JPH103402A - システム診断装置およびシステム診断方法 - Google Patents
システム診断装置およびシステム診断方法Info
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- JPH103402A JPH103402A JP8156953A JP15695396A JPH103402A JP H103402 A JPH103402 A JP H103402A JP 8156953 A JP8156953 A JP 8156953A JP 15695396 A JP15695396 A JP 15695396A JP H103402 A JPH103402 A JP H103402A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】システムの稼働状況をユーザが視覚的に診断可
能とするシステム診断装置を提供する。 【解決手段】実行形式プログラム5を構成するオブジェ
クト間で送受信されるべきメッセージの情報を設計時に
定められた送受信順でメッセージテーブル7に記載して
おき、デバッガ8は、実行形式プログラム5が稼働した
際、その実行形式プログラム5を構成するオブジェクト
間でメッセージが送受信されたときに、メッセージテー
ブル7に記載した情報を参照して、そのメッセージに対
して送受信順を含む精査を施す。そして、デバッガ8
は、その精査結果を表示プログラム9に転送して表示さ
せることによってユーザに呈示する。これによりユーザ
は、システムの稼働状況を視覚的に診断することが可能
となる。
能とするシステム診断装置を提供する。 【解決手段】実行形式プログラム5を構成するオブジェ
クト間で送受信されるべきメッセージの情報を設計時に
定められた送受信順でメッセージテーブル7に記載して
おき、デバッガ8は、実行形式プログラム5が稼働した
際、その実行形式プログラム5を構成するオブジェクト
間でメッセージが送受信されたときに、メッセージテー
ブル7に記載した情報を参照して、そのメッセージに対
して送受信順を含む精査を施す。そして、デバッガ8
は、その精査結果を表示プログラム9に転送して表示さ
せることによってユーザに呈示する。これによりユーザ
は、システムの稼働状況を視覚的に診断することが可能
となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オブジェクト間
でメッセージが送受信されるオブジェクト指向モデルの
システムを診断するシステム診断装置およびシステム診
断方法に係り、特に設計時に定められた送受信順で記憶
したメッセージの情報と、実際に送受信されたメッセー
ジとを突き合わせて精査し、その精査結果をメッセージ
トレース図上で呈示することによってシステムの稼働状
況を視覚的に診断可能とするシステム診断装置およびシ
ステム診断方法に関する。
でメッセージが送受信されるオブジェクト指向モデルの
システムを診断するシステム診断装置およびシステム診
断方法に係り、特に設計時に定められた送受信順で記憶
したメッセージの情報と、実際に送受信されたメッセー
ジとを突き合わせて精査し、その精査結果をメッセージ
トレース図上で呈示することによってシステムの稼働状
況を視覚的に診断可能とするシステム診断装置およびシ
ステム診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータシステムの普及は目
覚ましいものがあり、コンピュータシステムによる業務
処理は、もはや欠かせないものとなりつつある。また、
このような普及に伴なって、開発・保守などの効率が重
要視されてきており、これらのコンピュータシステムを
開発するためのプログラミング方法論も種々確立されて
いる。そして、このプログラミング方法論の一つにオブ
ジェクト指向プログラミングが存在する。
覚ましいものがあり、コンピュータシステムによる業務
処理は、もはや欠かせないものとなりつつある。また、
このような普及に伴なって、開発・保守などの効率が重
要視されてきており、これらのコンピュータシステムを
開発するためのプログラミング方法論も種々確立されて
いる。そして、このプログラミング方法論の一つにオブ
ジェクト指向プログラミングが存在する。
【0003】オブジェクト指向プログラミングは、プロ
グラミング方法論の発展に伴なって発生した概念であ
り、手続きの抽象化とデータの抽象化とを実現するとい
ったものである。このオブジェクト指向プログラミング
によって設計・作成されるプログラムは、オブジェクト
を基本的な構成モジュールとし、このオブジェクトは、
メソッドと呼ばれる手続きとデータとの合併体として定
義される。そして、このオブジェクトは、他のオブジェ
クトから送信されるメッセージによって起動され、その
メッセージの内容と、自己の記憶や状態とに依存した処
理を施して、自己の記憶を更新したり、さらに他のオブ
ジェクトにメッセージを送信するなどによって処理を進
行させていく。
グラミング方法論の発展に伴なって発生した概念であ
り、手続きの抽象化とデータの抽象化とを実現するとい
ったものである。このオブジェクト指向プログラミング
によって設計・作成されるプログラムは、オブジェクト
を基本的な構成モジュールとし、このオブジェクトは、
メソッドと呼ばれる手続きとデータとの合併体として定
義される。そして、このオブジェクトは、他のオブジェ
クトから送信されるメッセージによって起動され、その
メッセージの内容と、自己の記憶や状態とに依存した処
理を施して、自己の記憶を更新したり、さらに他のオブ
ジェクトにメッセージを送信するなどによって処理を進
行させていく。
【0004】このオブジェクトの内部表現などは利用者
には見えず、かつそのアクセスは予め容易された命令を
通してのみ可能となるように構成されるため、極めて高
い信頼性を期待することができる。このオブジェクト指
向プログラミングを実現するプログラム言語(オブジェ
クト指向言語)としては、ゼロックス社のSmallt
alkや、ATTのC++などが代表的なものである。
には見えず、かつそのアクセスは予め容易された命令を
通してのみ可能となるように構成されるため、極めて高
い信頼性を期待することができる。このオブジェクト指
向プログラミングを実現するプログラム言語(オブジェ
クト指向言語)としては、ゼロックス社のSmallt
alkや、ATTのC++などが代表的なものである。
【0005】従来においては、オブジェクト指向プログ
ラミングにより構築されるオブジェクトの診断につい
て、たとえばCコンパイラの統合環境やマイクロソフト
社製造販売のVisualC++のデバッガなどでは、
デバッガのトレース機能によってソースコードを1行単
位で実行していき、ブレークポイントにおいてメモリ上
の変数の値を参照するといったことが可能である。これ
を第1の方法と称する。また、各オブジェクトの動作を
ディスプレイ装置に表示することにより、デバッグの効
率化を図るといった構想も存在する。これを第2の方法
と称する。
ラミングにより構築されるオブジェクトの診断につい
て、たとえばCコンパイラの統合環境やマイクロソフト
社製造販売のVisualC++のデバッガなどでは、
デバッガのトレース機能によってソースコードを1行単
位で実行していき、ブレークポイントにおいてメモリ上
の変数の値を参照するといったことが可能である。これ
を第1の方法と称する。また、各オブジェクトの動作を
ディスプレイ装置に表示することにより、デバッグの効
率化を図るといった構想も存在する。これを第2の方法
と称する。
【0006】しかしながら、第1の方法においては、予
め設定したブレークポイントでしか変数値を参照でき
ず、また、実行画面において行単位またはブロック単位
のソースコードが表示されるために、オブジェクト単位
における変数値を把握しづらいといった問題があった。
複数のオブジェクト間でメッセージの送受信が行われる
ような状況においては、オブジェクト内部のロジックの
単純なエラーは第1の方法でも容易にデバッグすること
ができるが、複数のオブジェクトが相互に関連して不正
な状況に陥っている場合には、その状況を第1の方法で
デバッグするのは困難である。
め設定したブレークポイントでしか変数値を参照でき
ず、また、実行画面において行単位またはブロック単位
のソースコードが表示されるために、オブジェクト単位
における変数値を把握しづらいといった問題があった。
複数のオブジェクト間でメッセージの送受信が行われる
ような状況においては、オブジェクト内部のロジックの
単純なエラーは第1の方法でも容易にデバッグすること
ができるが、複数のオブジェクトが相互に関連して不正
な状況に陥っている場合には、その状況を第1の方法で
デバッグするのは困難である。
【0007】また、第2の方法においては、各オブジェ
クトの動作やメッセージ種別が正しいかどうかをユーザ
自身が表示画面を監視して判断するといった、ユーザ任
せの確認によらなければならないといった問題があっ
た。
クトの動作やメッセージ種別が正しいかどうかをユーザ
自身が表示画面を監視して判断するといった、ユーザ任
せの確認によらなければならないといった問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のオ
ブジェクト指向プログラミングにより構築されるオブジ
ェクトの診断については、デバッガのトレース機能によ
ってソースコードを1行単位で実行していき、ブレーク
ポイントにおいてメモリ上の変数の値を参照するなどと
いった方法(第1の方法)や、各オブジェクトの動作を
ディスプレイ装置に表示するといった方法(第2の方
法)が存在したが、第1の方法では、予め設定したブレ
ークポイントでしか変数値を参照できず、また、実行画
面において行単位またはブロック単位のソースコードが
表示されるために、オブジェクト単位における変数値を
把握しづらいといった問題があり、第2の方法では、各
オブジェクトの動作やメッセージ種別が正しいかどうか
をユーザ自身が表示画面を監視して判断するといった、
ユーザ任せの確認によらなければならないといった問題
があった。
ブジェクト指向プログラミングにより構築されるオブジ
ェクトの診断については、デバッガのトレース機能によ
ってソースコードを1行単位で実行していき、ブレーク
ポイントにおいてメモリ上の変数の値を参照するなどと
いった方法(第1の方法)や、各オブジェクトの動作を
ディスプレイ装置に表示するといった方法(第2の方
法)が存在したが、第1の方法では、予め設定したブレ
ークポイントでしか変数値を参照できず、また、実行画
面において行単位またはブロック単位のソースコードが
表示されるために、オブジェクト単位における変数値を
把握しづらいといった問題があり、第2の方法では、各
オブジェクトの動作やメッセージ種別が正しいかどうか
をユーザ自身が表示画面を監視して判断するといった、
ユーザ任せの確認によらなければならないといった問題
があった。
【0009】この発明はこのような実情に鑑みてなされ
たものであり、設計時に定められた送受信順で記憶した
メッセージの情報と、実際に送受信されたメッセージと
を突き合わせて精査し、その精査結果をメッセージトレ
ース図上で呈示することによってシステムの稼働状況を
視覚的に診断可能とするシステム診断装置およびシステ
ム診断方法を提供することを目的とする。
たものであり、設計時に定められた送受信順で記憶した
メッセージの情報と、実際に送受信されたメッセージと
を突き合わせて精査し、その精査結果をメッセージトレ
ース図上で呈示することによってシステムの稼働状況を
視覚的に診断可能とするシステム診断装置およびシステ
ム診断方法を提供することを目的とする。
【0010】
【発明を解決するための手段】この発明は、オブジェク
ト間でメッセージが送受信されるオブジェクト指向モデ
ルのシステムを診断するシステム診断装置において、前
記オブジェクト間で送受信されるべきメッセージの情報
を設計時に定められた送受信順で記憶する記憶手段と、
前記システムを稼働させた際、前記オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されたときに、前記記憶手段に記憶さ
れた情報を参照し、そのメッセージに対して前記送受信
順を含む精査を施す精査手段と、前記精査手段の精査結
果をユーザに呈示する呈示手段とを具備してなることを
特徴とする。
ト間でメッセージが送受信されるオブジェクト指向モデ
ルのシステムを診断するシステム診断装置において、前
記オブジェクト間で送受信されるべきメッセージの情報
を設計時に定められた送受信順で記憶する記憶手段と、
前記システムを稼働させた際、前記オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されたときに、前記記憶手段に記憶さ
れた情報を参照し、そのメッセージに対して前記送受信
順を含む精査を施す精査手段と、前記精査手段の精査結
果をユーザに呈示する呈示手段とを具備してなることを
特徴とする。
【0011】この発明においては、記憶手段がオブジェ
クト間で送受信されるべきメッセージの情報を設計時に
定められた送受信順で記憶しておき、精査手段が、オブ
ジェクト間でメッセージが送受信されたときに、記憶手
段に記憶された情報を参照して、そのメッセージに対し
て前記送受信順を含む精査を施す。そして、呈示手段
が、この精査手段の精査結果をユーザに呈示する。
クト間で送受信されるべきメッセージの情報を設計時に
定められた送受信順で記憶しておき、精査手段が、オブ
ジェクト間でメッセージが送受信されたときに、記憶手
段に記憶された情報を参照して、そのメッセージに対し
て前記送受信順を含む精査を施す。そして、呈示手段
が、この精査手段の精査結果をユーザに呈示する。
【0012】これにより、ユーザは、システムの動作を
視覚的に確認することができ、かつ自己の裁量による判
断などを行なう必要がないため、システム診断の作業効
率は飛躍的に向上する。
視覚的に確認することができ、かつ自己の裁量による判
断などを行なう必要がないため、システム診断の作業効
率は飛躍的に向上する。
【0013】この際、設計時に定められる、本来オブジ
ェクト間で送受信されるべきメッセージの流れを示すメ
ッセージトレース図を呈示し、精査手段の精査結果をこ
のメッセージトレース図上で呈示することが望ましい。
これによりユーザは、本来オブジェクト間で送受信され
るべきメッセージの流れと、実際にオブジェクト間で送
受信されているメッセージとを対比させながらシステム
の動作を視覚的に確認していくことができることにな
る。
ェクト間で送受信されるべきメッセージの流れを示すメ
ッセージトレース図を呈示し、精査手段の精査結果をこ
のメッセージトレース図上で呈示することが望ましい。
これによりユーザは、本来オブジェクト間で送受信され
るべきメッセージの流れと、実際にオブジェクト間で送
受信されているメッセージとを対比させながらシステム
の動作を視覚的に確認していくことができることにな
る。
【0014】また、この発明は、前記精査手段の精査結
果が不正であったときに、前記システムの稼働を中断す
る実行制御手段をさらに具備してなることを特徴とす
る。この発明においては、精査手段が、記憶手段に記憶
された情報と、実際に送受信されたメッセージとの間で
なんらかの相違点を検出したとき、すなわち、メッセー
ジの精査結果が不正であったときに、実行制御手段が、
システムの稼働を中断する。このシステムの稼働を中断
させる要因としては、メッセージ種別が相違する場合
や、メッセージの送信側オブジェクトおよび受信側オブ
ジェクトの少なくとも一方が相違する場合などが挙げら
れる。したがって、そういった事象が発生したときに、
その旨を呈示した状態でシステムの稼働を中断させれ
ば、ユーザにその相違点を容易に認識させることがで
き、デバッグ作業の効率を向上させることが可能とな
る。
果が不正であったときに、前記システムの稼働を中断す
る実行制御手段をさらに具備してなることを特徴とす
る。この発明においては、精査手段が、記憶手段に記憶
された情報と、実際に送受信されたメッセージとの間で
なんらかの相違点を検出したとき、すなわち、メッセー
ジの精査結果が不正であったときに、実行制御手段が、
システムの稼働を中断する。このシステムの稼働を中断
させる要因としては、メッセージ種別が相違する場合
や、メッセージの送信側オブジェクトおよび受信側オブ
ジェクトの少なくとも一方が相違する場合などが挙げら
れる。したがって、そういった事象が発生したときに、
その旨を呈示した状態でシステムの稼働を中断させれ
ば、ユーザにその相違点を容易に認識させることがで
き、デバッグ作業の効率を向上させることが可能とな
る。
【0015】また、このとき、実際に送受信されたメッ
セージと合致するメッセージが本来送受信されるべきメ
ッセージの近傍に存在しないか検索し、検索されたとき
に、その検索されたメッセージのメッセージトレース図
上での位置を呈示することが望ましい。すなわち、本来
送受信されるべきメッセージに代わって送受信されたと
思われるメッセージの候補をユーザに提言することによ
って、ユーザはメッセージの送受信順序の誤りなどを容
易に認識することができる。
セージと合致するメッセージが本来送受信されるべきメ
ッセージの近傍に存在しないか検索し、検索されたとき
に、その検索されたメッセージのメッセージトレース図
上での位置を呈示することが望ましい。すなわち、本来
送受信されるべきメッセージに代わって送受信されたと
思われるメッセージの候補をユーザに提言することによ
って、ユーザはメッセージの送受信順序の誤りなどを容
易に認識することができる。
【0016】また、この発明は、前記精査手段の精査結
果が不正であったメッセージを修正する修正手段をさら
に具備し、前記実行制御手段は、前記修正手段による修
正後に前記中断したシステムの稼働を再開する手段を具
備してなることを特徴とする。
果が不正であったメッセージを修正する修正手段をさら
に具備し、前記実行制御手段は、前記修正手段による修
正後に前記中断したシステムの稼働を再開する手段を具
備してなることを特徴とする。
【0017】この発明においては、たとえばメッセージ
の送信側オブジェクトが相違した結果、システムの稼働
が中断したような場合に、修正手段によりこのメッセー
ジの送信側オブジェクトを正規の送信側オブジェクトに
修正してシステムの稼働を再開する。したがって、後続
の処理を引き続き動作させてみることにより、この時点
以降での相違点の検出を試み、一度のテストでより多く
のバグを検出することを可能とする。なお、この再開始
を行なった後、精査手段の精査結果が不正であったメッ
セージを送信したオブジェクトを送信側または受信側と
するメッセージが出現したときに、システムの稼働を終
了させることが望ましい。なぜならば、このオブジェク
トはすでに不良点を含んでいることが確認されており、
かつ不正なメッセージを送信するような状態で稼働中で
あるため、このオブジェクトを介在したシステム稼働の
継続はなんら意味をもたないからである。
の送信側オブジェクトが相違した結果、システムの稼働
が中断したような場合に、修正手段によりこのメッセー
ジの送信側オブジェクトを正規の送信側オブジェクトに
修正してシステムの稼働を再開する。したがって、後続
の処理を引き続き動作させてみることにより、この時点
以降での相違点の検出を試み、一度のテストでより多く
のバグを検出することを可能とする。なお、この再開始
を行なった後、精査手段の精査結果が不正であったメッ
セージを送信したオブジェクトを送信側または受信側と
するメッセージが出現したときに、システムの稼働を終
了させることが望ましい。なぜならば、このオブジェク
トはすでに不良点を含んでいることが確認されており、
かつ不正なメッセージを送信するような状態で稼働中で
あるため、このオブジェクトを介在したシステム稼働の
継続はなんら意味をもたないからである。
【0018】また、この発明は、前記呈示手段は、前記
精査手段の精査結果が不正であったメッセージを送信し
たオブジェクトの内部状態を呈示する手段を具備してな
ることを特徴とする。
精査手段の精査結果が不正であったメッセージを送信し
たオブジェクトの内部状態を呈示する手段を具備してな
ることを特徴とする。
【0019】これにより、ユーザは、バグを含んだオブ
ジェクトの内部状態をその事象が発生した時点で知得す
ることができ、デバッグ作業の効率を飛躍的に向上させ
ることが可能となる。なお、たとえば精査手段の精査結
果が、メッセージ送信側の相違を含んでいるときには、
そのメッセージを送信したオブジェクトの内部状態とと
もに、記憶手段に記憶された情報によって本来メッセー
ジを送信すべきであったとされるオブジェクトの内部状
態を呈示することが望ましい。これにより、不正なメッ
セージを送信したオブジェクトの内部状態のみならず、
本来であればメッセージを送信していたはずのオブジェ
クトの内部状態をも知得することができ、デバッグ作業
の効率をさらに向上させることが可能となる。
ジェクトの内部状態をその事象が発生した時点で知得す
ることができ、デバッグ作業の効率を飛躍的に向上させ
ることが可能となる。なお、たとえば精査手段の精査結
果が、メッセージ送信側の相違を含んでいるときには、
そのメッセージを送信したオブジェクトの内部状態とと
もに、記憶手段に記憶された情報によって本来メッセー
ジを送信すべきであったとされるオブジェクトの内部状
態を呈示することが望ましい。これにより、不正なメッ
セージを送信したオブジェクトの内部状態のみならず、
本来であればメッセージを送信していたはずのオブジェ
クトの内部状態をも知得することができ、デバッグ作業
の効率をさらに向上させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に
係るコンピュータシステムの機能ブロックを示す図であ
る。分析設計ツール1は、オブジェクト指向分析設計手
法に基づき、プログラムがある設定された条件の下で実
行された場合のメッセージの流れを時間経過に沿って記
述するメッセージトレース図2を作成するツールであ
る。代表的なものとしては、たとえばRational
社のRationalRoseなどが存在する。また、
この分析設計ツール1は、メッセージトレース図2の他
にソースプログラム3を生成することが可能である。
実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に
係るコンピュータシステムの機能ブロックを示す図であ
る。分析設計ツール1は、オブジェクト指向分析設計手
法に基づき、プログラムがある設定された条件の下で実
行された場合のメッセージの流れを時間経過に沿って記
述するメッセージトレース図2を作成するツールであ
る。代表的なものとしては、たとえばRational
社のRationalRoseなどが存在する。また、
この分析設計ツール1は、メッセージトレース図2の他
にソースプログラム3を生成することが可能である。
【0021】この分析設計ツール1により生成されたソ
ースプログラム3は、プログラマにより、内部処理コー
ドなどをつけ加えられた後、コンパイラ4に入力されて
コンパイルされ、実行形式プログラム5が生成される。
一方、分析設計ツール1により作成されたメッセージト
レース図2は、メッセージテーブル生成部6に入力さ
れ、このメッセージテーブル生成部6により、メッセー
ジ種別とメッセージの送信側および受信側のオブジェク
ト名とが時系列に記載されたメッセージテーブル7が生
成される。
ースプログラム3は、プログラマにより、内部処理コー
ドなどをつけ加えられた後、コンパイラ4に入力されて
コンパイルされ、実行形式プログラム5が生成される。
一方、分析設計ツール1により作成されたメッセージト
レース図2は、メッセージテーブル生成部6に入力さ
れ、このメッセージテーブル生成部6により、メッセー
ジ種別とメッセージの送信側および受信側のオブジェク
ト名とが時系列に記載されたメッセージテーブル7が生
成される。
【0022】そして、デバッガ8は、実行形式プログラ
ム5を稼働した際に、この実行形式プログラム5を構成
するオブジェクト間で送受信されるメッセージを監視
し、このメッセージが正規なメッセージかどうか、すな
わち、メッセージ種別と、送信側および受信側とが正し
いかどうかを、メッセージテーブル7を参照することに
よって精査する。そして、デバッガ8は、その精査した
結果を表示プログラム9に引き渡し、表示プログラム9
は、このデバッガ8から引き渡された精査結果をディス
プレイ装置などに表示する。
ム5を稼働した際に、この実行形式プログラム5を構成
するオブジェクト間で送受信されるメッセージを監視
し、このメッセージが正規なメッセージかどうか、すな
わち、メッセージ種別と、送信側および受信側とが正し
いかどうかを、メッセージテーブル7を参照することに
よって精査する。そして、デバッガ8は、その精査した
結果を表示プログラム9に引き渡し、表示プログラム9
は、このデバッガ8から引き渡された精査結果をディス
プレイ装置などに表示する。
【0023】なお、デバッガ8は、メッセージテーブル
7に記載された本来送受信されるべきメッセージ群を適
宜に表示プログラム9に引き渡し、一方、この本来送受
信されるべきメッセージ群を引き渡された表示プログラ
ム9は、これらのメッセージの流れを示すメッセージト
レース図を表示する。そして、表示プログラム9は、デ
バッガ8から引き渡される精査結果を、この表示したメ
ッセージトレース図上の該当する箇所で表示する。たと
えば、送信側のオブジェクトと受信側のオブジェクトと
が、矢印で結ばれているようなメッセージトレース図に
おいては、そのメッセージに該当する矢印を強調表示す
るなどによって、ユーザに実行形式プログラム5の動作
状況を通知する。
7に記載された本来送受信されるべきメッセージ群を適
宜に表示プログラム9に引き渡し、一方、この本来送受
信されるべきメッセージ群を引き渡された表示プログラ
ム9は、これらのメッセージの流れを示すメッセージト
レース図を表示する。そして、表示プログラム9は、デ
バッガ8から引き渡される精査結果を、この表示したメ
ッセージトレース図上の該当する箇所で表示する。たと
えば、送信側のオブジェクトと受信側のオブジェクトと
が、矢印で結ばれているようなメッセージトレース図に
おいては、そのメッセージに該当する矢印を強調表示す
るなどによって、ユーザに実行形式プログラム5の動作
状況を通知する。
【0024】また、デバッガ8は、メッセージテーブル
7の記載と合致しないメッセージを検出した場合、警告
表示を表示プログラム9に依頼して、実行形式プログラ
ム5の稼働を中断させる。
7の記載と合致しないメッセージを検出した場合、警告
表示を表示プログラム9に依頼して、実行形式プログラ
ム5の稼働を中断させる。
【0025】図2には、メッセージトレース図2が例示
されている。このメッセージトレース図では、まずオブ
ジェクトAからオブジェクトBに対してメッセージが送
信され、次いでオブジェクトAからオブジェクトCに対
してメッセージが送信される旨が示されている。以降、
同様に、オブジェクトCからオブジェクトB、オブジェ
クトBからオブジェクトC、およびオブジェクトCから
オブジェクトAという順序でメッセージが送受信される
旨が示されている。
されている。このメッセージトレース図では、まずオブ
ジェクトAからオブジェクトBに対してメッセージが送
信され、次いでオブジェクトAからオブジェクトCに対
してメッセージが送信される旨が示されている。以降、
同様に、オブジェクトCからオブジェクトB、オブジェ
クトBからオブジェクトC、およびオブジェクトCから
オブジェクトAという順序でメッセージが送受信される
旨が示されている。
【0026】このようなメッセージトレース図2を基に
して、メッセージテーブル生成部6によって生成される
メッセージテーブル7が図3に示されている。図3に示
したように、このメッセージテーブル7には、メッセー
ジ種別とメッセージの送信側および受信側のオブジェク
ト名とが時系列に記載される。
して、メッセージテーブル生成部6によって生成される
メッセージテーブル7が図3に示されている。図3に示
したように、このメッセージテーブル7には、メッセー
ジ種別とメッセージの送信側および受信側のオブジェク
ト名とが時系列に記載される。
【0027】次に、図4および図5を参照して、本実施
形態の動作手順を説明する。図4はデバッガ8の動作手
順を説明するフローチャート、図5は表示プログラム9
の動作手順を説明するフローチャートである。
形態の動作手順を説明する。図4はデバッガ8の動作手
順を説明するフローチャート、図5は表示プログラム9
の動作手順を説明するフローチャートである。
【0028】デバッガ8は、メッセージテーブル7を読
み込んで(図4のステップA1)、このメッセージテー
ブル7に記載された内容を表示プログラム9に送信する
(図4のステップA2)。これは、メッセージトレース
図を表示プログラム9に表示させるための処理である。
み込んで(図4のステップA1)、このメッセージテー
ブル7に記載された内容を表示プログラム9に送信する
(図4のステップA2)。これは、メッセージトレース
図を表示プログラム9に表示させるための処理である。
【0029】次に、デバッガ8は、メッセージテーブル
7を参照するためのインデックスを先頭(1)にセット
し(図4のステップA3)、実行形式プログラム5を構
成するオブジェクト間でメッセージが送受信されるのを
待機する。そして、デバッガ8は、オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されると、そのメッセージを採取して
(図4のステップA4)、インデックスが示すメッセー
ジテーブル7の内容と採取したメッセージとを比較する
(図4のステップA5)。
7を参照するためのインデックスを先頭(1)にセット
し(図4のステップA3)、実行形式プログラム5を構
成するオブジェクト間でメッセージが送受信されるのを
待機する。そして、デバッガ8は、オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されると、そのメッセージを採取して
(図4のステップA4)、インデックスが示すメッセー
ジテーブル7の内容と採取したメッセージとを比較する
(図4のステップA5)。
【0030】デバッガ8は、この比較が一致すると(図
4のステップA6のY)、表示プログラム9に対してメ
ッセージ名(種別)と送受信双方のオブジェクト名とを
送信する(図4のステップA7)。これは、実行形式プ
ログラム5の動作状況を表示プログラム9に表示させる
ための処理である。そして、デバッガ8は、メッセージ
テーブル7を参照するためのインデックスをインクリメ
ントし(図4のステップA8)、オブジェクト間でメッ
セージが送受信されるのを再度待機する。
4のステップA6のY)、表示プログラム9に対してメ
ッセージ名(種別)と送受信双方のオブジェクト名とを
送信する(図4のステップA7)。これは、実行形式プ
ログラム5の動作状況を表示プログラム9に表示させる
ための処理である。そして、デバッガ8は、メッセージ
テーブル7を参照するためのインデックスをインクリメ
ントし(図4のステップA8)、オブジェクト間でメッ
セージが送受信されるのを再度待機する。
【0031】一方、比較が一致しなかったときには(図
4のステップA6のN)、デバッガ8は、警告処理を実
施する(図4のステップA9)。この警告処理では、ユ
ーザに対してデバッグに必要となる情報を表示するとい
ったことが行なわれるが、この各種表示については後述
する。
4のステップA6のN)、デバッガ8は、警告処理を実
施する(図4のステップA9)。この警告処理では、ユ
ーザに対してデバッグに必要となる情報を表示するとい
ったことが行なわれるが、この各種表示については後述
する。
【0032】一方、表示プログラム9は、デバッガ8か
らのデータの送信を待機し(図5のステップB1)、デ
バッガ8からデータを受信したときに、そのデータに応
じた表示を行なう。すなわち、メッセージテーブル7に
記載された内容を受信したときは(図5のステップB2
のY)、その内容にしたがってメッセージトレース図を
表示し(図5のステップB3)、また、メッセージ名
(種別)と送受信双方のオブジェクト名とを受信したと
きは(図5のステップB4のY)、ステップB3で表示
したメッセージトレース図上において、実行形式プログ
ラム5の動作状況を強調表示し(図5のステップB
3)、さらに、警告表示を指示するデータを受信したと
きは(図5のステップB6のY)、データに示される警
告表示を実行する(図5のステップB7)。
らのデータの送信を待機し(図5のステップB1)、デ
バッガ8からデータを受信したときに、そのデータに応
じた表示を行なう。すなわち、メッセージテーブル7に
記載された内容を受信したときは(図5のステップB2
のY)、その内容にしたがってメッセージトレース図を
表示し(図5のステップB3)、また、メッセージ名
(種別)と送受信双方のオブジェクト名とを受信したと
きは(図5のステップB4のY)、ステップB3で表示
したメッセージトレース図上において、実行形式プログ
ラム5の動作状況を強調表示し(図5のステップB
3)、さらに、警告表示を指示するデータを受信したと
きは(図5のステップB6のY)、データに示される警
告表示を実行する(図5のステップB7)。
【0033】これにより、ユーザは、実行形式プログラ
ム5の動作状況を視覚的に確認することができることに
なる。ここで、図6乃至図11を参照しながら、ユーザ
に対して実施する各種表示について説明していく。な
お、以下に示す表示は、図2および図3に示した手順で
メッセージが送受信されるものとして設計されたシステ
ムをテスト対象とするものである。
ム5の動作状況を視覚的に確認することができることに
なる。ここで、図6乃至図11を参照しながら、ユーザ
に対して実施する各種表示について説明していく。な
お、以下に示す表示は、図2および図3に示した手順で
メッセージが送受信されるものとして設計されたシステ
ムをテスト対象とするものである。
【0034】図6には、2番目のメッセージである、オ
ブジェクトAからオブジェクトCに対してinitia
lizeのメッセージが送信されたときの表示イメージ
が示されている。このように、メッセージトレース図上
での該当部分が強調表示されることによって、ユーザ
は、容易に実行形式プログラム5の動作状況を確認して
いくことが可能となる。
ブジェクトAからオブジェクトCに対してinitia
lizeのメッセージが送信されたときの表示イメージ
が示されている。このように、メッセージトレース図上
での該当部分が強調表示されることによって、ユーザ
は、容易に実行形式プログラム5の動作状況を確認して
いくことが可能となる。
【0035】また、図7には、4番目のメッセージとし
て、オブジェクトBからオブジェクトAに対してcal
cAverageのメッセージが送信されたときの表示
イメージが示されている。図3に示したように、本来で
あれば、4番目のメッセージとして、オブジェクトBか
らオブジェクトCに対してcalcAverageのメ
ッセージが送信されるべきである。そこで、デバッガ8
は、この実行形式プログラム5の稼働を中断し、この4
番目のメッセージ送受信が不正であることを表示プログ
ラム9に警告表示させる。そして、表示プログラム9
は、このメッセージの表示を、本来送受信されるべきメ
ッセージとともに表示する。なお、このメッセージの送
信側と受信側とを認識し易いように表示することなども
有効である(エラー発生時に限らない)。
て、オブジェクトBからオブジェクトAに対してcal
cAverageのメッセージが送信されたときの表示
イメージが示されている。図3に示したように、本来で
あれば、4番目のメッセージとして、オブジェクトBか
らオブジェクトCに対してcalcAverageのメ
ッセージが送信されるべきである。そこで、デバッガ8
は、この実行形式プログラム5の稼働を中断し、この4
番目のメッセージ送受信が不正であることを表示プログ
ラム9に警告表示させる。そして、表示プログラム9
は、このメッセージの表示を、本来送受信されるべきメ
ッセージとともに表示する。なお、このメッセージの送
信側と受信側とを認識し易いように表示することなども
有効である(エラー発生時に限らない)。
【0036】これによりユーザは、不正に送受信された
メッセージを本来送受信されるべきメッセージと対比し
て認識することができるため、デバッグ作業の効率は飛
躍的に向上する。
メッセージを本来送受信されるべきメッセージと対比し
て認識することができるため、デバッグ作業の効率は飛
躍的に向上する。
【0037】また、図8には、4番目のメッセージとし
て、オブジェクトCからオブジェクトAに対してget
Dataのメッセージが送信されたときの表示イメージ
が示されている。前述したように、本来であれば、4番
目のメッセージとして、オブジェクトBからオブジェク
トCに対してcalcAverageのメッセージが送
信されるべきである。この場合、デバッガ8は、この実
行形式プログラム5の稼働を中断し、この4番目のメッ
セージ送受信が不正であることを表示プログラム9に警
告表示させる際に、この送受信されたメッセージのメッ
セージ名(種別)と送信側および受信側のオブジェクト
名とが合致するメッセージが、その時点の近傍に存在し
ないかメッセージテーブル7を参照して検索する。
て、オブジェクトCからオブジェクトAに対してget
Dataのメッセージが送信されたときの表示イメージ
が示されている。前述したように、本来であれば、4番
目のメッセージとして、オブジェクトBからオブジェク
トCに対してcalcAverageのメッセージが送
信されるべきである。この場合、デバッガ8は、この実
行形式プログラム5の稼働を中断し、この4番目のメッ
セージ送受信が不正であることを表示プログラム9に警
告表示させる際に、この送受信されたメッセージのメッ
セージ名(種別)と送信側および受信側のオブジェクト
名とが合致するメッセージが、その時点の近傍に存在し
ないかメッセージテーブル7を参照して検索する。
【0038】そして、デバッガ8は、メッセージテーブ
ル7においてそのメッセージと合致するメッセージが検
索されたとき、その検索されたメッセージと不正なメッ
セージとを対比させて表示プログラム9に警告表示させ
る。
ル7においてそのメッセージと合致するメッセージが検
索されたとき、その検索されたメッセージと不正なメッ
セージとを対比させて表示プログラム9に警告表示させ
る。
【0039】この警告表示は、本来送受信されるべきメ
ッセージに代わって送受信されたと思われるメッセージ
の候補をユーザに提言するものであり、これによってユ
ーザは、前述した不正に送受信されたメッセージを本来
送受信されるべきメッセージと対比して認識できること
に加えて、メッセージの送受信順序の誤りなどを容易に
認識することが可能となる。
ッセージに代わって送受信されたと思われるメッセージ
の候補をユーザに提言するものであり、これによってユ
ーザは、前述した不正に送受信されたメッセージを本来
送受信されるべきメッセージと対比して認識できること
に加えて、メッセージの送受信順序の誤りなどを容易に
認識することが可能となる。
【0040】また、図9には、4番目のメッセージとし
て、オブジェクトAからオブジェクトCに対してcal
cAverageのメッセージが送信されたときの表示
イメージが示されている。前述したように、本来であれ
ば、4番目のメッセージとして、オブジェクトBからオ
ブジェクトCに対してcalcAverageのメッセ
ージが送信されるべきである。したがって、このケース
では、送信側オブジェクトが異なっていることになる。
て、オブジェクトAからオブジェクトCに対してcal
cAverageのメッセージが送信されたときの表示
イメージが示されている。前述したように、本来であれ
ば、4番目のメッセージとして、オブジェクトBからオ
ブジェクトCに対してcalcAverageのメッセ
ージが送信されるべきである。したがって、このケース
では、送信側オブジェクトが異なっていることになる。
【0041】この場合、デバッガ8は、その不正なメッ
セージを送信したオブジェクトAの内部状態とともに、
本来メッセージを送信すべきであったオブジェクトBの
内部状態とを表示する。このような、本来メッセージを
送信すべきであったオブジェクトBの内部状態を表示す
ることは、メッセージテーブル7との突き合わせによっ
て初めて実現されるものであり、かつ、メッセージを送
信すべきときに何をしていたのかを知ることは、デバッ
グ上非常に有意義である。
セージを送信したオブジェクトAの内部状態とともに、
本来メッセージを送信すべきであったオブジェクトBの
内部状態とを表示する。このような、本来メッセージを
送信すべきであったオブジェクトBの内部状態を表示す
ることは、メッセージテーブル7との突き合わせによっ
て初めて実現されるものであり、かつ、メッセージを送
信すべきときに何をしていたのかを知ることは、デバッ
グ上非常に有意義である。
【0042】ここで、オブジェクト指向プログラミング
におけるオブジェクトのデータ処理の概要を説明する。
オブジェクト指向プログラミングによって作成されたプ
ログラムを構成するオブジェクトそれぞれは、図10に
示すように、内部変数(インスタンス変数)とそれを処
理するためのメソッド(インスタンスメソッド)を含ん
でいる。このオブジェクトは、メッセージが外部から送
信されたとき、そのメッセージで示されるメソッドが起
動される。そして、起動されると、メソッドとして記述
された処理が実行され、オブジェクトのもつ内部変数
(インスタンス変数)の更新や他のオブジェクトへのメ
ッセージ送信などが行なわれる。図10には、オブジェ
クトAにdisplayDataのメッセージが送信さ
れ、このオブジェクトAに含まれるメソッドdispl
ayDataが起動される例が示されている。
におけるオブジェクトのデータ処理の概要を説明する。
オブジェクト指向プログラミングによって作成されたプ
ログラムを構成するオブジェクトそれぞれは、図10に
示すように、内部変数(インスタンス変数)とそれを処
理するためのメソッド(インスタンスメソッド)を含ん
でいる。このオブジェクトは、メッセージが外部から送
信されたとき、そのメッセージで示されるメソッドが起
動される。そして、起動されると、メソッドとして記述
された処理が実行され、オブジェクトのもつ内部変数
(インスタンス変数)の更新や他のオブジェクトへのメ
ッセージ送信などが行なわれる。図10には、オブジェ
クトAにdisplayDataのメッセージが送信さ
れ、このオブジェクトAに含まれるメソッドdispl
ayDataが起動される例が示されている。
【0043】そして、デバッガ8は、このオブジェクト
それぞれに含まれる内部変数(インスタンス変数)をオ
ブジェクトの内部状態として表示する。図11には、不
正なメッセージを送信したオブジェクトAの内部状態
と、本来メッセージを送信すべきであったオブジェクト
Bの内部状態とが表示された例が示されている。
それぞれに含まれる内部変数(インスタンス変数)をオ
ブジェクトの内部状態として表示する。図11には、不
正なメッセージを送信したオブジェクトAの内部状態
と、本来メッセージを送信すべきであったオブジェクト
Bの内部状態とが表示された例が示されている。
【0044】これにより、ユーザは、不正なメッセージ
を送信したオブジェクトの内部状態のみならず、本来で
あればメッセージを送信していたはずのオブジェクトの
内部状態をも知得することができ、デバッグ作業の効率
をさらに向上させることが可能となる。なお、この例で
は、受信側が一致しているが(オブジェクトC)、送信
側および受信側ともに不一致の場合であっても、不正な
メッセージを送信したオブジェクトの内部状態と、本来
であればメッセージを送信していたはずのオブジェクト
の内部状態との双方を表示することを有効である。
を送信したオブジェクトの内部状態のみならず、本来で
あればメッセージを送信していたはずのオブジェクトの
内部状態をも知得することができ、デバッグ作業の効率
をさらに向上させることが可能となる。なお、この例で
は、受信側が一致しているが(オブジェクトC)、送信
側および受信側ともに不一致の場合であっても、不正な
メッセージを送信したオブジェクトの内部状態と、本来
であればメッセージを送信していたはずのオブジェクト
の内部状態との双方を表示することを有効である。
【0045】また、デバッガ8は、メッセージテーブル
7の記載と合致しないメッセージを検出して実行形式プ
ログラム5の稼働を中断した際、ユーザの指示に応じて
この不正なメッセージを修正した後、中断した実行形式
プログラム5の稼働を再開始する機能をもつ。これによ
り、ユーザは、後続の処理を引き続き動作させてみるこ
とができ、一度のテストでより多くのバグを検出するこ
とが可能となる。なお、デバッガ8は、この再開始を行
なった後、不正なメッセージを送信したオブジェクトを
送信側または送信側とするメッセージが出現したとき
に、システムの稼働を終了させる機能をさらにもつ。こ
れにより、すでに不良点を含んでいることが確認されて
おり、かつ不正なメッセージを送信するような状態で稼
働しているオブジェクトを介在したシステム稼働の継続
を回避することができ、テストの効率化を損なうことも
ない。
7の記載と合致しないメッセージを検出して実行形式プ
ログラム5の稼働を中断した際、ユーザの指示に応じて
この不正なメッセージを修正した後、中断した実行形式
プログラム5の稼働を再開始する機能をもつ。これによ
り、ユーザは、後続の処理を引き続き動作させてみるこ
とができ、一度のテストでより多くのバグを検出するこ
とが可能となる。なお、デバッガ8は、この再開始を行
なった後、不正なメッセージを送信したオブジェクトを
送信側または送信側とするメッセージが出現したとき
に、システムの稼働を終了させる機能をさらにもつ。こ
れにより、すでに不良点を含んでいることが確認されて
おり、かつ不正なメッセージを送信するような状態で稼
働しているオブジェクトを介在したシステム稼働の継続
を回避することができ、テストの効率化を損なうことも
ない。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、設計時に作成されたメッセージトレース図を画面上
で参照しながらトレースすることができるので、送受信
されているメッセージとオブジェクトとを認識しやす
く、また、設計時のメッセージトレース図と実際に送受
信されたメッセージとの相違点を容易に発見することが
できることになる。さらに、設計時のメッセージトレー
ス図と対比してメッセージの順序の誤りを確認すること
ができるため、デバッグ作業の効率は飛躍的に向上す
る。
ば、設計時に作成されたメッセージトレース図を画面上
で参照しながらトレースすることができるので、送受信
されているメッセージとオブジェクトとを認識しやす
く、また、設計時のメッセージトレース図と実際に送受
信されたメッセージとの相違点を容易に発見することが
できることになる。さらに、設計時のメッセージトレー
ス図と対比してメッセージの順序の誤りを確認すること
ができるため、デバッグ作業の効率は飛躍的に向上す
る。
【図1】この発明の実施形態に係るコンピュータシステ
ムの機能ブロックを示す図。
ムの機能ブロックを示す図。
【図2】同実施形態のメッセージトレース図を例示する
図。
図。
【図3】同実施形態のメッセージテーブルを例示する
図。
図。
【図4】同実施形態のデバッガの動作手順を説明するフ
ローチャート。
ローチャート。
【図5】同実施形態の表示プログラムの動作手順を説明
するフローチャート。
するフローチャート。
【図6】同実施形態のユーザに対して実施する各種表示
を例示する図。
を例示する図。
【図7】同実施形態のユーザに対して実施する各種表示
を例示する図。
を例示する図。
【図8】同実施形態のユーザに対して実施する各種表示
を例示する図。
を例示する図。
【図9】同実施形態のユーザに対して実施する各種表示
を例示する図。
を例示する図。
【図10】オブジェクト指向プログラミングにおけるオ
ブジェクトのデータ処理の概要を説明する図。
ブジェクトのデータ処理の概要を説明する図。
【図11】同実施形態のユーザに対して実施する各種表
示を例示する図。
示を例示する図。
1…分析設計ツール、2…メッセージトレース図、3…
ソースプログラム、4…コンパイラ、5…実行形式プロ
グラム、6…メッセージテーブル生成部、7…メッセー
ジテーブル、8…デバッガ、9…表示プログラム。
ソースプログラム、4…コンパイラ、5…実行形式プロ
グラム、6…メッセージテーブル生成部、7…メッセー
ジテーブル、8…デバッガ、9…表示プログラム。
Claims (11)
- 【請求項1】 オブジェクト間でメッセージが送受信さ
れるオブジェクト指向モデルのシステムを診断するシス
テム診断装置において、 前記オブジェクト間で送受信されるべきメッセージの情
報を設計時に定められた送受信順で記憶する記憶手段
と、 前記システムを稼働させた際、前記オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されたときに、前記記憶手段に記憶さ
れた情報を参照し、そのメッセージに対して前記送受信
順を含む精査を施す精査手段と、 前記精査手段の精査結果をユーザに呈示する呈示手段と
を具備してなることを特徴とするシステム診断装置。 - 【請求項2】 前記呈示手段は、前記オブジェクト間で
送受信されるべきメッセージの流れを示すメッセージト
レース図を呈示する手段と、 前記精査手段の精査結果を前記メッセージトレース図上
の前記メッセージに対応する箇所で特定の形態で呈示す
る手段とを具備してなることを特徴とする請求項1記載
のシステム診断装置。 - 【請求項3】 前記精査手段の精査結果が不正であった
ときに、前記システムの稼働を中断する実行制御手段を
さらに具備してなることを特徴とする請求項1または2
記載のシステム診断装置。 - 【請求項4】 前記呈示手段は、前記精査手段の精査結
果が不正であったときに、そのメッセージの種別と送信
側および受信側のオブジェクトとを識別可能に呈示する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のシステム
診断装置。 - 【請求項5】 前記精査手段の精査結果が不正であった
ときに、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記
送受信されたメッセージと合致する前記送受信されるべ
きメッセージがその近傍に存在しないか検索する検索手
段をさらに具備し、 前記呈示手段は、前記検索手段が前記合致するメッセー
ジを検索したときに、その検索されたメッセージの前記
メッセージトレース図上での位置を呈示する手段を具備
してなることを特徴とする請求項1、2、または3記載
のシステム診断装置。 - 【請求項6】 前記精査手段の精査結果が不正であった
メッセージを修正する修正手段をさらに具備し、 前記実行制御手段は、前記修正手段による修正後に前記
中断したシステムの稼働を再開する手段を具備してなる
ことを特徴とする請求項3、4または5記載のシステム
診断装置。 - 【請求項7】 実行制御手段は、前記システムの稼働を
再開した後、前記精査手段の精査結果が不正であったメ
ッセージを送信したオブジェクトを送信側または送信側
とするメッセージが出現したときに、前記システムの稼
働を終了させる手段を具備してなることを特徴とする請
求項6記載のシステム診断装置。 - 【請求項8】 前記呈示手段は、前記精査手段の精査結
果が不正であったメッセージを送信したオブジェクトの
内部状態を呈示する手段を具備してなることを特徴とす
る請求項3記載のシステム診断装置。 - 【請求項9】 前記呈示手段は、前記精査手段の精査結
果が前記メッセージの送信側の相違を含んでいるとき
に、前記メッセージを送信したオブジェクトの内部状態
と、前記記憶手段に記憶された情報によって本来前記メ
ッセージを送信すべきとされるオブジェクトの内部状態
とを呈示する手段を具備してなることを特徴とする請求
項3記載のシステム診断装置。 - 【請求項10】 オブジェクト間でメッセージが送受信
されるオブジェクト指向モデルのシステムを診断するシ
ステム診断方法において、 前記オブジェクト間で送受信されるべきメッセージの情
報を設計時に定められた送受信順で記憶しておき、 前記システムを稼働させた際、前記オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されたときに、前記記憶した情報を参
照して、そのメッセージに対して前記送受信順を含む精
査を施し、 この精査結果をユーザに呈示することを特徴とするシス
テム診断方法。 - 【請求項11】 オブジェクト間で送受信されるべきメ
ッセージの情報を設計時に定められた送受信順で所定の
領域に記憶したオブジェクト指向モデルのシステムを診
断するプログラムであって、 前記システムを稼働させた際、前記オブジェクト間でメ
ッセージが送受信されたときに、前記所定の領域に記憶
された情報を参照して、そのメッセージに対して前記送
受信順を含む精査を施し、 この精査結果をユーザに呈示するようにコンピュータを
制御するためのプログラムを格納したコンピュータ読取
可能な記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8156953A JPH103402A (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | システム診断装置およびシステム診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8156953A JPH103402A (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | システム診断装置およびシステム診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH103402A true JPH103402A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15638946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8156953A Pending JPH103402A (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | システム診断装置およびシステム診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH103402A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4794588A (en) * | 1984-04-07 | 1988-12-27 | Sony Corporation | Optical disk player |
JP2002108651A (ja) * | 2000-09-27 | 2002-04-12 | Hitachi Software Eng Co Ltd | オブジェクト指向開発用デバッグ支援装置 |
-
1996
- 1996-06-18 JP JP8156953A patent/JPH103402A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4794588A (en) * | 1984-04-07 | 1988-12-27 | Sony Corporation | Optical disk player |
JP2002108651A (ja) * | 2000-09-27 | 2002-04-12 | Hitachi Software Eng Co Ltd | オブジェクト指向開発用デバッグ支援装置 |
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