JPH10329782A - インフレータブルボート及び船外機取付台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のインフレータブルボートに対し
て、船外機の取付台の構造を簡素化することにより、該
取付台の製造コストを低減し、取付台の小型化，軽量化
により、運搬時の収納性を向上せしめる。 【解決手段】 気胴ａに船外機取付用の取付台ｂを設
けて成るインフレータブルボートＡであって、上記取付
台ｂは、船外機Ｂ取付用の支持板１を具備し、この支持
板１の下部を、インフレータブルボートＡの気胴ａ外周
面に、係止手段２を介して止着し、同支持板１の上部に
設けた紐状体３をインフレータブルボートＡ船内側に引
き込んで気胴ａの止着部に止着して成り、上記係止手段
２と紐状体３の張力とにより、支持板１を気胴ａ外周部
において略垂直に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、気胴に船外機取
付台を具備するインフレータブルボート、及びインフレ
ータブルボート用の船外機取付台に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のインフレータブルボートの中に
は、気胴の前端部及び後端部のどちらか一方、若しくは
双方に、船外機を取り付ける為の取付台を設けたものが
ある。図１３にて示すインフレータブルボートは、平面
視略環状に構成した気胴１０１の後部に、船外機を取付
支持する取付台１０２を設けて成る形式である。上記取
付台１０２は、木製合板等から成る支持板１０３を具備
しており、該支持板１０３の下端部中央に固定棒１０４
を突出する共に、該固定棒１０４を気胴１０１後部の外
周面に貼着した受け帯１０５の挿入穴１０５ａの内部に
挿入することにより、同支持板１０３の下端部を気胴１
０１の外周部に対して止着している。

【０００３】また、支持板１０３の上部には、板材１０
７を接続してあり、この板材１０７の先端部を、気胴１
０１の上面に設けた止着部材１０６に紐１０８を通して
止着することにより、上記支持板１０３を気胴１０１の
外周部において、略垂直に保持するように構成してあ
る。上記した如く取付台１０２を設けたゴムポートは、
取付台１０２の支持板１０３に、船外機のクランプ部分
を掛止して掴持することにより、船外機を気胴１０１の
後部に搭載する。尚、上記した如く構成した取付台１０
２に設置する船外機は、微動用の電動モータ船外機や、
比較的低馬力のエンジン船外機である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した如く船外機を
搭載するインフレータブルボートにおいては、インフレ
ータブルボートの展開と収縮に伴って、船外機の取付台
１０２を取付，取り外しを繰り返し行なうために、取付
台１０２の着脱作業が簡単であると共に、取付台１０２
の構造ができるだけ簡素で、且つ小型，軽量であること
が望まれる。しかし、上記した取付台１０２にあって
は、支持板１０３の支持部材として板材１０７を取り付
けると共に、支持板１０３の下部から固定棒１０４を突
出して構成してあるため、比較的製造コストがかかる
上、インフレータブルボートから取り外した状態では、
支持板１０３から板材１０７や固定棒１０４が突出す
る。よって、インフレータブルボートを自動車で運搬す
る際には、上記取付台１０２の収まりが悪く、邪魔な存
在であった。

【０００５】本発明の目的は、上記した如き従来のイン
フレータブルボートに関し、船外機の取付台の構造を簡
素化することにより、該取付台の製造コストを低減する
と共に、同取付台の小型化，軽量化により、運搬時の収
納性を向上させることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、気胴の所定箇所に船外機取付用の取
付台を設けて成るインフレータブルボートであって、前
記取付台は、船外機を取付支持する支持板を具備し、該
支持板の下部を、気胴の外周面に、着脱可能な係止手段
を介して止着すると共に、同支持板の上部に紐状体の一
端部を止着し、該紐状体の他端部をインフレータブルボ
ートの船内側に引き込んで気胴側の部材に設けた止着部
に止着して、上記支持板を気胴外周部において略垂直状
に保持して成るものである。

【０００７】上記した手段によれば、気胴の所定箇所に
設けられる取付台は、船外機を取付支持する支持板を具
備しており、該支持板の下部を、着脱可能な係止手段を
介してインフレータブルボートの気胴外周面に止着して
ある。また、取付台の上部には、紐状体の一端部を止着
してある。上記紐状体は、他端部をインフレータブルボ
ートの船内側へ引き込んで気胴側の部材に設けた止着部
に止着する。これにより、上記支持板は、下部を係止手
段を介して気胴外周面に固定されると共に、同板上部を
紐状体により、インフレータブルボート船側へ引き込ま
れることにより、気胴外周部において略垂直状に保持さ
れる。

【０００８】上記取付台は、紐状体の他端部を止着部か
ら外すと共に、支持板下部の係止手段を離脱させること
により、気胴から取り外すことができる。尚、上記紐状
体とは、適度な屈曲性を有する紐状体で且つ必要な引っ
張り強度を有するものであれば、既存のどのようなもの
を用いてもよく、例えば、ロープやワイヤー，鎖等を用
いるものである。

【０００９】上記支持板の下部を係止せしめる係止手段
と、紐状体の止着部とを、気胴の複数箇所に設けてもよ
い。この場合、支持板の取付箇所が、気胴の複数箇所に
設けられるため、取付台の装着位置をこれらの取付箇所
の中から選択することができ、気胴に対する船外機の取
付位置を変更することができる。

【００１０】上記インフレータブルボートの上記係止手
段は、支持板の下部若しくはインフレータブルボートの
気胴部外周部のどちらか一方の部材に沿って略水平に形
成する係合溝と、他方の部材に設けて上記係合溝内に沿
って差し込み係合せしめる係合片とから構成するとよ
い。この場合、支持板下部若しくは気胴外周部のどちら
か一方の部材に沿って略水平に形成した係合溝に対し
て、上記他方の部材に設けた係合片を差し込んで係止す
ることにより、支持板の下部を気胴の外周部に対して止
着することができる。また、上記係合片を係合溝から水
平に引き抜くことにより、支持板下部の止着を外すこと
ができる。

【００１１】本発明のインフレータブルボート用船外機
取付台は、インフレータブルボートの気胴に設ける船外
機取付台であって、船外機を取付支持する支持板と、該
支持板の下部をインフレータブルボートの気胴外周部に
対して着脱可能に止着する係止手段と、上記支持板の上
部に一端部を止着すると共に、他端部をインフレータブ
ルボートの船内へ向けて引き込んで気胴側の部材に止着
する紐状体とから成り、上記係止手段と紐状体の張力と
により、上記支持板を気胴外周部において略垂直状に保
持するように構成したものである。

【００１２】上記手段によれば、取付台は、船外機を取
付支持する支持板を具備する。上記支持板の下部は、係
止手段を介してインフレータブルボートの気胴外周部に
対して着脱可能に止着する。また、上記支持板の上部に
は、紐状体の一端部を止着してあり、この紐状体の他端
部をインフレータブルボートの船内へ向けて引き込ん
で、気胴側の部材に止着する。これにより、上記支持板
は、係止手段を介して同板の下部を気胴外周部に固定さ
れると共に、同板の上部を紐状体によりインフレータブ
ルボート船内側へ引き込まれて、気胴の外周部において
略垂直な状態にて保持される。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図１及び図３乃至図５は、本発明の
インフレータブルボートＡを示している。上記インフレ
ータブルボートＡは、平面視略０形に形成される環状の
気胴ａを具備し、該気胴ａの船首ａ１と船尾ａ２、及び
左右両側部ａ３，ａ４の何れかの箇所に、電動モータ船
外機Ｂを取り付けるための取付台ｂを、設置できるよう
に構成してある。尚、図１にて示すインフレータブルボ
ートＡは、船首部分に取付台ｂを設置した状態である
が、上記取付台ｂの設置位置は、必要に応じて、船尾ａ
２、若しくは左右一側部ａ３，ａ４に変更し得る。

【００１４】上記取付台ｂは、電動モータ船外機Ｂのク
ランプ部分Ｂ1を掛止して掴持する支持板１と、該支持
板１の下部を気胴ａ外周部に対して取付固定する係止体
２と、上記支持板１の上部に挿通して取り付けた紐体３
とから構成してある。

【００１５】支持板１は、木製合板等から成る肉厚状の
板材であり、上記船外機Ｂのクランプ部分Ｂ１よりも若
干大きな矩形状に形成し、表面に防水塗装を施してあ
る。尚、上記上記支持板１は、必要な強度を確保し得る
ものであれば、木製合板以外の材質で構成してもよく、
例えば、合成樹脂やＦＲＰ，金属板等から構成してもよ
い。

【００１６】上記係止体２は、支持板１の正面側の下部
に沿って凹設する係止溝２ａと、気胴ａ外周面に固着し
て設ける係合片２ｂとから構成してある。係止溝２ａ
は、支持板の正面側の下部に沿って凹設形成する断面略
Ｃ形の溝であり、支持板１の全幅にわたって水平に形成
してある（図３，図４）。一方、気胴ａの船首外周面に
は、上記係止溝２ａ内に差し込んで係止する係止片２ｂ
を設けてある。係止片２ｂは、上記係止溝２ａ内に適宜
な嵌め合いをもって差し込まれる断面略Ω形の係止部２
１と、該係止部２１と一体に成形される基板２２とを具
備する。上記係止片２ｂは、ロープや合成樹脂、金属等
の芯材２ｂ’を内設して成るゴム材により形成し、上記
基板２２を気胴ａの外周面に接着することにより、同気
胴ａの外周に沿って水平に設置してある。尚、上記係止
片の材質は任意に変更してもよく、ゴム材の他に合成樹
脂等を用いて構成することもできる。

【００１７】上記係止片２ｂは、支持板１の係止溝２ａ
内に一端部から差し込むことにより係合し、これによ
り、支持板１の下部を気胴ａの外周に対して取付固定す
る。尚、上記係止体２は、係止溝２ａを気胴ａ外周面側
に、また、係止片２ｂを支持板１下部に設けて構成して
もよい。上記係止溝２ａは支持板１の下部に直接的に凹
設したが、上記係止溝２ａは、図６にて示すように、任
意の断面形に形成した樹脂部材１０に沿って凹設し、上
記樹脂部材１０を支持板１の下部に接着若しくはネジ止
め等により取付固定して構成してもよい。尚、上記樹脂
部材の断面形は任意に変更してもよく、例えば、図７に
て示す樹脂部材１０’のように略三角形に構成してもよ
い。また、上記樹脂材１０，１０’は、木材若しくは合
板、ゴム材等により構成してもよい。

【００１８】上記したように、板の下部を係止した支持
板１は、係止溝２ａと係止片２ｂとの係合により、上下
及び前後方向への移動が制限されるが、左右方向へはス
ライドさせることが可能であり、左右どちらか一方にス
ライドさせることにより、支持板１を気胴ａ外周部の係
止片２ｂから引き抜くことができる。また、上記係止溝
２ａと係止片２ｂとの嵌め合いは、支持板１をスライド
する際に適度な抵抗を生じるのが好ましく、これにより
支持板１下部が不意にずれるのを防止することができ
る。

【００１９】上記支持板１の上部には、挿通穴１１を２
個並べて穿設し、これら両挿通穴１１に輪状に構成した
紐体３の一端部を挿通せしめてある。尚、上記した紐体
３の場合、輪状に構成してあるため、形態的には端部は
存在しないが、上記挿通孔１１に挿通した部分を一端
部、その反対の部分を他端部とする。上記紐体３は、必
要な引っ張り強度を有する紐状体であり、本実施例の場
合、樹脂皮膜により被覆した金属ワイヤーを用いて構成
してある。尚、上記紐体３は、金属ワイヤーに限定する
ものではなく、必要な引っ張り強度と適度な屈曲性を有
するものであれば、金属ワイヤー以外のものを使用して
もよく、例えば、合成繊維からなるロープや、ロープの
表面にゴムや合成樹脂を被覆した紐体、鎖等を用いて構
成してもよい。また、上記紐体３は、一本の紐状態を輪
状に連結して構成したが、紐体の本数や連結形態は任意
に変更してもよい。

【００２０】上記紐体３は、他端部側をインフレータブ
ルボートＡの船内へ向けて引き込み、該他端部に設けた
フック３１を、気胴ａの船首上面に止着したＤ環３２に
掛止して止着する。よって、上記紐体３は、引き込んだ
状態で、先端部のフック３１が気胴ａのＤ環３２に届く
長さに設定する。尚、上記紐体３の支持板１側の端部、
及びＤ環３２側の端部の止着構造は、任意に変更しても
よい。例えば、上記Ｄ環は、気胴ａの後部に２個並列し
て取付固定し、これら両Ｄ環に対して紐体３の両端部を
別々に止着するように構成してもよい（図示せず）。

【００２１】次ぎに、上記した如く構成した取付台ｂの
装着方法を説明する。支持板１は、同板１の下部に設け
た係止溝２ａを、インフレータブルボートＡの気胴ａ外
周に取り付けた係止片２ｂの一端部に係合し、該係止溝
２ａに沿って係止片２ｂをスライドして差し込む。これ
により、支持板１の下部は、気胴ａ後部の外周面部対し
て密着した状態で固定される（図４）。次いで、支持板
１の上部に設けた紐体３を、インフレータブルボートＡ
の船内へ向けて引き込んで先端部のフック３１をＤ環３
２に掛止する。これにより、上記係止体２による止着部
を支点として上部を後方へ引き込まれ、支持板１が気胴
ａの外周部において略垂直に立った状態で保持される
（図５）。

【００２２】上記した如く設置した取付台ｂには、電動
モータ船外機Ｂが取り付けられる。電動モータ船外機Ｂ
は、クランプ部分Ｂ１を上記支持板１の上部に掛止して
掴持することにより搭載される。搭載した電動モータ船
外機Ｂのクランプ部分Ｂ１は、支持板１の支点となる係
止体２よりも上方に位置し、また、電動モータ船外機Ｂ
のスクリューは上記係止体２よりも下方の水中に位置す
る。

【００２３】ところで、上記インフレータブルボートＡ
は、平面視略Ｏ形の環状気胴ａの船首ａ１部分以外の部
分、即ち、船尾ａ２，左右両側ａ３，ａ４部分にも、支
持板１を取り付けるための係止体２と、紐体３のフック
３１を掛止するためのＤ環３２を、船首ａ１のそれと同
様に設置してある。これにより、上記インフレータブル
ボートＡは、取支持板１の取付位置をインフレータブル
ボートａの船首ａ１，船尾ａ２及び左右両側ａ３，ａ４
に変更することが可能となる。その結果、上記インフレ
ータブルボートＡは、取付台ｂの装着位置、即ち、電動
モータ船外機Ｂの設置位置を上記した４箇所ａ１〜ａ４
のの中から選択することが可能となる。例えば、船尾ａ
２に取付台ｂを装着して電動モータ船外機Ｂを設置した
場合、ボートＡをプッシャー式の推力にて進めることが
できる。また、取付台ｂを左右一側に装着して電動モー
タ船外機Ｂを設置した場合、ボートＡを左右一側方向へ
横滑りさせる移動が可能となる。尚、上記した実施例に
おいては、取付台ｂに電動モータ船外機Ｂを設置する場
合を説明したが、上記取付台ｂには、比較的低馬力なエ
ンジン船外機を設置してもよい。

【００２４】次ぎに、図８乃至図１０にて示す取付台ｂ
２について説明する。取付台ｂ２は、前記した取付台ｂ
と同様に構成されるが、支持板１の下部を止着する係止
体２’を変更してある。上記係止体２’は、インフレー
タブルボートの気胴ａ外周に対して、止め布２０ｃを介
して２本の止め紐２０ａを並べて取り付け、該止め紐２
０ａを支持板１の下部に穿設した孔２０ｂに挿通して縛
ることにより、支持板１の下部を気胴ａの外周面に対し
て着脱可能に止着するように構成したものである。ま
た、上記取付台ｂ２の紐体３は、気胴ａのＤ環３２に挿
通すると共に、同紐体３両端部を支持板１上部の挿通孔
１１に挿通して、支持板１背面側に引き出して結ぶよう
に構成してある。本実施例の取付台ｂ２によれば、係止
体２’を止め紐２０ａと孔２０ｂとにより構成したの
で、構造の簡素化を徹底し、製造コストを大幅に低減す
ることができる。

【００２５】図１１，図１２にて示す取付台ｂ３は、支
持板１の下部を止着する係止体２’’を２本の止めネジ
２１ｂと、ナット２１ａとにより構成してある。上記係
止体２’’の止めネジ２１ｂは、ゴム製の基台２３に埋
め込む形で取付固定し、該基台２３を気胴ａの外周面に
接着することにより、同気胴ａ外周面に所定の間隔をお
いて突設せしめてある。一方、支持板１の下部には、上
記両止めネジ２１ｂを挿通する孔１２を穿設してあり、
これらの孔１２に挿通して背面側に突出せしめた両止め
ネジ２１ｂの先端に、ナット２１ａを螺合して支持板１
の下部を気胴ａの外周部に固定する。尚、上記したナッ
ト２１ａは、蝶ナットを用いることにより、専用工具を
使用せずに、手回しにより締め付け作業を行なうことが
できる。

【００２６】上記した如く、止めネジ２１ｂとナット２
１ａとにより係止体２’’を構成した取付台ｂ３にあっ
ては、支持板１下部の止着をより確実に行なうことがで
きる。尚、上記係止体２’’は、ナットを気胴ａ側に設
け、支持板１背面側から挿通た止めネジを上記ナットに
螺合して止着するように構成してもよい。即ち、止めネ
ジとナットとの取付関係を逆にしてもよい。

【００２７】上記実施例のインフレータブルボートＡ
は、平面視略Ｏ形の環状気胴ａを用いて構成したもので
あるが、本発明のインフレータブルボートは気胴の形態
を上記したものに限定するものではなく、環状の気胴ａ
以外のものを採用してもよい。図２にて示すインフレー
タブルボートＡ２は、平面視略Ｕ字形に構成した気胴
ａ’の後部に、比較的馬力の大きな船外機を設置するた
めのトランサムａ５を設けると共に、同気胴ａ’の船首
部分に図１にて示す実施例と同様な取付台ｂを設けて成
るものである。尚、上記したインフレータブルボートＡ
２は、船底部分をＦＲＰで構成したものであってもよ
い。上記したインフレータブルボートＡ２の場合、気胴
ａ’後部のトランサムａ５にエンジン船外機Ｂ’を設置
すると共に、気胴ａ’取付台ｂには、停船位置の微動調
節を行なう電動モータ船外機Ｂを設置している。上記し
たインタブルボートＡ２は、主に釣り用等に使用するも
のであり、エンジン船外機Ｂ’により目的とする釣り場
まで移動し、釣りの最中に、停船位置を変更する必要が
生じた場合に、電動モータ船外機Ｂを作動してボートを
微動させる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のインフレ
ータブルボートは、支持板の下部を、インフレータブル
ボートの気胴外周面に、係止手段を介して止着すると共
に、同支持板の上部に止着した紐状体を、インフレータ
ブルボートの船内側に引き込んで気胴側の部材に止着す
ることにより、上記支持板を気胴外周部において略垂直
状に保持したものである。よって、従来のように、取付
台の支持板上部と下部とを、固定棒とパイプ材を用いて
支持したものと比較すると、構造を大幅に簡素化して製
造コストを低減し得ると共に、支持板から大きく突出す
る部材を無くすことができるので、船体から取り外した
取付台を自動車に載せて運搬する際の収納性も向上す
る。

【００２９】請求項２記載のものように、上記支持板の
下部を係止せしめる係止手段と、紐状体の止着部とを、
気胴の複数箇所に設けたものにおいては、気胴に設けた
複数の取付箇所の中から、最も適した位置を選択して取
付台を装着し、そこに船外機を設置することができるの
で、その時の使用状況に対応して、気胴に対する船外機
の取付位置を変更し、より自由で効率的な移動を行なう
ことができる。

【００３０】請求項３記載のもののように、支持板の下
部を支持する係止手段として、水平に設けた係合溝と、
この係合溝内に沿って差し込み係合せしめる係合片とか
ら構成したものにおいては、上記係合溝内に係合片を水
平に抜き差しすることにより、支持板の下部を気胴の外
周部に対して簡単に着脱できると共に、係合状態におい
ては、支持板の下部を気胴の外周部に対してがたつきな
く確実に固定することができる。また、上記係合溝若し
くは支持片は、支持板からの突出量も少ないので、船体
から外した取付台を自動車で運搬する際の収納性も大変
よい。

【００３１】本発明のインフレータブルボート用船外機
取付台は、支持板と、該支持板の下部を気胴外周部に対
して着脱可能に止着する係止手段と、上記支持板の上部
に止着し、インフレータブルボートの船内へ向けて引き
込んで気胴側の部材に止着する紐状体とから構成したも
のであるから、インフレータブルボートの気胴に装着す
ることにより、前記した請求項１記載のインフレータブ
ルボートの場合と同様な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を実施したインフレータブルボート
を示す平面図。

【図２】 トランサム付きのインフレータブルボート
の気胴前部に取付台を設けたインフレータブルボートを
示す平面図。

【図３】 インフレータブルボートの取付台部分を示
す縦断面図。

【図４】 同ゴムポートが具備する取付台を示す分解
斜視図。

【図５】 同取付台の装着状態を示す斜視図。

【図６】 係止溝部分を断面四角形の部材により構成
した取付台を示す縦断面図。

【図７】 係止溝部分を断面三角形の部材により構成
した取付台を示す縦断面図。

【図８】 係止手段として紐体を用いた取付台を示す
斜視図。

【図９】 同取付台の縦断面図。

【図１０】 同取付台の分解斜視図。

【図１１】 係止手段としてボルトとナットを用いた
取付台を示す縦断面図。

【図１２】 同取付台の分解斜視図。

【図１３】 従来のインフレータブルボートの取付台
部分を示す縦断面図。

【符号の説明】

Ａ，Ａ２・・・インフレータブルボート ａ・・・気胴 Ｂ，Ｂ’・・・船外機 ｂ〜ｂ３・・・取付台 １・・・支持板 ２，２’，２’’・・・係止体 ２ａ・・・係止溝 ２ｂ・・・係止片 ３・・・紐体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 気胴の所定箇所に船外機取付用の取付
   台を設けて成るインフレータブルボートであって、前記
   取付台は、船外機を取付支持する支持板を具備し、該支
   持板の下部を、気胴の外周面に、着脱可能な係止手段を
   介して止着すると共に、同支持板の上部に紐状体の一端
   部を止着し、該紐状体の他端部をインフレータブルボー
   トの船内側に引き込んで気胴側の部材に設けた止着部に
   止着して、上記支持板を気胴外周部において略垂直状に
   保持して成るインフレータブルボート。
2. 【請求項２】 上記支持板の下部を係止せしめる係止
   手段と、紐状体の止着部とを、気胴の複数箇所に設けて
   成る請求項１記載のインフレータブルボート。
3. 【請求項３】 上記係止手段は、支持板の下部若しく
   はインフレータブルボートの気胴部外周部のどちらか一
   方の部材に沿って略水平に形成する係合溝と、他方の部
   材に設けて上記係合溝内に沿って差し込み係合せしめる
   係合片とから構成した請求項１又は２記載のインフレー
   タブルボート。
4. 【請求項４】 インフレータブルボートの気胴に設け
   る船外機取付台であって、船外機を取付支持する支持板
   と、該支持板の下部をインフレータブルボートの気胴外
   周部に対して着脱可能に止着する係止手段と、上記支持
   板の上部に一端部を止着すると共に、他端部をインフレ
   ータブルボートの船内へ向けて引き込んで気胴側の部材
   に止着する紐状体とから成り、上記係止手段と紐状体の
   張力とにより、上記支持板を気胴外周部において略垂直
   状に保持するように構成したインフレータブルボート用
   船外機取付台。