JPH10324408A - 紙幣搬送用歯付ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

紙幣搬送用歯付ベルトおよびその製造方法

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JPH10324408A
JPH10324408A JP9134889A JP13488997A JPH10324408A JP H10324408 A JPH10324408 A JP H10324408A JP 9134889 A JP9134889 A JP 9134889A JP 13488997 A JP13488997 A JP 13488997A JP H10324408 A JPH10324408 A JP H10324408A
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JP
Japan
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belt
mold
ridges
peripheral surface
toothed belt
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JP9134889A
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Inventor
Hiroshi Yamaguchi
博 山口
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙幣挟持力が高く搬送精度が良好な上に、ベ
ルトに異物が付着して堆積することがないので、搬送能
力の低下がなく、清掃の必要もない紙幣搬送用歯付ベル
トを提供する。 【解決手段】 券売機や両替機にて紙幣を搬送するため
の紙幣搬送用ベルト1であって、内周面3に歯4が設け
られたエラストマー製のベルト本体2の外周面6に、横
断方向の断面が台形で長手方向に延在する突条7を複数
列設け、該突条7の頂部8に摩擦力を生じさせて紙幣を
搬送するよう構成されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、券売機、両替機、
自販機、プリペイドカード販売機など、紙幣を搬送する
装置が内蔵されている機器内にて用いられる、紙幣を搬
送するための紙幣搬送用ベルトおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平6─115753号公報に
みられるように、紙幣搬送に使用されているベルト50
は全て背面51がフラット(図6参照)のため、背面5
1に付着物が付くと搬送能力が低下していた。そこで、
図7に示されるように、背面に三角形状の突条52を設
けたベルト53が試みられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図6に示されるよう
に、ベルト50の背面51がフラットである場合は、紙
幣を大量搬送したり、使用環境によりベルト背面に異物
(紙幣粉、皮脂、油、ゴミなど)が堆積し、さらにそれ
が挟持ローラの圧力によって押し固められてベルト背面
の摩擦係数が低下し、ベルト背面が滑りやすくなり紙幣
の搬送、取り込みができなくなっていた。そのため、ベ
ルト背面51の異物の除去のために溶剤で掃除する必要
が生じ、それによるコストアップと溶剤によってベルト
が老化する不具合が発生していた。
【0004】また、図7に示されるように、三角形状の
突条52を設置した場合は、突条52の先端の剛性が小
さくなり、突条52の先端が変形する、あるいは、突条
52と挟持ローラとの接触が点接触となっていたため、
紙幣を挟持する力が弱く、紙幣を搬送するときにモータ
のパルスに追従しなく、送り精度が悪くなっていた。
【0005】本発明は、前述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、紙幣挟持力が高く
搬送精度が良好な上に、ベルトに異物が付着して堆積す
ることがないので、搬送能力の低下がなく、清掃の必要
もない紙幣搬送用歯付ベルトおよびその製法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明
は、内周面に歯が設けられたエラストマー製のベルト本
体の外周面に、横断方向の断面が台形で長手方向に延在
する突条を複数列設け、該突条の頂部に摩擦力を生じさ
せて紙幣を搬送するよう構成されてなることを特徴とす
る。台形は上底と下底が平行なものであり、矩形も含め
る。ベルト背面に台形の突条を設けることによって、挟
持ローラ、紙幣、ベルト背面がそれぞれ面接触をするの
で、挟持力が高まることになり、紙幣の搬送精度も向上
する。一方で、異物が付着しても突条間の谷間に落ち、
突条の頂部に異物等が堆積することはなく、ベルト背面
の摩擦係数も低下せず、多数の紙幣を搬送した後でも搬
送能力の低下がない。
【0007】請求項2にかかる発明は、請求項1に記載
の発明に加えて、前記台形は、高さが0.2mm以上
1.0mm以下であり、ベルト本体の外周面から立ち上
がる垂直面に対する傾斜角度が85°以下であり、ベル
ト横断方向の上底の長さが0.2mm以上1.2mm以
下であり、隣り合う前記突条間のピッチは1mm以上
1.5mm以下であるものである。各寸法は、突条と突
条の間にできる空間へ落ちる紙幣粉の量と、ベルトの搬
送能力との相関関係によって決められる。例えば、台形
の高さが0.2mmより小さいと、突条間の谷間に落ち
る紙幣粉の量がわずかとなり、谷間から頂部に紙幣粉の
堆積が進行するおそれがある。一方、台形の高さが1.
0mmを超えるとベルトの剛性が大きくなるので頂部で
のプーリとの噛み合いが悪くなる。また、外周面に対し
て頂部の面積が大きくなると紙幣粉が堆積しやすくな
り、頂部の面積が小さいと摩擦力が小さく、紙幣が滑り
やすくなる。
【0008】請求項3にかかる発明は、請求項1または
2に記載の発明に加えて、隣り合う前記突条と突条の間
に所定量の間隔が設けられているものであり、請求項4
にかかる発明は、その突条間の間隔が0.5mm以下で
あるものである。突条と突条の間に所定量の間隔が設け
られることにより、紙幣粉の堆積を無くすことができ
る。一方で、その間隔が0.5mmを超えると、紙幣の
挟持力が落ちるので好ましくない。
【0009】請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4
のいずれかに記載の発明に加えて、前記突条のうちの少
なくとも1列が、長手方向に切れ目無く連続しているも
のである。
【0010】請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5
のいずれかに記載の発明に加えて、前記突条のうちの少
なくとも1列が、長手方向に複数個に分断された単位突
条からなる突条群であるものである。
【0011】請求項7にかかる発明は、請求項6に記載
の発明に加えて、前記単位突条の長手方向の長さが0.
5mm以上であるものである。長手方向の幅が0.5m
mより小さければ、突条の頂部の面積が小さくなり、ロ
ーラとの間で紙幣を挟持する挟持力が小さくなり、紙幣
の搬送精度が低下する。
【0012】請求項8にかかる発明は、請求項6または
7に記載の発明に加えて、長手方向に隣り合う前記単位
突条が横断方向にずらされて配設されているものであ
り、請求項9にかかる発明は、その単位突条の横断方向
のずれが、0.5mm以下であるものである。単位突条
を横断方向にずらすことにより、紙幣中で突条が多数の
箇所で接触し、たとえ、紙幣の長手方向に摩耗によるス
ジが入っていても、横断方向にずれた突条がその摩耗し
た部分を避けることができる。しかし、そのズレが、
0.5mmを超えると、紙幣と突条との接触箇所が少な
くなり隣り合う突条をカバーできないので、好ましくな
い。
【0013】請求項10にかかる発明は、請求項6また
は7に記載の発明に加えて、横断方向に隣り合う前記単
位突条が長手方向にずらされて配設されているものであ
る。横断方向に隣り合う単位突条を長手方向にずらして
配設することにより、紙幣の幅方向に摩耗して摩擦係数
の小さくなったスジがあっても 隣り合う単位突条が摩
耗している箇所を避け、搬送することができる。
【0014】請求項11にかかる発明は、円柱状の内型
と有底筒状の外型とからなる金型で液状エラストマーを
硬化させて請求項1記載の紙幣搬送用歯付ベルトを得る
方法であって、前記内型の外周には、前記ベルト本体の
内周面の歯に相当する内側凹部が前記金型の軸方向に延
在するように刻設されており、その外周に前記ベルト本
体に埋設される心線を巻く工程、前記外型の内周には、
前記ベルト本体の外周面の突条に相当する外側凹部が前
記金型の周方向に延在するように刻設されており、か
つ、当該外側凹部より大きな変形防止溝が少なくとも2
つ刻設されており、その外型の内周側空間に前記心線が
巻かれた内型を同軸上に配設する工程、同軸に組み合わ
された前記外型と前記内型の間に形成された空間に液状
エラストマーを充填・硬化する工程、前記外型と前記内
型を軸方向に引き離す工程、および前記外型に付着した
ベルト成形体を外す工程を含んでなることを特徴とす
る。外型に設けられた変形防止溝は、硬化したエラスト
マー(ベルト成形体)を外型にしっかりと固定させるた
めのものであり、外型と内型を相対的に引き離す工程に
おいて、外型に付着したベルト成形体が内型と共に移動
することにより、ベルト成形体に形成された突条が変形
するのを防止する。したがって、歪みのない寸法どおり
突条を有する歯付ベルトを形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示例とと
もに説明する。図1は本発明の紙幣搬送用歯付ベルトの
一実施例の説明図、図2は他の実施例の説明図、図3は
さらに他の実施例の説明図、図4乃至図5は図1の歯付
ベルトの製法の説明図である。
【0016】図1に示されるように、本発明の紙幣搬送
用歯付ベルト1は、券売機、両替機、自販機、プリペイ
ドカード販売機など、紙幣を搬送する機構を有する装置
内にて紙幣を搬送するための無限軌道ベルトであり、ベ
ルト本体2は、内周面3に、駆動輪や従動輪に噛合する
歯4を有し、内部に心線5が埋設されてなる。ベルト本
体2の外周面6上には、突条7が一体的に設けられてお
り、突条7の頂部8で、紙幣と接触し、摩擦力で搬送す
る。なお、図示しないが、紙幣を搬送する機構は、歯付
ベルト1のほかに、挟持ローラのように、歯付ベルト1
とで紙幣を挟持するように構成された部品を備えてい
る。紙幣は、それら挟持部品と歯付ベルト1の頂部8と
で面接触し、挟持される。
【0017】図1において、ベルト1は、エラストマー
製であり、耐摩耗性に優れ、万一摩耗してもゴムと異な
り摩耗くずが目立ちにくいという観点から、熱硬化性ポ
リウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、ポリア
セタールなどが用いられる。心線5は、ポリエステル製
など、伸縮しない材質からなり、長手方向に周回されて
ベルト本体2の内周面3と外周面6の間に埋設されてお
り、ベルト1は、長手方向に延びることがなく一定寸法
に保たれる。なお、本発明の紙幣搬送用ベルトは、歯付
ベルトのみならず、Vリブドベルト、平ベルトなど従来
から搬送用に用いられているベルト一般に対して、その
背面に後述する突条を設けることによって同様なものに
することができる。
【0018】突条7は、外周面6上にあって、長手方向
(矢印A方向)に切れ目無く連続しており、横断方向
(矢印B方向)に所定量のピッチP(図1の(b)参
照)で平行に配設されている。隣り合う突条7と突条7
の間には、間隔Sが設けられている。また、図1の
(b)に示されるように、突条7の横断方向の断面形状
は台形で、上底7aは外周面6に対して平行である。こ
の台形の高さHは、0.2mm以上1.0mm以下であ
り、台形の脚7bの傾斜角度θは、外周面6から立ち上
がる垂直面9に対して85°以下であり、台形の上底7
aの長さaは、0.2mm以上1.2mm以下である。
下底の長さbは、高さH、上底a、脚の角度θより算出
されるが、約1.0mmである。そして、突条7間のピ
ッチPは1mm以上1.5mm以下である。なお、ベル
ト本体2の横断方向の幅Wは、およそ2.0mm〜1
2.7mmである。
【0019】突条7の台形の高さHが、0.2mmより
低くなると、紙幣粉の突条間の谷間へ落ちる量がわずか
となり、長期間、紙幣を搬送した場合、谷間から突条の
頂部8へ向けて紙幣粉の堆積が進行してきて、最終的に
は、従来品と同様に、紙幣が滑りやすくなるので好まし
くない。一方、高さHが1.0mmを超えると、ベルト
の剛性が大きくなるために、頂部8でのプーリとのかみ
合いが悪くなる。また、台形の脚7bの垂直面9に対す
る傾斜角度が85°を超えると、突起の底辺が広くなり
ベルト幅を小さくできない、あるいは底辺の上辺が小さ
くなりすぎ、搬送能力が劣るようになるので好ましくな
い。さらに、台形の上底7aの長さaが0.1mmより
小さいと、紙幣との接触面積が小さくなりすぎ、搬送能
力に劣る。また、1.2mmを超えると突起が大きくな
り過ぎ、ベルト幅の小さいベルトの場合、突起で形成さ
れる溝が少なくなり、紙幣粉等の除去能力が劣る。突条
7間のピッチPが、1mmよりも少ないと、突起によっ
て形成される溝寸法も小さくなり、紙幣粉の除去能力が
十分でなくなる。また、1.5mmを超えると、ベルト
幅が小さくなった場合、ベルト長手方向に複数本の突起
を形成できず、効果は背面が平らなベルトと変わらなく
なる。外周面6に対して頂部8の面積が大きくなると紙
幣粉が堆積しやすくなり、頂部8の面積が小さいと摩擦
力が小さく、紙幣が滑りやすくなる。
【0020】図2に示されるベルト10は、図1に示さ
れるベルト1とベルト本体2は同様の構成である。図2
において、ベルト本体2の外周面6上に一体的に形成さ
れる突条13は、単位突条11、12からなる突条群で
ある。この突条13も、図1に示される突条7と同様
に、隣り合う突条13間には所定量の間隔Sがあり、所
定のピッチPで横断方向Bに平行に列設されており、横
断方向Bの断面形状は台形である(図2の(b)参
照)。それらの寸法は、図1の突条7と同様に決定され
る。
【0021】図2において、単位突条11、12は、長
手方向の長さがLで、横断方向Bに長さGだけずらされ
ている。このずれによって、紙幣中で突起が多数の箇所
に接触し、たとえ、紙幣の長手方向に摩耗によるスジが
入っていても、横断方向にずれた突起がその摩耗したス
ジを避けることができる。長さLは、0.5mm以上で
あり、ずれGは、0.5mm以下であることが好まし
い。長さLが、0.5mmより小さいと頂部の面積が小
さくなり、紙幣が滑りやすくなる。ずれGが、0.5m
mを超えると、紙幣と突起との接触箇所が少なくなり、
隣り合う突条をカバーできない。なお、図2に示される
例では、長手方向に隣り合う単位突条11と単位突条1
2との間には隙間が設けられていないが、紙幣のグリッ
プ力を低下させない範囲で適宜隙間を設けてもよい。
【0022】図3に示されるベルト20は、図1に示さ
れるベルト1とベルト本体2は同様の構成である。ベル
ト本体2の外周面6上に一体的に形成される突条22、
24は、単位突条21、23からなる突条群である。こ
の突条22、24も、図1に示される突条7と同様に、
隣り合う突条22と突条24の間には所定量の間隔Sが
あり、所定のピッチPで横断方向Bに平行に列設されて
おり、横断方向Bの断面形状は台形である(図3の
(b)参照)。それらの寸法は、図1の突条7と同様に
決定される。
【0023】図3において、単位突条21、23の長手
方向の長さLは、図2に示される単位突条11、12と
同様に、0.5mm以上であるが、長手方向Aに間隔M
が設けられており、長手方向Aに隣り合う単位突条21
同士または単位突条23同士の間での横断方向Bにずれ
はない。しかしながら、横断方向Bに隣り合う単位突条
21と単位突条23との間で長手方向AにずれNがあ
る。このずれNの量は、単位突条の長さLと間隔Mとの
和の半分であり、突条22と突条24は互い違いになっ
ている。この他に、ずれNの量を、(L+M)/3・・
・として、3列以上で互い違いとなるようにしてもよ
い。長手方向Aの間隔Mは、およそ0.2mm〜1.0
mmであり、その間に落ちる紙幣粉の量と台形頂部のグ
リップ力との相関関係により決定される。
【0024】以上のように構成されるベルトの具体例を
表1に纏める。表中、実施例1は、図1に示される切れ
目の無い突条の例であり、実施例2および実施例3は、
図2および図3に示される単位突条からなる突条群の例
である。どの実施例も、搬送精度が良好で、紙幣粉の堆
積は見られなかった。
【0025】
【表1】
【0026】次に、製造方法を順を図4および図5に基
づいて説明する。図4は、本発明の歯付ベルトを製造す
るための金型の断面説明図であり、図5は、図4の金型
を用いた製法を示す。この金型は、内型31と外型32
からなり、これらは同軸に組み合わされる。
【0027】図4において、内型31は、円柱状であ
り、その外周には、歯付ベルト1の歯4(図1参照)を
形成するための内側凹部33が軸方向に延在するように
刻設されており、隣り合う内側凹部33のあいだに位置
する外周面の中央には、突起35が形成されている。心
線5は、この突起35の頂点に支持されてベルト本体の
内部に埋設されるように内型31の外周に巻かれる。し
かし、この突起35はできるかぎり小さくして、ベルト
成形体に刻印される残痕を小さくしておくことが好まし
い。内型31の外周に形成される内側凹部33および突
起35は全て軸方向に連続しており、成型後(内型31
と外型32の間に形成された空間34でエラストマーが
硬化した後)も、内型31は、外型32と外型32の内
周に付着したエラストマーに対し、軸方向に引き離すこ
とができる。
【0028】図4において、外型32は、有底筒状であ
り、その内周には、歯付ベルト1の突条7(図1参照)
を形成するための外側凹部37が周方向に延在するよう
に刻設されている。また、外側凹部37群の上方および
下方には、外側凹部37よりも大きい環状の変形防止溝
38、39が設けられている。変形防止溝38、39の
軸方向の断面形状は矩形であり、その深さと幅は、外側
凹部37よりも大きく、周方向に連続している。変形防
止溝38、39は、成型後のベルト成形体40(図5参
照)を外型32表面に固定し、外型32と内型31を引
き離す時に、突条42がズレなどによって変形しないよ
うに防止するものである。ベルト成形体40の、変形防
止溝38、39によって環状突起41が形成された部分
は、輪切りにされて取り除かれる。また、ベルト成形体
40は、複数の製品の集合体であり、適当な幅に輪切り
にされて、1本の製品を得るものである。したがって、
変形防止溝は、少なくとも図示例のように上下に2本形
成されることが好ましいが、1本の製品間に配設しても
よく、また、3本以上形成してもよい。
【0029】次に、製造工程を順をおって説明する。ま
ず、内型31の外周に心線5をスパイラル状に巻回し、
心線が巻回された内型31を外型32の内周側空間に、
同軸となるように配設する。すると、図4の(a)に示
されるように、内型31と外型32の間に空間34が形
成される。この空間34に、図示しない注入口から液状
エラストマーを充填し、密閉する。このとき、外型32
よりも内型31に多くの離型剤を塗布しておく。所定時
間が経過して液状エラストマーが硬化したら、図5の
(a)に示されるように、内型31を固定した状態で、
外型32を引き下げる。このとき、硬化した液状エラス
トマー(ベルト成形体)40は、外型32に付着してい
る。外型32に付着したベルト成形体40は、図5の
(b)に示されるように、内側に向けて折り曲げられて
外型32より剥がされる。その後、ベルト成形体40は
輪切りにされて、環状突起41が形成された部分は取り
除かれ、複数の製品を得る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1乃至10に記載の発明は、ベルト背面に断面が台形
の突条を設けたものであり、台形の頂部で紙幣を面接触
させて搬送するので、紙幣挟持力が高く搬送精度が良好
であり、突条間の谷間に紙幣粉などの異物が落ちるので
台形の頂部に異物が堆積して付着することがなく、搬送
能力が低下するおそれがない。また、清掃の手間を省く
こともできる。
【0031】請求項11にかかる製法では、軸方向に凹
部(内側凹部)が形成されている内型に対し、周方向に
凹部(外側凹部)が形成されている外型に、凹部よりも
大きな変形防止溝を設けたことにより、軸方向に内型と
外型を引き離すときに、ベルト成形体を外型にしっかり
と固定することができる。したがって、内側を摺動する
内型に引きつられてベルト成形体が軸方向に移動し、周
方向に延在するように形成された突条が変形したり、潰
れたりするおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙幣搬送用歯付ベルトの一実施例の斜
視図および横断面図である。
【図2】本発明の紙幣搬送用歯付ベルトの他の実施例の
斜視図および横断面図である。
【図3】本発明の紙幣搬送用歯付ベルトのさらに他の実
施例の平面面および横断面図である。
【図4】本発明の歯付ベルトを製造する金型の断面説明
図である。
【図5】図4の金型を用いた製造方法の説明図である。
【図6】従来の紙幣搬送用歯付ベルトの一例の説明図で
ある。
【図7】従来の紙幣搬送用歯付ベルトの他の例の説明図
である。
【符号の説明】
1、10、20 歯付ベルト 2 ベルト本体 3 内周面 4 歯 5 心線 6 外周面 7、13、22、24 突条 7a 台形の上底 7b 台形の脚 8 頂部 9 垂直面 11、12、21、23 単位突条 A 長手方向 B 横断方向 P 突条のピッチ S 突条の間隔 H 台形の高さ a 台形の上底の長さ θ 台形の脚の垂直面に対する傾斜角度 L 単位突条の長手方向の長さ G 単位突条の横断方向のずれ M 単位突条の長手方向の間隔

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に歯が設けられたエラストマー製
    のベルト本体の外周面に、横断方向の断面が台形で長手
    方向に延在する突条を複数列設け、該突条の頂部に摩擦
    力を生じさせて紙幣を搬送するよう構成されてなること
    を特徴とする紙幣搬送用歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 前記台形は、高さが0.2mm以上1.
    0mm以下であり、ベルト本体の外周面から立ち上がる
    垂直面に対する傾斜角度が85°以下であり、ベルト横
    断方向の上底の長さが0.2mm以上1.2mm以下で
    あり、隣り合う前記突条間のピッチは1mm以上1.5
    mm以下である請求項1記載の紙幣搬送用歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 隣り合う前記突条と突条の間に所定量の
    間隔が設けられている請求項1または2記載の紙幣搬送
    用歯付ベルト。
  4. 【請求項4】 前記突条と突条の間の間隔が0.5mm
    以下である請求項3記載の紙幣搬送用歯付ベルト。
  5. 【請求項5】 前記突条のうちの少なくとも1列が、長
    手方向に切れ目無く連続している請求項1乃至4のいず
    れかに記載の紙幣搬送用歯付ベルト。
  6. 【請求項6】 前記突条のうちの少なくとも1列が、長
    手方向に複数個に分断された単位突条からなる突条群で
    ある請求項1乃至5のいずれかに記載の紙幣搬送用歯付
    ベルト。
  7. 【請求項7】 前記単位突条の長手方向の長さが0.5
    mm以上である請求項6記載の紙幣搬送用歯付ベルト。
  8. 【請求項8】 長手方向に隣り合う前記単位突条が横断
    方向にずらされて配設されている請求項6または7記載
    の紙幣搬送用歯付ベルト。
  9. 【請求項9】 前記単位突条の横断方向のずれが、0.
    5mm以下である請求項8記載の紙幣搬送用歯付ベル
    ト。
  10. 【請求項10】 横断方向に隣り合う前記単位突条が長
    手方向にずらされて配設されている請求項6または7記
    載の紙幣搬送用歯付ベルト。
  11. 【請求項11】 円柱状の内型と有底筒状の外型とから
    なる金型で液状エラストマーを硬化させて請求項1記載
    の紙幣搬送用歯付ベルトを得る方法であって、前記内型
    の外周には、前記ベルト本体の内周面の歯に相当する内
    側凹部が前記金型の軸方向に延在するように刻設されて
    おり、その外周に前記ベルト本体に埋設される心線を巻
    く工程、前記外型の内周には、前記ベルト本体の外周面
    の突条に相当する外側凹部が前記金型の周方向に延在す
    るように刻設されており、かつ、当該外側凹部より大き
    な変形防止溝が少なくとも2つ刻設されており、その外
    型の内周側空間に前記心線が巻かれた内型を同軸上に配
    設する工程、同軸に組み合わされた前記外型と前記内型
    の間に形成された空間に液状エラストマーを充填・硬化
    する工程、前記外型と前記内型を軸方向に引き離す工
    程、および前記外型に付着したベルト成形体を外す工程
    を含んでなることを特徴とする紙幣搬送用歯付ベルトの
    製法。
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