JPH10319444A - プログラマブル光信号処理装置およびその制御方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

プログラマブル光信号処理装置およびその制御方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体

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JPH10319444A
JPH10319444A JP9129011A JP12901197A JPH10319444A JP H10319444 A JPH10319444 A JP H10319444A JP 9129011 A JP9129011 A JP 9129011A JP 12901197 A JP12901197 A JP 12901197A JP H10319444 A JPH10319444 A JP H10319444A
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phase
control
light
optical
optical signal
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Application number
JP9129011A
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English (en)
Inventor
Kaname Jinguji
要 神宮寺
Koichi Takiguchi
浩一 瀧口
Katsunari Okamoto
勝就 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の光信号処理の要求に回路パラメータを
変えるだけで自由に対応可能な光信号処理を提供。 【解決手段】 光源11は信号光と異なる波長 の制御
光を発振する。位相変調用発振器15は位相制御器4,
5に位相変調を与える。ロックインアンプ16は受光部
12で受けた制御光から位相変調用発振器と同じ周波数
で変調された信号を分離する。電力制御部14は方向性
結合器3と位相制御器4,5に供給する電力量を制御す
る。計算部13は全ての可変方向性結合器の結合率を0
または100%に設定するための制御値を測定し、各可
変方向性結合器の結合率を0から100%に設定するた
めの制御値の変化を測定し、位相制御器に0位相状態を
実現するための制御値を測定し、位相制御器に0位相状
態からπ位相状態に変化するための制御値の変化量を測
定し、これら測定した制御値を基に各可変方向性結合器
の結合率と各位相制御器の位相量を所望の値に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光交換、
光コンピューティング等の高速で広帯域性が要求される
波長多重通信等の高度情報処理分野で、高度で任意の光
信号処理を行うためのプログラマブルな光信号処理装置
とその制御方法並びにその制御プログラムを記録した記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信、光交換、光コンピューテ
ィングの分野で、光信号を電気信号に変換せずに光のま
まで、広帯域、高速にフィルタリング処理を行うことが
可能な光信号処理器が注目を集めている。
【0003】このような光信号処理器としてはこれま
で、トランスバーサル構成、あるいは多段にリング導波
路を接続した構成等、各種の構成をもつ光回路が報告さ
れているが、マッハツェンダ干渉計を多段に接続したラ
ティス構成の光回路(K. Jinguji and M. Kawachi, "Syn
thesis of coherent two-port lattice-form optical d
elay-line circuit", Journal of Lightwave Technolog
y, Vol.13, No.1, pp.73-82, Jan. 1995、および特開平
7−281215号公報)が、回路固有の損失がなく、
また広帯域な光信号処理が可能なことから実用上最も注
目されている。本発明はこのラティス構成の光回路を内
蔵する光信号処理装置に関するものである。上記文献に
は、ラティス構成の光回路における所望特性を実現する
ための回路パラメータの求め方が記載されている。
【0004】ラティス構成の光回路を用いて実際に光信
号処理を行う際、処理精度を求める最も重要な要因は光
回路の回路パラメータの設定精度である。従来、回路パ
ラメータを設定する方法として、以下の手法が提案され
ている。
【0005】従来例1)従来例1の光信号処理用光回路
の回路構成とその周辺装置構成を図6に示す。この光信
号処理回路200は、2本の光導波路1,2と、この2
本の導波路をN+1カ所の異なる位置で結合するN+1
個の可変方向性結合器3からなり、N+1個の可変方向
性結合器3に挟まれたNカ所の2本の光導波路がそれぞ
れ一定の光路長差を持ち、そのNカ所における2本の光
導波路上の少なくとも一方に位相制御器4または5を有
する回路構成を採用している。計算部13は電力制御部
14により可変方向性結合器3と位相制御器4,5への
供給電力量を制御することにより、任意の光信号処理機
能をプログラミング可能にしている。その際、計算部1
3は各光導波路に追加されたモニタ用の出力端子17か
らの光強度を光強度測定用受光部12を介して測定する
ことにより、各光導波路を通過する伝搬光の光強度を求
め、現在の回路パラメータの値を推定し、電力制御部1
4を制御して所望の値との誤差を修正する(特開平7−
218215号公報)。
【0006】従来例2)従来例2の光信号処理用光回路
の回路構成とその周辺装置構成を図7に示す。光信号処
理用光回路200に複数の波長を有する制御用光源1
1、および微小結合率を有する3個の光結合器18を用
いている。計算部13は波長選択機能を有する光強度・
位相測定部19−1,19−2を介して各波長ごとに2
つの出力端子からの伝搬光(制御光)の光強度および位
相を測定し、現在の回路パラメータの値を推定し、電力
制御部14を制御して所望の値との誤差を修正する(特
開平7−281215号公報)。
【0007】従来例3)従来例3の光信号処理用光回路
の回路構成とその周辺装置構成を図8に示す。光信号処
理用光回路200に複数の波長を有する制御用光源1
1、および微小結合率を有する3個の光結合器18を用
いている。計算部13は波長選択機能を有する光強度測
定部20−1,20−2を介して制御光の各波長ごとに
2つの出力端子からの光強度を測定し、現在の回路パラ
メータの値を推定し、電力制御部14を制御して所望の
値との誤差を修正する(C. K. Madsen and J. Z.Zhao, "
A general planar waveguide autoregressive optical
filter", Journal of Lightwave Technology, Vol.14,
No.3, pp.437-447, Mar. 1996) 。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
3つの従来の手法にはそれぞれ以下のような解決すべき
課題があった。
【0009】従来例1では、図6に示すように、各段の
光導波路にそれぞれモニタ用の出力端子17を設置して
いることにより、これらの多数の出力端子17からの光
信号の漏洩が起こり、回路全体で無視できない程の損失
をもたらすため、低損失な光信号処理回路を作製するこ
とが難しかった。
【0010】従来例2では、図7に示すように、受光部
でもある測定部19−1,19−2で出力光に関し、光
強度の他に位相も測定する必要があり、そのため装置が
複雑になった。また、測定結果から回路パラメータを計
算する際、複雑な計算を行う必要があった。
【0011】従来例3では、従来例2と同様に、測定結
果から回路パラメータを計算する際、複雑な計算を行う
必要がある。さらに、図8に示すように、測定部20−
1,20−2で光強度のみを測定しているために情報が
不足しており、測定値からは回路パラメータが一義的に
決められず、2N 通り(N:ラティスの段数)の回路パ
ラメータが得られる。そのため、これらの2N 通りの回
路パラメータ中から被試験光回路の回路パラメータを決
定するために、被試験光回路の同一基板上に、被試験光
回路に含まれる方向性結合器と同一の方向性結合器を単
体で作り込み、その方向性結合器について個別に結合率
を測定することにより、2N 通りの回路パラメータの中
からその測定結果に一番合う回路パラメータを採用する
という方法が取られていた。しかし、この従来方法で
は、段数が多くなるにつれて、回路パラメータを正確に
推定することが難しいという課題があった。
【0012】さらに、上に述べた3つの従来例には、共
通して回路パラメータの設定精度に関する解決すべき課
題があった。
【0013】まず、従来例1では、複数の光強度モニタ
用の出力端子17のために、それら端子からの光の漏洩
は無視できず、光強度測定に誤差が生じた。
【0014】従来例2では、測定結果から直接回路パラ
メータを設定するのではなく、複雑な計算により回路パ
ラメータの設定が行われるため、その設定に誤差が入り
やすかった。
【0015】従来例3では、従来例2と同様に、回路パ
ラメータ設定には複雑な計算が必要であり、さらに一義
的には回路パラメータを決定できないため、回路パラメ
ータの設定精度の改善が難しいという課題があった。
【0016】本発明は、上述のような従来技術の有する
課題を解決するために、光信号処理用光回路の回路パラ
メータを所望の値に正確に設定可能なプログラマブル光
信号処理回とその制御方法並びにその制御プログラムを
記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のプログラマブル光信号処理装置の発明
は、2本の光導波路がN+1カ所(Nは正の整数)の異
なる位置で可変方向性結合器により結合され、N+1個
の前記可変方向性結合器にそれぞれ挟まれたNカ所の前
記2本の光導波路がそれぞれ一定の光路長差を持ち、前
記Nカ所における前記2本の光導波路上の少なくとも一
方に位相制御器を有するプログラマブルな光信号処理用
光回路を備え、該光信号処理用光回路の周辺に、制御光
を1つあるいは複数の波長で発振可能な光回路制御用光
源と、前記光信号処理用光回路の出力端から信号光およ
び前記制御光を受光する受光部と、前記位相制御器に位
相変調を与える位相変調用発振器と、前記受光部で受け
た光信号の中から前記位相変調用発振器と同じ周波数で
変調された信号を分離するロックインアンプと、前記N
+1個の可変方向性結合器とNあるいは2N個の前記位
相制御器に供給する電力量を制御する電力制御部と、前
記光信号処理用光回路の回路パラメータを設定するため
の所定の制御手順をあらかじめ格納し、該制御手順に従
い、位相同期検波により前記ロックインアンプから得ら
れる測定値に基づいて前記光回路制御用光源、前記位相
変調用発振器、前記電力制御部を動作させることによ
り、各前記可変方向性結合器の結合率と各前記位相制御
器の位相シフト量を所望の値に設定する計算部とを配し
たことを特徴とする。
【0018】ここで、前記光回路制御用光源が、前記光
信号処理用光回路により処理されるべき信号光の波長と
異なる発振波長を有するとすることができる。
【0019】また、前記光信号処理用光回路には、前記
光回路制御用光源からの制御光を入力端子に取り込むた
めに、該入力端子に前記制御光と前記信号光の波長の違
いを利用して該信号光の波長に対して0%結合で該制御
光の波長に対して100%結合での結合率を持つ第1の
波長選択結合器が設けられ、再び前記御用光を出力端子
から取り出すために、該出力端子に前記制御光と前記信
号光の波長の違いを利用して該信号光の波長に対して0
%結合で該制御光の波長に対して100%結合での結合
率を持つ第2の波長選択結合器が設けられ、前記受光部
は該第2の波長選択結合器で分離された前記制御光を受
光するとすることができる。
【0020】更に、前記プログラマブル光信号処理装置
が、信号光出力にあわせて適応的に変更可能な適応等化
器として機能するとすることができる。
【0021】請求項5に記載の制御方法の発明は、請求
項1ないし4のいずれかに記載のプログラマブル光信号
処理装置において、全ての前記可変方向性結合器の結合
率を0%あるいは100%の基準値に設定するための該
可変方向性結合器の制御値を測定する第1の手順と、各
前記可変方向性結合器の結合率を0%から100%まで
変化させるために必要な制御値の変化量を測定する第2
の手順と、各前記位相制御器の0位相状態を実現するた
めの制御値を測定する第3の手順と、各前記位相制御器
の0位相状態からπ位相状態に変化するための該位相制
御器の制御値の変化量を測定する第4の手順と、前記第
1の手順から前記第4の手順で測定した制御値を基にし
て、N+1個の前記可変方向性結合器の結合率とNある
いは2N個の前記位相制御器の位相シフト量を所望の値
に設定する第5の手順とを有することを特徴とする。
【0022】ここで、前記第1の手順において、Nある
いは2N個の前記位相制御器に位相変調を与え、出力光
の中から位相変調周波数成分を同期検波し、該位相変調
周波数成分が0または最大値となるように前記電力制御
部からの電力量を調整することで、各前記可変方向性結
合器の結合率を0%あるいは100%に設定するとする
ことができる。
【0023】また、前記第2の手順において、対象とす
る可変方向性結合器以外の可変方向性結合器を全て0%
結合に設定し、当該対象の可変方向性結合器に含まれる
位相制御器に前記電力制御部から電力を供給し、前記受
光部を通じて透過光強度を測定し、該測定した一周期の
透過光強度に対応する電力供給量の変化を測定すること
で該透過光強度と電力供給量の関係を調べるという工程
を、対象の可変方向性結合器を順に変えながら実行する
とすることができる。
【0024】更に、前記第3の手順および第4の手順を
同時に行うため、対象とする1つの位相制御器を選択
し、該位相制御器を挟む隣り合う2つの前記可変方向性
結合器を共に3dB結合に設定し、他の可変方向性結合
器は0%結合に設定し、当該対象の位相制御器に供給す
る前記電力制御部からの電力量を変化させ、前記受光部
を通じて透過強度を測定し、このとき他の位相制御器の
電力供給は0とし、当該対象の位相制御器に供給する電
力量と一周期の前記透過強度の関係を調べるという工程
を、対象の位相制御器を順に変えながら実行するとする
ことができる。
【0025】更に、前記第5の手順において、前記第1
から第4の手順の測定で得られた、N+1個の各前記可
変方向性結合器の結合率を0%にするための電力供給量
と、0%から100%へ変化させるための電力供給量の
変化量にも基づいて、任意の結合率を設定するための電
力量を求め、また前記第1から第4の手順の測定で得ら
れた、Nあるいは2N個の前記位相制御器の位相シフト
を0にするための電力供給量と、該位相シフトを0から
πへ変化させるための電力供給量の変化とに基づいて、
任意の位相シフトを設定するための電力量を求めるとす
ることができる。
【0026】請求項10の記録媒体の発明は、ラテイス
構成の光信号処理用光回路を有するプログラマブル光信
号処理装置の回路パラメータをコンピュータによって設
定するための制御プログラムを記録した記録媒体であっ
て、該制御プログラムはコンピュータに、前記光信号処
理用光回路の全ての可変方向性結合器の結合率を0%あ
るいは100%の基準値に設定するための該可変方向性
結合器の制御値を測定させ、各前記可変方向性結合器の
結合率を0%から100%まで変化させるために必要な
制御値の変化量を測定させ、前記光信号処理用光回路の
各位相制御器の0位相状態を実現するための制御値を測
定させ、各前記位相制御器の0位相状態からπ位相状態
に変化するための該位相制御器の制御値の変化量を測定
させ、前記測定させた各制御値を基にして、N+1個の
前記可変方向性結合器の結合率とNあるいは2N個の前
記位相制御器の位相シフト量を所望の値に設定させるこ
とを特徴とする。
【0027】本発明は、上記構成により、光強度測定用
出力端子は1あるいは2個でよく、従来例1のように光
強度測定用に各段の光導波路に追加されたモニタ用の出
力端子17を必要とせず、余分な光信号漏洩がなく低損
失な光信号処理が実現される。
【0028】また、本発明による回路パラメータの設定
手順によれば、各可変方向性結合器の結合率を一義的に
任意に設定可能であリ、また各位相制御器の位相シフト
量を一義的に任意に設定可能であるので、これにより回
路パラメータを一義的にしかも任意に設定可能となる。
従来例2では複数の光回路制御用波長に対する振幅特性
と位相特性を測定する必要があるが、本発明の回路パラ
メータ設定手順によれば、1つまたは複数の光回路制御
用波長に対する強度の測定だけでよく、受光部には位相
を測定するための測定器が不要になる。また、本発明で
の設定手順では、計算を行う部分はなく、従来例2およ
び3のような複雑な計算を必要としない。また、本発明
の設定手順に従えば、上記のように一義的に回路パラメ
ータの設定が可能であり、従来例3で述べた回路パラメ
ータの設定に任意性が現れるという問題はない。
【0029】さらに、全ての従来例1〜3では回路パラ
メータの設定精度に問題があったが、本発明では測定結
果から計算をせずに直接回路パラメータが設定されるた
め、回路パラメータの設定に誤差が入る要因が少なく、
高精度な回路パラメータの設定が可能である。文献(K.
Jinguji and M. Kawachi, "Synthesis of coherent two
-port latteice-form optical delay-line circuit", J
ournal of LightwaveTechnology, Vol.13, No.1, pp.73
-82, Jan. 1995)によれば、高精度な光信号処理を行う
ためには回路パラメータの設定精度は10-3以上の精度
が要求されるが、本発明の制御方法を用いることにより
10-3以上の精度が実現される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0031】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態におけるプログラマブル光信号処理装置の構成を図1
に示す。図1において、100はラテイス構成のプログ
ラマブルな光信号処理用光回路であり、2本の光導波路
1,2、N+1個の可変方向性結合器3、Nまたは2N
個の位相制御器4,5、および一対の波長選択結合器1
0A,10Bを有する。2本の光導波路1,2はN+1
(Nは正の整数)個所の異なる位置で結合率可変な可変
方向性結合器3(3−1〜3−(N+1))により結合
されている。N+1個の各方向性結合器3によりそれぞ
れ挟まれたN個所の2本の光導波路1,2のそれぞれの
少なくとも一方に、N個あるいは2N個の位相制御器4
(4−〜4−N),5(5−1〜5−N)が配設されて
いる。
【0032】この光信号処理用光回路100の周辺に、
光回路制御用の周辺構成として、光源(光回路制御用光
源)11、受光部12、位相変調用発振器15、ロック
インアンプ16、計算部13、および電力制御部14が
接続している。光源11は入力信号光の波長λsignal
異なる1つあるいは複数の波長λcontrol の制御光(光
回路制御光)を発振する。このように両者の波長を異な
らせているのは信号光と制御光とが混合することを避け
るためである。波長選択結合器10A,10Bはその両
者の波長の違いを利用して制御光と、信号光を分離す
る。
【0033】受光部12は2本の光導波路1,2、可変
方向性結合器3、および位相制御器4,5等を通って波
長選択結合器10Bで信号光と分離された制御光を受光
する。位相変調用発振器15は位相制御器4,5に位相
変調を与えるための信号を発振する。ロックインアンプ
16は受光部12と位相変調用発振器15と電気結線で
結ばれ、受光部12で受けた光の中から位相変調用発振
器15と同じ周波数で変調された信号を分離する。電力
制御部14は光回路100のN+1個の方向性結合器3
と、Nあるいは2N個の位相制御器4,5とに供給する
電力量を制御する。
【0034】計算部13は制御用光源11、受光部1
2、位相変調用発振器15、ロックインアンプ16およ
び電力制御部14と電気結線で結ばれ、その内部メモリ
(図示しない)に装置全体を動かすためのアルゴリズム
(制御手順)が格納され、そのアルゴリズムに従って装
置の各構成要素、すなわち制御用光源11、受光部1
2、位相変調用発振器15、ロックインアンプ16およ
び電力制御部14が動作するようになっている。電力制
御部14、位相変調用発振器15およびロックインアン
プ16は、この計算部13の制御の下に、全ての可変方
向性結合器3の結合率を0%あるいは100%に設定す
るための制御値を測定し、次いで各可変方向性結合器3
の結合率を0%から100%設定するための制御値の変
化を測定し、次に位相制御器4,5に0位相状態を実現
するための制御値を測定し、次に位相制御器4,5に0
位相状態からπ位相状態に変化するための位相変調を与
えてそのときの制御値の変化量を測定し、最後にこれら
測定した制御値を基に、N+1個の可変方向性結合器3
の結合率と、Nあるいは2N個の位相制御器4,5の位
相量を所望の値に設定するのに用いられる。また、これ
ら測定結果も計算部13に集められ、その測定結果を基
に計算部13により電力制御部14が制御される。
【0035】プログラマブルな光信号処理用光回路10
0の回路構成は2本の光導波路1,2とその2本の光導
波路をN+1カ所の異なる位置で結合するN+1個の結
合率可変な可変方向性結合器3からなる構成を有し、全
体として非対称マッハツェンダ干渉計を直列に多段に並
べた構成をしている。各非対称マッハツェンダ干渉計を
構成する2本の光導波路1,2はそれぞれ一定の光路長
差を持ち、これら光導波路上の少なくとも一方に所望の
位相シフトを施す位相制御器4,5を配した構成を取っ
ている。
【0036】光信号処理用光回路100の入力端子6に
は、信号光波長λsignalに対して0%結合で光回路制御
用光波長λcontrol に対して100%結合の結合率を持
つような波長選択結合器10Aを設けて、制御用光源1
1からの制御光を入力端子21を通じて光導波路1に取
り込んでいる。また、この光回路100の出力端子9に
も同様に、信号光波長λsignalに対して0%結合で光回
路制御用光波長λcontrol に対して100%結合の結合
率を持つような波長選択結合器10Bを設けて、制御光
を出力端子22から取り出し、かつ出力端子9に制御光
が混入しないようにしている。
【0037】一例として、上記プログラマブル光信号処
理用光回路100は、火炎堆積法とフォトリソグラフィ
を基礎とした量産性に優れた石英系平面光回路を用いて
作製された。2本の光導波路1,2の光路長差は、波長
1.55μmで100GHzの周波数間隔に対応する
2.074mmに設定した。本実施形態では、基板とし
てシリコン基板を用い、導波路は基板上に火炎堆積法を
用い石英薄膜を形成し、1および2で示される導波路構
造をフォトリソグラフィ工程により作製した。ここで、
作製された導波路は単一モードになるようにコアサイズ
が決定された。本発明の光回路は、光の干渉、分岐・結
合を利用し、光信号処理を実現しており、導波路内部の
高次モードの存在は性能劣化の原因となる。このため
に、本発明の実施形態では全て単一モード導波路が用い
られている。
【0038】位相制御器4,5は、石英薄膜の上にクロ
ムのヒータを形成することにより作製した。ヒータを加
熱すると、熱光学効果により導波路を形成する石英薄膜
の屈折率が変化し、導波路の光路長を制御することが可
能となる。本実施形態では、2本の導波路1,2の両方
に位相制御器4,5を構成しているが、これは、一方の
みでも制御可能である。ただし、両方の導波路上に形成
することの長所は、一方のみの場合、位相を制御するた
めに、位相制御器には0〜2πの位相変化を要求する
が、両方にある場合には、それぞれの位相制御器に要求
される位相変化量は0〜πと、半分に抑えることができ
る点にある。
【0039】本実施形態で用いた可変方向性結合器3
は、2本の光路長の等しい光導波路1,2とその両端に
配した3dB方向性結合器からなる対称なマッハツェン
ダ干渉計から構成されている。各光導波路1,2上に
は、クロムヒータにより作製された位相制御器4,5が
配されている。この位相制御器4,5に関しても、上記
と同様に、一方の導波路上だけにヒータを設置しても、
両方の光導波路上ヒータを設置しても、同様に可変方向
性結合器が構成される。
【0040】この位相制御器4,5を用い、2本の光導
波路1,2間の位相差を0〜π変化させることにより、
結合率を100%から0%に変化させることができる。
また、この光路長が等しい対称マッハツェンダ構成の可
変方向性結合器3では、そこに設けられた位相制御器
4,5の位相シフト量が0の時に100%結合の方向性
結合器となり、位相シフト量がπの時に0%結合の方向
性結合器となる。位相制御器4,5の位相シフト量が0
の時、0%結合の方向性結合器となるように、あらかじ
め2本の導波路の光路長を半波長ずらしておくことも可
能である。
【0041】また、本実施形態では、環境温度変動の影
響を除去するために、光回路全体をペルチェ素子上にの
せ、光回路の温度を0.1度程度の精度で制御した。ま
た、この実施形態では、制御光を取り出す端子は、制御
光を入力した端子21とは対角の出力端子22に設けら
れている。
【0042】光回路100のN+1個の可変方向性結合
器3の結合率と、Nあるいは2N個の位相制御器4,5
の位相量を、所望の値に設定するための手順を図2、図
3に示す。回路パラメータを設定するための手順は大き
く分けて以下の5つの手順からなる。これらの手順は全
て計算部13にアルゴリズム(制御プログラム)の形で
内包されており、この手順に従って、計算部13の命令
により、装置の各構成要素が動作するように仕組まれて
いる。このため、本光信号処理装置は完全自動化されて
いる。
【0043】手順1)全ての可変方向性結合器3の結合
率を0%あるいは100%に設定するための可変方向性
結合器3の制御値を測定する(可変方向性結合器の基準
値設定手順)。
【0044】手順2)各可変方向性結合器3の結合率を
0%から100%まで変化させるために必要な制御値の
変化量を測定する(可変方向性結合器の周期値測定手
順)。
【0045】手順3)各位相制御器4,5の0位相状態
を実現するための制御値を測定する(位相制御器の基準
値設定手順)。
【0046】手順4)各位相制御器4,5の0位相状態
からπ位相状態に変化するための位相制御器4,5の制
御値の変化量を測定する(位相制御器の周期値測定手
順)。
【0047】手順5)上記手順1〜手順4で測定した制
御値を基に、N+1個の可変方向性結合器3の結合率
と、Nあるいは2N個の位相制御器4,5の位相量を所
望の値に設定する。
【0048】上記各手順について以下に詳細に説明す
る。本実施形態では、可変方向性結合器3として、2つ
の3dB方向性結合器に挟まれた位相制御器4,5を有
する光路長が等しい2本の光導波路1,2から構成され
る対称マッハツェンダ構成の可変方向性結合器を用いて
いる。ここでの、可変方向性結合器3の制御値は当該可
変方向性結合器内の位相制御器に付加される電力量に対
応する。
【0049】(手順1の詳細)手順1では、図2の
(A)に示すように、位相変調用発振器15を用いて位
相制御器4あるいは5に位相変調を与え、受光部12か
ら得られる出力光の中から位相変調周波数成分をロック
インアンプ16により同期検波し、その位相変調周波数
成分が0となるように電力制御部14の電力量を調整す
ることで各可変方向性結合器3の結合率を0%に設定し
ていく。細かい手順(ステップ)は以下の通りである。
【0050】位相変調用発振器15を用いて、位相制御
器4(あるいは5)に対して、出力端子側から4−N,
4−(N−1),…,4−2,4−1の順に一つずつ、
位相変調を与えていく。残りの位相制御器5(あるいは
4)に対しては位相変調を与える必要はなく、手順1の
期間、固定しておく。
【0051】手順1−1: 最初に、位相制御器4−N
のみに位相変調を与える。制御光強度を、入力端子21
とは対角な出力端子22に設けられた受光器12で検出
し、その検出信号をロックインアンプ16に入れ、検出
信号の中から位相変調周波数成分を同期検波する。そし
て、この位相変調周波数成分が0となるように、可変方
向性結合器3−(N+1)内の位相制御器に供給する電
力制御部14の電力量を調整する。この操作により、可
変方向性結合器3−(N+1)は0%結合に調整され
る。
【0052】受光部12を入力端子21とは対角な出力
端子22に設けた理由は、受光部12で位相変調周波数
成分が0となる時に、可変方向性結合器3−(N+1)
が0%結合になるようにするためである。一般に、光強
度の最大点の測定よりも最小点の測定の方が測定精度を
上げることが可能であるので、本実施形態では、受光部
12を入力端子21とは対角な出力端子22上に設けた
のである。
【0053】手順1−2: 次に、可変方向性結合器3
−(N+1)は0%結合のままに、位相制御器4−(N
−1)のみに位相変調を与える。制御光強度を受光器1
2で検出し、その検出信号をロックインアンプ16に入
れ、検出信号の中から位相変調周波数成分を同期検波す
る。そして、この位相変調周波数成分が0となるよう
に、可変方向性結合器3−N内の位相制御器に供給する
電力量を調整する。この操作により、可変方向性結合器
3−Nは0%結合に調整される。
【0054】手順1−3: 次に、可変方向性結合器3
−(N+1)と3−Nは0%結合のままに、位相制御器
4−(N−2)のみに位相変調を与える。制御光強度を
受光器12で検出し、その検出信号をロックインアンプ
に入れ、検出信号の中から位相変調周波数成分を同期検
波する。そして、この位相変調周波数成分が0となるよ
うに、可変方向性結合器3−(N−1)を0%結合に調
整する。
【0055】手順1−4: 同様の手順を、位相制御器
に対して、出力端子側から4−(N−3),…,4−
2,4−1の順に、位相変調を繰り返していき、可変方
向性結合器3−(N−2),…,3−3,3−2の結合
率を0%に調整していく。
【0056】手順1−5: 最後に、可変方向性結合器
3−(N+1)〜3−2までを0%結合のままにして、
制御光強度を受光器12で検出し、その検出信号強度が
0となるように、可変方向性結合器3−1内の位相制御
器に供給する電力量を調整する。この操作により、可変
方向性結合器3−1は0%結合に調整される。
【0057】このようにすれば、すべての可変方向性結
合器3−(N+1)〜3−1が0%結合に調整される。
【0058】(手順2の詳細)手順2では、図2の
(B)で示すように、各可変方向性結合器3−(N+
1)〜3−1の結合率を0%から100%まで変化させ
るために必要な制御値の変化量を測定する。各可変方向
性結合器は、当該可変方向性結合器内の位相制御器の位
相シフト量が0の時に100%結合の方向性結合器とな
り、位相シフト量がπの時に、0%結合の方向性結合器
となる。このことから、各可変方向性結合器の結合率を
0%から100%まで変化させるために必要な制御値の
変化量は、各可変方向性結合器内に位相制御器の位相シ
フト量をπから0に変化させるために各位相制御器に与
えられるべき電力量に対応するということがわかる。以
下、具体的にこの電力量の測定手順を述べる。
【0059】手順2−1: まず、可変方向性結合器3
−(N+1)以外の方向性結合器を全て0%結合に設定
する。可変方向性結合器3−(N+1)に含まれる位相
制御器に電力制御部14から電力を供給し、受光部12
で透過強度を測定する。そして、この測定した透過光強
度と電力供給量の関係を計算部13で調べる。透過光強
度は周期的に変化するので、一周期の透過光強度に対応
する電力供給量を測定する。可変方向性結合器3−(N
+1)の結合率を0%から100%まで変化させるため
に必要な制御値の変化量はちょうどこの一周期の透過光
強度に対応する電力供給量の変化量の半分に対応する。
【0060】手順2−2: 次に、可変方向性結合器3
−N以外の方向性係合器を全て0%結合に設定する。可
変方向性結合器3−Nに含まれる位相制御器に電力制御
部14から電力を供給し、受光部12で透過強度を測定
する。そして、この測定した透過光強度と電力供給量の
関係を計算部13で調べる。透過光強度は周期的に変化
するので、一周期の透過光強度に対応する電力供給量を
測定する。可変方向性結合器3−Nの結合率を0%から
100%まで変化させるために必要な制御値の変化量は
ちょうどこの一周期の透過光強度に対応する電力供給量
の変化量の半分に対応する。
【0061】手順2−3: 対象とする可変方向性結合
器を3−(N−1),…,3−1と変えていき、上記と
同様の方法で対象とする可変方向性結合器の結合率を0
%から100%まで変化させるために必要な制御値の変
化量を測定する。
【0062】本例の上記手順2−1〜2−3では測定対
象の可変方向性結合器を3−(N+1),…,3−1と
変えていったが、どのような順序をとることも可能であ
る。
【0063】以上述べた手順1および手順2により各可
変方向性結合器3の結合率を一義的にしかも任意に設定
可能である。
【0064】(手順3および手順4の詳細)手順3およ
び手順4では、図2の(C)に示すように、各位相制御
器4(または5)の0位相状態を実現するための制御値
を測定するとともに、0位相状態からπ位相状態に変化
するための位相制御器の制御値の変化量を測定する。こ
こでは、効率化のために手順3と手順4を同時に行う方
法を述べる。
【0065】手順3,4−1: まず、対象とする位相
制御器として、4−Nを選択する。その位相制御器4−
Nを挟む隣り合う2つの可変方向性結合器3−Nおよび
3−(N+1)を共に上記の手順1と手順2の手法を用
いて3dB結合に設定する。他の可変方向性結合器は0
%結合に設定する。位相制御器4−Nに供給する電力制
御部14の電力量を変化させ、受光部12で透過強度を
測定する。この時、位相制御器5−Nへの電力供給は0
とする。また、他の位相制御器の電力供給は0とする。
そして、位相制御器4−Nに供給する電力量と受光部1
2での透過強度の関係を計算部13で調べる。受光部1
2での透過強度が最大および最小になる電力量を計算部
13で調べる。この透過強度が最大(最小)は、位相制
御器の位相シフト量が0(π)に対応する。また、透過
強度の最小から次の最小までに移動するために必要な電
力量変化の半分が、位相制御器の0位相状態からπ位相
状態に変化するための位相制御器に供給されるべき電力
変化量に対応する。
【0066】手順3,4−2: 次に、対象となる位相
制御器として、4−(N−1)を選択する。その位相制
御器を挟む隣り合う2つの可変方向性結合器として3−
(N−1)および3−Nを選択し、ともに手順1と手順
2の手法を用いて3dB結合に設定する。他の可変方向
性結合器は0%結合に設定する。位相制御器4−(N−
1)に供給する電力量を変化させ、受光部12で透過強
度を測定する。この時、位相制御器5−(N−1)への
電力供給は0とする。また、他の位相制御器の電力供給
は0とする。そして、位相制御器4−(N−1)に供給
する電力量と受光部12で透過強度の関係を計算部13
で調べる。受光部12での透過強度が最大および最小に
なる電力量を計算部13で調べる。この透過強度が最大
(最小)は、位相制御器の位相シフト量が0(π)に対
応する。また、透過光強度は周期的に変化し、透過強度
の最小から次の最小までの一周期を移動するために必要
な電力量変化の半分が、位相制御器の0位相状態からπ
位相状態に変化するための位相制御器に供給されるべき
電力変化量に対応する。
【0067】手順3,4−3: 対象とする位相制御器
として、4−(N−2),…,4−1を順に選択してい
き、上記と同様の手法で、各位相制御器の0位相状態を
実現するための供給電力量を測定するとともに、0位相
状態からπ位相状態に変化するために必要な位相制御器
の供給電力変化量を測定する。
【0068】本例の上記手順3、4では測定対象の位相
制御器として4−N,…,4−1と順に変えていった
が、どのような順序をとることも可能である。
【0069】以上述べた手順3および手順4により、各
位相制御器の位相シフト量を一義的にしかも任意に設定
可能である。
【0070】(手順5の詳細)手順5では、上記の手順
1〜手順4で測定した制御値を基に、N+1個の可変方
向性結合器3の結合率と、Nあるいは2N個の位相制御
器4、5の位相量を所望の値に設定する。具体的には、
N+1個の各可変方向性結合器3の結合率を0%にする
ための電力供給量と、0%から100%へ変化させるた
めの電力供給量の変化とがわかっているので、任意の結
合率を設定するための電力量を求めることは容易であ
る。また、Nあるいは2N個の位相制御器4、5の位相
シフトを0にするための電力供給量と、位相シフトを0
からπへ変化させるための電力供給量の変化とがわかっ
ているので、任意の位相シフトを設定するための電力量
を求めることは容易である。
【0071】このように、手順1〜手順5までを行うこ
とにより、任意の回路パラメータを一義的に設定可能で
ある。以下では、この設定法を用いて具体的に直線位相
チェビシェフ透過特性の光信号処理を行った例について
述べる。
【0072】本実施形態では、一例として、23段(N
=23)の光信号処理用光回路を作製し、上述の手順1
〜手順5に従って、回路パラメータを設定し、プログラ
マブルな光信号処理に成功した。ここでは、その一例と
して、直線位相チェビシェフ透過特性(J. H. McClella
n, T. W. Parks, and L. R. Labiner : IEEE Trans. Au
dio & Electroacoust.,AU-21, p506, 1975 を参照) を
実現した例を述べる。
【0073】この透過特性は、対角特性(図1の入力端
末6から出力端末9への透過特性)が周波数に比例した
位相特性をもち、群遅延特性で言い替えると一定群遅延
特性をもち、バンドパス形のチェビシェフタイプの透過
特性を実現する。この透過特性の要求特性値を、周波数
間隔:100GHz、透過域周波数:−12.4GHz
〜12.4GHz、透過域左右端における減衰率:3
8.1dBとおいた。文献(K. Jinguji and M. Kawach
i, "Synthesis of coherent two-port lattice-form op
tical deley-line circuit", Journal of Lightwavbe T
echnology, Vol.13, No.1, pp.73-82, Jan. 1995)に従
い、この要求条件を満たす回路パラメータを求め、手順
1〜手順5により、回路パラメータを設定した。図4は
このように設定されたプログラマブル光信号処理装置の
パワー透過強度( 相対周波数(GHz)に対する入力端
子6から出力端子9への光強度透過度(dB)) を測定
した結果を示す。−10GHz〜10GHz付近で設計
通りのチェビシェフタイプの透過特性が得られた。
【0074】(第2の実施形態)以下に説明する本発明
の第2の実施形態は、上述した本発明のプログラマブル
光信号処理装置を適応等化器として用いた場合の実施形
態である。この適応等化が実現可能なのは、制御用光源
11によって信号光の波長とは別の波長の制御用光を用
いることにより、信号光と制御用光を分離可能としてい
るためである。
【0075】長距離光通信において、光信号の伝送帯域
を決定している大きな要因に光ファイバの持つ群遅延分
散がある。これは、光を光ファイバに入射した時、波長
により光の到達時間が異なる現象である。近年の高速光
通信においては、10GHz以上の高速な光パルスが用
いられており、このパルスの中には多くの波長成分が含
まれるために、群遅延分散が通信の伝送帯域を決定する
大きな要因となっている。また、光通信は一つのノード
からもう一つのノードへの点から点の通信から、複数の
ノードからなる面内の通信へと変化しつつある。この場
合、ノードAからノードBへ信号を伝える伝送路は複数
ある。このようなネットワークでは、ノードAからノー
ドBへ信号を伝える際、伝送路は一つに固定されず、全
体の伝送効率が最高になるように伝送路が変更される。
このような可変的なネットワークでは、受光側で群遅延
分散を適応的に等化する必要がある。つまり、伝送路の
変化を吸収して常に群遅延分散を補正するように働く適
応群遅延等化器が必要となる。本発明の第2の実施形態
はこのような群遅延分散に関する適応等化器に本発明の
プログラマブル光信号処理装置を用いたものである。
【0076】図1を参照して説明する。本実施形態で用
いた光信号処理用光回路100の段数Nは8段である。
2本の光導波路1,2の光路長差は、波長1.55μm
で80GHzの周波数間隔に設定した。この光路長差は
遅延時間差に換算すると12.5psに対応する。図5
の(A)は本プログラマブル光信号処理装置で可変な群
遅延等化器を構成した時の可変群遅延特性の測定結果を
示す。この測定結果では、−260〜260psec/
nmの可変な群遅延等化特性が実現されている。
【0077】本プログラマブル光信号処理装置において
は、伝送路の群遅延特性の適応等化機能を実現するため
に、この光信号処理装置を通過後の信号光の群遅延特性
の監視を刻々行い、その監視結果を基に、本光信号処理
装置の等化特性を最適な特性に変化させている。この
際、光伝送中には、光信号処理用光回路100内に、信
号光と制御用光とが混在して通っている。伝送路の群遅
延特性を測定するためには、信号光と制御用光を分離す
る必要がある。本実施形態では、信号光の波長を1.5
5μmとし、制御用光の波長を1.65μmとした。た
だし、これらの波長は伝送システムにより適当に選択す
ることが可能である。入射端付近で制御用光を光信号処
理用光回路に導入するために、波長により光を選択する
波長選択結合器10Aを設け、出力端付近で制御用光を
光信号処理用光回路から分離・抽出するために、波長に
より光を選択する波長選択結合器10Bを設けた。この
波長選択結合器10A,10Bは波長1.55μmに対
し0%結合を、波長1.65μmに対しては100%結
合を持つように設計されている。
【0078】また、計算部13には、光信号処理用光回
路の制御手順だけでなく、光信号処理装置を通過後の信
号光の群遅延特性の刻々の観測結果から、本光信号処理
装置の最適な等化特性を計算するための計算アルゴリズ
ムも格納されている。
【0079】この計算結果を基に、第1の実施形態で詳
述した制御手順1〜5に従い、光信号処理用光回路の回
路パラメータが最適に設定され、必要な等化特性が実現
される。本実施形態では、回路パラメータを設定するた
めの時間は10秒であり、光信号処理装置を通過後の信
号光の群遅延特性の観測を15秒毎に行った。
【0080】図5の(B)は本プログラマブル光信号処
理装置を群遅延適応等化器として、伝送システムに導入
した時の実験結果を示す。同図は伝送路を伝搬してきた
光パルスの3dBパルス幅の時間変動を表している。こ
の実験では、群遅延適応等化器の機能を確認するため
に、伝送されてきた光信号を2つに分離し、それぞれに
ついて群遅延適応等化器を通過した時のパルス変動を測
定した。図5の(B)において、上の図の波形は群遅延
適応等化器を初期の伝送路Aで群遅延等化特性を最適に
なるように固定した場合を示し、下の図の波形は適応等
化機能を働かせた場合を示す。この伝送システムでは、
時刻t1で伝送路が伝送路Aから伝送路Bに、時刻t2
で伝送路Bから伝送路Cに変化している。等化特性を固
定した場合、伝送路の変化に群遅延適応等化器の等化特
性が最適に対応していないために、伝送路の群遅延分散
の変化を相殺できず、パルス広がりが観測されている。
一方、適応等化を行った場合には、伝送路の変化に関係
なくパルス幅は一定に保たれている。これは、群遅延適
応等化器が伝送路の群遅延分散の変化を適応的に相殺し
ているためである。
【0081】本発明のプログラマブル光信号処理装置
は、回路パラメータを変更することにより、あらゆる機
能が実現可能なため、可変で柔軟な光ネットワークに不
可欠な各種適応等化器として、広い利用が期待される。
【0082】(他の実施形態)以上、第1、第2の実施
形態を用いて、本発明の構成および作用を説明したが、
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例え
ば、本発明では石英平面光回路を用いたが、InGaA
sP系等の半導体、LINbO3 等の電気光学材料、有
機光学材料などの別の材料で平面回路を形成することも
可能である。また、平面回路の代わりに光ファイバを用
いることも可能である。また、上述の実施形態では、位
相制御を行うのに、熱光学効果、および電気光学効果を
用いたが、位相制御の方法としては、他の物理現象、例
えば、カー効果に代表される非線形光学効果、磁気光学
効果等を利用することも可能である。
【0083】また、本発明の装置は、N+1個の可変方
向性結合器に挟まれたNカ所の2本の光導波路がそれぞ
れ一定の光路長差を持つ構成を特徴としているが、その
際、可変方向性結合器に挟まれたNカ所の2本の光導波
路の光路長の長い側を一方に揃えるかどうかという導波
路構成にも本発明は制約されない。例えば、4−1,5
−2,4−3,5−4,…,5−(N−1),4−Nの
位相制御器を有する側の各光導波路の光路を長く取るよ
うな互い違いの配置でも、本光信号処理装置の機能は変
わらない。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速で高帯域性が要求される波長多重通信等の高度情報
処理分野で、各種の光信号処理の要求に回路パラメータ
を変えるだけで自由に対応可能である万能な光信号処理
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプログマラマブル光信号処理装置
の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における回路パラメー
タの設定手順を示す概念図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における回路パラメー
タの設定手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態で実現した光周波数フ
ィルタのチェビシェフタイプの等化特性(回路パラメー
タの設定精度は10の−3乗以下を実現)を示す特性図
である。
【図5】(A)は本発明の第2の実施形態で実現した群
遅延適応等化器の可変群遅延特性を示す特性図であり、
(B)は本発明の第2の実施形態で光ネットワーク伝送
に適応等化器を用いた効果を示す特性図である。
【図6】従来例1の光信号処理用光回路の回路構成とそ
の周辺装置構成を示すブロック図である。
【図7】従来例2の光信号処理用光回路の回路構成とそ
の周辺装置構成を示すブロック図である。
【図8】従来例3の光信号処理用光回路の回路構成とそ
の周辺装置構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 1,2 光導波路 3 可変方向性結合器 4,5 位相制御器 6,7 入力端子 8,9 出力端子 10A、10B 波長選択結合器 11 光回路制御用光源(制御用光源) 12 光強度測定用受光部 13 計算部 14 電力制御部 15 位相変調用発振器 16 ロックインアンプ 17 光強度のモニタ用の出力端子(光信号抽出端子) 18 微小結合率を有する光結合器 19 波長選択機能を有する光強度・位相測定部 20 波長選択機能を有する光強度測定部 21 制御信号入力端子 22 制御信号出力端子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の光導波路がN+1カ所(Nは正の
    整数)の異なる位置で可変方向性結合器により結合さ
    れ、N+1個の前記可変方向性結合器にそれぞれ挟まれ
    たNカ所の前記2本の光導波路がそれぞれ一定の光路長
    差を持ち、前記Nカ所における前記2本の光導波路上の
    少なくとも一方に位相制御器を有するプログラマブルな
    光信号処理用光回路を備え、該光信号処理用光回路の周
    辺に、 制御光を1つあるいは複数の波長で発振可能な光回路制
    御用光源と、 前記光信号処理用光回路の出力端から信号光および前記
    制御光を受光する受光部と、 前記位相制御器に位相変調を与える位相変調用発振器
    と、 前記受光部で受けた光信号の中から前記位相変調用発振
    器と同じ周波数で変調された信号を分離するロックイン
    アンプと、 前記N+1個の可変方向性結合器とNあるいは2N個の
    前記位相制御器に供給する電力量を制御する電力制御部
    と、 前記光信号処理用光回路の回路パラメータを設定するた
    めの所定の制御手順をあらかじめ格納し、該制御手順に
    従い、位相同期検波により前記ロックインアンプから得
    られる測定値に基づいて前記光回路制御用光源、前記位
    相変調用発振器、前記電力制御部を動作させることによ
    り、各前記可変方向性結合器の結合率と各前記位相制御
    器の位相シフト量を所望の値に設定する計算部とを配し
    たことを特徴とするプログラマブル光信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記光回路制御用光源が、前記光信号処
    理用光回路により処理されるべき信号光の波長と異なる
    発振波長を有することを特徴とする請求項1に記載のプ
    ログラマブル光信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記光信号処理用光回路には、前記光回
    路制御用光源からの制御光を入力端子に取り込むため
    に、該入力端子に前記制御光と前記信号光の波長の違い
    を利用して該信号光の波長に対して0%結合で該制御光
    の波長に対して100%結合での結合率を持つ第1の波
    長選択結合器が設けられ、再び前記御用光を出力端子か
    ら取り出すために、該出力端子に前記制御光と前記信号
    光の波長の違いを利用して該信号光の波長に対して0%
    結合で該制御光の波長に対して100%結合での結合率
    を持つ第2の波長選択結合器が設けられ、 前記受光部は該第2の波長選択結合器で分離された前記
    制御光を受光することを特徴とする請求項2に記載のプ
    ログラマブル光信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記プログラマブル光信号処理装置が、
    信号光出力にあわせて適応的に変更可能な適応等化器と
    して機能することを特徴とする請求項2に記載のプログ
    ラマブル光信号処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のプ
    ログラマブル光信号処理装置において、 全ての前記可変方向性結合器の結合率を0%あるいは1
    00%の基準値に設定するための該可変方向性結合器の
    制御値を測定する第1の手順と、 各前記可変方向性結合器の結合率を0%から100%ま
    で変化させるために必要な制御値の変化量を測定する第
    2の手順と、 各前記位相制御器の0位相状態を実現するための制御値
    を測定する第3の手順と、 各前記位相制御器の0位相状態からπ位相状態に変化す
    るための該位相制御器の制御値の変化量を測定する第4
    の手順と、 前記第1の手順から前記第4の手順で測定した制御値を
    基にして、N+1個の前記可変方向性結合器の結合率と
    Nあるいは2N個の前記位相制御器の位相シフト量を所
    望の値に設定する第5の手順とを有することを特徴とす
    るプログラマブル光信号処理装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の手順において、Nあるいは2
    N個の前記位相制御器に位相変調を与え、出力光の中か
    ら位相変調周波数成分を同期検波し、該位相変調周波数
    成分が0または最大値となるように前記電力制御部から
    の電力量を調整することで、各前記可変方向性結合器の
    結合率を0%あるいは100%に設定することを特徴と
    する請求項5に記載のプログラマブル光信号処理装置の
    制御方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の手順において、対象とする可
    変方向性結合器以外の可変方向性結合器を全て0%結合
    に設定し、当該対象の可変方向性結合器に含まれる位相
    制御器に前記電力制御部から電力を供給し、前記受光部
    を通じて透過光強度を測定し、該測定した一周期の透過
    光強度に対応する電力供給量の変化を測定することで該
    透過光強度と電力供給量の関係を調べるという工程を、
    対象の可変方向性結合器を順に変えながら実行すること
    を特徴とする請求項5または6に記載のプログラマブル
    光信号処理装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記第3の手順および第4の手順を同時
    に行うため、対象とする1つの位相制御器を選択し、該
    位相制御器を挟む隣り合う2つの前記可変方向性結合器
    を共に3dB結合に設定し、他の可変方向性結合器は0
    %結合に設定し、当該対象の位相制御器に供給する前記
    電力制御部からの電力量を変化させ、前記受光部を通じ
    て透過強度を測定し、このとき他の位相制御器の電力供
    給は0とし、当該対象の位相制御器に供給する電力量と
    一周期の前記透過強度の関係を調べるという工程を、対
    象の位相制御器を順に変えながら実行することを特徴と
    する請求項5ないし7のいずれかに記載のプログラマブ
    ル光信号処理装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記第5の手順において、前記第1から
    第4の手順の測定で得られた、N+1個の各前記可変方
    向性結合器の結合率を0%にするための電力供給量と、
    0%から100%へ変化させるための電力供給量の変化
    量にも基づいて、任意の結合率を設定するための電力量
    を求め、また前記第1から第4の手順の測定で得られ
    た、Nあるいは2N個の前記位相制御器の位相シフトを
    0にするための電力供給量と、該位相シフトを0からπ
    へ変化させるための電力供給量の変化とに基づいて、任
    意の位相シフトを設定するための電力量を求めることを
    特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載のプログ
    ラマブル光信号処理装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 ラテイス構成の光信号処理用光回路を
    有するプログラマブル光信号処理装置の回路パラメータ
    をコンピュータによって設定するための制御プログラム
    を記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコン
    ピュータに、 前記光信号処理用光回路の全ての可変方向性結合器の結
    合率を0%あるいは100%の基準値に設定するための
    該可変方向性結合器の制御値を測定させ、 各前記可変方向性結合器の結合率を0%から100%ま
    で変化させるために必要な制御値の変化量を測定させ、 前記光信号処理用光回路の各位相制御器の0位相状態を
    実現するための制御値を測定させ、 各前記位相制御器の0位相状態からπ位相状態に変化す
    るための該位相制御器の制御値の変化量を測定させ、 前記測定させた各制御値を基にして、N+1個の前記可
    変方向性結合器の結合率とNあるいは2N個の前記位相
    制御器の位相シフト量を所望の値に設定させることを特
    徴とするプログラマブル光信号処理装置の制御プログラ
    ムを記録した記録媒体。
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