JPH10319136A - 楕円体パラメータを測定する電磁探査法 - Google Patents

楕円体パラメータを測定する電磁探査法

Info

Publication number
JPH10319136A
JPH10319136A JP14098897A JP14098897A JPH10319136A JP H10319136 A JPH10319136 A JP H10319136A JP 14098897 A JP14098897 A JP 14098897A JP 14098897 A JP14098897 A JP 14098897A JP H10319136 A JPH10319136 A JP H10319136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
antenna
measurement
orthogonal
loop antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14098897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3041415B2 (ja
Inventor
Hiromi Nakazato
裕臣 中里
Mutsuo Takeuchi
睦雄 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU K
NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU KENKYUSHO
Original Assignee
NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU K
NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU KENKYUSHO
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU K, NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU KENKYUSHO filed Critical NORIN SUISANSYO NOGYO KOGAKU K
Priority to JP14098897A priority Critical patent/JP3041415B2/ja
Publication of JPH10319136A publication Critical patent/JPH10319136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3041415B2 publication Critical patent/JP3041415B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁探査の効率化を図る。 【解決手段】地表の所定の場所に配置され、送信器11
と電気的に接続されて所定の周波数の電磁波を発信する
移動可能な送信アンテナ10と、この送信アンテナ10
と所定の距離を隔てた測定点に応じて移動され、受信器
21と電気的に接続されて送信アンテナ10から発信さ
れた電磁波を受信する受信アンテナ20とを備え、受信
アンテナ20を、一次磁場と二次磁場との合成磁場の直
交2成分を検出する2成分検出アンテナ22、23から
構成している。受信器21は、検出された2成分を測定
し合成磁場の直交2成分間の磁場強度比と位相差と、送
受信アンテナ10、20間の距離rと発信された電磁波
の周波数とから地下の垂直方向の比抵抗ρ1 、ρ2 を解
析する。測定の際には、送受信器11、21をそれぞれ
測定する線に沿って移動させては測定を行うようにして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地下構造を探査する
電磁探査法に関し、特に、楕円体パラメータを測定する
電磁探査法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ダム湖岸の地滑りや面積数km2
及ぶ地滑りなど、比較的広い範囲に及ぶ地質的条件に起
因する災害が増加しており、広域の地下構造を効率よく
かつ正確に解明するための調査法が求められている。従
来、このような地下構造の調査法として、信号源に潜水
艦通信用の超長波(VLF送信局からの電磁波)を受動
的に利用するVLF(Very Low Frequency)法や、電磁
法(EM法)が知られている。VLF法では、受信器の
みで測定が可能であり、作業性の面で優れているが、利
用できる電磁波の周波数が限定されるため、深度方向の
比抵抗変化に対する探査精度が低い。EM法には、時間
領域で測定を行う方法と周波数領域で測定を行う方法と
がある。時間領域測定法では、地下の情報を多く含んだ
二次磁場のみを測定するようにしている。このため、強
度の大きい一次磁場の影響を考慮する必要はないが、送
信アンテナとして数10〜数100mのループアンテナ
の敷設が必要となり、特に、地形の複雑な地域では、移
動しながら測定する測定作業の能率が悪い。これに対
し、周波数領域で測定を行う方法では一対の小型ループ
アンテナ(送信器と受信器)を携帯すればよく、複数の
周波数の電磁波を使用することにより、深度方向の比抵
抗変化を測定することができ、作業性および精度の点で
有利である。
【0003】従来の周波数領域のEM法は、図9に示す
ように、送信器3と電気的に接続された送信ループアン
テナ2を地表の所定の位置に設置し、送信器3から送信
ループアンテナ2に所定の周波数のサイン波交流電流を
送信し、電磁波を発生させる。送信器3には送信ループ
アンテナ2により生じる一次磁場の誘導起電圧と位相を
測定するリファレンスコイル4が設けられる。送信器3
から所定の距離離れた測定位置には、受信ループアンテ
ナ5が設置され、この受信ループアンテナ5は受信器6
に電気的に接続される。受信ループアンテナ5は、地下
の情報を含まない一次磁場と地中に誘起された渦電流に
よる二次磁場の合成磁場によって誘導電流を生じるよう
になっている。そして、送信器3と受信器6との間はリ
ファレンスケーブル7により接続され、リファレンスケ
ーブル7はリファレンスコイル4により測定された誘導
起電圧(一次磁場の強度)と位相とを受信器6に伝える
ようになっている。受信器6は、リファレンスケーブル
7によって伝えられる一次磁場の誘導電圧から受信電圧
の同相成分の一次磁場の影響をキャンセルし、同相・離
相成分の一次磁場と二次磁場の強度比を求めるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の周波数領域のEM法では、送信器から一次磁場の強
度と位相情報とを受信器に伝達するため、送信器と受信
器との間をリファレンスケーブルで接続しなければなら
ない。このため、立ち木の多い傾斜地や交通量の多い場
所で探査する場合、図10に示すように、リファレンス
ケーブルの切り離しと接続を繰り返さなければならず、
作業能率が低下するという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を除くためになされた
もので、地理的条件に左右されることなく、簡素な構成
で効率よく探査データの収集を行うことができる電磁探
査法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る楕円体パラ
メータを測定する電磁探査法は、送信器に電気的に接続
された送信アンテナを地表の所定の場所に配置するとと
もに、受信器に電気的に接続された受信アンテナを上記
送信アンテナと所定の距離を隔てた測定点に配置し、送
信アンテナから所定の周波数の電磁波を発信させ、発信
された電磁波による地下情報を含まない一次磁場と発信
された電磁波により地中に生じる二次磁場との成分をそ
れぞれ測定して測定場所の地下の比抵抗を求めた後、こ
れら送受信アンテナを所望の測定線に応じて移動させ、
この移動と測定とを繰り返しつつ地下の比抵抗を解析す
る電磁探査法であって、受信アンテナに、上記一次磁場
と二次磁場との合成磁場の直交2成分を検出させ、受信
器によりこれら検出された2成分を測定し合成磁場のベ
クトルにより導かれる楕円体パラメータに基づいて合成
磁場の直交2成分間の磁場強度比と位相差とから楕円率
と伏角とを求め、この楕円率と伏角の比に基づいて送受
信アンテナ間の距離と発信された電磁波の周波数とから
地下の比抵抗を解析するようにしたものである。
【0007】本発明に係る楕円体パラメータを測定する
電磁探査法では、送信アンテナを地表の所定の場所に、
受信アンテナを送信アンテナと所定の距離を隔てた測定
点にそれぞれ配置し、送信器により送信アンテナから所
定の周波数の電磁波を発信させる。受信アンテナが、一
次磁場と二次磁場との合成磁場の直交2成分を検出する
と、受信器はこれら検出された2成分を測定し、測定値
に基づいて送受信アンテナ間の距離と発信された電磁波
の周波数とから測定場所の地下の垂直方向の比抵抗を解
析する。次に、これら送受信アンテナを所望の測定線に
応じて移動させ、この移動と測定とを繰り返しつつ地下
の比抵抗を解析するようになっている。送信アンテナか
ら発信された電磁波の測定時、受信アンテナだけで一次
磁場と二次磁場との合成磁場の直交2成分を検出するこ
とができるので、測定時に、送信器側から一次磁場の強
度と位相の情報を得る必要がない。このため、送受信器
間を電気的に接続しなくても測定することができるの
で、測定作業が効率化される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明の電磁探査法に
用いられる電磁探査装置の一実施の形態を示す概念図で
ある。電磁探査装置は、図1に示すように、送信側に
は、送信ループアンテナ10とこの送信ループアンテナ
10に電気的に接続された送信器11が、受信側には、
受信ループアンテナ20とこの受信ループアンテナ20
に電気的に接続された受信器21がそれぞれ配置され
る。送信ループアンテナ10は面が水平に保持されて地
表の所定の測定位置に設置される。送信器11は送信ル
ープアンテナ10に所望の周波数のサイン波交流電流を
送り、送信ループアンテナ10から所定の周波数の電磁
波を出力させる。また、送信器11は送信ループアンテ
ナ10に高低の異なる周波数(例えば、30kHz ,17
kHz ,10kHz )を送出することができるようになって
いる。受信ループアンテナ20は送信ループアンテナ1
0から所定の距離を隔てた測定点に配置される。受信器
21は、受信ループアンテナ20が送信ループアンテナ
10から発信された電磁波を大地からの電磁応答信号と
して受信すると、この受信信号に基づいて地下の比抵抗
を検出するようになっている。
【0009】ところで、受信ループアンテナ20は、図
1に示すように、第1のループアンテナ22とこの第1
のループアンテナ22のアンテナ面に対して直角となる
第2のループアンテナ23とからなっている。第1のル
ープアンテナ22は水平に保持される。第2のループア
ンテナ23はアンテナ面が送信ループアンテナ10のア
ンテナ面に対して直角に、かつ、送受信ループアンテナ
10、20間を結ぶ線に対しても直角となるよう配置さ
れる。このように、受信ループアンテナ20は、第1お
よび第2のループアンテナ22、23からなる直交2成
分検出アンテナから構成され、地下の情報を含まない一
次磁場と送信ループアンテナ10から発信された所定周
波数の電磁波に応じて地中に誘起された渦電流による二
次磁場との合成磁場の直交2成分を検出するようになっ
ている。そして、受信器21は、受信ループアンテナ2
0が合成磁場の直交2成分を検出すると、直交2成分間
の磁場強度比および位相差を測定するようになってい
る。このため、送信器側10、11から、送信ループア
ンテナ10により生じる一次磁場の誘導起電圧(一次磁
場の強度)と位相との情報を得なくても、受信器側2
0、21のみで独立に合成磁場の直交2成分間の磁場強
度比および位相差を測定することができ、これらの測定
値から地下の比抵抗を測定することができるようになっ
ている。
【0010】次に、本発明に係る楕円体パラメータを測
定する電磁探査法について上記構成に係る電磁探査装置
の作用に基づいて説明する。図1に示すように、まず初
めに、送信器11に電気的に接続された送信ループアン
テナ10を地表の予め決められた測定線上の所定の場所
に配置する。次に、受信器21に電気的に接続された受
信ループアンテナ20を送信ループアンテナ10と所定
の距離r(距離rは数10m〜数100mの範囲)を隔
てた測定点に配置する。そして、送信器11により送信
ループアンテナ10から所定の周波数の電磁波を発信さ
せる。受信ループアンテナ20は、送信ループアンテナ
10から発信された電磁波を大地からの電磁応答信号と
して受信し、地下情報を含まない一次磁場と送信ループ
アンテナから発信された電磁波により地中に生じる二次
磁場との合成磁場の直交2成分を検出する。
【0011】ここで、この受信ループアンテナ20によ
り検出された成分の測定値から誘導される楕円体パラメ
ータの求め方を以下に示す。電磁波が大地を通過すると
き、一次磁場の変化を打ち消すように、二次磁場が発生
する。このため、空間的に任意の2方向の成分を考えた
とき、2つの成分の位相が一致しないため、合成磁場の
ベクトルは楕円の軌跡を描く。いま、角速度ωの電磁波
について受信点でのZおよびXの直交2方向の磁場の強
さをそれぞれ、数1と示す。実数部分をHz 、Hx とす
ると、数2のように示される。数1、数2の式を2乗し
て時間因数のωtを消去すると、Hx −Hz 座標系上で
の楕円の方程式が得られる。その方程式を数3および数
4に示す。以上の関係は図3に示すように、楕円分極と
楕円体パラメータとを示すグラフとして表される。図3
において、短軸と長軸の比(H2/H1 )を楕円率εと
いい、長軸のHx 軸からの傾きαを伏角という。これら
が楕円体パラメータである。
【0012】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0013】ところで、図3において楕円上の任意の動
点(Hx ,Hz )の動径と偏角をそれぞれ、R、θとす
ると、数5の式で表される。これを数3の式に代入して
2について解くと、数6および数7が得られる。数6
の式よりH1 、H2 を求めると、数8および数9の式で
表される。これら数8および数9の式より楕円率εは数
10の式のように表される。また、伏角αは、数9にお
いてR2 最大となるときのθであり、このときのθは2
θ−β=2nπ(nは整数)を満足しなければならな
い。ここでn=0とおけば、数11の式で示される。従
って、αは数7および数10の式から数12の式のよう
に求められる。以上により、数10の式および数12の
式に示されるように、楕円率εと伏角αは磁場の直交2
成分の振幅比(hz /hx )と位相差(δ)を測定する
ことにより求められる。
【0014】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【0015】次に、楕円体パラメータから大地の比抵抗
を求める方法について説明する。Frischknecht(1967)に
よれば、図1に示す地層が水平2層構造の地表面上での
アンテナ配置についての電磁応答式は、水平ループアン
テナについては、数13の式で、垂直ループアンテナに
ついては数14の式でそれぞれ与えられる。これら数1
3と数14の各式を用いて均一大地(ρ1 =ρ2 )の場
合の電磁応答を計算し、誘導定数Bについて伏角αおよ
び楕円率εを計算すると、図5に示すグラフを得ること
ができる(図5は、均一大地における誘導定数Bに対す
る伏角αおよび楕円率εの変化を示すグラフであ
る。)。ここで、ε/(90°−α)と誘導定数Bの関
係を見ると、図6に示すように、両対数スケール上で3
本の折線L1 、L2 、L3 で近似される。このことから
楕円体パラメータ(伏角α、楕円率ε)から誘導定数B
を求めることができる。このため、誘導定数Bの中の送
受信器間距離(=送受信ループアンテナ間距離)rと電
磁波周波数fが既知であることから見かけ比抵抗ρを求
めることができる。見かけ比抵抗ρは地層の種類に応じ
て異なっていることから、見かけ比抵抗ρが求められれ
ば、地層の種類が推定できる。また、送信器11は、高
低の異なる複数の周波数の電磁波を送信ループアンテナ
10から発信させるようにしている。これは、一般に低
周波数の電磁波ほど深部へ透入するからで、深度方向の
比抵抗変化をとらえるようにしている。
【0016】
【数13】
【数14】
【0017】そして、図4に示すように、予め決められ
た測定線上の所定の測定場所で、送信器側10、11か
ら発信された電磁波を受信器側20、21で成分を検知
して測定し、地中の比抵抗を解析すると、次に、これら
送信側機器10、11と受信側機器20、21をそれぞ
れ所望の測定線に応じて移動させ、この移動と測定とを
繰り返しつつ地下の比抵抗を解析するようになってい
る。このように、受信アンテナだけで一次磁場と二次磁
場との合成磁場の直交2成分を検出することができるの
で、測定時に、送信器側から一次磁場の強度と位相の情
報を得なくとも、すなわち、送受信器間を電気的に接続
しなくても測定することができるので、移動時、送信器
側と受信器側との接続作業が不要となり、測定作業が効
率化される。また、送受信器間に障害物が存在しても障
害物に制約を受けることなく測定作業を行うことができ
るので、測定作業を容易に行うことができる。
【0018】
【実施例】次に、上記構成に係る電磁探査装置を用いて
実験を行った一実施例を示す。図2は農業工学研究所流
出実験フィールドにおいて行った実験地の地下断面図を
示すもので、実験装置の仕様を図7に示す。また、実験
装置は、図2に示すように、送信ループアンテナ10は
面が水平に保持される水平アンテナで、受信ループアン
テナ20は直交する第1および第2のループアンテナ2
2、23からなっている。そして、この受信ループアン
テナ20は水平面から45°傾けて設置される。つま
り、直交アンテナである受信ループアンテナ20を垂直
に保持するのは難しいが、平坦な場所に直交する第1お
よび第2のループアンテナ22、23がそれぞれ接する
ように設置すると、容易に45°の角度で設置すること
ができるからで、しかも、この傾斜角度45°は解析に
おいて容易に補正することができるからである。すなわ
ち、受信ループアンテナ20は、たとえ傾斜していて
も、第1および第2のループアンテナ22、23により
直交2成分を検出することができるようになっている。
実験地は平坦な草地である。この場所の地下地層は、図
2に示すように、測定場所近傍のボーリング資料から地
表下3mまでがローム層、地表下7mまでが粘土層、地
表下40mまでが砂層の層構造であることが確認されて
いる。また、見かけ比抵抗値は送受信器間の中点に便宜
的に表示している。図2における地点A1 は電気探査解
析位置を示し、この電気探査解析位置では、予め電気探
査により地中の比抵抗が解析されている。この実験地で
予め行った比抵抗法電気探査の結果から、それぞれの地
層の比抵抗はローム層が240Ωm、粘土層が40Ω
m、砂層については地表下22mまでが80Ωm、それ
以上深い層が200Ωmと求められている。
【0019】次に、図7に示す仕様の実験装置を用いて
実験地で実験を行った。図8に流出実験フィールド端を
起点として、送受信器間隔40m、仕様電磁波周波数3
0kHz ,17kHz ,10kHz で行った実験結果を示す。
各アンテナ10、20の配置および得られた見かけ比抵
抗値については図2にも示している。これら実験結果か
ら、測定値および計算値である伏角、楕円率の値は地層
の層構造を反映し、使用周波数ごとにほぼ一定の値を示
している。これらの楕円体パラメータから得られる見か
け比抵抗値は15〜100Ωmの範囲にあり実験地周辺
の見かけ比抵抗値として妥当な値である。また、より低
周波数の測定ほど高い見かけ比抵抗値を示している。こ
れは一般に低周波数の電磁波ほど深部へ透入することか
ら、粘土層から砂層にかけての深度方向の比抵抗変化を
とらえたものである。このように、実験結果から、図9
および図10に示す従来のものに比して、本発明のもの
は、送信側と受信側とをケーブルにより接続しなくと
も、同じ探査精度を得ることができるので、接続作業が
不要となり、作業能率を向上させることができる。ま
た、ケーブルが不要となったので、送受信器間に障害物
があっても容易に探査することができる。
【0020】なお、上記実施例では、受信ループアンテ
ナ20を45°傾斜させているが、これに限られるもの
ではなく、解析時補正するのであれば、水平面に対して
0〜90°の範囲で傾斜させてもよい。また、受信ルー
プアンテナ20の第2のループアンテナ23の垂直を確
保するのに器具を用いるようにしてもよい。いずれにし
ろ、本発明の場合、受信ループアンテナについては、X
成分とZ成分のみ考慮に入れ、Y成分は考慮に入れてい
ない。また、地面が傾斜している場合には、解析された
データを地面傾斜のデータにより補正し、傾斜面に応じ
たデータを収集するようにしている。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る楕円体
パラメータを測定する電磁探査法によれば、受信アンテ
ナに、上記一次磁場と二次磁場との合成磁場の直交2成
分を検出させ、受信器によりこれら検出された2成分を
測定し合成磁場のベクトルにより導かれる楕円体パラメ
ータに基づいて合成磁場の直交2成分間の磁場強度比と
位相差とから楕円率と伏角とを求め、この楕円率と伏角
の比に基づいて送受信アンテナ間の距離と発信された電
磁波の周波数とから地下の比抵抗を解析するようにした
ので、測定時、受信アンテナだけで一次磁場と二次磁場
との合成磁場の直交2成分を検出することができる。こ
のため、送信器側と受信器側とを電気的に接続しなくと
も測定することができ、測定作業が効率化される効果が
ある。また、送受信器間を接続するケーブルが不要とな
るので、たとえ送受信器間に障害物があっても測定する
ことが可能となり、測定場所の制約がなくなるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る楕円体パラメータを測定する電磁
探査法に用いられる電磁探査装置の一実施の形態を示す
概念図である。
【図2】実験地の地下断面図と本発明の実験装置の配置
と実験結果の比抵抗値を示す説明図である。
【図3】楕円分極と楕円体パラメータを示すグラフであ
る。
【図4】本発明に係る楕円体パラメータを測定する電磁
探査法による測定時の工程を示すチャートである。
【図5】均一大地における誘導定数Bに対する伏角αお
よび楕円率εの変化を示すグラフである。
【図6】楕円体パラメータ比と誘導定数の関係を示すグ
ラフである。
【図7】実験装置の仕様を示すデータである。
【図8】実験結果を示すデータである。
【図9】従来の電磁探査装置を示す概念図である。
【図10】従来の電磁探査法による測定時の工程を示す
チャートである。
【符号の説明】
10 送信アンテナ 11 送信器 20 受信アンテナ 21 受信器 22 第1のループアンテナ(2成分検出アンテナ) 23 第2のループアンテナ(2成分検出アンテナ) ε 楕円率 α 伏角 r 送受信アンテナ間の距離 ρ、ρ1 、ρ2 地下の比抵抗

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信器に電気的に接続された送信アンテ
    ナを地表の所定の場所に配置するとともに、受信器に電
    気的に接続された受信アンテナを上記送信アンテナと所
    定の距離を隔てた測定点に配置し、送信アンテナから所
    定の周波数の電磁波を発信させ、発信された電磁波によ
    る地下情報を含まない一次磁場と発信された電磁波によ
    り地中に生じる二次磁場との成分をそれぞれ測定して測
    定場所の地下の比抵抗を求めた後、これら送受信アンテ
    ナを所望の測定線に応じて移動させ、この移動と測定と
    を繰り返しつつ地下の比抵抗を解析する電磁探査法にお
    いて、受信アンテナに、上記一次磁場と二次磁場との合
    成磁場の直交2成分を検出させ、受信器によりこれら検
    出された2成分を測定し合成磁場のベクトルにより導か
    れる楕円体パラメータに基づいて合成磁場の直交2成分
    間の磁場強度比と位相差とから楕円率と伏角とを求め、
    この楕円率と伏角の比に基づいて送受信アンテナ間の距
    離と発信された電磁波の周波数とから地下の比抵抗を解
    析するようにしたことを特徴とする楕円体パラメータを
    測定する電磁探査法。
  2. 【請求項2】 送信アンテナを水平に保持されるループ
    アンテナから構成し、受信アンテナを互いに直交する2
    つのループアンテナから構成するとともに、測定時、こ
    れら受信側のループアンテナの一方を水平に、他方を送
    信ループアンテナの面に対して直角に保持することを特
    徴とする請求項1に記載の楕円体パラメータを測定する
    電磁探査法。
  3. 【請求項3】 送信アンテナを水平に保持されるループ
    アンテナから構成し、受信アンテナを互いに直交する2
    つのループアンテナから構成するとともに、測定時、受
    信側の直交するループアンテナを水平面に対して所定角
    度傾斜させて配置し、解析時、この傾斜角度を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の楕円体パラメータを
    測定する電磁探査法。
  4. 【請求項4】 測定時、送信器は深度に応じた異なる複
    数の周波数を送信アンテナに送信することを特徴とする
    請求項1に記載の楕円体パラメータを測定する電磁探査
    法。
JP14098897A 1997-05-15 1997-05-15 楕円体パラメータを測定する電磁探査法 Expired - Lifetime JP3041415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14098897A JP3041415B2 (ja) 1997-05-15 1997-05-15 楕円体パラメータを測定する電磁探査法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14098897A JP3041415B2 (ja) 1997-05-15 1997-05-15 楕円体パラメータを測定する電磁探査法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10319136A true JPH10319136A (ja) 1998-12-04
JP3041415B2 JP3041415B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=15281537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14098897A Expired - Lifetime JP3041415B2 (ja) 1997-05-15 1997-05-15 楕円体パラメータを測定する電磁探査法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3041415B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3041415B2 (ja) 2000-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101796432B (zh) 使用电磁耦合分量确定地层参数
US6703838B2 (en) Method and apparatus for measuring characteristics of geological formations
CN108254792B (zh) 评估设施线路的信息的检测系统、方法和介质
CN101382599B (zh) 一种确定储层孔隙各向异性的瞬变电磁方法
CN104020496B (zh) 一种轴向同线方式的地面可控源电磁勘探方法
CN102062876A (zh) 一种全区电偶源频率域电测深方法
US6525539B2 (en) Apparatus and method for locating subsurface objects in conductive soils by measurements of magnetic fields by induced currents with an array of multiple receivers
CN114910968A (zh) 正交源频率域地空电磁倾子散度探测与成像方法及系统
KR20110058313A (ko) 지하 시설물 측량용 3차원 전자유도 측량장비
KR100847772B1 (ko) 인공 및 자연 송신원 전자기파 지하탐사장치
US20150369953A1 (en) Noise Measurement In A Locating Receiver
CN108287367A (zh) 一种基于时域电磁法的地面-孔中联合探测系统及应用方法
KR100399984B1 (ko) 전자 지하탐사방법 및 지하탐사시스템
JP2004347541A (ja) 地中空洞探査装置及び地中空洞探査方法
JP3041415B2 (ja) 楕円体パラメータを測定する電磁探査法
GB2148012A (en) Induced magnetic field borehole surveying method and probe
JP3740539B2 (ja) 電磁探査装置およびその方法
Huiming et al. Detecting underground cables and metal conducting pipes by using EM methods
RU2250479C2 (ru) Способ геоэлектроразведки
RU2386152C1 (ru) Способ определения трасс прокладки подводных трубопроводов и устройство для его осуществления
TYOH et al. ELECTROMAGNETIC METHODS
Kumari et al. Cross border tunnel detection using sensors: A review
RU2059270C1 (ru) Способ определения фазы геоэлектрического импеданса
CN114153006A (zh) 一种全向视电导率示踪勘探方法
KR200311086Y1 (ko) 전자 지하탐사장치

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term