷の進展を防止している。これによって、こ
の氷の進展が蓄熱熱交換器(42)にまで達して、その内部
で過冷却水の過冷却状態が解消されて該蓄熱熱交換器(4
2)が凍結してしまうことが回避される。
【0075】このような水及び冷媒の循環動作を行うこ
とにより蓄熱熱交換器(42)で生成された過冷却水には、
氷核生成器(46)近傍において、該氷核生成器(46)からの
氷核が混入され、この状態で過冷却解消器(43)に導入さ
れる。そして、この過冷却解消器(43)において、過冷却
水は、その旋回流に伴って氷核の周囲で過冷却状態が解
消し、これによって蓄熱用のスラリー状の氷が生成され
る。この氷は、蓄熱タンク(T) に回収され、該蓄熱タン
ク(T) 内で貯留されることになる。
【0076】この際、過冷却解消器(43)において過冷却
解消動作が行われているか否かの確認は、上記過冷却水
温センサ(Th-W3) 及び氷生成検知センサ(Th-W4) によっ
て夫々検知される水温によって行われる。つまり、良好
な製氷動作が行われている場合、過冷却水温センサ(Th-
W3) では過冷却状態の水温(例えば−2℃)が、氷生成
検知センサ(Th-W4) では過冷却が解消され氷と水とが混
在した水温(例えば0℃)が夫々検出されることにな
り、これら水温を各センサ(Th-W3,Th-W4) が検知するこ
とで過冷却解消動作が行われていることが確認できる。
【0077】また、この冷蓄熱運転における圧縮機構
(1) の容量制御は、過冷却水温センサ(Th-W3) によって
検出される水温が所定温度(例えば上述した−2℃)に
維持されるように行われる。また、本運転時には、予熱
器(40)にも比較的高温の冷媒が流れるようになっている
ので、仮に蓄熱タンク(T) から水配管(45)に氷が流出
し、これが予熱器(40)に混入した場合には、該予熱器(4
0)において加熱された水と氷とが混合器(41)において撹
拌されることで氷が融解し、蓄熱熱交換器(42)に氷が混
入してしまうことを回避しながら蓄熱熱交換器(42)にお
ける過冷却水の生成動作が良好に行われ、この過冷却水
は過冷却解消器(43)に達するまでその過冷却状態が解消
されないようになっている。つまり、蓄熱熱交換器(42)
で過冷却解消してしまうことにより凍結が回避されるこ
とになる。
【0078】−解凍運転− 上述したような冷蓄熱運転の際、蓄熱熱交換器(42)にお
いて水の過冷却が解消して該蓄熱熱交換器(42)が凍結し
た場合には、この冷蓄熱運転を一時的に中断して解凍運
転に切り換える。この解凍運転では、第2室外電動膨張
弁(52a) 、第3、第4、第6の各電磁弁(SV3,SV4,SV6)
が開放され、その他の電動膨張弁及び電磁弁は閉鎖され
る。この状態で、圧縮機構(1) が駆動し、図9に矢印で
示すように、圧縮機構(1) からの高温のガス冷媒をホッ
トガス供給管(54)により下部接続管(52)に供給し、この
下部接続管(52)を経て一部は蓄熱熱交換器(42)の冷媒流
通部(48c) 内に、他は予熱器(40)に導入される。そし
て、蓄熱熱交換器(42)に導入された冷媒(ホットガス)
の温熱は、各伝熱管(49)の管壁を介して各リブ(83)から
も伝達され、この温熱によって蓄熱熱交換器(42)内の氷
を効果的に融解する。また、この際、水循環回路(B) の
ポンプ(P) を駆動させておけば、氷が僅かに融解した状
態で、この氷がポンプ(P) からの水圧によって蓄熱熱交
換器(42)内の水経路の壁面から容易に離脱されて過冷却
解消器(43)に向って押し流されることになる。そして、
この冷媒は上部接続管(51)及び吸入ガスライン(10c) を
経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。一方、予熱器(4
0)に導入された冷媒は、解凍バイパスライン(50)及び吸
入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻さ
れる。
【0079】尚、冷蓄熱運転時において蓄熱熱交換器(4
2)が凍結したことを検知する動作としては、過冷却水温
センサ(Th-W3) によって検出される水温度が−2℃から
0℃に急激に上昇した場合に、この過冷却水温センサ(T
h-W3) の上流側で過冷却解消動作が行われて氷が生成さ
れていると判断し、これによって上記の解凍運転を所定
時間(例えば5分間)行う。また、その他に、解凍運転
を開始する動作としては、上記フロースイッチ(SW-F)に
よって検出される水の流速が所定値以下になった場合、
氷が水循環回路(B) の一部を閉塞していると判断し、こ
の場合にも解凍運転を行って氷を融解する。そして、こ
の解凍運転が終了すると、再び冷蓄熱運転が開始される
ことになる。
【0080】−冷蓄熱/冷房同時運転− この運転モードは、室内の冷房を行いながら蓄熱タンク
(T) に氷を貯留する動作であって、比較的冷房負荷が小
さい状態において行われる。
【0081】この運転モードでは、上述した冷蓄熱運転
において、室内電動膨張弁(6,6,6)を開放することによ
って行われる。つまり、図10に破線の矢印で示すよう
に、室外熱交換器(3) 及び補助熱交換器(30)で凝縮され
た冷媒の一部を室内ユニット(Y,Y,Y) に供給し、室内電
動膨張弁(6,6,6) で減圧した後、室内熱交換器(7,7,7)
で蒸発させるようにしている。そして、このガス冷媒は
ガス配管(15)、四路切換弁(2) 、吸入ガスライン(10c)
を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻されることになる。そ
の他の水及び冷媒の循環動作は上述した冷蓄熱運転と同
様である。
【0082】−冷蓄熱利用冷房運転− この運転モードは、上述した冷蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯留された氷の冷熱を利用しながら室内の冷
房を行うものである。
【0083】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が実線側に切換えられ、室内電動
膨張弁(6,6,6) が所定開度に調整され、第2室外電動膨
張弁(52a) が全開状態にされる一方、第1室外電動膨張
弁(5) が閉鎖される。また、第5,第6,第7電磁弁(S
V5,SV6,SV7) が開放され、それ以外の電磁弁が閉鎖され
る。
【0084】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において水が循
環する。これにより、水循環回路(B) には蓄熱タンク
(T) 内の氷によって冷却された冷水が循環することにな
る。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構(1)
が駆動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒は、図
11に矢印で示すように、その一部が、四路切換弁(2)
を経て室外熱交換器(3)に導入され、該室外熱交換器(3)
において外気との間で熱交換を行って凝縮する。その
後、この冷媒は、第1液ライン(11a) 、レシーバ(4) 、
蓄熱利用バイパス管(53)、下部接続管(52)及び第3液ラ
イン(11c) を経て室内ユニット(Y,Y,Y) に向って流れ
る。また、他の一部の冷媒は、四路切換弁(2) 及び室外
熱交換器(3)をバイパスしてホットガス供給管(54)及び
蓄熱利用供給管(55)を流れて蓄熱熱交換器(42)に導入さ
れ、ここで水循環回路(B) を循環する冷水との間で熱交
換を行って凝縮し、下部接続管(52)に導入される。そし
て、この下部接続管(52)に導入された冷媒は第3液ライ
ン(11c) に合流して室内ユニット(Y,Y,Y) に向って流れ
る。そして、この室内ユニット(Y,Y,Y) に達した冷媒
は、室内電動膨張弁(6,6,6) で減圧された後、室内熱交
換器(7,7,7) で蒸発し、ガス配管(15)及び吸入ガスライ
ン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。この
ようにして、蓄熱タンク(T) 内に貯留されている氷の冷
熱を利用した室内冷房運転が行われる。
【0085】また、このような冷蓄熱利用冷房運転にお
いて、過冷却水温センサ(Th-W3) によって検出される水
温が所定温度(例えば5℃)に達した場合には、第2室
外電動膨張弁(52a) 、第5、第6及び第7電磁弁(SV5,S
V6,SV7) が閉鎖されると共に第2電磁弁(SV2) が開放さ
れて、冷蓄熱利用冷房運転を終了して、通常の冷房運転
に切換えられる。つまり、過冷却水温センサ(Th-W3) の
水温検知により、蓄熱タンク(T) 内の冷熱の殆どを利用
したと判断した後には、通常の冷房運転に切り換えられ
る。
【0086】−温蓄熱運転− この運転モードは、暖房運転時に利用する温熱として蓄
熱タンク(T) 内に温水を貯留するためのものである。
【0087】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が破線側に切換えられ、第1室外
電動膨張弁(5) が所定開度に調整され、第2室外電動膨
張弁(52a) 及び第7電磁弁(SV7) が開放される一方、そ
の他の電動膨張弁及び電磁弁が閉鎖される。
【0088】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において水が循
環する。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構
(1)が駆動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒
は、図12に矢印で示すように、ホットガス供給管(54)
及び蓄熱利用供給管(55)を経て蓄熱熱交換器(42)に導入
され、ここで水循環回路(B) の水との間で熱交換を行っ
て該水を加熱して凝縮する。そして、この冷媒は、下部
接続管(52)、第3液ライン(11c) 、第4液ライン(11d)
、第2液ライン(11b) 及び暖房液ライン(33)を経て、
第1室外電動膨張弁(5) で減圧された後、室外熱交換器
(3) に導入される。そして、この室外熱交換器(3) にお
いて外気との間で熱交換を行って蒸発した後、四路切換
弁(2) 及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の
吸入側に戻される。このような水及び冷媒の循環動作を
行うことにより水循環回路(B) を流れる水は蓄熱熱交換
器(42)において冷媒からの熱を受け、高温の温水となっ
て蓄熱タンク(T) 内に貯留されることになる。
【0089】そして、このような温蓄熱運転中におい
て、入口水温センサ(Th-W1) によって検出される水温が
所定の高温(例えば35℃)に達すると、蓄熱タンク
(T) 内に十分な温熱が貯留されたと判断して運転を終了
する。
【0090】−温蓄熱/暖房同時運転− この運転モードは、室内の暖房を行いながら蓄熱タンク
(T) に温水を貯留する動作であって、比較的暖房負荷が
小さい状態において行われる。
【0091】この運転モードでは、上述した温蓄熱運転
において、室内電動膨張弁(6,6,6)を開放することによ
って行われる。つまり、図13に矢印で示すように、圧
縮機構(1) から吐出された冷媒の一部をガス配管(15)に
よって室内熱交換器(7,7,7)に導入し、この室内熱交換
器(7,7,7) において室内空気との間で熱交換を行って該
室内空気を加温して凝縮した後、第3液ライン(11c) の
冷媒に合流させている。その他の水及び冷媒の循環動作
は上述した温蓄熱運転と同様である。
【0092】−温蓄熱利用暖房運転− この運転モードは、上述した温蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯留された温水の温熱を利用しながら室内の
暖房を行うものである。
【0093】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が破線側に切換えられ、第1室外
電動膨張弁(5) が所定開度に調整される一方、室内電動
膨張弁(6,6,6) 及び第2室外電動膨張弁(52a) が全開状
態にされる。また、第4電磁弁(SV4) が開放され、それ
以外の電磁弁が閉鎖される。
【0094】この状態で圧縮機構(1) が駆動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図14に矢印で示す
ように、四路切換弁(2) 及びガス配管(15)を経て室内ユ
ニット(Y,Y,Y) に導入され、室内熱交換器(7,7,7) にお
いて室内空気との間で熱交換を行って凝縮して室内空気
を加温する。その後、この冷媒は、第3液ライン(11c)
及び第4液ライン(11d) を経てレシーバ(4) に達し、該
レシーバ(4) から第2液ライン(11b) を経て第1室外電
動膨張弁(5) により減圧される。その後、この冷媒は一
部が第2液ライン(11b) 及び下部接続管(52)を経て蓄熱
熱交換器(42)の冷媒流通部(48c) 内に導入され、ここで
温水との間で熱交換を行って蒸発した後、上部接続管(5
1)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入
側に回収される。
【0095】そして、第1室外電動膨張弁(5) で減圧さ
れた冷媒の他の一部は暖房液ライン(33)を経て室外熱交
換器(3) に導入され、この室外熱交換器(3) において室
外空気との間で熱交換を行って蒸発した後、四路切換弁
(2) 及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸
入側に戻される。このようにして、蓄熱タンク(T) 内に
貯留されている温水の温熱を利用した室内暖房運転が行
われる。
【0096】また、この温蓄熱利用暖房運転において
も、上述した冷蓄熱利用暖房運転と同様に、入口水温セ
ンサ(Th-W1) によって検出される水温が所定温度(例え
ば20℃)に達した場合には、第2室外電動膨張弁(52
a) 及び第4電磁弁(SV4) が閉鎖され、温蓄熱利用暖房
運転を終了して、通常の暖房運転に移行する。つまり、
入口水温センサ(Th-W1) の水温検知により、蓄熱タンク
(T) 内の温熱の殆どを利用したと判断した後には、通常
の暖房運転に切り換えられる。
【0097】以上のような各運転により室内の空気調和
が行われる。
【0098】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。例えば、上記実施の形態では、各リブ(83)の先端を
曲面(83a) に形成したが、図15に示す変形例のよう
に、各リブ(91)の先端が、樹脂棒(82)の外周面に対して
その接線と平行に当接するような平坦面(91a) に形成さ
れていても良い。この場合には、各リブ(91)の先端が曲
面となるものに比べて簡単に形成され、リブ(91)の成形
の簡単化を図ることができる。
【0099】また、本実施の形態では、リブ(83)(又は
(91))を8条設けたが、何条設けても良いのは勿論であ
る。
【0100】さらに、本実施の形態では、蓄熱用の蓄熱
媒体として水を使用したが、その他ブライン水溶液等を
使用するようにしてもよい。また、空気調和装置用の氷
蓄熱装置に本発明を適用した場合について説明したが、
その他の蓄冷熱を利用する装置に対しても適用可能であ
る。
【0101】
【発明の効果】以上の如く、請求項1ないし請求項3記
載の発明の氷蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管
内部構造によれば、伝熱管の管内周面より突出するリブ
により管内周面への蓄熱媒体の接触面積を増大させて冷
媒熱交換部からの伝熱面積を大幅に拡大し、解凍運転時
の蓄熱媒体の解凍を十分に行えかつ解凍に要する時間を
大幅に短縮することで、解凍性能の大幅な向上を図るこ
とができる。しかも、流路形成体のリブを不要にし、流
路形成体およびリブを樹脂製とした場合に大幅なコスト
ダウンを図ることができる。
【0102】特に、請求項2又は請求項3記載の発明の
氷蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造に
よれば、リブの先端を流路形成体の外周面に接線方向か
らのみ当接させ、流路形成体の伝熱管内への挿入時の流
路形成体の外周面への傷付きを可及的に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る伝熱管の横断平面図
である。
【図2】蓄熱熱交換器の側面図である。
【図3】空気調和装置に備えられた冷媒循環回路及び水
循環回路の全体構成を示す図である。
【図4】水循環回路の構成を示す図である。
【図5】通常冷房運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図6】通常暖房運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図7】氷核生成運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図8】冷蓄熱運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図9】解凍運転の冷媒循環動作を示す回路図である。
【図10】冷蓄熱/冷房同時運転の冷媒循環動作を示す
回路図である。
【図11】冷蓄熱利用冷房運転の冷媒循環動作を示す回
路図である。
【図12】温蓄熱運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図13】温蓄熱/暖房同時運転の冷媒循環動作を示す
回路図である。
【図14】温蓄熱利用暖房運転の冷媒循環動作を示す回
路図である。
【図15】実施の形態の変形例に係る図1相当図であ
る。
【符号の説明】
(1) 圧縮機 (3) 熱源側熱交換器 (8) 冷媒配管 (42) 蓄熱熱交換器(蓄熱媒体熱交換部) (42a) 冷媒熱交換部 (45) 循環配管 (48) 容器 (48c) 冷媒流通部 (49) 伝熱管 (51) 上側接続管(冷媒導出管) (52) 下側接続管(冷媒導入管) (52a) 膨脹機構 (81) 流路 (82) 樹脂棒(流路形成体) (83),(91) リブ (83a) 曲面 (91a) 平坦面 (A) 冷媒循環回路 (B) 蓄熱循環回路 (G) 気液界面 (P) 循環手段 (T) 蓄熱タンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1) と、熱源側熱交換器(3) と、
    膨脹機構(52a) と、冷媒熱交換部(42a) とが冷媒配管
    (8) によって冷媒の循環が可能に接続されてなる冷媒循
    環回路(A) を備えているとともに、 蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク(T) と、蓄熱媒体を圧送
    する循環手段(P) と、上記冷媒熱交換部(42a) との間で
    熱交換可能な蓄熱媒体熱交換部(42)とが循環配管(45)に
    よって蓄熱媒体の循環が可能に接続されてなる蓄熱循環
    回路(B) とを備え、 上記循環手段(P) を駆動して蓄熱循環回路(B) に蓄熱媒
    体を循環させる一方、上記冷媒熱交換部(42a) で蒸発す
    る冷媒循環回路(A) の冷媒と、上記蓄熱循環回路(B) の
    蓄熱媒体とを熱交換させて該蓄熱媒体を過冷却状態まで
    冷却し、この蓄熱媒体を蓄熱媒体熱交換部(42)から導出
    した後に、その過冷却状態を解消して氷を生成して該氷
    を蓄熱タンク(T) に回収するように製氷運転を行う一
    方、 上記蓄熱媒体熱交換部(42)内で蓄熱媒体が過冷却状態を
    解消して凍結したときに、圧縮機(1) からの高温の吐出
    冷媒を冷媒熱交換部(42a) に供給して蓄熱媒体熱交換部
    (42)を加熱する解凍運転を行う氷蓄熱装置において、 上記蓄熱媒体熱交換部(42)は、上下方向に軸芯を有する
    筒形状の容器(48)を備え、該容器(48)内には、上下方向
    に延びる複数の伝熱管(49)が設けられている一方、 上記冷媒熱交換部(42a) は、上記容器(48)内の各伝熱管
    (49)の周囲に冷媒を流通させる冷媒流通部(48c) を備
    え、この冷媒流通部(48c) 内の冷媒と各伝熱管(49)内を
    流通する蓄熱媒体との間で熱交換が行われるようになっ
    ているとともに、 上記冷媒流通部(48c) には、その下部より冷媒を導入す
    る冷媒導入管(52)と、上部から冷媒を導出する冷媒導出
    管(51)とが接続され、この冷媒導入管(52)および冷媒導
    出管(51)による冷媒の導出入によって冷媒流通部(48c)
    内に冷媒が気液界面(G) を有してほぼ満液状態で循環す
    るようになっており、 上記各伝熱管(49)内には、該各伝熱管(49)内で蓄熱媒体
    の流路(81)を形成する流路形成体(82)が挿入されている
    とともに、 上記伝熱管(49)の管内周面には、上記流路形成体(82)の
    軸心に向かって突出するリブ(83),(91) が流路形成体(8
    2)の両端部間に亘って設けられ、該リブ(83),(91) の先
    端は、流路形成体(82)の外周面に当接していることを特
    徴とする氷蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管内
    部構造。
  2. 【請求項2】 上記リブ(83)の先端は、上記流路形成体
    (82)の外周面に対して互いの接線同士が一致して当接す
    るような曲面(83a) に形成されている請求項1記載の氷
    蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造。
  3. 【請求項3】 上記リブ(91)の先端は、上記流路形成体
    (82)の外周面に対してその接線と平行に当接するような
    平坦面(91a) に形成されている請求項1記載の氷蓄熱装
    置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造。
JP19488796A 1996-07-24 1996-07-24 氷蓄熱装置における過冷却熱交換器の伝熱管内部構造 Withdrawn JPH1038489A (ja)

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