JPH10318975A - 限界電流式ガスセンサ及びそれを用いたセンサシステム - Google Patents

限界電流式ガスセンサ及びそれを用いたセンサシステム

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JPH10318975A
JPH10318975A JP9147322A JP14732297A JPH10318975A JP H10318975 A JPH10318975 A JP H10318975A JP 9147322 A JP9147322 A JP 9147322A JP 14732297 A JP14732297 A JP 14732297A JP H10318975 A JPH10318975 A JP H10318975A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化炭素が存在する雰囲気においても水蒸
気あるいは酸素の濃度を正確に測定できる限界電流式ガ
スセンサを提供する。 【解決手段】 限界電流式ガスセンサ1は、酸素イオン
伝導性を有する固体電解質により形成された本体素子2
と、多孔質金属材料により本体素子2上に形成された陰
電極4及び陽電極5と、被測定雰囲気から陰電極4に向
けた気体の拡散を規制する気体拡散規制部9とを有し、
陰電極4と陽電極5との間に所定レベルの電圧を印加し
つつ、その状態で被測定気体を気体拡散規制部9を介し
て陰電極4と接触させるようにする。そして、酸素を構
成元素の一つとする被検出成分が被測定気体に含有され
ている場合に、その被検出成分の該被測定気体中の濃度
を、本体素子2を介して陰電極4と陽電極5との間に流
れる酸素ポンプ電流の値に基づいて検出するとともに、
陰電極4がPd又はPd合金により構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は限界電流式ガスセン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被測定気体中の酸素や水蒸気
の濃度を検出するために限界電流式ガスセンサが使用さ
れている。限界電流式ガスセンサは、酸素イオン電導性
固体電解質上に多孔質電極で構成された陰電極と陽電極
とを設けるとともに、陰電極に対しては小孔をあけた覆
いや多孔質体等で構成された拡散律速部(拡散規制部)
を設け、それによって被測定雰囲気から陰電極へ向かう
気体の拡散を規制するようにした構成を有する。例え
ば、被測定雰囲気中の気体に酸素が含まれている場合、
該酸素は拡散律速部を通って陰電極に到達する。ここ
で、陰電極と陽電極との間に適当なレベルの電圧を印加
しておけば、陰電極上で解離された酸素が酸素イオンと
なって固体電解質中を陽電極に向けて流れるが、この時
の電流値(いわゆるポンプ電流値)は拡散律速部を通過
する酸素の拡散速度が律速となってある値(すなわち限
界電流値)に飽和する。そして、この限界電流値が気体
中の酸素濃度にほぼ比例することから、これを測定する
ことで気体中の酸素濃度を知ることができる。
【0003】この場合、測定可能な成分としては分子状
の酸素だけでなく、例えば水(水蒸気)など分子中に酸
素原子を含有しているものであれば、その分子の電気分
解が生ずるレベルまで電極間の印加電圧を高めること
で、同様に限界電流を生じさせることができ、その濃度
を測定することができる。そのため、限界電流式ガスセ
ンサは、酸素濃度測定のみならず、例えばボイラ等の汎
用内燃機関で生ずる排気ガス中の水蒸気濃度(あるいは
分圧)の測定用等にも広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記限界電
流式ガスセンサに使用される多孔質電極の材質は、酸素
分子あるいは酸素原子を含んだ分子に対する解離ないし
分解の触媒活性が比較的高いものを用いする必要があ
り、一般にはPt多孔質電極が使用されている。Pt多
孔質電極を使用することにより、被測定気体中の酸素濃
度を比較的精度よく測定することができる。一方、内燃
機関からの排気ガス中の水蒸気濃度を測定する場合であ
るが、該排気ガス中には水蒸気、酸素の他に一般には二
酸化炭素が含有されていることが多い。そして、Pt多
孔質電極を用いた限界電流式ガスセンサは、このような
二酸化炭素が存在する雰囲気での水蒸気濃度の検出に用
いる場合、誤差が非常に大きくなる欠点がある。
【0005】その誤差を生ずる第一の原因は、水と二酸
化炭素の分解電圧が近接しており、水蒸気を検出する電
圧で二酸化炭素も電気分解されてしまうことにある。こ
のとき、検出されるポンプ電流に対する二酸化炭素の分
解による寄与が一定であれば、誤差を補正することも可
能であるが、図17(b)に示すようにPt電極の場合
は、水蒸気濃度に対するポンプ電流値の増加率が二酸化
炭素濃度によって大きく変化し、正確な補正を行うこと
は不可能に近い。
【0006】また、誤差を生ずる第二の原因は、雰囲気
中の二酸化炭素濃度及び水蒸気濃度が一定であっても、
ポンプ電流の安定性が非常に悪い点にある。図19は、
一定濃度の水蒸気を含有する被測定雰囲気においてポン
プ電流を検出しながら、該雰囲気に一定濃度の二酸化炭
素を導入したときの、ポンプ電流の変化の様子を示した
ものである。図中、破線がPt電極を使用したときのポ
ンプ電流の変化を示しており、二酸化炭素の導入に伴
い、その電気分解により生ずる酸素イオンの寄与に相当
する分だけポンプ電流は不連続的に増大している。
【0007】ここで、二酸化炭素の濃度を一定にしてい
るのであるから、導入後のポンプ電流の値は一定レベル
に保持されるのが理想的であるが、Pt電極を使用した
場合、時間の経過とともにポンプ電流がゆっくりと減少
し、一定レベルに安定化するまでに相当な長時間を有し
てしまう欠点がある。原因は定かではないが、Pt電極
上で一旦分解された二酸化炭素に基づく酸素原子や炭素
原子が、一種の再結合反応により一酸化炭素等を形成し
たりして、二酸化炭素の分解反応が最終的な平衡状態に
なかなか到達しないこと等が推測される。いずれにし
ろ、センサ出力としてのポンプ電流が二酸化炭素の存在
下では安定化しないために、その値から水蒸気濃度を正
確に知ることはほぼ絶望的に近い。
【0008】本発明は、二酸化炭素が存在する雰囲気に
おいても水蒸気あるいは酸素の濃度を正確に測定できる
限界電流式ガスセンサと、それを用いたセンサシステム
とを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述の課
題を解決するために、本発明の限界電流式ガスセンサは
下記のように構成されることを特徴とする。すなわち、
該限界電流式ガスセンサは、酸素イオン伝導性を有する
固体電解質により形成された本体素子と、多孔質金属材
料により本体素子上に形成された陰電極及び陽電極と、
被測定雰囲気から陰電極に向けた気体の拡散を規制する
気体拡散規制部とを有し、陰電極と陽電極との間に所定
レベルの電圧を印加しつつ、その状態で被測定気体を気
体拡散規制部を介して陰電極と接触させるようにする。
そして、酸素を構成元素の一つとする被検出成分が被測
定気体に含有されている場合に、その被検出成分の該被
測定気体中の濃度を、本体素子を介して陰電極と陽電極
との間に流れる酸素ポンプ電流の値に基づいて検出する
とともに、陰電極がPd又はPd合金により構成され
る。この場合、陽電極もPdないしPd合金で構成でき
るが、該陽電極については他の材質、例えばPt等で構
成してもよい。
【0010】本発明者らは、限界電流式ガスセンサにお
いて、その陰電極を上述のようにPd又はPd合金で構
成することにより、被測定雰囲気中に二酸化炭素が含有
されている場合でも水蒸気あるいは酸素の濃度を正確に
測定できることを見い出したのである。
【0011】すなわち、上記限界電流式ガスセンサにお
いては、被測定気体中に一定濃度の二酸化炭素と、被検
出成分として一定濃度の水蒸気が含有されている場合
に、陰電極と陽電極との間に印加される電圧を所定のレ
ベルに設定することにより、酸素ポンプ電流値がその水
蒸気濃度及び二酸化炭素濃度に対応したほぼ一定の値
(限界電流値)を示すようになる。また、図17(a)
に示すように、被測定気体中の水蒸気の濃度の増大に伴
うその限界電流値の増加率は、同図(b)に示す前述の
Pt電極を使用した場合と異なり、該被測定気体中の二
酸化炭素濃度によらずほぼ一定の値を示すようになる。
そして、水蒸気濃度の測定時には、従来のPt陰電極を
用いたセンサと同様に、測定に係る限界電流値には二酸
化炭素の分解による誤差成分が生ずるのであるが、該誤
差成分の値は雰囲気中の二酸化炭素の濃度が一定であれ
ば、常にこれに対応したほぼ一定の値を示すようにな
る。従って、被測定雰囲気中の二酸化炭素濃度が予め知
れてさえいれば上記誤差成分の値を正確に見積ることが
でき、ひいては該誤差成分の影響を補正することにより
正確な水蒸気濃度の測定が可能となる。
【0012】また、前述の図19を用いて説明すれば、
一定濃度の水蒸気のみを含有する被測定雰囲気において
ポンプ電流を検出しながら該雰囲気に一定濃度の二酸化
炭素を導入した場合、陰電極をPdないしPd合金で構
成すると、ポンプ電流の値は導入した二酸化炭素の濃度
に対応した値だけ速やかに増大した後、以降はほぼ一定
レベルに保持される。すなわち、雰囲気中に二酸化炭素
が含有されていても、ポンプ電流の値が速やかに水蒸気
濃度に対応した値に平衡するので、Pt電極を使用した
場合(破線)のようにポンプ電流の変動による誤差の影
響がほとんどなくなり、水蒸気濃度を正確に検出するこ
とができる。
【0013】さらに、上記限界電流値は、図18に示す
ように、被測定気体中の二酸化炭素濃度が増加するに伴
いほぼ一定の割合で変化するようになる。これにより、
上記限界電流値から被測定気体中の二酸化炭素濃度を知
ることができる利点も生ずる。
【0014】なお、該限界電流式ガスセンサにより、被
測定気体中の酸素濃度も同様に測定することができる。
この場合、酸素濃度を検出するための限界電流領域は、
水蒸気及び二酸化炭素の分解電圧よりも低電圧側に生ず
るため、二酸化炭素及び水蒸気の分解の影響を受けるこ
となく、酸素濃度の値を正確に測定することができる。
また、窒素酸化物(いわゆるNOX)はO2とほぼ同じ分
解電圧を有しており、被測定気体中にNOXが含有され
ている場合は、上記限界電流値からO2とNOXの合計量
を測定することが可能である。この場合、別途O2ある
いはNOXの濃度が何らかの方法で知れている場合は、
限界電流値から求められるO2+NOXの濃度から、O2
濃度あるいはNOX濃度を減ずることにより、他方の成
分の濃度を知ることができる。
【0015】上記限界電流式ガスセンサは、具体的に
は、本体素子上において多孔質金属材料により線状又は
帯状に形成され、その一端が陰電極に対し接続されると
ともに、他方の端部側を気体導入部として、自身に形成
された連通気孔により被測定気体をその拡散を規制しつ
つ陰電極まで導く気体拡散規制部と、気体の流通を遮断
する材料により構成され、気体拡散規制部の他方の端部
側を露出させた状態で本体素子上の陰電極と気体拡散規
制部とを覆う気体遮断部と、本体素子の陰電極及び陽電
極に対応する部分を所定のセンサ作動温度まで局部加熱
するヒータ素子とを備えたものとして構成できる。この
場合、ヒータ素子による加熱が局部的なものであるか
ら、固体電解質で構成された本体素子の気体拡散規制部
に対応する部分は、センサ作動温度(すなわち、固体電
解質が十分な酸素イオン導電性を示す活性化温度)まで
加熱されず、該気体拡散規制部から固体電解質中へは酸
素イオンの拡散はほとんど生じない。なお、該気体拡散
規制部の少なくとも一部を、陰電極に通電するための陰
電極リード部に兼用させることができる。
【0016】また、本体素子は板状に形成することがで
き、陰電極と陽電極とは、該板状の本体素子の同じ板面
側に互いに隣接して配置することができる。これによ
り、センサが薄型でコンパクトなものとなるほか、陰電
極と陽電極とが同一材質(すなわちPd又はPd合金)
で構成される場合は、これらを同一材質の金属ペースト
を用いて一回の印刷工程で形成できるため製造が容易と
なる。
【0017】次に、本発明は、上記限界電流式ガスセン
サを使用したセンサシステムも提供する。すなわち、該
センサシステムは、上記限界電流式ガスセンサと、その
限界電流式ガスセンサによる限界電流値の情報を、外部
より与えられる被測定気体中の二酸化炭素濃度の情報に
基づいて補正するとともに、上記限界電流値に基づく水
蒸気の濃度情報をその補正結果を反映させた形で出力す
る補正出力手段とを備えたことを特徴とする。これによ
り、センサが検出した限界電流値に基づく水蒸気濃度の
情報に対し二酸化炭素濃度の影響が補正されて、より正
確な水蒸気濃度の情報を得ることができる。
【0018】この場合、補正出力手段は、下記の要件を
備えたものとして構成することができる。 補正参照情報記憶手段:被測定気体中の水蒸気の濃度
と、同じく二酸化炭素の濃度と、限界電流値との相互関
係を示す補正参照情報を記憶する。 水蒸気濃度出力情報決定手段:限界電流式ガスセンサ
による限界電流値と、外部より与えられる被測定気体中
の二酸化炭素濃度の情報とに基づいて、補正参照情報を
参照しつつ、出力すべき水蒸気濃度の情報を決定する。
すなわち、実験等により、被測定気体中の水蒸気の濃度
と、同じく二酸化炭素の濃度と、限界電流値との相互関
係を補正参照情報として予め決定し、これを補正参照情
報として記憶しておけば、その記憶された補正参照情報
を参照することにより、センサの検出出力として得られ
る限界電流値の検出情報と上記二酸化炭素濃度の情報と
を用いて、出力すべき水蒸気濃度の情報を合理的に決定
することができる。
【0019】また、補正参照情報記憶手段には、二酸化
炭素濃度の各種値毎に用意され、それぞれ対応する二酸
化炭素濃度における水蒸気濃度と限界電流値との関係を
示す被検出成分濃度−限界電流値テーブルを補正参照情
報として記憶しておくことができる。これにより、各種
二酸化炭素濃度における被測定気体中の水蒸気濃度を正
確に決定できる利点が生ずる。
【0020】なお、上記二酸化炭素の濃度情報は、例え
ばサンプリング等により別途測定した二酸化炭素濃度値
を入力等により与えるようにすることができる。一方、
被測定気体中の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素濃
度検出手段を設け、その検出結果を、補正出力手段にお
いて二酸化炭素濃度の情報として使用するようにしても
よい。これによれば、二酸化炭素濃度をリアルタイムで
検出して、これを水蒸気濃度の補正情報として使用する
ことができるから、より高精度の水蒸気濃度検出が可能
となる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の限界電流式ガス
センサ(以下、単にセンサともいう)の一例の外観を示
す斜視図である。該センサ1は、板状に形成された本体
素子2、その本体素子2上に形成された陰電極4及び陽
電極5、それら陰電極4及び陽電極5に通電するための
陰電極リード部4a及び陽電極リード部5a、陰電極リ
ード部4aから分岐して設けられた気体導入部6、本体
素子2上に積層されて上記陰電極4、陽電極5、リード
部4a,5a及び気体導入部6を覆う板状の気体遮断部
3、及び本体素子2に対し気体遮断部3とは反対側から
積層された板状のヒータ素子8等を備えている。
【0022】本体素子2は酸素イオン伝導性を有する固
体電解質により構成されている。そのような固体電解質
としては、Y23ないしCaOを固溶させたZrO2
代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属な
いし希土類金属の酸化物とZrO2との固溶体を使用し
てもよい。また、ベースとなるZrO2にはHfO2が含
有されていてもよい。本実施例では、本体素子2は、例
えば厚さ0.15mm、幅5mm、長さ23mmの板状に形成
されているものとする。一方、気体遮断部3も同様の固
体電解質により本体素子2と同幅及び同長さに形成さ
れ、本体素子2と焼成により一体化されて一体積層体1
0を構成している。ここで、一体積層体10の全厚は、
本実施例ではおよそ0.3mmとされている。なお、図3
に示すように、該気体遮断部3は、気体透過性を有さな
いものであれば本体素子2とは別材質のセラミックスで
構成してもよく、例えばAl23等で構成することがで
きる。
【0023】次に、陰電極4及び陽電極5はそれぞれP
d又はPd合金の多孔質体(以下、Pd多孔質体とい
う)により構成され、本体素子2の板面の長手方向にお
ける一方の端部側において、その幅方向に互いに隣接し
て配置されている。これら電極4及び5は、本実施例で
は厚さ約20μm、幅約1mm、長さ約3mmの長方形状に
形成されているものとする。一方、陰電極リード部4a
と陽電極リード部5aとは、Pt多孔質体によりそれぞ
れ上記電極4,5よりも幅が細い帯状に形成され、一端
側が陰電極4及び陽電極5に接続している。また、それ
らの他端側は、本体素子2の幅方向両縁部に沿ってそれ
ぞれ延び、その末端部には少し広幅の端子接続部4b,
5bが形成されている。そして、ここに白金線等で形成
された端子部4c及び5cの各一端部が、本体素子2と
気体遮断部3との間に挟み付けられた形で接続され、そ
れぞれその他端側を一体積層体10の端面から突出させ
ている。なお、陽電極5は、Pt又はPt合金の多孔質
体(以下、Pt多孔質体という)で構成してもよい。
【0024】次に、陰電極リード部4aの中間部からは
Pt多孔質体(あるいはPd多孔質体)で構成された帯
状の分岐部6が側方に分岐する形で形成されており、そ
の末端は一体積層体10の側面に露出している。そし
て、この分岐部6は陰電極リード部4aとともに、上記
露出する末端を気体導入部として自身に形成された連通
気孔により被測定気体をその拡散を規制しつつ陰電極4
まで導く気体拡散規制部(あるいは拡散律速部)9を構
成している。一方、気体遮断部3には、陽電極5に対応
する位置において該陽電極5と外部とを連通させるガス
出口穴7が形成されている。なおガス出口穴7は、陽電
極5と外部とを連通させるものであれば、その断面形状
及び大きさは特に限定されない。
【0025】また、図4に示すように、ヒータ素子8
は、Al23等で構成された板状のセラミック基体21
に対し、本体素子2の陰電極4及び陽電極5に対応する
部分に、Pt等で構成された線状の抵抗発熱部20が埋
設され、リード部22,22と、それらの末端部に接続
された端子部13及び14により通電加熱され、本体素
子2の陰電極4及び陽電極5に対応する部分のみを、所
定のセンサ作動温度まで局部的に加熱する役割を果た
す。なお、該ヒータ素子8とこれに積層された前述の一
体積層体10とからなる本実施例のセンサ1には、その
板面中央においてそれらを積層方向に貫通する通気孔1
5が形成されている。
【0026】上述のようなセンサ1は、例えば次のよう
にして製造することができる。まず、ヒータ素子8は、
焼成後に通気孔15となる穴を開けたAl23粉末のグ
リーンシートの上面に、Ptペーストを用いて抵抗発熱
部20及びリード部22,22となるパターンを印刷形
成し、そのリード部パターンの末端に端子部13,14
となる白金線をのせた後、同様のグリーンシートを積層
し、これを焼成・一体化する。一方、一体積層体10
は、固体電解質のグリーンシート上に陰電極4及び陽電
極5となるパターンをPd又はPd合金粉末のペースト
により印刷形成し、さらにそれらのリード部4a,5b
のパターンをPt粉末ペーストを用いて印刷形成する。
そして、それらリード部のパターンの端部に端子部4
c,5cとなる白金線をのせた後、その上に別の固体電
解質のグリーンシートを積層し、約1500℃でこれを
焼成・一体化する。こうして得られたヒータ素子8と一
体積層体10とを封着ガラスあるいは無機系接着剤等を
用いて互いに接合することにより、図1に示すセンサ1
が得られる。
【0027】上記センサ1の基本的な動作は以下の通り
である。まず、センサ1を被測定雰囲気中に配置し、ヒ
ータ素子8に通電して本体素子2を所定の作動温度(活
性化温度:例えば500℃)まで加熱する。被測定雰囲
気中の気体(被測定気体)は、図1の気体拡散規制部9
を通ってその拡散が規制されつつ陰電極4に導かれる。
この状態で陽電極5と陰電極4との間に所定レベルの電
圧Vを印加すると、Pd多孔質体で構成された陰電極4
においてその気孔に保持された酸素が解離され、その解
離された酸素が陰電極4から陽電極5に向けて本体素子
2の内部をポンピングされることにより、被測定気体中
の酸素濃度に応じたポンプ電流を生ずる。このとき、本
体素子2は、陰電極4の近傍のみが局所加熱され、気体
拡散規制部9に対応する部分は酸素イオン導電性を示す
程には加熱されないため、ポンピングの進行に伴い新た
な気体が気体拡散規制部9を通って陰電極4に供給され
る。
【0028】まず、被測定気体中に二酸化炭素が含有さ
れていない場合は、陽電極5と陰電極4との間に流れる
ポンプ電流Iは、図5の実線に示すように変化する。ま
ず、印加電圧Vをゼロから次第に大きくしてゆくと、ポ
ンピングされる酸素イオンの量が増大し、ポンプ電流I
の値も電圧とともにほぼ直線的に増加する。しかしなが
ら、電圧Vがある値V1に到達すると、気体拡散規制部
9を通過する酸素の拡散速度が律速となってポンプ電流
Iは第一の限界電流値IL1に飽和し、第一の平坦部F1
が形成される。
【0029】その後、さらに電圧を増加させてある電圧
値V2よりさらに高くなると、被測定気体中の水蒸気の
電気分解が生じ、その分解で生じた酸素イオンが陽電極
5にポンピングされるためポンプ電流Iは再び増加し始
める。しかしながら、この場合も電圧がある値V3に到
達すると、気体拡散規制部9における水蒸気の拡散が律
速となってポンプ電流は第二の限界電流値IL2に飽和
し、第二の平坦部F2が形成される。そして、この電流
値IL2は、乾燥空気ベースの酸素濃度が一定の場合、水
蒸気濃度に対して図6のようにほぼ直線的に変化するの
で、酸素濃度を知ることで該電流値IL2から水蒸気濃度
を知ることができる。
【0030】次に、水蒸気量が同じとして、これに二酸
化炭素を混合した場合には、ポンプ電流Iは図5の破線
に示すように変化する。ここで、二酸化炭素は水蒸気と
同程度の電圧で分解されるので、この分解による電流増
加の寄与は第二の平坦部F2に対応する電圧域V3〜V4
に表れる。すなわち、第二の平坦部F2におけるポンプ
電流レベルは、二酸化炭素の混入分に対応してIL2から
IL2’へ増加する。一方、第一の平坦部F1のポンプ電
流レベルは、乾燥空気ベースでの酸素濃度が二酸化炭素
の混合により相対的に低下するため、二酸化炭素を混入
しない場合のレベルIL1よりも低いIL1’となる。そし
て、IL2−IL1は水蒸気量に対応し、(IL2’−IL
1')−(IL2−IL1)は二酸化炭素の分解によって生じ
た酸素イオンによる電流増加の寄与に対応するものとな
る。
【0031】図17は、各種二酸化炭素濃度における第
二の限界電流値IL2の水蒸気濃度依存性を示している。
なお、被検出雰囲気の全圧は1気圧とした。すなわち、
(b)に示すように、陰電極4をPtで構成した場合
は、水蒸気濃度に対する電流値IL2の変化率が、二酸化
炭素濃度に応じて全て異なる値となっており、二酸化炭
素の分解による電流増加の寄与が、該二酸化炭素の濃度
に応じてリニアに変化していないことがわかる。一方、
陰電極4をPdで構成した本実施例のセンサの場合に
は、(a)に示すように、上記電流値IL2の変化率が二
酸化炭素濃度によらずほぼ一定の値となっている。これ
を、各種水蒸気濃度における電流値IL2の二酸化炭素濃
度依存性にプロットしなおしたのが図18であり、電流
値IL2が二酸化炭素の濃度増加に対してほぼリニアに変
化していることがわかる。すなわち、二酸化炭素の分解
による電流増加の寄与が二酸化炭素濃度に応じて一義的
に定まり、両者の関係を予め実験等により測定しておけ
ば、電流値IL2に基づいて水蒸気濃度を決定する際に、
二酸化炭素の影響分を正確に補正することができる。ま
た、逆に測定気体中の酸素濃度及び水蒸気濃度が知れて
いれば、電流値IL2の値から二酸化炭素濃度を知ること
も可能となる。すなわち、図1の限界電流式ガスセンサ
1を二酸化炭素センサとしても使用することが可能とな
るのである。
【0032】以下、図1のセンサ1を使用したセンサシ
ステムのいくつかの構成例と、その作動について説明す
る。図7は、センサシステムの一例の電気的構成を示す
ブロック図である。すなわち、該センサシステム50
は、上記センサ1と、マイクロプロセッサ51と、それ
らセンサ1とマイクロプロセッサ51とを接続する周辺
回路50aとから構成されている。
【0033】センサ1の陽電極5には電源としてのオペ
アンプ61が接続されている。該オペアンプ61には、
A/D変換器60を介してマイクロプロセッサからの指
示電圧が入力され、その指示電圧値に応じた電圧を陽電
極5に印加する働きをなす。一方、センサ1の陰電極4
は電流検出用の抵抗器64を介して接地されている。そ
して、抵抗器64の両端電圧は、周辺の抵抗器66〜6
9とともに差動増幅器を構成するオペアンプ65に入力
され、その出力がセンサ1に流れるポンプ電流情報とし
て、A/D変換器70を介してマイクロプロセッサ51
に入力されるようになっている。なお、センサ1のヒー
タ素子8は、図示しないヒータ電源に通電制御回路を介
して接続され、前述の本体素子2がセンサ作動温度とな
るようにその発熱が、例えばPWM(Pulse Wi
dth Modulation)制御方式等により制御
される。
【0034】次に、マイクロプロセッサ51は、周辺回
路50aとの間の出入力インターフェースとなるI/O
ポート52と、これに接続されたCPU53、RAM5
4、ROM55等により構成されている。そのRAM5
4には、CPU53のワークエリア54aと、後述する
処理において取り込まれる各種測定値のデータ、あるい
は後述する制御処理の過程で生ずる各種測定値を格納す
るための測定値メモリ54bが形成されている。また、
ROM55には、センサシステム50の被検出成分の出
力値決定の演算とその出力制御を司る制御プログラムを
記憶するための制御プログラム記憶部55aと、該制御
プログラム55aが使用する補正参照情報を記憶するた
めの補正参照情報記憶部55b(内容については後述す
る)が形成されている。そして、CPU53は、上記制
御プログラムに基づいて水蒸気濃度出力情報決定手段、
及び水蒸気濃度情報出力制御手段の主体として機能する
こととなる。
【0035】I/Oポート52には、7セグメントLE
Dや液晶ディスプレイ等で構成された水蒸気濃度表示部
80及び酸素濃度表示部81が、それぞれ表示制御回路
82及び83を介して接続されている。また、I/Oポ
ート52には、気体サンプリング等により別途測定され
た二酸化炭素濃度の情報を入力するための入力部84が
接続されている。
【0036】以下、センサシステム50の作動につい
て、マイクロプロセッサ51のCPU53からみた処理
の流れにより、図8のフローチャートを用いて説明す
る。まず、センサ1を被測定雰囲気中に配置し、ヒータ
素子8に通電してこれを作動温度まで加熱する。そし
て、S1において、センサ1の両電極4,5に印加する
電圧レベルを、図5の第一の平坦部F1が得られる電圧
V10に設定する。この時のポンプ電流値Iは、第一の限
界電流値IL1’として被測定雰囲気中の酸素濃度に対応
するものとなる。ここで、図7のROM55には、図9
(a)に示すように、補正参照情報記憶部55bにポン
プ電流の値と酸素濃度との関係を記憶したテーブル19
0が記憶されており、読み込んだポンプ電流Iに対応す
る酸素濃度をこのテーブル190から補間法により決定
し、これを酸素濃度表示部80に出力する。なお、上記
ポンプ電流値IはRAM54の測定値メモリ54bに一
時記憶される(以上、図8:S2〜S4)。
【0037】次に、S5に進み、印加電圧のレベルを図
5の第二の平坦部F2が得られる電圧V20に設定する。
この時のポンプ電流値I’は、前述の通り、第二の限界
電流値IL2’として被測定雰囲気中の酸素濃度、水蒸気
濃度及び二酸化炭素濃度の各寄与が全て重畳されたもの
となる。ここで、酸素濃度に対応するポンプ電流値Iは
すでに測定値メモリ54bに記憶されているから、これ
を上記ポンプ電流値Iから減じてその差ΔI=I−I’
(図5のIL2’−IL1'に対応)を求めれば、該ΔIは
水蒸気濃度及び二酸化炭素濃度の寄与の合計を反映した
ものとなる。一方、測定気体中の二酸化炭素濃度は気体
サンプリング等により別途測定されており、これは図7
の入力部84から入力されてRAM54に記憶されてい
るが、その値が読み込まれる(以上、図8:S5〜S
8)。
【0038】そして、ROM55の補正参照情報記憶部
55bには、前述のΔIの値と水蒸気濃度CWとの関係
を各種二酸化炭素濃度毎に示す2次元のテーブル191
が記憶されている。そして、図10に示すように、まず
読み込んだ二酸化炭素濃度に対応するΔI−CWの関係
を上記テーブル191から補間法により生成する。そし
て、測定されたΔIの値に対応する水蒸気濃度の値を、
上記生成されたΔI−CWの関係と照合して補間法によ
り決定し、これを図7の水蒸気濃度表示部81に出力す
る(以上、図8:S9、S10)。そして、S1に戻
り、以下同様の処理が繰り返される。
【0039】なお、図17に示すように、ポンプ電流
(第二の限界電流)の値と水蒸気濃度との関係は、二酸
化炭素濃度によらずほぼ一定の変化率を示す直線的なも
のとなるから、水蒸気濃度は下記のような方法によって
も決定することができる。まず、図9(c)に示すよう
に、各二酸化炭素濃度CCと対応する電流増加の寄与の
値(以下、換算電流値という)ICとの関係を示すテー
ブル192を、ROM55の補正参照情報記憶部55b
に記憶しておき、与えられた二酸化炭素濃度に対応する
換算電流値ICの値をこのテーブル192を用いて補間
法により決定する。次いで、測定されたΔIの値から決
定された換算電流値ICの値を減じて、補正ポンプ電流
ΔI’(=ΔI−IC)を求める。そして、ROM55
の補正参照情報記憶部55bには、この補正ポンプ電流
ΔI’と水蒸気濃度CWとの関係を示すテーブル193
を記憶しておき、上記求められた補正ポンプ電流ΔI’
の値に対応する水蒸気濃度の値を該テーブル193を参
照して補間法により決定する。この方法によれば、RO
M55に記憶させるべきデータは、1次元のテーブル2
組(192,193)で済み、2次元のテーブル191
を使用する場合と比べてデータ量を大幅に削減すること
ができる。
【0040】また、図7に二点鎖線で示すように、マイ
クロプロセッサ51に二酸化炭素センサ85をセンサコ
ントローラ86及びA/D変換器87を介して接続して
おき、水蒸気濃度を決定する際にこの二酸化炭素センサ
85の検出する二酸化炭素濃度を用いるようにしてもよ
い。
【0041】図7に示したセンサシステム50は酸素濃
度と水蒸気濃度とを測定するためのものであったが、こ
れとほぼ同一の構成により二酸化炭素濃度測定用のシス
テムを構築することもできる。図14は、その構成例を
示すブロック図であるが、大半は図7のシステム50と
共通しているので、その相違点について説明する。ま
ず、該システム150においては、被測定雰囲気中の水
蒸気濃度あるいは酸素濃度が、各々センサコントローラ
93,96とA/D変換器94,97とを介してマイク
ロプロセッサ51に接続された酸素センサ92及び水蒸
気濃度センサ95により測定される。そして、二酸化炭
素濃度の測定・表示処理がROM55の記憶部55aに
記憶された制御プログラムにより、図15に示す流れに
従い実行される。
【0042】まず、センサ1に対する印加電圧のレベル
を、図5の第二の平坦部F2が得られる電圧V20に設定
する。そして、S51及びS52において、酸素センサ
92及び水蒸気濃度センサ95が検出する酸素及び水蒸
気の濃度を読み込む。ROM55の補正参照情報記憶部
55bには、図16に示すように、ポンプ電流の絶対値
Iと、水蒸気濃度CWと、酸素濃度COと、二酸化炭素濃
度CCとの関係を示す3次元のテーブル194が記憶さ
れており、検出された酸素濃度CO、水蒸気濃度CW及び
ポンプ電流Iに対応する二酸化炭素濃度CCを、該テー
ブル194を参照して3次元補間により決定し、これを
表示部90に出力する(S53、S54)。
【0043】次に、図11のセンサ100は、図1のセ
ンサ1の変形例を示している。センサ1との共通部分に
は共通の符号を付してその相違点についてのみ説明すれ
ば、該センサ100においては、2組の陰電極4,4’
が陽電極5を共有する形で設けられており、一方(4)
が酸素濃度検出用、他方(4’)が水蒸気検出用とされ
ている。本実施例では、本体素子2の幅方向中央に陽電
極5が配置され、陰電極4,4’は該幅方向において陽
電極5の両側に隣接して配置されている。また、陰電極
リード部、気体導入部及び端子等も、それぞれ4a,4
a’、6,6’、4c,4c’の2組ずつが設けられて
いる。なお、本構成においては図1の通気孔15は形成
されていない。
【0044】図13は、上記センサ100を用いたセン
サシステムの一例を示すブロック図である。以下、該シ
ステム200について、図7のシステム50との共通部
分には共通の符号を付し、その相違点について説明す
る。すなわち、周辺回路50aにおいて、センサ100
の陽電極5は定電圧電源101の正極に接続される一
方、陰電極4及び4’は、同じく定電圧電源101の接
地された負極に対し、可変抵抗器102,104と電流
検出用の抵抗器103,105を介して接続されてい
る。そして、陽電極5と酸素濃度検出用の陰電極4との
間には図5の第一の平坦部F1が得られる電圧V10が、
同じく陽電極5と水蒸気濃度検出用の陰電極4’との間
には第二の平坦部F2が得られる電圧V20が印加される
ように、可変抵抗器102,104の電気抵抗値がそれ
ぞれ調整される(なお、電圧V10及びV20の値がそれぞ
れ常に固定である場合には、可変抵抗器102,104
は、対応する電気抵抗値を有する固定抵抗器で置き換え
てもよい)。
【0045】そして、陽電極5と酸素濃度検出用の陰電
極4との間に流れるポンプ電流値Iは、抵抗器103の
両端の電圧差の形で、周辺の抵抗器107〜110とと
もに差動増幅器を構成するオペアンプ106に入力さ
れ、その出力電圧が検出信号としてA/D変換器120
を介してマイクロプロセッサ51に入力される。一方、
陽電極5と水蒸気検出用の陰電極4’との間に流れるポ
ンプ電流値I’は、抵抗器105の両端の電圧差の形
で、抵抗器112〜115とともに差動増幅器を構成す
るオペアンプ111に入力される。そして、抵抗器12
2〜125とともに差動増幅器を構成するオペアンプ1
21は、上記オペアンプ111の出力電圧とオペアンプ
106の出力電圧との差を前述のΔIの検出出力として
出力し、これがA/D変換器126を介してマイクロプ
ロセッサ51に入力される。そして、マイクロプロセッ
サ51は、オペアンプ106からのポンプ電流値Iの情
報に基づいて、図8のS1〜S4と同様の流れにより酸
素濃度を決定して表示部81に出力する処理と、同じく
オペアンプ121からのΔIの情報に基づいて、図8の
S8〜S10と同様の流れにより水蒸気濃度を決定して
表示部80に出力する処理とを、例えばマルチタスク処
理により実行する。
【0046】なお、本発明の限界電流式ガスセンサは、
図12に示すように、陰電極4と陽電極5とを板状の本
体素子2の両面に振り分けて形成してもよい。なお、該
センサ250においては、気体拡散規制部251が、小
孔252を開けた覆いで構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の限界電流式ガスセンサの一例を示す斜
視図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の限界電流式ガスセンサの第一の変形例
を示す断面図。
【図4】図1のセンサに使用されるヒータの部分切欠き
斜視図。
【図5】図1のセンサの電圧とポンプ電流との関係を示
す説明図。
【図6】水蒸気濃度と第二の限界電流IL2との関係を示
す説明図。
【図7】図1のセンサを用いた水蒸気−酸素濃度検出用
のセンサシステムの一例の電気的構成を示すブロック
図。
【図8】図7のセンサシステムにおける酸素濃度及び水
蒸気濃度の検出・出力制御の流れを示すフローチャー
ト。
【図9】図7のセンサシステムに使用されるテーブルの
例を示す説明図。
【図10】2次元のテーブルを参照して水蒸気濃度を補
間法により決定する方法を示す説明図。
【図11】本発明の限界電流式センサの第二の変形例を
示す斜視図及びB−B断面図。
【図12】本発明の限界電流式センサの第三の変形例を
示す断面図。
【図13】図11のセンサを用いたセンサシステムの一
例の電気的な構成を示すブロック図。
【図14】図1のセンサを用いた二酸化炭素濃度検出用
のセンサシステムの一例の電気的な構成を示すブロック
図。
【図15】図14のセンサシステムにおける二酸化炭素
濃度の検出・出力制御の流れを示すフローチャート。
【図16】図14のセンサシステムに使用されるテーブ
ルの例を示す説明図。
【図17】本発明のセンサの、各種二酸化炭素濃度にお
ける水蒸気濃度とポンプ電流との関係の一例を、その比
較例とともに示すグラフ。
【図18】図17のグラフを、各種水蒸気濃度における
二酸化炭素濃度とポンプ電流との関係にプロットし直し
たグラフ。
【図19】二酸化炭素を含有する雰囲気における本発明
のセンサのポンプ電流の安定性を、比較例と対比させて
示す説明図。
【符号の説明】
1,100,250 限界電流式ガスセンサ 2 本体素子 3 気体遮断部 4 陰電極 5 陽電極 8 加熱素子 9 気体拡散規制部 50,200,150 センサシステム 51 マイクロプロセッサ(補正出力手段、水蒸気濃度
出力情報決定手段) 55 ROM(補正参照情報記憶手段) 85 二酸化炭素センサ(二酸化炭素濃度検出手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性を有する固体電解質に
    より形成された本体素子と、 多孔質金属材料により前記本体素子上に形成された陰電
    極及び陽電極と、 被測定雰囲気から前記陰電極に向けた被測定気体の拡散
    を規制する気体拡散規制部とを有し、 その陰電極がPd又はPd合金により構成されるととも
    に、 前記陰電極と前記陽電極との間に所定レベルの電圧を印
    加しつつ、その状態で前記被測定気体を前記気体拡散制
    御部を介して前記陰電極と接触させ、酸素を構成元素の
    一つとする被検出成分が前記被測定気体に含有されてい
    る場合に、その被検出成分の該被測定気体中の濃度を、
    前記本体素子を介して前記陰電極と前記陽電極との間に
    流れる酸素ポンプ電流の値に基づいて検出することを特
    徴とする限界電流式ガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記被測定気体中に所定濃度の二酸化炭
    素と、前記被検出成分として所定濃度の水蒸気とが含有
    されている場合に、前記陰電極と前記陽電極との間に印
    加される電圧を、水蒸気の分解電圧に対応する所定の値
    に設定することにより、前記酸素ポンプ電流値がその水
    蒸気濃度及び二酸化炭素濃度に対応したほぼ一定の限界
    電流値を示すものである請求項1記載の限界電流式ガス
    センサ。
  3. 【請求項3】 前記被測定気体中の水蒸気濃度の増大に
    伴う前記限界電流値の増加率は、該被測定気体中の二酸
    化炭素濃度によらず、ほぼ一定の値を示すものである請
    求項2記載の限界電流式ガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記限界電流値は、前記被測定気体中の
    二酸化炭素濃度が増加するに伴いほぼ一定の割合で増加
    するものである請求項2又は3に記載の限界電流式ガス
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記本体素子上において多孔質金属材料
    により線状又は帯状に形成され、その一端が前記陰電極
    に対し接続されるとともに、他方の端部側を気体導入部
    として自身に形成された連通気孔により前記被測定気体
    をその拡散を規制しつつ前記陰電極まで導く前記気体拡
    散規制部と、 気体の流通を遮断する材料により構成され、前記気体拡
    散規制部の他方の端部側を露出させた状態で、前記本体
    素子上の前記陰電極と前記気体拡散規制部とを覆う気体
    遮断部と、 前記本体素子の前記陰電極及び陽電極に対応する部分を
    所定のセンサ作動温度まで局部加熱するヒータ素子とを
    備える請求項1ないし4のいずれかに記載の限界電流式
    ガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記本体素子は板状に形成され、前記陰
    電極と前記陽電極とは、該板状の本体素子の同じ板面側
    に互いに隣接して配置されている請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の限界電流式ガスセンサ。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6のいずれかに記載の限
    界電流式ガスセンサと、 その限界電流式ガスセンサによる前記限界電流値の情報
    を、外部より与えられる前記被測定気体中の二酸化炭素
    濃度の情報に基づいて補正するとともに、該限界電流値
    に基づく前記水蒸気の濃度情報をその補正結果を反映さ
    せた形で出力する補正出力手段と、 を備えたことを特徴とするガスセンサシステム。
  8. 【請求項8】 前記補正出力手段は、前記被測定気体中
    の水蒸気の濃度と、同じく二酸化炭素の濃度と、前記限
    界電流値との相互関係を示す補正参照情報を記憶する補
    正参照情報記憶手段と、 前記限界電流式ガスセンサによる前記限界電流値と、外
    部より与えられる前記被測定気体中の二酸化炭素濃度の
    情報とに基づいて、前記補正参照情報を参照しつつ、出
    力すべき水蒸気濃度の情報を決定する水蒸気濃度出力情
    報決定手段とを備える請求項7記載のガスセンサシステ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記補正参照情報記憶手段は、前記二酸
    化炭素濃度の各種値毎に用意され、それぞれ対応する二
    酸化炭素濃度における前記水蒸気の濃度と前記限界電流
    値との関係を示す水蒸気濃度−限界電流値テーブルを前
    記補正参照情報として記憶している請求項8記載のガス
    センサシステム。
  10. 【請求項10】 前記被測定気体中の二酸化炭素濃度を
    検出する二酸化炭素濃度検出手段を備え、 その検出結果が、前記補正出力手段において前記二酸化
    炭素濃度の情報として使用される請求項7ないし9のい
    ずれかに記載のガスセンサシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102841113A (zh) * 2012-09-08 2012-12-26 无锡隆盛科技股份有限公司 氮氧传感器氧泵极限电流测量电路
JP2013250164A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ制御装置
WO2024202763A1 (ja) * 2023-03-30 2024-10-03 日本碍子株式会社 ガスセンサ

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