JPH10319169A - ヘリウム冷却高速増殖炉 - Google Patents

ヘリウム冷却高速増殖炉

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JPH10319169A
JPH10319169A JP9131397A JP13139797A JPH10319169A JP H10319169 A JPH10319169 A JP H10319169A JP 9131397 A JP9131397 A JP 9131397A JP 13139797 A JP13139797 A JP 13139797A JP H10319169 A JPH10319169 A JP H10319169A
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JP
Japan
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helium
fast breeder
core
breeder reactor
secondary circuit
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JP9131397A
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Inventor
Yasuo Mori
康夫 森
Makoto Hishida
誠 菱田
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Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速増殖炉の原子炉の燃料棒を1次回路を流
れるヘリウムによって冷却するとともに、1次回路を流
れるヘリウムの熱をヘリウムを用いた2次回路へ中間熱
交換器において移動させ、2次回路を流れるヘリウムを
発電用の作動流体として利用することで、安全性、信頼
性を確保し、経済的であって、地球環境を汚染すること
なく、エネルギー資源性の面で優れたエネルギーシステ
ムを提供する。 【解決手段】 炉心燃料棒を封入した燃料被覆管の外側
に所定間隙をおいて流路外管を設置し、燃料被覆管と流
路外管の間に環状流路を有するヘリウム環状流路ユニッ
トが所定数配設されてなる炉心を具備し、炉心燃料棒の
核分裂物質の燃焼により発生する熱を受け取り、中間熱
交換器を経、炉心燃料棒を冷却するヘリウムを循環させ
る1次回路と、前記中間熱交換器において前記1次回路
のヘリウムから熱を受け取り、ガスタービン発電用の作
動流体として作動するヘリウムを循環させる2次回路
と、2次回路のヘリウムを海水によって冷却するととも
に廃熱を海水淡水化に利用する冷却系を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ヘリウム
冷却高速増殖炉に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、化学的に不活性で、空気・水・金属
等と全く反応しないヘリウムを冷却材として原子炉の1
次回路、および、2次回路に使用したヘリウム冷却高速
増殖炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エネルギー資源の埋蔵量推定によれば、
ウラン235は数10年の埋蔵量しかなく、化石燃料の
埋蔵量も環境問題の多い石炭以外は約50年程度と推定
されている。また、火力発電所から放出される化石燃料
等による炭酸ガスは地球環境保護の上から好ましいこと
とはいえない。このような事情からは、炭酸ガスの排出
量を抑制するといった問題を解決しつつ将来にわたるエ
ネルギー問題を解決するために、数百年の資源量を誇る
ウラン238を利用することが必要である。
【0003】高速増殖炉は、高速中性子をこのウラン2
38に捕獲させプルトニウム等に変え、これを燃焼させ
てエネルギーを得ることができるものであって、天然ウ
ラン中の構成比率の高いウラン238を有効利用するこ
とができるとともに、炭酸ガスの放出がないことから炭
酸ガスによる地球環境汚染防止の点からも優れており、
将来のクリーンエネルギー源と考えられている。先進各
国は、そのための高速増殖炉として、液体ナトリウムが
熱輸送材として優れた特性を有すること等から、ナトリ
ウム冷却高速増殖炉の開発を行ってきている。
【0004】しかしながら、ナトリウムは、化学的に活
性であり、漏洩対策、水、水蒸気との接触防止対策、空
気との接触防止のための不活性ガス雰囲気での使用等を
行うことが必要であり、取り扱い技術の困難さ、経済
性、安全性・信頼性に劣るものであり、また、運転にお
いてナトリウムが高い誘導放射性能を有することから、
原子炉冷却1次回路と、発電用に水蒸気を作動流体とし
て使用する蒸気回路との間に2次回路を配設することが
必要となり、このため熱効率が劣るものとならざるを得
ないこと等が明らかとなってきた。さらに、ナトリウム
の漏洩事故等が続発したりしたことにもより、米国、ド
イツ、イギリス等といった主要国は、ナトリウム冷却高
速増殖炉の開発を中止している。今日、僅かに、フラン
ス、日本等で開発が続けられているが、その開発速度は
非常に遅くなっている。
【0005】ところで、ナトリウムを冷却材とする高速
増殖炉以外に、1980年代には、ヘリウム冷却高速増
殖炉の設計検討が行われたが、熱効率は35%以下と低
く経済性にも劣っていた。その後、ヘリウム冷却高速増
殖炉の研究開発は行われていない。その他、高速増殖炉
に関連する技術としては、ドイツ及び米国において、ウ
ラン235を燃料とし、ヘリウムを冷却材として蒸気タ
ービン発電を行う高速ガス炉の研究開発が行われ、約3
00MWの実用規模原子炉プラントの建設、運転が行わ
れたが、経済的に引き合わないこと等の理由により数年
前に運転が中止された。また、過去にはヘリウムガスタ
ービンの開発も行われたが、タービン動翼材の研究開発
等が成功しない等の理由で約20年前にヘリウムガスタ
ービンの開発も中止された。また、我が国において、1
970年代に通産省の大型技術開発プロジェクトの一つ
として、高温ガス炉で得られる1000℃の高温熱エネ
ルギーで還元ガスを製造し、鉄鉱石を還元する原子力製
鉄の基礎研究開発が行われた。このプロジェクトにおい
ては、1000℃の1次回路とこれにより加熱される2
次回路からなる試験装置を制作し、当時では世界最高の
温度で試験を成功させ所期の目的とした結果を得たが、
経済性に劣ること等から実用化にまでは至っていない。
なお、この基礎研究開発によって得られた成果は日本原
子力研究所において、ヘンデルループの制作・運転等に
利用されるに至っている。
【0006】さらに、現在、日本原子力研究所で開発・
建設されつつあるヘリウム冷却高温ガス炉は、世界で建
設されている唯一の高温ガス炉実験炉である。この炉に
おける燃料・炉心は高速増殖炉と同一ではないが、高温
ガスヘリウム雰囲気での関連機器の技術情報・研究開発
成果等が種々得られており、高速増殖炉に利用しうるも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本出願の発明者は、以
上のような高速増殖炉に関する現状、高速増殖炉関連技
術等に関する研究・開発において得られた結果を踏ま
え、化学的に不活性なヘリウムを冷却材として高速増殖
炉に使用することにつき鋭意研究を重ねてきたところ、
先のヘリウムを冷却材とする高速増殖炉の熱効率が劣る
のは、ヘリウムの熱伝導率がナトリウムの約200分の
1と小さいにも拘らず、ナトリウム冷却炉と同様な燃料
冷却流路を採用していたことによるとともに、発電用の
作動流体として水蒸気を採用していたことによることが
主たる原因との結論に達した。
【0008】すなわち、本発明は、高速増殖炉の原子炉
の燃料棒を1次回路を流れるヘリウムによって冷却する
とともに、1次回路を流れるヘリウムの熱をヘリウムを
用いた2次回路に中間熱交換器において移動させ、2次
回路を流れるヘリウムを発電用の作動流体として利用し
たものであった。そこで、この出願の発明は、以上の結
論を踏まえて、安全性、信頼性を確保し、経済的であっ
て、地球環境を汚染することなく、エネルギー資源性の
面で優れた新しいエネルギーシステムとしてのヘリウム
冷却高速増殖炉を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この出願の発明は、原子炉容器中において炉心を構
成する炉心燃料棒の核分裂物質の燃焼により発生する熱
を受け取り、中間熱交換器を経、炉心燃料棒を冷却する
ヘリウムを循環させる1次回路と、前記中間熱交換器に
おいて前記1次回路のヘリウムから熱を受け取り、ガス
タービン発電用の作動流体として作動するヘリウムを循
環させる2次回路とを備えてなるヘリウム冷却高速増殖
炉であって、炉心燃料棒を封入した燃料被覆管の外側に
所定間隙をおいて流路外管を設置し、燃料被覆管と流路
外管の間に環状流路を有するヘリウム環状流路ユニット
が所定数配設されてなる炉心を具備することを特徴とす
るヘリウム冷却高速増殖炉を提供する。
【0010】以上の構成を特徴とするこの発明において
は、化学的に不活性で、空気・水・金属等と全く反応し
ないヘリウムを1次回路、2次回路の作動流体として使
用し、炉心燃料棒は閉じた燃料被覆管内に封入されてい
るので、1次回路への放射性物質の漏洩がなく、中間熱
交換器で結ばれている2次回路中には放射性物質は全く
含まれないことになる。例え、配管破断等によりヘリウ
ムが漏洩しても放射性物質が環境に放出される危険性は
なく、安全性に優れ、ナトリウム冷却高速炉のように二
重配管等の特別な対策を施す必要がない。数百年の資源
量を誇るウラン238をプルトニウムに変換して使用す
ることから、優れた安全性を具備し、炭酸ガスの放出が
ないために地球環境的にも優れており、将来クリーンエ
ネルギー源として利用しうるものである。
【0011】ナトリウム冷却高速増殖炉では、発電に水
蒸気を使用することから、発電効率は最大でも35%程
度であり、発電以外への熱利用は困難であるが、炉心燃
料棒を封入した燃料被覆管の外側に所定間隙をおいて流
路外管を設置し、燃料被覆管と流路外管の間に環状流路
を有するヘリウム環状流路ユニットの環状流路に冷却材
としてのヘリウムを流すことで、高温の燃料被覆管から
の熱が対流伝熱によって直接ヘリウム冷却材に伝熱され
るとともに固体輻射によって一旦流路外管に伝えられ、
さらに流路外管から対流伝熱によってヘリウム流に伝熱
されるといった固体輻射による伝熱促進効果が加味され
ることにより炉心燃料棒の冷却が効率よく行われ、炉心
入口で450℃のヘリウムを、炉心出口において950
℃まで加熱することが可能となる。なお、燃料被覆管と
流路外管との間隙は例えば3mm程度とすることが好ま
しい。このように1次回路において、炉心出口でのヘリ
ウム温度を950℃とし、中間熱交換器において、2次
回路のヘリウムを900℃まで加熱してガスタービン発
電をすることによって45%という高い発電効率を得る
ことができる。さらに、後述するようにガスタービン系
からの排熱で海水淡水化を行うことによって90%とい
う高いプラント熱効率を得ることができ、経済性の向上
を図ることができる。また、中間熱交換器としては、1
次回路のヘリウムがコイル管の外側を流れるヘリカル式
熱交換器を用いることが好ましく、固体輻射による伝熱
促進効果が加味されるとともに熱交換に際しての機械振
動が発生することなく、1次回路の熱が効率よく2次回
路に伝達される。
【0012】ヘリウム環状流路ユニットにおいてヘリウ
ムが下方から上方に向かって流れ、炉心燃料棒の核分裂
物質の燃焼により発生する熱を受け取るようになってい
ることが好ましい。これによれば、ヘリウムが上方に向
かって順次加熱され所定の出口温度にまで容易に達する
ことになる。
【0013】また、燃料被覆管は、超耐熱金属からな
り、炉心燃料棒は、酸化ウランと酸化プルトニウムとの
混合物からなり、炉心燃料棒の下方部の径に比べ上方部
が小径に形成され、燃料被覆管上部における炉心燃料棒
の核分裂物質の燃焼による発熱量を少なくするととも
に、炉心燃料棒の上端と燃料被覆管上端とは所定間隔離
れ炉心燃料棒の核分裂物質の燃焼によって発生する気体
状の放射性物質を貯蔵する空間が形成され、該空間には
ヘリウムが封入されてなることが好ましい。
【0014】これによれば、径の太い炉心燃料棒の下方
部での発熱量に比べ、径の細い炉心燃料棒の上方部での
発熱量を少なくすることができることになり、燃料被覆
管の温度が最も高温となる上部での温度を燃料被覆管の
許容温度以下にすることが可能となる。また、炉心燃料
棒の上端と燃料被覆管上端とを所定間隔離し空間を形成
することで、炉心燃料棒の核分裂物質の燃焼によって発
生する気体状の放射性物質を貯蔵し、燃焼とともに燃料
被覆管内圧が過剰に上昇し燃料被覆管が破損するのを防
止するようになっている。また、該空間にヘリウムが封
入されていることで、環状流路を流れるヘリウムの外圧
によって燃料被覆管の座屈が防止できるものであって、
燃料被覆管内に核分裂物質の燃焼によって生ずる気体状
の放射性物質が発生していないかまたは少ないヘリウム
冷却高速増殖炉の運転初期時において必要となるもので
ある。例えば、炉心燃料棒の有効発熱長を165cm、
下から100cmまでの下方部の直径を7mm、それよ
りも上方部の直径を4.6mmとし、該炉心燃料棒を長
さ200cmの燃料被覆管に封入し、燃料被覆管内に封
入するヘリウムによる内圧を4.5MPaとすること
で、直径7mmの部分での線発熱密度は400W/cm
となり、炉心燃料棒の最高中心温度は1300℃に達す
るものの、燃料被覆管の最高温度は1050℃以下に抑
えることが可能となる。
【0015】炉心は、一つのヘリウム環状流路ユニット
に対し2つのヘリウム環状流路ユニットを等間隔に配置
した正三角形配置を基本単位とし、ほぼ350個のヘリ
ウム環状流路ユニットでもって六角形状の炉心アセンブ
リーを構成し、該炉心アセンブリーを所定数並列配置し
てなることが好ましい。これによれば、各ヘリウム環状
流路ユニット間の距離が等距離になり、しかも炉心アセ
ンブリーが六角形状となることから、大型、中小型いず
れの炉心であっても六角形状をベースとして設計するこ
とができ炉心設計が容易となる。
【0016】原子炉容器は、圧力境界外層板と、温度境
界内層板と、圧力境界外層板と温度境界内層板との間に
介装された金属製薄板波状断熱層と、からなるものを採
用することが好ましい。これによれば、温度境界内層板
と金属製薄板波状断熱層とによって圧力境界外層板には
炉心で発生した熱が伝達されないことになり、圧力境界
外層板の温度上昇が抑えられることになり、原子炉容器
の耐圧性が損なわれず、原子炉の安全性が確保できる。
炉心入口で450℃のヘリウムを炉心出口において95
0℃にまで加熱するようにしても係る構造によれば、原
子炉容器の外壁の圧力境界外層板温度を300℃程度に
抑えることができることになる。
【0017】2次回路のヘリウムを作動流体とするガス
タービン発電用の動翼は高強度の超耐熱合金あるいはセ
ラミックスからなり、動翼には発電用の高圧圧縮機から
導かれた低温ヘリウムを噴出させる所定数の冷却孔が穿
設されてなるものであることが好ましい。高強度の超耐
熱合金としては、例えば、Ni−Cr−W系等が使用で
き、セラミックスとしても各種のものが使用できる。こ
れらはいずれも高温ヘリウムガス炉用に日本原子力研究
所で開発されたものであってよい。また、動翼の形状と
しては、例えば、翼端損失が少なく、高い断熱効率を有
する形状のものが採用できる。
【0018】これによれば、2次回路の高温ヘリウムに
さらされるガスタービン発電用の動翼の冷却孔から発電
用の高圧圧縮機から導かれた低温ヘリウムを噴出させる
ことで、動翼温度を2次回路の高温ヘリウムの温度以下
とし動翼にとって安全な温度において動翼が使用できる
ことになる。従って、超耐熱合金あるいはセラミックス
の動翼の機械強度の充分な領域内において動翼が使用で
きる。例えば900℃の高温ヘリウム雰囲気にさらされ
たとしても動翼の温度は800℃以下に維持することが
可能となり、高い安全性と、高信頼性に基づく発電効率
45%を達成することができることとなる。
【0019】2次回路の低温側に海水淡水化装置に熱を
供給する熱交換器を配設することが好ましい。熱交換器
は、低圧圧縮機から高圧圧縮機への2次回路の途中、タ
ービンから低圧圧縮機への2次回路の途中などに設置す
ることができるが、これに限られるものではなく、発電
プラント効率を最大にするように設置すればよいもので
ある。海水淡水化装置としてはフラッシュ式淡水造成器
を使用することができ、水深100mの海水温15℃の
海水を用いることが発電効率上好ましい。
【0020】これにより、発電に利用した2次回路のヘ
リウムの廃熱を利用し、2次回路のヘリウムの温度を発
電用圧縮機の所定の作動温度にまで低下させるとともに
海水から淡水を造成することができる。造成された淡水
は、立地地区の民生用の飲料水あるいは農産業における
潅漑、グリーンハウスの空調等として供給することで有
効活用し、併せて、立地の困難性を解決することができ
る。
【0021】1次回路には1次回路用ヘリウム貯蔵槽が
遮断弁を介して接続され、2次回路には2次回路用ヘリ
ウム貯蔵槽が遮断弁を介して接続されていることが好ま
しい。これらヘリウム貯蔵槽は、定期点検時に1次回
路、2次回路からヘリウムを排出する必要があるときの
貯蔵用に使用でき、定期点検時のヘリウムの損失を防止
することができる。また、事故等の発生時等に、1次回
路用ヘリウム貯蔵槽から常温の高圧ヘリウムを1次回路
に供給し炉心を緊急冷却することができる。
【0022】原子炉容器、1次回路、中間熱交換器とが
第1室に設置され、2次回路およびガスタービン発電機
が第2室に設置され、1次回路用ヘリウム貯蔵槽および
2次回路用ヘリウム貯蔵槽が第3室に設置され、海水淡
水化装置が第4室に設置され、運転のための計測制御装
置が第5室に設置されてなり、第1室、第2室、第3
室、第4室、および、第5室は一体として建て屋に設け
られ、該建て屋がゴム薄板と鋼板とを交互に積層してな
る免震装置によって岩盤上に支持されていてもよい。こ
こで使用する免震装置のゴム薄板、鋼板の直径は例えば
1m程度のものが好ましく、充分な耐震性を得るには、
これを岩盤と建て屋の間に数百個取り付ければよい。
【0023】これによれば、大地震に対しても充分な耐
震性を確保でき、各室毎に仕切られていることから一部
の破損の影響が他室に及ぶことを防止することができる
ことになる。このような耐震構造とすることで、都市近
郊にも設置することが可能となり、立地問題を解決する
ことも可能である。原子炉容器、1次回路、中間熱交換
器とが第1室に設置され、2次回路およびガスタービン
発電機が第2室に設置され、1次回路用ヘリウム貯蔵槽
および2次回路用ヘリウム貯蔵槽が第3室に設置され、
海水淡水化装置が第4室に設置され、運転のための計測
制御装置が第5室に設置されてなり、第1室、第2室、
第3室、第4室が一体となって海面下に、第5室が海面
付近に位置するように海面浮遊体に設けられてなり、前
記海面浮遊体は二重底構造であってアンカーによって海
底に固定されるとともに、側面に弾性袋からなり、弾性
袋内の空気量が空気量制御装置によって制御される空気
槽が付設されていてもよい。生産される電力と淡水は電
線及び輸送管で海岸まで輸送するようにすればよい。
【0024】これによれば、例えば海面浮遊体の底部を
海面下約30mに位置するように弾性袋の空気量を計算
機制御することで、海面浮遊体を、波、風の影響から避
けることができ、また、大地震によって引き起こされた
津波によって振動が発生することがなく、ヘリウム冷却
高速増殖炉の重大な破損事故の防止を図ることができ
る。このように海上立地することにより、立地問題を解
決することも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。図
1〜図6にヘリウム冷却高速増殖炉(1)の構造を示
す。図1はヘリウム冷却高速増殖炉(1)の基本サイク
ルを示すものであって、原子炉(2)の燃料棒(9)を
1次回路(3)を流れるヘリウムによって冷却するとと
もに、1次回路(3)を流れるヘリウムの熱をヘリウム
を用いた2次回路(4)へ中間熱交換器(5)において
移動させ、2次回路(4)を流れるヘリウムを発電用の
作動流体として利用したものである。そして、原子炉
(2)の出口の1次回路(3)を流れるヘリウムの温度
(T1)を950℃、圧力(P1)を9.0MPaと
し、原子炉(2)の入口のヘリウム温度(T2)を45
0℃となるように中間熱交換器(5)において2次回路
(4)のヘリウムに熱を移動させ、2次回路(4)のヘ
リウムは中間熱交換器(5)の入口の温度(T4)40
5℃から中間熱交換器(5)の出口において温度(T
3)900℃に昇温され、圧力(P2)が9MPaの作
動流体として2次回路(4)においてガスタービン発電
等に利用されるものである。これによって、ガスタービ
ン発電の熱効率を約45%にまで高めることができるよ
うになったものである。以下、ヘリウム冷却高速増殖炉
(1)の構造については、上記した条件を満たすための
構成を必要に応じサイズ等も併記して説明するものとす
る。
【0026】炉心(6)は、図2に示されるようなヘリ
ウム環状流路ユニット(7)が図3に示されるように支
持板(8)に固定された集合体からなるものである。ヘ
リウム環状流路ユニット(7)は、酸化ウランと酸化プ
ルトニウムの混合物からなる炉心燃料棒(9)を超耐熱
金属製の燃料被覆管(10)に封入し、該燃料被覆管
(10)の外側に流路外管(11)を設け、燃料被覆管
(10)と流路外管(11)との間の間隙に炉心燃料の
燃焼によって発生する熱を冷却するためのヘリウムが下
方から上方に向けて流れるようにしたものである。従っ
て、1次回路(3)への放射性物質の漏洩がなく、中間
熱交換器(5)で結ばれている2次回路(4)には放射
性物質は全く含まれないことになる。燃料被覆管(1
0)と流路外管(11)との間の間隙は3mmとなって
いる。炉心燃料棒(9)は、有効発熱長165cmであ
って、下から100cmまでの下方部(9a)の直径が
7mmであって、この部分の線発熱密度は400W/c
mとなっている。その上方部(9b)65cmの直径は
4.6mmであって、上方部(9b)のほうが小径とな
っており、上方部(9b)の線発熱密度を小さくしてい
る。燃料被覆管(10)は炉心燃料棒(9)の下方部
(9a)の直径とほぼ同一の内径を有し炉心燃料棒
(9)を封入するもので、長さ200cmで外径は全長
にわたり8mmで、厚さが0.5mmであり、炉心燃料
棒(9)よりも長く、その結果、炉心燃料棒(9)の上
端と燃料被覆管(10)の下端とは空間となっている。
該空間は、炉心燃料棒(9)の核分裂物質の燃焼によっ
て生ずる気体状の放射性物質を貯蔵する機能を果たすも
のであって、燃焼とともに燃料被覆管内圧が過剰に上昇
し燃料被覆管が破損するのを防止するものである。ま
た、この空間には燃料被覆管(10)と流路外管(1
1)との間隙を流れる高温・高圧のヘリウムによって燃
料被覆管(10)が座屈しないように圧力4.5MPa
となるようにヘリウムが封入されている。これは、燃料
被覆管(10)内に封入されたヘリウムは燃料被覆管
(10)内に核分裂物質の燃焼によって生ずる気体状の
放射性物質が発生していないかまたは少ないヘリウム冷
却高速増殖炉(1)の運転初期時において特に有効であ
る。
【0027】ヘリウム環状流路ユニット(7)の環状流
路(7a)に冷却材としてのヘリウムを下方から上方に
向けて流すことで、高温の燃料被覆管(10)からの熱
が対流伝熱によって直接ヘリウム冷却材に伝熱されると
ともに固体輻射によって一旦流路外管(11)に伝えら
れる。さらに流路外管(11)から対流伝熱によってヘ
リウム冷却材流に伝熱されるといった、固体輻射による
伝熱促進効果が加味されることにより炉心燃料棒(9)
の冷却が効率よく行われる。燃料被覆管(10)と流路
外管(11)との間隙3mmは、対流電熱と固体輻射に
よる伝熱促進効果の最も効率がよくしかもヘリウムの流
れに支障の生じない距離である。炉心燃料棒(9)中の
発熱による最高中心温度は1300℃になるが、径の太
い炉心燃料棒(9)の下方部(9a)での発熱量に比
べ、径の細い炉心燃料棒(9)の上方部(9b)での発
熱量を少なくすることができ、燃料被覆管(10)の温
度が最も高温となる上部での温度を燃料被覆管(10)
の許容温度以下にすることが可能となる。図4にヘリウ
ム環状流路ユニット(7)の温度分布を示す。図4に示
されるように、炉心燃料棒(9)中の最高中心温度が1
300℃であるのに対し、燃料被覆管(10)の表面温
度は1050℃以下に抑えることができ、ヘリウムを原
子炉(2)出口で950℃にまで昇温することができる
ことになる。ここにおいて、流路外管(11)の温度
は、約50℃程燃料被覆管(10)よりも一般に低くな
っている。この構造により徐熱性能はナトリウム冷却高
速増殖炉のそれの1.2〜1.3倍にまでアップするこ
とになる。
【0028】ヘリウム環状流路ユニット(7)は、一つ
のヘリウム環状流路ユニット(7)に対し2つのヘリウ
ム環状流路ユニット(7)が等間隔に配置された図3に
示されるような正三角形配置を基本単位とし、ほぼ35
0個のヘリウム環状流路ユニット(7)でもって六角形
状の炉心アセンブリーとしたものを数百集めて炉心
(6)を構成する。炉心アセンブリーの集合数は、大
型、中小型いずれのヘリウム冷却高速増殖炉(1)を採
用するかによって決定されるものである。ヘリウム環状
流路ユニット(7)は支持板(8)に固定されている。
そして、図5に示されるように、支持板(8)は支持板
枠(12)に固定され、該支持板枠(12)は原子炉
(2)内壁に取り付けられるとともに、原子炉(2)内
に設けられた支持台(13)に支持されるようになって
おり、支持台(13)には多数のヘリウム通過孔が穿設
されている。
【0029】発電効率45%とするためには、原子炉
(2)入口のヘリウムの温度を450℃、出口の温度を
950℃、内圧を9.0MPaとすることから、単層の
原子炉容器では、耐熱・耐圧性が劣ることから、原子炉
容器(14)の表面温度を300℃程度とするため、図
5に示されるように、原子炉容器(14)は、圧力境界
外層板(15)と、温度境界内層板(16)と、圧力境
界外層板(15)と温度境界内層板(16)との間に金
属製薄板波状断熱層(17)を介在させる断熱構造とな
っている。
【0030】図1に示されるように、ヘリウム冷却高速
増殖炉は、原子炉(2)と中間熱交換器(5)との間で
ヘリウムを循環させる1次回路(3)、中間熱交換器
(5)において1次回路を流れるヘリウムの熱を受け取
り、発電機(G)を回転させてヘリウムガスタービン発
電を行わせる2次回路(4)、該2次回路(4)を流れ
るヘリウムを所定温度に海水によって冷却することで2
次回路(4)のヘリウムから熱を受け取り、この熱を海
水淡水化に利用する海水淡水化装置(図8参照)を含む
冷却系、1次回路(3)に遮蔽弁を介して接続され1次
回路(3)のヘリウムを回収したり、緊急時に1次回路
(3)にヘリウムを供給する1次回路用ヘリウム貯蔵槽
(18)と、2次回路(4)に遮蔽弁を介して接続され
2次回路(4)のヘリウムを回収したり、供給したりす
る2次回路用ヘリウム貯蔵槽(19)、および、ヘリウ
ム冷却高速増殖炉(1)全体を運転制御させる図示して
いない運転用計測制御装置とを備えている。
【0031】1次回路(3)においては、原子炉(2)
中で950℃に加熱されたヘリウムは、原子炉(2)の
出口から配管(20)を通って中間熱交換器(5)に導
入され、中間熱交換器(5)を通過し、2次回路(4)
のヘリウムに熱を移して温度が低下させられ、配管(2
1)を通って循環ポンプ(22)に導入され、循環ポン
プ(22)から配管(23)を通って原子炉(2)の入
口に送り込まれるようになっている。
【0032】2次回路(4)においては、中間熱交換器
(5)で1次回路(3)のヘリウムから熱を受け取って
900℃に昇温させられた2次回路(4)のヘリウム
は、配管(24)を通ってタービン(25)に導入され
て、タービン(25)を回転させるために使用され、タ
ービン(25)の回転によって発電が行われる。タービ
ン(25)の回転に使用され温度が405℃に低下した
ヘリウムは、配管(26)を通って再生熱交換器(2
7)に導入され、ここで後述する高圧圧縮機(28)か
ら配管(29)を通って中間熱交換器(5)に帰還する
ヘリウムに熱を移し、さらに温度が低下させられ、配管
(30)を通って予冷却器(31)に導入され海水によ
って冷却される。予冷却器(31)において海水によっ
て冷却されたヘリウムは、配管(32)を通って低圧圧
縮機(33)に導入された後、低圧圧縮機(33)から
配管(34)を通って中間冷却器(35)に導入され、
中間冷却器(35)において更に海水によって冷却さ
れ、次いで、配管(36)を通って高圧圧縮機(28)
に導入される。高圧圧縮機(28)を通ったヘリウムは
配管(29)を通って前述したように再生熱交換器(2
7)に導入され、タービン(25)から排出されたヘリ
ウムから熱を受け取り昇温し、配管(37)を通って中
間熱交換器(5)に導入される。これによって2次回路
のヘリウムの循環が行われる。1次回路(3)と2次回
路(4)は中間熱交換器(5)で熱的にのみ結合してい
ることから、事故時に放射性物質がほとんど大気に漏洩
しない優れた安全性が確保できることになる。
【0033】中間熱交換器(5)は、2次回路(4)の
ヘリウムを流すためのヘリカル管各列の間に1次回路
(3)のヘリウムを流すための薄い金属円筒が取り付け
られ、1次回路のヘリウムで金属円筒が加熱され、該金
属円筒からの固体輻射でヘリカル管が加熱される固体輻
射を利用したヘリカルチューブ式である。これによっ
て、1次回路(3)を流れる950℃のヘリウムで2次
回路(4)を流れるヘリウムを加熱し、タービン(2
5)入口において900℃のヘリウム流が得られる。こ
の金属円筒はカルマン渦によってヘリカル管に振動を発
生することを防ぐ効果もあることから、ヘリカル管列の
間に金属円筒を挿入する構造により伝熱性能の向上と振
動防止効果を向上させることができる。
【0034】タービンの動翼(40)は、Ni−Cr−
W系の高強度の超耐熱合金を用いた、翼端損失の少なく
高い断熱効率を有する図6に示されるような形状のもの
であって、動翼(40)には、発電用の高圧圧縮機(2
8)から図示していない導管によって導かれた低温ヘリ
ウムを噴出させる小径の冷却孔(40a)が穿設されて
いる。
【0035】これによれば、2次回路(4)の900℃
もの高温ヘリウムにさらされるガスタービン発電用の動
翼(40)の冷却孔(40a)から、発電用の高圧圧縮
機(28)より導かれた低温ヘリウムを噴出させること
で、動翼温度を800℃以下とし、動翼にとって安全な
温度において動翼(40)を使用でき、900℃の高温
ヘリウム雰囲気にさらされたとしても動翼の温度を80
0℃以下に維持することが可能となる。そして、このタ
ービン(25)によれば、入口温度900℃、圧力9.
1MPaのヘリウムガスを作動流体とすることで、ター
ビンの断熱効率92%、高圧圧縮機(28)の断熱効率
88%とすることが可能であり、図7に示されるように
タービンの膨張率3.8においてほぼ45%の発電効率
を達成することができる。
【0036】1次回路(3)の配管(20)の途中から
配管(41)が分岐し海水を用いた冷却器(42)に接
続され、該冷却器(42)には、送り出し用遮蔽弁(4
3)と送り出し用ポンプ(44)とを直列接続した配管
と、貯蔵用遮蔽弁(45)と貯蔵用ポンプ(46)とを
直列接続した配管とが並列して1次回路用ヘリウム貯蔵
槽(18)に接続されている。また、2次回路(4)の
配管(24)の途中から配管(47)が分岐し海水によ
る冷却器(48)に接続され、該冷却器(48)には、
送り出し用遮蔽弁(49)と送り出し用ポンプ(50)
とを直列接続した配管と、貯蔵用遮蔽弁(51)と貯蔵
用ポンプ(52)とを直列接続した配管とが並列して2
次回路用ヘリウム貯蔵槽(19)に接続されている。こ
れによって、事故時等に炉心(6)を緊急に冷却する必
要が生じた時には、送り出し用遮蔽弁(43)を開き、
送り出し用ポンプ(44)を作動させて、1次回路用ヘ
リウム貯蔵槽(18)から常温の高圧ヘリウムを1次回
路(3)に送り出し炉心(6)を緊急冷却することがで
きる。また、1次回路(3)の定期点検時には、貯蔵用
遮蔽弁(45)を開き貯蔵用ポンプ(46)を作動させ
て、1次回路(3)にあるヘリウムを1次回路用ヘリウ
ム貯蔵槽(18)に貯蔵する。その際、1次回路(3)
のヘリウムは冷却器(42)の海水で冷却して貯蔵する
ことができる。定期点検の終了後、1次回路(3)にヘ
リウムを戻すには、貯蔵用遮蔽弁(45)を閉じ貯蔵用
ポンプ(46)の作動を停止し、送り出し用遮蔽弁(4
3)を開き、送り出し用ポンプ(44)を作動させて、
1次回路用ヘリウム貯蔵槽(18)から1次回路(3)
にヘリウムを送り出せばよい。また、2次回路(4)の
定期点検時には、貯蔵用遮蔽弁(51)を開き貯蔵用ポ
ンプ(52)を作動させて、2次回路(4)にあるヘリ
ウムを2次回路用ヘリウム貯蔵槽(19)に貯蔵する。
その際、2次回路(4)のヘリウムは冷却器(48)の
海水で冷却して貯蔵することができる。定期点検の終了
後、2次回路(4)にヘリウムを戻すには、貯蔵用遮蔽
弁(51)を閉じ貯蔵用ポンプ(52)の作動を停止
し、送り出し用遮蔽弁(49)を開き、送り出し用ポン
プ(50)を作動させて、2次回路用ヘリウム貯蔵槽
(19)から2次回路(4)にヘリウムを送り出せばよ
い。
【0037】予冷却器(31)、中間冷却器(35)、
冷却器(42)、(48)に使用される冷却用の海水
は、ポンプ(54)で汲み上げられ配管(55)で接続
され、それぞれに供給されるようになっている。予冷却
器(31)、中間冷却器(35)に供給され、2次回路
(4)のヘリウムから熱を受け取って昇温した海水の熱
を海水の淡水化に利用する。海水淡水化には図8に示す
ようなフラッシュ式のDesal海水淡水化装置(5
6)が使用できる。海水としては、深度約100mの海
中から汲み上げた15℃の海水を利用する。我が国近海
での海面水の年平均温度は25℃であるが、かかる海面
水を使用すると予冷却器(31)の出口におけるヘリウ
ムの温度は45℃程度にまでしか低下させることができ
ず発電効率を上げることができないが、深度約100m
の海中から汲み上げた15℃の海水を使用することによ
り、予冷却器(31)出口でのヘリウムの温度を35℃
程度にまで低下させ、年間を通じこの温度の海水を低圧
圧縮機(33)に供給することで、発電効率を上げるこ
とができる。
【0038】この海水淡水化装置(56)の熱効率はほ
ぼ45%であり、また、発電効率が約45%であること
から後述するように原子炉出力の約90%が有効に利用
できることになる。海水淡水化装置(56)によって造
成された淡水は、立地地区の民生用の飲料水あるいは農
産業における潅漑、グリーンハウスの空調等として供給
することで有効活用し、併せて、立地の困難性を解決す
ることができる。
【0039】このヘリウム冷却高速増殖炉(1)の炉心
(6)中の核分裂の計測制御、1次回路(3)、2次回
路(4)のヘリウムの温度、圧力、流量の計測制御、海
水の供給量、淡水化の制御、1次回路用ヘリウム貯蔵槽
からのヘリウムの送り出しまたは貯蔵、2次回路用ヘリ
ウム貯蔵槽からのヘリウムの送り出しまたは貯蔵等とい
ったヘリウム冷却高速増殖炉(1)の運転に必要な操作
・制御は、図示していない運転計測制御装置によって行
われるようになっている。
【0040】図8にこのヘリウム冷却高速増殖炉(1)
の主要点における温度、圧力、流量等を示す。図8に示
されるように、原子炉(2)出口での1次回路(3)の
ヘリウムは、温度(T1)が950℃、圧力(P1)が
9.0MPa、流量(G1)が446kg/sであり、
中間熱交換器(5)を通過し原子炉(2)入口での温度
(T2)は450℃である。また、2次回路(4)にお
けるヘリウムは、中間熱交換器(5)から導出されター
ビン(25)に導入される際の温度(T3)が900
℃、圧力(P2)が9.1MPa、流量(G2)が44
6kg/sであり、タービン(25)から導出される温
度(T5)は455℃、圧力(P3)は2.3MPaと
なる。そして、再生熱交換器(27)において高圧圧縮
機(28)からの温度(T8)112℃のヘリウムガス
によって冷却され、温度(T6)が162℃にまで低下
される。さらに、予冷却器(31)において深度約10
0mの海中から汲み上げた15℃の海水によって冷却さ
れ、温度(T7)が35℃にまで低下されて、低圧圧縮
機(33)に導入される。低圧圧縮機(33)から導出
されたヘリウムは、中間冷却器(35)において深度約
100mの海中から汲み上げた15℃の海水によって冷
却され、圧力0.5MPaで高圧圧縮機(28)に導入
される。高圧圧縮機(28)から導出されるヘリウムは
温度(T8)が112℃、圧力(P4)が9.4MPa
であり、再生熱交換器(27)においてタービンからの
導出されるヘリウムによって温度(T4)405℃にま
で加熱され中間熱交換器(5)に導入される。これによ
ってタービン膨張率3.8で、発電出力500MWeで
あり、炉心(6)での発熱量1,134MWeに対し熱
効率45%の発電が達成できる。
【0041】予冷却器(31)、中間冷却器(35)等
へ供給される15℃の海水は、深度100mの海中から
ポンプ(54)によって通常1,292kg/sの量汲
み上げられ、そのうち予冷却器(31)に739kg/
sが供給され、残り553kg/sが中間冷却器(3
5)に供給される。予冷却器(31)において海水は1
10℃にまで加熱され、一方、中間冷却器(35)にお
いて115℃にまで加熱され、これらの昇温した海水は
Desal海水淡水装置によって淡水を造成する。淡水
の造成量(G3)は2kg/sであり、残り1290k
g/sの温海水は海中に廃棄される。
【0042】このようなプラントシステムとすることで
発電効率ほぼ45%が達成できるとともに、海水淡水化
装置(56)の廃熱の利用熱効率をほぼ45%で利用す
ることができることから、全体として原子炉出力の約9
0%が有効に利用できることになる。このヘリウム冷却
高速増殖炉(1)を陸上の建て屋(60)に設置するに
は、図9に示されるように岩盤上に、免震装置(61)
を介して建造した一体化建て屋(60)を第1室(6
2)〜第5室(66)に分割・隔離し、第1室(62)
には原子炉容器(14)、1次回路(3)、中間熱交換
器(5)を設置し、第2室(63)に2次回路(4)お
よびガスタービン発電機等を設置し、第3室(64)に
は1次回路用ヘリウム貯蔵槽(18)および2次回路用
ヘリウム貯蔵槽(19)を設置し、第4室(65)には
海水淡水化装置(56)を含む海水冷却系を設置し、第
5室(66)には運転計測制御装置を設置するようにす
ればよい。免震装置としては、直径1m程度のゴム薄板
(67)と鋼板(68)とが交互に積層された構造のも
のを岩盤と建て屋(60)下部との間にヘリウム冷却高
速増殖炉(1)の規模にもよるが、数百個設けられてい
る。このような構造としておけば、大地震に対して免震
装置(61)が有効に機能し、ヘリウム冷却高速増殖炉
(1)に重大な損害を与えることがない。また、隔離・
分割構造によってお互いが仕切られているので、一部の
破損が生じてもその影響を他室に及ぼさないようにする
ことができる。
【0043】また、このヘリウム冷却高速増殖炉(1)
を海上の海面浮遊体(70)に設置するようにしてもよ
い。海面浮遊体(70)は2重底になっており、側面に
弾性袋(71)からなる空気槽が付設されている。図1
0に示されるように、海面浮遊体(70)内のベース
(72)上には、第1室(73)〜第4室(76)が一
体化されるとともに隔壁によって分割・隔離されてい
る。第1室(73)には原子炉容器(14)、1次回路
(3)、中間熱交換器(5)が設置され、第2室(7
4)には2次回路(4)およびガスタービン発電機等が
設置され、第3室(75)には1次回路用ヘリウム貯蔵
槽(18)および2次回路用ヘリウム貯蔵槽(19)が
設置され、第4室(76)には海水淡水化装置(56)
を含む海水冷却系が設置されており、運転計測制御装置
が設置される第5室(77)は、第1〜4室とは離れた
海面浮遊体(70)の頂部に設けれられている。海面浮
遊体(70)はアンカー(78)によって海底に固定さ
れ、海面浮遊体(70)の底部を海面下約30mに位置
するように弾性袋(71)に供給する空気量が計算機制
御されるようになっている。弾性袋(71)へ供給する
空気量の制御は図示していない制御装置によって行われ
るようになっている。これによれば、海面浮遊体を、
波、風の影響から避けることができ、また、大地震によ
って引き起こされた津波によって振動が発生することが
なく、ヘリウム冷却高速増殖炉の重大な破損事故の防止
を図ることができる。さらに、破損事故等が生じても近
隣の住宅等に影響を及ぼす恐れがない。従って、このよ
うな構造を採用することで、陸上での立地条件に左右さ
れずにヘリウム冷却高速増殖炉(1)を建造することが
できる。
【0044】
【発明の効果】この出願の発明は、以上詳しく説明した
ように構成されているので、以下の効果を奏する。この
発明のヘリウム冷却高速増殖炉は、化学的に不活性で、
空気・水・金属等と全く反応しないヘリウムを1次回
路、2次回路の作動流体として使用し、中間熱交換器に
おいてのみ熱的に結合させ、炉心燃料棒を封入した燃料
被覆管の外側に所定間隙をおいて流路外管を設置し、燃
料被覆管と流路外管の間に環状流路を有するヘリウム環
状流路ユニットを炉心に使用している。従って、炉心燃
料棒は閉じた燃料被覆管内に封入されているので、1次
回路への放射性物質の漏洩がなく、中間熱交換器で結ば
れている2次回路中には放射性物質は全く含まれないこ
とになる。そして、例えば、配管破断等によりヘリウム
が漏洩しても放射性物質が環境に放出される危険性はな
く、安全性に優れ、ナトリウム冷却高速炉のように二重
配管等の特別な対策を施す必要がない。また、ナトリウ
ム冷却高速増殖炉では、発電に水蒸気を使用することか
ら、発電効率は最大でも35%程度であり、発電以外へ
の熱利用は困難であるが、このヘリウム冷却高速増殖炉
によれば、発電効率をほぼ45%にまで高めることが可
能であり、数百年の資源量を誇るウラン238をプルト
ニウムに変換して燃料として使用することから、優れた
安全性を具備し、炭酸ガスの放出がないために地球環境
的にも優れており、エネルギー問題を生ずることもな
く、今後我が国および世界においてクリーンエネルギー
源として有効に活用することができる。
【0045】また、2次回路のヘリウムを海水によって
冷却するとともに廃熱を海水淡水化に利用する冷却系と
を備えることで、ヘリウム冷却高速増殖炉全体のプラン
ト効率を高めることができる。深度約100mの海中か
ら汲み上げた15℃の海水を使用し、廃熱利用の熱効率
が45%の海水淡水化装置を用いることにより、プラン
ト効率を90%にまで高めることができ、経済的であ
る。造成された淡水は、立地地区の民生用の飲料水ある
いは農産業における潅漑、グリーンハウスの空調等とし
て供給することで有効活用し、併せて、立地の困難性を
解決することができる。
【0046】そして、この発明のヘリウム冷却高速増殖
炉は、大型から中小規模のシステムとして充分な性能を
有する。中小規模の場合には、発電電力は一般社会又は
周辺地区に、造成淡水は立地地区に供給できる。そし
て、このヘリウム冷却高速増殖炉は、安全性に優れ、信
頼性が高く、経済的である。また、この発明のヘリウム
冷却高速増殖炉を、陸地においては、強固な岩盤の上に
免震構造を介して設置すれば大地震等の災害が発生して
も安全である。また、海においては、海面浮遊体内に設
置し、海面浮遊体の底部が海面下約30mに位置するよ
うに制御すればよく、これにより、海面浮遊体を、波、
風の影響から避けることができ、また、大地震によって
引き起こされた津波によって振動が発生することがな
く、ヘリウム冷却高速増殖炉の重大な破損事故の防止を
図ることができる。このように海上立地することによ
り、立地問題を解決することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のヘリウム冷却高速増殖炉の基本サイ
クル図である。
【図2】図1のヘリウム冷却高速増殖炉のヘリウム環状
流路ユニットを例示した破断斜視図である。
【図3】図2のヘリウム環状流路ユニットの原子炉内で
の配置を例示した部分図である。
【図4】図2のヘリウム環状流路ユニット断面内の温度
分布を例示した説明図である。
【図5】図1のヘリウム冷却高速増殖炉の原子炉容器の
構造を例示した縦断面図である。
【図6】図1のヘリウム冷却高速増殖炉の2次回路のタ
ービンの動翼を例示した斜視部分図である。
【図7】図6のタービンにおけるタービンの膨張比と熱
効率の関係を例示した説明図である。
【図8】図1のヘリウム冷却高速増殖炉の主要点におけ
る温度、圧力、流量を示す概略図である。
【図9】図1のヘリウム冷却高速増殖炉を陸地に設置す
る場合を例示した概略図である。
【図10】図1のヘリウム冷却高速増殖炉を海に設置す
る場合を例示した概略図である。
【符号の説明】
1 ヘリウム冷却高速増殖炉 2 原子炉 3 1次回路 4 2次回路 5 中間熱交換器 7 ヘリウム環状流路ユニット 9 炉心燃料棒 10 被覆管 11 流路外管 35 中間冷却器 40 タービン T1 炉出口ヘリウム温度 T2 炉入口ヘリウム温度 T3 タービン入口温度 T4 中間熱交換器入口温度 T5 タービン出口温度 T6 再生熱交換器出口温度 T7 低圧圧縮機入口温度 T8 高圧圧縮機出口温度 P1 炉出口圧力 P2 タービン入口圧力 P3 低圧圧縮機入口圧力 P4 高圧圧縮機出口圧力 G1 1次回路のヘリウム流量 G2 2次回路のヘリウム流量 G3 造成淡水流量 G4 海水排水流量
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 15/28 GDF G21C 13/02 GDFK

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉容器中において炉心を構成する炉
    心燃料棒の核分裂物質の燃焼により発生する熱を受け取
    り、中間熱交換器を経て炉心燃料棒を冷却するヘリウム
    を循環させる1次回路と、前記中間熱交換器において前
    記1次回路のヘリウムから熱を受け取り、ガスタービン
    発電用の作動流体として作動するヘリウムを循環させる
    2次回路とを備えてなるヘリウム冷却高速増殖炉であっ
    て、 炉心燃料棒を封入した被覆管の外側に所定間隙をおいて
    流路外管を設置し、燃料被覆管と流路外管の間に環状流
    路を有するヘリウム環状流路ユニットが所定数配設され
    てなる炉心を具備することを特徴とするヘリウム冷却高
    速増殖炉。
  2. 【請求項2】 ヘリウム環状流路ユニットにおいてヘリ
    ウムが下方から上方に向かって流れ、炉心燃料棒の核分
    裂物質の燃焼により発生する熱を受け取るようになって
    いることを特徴とする請求項1のヘリウム冷却高速増殖
    炉。
  3. 【請求項3】 燃料被覆管は、超耐熱金属からなり、炉
    心燃料棒は、酸化ウランと酸化プルトニウムとの混合物
    からなり、炉心燃料棒の下方部の径に比べ上方部が小径
    に形成され、燃料被覆管上部における炉心燃料棒の核分
    裂物質の燃焼による発熱量を少なくするとともに、炉心
    燃料棒の上端と燃料被覆管上端とは所定間隔離れ炉心燃
    料棒の核分裂物質の燃焼によって発生する気体状の放射
    性物質を貯蔵する空間が形成され、該空間にはヘリウム
    が封入されてなることを特徴とする請求項1または2の
    ヘリウム冷却高速増殖炉。
  4. 【請求項4】 炉心は、一つのヘリウム環状流路ユニッ
    トに対し2つのヘリウム環状流路ユニットを等間隔に配
    置した正三角形配置を基本単位とし、ほぼ350個のヘ
    リウム環状流路ユニットでもって六角形状の炉心アセン
    ブリーを構成し、該炉心アセンブリーを所定数並列配置
    してなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    のヘリウム冷却高速増殖炉。
  5. 【請求項5】 原子炉容器は、圧力境界外層板と、温度
    境界内層板と、圧力境界外層板と温度境界内層板との間
    に介装された金属製薄板波状断熱層と、からなることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかのヘリウム冷却
    高速増殖炉。
  6. 【請求項6】 2次回路のヘリウムを作動流体とするガ
    スタービン発電用の動翼は高強度の超耐熱合金あるいは
    セラミックスからなり、動翼には発電用の高圧圧縮機か
    ら導かれた低温ヘリウムを噴出させる所定数の冷却孔が
    穿設されてなることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかのヘリウム冷却高速増殖炉。
  7. 【請求項7】 2次回路の低温側に海水淡水化装置に熱
    を供給する熱交換器を配設してなることを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれかのヘリウム冷却高速増殖炉。
  8. 【請求項8】 1次回路には1次回路用ヘリウム貯蔵槽
    が遮断弁を介して接続され、2次回路には2次回路用ヘ
    リウム貯蔵槽が遮断弁を介して接続されてなることを特
    徴とする請求項7のヘリウム冷却高速増殖炉。
  9. 【請求項9】 請求項8のヘリウム冷却高速増殖炉にお
    いて、原子炉容器、1次回路、中間熱交換器とが第1室
    に設置され、2次回路およびガスタービン発電機が第2
    室に設置され、1次回路用ヘリウム貯蔵槽および2次回
    路用ヘリウム貯蔵槽が第3室に設置され、海水淡水化装
    置が第4室に設置され、運転のための計測制御装置が第
    5室に設置されてなり、第1室、第2室、第3室、第4
    室、および、第5室は一体として建て屋に設けられ、該
    建て屋がゴム薄板と鋼板とを交互に積層してなる免震装
    置によって岩盤上に支持されてなることを特徴とするヘ
    リウム冷却高速増殖炉。
  10. 【請求項10】 請求項8のヘリウム冷却高速増殖炉に
    おいて、原子炉容器、1次回路、中間熱交換器とが第1
    室に設置され、2次回路およびガスタービン発電機が第
    2室に設置され、1次回路用ヘリウム貯蔵槽および2次
    回路用ヘリウム貯蔵槽が第3室に設置され、海水淡水化
    装置が第4室に設置され、運転のための計測制御装置が
    第5室に設置されてなり、第1室、第2室、第3室、第
    4室が一体となって海面下に、第5室が海面付近に位置
    するように海面浮遊体に設けられてなり、前記海面浮遊
    体は二重底構造であってアンカーによって海底に固定さ
    れるとともに、側面に弾性袋からなり、弾性袋内の空気
    量が空気量制御装置によって制御される空気槽が付設さ
    れてなることを特徴とするヘリウム冷却高速増殖炉。
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