JPH1031962A - トリガーされるプラズママイクロ波スイッチおよび方法 - Google Patents

トリガーされるプラズママイクロ波スイッチおよび方法

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JPH1031962A
JPH1031962A JP9050660A JP5066097A JPH1031962A JP H1031962 A JPH1031962 A JP H1031962A JP 9050660 A JP9050660 A JP 9050660A JP 5066097 A JP5066097 A JP 5066097A JP H1031962 A JPH1031962 A JP H1031962A
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gas
signal
plasma
trigger
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JP9050660A
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English (en)
Inventor
Dan M Goebel
ダン・エム・ゴーベル
Joseph Santoru
ジョゼフ・サントル
Robert L Poeschel
ロバート・エル・ポースチェル
John W Gerstenberg
ジョン・ダブリュ・ゲーステンバーグ
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Raytheon Co
Original Assignee
Hughes Aircraft Co
HE Holdings Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/10Auxiliary devices for switching or interrupting
    • H01P1/14Auxiliary devices for switching or interrupting by electric discharge devices

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  • Plasma Technology (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高電力のマイクロ波信号の伝播路
を制御するための簡単で迅速で廉価なトリガーマイクロ
波スイッチを得ること目的とする。 【解決手段】 導波管チャンバ30内に選択されたスペシ
ーのイオン化ガスを充填し、そのガスの圧力を調整し
て、マイクロ波信号50の入射によりガス中のシード電子
からマイクロ波信号を反射する反射電子密度Nr を有す
るプラズマを発生させることによりガス中にシード電子
を選択的に発生させて入射したマイクロ波信号をプラズ
マで反射させて導波管チャンバ30を通過させないように
し、またシード電子を発生させないことによりマイクロ
波信号を入力ポート26を通ってガスを通過する第2の通
路に沿って出力ポート28に導くことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電力マイクロ波
スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波スイッチは典型的に制御パラ
メータに応じて伝導状態と反射状態の間で転換を行う。
制御パラメータの選択はマイクロ波スイッチに意図され
た使用に関係している。例えば送信/受信(T/R)ス
イッチはレーダシステムで使用され、高電力送信パルス
の反射信号からレーダ受信機を保護する。この用途にお
いて制御パラメータは反射されたパルス自身であること
が必要である。したがってT/Rスイッチは一般に予め
定められたしきい値を越えた入射マイクロ波信号に応じ
て伝導状態から反射状態に変化するように設計されてい
る。
【0003】これと対照的にマイクロ波ネットワーク中
でマイクロ波信号を導くためのマイクロ波スイッチは外
部トリガー信号に応答しなければならない。ネットワー
ク用のトリガーされるマイクロ波スイッチはその伝導状
態で低い挿入損失を示し、反射状態にあるとき高い位相
安定性を有する信号を反射し、2つの状態の間で迅速な
転移が行われることが好ましい。
【0004】トリガーマイクロ波スイッチにおける従来
の動作はT/Rスイッチの動作のように広範囲ではない
が、種々のトリガーされるスイッチが開発されてきた。
例えば米国特許3,611,008 号明細書にはトリガーされる
導波管スイッチが開示されており、それは1対の電極と
トリガー電極とを備えている。主電極は銅のような低蒸
気圧金属、で構成され、分離されて電極ギャップが形成
されている。主電極は真空導波管部分内または導波管部
分と連通している室内に配置されている。トリガー電極
材料は例えばチタニウム水素化物のような蓄積されたガ
ス、例えば水素を含み、トリガー電極は主電極から間隔
を隔てられている。
【0005】動作において、電位が主電極間に与えら
れ、電圧パルスがトリガー電極に供給される。このパル
スはスパークを開始させ、その放電エネルギは蓄積され
たガスの一部を解放してイオン化する。これは主電極間
のギャップ中の誘電強度を減少させ、主電極間にアーク
を誘起する。金属イオンは電極から蒸発してイオン化さ
れてプラズマを形成し、導波管セクションを満たして入
射したマイクロ波信号を反射する。プラズマは主電極電
位が維持されている限り維持される。残念ながら金属蒸
気は導波管の窓に堆積される傾向があり、それは伝送状
態における導波管スイッチの挿入損失を増加させる。こ
の問題は導波管窓への金属イオンの流れを阻止するよう
に導波管隔壁を導入することによって減少させることが
できるが、この隔壁もまた導波管スイッチの挿入損失を
増加させる。
【0006】別の例示的なトリガーされるマイクロ波ス
イッチは米国特許3,903,489 号明細書に記載されてい
る。このスイッチはガス放電を維持するのに適した低圧
の制御された雰囲気ガスを充填された導波管セクション
を有している。プラズマ発生器は陽極と制御グリッドを
備え、それらは導波管セクションの対向した側面を形成
しているが、導波管の残りの部分から電気的に絶縁され
ている。この装置は導波管セクション中で陽極の電界を
集中し、そのため電界の大部分は電子を加速して制御グ
リッドの付近に到達させるために利用される。動作にお
いて、高密度のプラズマが陽極の電界によって導波管セ
クション中に注入される。これによって導波管セクショ
ンは高い挿入損失状態となり、そのため入射したマイク
ロ波信号は実質的に反射される。プラズマは制御グリッ
ドと陽極との間に与えられたトリガーパルスによってト
リガーされる。導波管セクションを高い挿入損失状態に
維持する電力はプラズマ発生器によって供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの例に示された
ように、トリガーされるマイクロ波スイッチは開発され
ているが、それらは典型的に複雑であり(例えば米国特
許3,611,008 号明細書記載の装置は主電極とトリガー電
極と分離用の隔壁とを備えており、また米国特許3,903,
489 号明細書記載の装置はヒータと陰極と制御グリッド
と陽極と集束構造とを備えている)、典型的に短い寿命
時間を有する素子(例えば米国特許3,611,008 号明細書
記載の装置では低蒸気圧力の電極、米国特許3,903,489
号明細書記載の装置ではヒータ)を有しており、可成の
入力電力(例えば米国特許3,611,008 号明細書記載の装
置では主電極電位、米国特許3,903,489 号明細書記載の
装置ではプラズマ発生器)を必要としている。
【0008】本発明の目的は、高電力のマイクロ波信号
の伝播路を制御するのに特に適している簡単で、迅速
で、廉価な、トリガーされるマイクロ波スイッチを開発
することである。特にマイクロ波スイッチは100Hz
以上の速度で低いエネルギのトリガーパルス(例えば<
0.1ジュール)で切換えることができ、その構成素子
はスイッチングプロセスにおいて電力消費が少なく、例
えば真空窓のような他のスイッチ素子に付着してスイッ
チの特性を劣化しないものであることが望ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの目的は本発明に
よって達成される。本発明は、十分なシード電子がガス
中に存在している場合にはイオン化可能なガスに入射し
た高電力マイクロ波信号はガス中に高密度プラズマを発
生することを利用している。これと対照的にシード電子
が存在しない場合にはマイクロ波信号によってプラズマ
は発生しない。したがって、マイクロ波信号はイオン化
可能なガス中のシード電子の存在を制御することによっ
て異なった信号路に沿って導かれることができる。さら
に、イオン化可能なガスの圧力が調整されて入射したマ
イクロ波信号によってシード電子からの付加的なプラズ
マ発生を促進させることができる。
【0010】本発明の1実施形態のマイクロ波スイッチ
はマイクロ波伝送部分を含み、このマイクロ波伝送部分
はイオン化可能なガスを含んでいるマイクロ波容器と、
このマイクロ波容器と連通している入力および出力ポー
トと、トリガーされるプラズマ発生器とを有している。
トリガーされるプラズマ発生器は、電圧トリガー信号に
応じてトリガー電子密度Nt を発生するように構成さ
れ、このトリガー電子密度Nt は十分なシード電子の存
在を表している。入射したマイクロ波信号はトリガー電
子密度Nt を反射電子密度Nr に増加させる。したがっ
て、マイクロ波信号は、トリガー電子密度Nt が存在す
るとき入力ポートから第1の通路に沿って反射され、ト
リガー電子密度Nt が存在しないとき第2の通路に沿っ
て出力ポートに導かれる。
【0011】トリガーされるプラズマ発生器はマイクロ
波容器中に延在している電極を備え、電圧トリガー信号
を受信するように構成されている。この電極は耐熱金属
で形成されることが好ましく、<600ミクロンの直径
を有することが好ましい。別のトリガーされるプラズマ
発生器はガスの光イオン化のためにマイクロ波容器中へ
紫外線放射発生器を導くように構成されている。
【0012】本発明の複数のトリガーマイクロ波スイッ
チは、同調可能な短絡装置を形成するために使用される
ことができる。同調可能な短絡装置において入口ポート
は第1のスイッチの入力ポートによって形成され、全て
のスイッチは直列に接続され、それによって他のスイッ
チの入力ポートは第1のスイッチから異なった通路長に
よって互いに間隔を隔てられている。スイッチの異なっ
たものへトリガー信号を選択的に供給することによっ
て、マイクロ波信号は入口ポートへ反射して戻されると
き異なった通路長を移動して入口ポートで受信される。
【0013】本発明のすぐれた特徴は、特に、特許請求
の範囲に記載されている。本発明は、添付図面を参照に
した以下の説明によって最もよく理解されるであろう。
【0014】
【発明の実施の形態】マイクロ波信号を選択された信号
通路に沿って導くためのトリガープラズママイクロ波ス
イッチ20が図1および図2において示されている。スイ
ッチ20は、方形の導波管22の形態のマイクロ波伝送部材
およびトリガープラズマ発生器24を含んでいる。伝送部
材22は、入力ポート26および出力ポート28をそれぞれ形
成している対向端部を有している。各ポートにおいて、
伝送部材22は、例えばパイレックスあるいは石英等の材
料で形成された真空窓29で密閉され、その動作パラメー
タには、マイクロ波損失が低く、誘電定数が低く、機械
的強度が良好であり、優れた真空密閉能力が含まれてい
る。
【0015】真空窓29によって、伝送部材22は、例え
ば、水素、ヘリウム、あるいはアルゴン等のイオン化可
能なガス32を収容するためのマイクロ波チャンバ30を形
成し、ポート26および28はチャンバ30と連通している。
フランジ33は、真空窓29の設置と、スイッチ20と例えば
図2において破線で示された部材34等のマイクロ波シス
テムの伝送部材との接続を容易にするために各ポートに
位置されている。
【0016】トリガープラズマ発生器24は、チャンバ30
中に突出する電極36を含む。信号伝送部材22中を通過す
る伝送部材22の狭い壁38と平行なマイクロ波信号の電界
のために、電極36はマイクロ波信号に対するその擾乱効
果を減少させるために伝送部材の広い壁40と平行に配置
されることが好ましい。電極36は、そのトリガーされた
プラズマ機能を容易にするために例えば直径が250ミ
クロン以下の小さい断面を有し、その熱抵抗を増強させ
るために例えばタングステン等の耐熱金属で形成されて
いる。それは例えばセラミック等の高電圧絶縁体で形成
されたブッシング42等によって狭い壁38から電気的に絶
縁されている。
【0017】チャンバ30は、任意の通常の方法で排気さ
れた後イオン化可能なガス32で充填されることができ
る。例えば、真空ポンプ(図示されていない)は、伝送
部材の狭い壁38の1つにおける小さい穴を通してチャン
バと連通しているポンプ出力ポート48を通してチャンバ
30に接続されることができる。ポンプ出力ポート48は
圧力計49を設置され、真空バルブ(図示されていない)
に接続する。
【0018】排気後に、チャンバ30は、選択されたイオ
ン化可能なガスで予め定められた圧力まで通常の方法で
充填されることができる。平衡ガス圧力は、チャンバ30
からのガス流を絞るために真空バルブを使用することに
よって制御されるガス導入率およびガス排出率によって
決定される。この構成によって、小容積のガスがチャン
バ30から連続的にポンプで排出される。
【0019】その代りに、この能動ポンプシステムは、
チャンバ30に結合された簡単な通常の熱イオンガス保持
体(図示されていない)で置換されることができる。選
択されたガスが例えば水素である場合、アルミニウム・
ジルコニウム熱イオンガス保持体が使用されることがで
きる。使用の前に、水素原子を吸収するために保持体が
処理される。それをスイッチ20に設置した後、水素原子
の放出速度は、保持体が加熱される温度と関数的に関連
付けられる。
【0020】動作において、トリガープラズママイクロ
波スイッチ20は、そのトリガーされたプラズマ発生器24
に与えられたトリガー信号に応答する。トリガー信号が
ない場合、スイッチ20は、入射マイクロ波信号50(図1
および図2参照)をスイッチの入力ポート26からスイッ
チの出力ポート28へ伝送させる。トリガー信号がある場
合、スイッチ20は入射マイクロ波信号50をスイッチの入
力ポート26から反射する。トリガープラズママイクロ波
スイッチ20のより詳細な動作に関する説明は、スイッチ
20におけるマイクロ波のカットオフ周波数と、イオン化
可能なガス32のイオン化によって形成されたプラズマの
密度との間の関係に関する以下の説明を先に行うことに
よってさらに明らかにされる。
【0021】角周波数ωを有するマイクロ波信号50が伝
送部材22の入力ポート26に受信され、伝送部材がプラズ
マで満たされたとき、信号の伝播は、以下の衝突のない
プラズマに対する良く知られた分散式によって示される
ことができ、 ω2 =ωc 2 +ωp 2 +k2 2 (1) この式において、ωc は、伝送部材22のカットオフ角周
波数であり、ωp はプラズマ角周波数であり、cは光速
度であり、k=(2π)/λは波数である(ここにおい
てλは入射マイクロ波信号の自由空間波長である)。伝
送部材のカットオフ角周波数ωc は、伝送部材の物理的
パラメータの関数である。方形導波管において、例えば
広い壁(図1および図2の壁40)が寸法aを有している
とすると、TE10の伝播モードに対してカットオフ角周
波数はωc 乃至πc/aである。
【0022】対照的に、プラズマの角周波数ωp は基本
的にプラズマの電子密度の関数であり、それは次の式
(2)で示され、 ωp =(Ne2 /mε0 1/2 (2) ここにおいてNは単位容積に対する電子であり、eおよ
びmはそれぞれ電子の電荷および電子の質量であり、ε
0 は自由空間誘電率である。式(1)は、以下のように
書き換えられることができ、 ω2 −(ωc 2 +ωp 2 )=k2 2 (3) 式(3)は、ω2 >>(ωc 2 +ωp 2 )である場合
に、角周波数ωを有するマイクロ波信号が波長(2π
c)/ωで伝送部材を伝播することを示している。しか
しながら、プラズマの角周波数ωp が(式(2)におけ
る電子密度Nを増加させることによって)増加した場
合、式(3)の左側の値はゼロに向かって減少する。c
は定数であるので、これはマイクロ波信号50の波長が無
限大に向かって増加し、それによってω=(ωc 2 +ω
p 2 1/2 であるときに伝送部材22における信号の伝播
が終わることを意味している。
【0023】スイッチ20を通る信号の伝播もまたマイク
ロ波信号の伝播定数の式で示されることができ、
【数1】 ここにおいて、zは入力ポート26から出力ポート28へ伝
送部材に沿った空間座標方向であり、xはzに直交した
(例えば伝送部材22の狭い方の側面38に平行な)座標方
向であり、信号伝播定数γは以下のように与えられ、
【数2】 ここにおいて、プラズマ角周波数ωp が十分に小さく、
それによって式ωc 2 +ωp 2 がω2 より小さいとき、
伝播定数はω/c以下であり、式(4)は以下のように
なり、
【数3】 これはz座標に沿った伝播信号の式である。(カットオ
フ角周波数ωc がマイクロ波角周波数ωよりも相当に小
さいと仮定している。)この場合、入射信号50はマイク
ロ波スイッチ20を通って出力ポート28に伝送される。
【0024】対照的に、ωp が入射マイクロ波信号50の
角周波数ωを超過したとき、式(5)の伝播定数は虚数
であり、式(4)は以下のようにされ、 Ex=e-kz (7) ここにおいてkは定数である。これは、z座標に沿って
進む際に減衰される信号の式である。ωp >>ωである
場合、定数kは大きく、それは急激な減衰を示す。入射
信号50は伝送されないので、入力ポート26における境界
条件には入射信号と反対に移動する第2の信号が要求さ
れ、すなわち、入射信号50が入力ポート26から反射され
る。
【0025】従って、プラズマの角周波数ωp が図1お
よび図2の入射マイクロ波信号50の角周波数ωを超過し
たとき、信号50は伝送部材22から反射される。特に、そ
れは図1の真空窓20の直接後方にあるプラズマの面52
(プラズマ面52はイオン化可能ガス32の表面と同一のも
のである)から反射される。対照的に、プラズマの角周
波数ωp が入射マイクロ波信号の角周波数よりもかなり
小さい場合、入射信号50は減衰がわずかであるかあるい
はほとんどなく伝送部材を通して伝送される。
【0026】図1および図2のトリガープラズママイク
ロ波スイッチ20は、チャンバ30内のトリガープラズマの
発生を制御するように構成され、この制御によって、入
力ポート26において入射マイクロ波信号50を出力ポート
28への伝送および入力ポート26からの反射に選択的に切
換える。
【0027】スイッチ20の動作において、イオン化可能
なガスのスペシーが選択される。ガス32は、イオン化エ
ネルギUi を有し、トリガープラズマ発生器24によって
イオン化されてシード電子のトリガー密度Nt 、すなわ
ちトリガープラズマを発生する。入射信号50のパワー
は、シード電子をイオン化エネルギUi と等しくあるい
はそれ以上のエネルギEe に加速するのに十分な電界を
有するパワー範囲Pi 内にあるように選択される。最後
に、ガス32の圧力は、入射信号50によってさらにガスを
イオン化する処理を増強させる圧力範囲ΔPrg 内にあ
るように選択される。
【0028】ガスの圧力が圧力範囲ΔPrg より下であ
る場合、ガスの分子集団は非常に小さく、それ故に加速
されたシード電子との衝突がない。ガス圧力が圧力範囲
ΔPrg 以上である場合、衝突率は非常に高く、それ故
にシード電子はエネルギEeを得るのに十分な時間中に
加速されることができない。ガス圧力が範囲ΔPrg
に存在する場合、シード電子はエネルギEe まで加速さ
れ、それらとガス32の原子との間で衝突が生じる。この
衝突は2次電子を発生し、それはまたエネルギEe に加
速される。
【0029】このプロセスにおいて、電子集団は急速に
反射密度Nr に到達し、それは、式(1)に従って、入
射信号50の角周波数ωと等しいか、あるいはそれ以上で
あるプラズマ周波数ωp を生成するのに十分なものであ
る。従って、入射信号は入力ポート26から反射される。
特に、それは図1の真空窓29の直ぐ後方にあるプラズマ
の表面52から反射される。
【0030】2次電子の生成は、自己制限プロセスによ
って行われる。入射信号50は反射され、チャンバ30の内
部部分に到達しないので、電子の生成はそのような内部
部分において終了し、電子密度はNr より下に降下す
る。反対に、入射信号50は、ガス32のいくらかの部分に
おいて電子反射密度Nr を生成するためにチャンバ30へ
の貫通を達成しなければならない。結果的に、入射信号
50は、面52においては反射されないが、面52と隣接する
薄いプラズマから反射される。
【0031】電子反射密度Nr は、入射信号50が2次電
子の生成を続行するために存在する限り維持される。ト
リガープラズマ発生器24は、ガス32においてシード電子
を発生するのに十分な時間の間付勢される必要があるだ
けである。一度これが達成されると、トリガープラズマ
発生器24のシードの生成は終了されることが好ましく、
すなわち、トリガープラズマ発生器24は、スイッチング
プロセスを開始するためにパルス付勢されるだけでよ
い。入射信号50が取除かれたとき、電子密度は例えば1
00マイクロ秒以内で迅速に低下する。
【0032】トリガープラズマ発生器24が付勢されない
場合、入射信号50の電界によってガス原子と衝突させる
ために加速されるシード電子がチャンバ30内にはない。
入射信号50の電界は、イオン化エネルギUi と整合する
のに十分なエネルギEe にシード電子を加速することが
できるが、電界は一般的に電子をガス原子から奪うのに
十分でない。結果的に、シード電子がトリガープラズマ
発生器24の適用によって発生されなかった場合、入射信
号50によってプラズマを発生せず、それは出力ポート28
に伝送される。
【0033】それ故に、トリガープラズマ発生器24は、
選択された信号通路に沿って入射信号50を導くために使
用されることができる。トリガープラズマ発生器24の付
勢によって、入射信号50はプラズマ面52から離れた反射
通路をたどる。トリガープラズマ発生器24が付勢されな
いと、入射信号50は伝送部材22を通って出力ポート28へ
の信号通路をたどる。
【0034】トリガープラズマ発生器24の動作におい
て、(例えば2乃至5kVの)高電圧トリガーパルスが
電極36に印加される。結果的に、例えば50アンペア程
度の大きい電流が電極36を通って流れる。トリガー密度
t よりもかなり低い密度を示す幾つかのストレー電子
が例えば宇宙線等の自然のプロセスのためにイオン化可
能なガス中に常に存在していることが理論的に知られて
いる。これらのストレー電子は、図2の例示的な電子の
螺旋状通路56によって示されているように電極36まで加
速される。
【0035】電極36の細い構造は、ガス原子との十分な
衝突を達成し、シード電子のトリガー密度Nt を生成す
るように結果的に2次電子を生成する通路長56を達成す
るように選択される。電極36は、この機能のために特に
適合される。電極が小さい形状のために、電子の速度に
よって典型的に電子は最初に電極から外れる。従って、
電子は、それらが最終的に電極に到達する前に電極の周
囲を回るときに例えば通路56のような長い通路を移動す
る。これによって、シード電子の生成が増強され、観察
される大きい電流が生成される。
【0036】トリガープラズマ発生器24によって発生さ
れた電子密度は非常に大きいが(一時的に反射密度Nr
に到達することもある)、入射信号50による2次電子の
迅速な生成を開始するためには比較的小さいトリガー密
度Nt に到達するだけでよい。
【0037】細い電極36はトリガーパルスによって著し
く加熱されるので、それは例えばタングステン等の耐熱
金属で形成されることが好ましい。通路長56を増加させ
るために、電極36の直径は例えば600ミクロン以下の
非常に小さいものである。電極の直径は、さらに通路長
56を増加させ、さらに電子の発生を増加させるために、
例えば250ミクロン以下であることが好ましい。
【0038】トリガープラズママイクロ波スイッチ20の
例示的なプロトタイプが構成されてきた。そのプロトタ
イプは、伝送部材22として方形の導波管(WR-650ガイ
ド、EIA 導波管表示基準 RS261A )を含んでいた。ガス
スペーシとして水素が選択され、1×10-3トル程度の
ガスの圧力が選択された。そのプロトタイプのトリガー
プラズマ発生器は、250ミクロン程度の直径を有する
タングステンワイヤである電極(図1および図2におい
ては36)を使用した。入射マイクロ波周波数の電力は、
約20kWになるように選択された。
【0039】図5のa乃至dのグラフ60,62,64,66 にお
いて例示的な試験結果が示されている。プロトタイプ
は、パルス継続期間が100マイクロ秒程度であり、周
波数が1.25GHz程度であり、電力が19.5kW
程度であるマイクロ波信号をスイッチの入力ポート(図
1および図2においては26)に与えることによって試験
された。
【0040】この入力されたマイクロ波信号パルスは、
グラフ62においてパルス67として示されている。試験の
制限のために、パルス67の初期の電力は19.5kW程
度であり、その後、パルス67の残りの部分のために、
9.7kW程度の低い電力レベルに低下する。
【0041】電極36におけるトリガーパルスの電圧は、
2乃至5kVの範囲から選択された。図5のa乃至dに
示された試験において、(トリガーパルスによって電極
に引きつけられた)シード電子は、グラフ60のトリガー
パルス69によって示されているように50アンペア程度
の電流を発生した。要求されたトリガーエネルギは<
0.1ジュールである。トリガーパルスは、図2の概略
図に示されたパルス発生器70において発生された。パル
ス発生器70は、電圧源76から抵抗器74を通してキャパシ
タ72を充電した。スイッチ78は、電気エネルギをキャパ
シタ72から電流制限抵抗器79を通してスイッチのトリガ
ープラズマ発生器24に結合した。電極によって引出され
た電流は、電流センサ81によって感知された。
【0042】プロトタイプのスイッチを通して伝送され
た電力は図5のcにおいてパルス80として示され、スイ
ッチから反射された電力は図5のdにおいてパルス82と
して示されている。トリガーパルス69を印加する前で
は、パルス80はスイッチを通過した入力パルス67の伝送
を示し、パルス82は反射された電力のないことを示す。
トリガーパルス69を印加した後では、パルス80は伝送さ
れた電力のないことを示し、パルス82はスイッチからの
入力パルス67の反射を示している。
【0043】トリガーパルス69を印加する前の反射され
た電力およびトリガーパルス69を印加した後の伝送され
た電力は、両方とも試験された装置の1kWの感度より
も小さかった。トリガーパルス67の後にスイッチを通し
て伝送された電力は、1dB以下の挿入損失を有してい
た。トリガーパルスを印加した後の反射電力は、0.4
dB程度の反射減衰量を有していた(試験において使用
された電力検知器が負の応答を有していたので、電力パ
ルス69,80,82はグラフ62,64,66において上下逆であ
る)。プロトタイプの試験には(例えば0.1ジュール
以下の)低いトリガーエネルギおよびガスの迅速な消イ
オン化が要求され、また、スイッチは可動部分を含んで
いないので、プロトタイプのトリガープラズママイクロ
波スイッチは、100Hzより非常に大きいパルス速度
が実現されたことを示した。
【0044】図5のa乃至dのプロトタイプの試験にお
いて、トリガーパルスは、スイッチの伝送および反射を
示すためにパルスの開始の後に与えられる。典型的な動
作において、トリガーパルスは、マイクロ波信号パルス
の立上がり端部の期間中あるいは信号パルスの期間中に
与えられることができる。パルスの前に与えられること
もできるが、マイクロ波信号のパルスに対する時間はイ
オン化可能なガスの消イオン化時間を超過してはなら
ず、すなわち、トリガー電子密度Nt は、マイクロ波信
号50が到着したときに依然として存在していなければな
らない。
【0045】ガスイオン化エネルギUi と等しい、ある
いはそれ以上であるエネルギEe までシード電子を加速
させるのに十分な電界を有する電力範囲Pi 内に入るよ
うに、入射信号50の電力が選択されることは上述され
た。
【0046】この範囲は選択されたガススペシーに依存
するが、プロトタイプの試験に基づき、Pi の下限は約
100ワット程度であると考えられる。Pi の上限は、
入射信号の電界がガス原子から電子を奪うことができる
点によってのみ設定され、それによって、例えば図1お
よび図2の発生器24のようなトリガープラズマ発生器の
スイッチング制御を無効にする。この制限は100キロ
ワットよりかなり上であることが理論的に認められる。
【0047】また、ガスの圧力は、ガスの分子集団が非
常に小さいために加速されたシード電子との衝突がない
ような圧力より高くなければならないことが述べられ
た。対照的に、ガスの圧力は、衝突率が非常に高いため
にエネルギEe に到達するのに十分な時間にシード電子
を加速させることができないような圧力よりも低くなけ
ればならない。この範囲は選択されたガススペシーに多
少依存するが、圧力の下限は約0.1ミリトル程度であ
り、圧力の上限は100トル程度あることが理論的に認
められる。
【0048】別のトリガープラズマスイッチの実施形態
が別のトリガープラズマ発生器によって形成される。例
えば、図3および図4において、トリガープラズマ発生
器84が示されている。発生器84は、図1および図2の発
生器24と置換され、伝送部材22の同じ狭い壁38上に設置
される。発生器84は、狭い導波管の壁38に接続され、放
電容器86を形成するハウジング85を含んでいる。
【0049】一対の電極87および88は、放電容器86に延
在するようにハウジング85中に設置される。電極87およ
び88は、それらの端部が放電間隙89によって間隔を隔て
られるように構成されている。放電容器86と導波管チャ
ンバ30との間を結合させるために1以上の穴90が狭い壁
38に形成される。これらの穴90は、典型的に伝送部材22
の広い壁40の間に存在する入射信号50の電界の擾乱を最
小にするために狭い壁38内に位置されることが好まし
い。電極87および88は、パルス発生器92によって電圧を
印加される。パルス発生器92は、パルス発生器70のリー
ド線93,94 が電極87および88の対向する一方に接続され
ている例えば図2のパルス発生器70である。
【0050】トリガープラズマ発生器84の動作におい
て、例えば2乃至5kVの範囲にあるトリガー電圧パル
スを印加すると、放電間隙89を横切って放電が生じる。
スパーク放電の電磁成分は、穴90を通って導波管チャン
バ30に結合される。これらの成分の光量子エネルギは波
長が減少するに従って増加するので、例えば紫外線部分
等の幾つかの成分部分はガス32中の原子を光イオン化す
るのに十分なエネルギを有している。この光イオン化に
よって、伝送部材22の広い壁40を横切って入射信号50の
電界が形成されるときに導波管チャンバ30において付加
的なプラズマの生成を生じさせるシード電子が発生され
る。
【0051】トリガープラズマ発生器84が使用されたと
き、考慮される別のガス選択パラメータは紫外線吸収長
である。この吸収長は、導波管チャンバ30の寸法よりも
小さいことが好ましく、ガススペシーは、例えばヘリウ
ムおよびアルゴン等の2種類のガススペシーの適切な混
合を選択することによって選択されるべきである。
【0052】プロトタイプの試験に基づいて、図1およ
び図2のトリガープラズマ発生器24ならびに図3および
図4のトリガープラズマ発生器84に対して印加するため
のトリガーパルスの電圧範囲は、約1キロボルト程度の
下限と、約10キロボルト程度の上限を有している。
【0053】図1および図2のトリガープラズママイク
ロ波スイッチ20は、種々のマイクロ波システムを形成す
るために使用されることができる。例えば、図6におい
て、1個の導波管入力ポート102 と、例えば2つのアン
テナ等の別個のマイクロ波構造に給電できる2個の導波
管出力ポート104,106 を有する例示的なスイッチングシ
ステム100 が示されている。入力ポート102 から通じた
導波管アーム部108 は、それぞれ出力ポート104 および
106 に通じた2つの導波管アーム部110 および112 に結
合されている。トリガープラズママイクロ波スイッチ20
A は導波管アーム部110 に位置され、別のトリガープラ
ズママイクロ波スイッチ20B は導波管アーム部112 に位
置されている。トリガーパルス69A および69B は、図6
の矢印によって示されているようにスイッチ20A および
20B に与えられることができる。
【0054】図5のa乃至dのプロトタイプ試験の結果
によって示されているように、入力ポート102 における
マイクロ波入力信号114 は、選択された通路に沿ってポ
ート104 および106 のいずれかに導かれることができ、
ポート104 と106 との間で分割されるか、あるいは反射
されて入力ポート102 に戻される。
【0055】例えば、トリガーパルス69A だけを供給す
ると、入力マイクロ波信号114 は出力ポート106 に導か
れる。トリガーパルス69A および69B のどちらも供給さ
れない場合、信号114 は出力ポート104 と106 との間で
分割される。トリガーパルス69A および69B を両方供給
すると、信号114 が入力ポート102 から反射される。
【0056】スイッチングシステム100 は、通常のマイ
クロ波で実用されている技術に従って構成されることが
好ましい。一例として、通路長116 は、スイッチ20A か
ら反射された信号がアーム部112 に沿って伝送される入
力マイクロ波信号と同位相になるように選択されること
ができる。結果的に、信号は同位相となり、出力ポート
106 においてマイクロ波出力信号を形成するように構造
的に付加されることができる。
【0057】図7は、電気的に同調可能な短絡装置120
の形態の別のマイクロ波スイッチングシステムを構成す
るためにトリガーされたプラズママイクロ波スイッチ20
を使用した構造を示す。電気的に同調可能な短絡装置12
0 は直列に接続された複数のマイクロ波スイッチ20A…
20Nを含み、例えばマイクロ波スイッチ20Aの出力ポー
ト28はスイッチ20Aに隣接したスイッチの入力ポート26
に接続されている。マイクロ波スイッチ20Aの入力ポー
ト26は、電気的に同調可能な短絡装置120 の入力ポート
122 を形成する。マイクロ波スイッチ20Nの出力ポート
28は、金属短絡板124 の形態の機械的な短絡板で終端さ
れている。この短絡板124 は、例えばフランジ125 のよ
うな適切な構造と結合されている。トリガー信号69A…
69Nは、スイッチ20A…20Nのイオン化発生器24にそれ
ぞれ供給されることができる。
【0058】スイッチ20A…20Nのそれぞれは、本質的
に図1および2のスイッチ20である。しかしながら、連
接したスイッチが入力ポートに隣接した出力ポートを有
しているため、単一の導波管126 が使用されることがで
き、また図1の真空窓29およびフランジ33が、電磁エネ
ルギは伝送するが、プラズマおよび紫外線がスイッチ20
A…20N間を移動することを阻止する材料(例えば、プ
ラスチック、ガラスまたはセラミック)の隔壁127 と隣
接したポートで置換されることができる。これらの隔壁
127 はスイッチ間におけるプラズマの流れを阻止する
が、電気的に同調可能な短絡装置120 が複数ではなくた
だ1つのガス室を有するようにイオン化可能なガスがス
イッチの間を流れることを許すことが好ましい。隔壁12
7 は本質的に、異なるトリガー可能なプラズマ発生器24
とそれぞれ関連しているガス区画室に同調可能な短絡装
置120 内のガスを分割する。
【0059】この機能は、図8に示されている導波管12
6 の壁129 におけるスロット128 のような凹部構造中に
隔壁127 を受けることによって達成されることができ
る。この凹部構造は、ガス原子が隣接したスイッチ間を
通過することを許すが、プラズマ電子およびイオンの通
過を阻止する。
【0060】同調可能な短絡装置120 の動作において、
マイクロ波信号130 は入力ポート122 中に注入される。
例えばトリガー信号69Fのようなトリガー信号の選択さ
れたものが例えばスイッチ20Fのようなその関連したマ
イクロ波スイッチに供給され、そのスイッチ中にトリガ
ー電子密度Nt を発生させる。その結果、マイクロ波信
号130 はスイッチ20Fから反射されて入力ポート122 に
戻される。したがって、マイクロ波信号130 は入力ポー
ト122 からスイッチ20Fの入力ポート26までの信号路13
1 をたどって、入力ポート122 に戻る。
【0061】明らかに、信号路131 の長さは、トリガー
信号69A…69Nが連続的に供給されるにつれて連続的に
長くなる。したがって、マイクロ波信号130 の位相は、
それが入力ポート122 に戻ったときに連続的に増加され
る。すなわち、入力ポート122 において戻った信号の所
望の信号位相を電気的に選択するために電気的に同調可
能な短絡装置120 が使用されることができる。選択可能
な位相ステップは、信号がマイクロ波スイッチ20A…20
Nの1つの長さを2回移動したときの同位相の信号の変
化によって実質的に決定される位相分解能を有する。最
終的な位相ステップは、トリガー信号69A…69Nのいず
れも供給されない場合に得られる。その場合、入力信号
130 は金属短絡板124 から反射される。
【0062】電気的に同調可能な短絡装置120 の別の実
施形態は、金属短絡板124 をマイクロ波負荷134 と置換
することによって形成される。この置換は、図7におい
て破線の矢印136 で示されている。マイクロ波負荷134
は、入射したマイクロ波信号を実質的に吸収する通常の
マイクロ波吸収材料138 を含む。電気的に同調可能な短
絡装置120 のこの実施形態は、電気的に同調可能な短絡
板または(トリガー信号のない場合)吸収材負荷のいず
れかとして使用される。
【0063】電気的に同調可能な短絡装置120 の別の実
施形態は、金属短絡板124 を除去することによって形成
されることができる。電気的に同調可能な短絡装置120
のこの実施形態は、電気的に同調可能な短絡装置または
トリガー信号のない場合の伝送部材のどちらかとして使
用される。
【0064】位相安定性の試験は、電気的に同調可能な
短絡装置120 において使用されるトリガーされたプラズ
ママイクロ波スイッチ20の例示的なプロトタイプで実行
された。ほぼ100マイクロ秒のパルス幅を有するマイ
クロ波パルスは、スイッチの入力ポートから反射され
た。反射されたパルスの相対位相は、図9の矢印140 で
示されたグラフにより太い線の曲線142 として示されて
いる。比較するために、マイクロ波パルスは、図7にお
ける短絡板124 に類似した金属短絡板から反射された。
短絡板から反射されたパルスの相対位相は、図9のグラ
フ140 において細い線の曲線144 で示されている。この
試験によって、トリガーされたプラズマスイッチ20から
反射された信号の位相安定性は通常の短絡板から反射さ
れた信号の位相安定性に実質的に等しいことが立証され
た。
【0065】トリガーされたプラズマスイッチ20によっ
て行われる絶対的な位相変化は、スイッチ20のプラズマ
面(図1における52)と同じ位置に配置された短絡板12
4 によって行われたものと同じではない。上述されたよ
うに、入射した信号はこの面52で反射されず、面52に隣
接する薄いボリュームのプラズマから反射される。
【0066】電気的に同調可能な短絡装置には種々のマ
イクロ波適用がある。例えば、図10は、図7の電気的
に同調可能な短絡装置120 に類似した電気的に同調可能
な短絡装置151 を含むプラズマで補助されたマイクロ波
発振器150 を示す。プラズマで補助されたマイクロ波発
振器150 は、1994年 5月13日に出願され、本出願人であ
るヒューズ・エアクラフト社に譲渡された米国特許出願
第 08/242,570 号明細書に記載された発振器構造に類似
している。
【0067】発振器150 は、導波管ハウジング153 中に
位置されたらせん152 の形態の低速波構造を有する。ら
せん152 の両端部154 および155 は、反射導波管157 お
よび出力導波管158 にそれぞれ電磁的に結合されてい
る。これらの導波管は、ハウジング153 と直交するよう
に配置されている。らせんの両端部154 および155 はま
た導波管157 および158 の壁を貫通し、冷却剤のらせん
152 中における通過を促進する冷却ポート159 で終端し
ている。
【0068】プラズマ陰極電子銃160 はハウジング153
の一方の端部に取付けられ、ビームコレクタ162 は他方
のハウジング端に位置されている。電子銃160 は、絶縁
体165 上に支持されたグリッド163 および164 を含んで
いる。グリッド163 および164 間に印加された電圧によ
って、プラズマ陰極電子銃におけるプラズマ168 から電
子ビーム167 を抽出する加速領域166 が生成される。電
気的に同調可能な短絡装置151 は、反射導波管157 を終
端するように位置され、また真空窓170 は出力導波管15
8 を横断して位置されている。
【0069】動作において、ハウジング153 はイオン化
可能なガス171 で充填され、プラズマ陰極電子銃160 に
よって電子ビーム167 がらせん152 を通って注入され
る。ビームの負の空間電荷は、ビーム167 の電子により
ガス171 中で生成されたプラズマチャンネルによって中
性化されるため、このビーム167 は通常の磁気集束構造
の補助なしに閉じ込められ、かつらせん152 を通って移
送される。エネルギは、らせん152 に沿って成長するマ
イクロ波エネルギに電子ビーム167 から結合され、また
出力導波管158 によってらせんの端部155 から結合され
る。電子ビームの残りのエネルギは、コレクタ162 にお
いて消費される。
【0070】プラズマで補助されたマイクロ波発振器15
0 のプロトタイプは、例えば〜100マイクロ秒のパル
ス幅を有する>20kWの高電力パルスを発生してい
る。出力導波管158 における電力は、反射導波管157 に
おける電気短絡板の位置の関数であることが実験で証明
されている。出力導波管158 で選択された出力電力を得
るために、マイクロ波エネルギは、対応した位相で短絡
板から反射されなければならない。例えばある試験で
は、出力電力は、要求された位相変化を生じるように短
絡板が反射導波管157 中で機械的に移動されたときに3
dbの範囲にわたって変化した。
【0071】機械的な短絡板の調節は面倒であり、時間
のかかる操作である。電気的に同調可能な短絡装置151
は同様の機能をするが、迅速な調節を容易にする。電気
的に同調可能な短絡装置151 は、プラズマで補助された
マイクロ波発振器150 からの各マイクロ波パルスに対す
る異なる反射された位相の選択を容易にする。この機能
は、例えば周波数アジル(agile)発振器において
使用されることができる。発振器の周波数はパルス毎に
変化するため、電気的に同調可能な短絡装置151 は実質
的に一定の出力電力を維持するように、或はその代りに
隣接したパルスに対して異なる電力を選択するようにプ
ログラムされることができる。
【0072】本発明のトリガーされたプラズマスイッチ
は、高電力のマイクロ波信号の伝播路を制御するのに特
に適している。通常のマイクロ波スイッチと比較して、
それらは簡単で廉価であり、迅速に(例えば、<5マイ
クロ秒)、高速で(例えば、>>100Hz)切替える
ことができ、低エネルギのトリガーパルス(例えば、<
0.1ジュール)しか必要としない。
【0073】それらは伝送状態において低い挿入損失を
示し、かつ反射状態で高い位相安定性を示す。多数の通
常のマイクロ波スイッチとは対照的に、本発明のスイッ
チはスイッチングプロセスによって消耗される部分を含
まず、例えば図1および2の電極36並びに図3および4
の電極87および88は電流を伝送するが、プラズマ生成中
に材料を提供しない。これは、通常のマイクロ波スイッ
チにおいて性能低下を生じさせる真空窓上への材料の付
着を減少させる。
【0074】本発明のいくつかの実施形態を図示し、説
明してきたが、当業者は種々の変形および別の実施形態
を認識するであろう。このような変形および別の実施形
態は、添付された特許請求の範囲に限定された本発明の
技術的範囲を逸脱することなく認識され、また実現され
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトリガープラズママイクロ波スイ
ッチの斜視図。
【図2】図1のトリガープラズママイクロ波スイッチを
含むマイクロ波スイッチシステムの平面図。
【図3】トリガープラズマ発生器の第1の実施形態がト
リガープラズマ発生器の第2の実施形態で置換された図
2のトリガープラズマスイッチの部分的平面図。
【図4】図3の平面4−4に沿った断面図。
【図5】図1のプロトタイプのトリガープラズママイク
ロ波スイッチに供給されたトリガーパルスおよび入射マ
イクロ波信号を示すグラフ図と、そのトリガーパルスお
よび入射マイクロ波信号に応答して図1のトリガープラ
ズママイクロ波スイッチから伝送および反射されたマイ
クロ波信号を示すグラフ図。
【図6】図1のトリガープラズママイクロ波スイッチを
含むマイクロ波スイッチングシステムの平面図。
【図7】図1のトリガープラズママイクロ波スイッチを
含む同調可能な短絡装置の側面図。
【図8】図7の曲線8 内の構造の拡大図。
【図9】図7のプロトタイプの同調可能な短絡装置にお
ける測定された位相安定性を示すグラフ図。
【図10】図7の同調可能な短絡装置を具備しているプ
ラズマで補助されたマイクロ波発振器の側面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョゼフ・サントル アメリカ合衆国、カリフォルニア州 91301、アゴーラ・ヒルズ、ナンバー1901、 ロスト・ヒルズ・ロード 4240 (72)発明者 ロバート・エル・ポースチェル アメリカ合衆国、カリフォルニア州 91360、サウザンド・オークス、カレ・コ ラード 935 (72)発明者 ジョン・ダブリュ・ゲーステンバーグ アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92530、レイク・エルシノール、エッジウ ォーター・コート 29001

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択されたスペシーのイオン化ガスを与
    え、 このガスの圧力を調整して、マイクロ波信号の入射がガ
    ス中のシード電子から反射電子密度Nr を有するプラズ
    マを発生させ、この反射電子密度Nr は前記プラズマか
    ら前記マイクロ波信号を反射するのに十分のものであ
    り、 前記マイクロ波信号を前記ガスに入射させ、 前記ガス中において前記シード電子を選択的に発生させ
    て前記プラズマから離れる第1の通路に沿って前記マイ
    クロ波信号を導き、または前記シード電子の発生をなく
    して前記ガスを通過する第2の通路に沿って前記マイク
    ロ波信号を導くステップを有することを特徴とする第1
    および第2の信号路に沿ってマイクロ波信号を選択的に
    導く方法。
  2. 【請求項2】 前記シード電子を選択的に発生させるス
    テップは前記ガス中に突出する電極に電位を供給するス
    テップを含んでいる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記シード電子を選択的に発生させるス
    テップは前記ガス中に紫外線を導くステップを含んでい
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 選択されたスペシーのイオン化ガスを与
    え、 このガスの圧力を選択して、マイクロ波信号の入射がガ
    ス中のシード電子から反射電子密度Nr を有するプラズ
    マを発生させ、この反射電子密度Nr は前記プラズマか
    ら前記マイクロ波信号を反射するのに十分のものであ
    り、 入力ポートからそれぞれ異なった通路長を有するように
    直列に接続されたガス区画室に前記ガスを分割し、 前記マイクロ波信号を前記入力ポートに入射させ、 前記ガス区画室の選択されたものにおいてシード電子を
    発生させて前記マイクロ波信号を選択された信号通路に
    沿って前記ガス区画室から前記入力ポートへ前記選択さ
    れた信号通路に関連する位相で反射するステップを有す
    ることを特徴とするマイクロ波信号の選択された位相を
    得る方法。
  5. 【請求項5】 前記シード電子を発生させるステップは
    前記ガス中に突出する電極に電位を供給するステップを
    含んでいる請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記シード電子を発生させるステップは
    前記ガス中に紫外線を導いて光イオン化によりシード電
    子を発生させるステップを含んでいる請求項4記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 第1および第2の信号路に沿ってマイク
    ロ波信号を選択的に導くためのトリガー可能なマイクロ
    波スイッチにおいて、 マイクロ波伝送部分と、 イオン化可能なガスを含むように前記マイクロ波伝送部
    分によって形成されたマイクロ波容器と、 前記マイクロ波伝送部分によって形成され、前記マイク
    ロ波容器と連絡している入力ポートおよび出力ポート
    と、 電圧トリガー信号に応じて前記ガス中にトリガー電子密
    度Nt を発生するように構成されたトリガーされるプラ
    ズマ発生器とを具備し、 前記トリガー電子密度Nt が存在するとき前記マイクロ
    波信号は前記入力ポートから第1の通路に沿って反射さ
    れ、前記トリガー電子密度Nt が存在しないとき前記マ
    イクロ波信号は第2の通路に沿って前記出力ポートに導
    かれることを特徴とするトリガー可能なマイクロ波スイ
    ッチ。
  8. 【請求項8】 前記トリガーされるプラズマ発生器は、
    前記ガス中に突出して前記電圧トリガー信号を受けるよ
    うに構成された電極を具備している請求項7記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記トリガーされるプラズマ発生器は、 アーク室を形成する容器と、 前記マイクロ波容器と前記アーク室との間の連絡を容易
    にするための前記伝送部分に設けられた1以上の穴と、 前記アーク室内に位置して前記電圧トリガー信号を受
    け、紫外線放射を含むアークを発生する1対の電極とを
    具備している請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 それぞれ入力ポートおよび出力ポート
    を備え、入力ポートからのマイクロ波信号を選択的に反
    射し、トリガー信号に応じて入力ポートからのマイクロ
    波信号を出力ポートに伝送させるように構成されている
    複数のマイクロ波スイッチと、 前記複数のマイクロ波スイッチの第1のものの入力ポー
    トによって形成された入口ポートとを具備し、 前記複数のマイクロ波スイッチは直列に接続されて他の
    スイッチの入力ポートが第1のスイッチから互いに異な
    る通路長で間隔を隔てられ、 前記複数のマイクロ波スイッチの異なるものにトリガー
    信号を選択的に印加することにより、前記入口ポートで
    受信されたマイクロ波信号を、それが前記入口ポートに
    送り帰されるとき異なった通路長を伝送するようにされ
    ていることを特徴とする同調可能なマイクロ波短絡装
    置。
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