JPH10309289A - 歯科用根管治療用器具収納ケース - Google Patents
歯科用根管治療用器具収納ケースInfo
- Publication number
- JPH10309289A JPH10309289A JP9135736A JP13573697A JPH10309289A JP H10309289 A JPH10309289 A JP H10309289A JP 9135736 A JP9135736 A JP 9135736A JP 13573697 A JP13573697 A JP 13573697A JP H10309289 A JPH10309289 A JP H10309289A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 細菌が付着したり増殖したりすることがな
く、細菌による感染予防に有用な歯科用根管治療用器具
収納ケースを提供する。 【解決手段】 内部にリーマーやファイル等の歯科用根
管治療用器具を差込保持するための複数の穴を有する中
板(１ｃ)を備えた箱体状の歯科用根管治療用器具収納ケ
ース(１)を、抗菌剤0.2〜５重量％を含有する耐熱性樹
脂で作製する。
く、細菌による感染予防に有用な歯科用根管治療用器具
収納ケースを提供する。 【解決手段】 内部にリーマーやファイル等の歯科用根
管治療用器具を差込保持するための複数の穴を有する中
板(１ｃ)を備えた箱体状の歯科用根管治療用器具収納ケ
ース(１)を、抗菌剤0.2〜５重量％を含有する耐熱性樹
脂で作製する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科治療において使用
されるリーマー，ファイル等の歯科用根管治療用器具を
収納するためのケースに関するものである。
されるリーマー，ファイル等の歯科用根管治療用器具を
収納するためのケースに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般にう蝕が歯髄にまで及んだ虫歯の治
療では、歯髄を除去した後に根管を拡大形成して消毒を
行い、ガタパーチャポイント等を根管に充填する根管治
療が行われている。リーマーやファイル等の歯科用根管
治療用器具は、この根管治療において根管拡大に使用さ
れる器具であり、歯牙根管内部を切削するための刃を備
えた棒状又は針状を成す金属製の切削部と手指等で把持
したり機械的に保持したりするための略円筒状を成す樹
脂製又は金属製の柄部とで構成されている。
療では、歯髄を除去した後に根管を拡大形成して消毒を
行い、ガタパーチャポイント等を根管に充填する根管治
療が行われている。リーマーやファイル等の歯科用根管
治療用器具は、この根管治療において根管拡大に使用さ
れる器具であり、歯牙根管内部を切削するための刃を備
えた棒状又は針状を成す金属製の切削部と手指等で把持
したり機械的に保持したりするための略円筒状を成す樹
脂製又は金属製の柄部とで構成されている。
【０００３】このようなリーマーやファイル等の歯科用
根管治療用器具は、根管拡大の際に歯質等の生体組織を
切削することから細菌等による汚染の恐れが考えられ、
患者ごとに使い捨てされることが理想であるが、実際の
診療では、使用の度に洗浄・殺菌・消毒等の処理を行っ
て切削性等の性能が低下するまで繰り返し使用されてい
るのが現状である。具体的には、超音波等での洗浄処理
を行った後、オートクレーブ滅菌，エチレンオキサイド
ガス滅菌，乾熱滅菌，煮沸消毒，紫外線殺菌，薬液によ
る殺菌等の処理を行った後、次の使用に備えて歯科用根
管治療用器具収納ケースに収容されて保管されている。
この歯科用根管治療用器具収納ケースは、一般に上蓋と
下蓋とから成る箱状体で、内部にリーマーやファイルを
差込保持する複数の穴を有する中板を備えた構造を成し
ており、この穴にリーマーやファイル等の歯科用根管治
療用器具が差し込まれ垂直状態で保管されている。ま
た、このような構成の収納ケースにおいて、更に中板の
下側に消毒剤を配置させたものや、ラバ−ストッパーの
位置決めに使用するエンドゲージを組合わせた構成から
成るものや、その材質をオートクレーブ滅菌が可能な材
質にしたものなどがある。具体的には、ジーシー社製の
「リーマーボックス」，メルファー社製の「エンドドン
ティックキットケース」等の製品がある。
根管治療用器具は、根管拡大の際に歯質等の生体組織を
切削することから細菌等による汚染の恐れが考えられ、
患者ごとに使い捨てされることが理想であるが、実際の
診療では、使用の度に洗浄・殺菌・消毒等の処理を行っ
て切削性等の性能が低下するまで繰り返し使用されてい
るのが現状である。具体的には、超音波等での洗浄処理
を行った後、オートクレーブ滅菌，エチレンオキサイド
ガス滅菌，乾熱滅菌，煮沸消毒，紫外線殺菌，薬液によ
る殺菌等の処理を行った後、次の使用に備えて歯科用根
管治療用器具収納ケースに収容されて保管されている。
この歯科用根管治療用器具収納ケースは、一般に上蓋と
下蓋とから成る箱状体で、内部にリーマーやファイルを
差込保持する複数の穴を有する中板を備えた構造を成し
ており、この穴にリーマーやファイル等の歯科用根管治
療用器具が差し込まれ垂直状態で保管されている。ま
た、このような構成の収納ケースにおいて、更に中板の
下側に消毒剤を配置させたものや、ラバ−ストッパーの
位置決めに使用するエンドゲージを組合わせた構成から
成るものや、その材質をオートクレーブ滅菌が可能な材
質にしたものなどがある。具体的には、ジーシー社製の
「リーマーボックス」，メルファー社製の「エンドドン
ティックキットケース」等の製品がある。
【０００４】そもそも歯科用根管治療用器具は、生体そ
のものに接触して使用されるものであるため、使用時ま
では無菌状態が保たれていることが必要なものである
が、滅菌処理した後でも何らかの原因で歯科用根管治療
用器具収納ケース内に細菌が侵入した場合には、このケ
ースが却って細菌の温床になり、収納した歯科用根管治
療用器具全体への汚染へと発展し、場合によっては歯科
用根管治療用器具に付着した細菌に起因した根管内への
感染にまで発展する恐れがある。
のものに接触して使用されるものであるため、使用時ま
では無菌状態が保たれていることが必要なものである
が、滅菌処理した後でも何らかの原因で歯科用根管治療
用器具収納ケース内に細菌が侵入した場合には、このケ
ースが却って細菌の温床になり、収納した歯科用根管治
療用器具全体への汚染へと発展し、場合によっては歯科
用根管治療用器具に付着した細菌に起因した根管内への
感染にまで発展する恐れがある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
実状に鑑み、細菌等が付着しにくく且つ増殖を抑えるこ
とができ、細菌等による感染予防の面から有用な歯科用
根管治療用器具収納ケースを提供することを課題とす
る。
実状に鑑み、細菌等が付着しにくく且つ増殖を抑えるこ
とができ、細菌等による感染予防の面から有用な歯科用
根管治療用器具収納ケースを提供することを課題とす
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究の結果、内部にリーマーやファイルを
差込保持する複数の穴を有する中板を備えた箱体状の歯
科用根管治療用器具収納ケースにおいて、中板及び箱体
が抗菌剤を含有した耐熱性樹脂で作製すれば、耐熱性樹
脂中に含有させた抗菌剤が収納ケース内での細菌の増殖
を抑え且つ細菌等が付着生存しにくい状況を創り出す効
果があり、収容した歯科用根管治療用器具を使用時まで
無菌状態で保管することが有意に得られることを究明し
て本発明を完成したのである。
決すべく鋭意研究の結果、内部にリーマーやファイルを
差込保持する複数の穴を有する中板を備えた箱体状の歯
科用根管治療用器具収納ケースにおいて、中板及び箱体
が抗菌剤を含有した耐熱性樹脂で作製すれば、耐熱性樹
脂中に含有させた抗菌剤が収納ケース内での細菌の増殖
を抑え且つ細菌等が付着生存しにくい状況を創り出す効
果があり、収容した歯科用根管治療用器具を使用時まで
無菌状態で保管することが有意に得られることを究明し
て本発明を完成したのである。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る歯科用根管治
療用器具収納ケースについて詳細に説明する。図１は本
発明に係る歯科用根管治療用器具収納ケースの一例を示
す説明図であって、１は歯科用根管治療用器具収納ケー
スであり、上蓋１ａと下蓋１ｂとから成る箱状体で、内
部にリーマーやファイルを差込保持する複数の穴を有す
る中板１ｃを備えた構造を成している。
療用器具収納ケースについて詳細に説明する。図１は本
発明に係る歯科用根管治療用器具収納ケースの一例を示
す説明図であって、１は歯科用根管治療用器具収納ケー
スであり、上蓋１ａと下蓋１ｂとから成る箱状体で、内
部にリーマーやファイルを差込保持する複数の穴を有す
る中板１ｃを備えた構造を成している。
【０００８】リーマーやファイルなどの歯科用根管治療
用器具は、通常、歯質を切削するための刃を備えた棒状
又は針状の金属製の切削部と略円筒状の樹脂製の柄部と
で構成され、柄部は国際規格に基づき切削部の太さに応
じたカラーコードで色分けされた樹脂で作製されてい
る。そして歯科用根管治療用器具収納ケース１内に収容
する場合には、箱体内の中板１ｃに設けた複数の穴に切
削部を挿入して柄部で保持され垂直状態で吊されるよう
な状態で保管されている。また場合によっては、中板１
ｃの下側に消毒液を入れたり消毒液含ませたスポンジを
置いたりして消毒剤を配置させたり、あるいは中板１ｃ
の一部に凹部を設けてその中に消毒剤を配置させたり、
またラバ−ストッパーの位置決めに使用するエンドゲー
ジを箱体の上面や側面に配置させたり等の組合わせが行
われている。また収納ケースの材質はオートクレーブ等
での加熱滅菌に耐えうるようにステンレスや耐熱性樹脂
が一般に使用されている。
用器具は、通常、歯質を切削するための刃を備えた棒状
又は針状の金属製の切削部と略円筒状の樹脂製の柄部と
で構成され、柄部は国際規格に基づき切削部の太さに応
じたカラーコードで色分けされた樹脂で作製されてい
る。そして歯科用根管治療用器具収納ケース１内に収容
する場合には、箱体内の中板１ｃに設けた複数の穴に切
削部を挿入して柄部で保持され垂直状態で吊されるよう
な状態で保管されている。また場合によっては、中板１
ｃの下側に消毒液を入れたり消毒液含ませたスポンジを
置いたりして消毒剤を配置させたり、あるいは中板１ｃ
の一部に凹部を設けてその中に消毒剤を配置させたり、
またラバ−ストッパーの位置決めに使用するエンドゲー
ジを箱体の上面や側面に配置させたり等の組合わせが行
われている。また収納ケースの材質はオートクレーブ等
での加熱滅菌に耐えうるようにステンレスや耐熱性樹脂
が一般に使用されている。
【０００９】本発明に係る歯科用根管治療用器具収納ケ
ース１は、中板１ｃを含むケース１が抗菌剤0.2〜５重
量％を含有した耐熱性樹脂で作製されていることを特徴
とするものであり、上蓋１ａと下蓋１ｂとから成る箱体
であって内部にリーマーやファイルを差込保持する複数
の穴を有する中板１ｃを備えた歯科用根管治療用器具収
納ケース１であれば、形状や大きさ等を何等限定するも
のではなく、公知の各種形状の歯科用根管治療用器具収
納ケースに適用されるものである。
ース１は、中板１ｃを含むケース１が抗菌剤0.2〜５重
量％を含有した耐熱性樹脂で作製されていることを特徴
とするものであり、上蓋１ａと下蓋１ｂとから成る箱体
であって内部にリーマーやファイルを差込保持する複数
の穴を有する中板１ｃを備えた歯科用根管治療用器具収
納ケース１であれば、形状や大きさ等を何等限定するも
のではなく、公知の各種形状の歯科用根管治療用器具収
納ケースに適用されるものである。
【００１０】本発明に係る歯科用根管治療用器具収納ケ
ース１に使用される耐熱性樹脂としては、加熱滅菌して
も変形を生じないように、ガラス転移温度（Ｔg）が130
℃より高く熱変形温度（ＨＤＴ）が110℃より高い耐熱
性樹脂が好ましく使用され、更に好ましくは、薬液滅菌
も使用できるように酸，アルカリ，塩類などの水溶液や
各種溶剤，脂肪，油類，石鹸などに侵されない耐薬品性
に優れた樹脂であることが望ましい。そのような樹脂の
具体例としては、ポリカーボネイト樹脂，ポリスルホン
樹脂，ポリプロピレン樹脂，Ｕ−ポリマー樹脂，ポリエ
ーテルイミド樹脂，ポリエーテルスルホン樹脂，ポリア
ミドイミド樹脂，エコノール樹脂などが挙げられる。
ース１に使用される耐熱性樹脂としては、加熱滅菌して
も変形を生じないように、ガラス転移温度（Ｔg）が130
℃より高く熱変形温度（ＨＤＴ）が110℃より高い耐熱
性樹脂が好ましく使用され、更に好ましくは、薬液滅菌
も使用できるように酸，アルカリ，塩類などの水溶液や
各種溶剤，脂肪，油類，石鹸などに侵されない耐薬品性
に優れた樹脂であることが望ましい。そのような樹脂の
具体例としては、ポリカーボネイト樹脂，ポリスルホン
樹脂，ポリプロピレン樹脂，Ｕ−ポリマー樹脂，ポリエ
ーテルイミド樹脂，ポリエーテルスルホン樹脂，ポリア
ミドイミド樹脂，エコノール樹脂などが挙げられる。
【００１１】これらの耐熱性樹脂に含有される抗菌剤と
しては、無機系抗菌剤として、銀イオン，銅イオン，亜
鉛イオンのいずれかの無機イオン担持の合成ゼオライ
ト，リン酸カルシウム，リン酸バナジウム，ケイ酸カル
シウム，シリカゲル，リン酸ジルコニウム，アモルファ
ス，酸化チタン，酸化物光触媒等があり、有機系抗菌剤
として、フェノールエーテル誘導体，スルホン誘導体，
イミダゾール誘導体等があり、これらは単独又は二種以
上を組合わせて使用することができる。なお、耐熱性樹
脂への抗菌剤の含有量が、0.2重量％未満では抗菌剤と
しての効果が充分に得られず、５重量％を超えた場合に
は耐熱性樹脂自体の物性の劣化が生じるばかりでなく抗
菌剤としての更なる効果も期待できない。従って、耐熱
性樹脂への抗菌剤の含有量は0.2〜５重量％の範囲が適
当であり、特に耐熱性樹脂の物性と抗菌性の両者の性能
のバランスを考慮した場合には0.5〜３重量％の範囲に
あることが望ましい。
しては、無機系抗菌剤として、銀イオン，銅イオン，亜
鉛イオンのいずれかの無機イオン担持の合成ゼオライ
ト，リン酸カルシウム，リン酸バナジウム，ケイ酸カル
シウム，シリカゲル，リン酸ジルコニウム，アモルファ
ス，酸化チタン，酸化物光触媒等があり、有機系抗菌剤
として、フェノールエーテル誘導体，スルホン誘導体，
イミダゾール誘導体等があり、これらは単独又は二種以
上を組合わせて使用することができる。なお、耐熱性樹
脂への抗菌剤の含有量が、0.2重量％未満では抗菌剤と
しての効果が充分に得られず、５重量％を超えた場合に
は耐熱性樹脂自体の物性の劣化が生じるばかりでなく抗
菌剤としての更なる効果も期待できない。従って、耐熱
性樹脂への抗菌剤の含有量は0.2〜５重量％の範囲が適
当であり、特に耐熱性樹脂の物性と抗菌性の両者の性能
のバランスを考慮した場合には0.5〜３重量％の範囲に
あることが望ましい。
【００１２】このような構成から成る本発明に係る歯科
用根管治療用器具収納ケースは、従来の歯科用根管治療
用器具に比較して、細菌等が付着しにくく且つ増殖を抑
えることができ、使用時までの無菌状態の維持に有意で
あるものである。
用根管治療用器具収納ケースは、従来の歯科用根管治療
用器具に比較して、細菌等が付着しにくく且つ増殖を抑
えることができ、使用時までの無菌状態の維持に有意で
あるものである。
【００１３】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明に係る歯科用根
管治療用器具収納ケースを具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
管治療用器具収納ケースを具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【００１４】＜実施例１＞ポリエーテルイミド樹脂製ペ
レット99.5重量％に銀イオン担持ハイドロキシアパタイ
ト（サンギ社製：製品名「アパサイダーＡ」）0.5重量
％を混合した樹脂を、加熱温度380℃、金型温度130℃、
高速射出80mm／secの成形条件で、上蓋，下蓋，リーマ
ーやファイルを差込保持するための複数の穴を有する中
板とから成る歯科用根管治療用器具収納ケースを作製し
た。
レット99.5重量％に銀イオン担持ハイドロキシアパタイ
ト（サンギ社製：製品名「アパサイダーＡ」）0.5重量
％を混合した樹脂を、加熱温度380℃、金型温度130℃、
高速射出80mm／secの成形条件で、上蓋，下蓋，リーマ
ーやファイルを差込保持するための複数の穴を有する中
板とから成る歯科用根管治療用器具収納ケースを作製し
た。
【００１５】＜実施例２〜４、比較例１，２＞実施例１
と同様の樹脂と抗菌剤を用い、樹脂に含有させる抗菌剤
の量を以下に示す割合に変更した以外は、実施例１と同
様にして歯科用根管治療用器具収納ケースを作製した。
と同様の樹脂と抗菌剤を用い、樹脂に含有させる抗菌剤
の量を以下に示す割合に変更した以外は、実施例１と同
様にして歯科用根管治療用器具収納ケースを作製した。
【００１６】
【表１】
【００１７】これらの実施例と比較例との樹脂で作製し
た歯科用根管治療用器具収納ケースをオートクレーブで
120℃，1.2気圧の条件で20分間滅菌処理を行い、以下の
手順で大腸菌と黄色ブドウ状球菌とによる抗菌性試験を
実施した。なお、結果は表２に纏めて示した。大腸菌に
関する抗菌性試験としては、生理的食塩水で予め調整し
た大腸菌懸濁液（1.5×105個／ml）0.3mlを歯科用根管
治療用器具収納ケース内の中板部に滴下し、予め紫外線
滅菌したポリエチレンフィルムで覆って35℃，湿度95％
のインキュベーター中に24時間保持して大腸菌を培養
後、滅菌済みの生理的食塩水で中板部の表面を洗い出
し、その液中の生存菌数を標準寒天培地を用いた混釈平
板法（35℃、48時間）により測定した。黄色ブドウ状球
菌に関する抗菌性試験としては、使用する菌として黄色
ブドウ状球菌懸濁液（5.5×105個／ml）を用いた以外は
大腸菌に関する抗菌試験と同様にして抗菌性を試験し
た。なお、対照として、滅菌したシャーレに大腸菌と黄
色ブドウ状球菌とのそれぞれの懸濁液0.3mlを滴下して
前述の抗菌性試験と同様の操作で抗菌性試験を実施し
た。
た歯科用根管治療用器具収納ケースをオートクレーブで
120℃，1.2気圧の条件で20分間滅菌処理を行い、以下の
手順で大腸菌と黄色ブドウ状球菌とによる抗菌性試験を
実施した。なお、結果は表２に纏めて示した。大腸菌に
関する抗菌性試験としては、生理的食塩水で予め調整し
た大腸菌懸濁液（1.5×105個／ml）0.3mlを歯科用根管
治療用器具収納ケース内の中板部に滴下し、予め紫外線
滅菌したポリエチレンフィルムで覆って35℃，湿度95％
のインキュベーター中に24時間保持して大腸菌を培養
後、滅菌済みの生理的食塩水で中板部の表面を洗い出
し、その液中の生存菌数を標準寒天培地を用いた混釈平
板法（35℃、48時間）により測定した。黄色ブドウ状球
菌に関する抗菌性試験としては、使用する菌として黄色
ブドウ状球菌懸濁液（5.5×105個／ml）を用いた以外は
大腸菌に関する抗菌試験と同様にして抗菌性を試験し
た。なお、対照として、滅菌したシャーレに大腸菌と黄
色ブドウ状球菌とのそれぞれの懸濁液0.3mlを滴下して
前述の抗菌性試験と同様の操作で抗菌性試験を実施し
た。
【００１８】
【表２】
【００１９】＜実施例５＞柄部の樹脂にポリエーテルサ
ルホン樹脂製ペレット99.5重量％に銀イオン担持の抗菌
性ゼオライト（品川燃料社製：製品名「ゼオミック」）
0.5重量％を混合した樹脂を用いた以外は、実施例１と
同様にして歯科用根管治療用器具収納ケースを作製し、
抗菌性試験を実施した。
ルホン樹脂製ペレット99.5重量％に銀イオン担持の抗菌
性ゼオライト（品川燃料社製：製品名「ゼオミック」）
0.5重量％を混合した樹脂を用いた以外は、実施例１と
同様にして歯科用根管治療用器具収納ケースを作製し、
抗菌性試験を実施した。
【００２０】
【表３】
【００２１】
【発明の効果】以上に詳述した抗菌性試験の結果から明
らかなように、本発明に係る歯科用根管治療用器具収納
ケースは、細菌の増殖が抑えられ、却って細菌数は減少
する傾向が認められ、一旦滅菌・消毒等の処置を行った
後は、収容した歯科用根管治療用器具を使用時まで無菌
状態で保管することが容易となり、歯科医院側及び患者
側の双方にとって安全で快適な診療を期待できるもので
あり、歯科医療に貢献するところが極めて大きなもので
ある。
らかなように、本発明に係る歯科用根管治療用器具収納
ケースは、細菌の増殖が抑えられ、却って細菌数は減少
する傾向が認められ、一旦滅菌・消毒等の処置を行った
後は、収容した歯科用根管治療用器具を使用時まで無菌
状態で保管することが容易となり、歯科医院側及び患者
側の双方にとって安全で快適な診療を期待できるもので
あり、歯科医療に貢献するところが極めて大きなもので
ある。
【図１】本発明に係る歯科用根管治療用器具収納ケース
の一例を示す説明図である。
の一例を示す説明図である。
１ 歯科用根管治療用器具収納ケース １ａ 上蓋 １ｂ 下蓋 １ｃ 中板
Claims (4)
- 【請求項１】 内部にリーマーやファイルを差込保持す
る複数の穴を有する中板(１ｃ)を備えた箱体状の歯科用
根管治療用器具収納ケース(１)において、中板(１ｃ)及
び箱体が抗菌剤0.2〜５重量％を含有した耐熱性樹脂で
作製されていることを特徴とする歯科用根管治療用器具
収納ケース。 - 【請求項２】 耐熱性樹脂が、ガラス転移温度（Ｔg）
が130℃より高く熱変形温度（ＨＤＴ）が110℃より高い
耐熱性樹脂である請求項１に記載の歯科用根管治療用器
具収納ケース。 - 【請求項３】 耐熱性樹脂が、ポリカーボネイト樹脂，
ポリスルホン樹脂，ポリプロピレン樹脂，Ｕ−ポリマー
樹脂，ポリエーテルイミド樹脂，ポリエーテルスルホン
樹脂，ポリアミドイミド樹脂，エコノール樹脂のいずれ
かである請求項１又は２に記載の歯科用根管治療用器具
収納ケース。 - 【請求項４】 抗菌剤が、銀イオン，銅イオン，亜鉛イ
オンのいずれかの無機イオン担持の合成ゼオライト，リ
ン酸カルシウム，リン酸バナジウム，ケイ酸カルシウ
ム，シリカゲル，リン酸ジルコニウム，アモルファス，
酸化チタン，酸化物光触媒から選ばれる無機系抗菌剤、
フェノールエーテル誘導体，スルホン誘導体，イミダゾ
ール誘導体から選ばれる有機系抗菌剤の一種又は二種以
上である請求項１〜３のいずれか１項に記載の歯科用根
管治療用器具収納ケース。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9135736A JPH10309289A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 歯科用根管治療用器具収納ケース |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9135736A JPH10309289A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 歯科用根管治療用器具収納ケース |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10309289A true JPH10309289A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=15158677
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9135736A Pending JPH10309289A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 歯科用根管治療用器具収納ケース |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10309289A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102006004022A1 (de) | 2006-01-27 | 2007-08-02 | Ernst Mühlbauer Gmbh & Co. Kg | Vorrichtungssatz für die Zahnbehandlung |
| JP2008526298A (ja) * | 2004-12-30 | 2008-07-24 | ノベル バイオケア サーヴィシィズ アーゲー | 歯科治療のための器具及び要素を保持するための装置 |
| KR100940602B1 (ko) * | 2007-11-27 | 2010-02-03 | 임두만 | 치공구용 회전 스탠드 |
| KR100979196B1 (ko) | 2008-10-30 | 2010-09-01 | 변태희 | 맞춤형 어버트먼트 가공용 자재의 위치고정장치 및 이를 이용한 어버트먼트 가공 방법 |
| KR101224278B1 (ko) | 2011-01-19 | 2013-01-21 | (주)해피덴코프레이션 | 오랄팁 체결 보조 기구 |
| KR101373065B1 (ko) * | 2012-05-14 | 2014-03-11 | 조선대학교산학협력단 | 엔도파일 보관용기 |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP9135736A patent/JPH10309289A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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