JPH10327780A - 水加減設定方法及び水加減設定装置 - Google Patents

水加減設定方法及び水加減設定装置

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JPH10327780A
JPH10327780A JP9145420A JP14542097A JPH10327780A JP H10327780 A JPH10327780 A JP H10327780A JP 9145420 A JP9145420 A JP 9145420A JP 14542097 A JP14542097 A JP 14542097A JP H10327780 A JPH10327780 A JP H10327780A
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water
amount
rice
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grain
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Application number
JP9145420A
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English (en)
Inventor
Soichi Yamamoto
惣一 山本
Waichiro Matsuda
和一郎 松田
Nobuhiko Onuma
信彦 大沼
Masami Ishiyama
正巳 石山
Akiyoshi Matsuyama
晃悦 松山
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Yamamoto Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Yamamoto Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀粒を適切な状態に炊きあげるために必要と
なる水の量を正確に且つ容易に設定する。 【解決手段】 米質、炊き具合及び炊き量をそれぞれ設
定完了した後(ステップ126)に、米を水分値を測定
し(ステップ132)、水分値を得る(ステップ13
4)。次に得られた水分値に基づいて、表1に示される
参照データから設定された米質であって測定された水分
値の米に該当する値が抽出される(ステップ136)。
抽出された値は、炊き具合条件によって補正(ステップ
138)された後に、この米を設定された炊き量で炊く
際に必要となる水量が演算される(ステップ140)。
得られた水の量は、水量表示部に表示される(ステップ
142)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水加減設定方法及
び水加減設定装置に関し、特に、穀粒を炊く際に必要と
なる水の量を設定する水加減設定方法及び水加減設定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】穀粒、
例えば米をおいしく炊くためには、水加減が重要であ
る。この水加減は、従来より、米の容量や重量に応じて
調節されている。市販の炊飯器には、内釜に米の容量に
応じた水の量の目安が刻まれており、炊飯時に必要な量
の水は、目視によってこの印と一致する位置まで加えら
れたり、この印を基準として勘で加えられている。この
ような目安が内釜に刻まれているため、米の容量に応じ
た量の水を簡単に加えることができるようになってい
る。
【0003】しかしながら、米自体にも水が含まれてい
る。それにも拘わらず、単に米の容量や重量に応じて水
加減を調節したのでは、この米に含有されている水分量
が考慮されなくなる。米に含まれる水分量は、米の産地
や、新米、古米といった米の状態に応じて異なるため、
米の容量や重量に応じて適切な量と思われる量の水を加
えても、炊飯時に実際必要となる水分量と異なる。この
ため、米の容量や重量に応じた量の水でご飯を炊いて
も、適切な状態に炊きあがらない。
【0004】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、穀粒を適切な状態に炊きあげるために必要となる水
の量を正確に設定することができる水加減設定方法及び
水加減設定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
穀粒に水を加えて穀粒を炊く際に、必要となる水の量を
設定する水加減設定方法において、前記穀粒に含まれる
水分量を求め、得られた水分量と炊こうとする穀粒の量
から、穀粒を炊く際に必要となる水の量を設定すること
を特徴としている。
【0006】この発明によれば、穀粒を炊く際に必要と
なる水の量を設定する際に、穀粒に含まれる水分量が考
慮されるので、穀粒を適切な状態に炊きあげるために必
要となる水の量を勘や目視で行うよりも正確に設定する
ことができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、穀粒を投入する
穀粒投入部と、投入された穀粒の穀粒質、穀粒の炊き具
合及び穀粒の炊き量を設定する条件設定手段と、前記穀
粒投入部から投入された穀粒の水分量を測定する水分測
定手段と、前記条件設定手段により設定された穀粒質、
穀粒の炊き具合及び穀粒の炊き量並びに、前記水分測定
手段により測定された穀粒の水分量から、前記炊き量の
穀粒を炊く際に必要となる水の量を設定する水量設定手
段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】この発明によれば、穀粒を炊く際に必要と
なる水の量を設定する際に、穀粒の穀粒質、穀粒の炊き
具合及び穀粒の炊き量の各条件に加えて、水分測定手段
により測定された実際に穀粒に含まれる水分量が考慮さ
れるので、穀粒を適切な状態に炊きあげるために必要と
なる水の量を、勘や目視で行うよりも正確に設定するこ
とができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2におい
て、前記水量設定手段が、単位量当たりの穀粒に必要な
水の量を穀粒の水分量に対応させて前記穀粒質ごとに示
したデータを予め参照データとして記憶した記憶手段を
備え、この参照データから、前記条件設定手段により設
定された穀粒質及び前記水分測定手段によって測定され
た水分量に基づいて該当する値を抽出し、前記穀粒の炊
き具合に基づいてこの値を補正することを特徴としてい
る。
【0010】この発明によれば、水の量を設定する際
に、参照データを参照して抽出された値を用いて水の量
を設定するので、測定された水分量から全て計算に基づ
いて水の量を設定する場合よりも、水分量を測定してか
ら水の量を設定するまでの時間を短縮することができ
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2又は請
求項3において、前記水量設定手段によって設定された
水の量を表示する水量表示手段を更に備えたことを特徴
としている。
【0012】この発明によれば、設定された水の量を水
量表示手段に表示するので、設定された水の量を目視に
より簡単に確認することができる。
【0013】また、本発明の水加減設定装置は、水量表
示手段に加えて、水分条件や穀粒量も表示してもよい。
さらに、水量表示手段の他に印字手段を設けて、水量
や、水量に加えて水分条件、穀粒量を印字するようにし
てもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0015】図1には、本発明の実施の形態に係る水加
減設定装置10が示されている。この水加減設定装置1
0は、矩形の箱形状をしたハンディタイプのものであ
る。また、矢印Fで示される装置手前側からオペレータ
が操作し易いように、水加減設定装置10の上面10A
は、装置手前側に向かって所定の角度で傾斜している。
【0016】この水加減設定装置10の上面10Aに
は、水加減の設定対象となる米(白米)を投入するため
の投入口12と、複数の操作キー24が配列された条件
設定部22と、各種の情報が表示される表示部40とが
配置されている。
【0017】投入口12は、上面10Aから装置内部に
開口しており、上面10Aから装置内部に向かって米を
案内する案内面16を有している。
【0018】この投入口12の下方には、水分値測定器
80が備えられている。図3に示されるように、水分値
測定器80は、投入口12の下方に互いに反対方向へ回
転し合う一対の電極ロール94が対向して配置されてい
る。
【0019】電極ロール94はギア97を介してモータ
98に連結されている。このモータ98は、電極ロール
94を所定の方向に回転させるように駆動する。モータ
98の駆動によって、電極ロール94は、その外周面で
米を圧砕する。電極ロール94間は、外周面で米を圧砕
したときに米を介して通電可能となる。水分値測定器8
0では、米を圧砕したときに電極ロール94間に流れる
電流の電気抵抗値が測定され、この電気抵抗値から、米
に含まれる水の割合(%)が米の水分値として検出され
るようになっている。
【0020】水加減設定装置10の側面10B(図1参
照)には、電極ロール94(測定部92)間から落下す
る圧砕米を排出する排出口38が形成されている。
【0021】条件設定部22は、水加減設定装置10の
装置手前側に設けられている。図2に示されるように、
条件設定部22には、操作キー24として、米質設定キ
ー26、米量設定キー28、米量単位設定キー30、炊
き具合設定キー32、水量単位設定キー34が設けられ
ている。
【0022】また、表示部40は、条件設定部22より
も装置奥側の上面10A上に設けられ、カバー39(図
1参照、図2では省略)によって覆われている。
【0023】表示部40には、条件設定部22の操作キ
ー24によって設定された各種の条件を表示する米質表
示部42、米量表示部44、炊き具合表示部46からな
る炊飯条件表示部47と、測定結果である水分値及び最
終的に得られた水量をそれぞれ表示する水分値表示部4
8及び水量表示部50が設けられている。また、米量及
び水量の単位を表示する単位表示部52、54が、それ
ぞれ米量表示部44及び水量表示部50に隣接して配置
されている。
【0024】図4に示されるように、水加減設定装置1
0には、コントローラ58が備えられている。
【0025】コントローラ58には、CPU60、RA
M62、ROM64及び入出力ポート66が備えられ、
これらはバス68によって互いに接続されている。コン
トローラ58には、条件設定部22の各種操作キー24
と、表示部40の米質表示部42、米量表示部44、炊
き具合表示部46からなる炊飯条件表示部47、単位表
示部52、54、水分値表示部48及び水量表示部50
が接続されている。
【0026】また、ROM64内には、水加減設定装置
10の各機器による水加減設定処理のプログラムと、こ
のプログラムにおいて参照される参照データとが記憶さ
れている。
【0027】参照データは、経験的に得られた水分値と
必要となる水の量との関係を米質ごとに示したデータ一
覧である。この参照データには、例えば表1に示される
ようなものが用いられる。表1に示される参照データ
は、穀検方式(財団法人、穀物検定協会の方式)に基づ
いて作成されたものであるが、経験的に求められた他の
方式に基づいたデータであってもよい。
【0028】
【表1】 コントローラ58は、水加減設定処理に従って、水分値
測定器80によって測定された水分値を、米質、炊き具
合、米量からなる炊飯条件に基づいて補正して、設定さ
れた米量の米を適切な状態に炊きあげるために必要な水
の量を設定する。
【0029】また、コントローラ58には、水加減設定
装置10の側面10B(図1参照)に配置されたスイッ
チ70が接続されており、コントローラ58は、このス
イッチ70を介して電源72(図4参照)に接続されて
いる。
【0030】コントローラ58には、水分値測定器80
及び水分値測定器80による水分値の測定の開始を指示
するスタートキー82が接続されている。水分値測定器
80は、得られた水分値をコントローラ58に出力す
る。
【0031】次に本発明の実施の形態の作用について説
明する。図5には、水加減設定装置10による水加減設
定処理の工程の一例が示されている。
【0032】水加減設定装置10のスイッチ70がオン
となって、水加減設定装置10が測定可能な状態になる
と、ステップ100において、いずれかの操作キー24
が操作されたか否かが判断される。ここで操作可能な操
作キー24には、米質設定キー26、米量設定キー2
8、米量単位設定キー30、水量単位設定キー34及び
炊き具合設定キー32が挙げられる。これらの操作キー
24のいずれかが操作されるまで、判断は否定される。
【0033】これらの操作キー24のうちのいずれかが
操作されると、判断は肯定されてステップ102におい
て、操作された操作キー24が米質設定キー26である
か否かが判断される。米質設定キー26である場合に
は、判断は肯定されてステップ104において、米質表
示部42の表示が開始される。米質は、米質設定キー2
6の所定のキー操作によって、「軟質米」、「硬質
米」、「超硬質米」から任意の米質が選択され、ステッ
プ106において、設定される。米質の設定が完了する
と、ステップ126に移行する。
【0034】なお、米質は、一般的に米の固さが産地に
よって違うことに基づいて、米の産地によって大まかに
区別されたものである。例えば、軟質米には新潟産のよ
うな東北、北陸、山陰産の米が該当し、硬質米には、滋
賀、三重、栃木産のような関東、山陽産の米が該当し、
超硬質の米には、北海道、四国、九州産の米が該当す
る。
【0035】ステップ102において、操作された操作
キー24が米質設定キー26でない場合には判断は否定
されてステップ108に移行する。
【0036】ステップ108では、操作された操作キー
24が米量単位設定キー30又は水量単位設定キー34
であるか否かが判断される。米量単位設定キー30及び
水量単位設定キー34のいずれかが操作された場合に
は、ステップ109において、単位の設定が既に完了し
ているか否かが判断される。
【0037】設定が完了している単位に対応するキーが
操作された場合には判断は肯定されてステップ126に
移行する。
【0038】設定が完了していない単位に対応するキー
が操作された場合には判断は否定されて、ステップ11
0において、対応する単位表示部52、54の表示が開
始される。設定される単位は、オペレータの所望によ
り、「g」、「cc」及び「合」から、所定のキー操作
によって任意に選択され、ステップ112において米量
単位又は水量単位が設定される。なお、設定された米量
の単位と水量の単位とは必ずしも一致しなくてもよい。
通常、米は米びつから「合」単位で取り出され、水はコ
ップの目盛りによる「cc」か秤による「g」の単位で
測り取られるため、それぞれに対応して任意の単位が設
定される。米量又は水量の単位の設定が完了すると、ス
テップ126に移行する。
【0039】ステップ108において、操作された操作
キー24が米量単位設定キー30及び水量単位設定キー
34のいずれでもない場合には判断は否定されてステッ
プ114に移行する。
【0040】ステップ114では、操作された操作キー
24が米量設定キー28であるか否かが判断される。米
量設定キー28が操作された場合には、ステップ116
において、米量表示部44の表示が開始される。米量
は、米量設定キー28の所定のキー操作によって、g単
位の場合には1gごとに、例えば2000gまでの間で
変更されて、ステップ118において設定される。米量
の設定が完了すると、ステップ126に移行する。
【0041】ステップ114において、操作された操作
キー24が米量設定キー28でない場合には判断は否定
されてステップ120に移行する。
【0042】ステップ120では、操作された操作キー
24が炊き具合設定キー32であるか否かが判断され
る。炊き具合設定キー32が操作された場合には、ステ
ップ122において、炊き具合表示部46の表示が開始
される。炊き具合は、炊き具合設定キー32の所定のキ
ー操作によって、「軟らかめ」、「標準」、「硬め」か
ら任意に選択され、ステップ124において設定され
る。炊き具合の設定が完了すると、ステップ126に移
行する。
【0043】ステップ120において、操作された操作
キー24が炊き具合設定キー32でない場合、すなわ
ち、いずれの操作キー24でもない場合にはエラーとし
て判断は否定され、ステップ100に戻り、次に操作キ
ー24が操作されるまで待機する。
【0044】米質、米量単位及び水量単位、米量、炊き
具合のそれぞれの設定が完了すると、ステップ126に
おいて、全ての条件の設定が完了したか否かが判断され
る。これらの条件のうち設定されていない条件がある場
合には、判断は否定されてステップ100に戻り、全て
の条件が設定されるまで条件の設定を繰り返す。
【0045】米質、米量単位及び水量単位、米量、炊き
具合が、それぞれの操作キー24が操作されることによ
って全て設定されると、ステップ126において、判断
は肯定されてステップ128に移行する。
【0046】ステップ128では、スタートキー82が
操作されたか否かが判断される。オペレータは、米(小
さじ一杯分程度)を水加減設定装置10の投入口12に
投入して水の量の設定を行うときに、スタートキー82
を操作する。
【0047】スタートキー82が操作されると判断は肯
定されてステップ130に移行し、水分値測定器80が
作動を開始し、ステップ132において水分値の測定が
行われる。
【0048】水分値測定器80では、一対の電極ローラ
84が回転し、その外周面で米を順次圧砕する。このと
き、圧砕される米を介して流れる電流の電気抵抗値が検
出される。
【0049】電極ローラ94が回転を開始してから停止
するまでに所定量の米が圧砕されて、この結果、検出さ
れた電気抵抗値は所定の水分値換算プログラムに基づい
て水分値に換算される(ステップ134)。
【0050】水分値測定器80による水分値の測定が行
われ、ステップ134において水分値が演算されると、
ステップ136において、得られた水分値及び設定され
た米質に基づいて参照データが参照される。
【0051】表1に示されるように、参照データには、
水分値に対応する単位当たりの米に必要な水の量が米質
ごとに示されている。この参照データから、測定されて
得られた水分値及び設定された米質に基づいて、該当す
るデータが抽出される。この抽出されたデータは、測定
された水分値(%)の米1gを炊く際に必要な水の量
(g/g)として示されている。
【0052】参照データの参照が行われると、ステップ
138において、炊き具合条件によって参照データから
抽出されたデータが補正される。炊き具合条件は、炊き
あがりの米に含まれる水分量を調節するものであるた
め、「標準」の炊き具合が設定されている場合にはその
データをそのまま使用する(補正値は0)。これに対し
て、「硬め」の炊き具合が設定されている場合には米1
gに対して−0.03、「軟らかめ」の炊き具合が設定
されている場合には米1gに対して+0.03の各補正
値を用いて、補正する。これにより、測定された米1g
を設定された炊き具合で炊く際に必要となる水の量を得
ることができる。
【0053】炊き具合条件による補正が完了すると、ス
テップ140において、米量に応じた水量を演算する。
これにより、炊こうとしている米全量に対する水の量を
得ることができる。ここで、米量単位が「cc」又は
「合」に設定されているときは、それを「g」に換算し
てから水量が演算される。また、水量単位が「cc」又
は「合」に設定されているときは、演算して得られた
「g」単位の水量を「cc」又は「合」に換算するよう
になっている。なお、単位の換算は、米150g=1合
=180ccとして行い、また、水は180g=1合=
180ccとして行う。
【0054】米量に応じた水量が演算されると、ステッ
プ142において、得られた水分値と水量とを水分値表
示部48及び水量表示部50にそれぞれ表示して、一連
の処理を終了する。
【0055】例えば、米質が「軟質米」の米を、「標
準」の炊き具合で「750g」炊くとき、これらの条件
を全て設定(ステップ126)した後に、この米の水分
値を測定する(ステップ132)。水分値が15.0%
であった場合には(ステップ134)、表1に示される
参照データから「1.270」の値が抽出される(ステ
ップ136)。抽出された値は、次に炊き具合条件によ
って補正される。ここで「標準」の炊き具合のときには
補正値は0であるので、下記式(1)によって補正され
る(ステップ138)。
【0056】
【数1】 1.270+0=1.270 ・・・(1) これにより、この米を1g炊くときに必要な水の量が得
られる。次に、下記式(2)によって、この米を設定さ
れた炊き量で炊く際に必要となる水の量が演算される
(ステップ140)。
【0057】
【数2】 1.270×750=952.5 ・・・(2) これにより、水分値15.0%の軟質米の米750gを
標準の炊き具合で炊く際に必要となる水の量は、95
2.5gであると設定される。次いで、水分値表示部4
8に「15.0」と表示され、また、水量表示部50に
「952.5」と表示される(ステップ142)。この
952.5gの水でこの米を炊くことによって、米を適
切な状態に炊きあげることができる。
【0058】従って、水加減設定装置10は、米質、米
量及び炊き具合に加えて、水分値測定器80で測定され
た米の水分値を考慮して水の量を設定するので、米を適
切な状態に炊きあげるために必要な水の量を正確に設定
することができる。また、米の種類が変更された場合な
どであっても、安定して、適切な状態に炊きあげるため
に必要な水の量を設定することができる。
【0059】また、水加減設定装置10は、参照データ
を参照し、投入された米の米質と測定された水分値とか
ら該当する値を抽出し、この抽出された値を用いて水の
量を設定しているので、測定された水分値から1gの米
を炊く際に必要となる水の量を計算して得る場合より
も、短時間で設定を行うことができる。
【0060】本実施の形態では、設定された条件及び得
られた水量を各表示部に表示したが、プリンタのような
印字手段を設けて印字させてもよい。
【0061】本実施の形態では、設定条件として、米
質、米量、炊き具合、水量及び米量の単位としたが、こ
れに限定されない。少なくとも米質と米量が設定されれ
ば、他の条件であってもよい。また、米質は、他のもの
であってもよく、例えば、銘柄や、新米・古米、保存状
態などに基づいて設定されてもよい。このように米質の
内容を変更する場合には、ROM64に記憶される参照
データを、変更後の米質内容に応じて変更して用いる。
これによっても、前記同様の効果を得ることができる。
【0062】また、参照データから抽出された値を補正
するために用いられる補正値は、炊き具合条件に対して
のみ設定したが、これに限定されない。例えば、銘柄
や、新米・古米、保存状態などを上記米質の設定に含ま
ない場合に、これらの条件を補正値として設定すること
もできる。これにより、種々の補正値を用いて一層適切
な水の量を設定することができ、一層適切な炊きあがり
状態にすることができる。
【0063】本実施の形態では、炊飯時に必要となる水
の量を、米質ごとに示した参照データを参照して設定し
たが、これに限定されない。例えば、水分値と米質、炊
き具合などの設定条件とを含めた演算式を設定し、この
演算式を用いて、炊飯時に必要となる水の量を設定する
ことができる。この場合には、水分値が測定される度
に、演算式に基づいて必要な水の量が演算される。
【0064】また、本実施の形態では、水分値測定器8
0として、米を圧砕しながら検出された電気抵抗値に基
づいて水分値を測定する所謂圧砕式のものを用いたが、
これに限定されない。例えば高周波静電容量に基づい
て、米を圧砕することなく水分値を測定する所謂非圧砕
式のものであってもよい。
【0065】本実施の形態では、設定対象を米(白米)
としたが、これに限定されない。例えば、玄米や麦など
の他の穀粒であってもよい。穀粒を米以外のものにする
ときには、炊く際に必要となる水の量の参照データ又は
演算式や補正値などを、測定対象となる穀粒に合わせて
変更することにより、前記同様に行うことができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、穀
粒を炊く際に必要となる水の量を穀粒に含まれる水分量
を考慮して設定しているので、穀粒を適切な状態に炊き
あげるために必要となる水の量を、勘や目視で行うより
も正確に設定することができる。
【0067】また、水の量を設定する際に参照データを
参照して抽出された値を用いれば、水分量を測定してか
ら水の量を設定するまでの時間を短縮して、短時間で水
の量を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る水加減設定装置の斜視図で
ある。
【図2】本実施の形態に係る水加減設定装置の平面図で
ある。
【図3】本実施の形態に係る水加減設定装置に使用可能
な水分値測定器の斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る水加減設定装置のブロック
図である。
【図5】本実施の形態に係る水加減設定装置による水加
減設定処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 水加減設定装置 12 投入口(穀粒投入部) 40 表示部(水量表示手段) 22 条件設定部 24 操作キー 58 コントローラ(水量設定手段) 64 ROM(記憶手段) 80 水分値測定器(水分測定手段)
フロントページの続き (72)発明者 石山 正巳 山形県天童市大字老野森404番地 株式会 社山本製作所内 (72)発明者 松山 晃悦 山形県天童市大字老野森404番地 株式会 社山本製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粒に水を加えて穀粒を炊く際に、必要
    となる水の量を設定する水加減設定方法において、 前記穀粒に含まれる水分量を求め、 得られた水分量と炊こうとする穀粒の量から、穀粒を炊
    く際に必要となる水の量を設定することを特徴とする水
    加減設定方法。
  2. 【請求項2】 穀粒を投入する穀粒投入部と、 投入された穀粒の穀粒質、穀粒の炊き具合及び穀粒の炊
    き量を設定する条件設定手段と、 前記穀粒投入部から投入された穀粒の水分量を測定する
    水分測定手段と、 前記条件設定手段により設定された穀粒質、穀粒の炊き
    具合及び穀粒の炊き量並びに、前記水分測定手段により
    測定された穀粒の水分量から、前記炊き量の穀粒を炊く
    際に必要となる水の量を設定する水量設定手段と、 を備えた水加減設定装置。
  3. 【請求項3】 前記水量設定手段が、単位量当たりの穀
    粒に必要な水の量を穀粒の水分量に対応させて前記穀粒
    質ごとに示したデータを予め参照データとして記憶した
    記憶手段を備え、この参照データから、前記条件設定手
    段により設定された穀粒質及び前記水分測定手段によっ
    て測定された水分量に基づいて該当する値を抽出し、前
    記穀粒の炊き具合に基づいてこの値を補正することを特
    徴とする請求項2に記載の水加減設定装置。
  4. 【請求項4】 前記水量設定手段によって設定された水
    の量を表示する水量表示手段を更に備えたことを特徴と
    する請求項2又は請求項3に記載の水加減設定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100827285B1 (ko) * 2001-04-06 2008-05-07 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 밥솥

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