JPH10339777A - 個人被曝線量計充電・貸出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】故障部品の交換コストが安く、その交換工数が
少なく、外形の異なる別機種の線量計の装着も低コスト
で容易に可能となる個人被曝線量計充電・貸出装置を提
供する。 【解決手段】個人被曝線量計充電・貸出装置1aを、全体
共通の電源17及び18と、１段単位で共通のマザーボード
100 及びベゼルと、線量計２毎に備えられる個別ユニッ
ト10a とに分け、それぞれを、接続の脱着が容易なコネ
クタ144, 161及び143 、ソケット121 及び131 、あるい
は電極ピン151 及び161 で接続する。各部の接続が脱着
が容易な接続手段で接続されているので、交換が容易で
あり、個別ユニット10a の交換で済むから部品コストが
安い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、原子力発電所等
の放射線管理区域内に入域する際に、作業者が携帯する
個人被曝線量計（以下では線量計と略称する）の二次電
池を充電し、かつ作業者に線量計を貸し出す個人被曝線
量計充電・貸出装置（以下では、充電貸出装置と略称す
る）に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来の充電貸出装置の一例の外観
を示す斜視図である。充電貸出装置１は、原子力発電所
等の放射線管理区域内に入域する作業者に線量計を貸し
出す。線量計は、その作業者が放射線管理区域内で作業
する間に被曝した放射線の線量値を計測する計器であ
る。作業者が放射線管理区域から退域する際には線量計
をこの装置に返還する。この装置は、作業者から返還さ
れた線量計を含めたこの装置に装着されている線量計の
電源である二次電池を充電して再使用に備える。

【０００３】通常、この充電貸出装置１は横並びに10台
の線量計を装着し、５段あるいは10段で１台の装置を構
成していることが多い。図４は10段の場合の装置の外観
である。充電貸出装置１の全面には、化粧板と線量計の
挿入口111 とを兼ねるベゼル11が取り付けられており、
このベゼル11にはそれぞれの線量計に対応してその線量
計が「充電中」か「充電完了」かを示す図示されていな
い状態表示部と、作業者が充電を完了した線量計を借用
する際に線量計のロックを外すための図示されていない
貸出スイッチとが備えられている。

【０００４】図５はこのような充電貸出装置１の構成を
示すブロック図である。このブロック図は、横並びに10
台の線量計を装着することができる10連ユニット10を中
心にして示している。10連ユニット10は、線量計２を接
続して保持する電極ピン151 及び161 と、線量計２の装
着を検出するための位置検出スイッチとしてのリミット
スイッチ152と、リミットスイッチ152 から線量計２を
装着した信号を受けて充電開始の信号を充電回路部16に
発し、充電回路部16からの二次電池の充電状態の信号を
受けて充電中か充電完了かを状態表示部12に表示させ、
貸出スイッチ13からの信号を受けて充電完了の線量計２
のロックを外させる伝送部15と、伝送部15からの信号に
より線量計の二次電池を充電し、かつ充電状態を検出し
て伝送部15に充電状態の信号を発する充電回路部16と
を、10組備えている。その表側には、化粧板と線量計２
の挿入口とを兼ね、状態表示部12と貸出スイッチ13とを
備えているベゼルが電気配線をはんだ付けで接続されて
配置されている。

【０００５】このような10連ユニット10が例えば縦に10
段並べられて共通の電源17に接続され、充電貸出装置１
が構成されている。このような従来の充電貸出装置１に
おいては、通常、最も頻繁に貸し出される線量計は、操
作がし易い中段及び上段の中央部付近の線量計である。
このため、中段及び上段の中央部付近の部品に故障が発
生することが多い。故障としては、電極ピン151 あるい
は161 の磨耗による接触不良が最も多く、使用頻度の高
い部分での発生確率が高い。しかも、10連ユニット10が
１部品として形成されているので、例え電極ピン１つの
故障であっても10連ユニット10を交換することが必要で
ある。

【０００６】10連ユニット10を交換するためには、図４
に示した枠19を外し、ベゼル11と一体になっている10連
ユニット10を取り出し、ベゼル11との配線接続部のはん
だを外し、正常な10連ユニット10にベゼル11の配線をは
んだ付けし、所定の位置にセットし、枠19を取り付ける
という作業が必要である。このため、従来の充電貸出装
置１は、交換のための部品コストが高く、不良部の交換
作業の工数も多くかかるという問題点をもっていた。

【０００７】また、外形の異なる別機種の線量計を装着
するためには、その機種に合わせたベゼル11及び10連ユ
ニット10に交換することが必要であった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、故
障部品の交換コストが安く、その交換工数も少なく、外
形の異なる別機種の線量計の装着も低コストで容易に可
能となる充電貸出装置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明においては、原
子力発電所等の放射線管理区域内に入域する際に、作業
者が携帯する個人被曝線量計の二次電池を充電し、かつ
作業者に個人被曝線量計を貸し出す個人被曝線量計充電
・貸出装置を、個人被曝線量計毎に、個人被曝線量計を
接続する線量計接続手段と、二次電池を充電するための
充電回路部と、個人被曝線量計の装着を検出して充電回
路部に二次電池の充電を開始させ、かつ充電状態を表示
する状態表示部を駆動し、かつ個人被曝線量計の貸出の
ための信号を受けて個人被曝線量計のロックを外す信号
を発する伝送部と、伝送部と状態表示部及び貸出のため
の信号発生部とを接続する情報接続手段と、電源等の外
部回路と接続するための入力側接続手段とを備えている
個別ユニットで構成している。

【００１０】ユニットの単位を線量計毎の個別ユニット
とし、他部品と着脱可能な接続手段で接続できる構成に
しているので、部品交換のための部品コストが安くな
り、交換工数も大幅に低減する。また、線量計接続手段
を電極ピンとし、個人被曝線量計の装着を検出する手段
を位置検出センサとし、情報接続手段をソケットとし、
入力側接続手段をコネクタとしている。

【００１１】電極ピンは電気的接続の他に線量計の保持
と位置決めの機能をも有している。位置検出センサは個
人被曝線量計の装着を検出する手段として最も安価かつ
確実な手段である。ソケットは簡単な配線接続部品とし
て小型で接続の着脱作業が容易である。コネクタは多数
の接続が可能で個別ユニットを保持する機能も有してい
る。

【００１２】更に、化粧板と個人被曝線量計の挿入口と
を兼ねているベゼル及び個別ユニットを交換することに
よって、形状の異なる別機種の個人被曝線量計の充電及
び貸出を可能としている。ベゼルと個別ユニットを交換
することにより、形状の異なる別機種の充電と貸出がで
きるので、安いコストで対象とする線量計を変えたり、
１台の充電貸出装置に複数機種の線量計を装着すること
ができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】この発明による充電貸出装置は、
線量計の充電及び貸出等に必要な機能を、ベゼル11に付
属する部分と通常10台の線量計を単位とする１段分ある
いは装置全体で共通な部分とを除いて、１つの個別ユニ
ット10a にまとめ、この個別ユニット10a と他の部分と
を全て接続容易な接続手段で接続する構造にし、この個
別ユニットを必要な数だけ配置することで充電貸出装置
を構成していることを特徴とする。したがって、ベゼル
11と個別ユニットを変えることで、容易に別機種の線量
計を装着することができるようになる。

【００１４】以下に、この発明による充電貸出装置の実
施例について説明する。図１はこの発明による充電貸出
装置の実施例の構成を示すブロック図であり、従来技術
の場合と同じ機能の部分については同じ符号を用いてい
る。１台の線量計に対応する個別ユニット10a は、線量
計２を接続して保持する電極ピン151 及び161 と、線量
計２の装着を検出するための位置検出スイッチとしての
リミットスイッチ152 と、リミットスイッチ152 から線
量計２を装着した信号を受けて充電開始の信号を充電回
路部16a に発し、充電回路部16a からの二次電池の充電
状態の信号を受けて充電中か充電完了かをベゼルの状態
表示部12に表示させ、ベゼルの貸出スイッチ13からの信
号を受けて充電完了の線量計２のロックを外させる伝送
部15a と、伝送部15a からの信号により線量計２の二次
電池を充電し、かつ充電状態を検出して伝送部15a に充
電状態の信号を発する充電回路部16a と、状態表示部12
と伝送部15a とを接続するソケット121 と、貸出スイッ
チ13と伝送部15a とを接続するソケット131 と、10台分
の個別ユニット10a1から図示していない10a10 を保持す
る１段分のマザーボード100 の制御部14、電源17及び18
と接続するコネクタ144 とを備えている。

【００１５】制御部14は、外部の計算機から受けた指令
に基づいて充電回路部16a 及び伝送部15a に指令を発信
し、かつ装着されている線量計２の情報をメモリ141 に
記憶して外部の計算機からの指令に基づいてその情報を
出力する。マザーボード100 と装置全体に共通の電源17
及び18とはそれぞれコネクタ161及び143 で接続されて
おり、制御部14と図示されていない外部計算機とは通信
用端子台142 で接続されている。

【００１６】図１のような構成の個別ユニット10a を備
えた充電貸出装置1aにおいて個別ユニット10a を交換す
る方法について図２及び図３を用いて説明する。図２は
充電貸出装置1aの前面の扉の開け、扉の裏側から見た斜
視図である。個別ユニット10a を10台装着したマザーボ
ード100 の裏面が見えている。まず、個別ユニット10a
を交換するためには電源17及び18とマザーボード100 と
を接続しているコネクタ143 及び161 を外し、通信用端
子台142 への配線を外し、マザーボード100 を固定して
いるねじを外す。次に、個別ユニット10a を10台装着し
たマザーボード100 を充電貸出装置1aのフレームから引
出し、前面のベゼル11を固定しているねじを外し
（）、ベゼル11を下方に開く( ) 。図３はこの状態
を示す前面斜め上部からの斜視図である。この際、ベゼ
ル11との接続部である図示されていないソケットが外さ
れる。次いで、個別ユニット10a を固定しているねじを
外す（）と、レールスライド方式で挿入されている個
別ユニット10a がコネクタ144 の接続を外すことによっ
て前方に引き出される（）。

【００１７】このようにして、この発明による充電貸出
装置1aでは、線量計２毎に備えられている個別ユニット
10a が容易に交換できる。また、10台の線量計に対応す
るマザーボード単位の交換もコネクタ接続であるので容
易に実施できる。ベゼル11と個別ユニット10a とを別機
種の線量計２の形状に合わせたものに交換すれば、別機
種の線量計２を装着できる充電貸出装置1aに容易に変更
することができる。そのために、線量計２と個別ユニッ
ト10a との接続部（電極ピン151及び161)と位置検出ス
イッチ（リミットスイッチ152 ）の位置、コネクタ144
及び状態表示部12と貸出スイッチ13との接続部（ソケッ
ト121 及び131 ）は、線量計の各機種に共通する部品で
構成されている。

【００１８】また、予備の個別ユニット10a を備えた充
電貸出装置1aにすることによって、故障時の対応がより
迅速にできる。

【００１９】

【発明の効果】この発明によれば、原子力発電所等の放
射線管理区域内に入域する際に、作業者が携帯する個人
被曝線量計の二次電池を充電し、かつ作業者に個人被曝
線量計を貸し出す個人被曝線量計充電・貸出装置を、個
人被曝線量計毎に、個人被曝線量計を接続する線量計接
続手段と、二次電池を充電するための充電回路部と、個
人被曝線量計の装着を検出して充電回路部に二次電池の
充電を開始させ、かつ充電状態を表示する状態表示部を
駆動し、かつ個人被曝線量計の貸出のための信号を受け
て個人被曝線量計のロックを外す信号を発する伝送部
と、伝送部と状態表示部及び貸出のための信号発生部と
を接続する情報接続手段と、電源等の外部回路と接続す
るための入力側接続手段とを備えている個別ユニットで
構成しているので、部品交換のための部品コストが安く
なり、交換工数も大幅に低減する。

【００２０】また、線量計接続手段を電極ピンとして線
量計の保持と位置決めの機能も兼ねさせ、個人被曝線量
計の装着を検出する手段を位置検出センサとして安価で
確実な検出を実現し、情報接続手段をソケットとして必
要スペースを少なくし、入力側接続手段をコネクタとし
て多数接点を接続しかつ個別ユニットを保持する機能も
兼ねさせている。

【００２１】このようにしてコンパクトな個別ユニット
を実現している。更に、化粧板と個人被曝線量計の挿入
口とを兼ねているベゼル及び個別ユニットを交換するこ
とによって、形状の異なる別機種の個人被曝線量計の充
電及び貸出を可能としているので、安いコストで対象と
する線量計を変えたり、１台の充電貸出装置に複数機種
の線量計を装着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による充電貸出装置の実施例の構成を
示すブロック図

【図２】実施例の扉の裏面側から見た斜視図

【図３】実施例の１段分のユニットの前面から見た展開
斜視図

【図４】従来の充電貸出装置の一例の外観を示す斜視図

【図５】従来の充電貸出装置の一例の構成を示すブロッ
ク図

【符号の説明】

１ 充電貸出装置 10 10連ユニット 10a 個別ユニット 11 ベゼル 111 挿入口 12 状態表示部 121 ソケット 13 貸出スイッチ 131 ソケット 14 制御部 141 メモリ 142 通信用端子台 143, 144 コネクタ 15, 15a 伝送部 151 電極ピン 152 リミットスイッチ 16, 16a 充電回路部 161 電極ピン 17, 18 電源 19 枠 100 マザーボード ２ 線量計

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原子力発電所等の放射線管理区域内に入域
   する際に、作業者が携帯する個人被曝線量計の二次電池
   を充電し、かつ作業者に個人被曝線量計を貸し出す個人
   被曝線量計充電・貸出装置であって、個人被曝線量計毎
   に、個人被曝線量計を接続する線量計接続手段と、二次
   電池を充電するための充電回路部と、個人被曝線量計の
   装着を検出して充電回路部に二次電池の充電を開始さ
   せ、かつ充電状態を表示する状態表示部を駆動し、かつ
   個人被曝線量計の貸出のための信号を受けて個人被曝線
   量計のロックを外す信号を発信する伝送部と、伝送部と
   状態表示部及び貸出のための信号発生部とを接続する情
   報接続手段と、電源等の外部回路と接続するための入力
   側接続手段とを備えている個別ユニットで構成されてい
   ることを特徴とする個人被曝線量計充電・貸出装置。
2. 【請求項２】線量計接続手段として電極ピンを備え、個
   人被曝線量計の装着を検出する手段として位置検出セン
   サを備え、情報接続手段としてソケットを備え、入力側
   接続手段としてコネクタを備えていることを特徴とする
   請求項１に記載の個人被曝線量計充電・貸出装置。
3. 【請求項３】化粧板と個人被曝線量計の挿入口とを兼ね
   ているベゼル及び個別ユニットを交換することによっ
   て、形状の異なる別機種の個人被曝線量計の充電及び貸
   出を可能としていることを特徴とする請求項１または請
   求項２に記載の個人被曝線量計充電・貸出装置。