JPH10307581A - 波形データ圧縮装置および方法 - Google Patents

波形データ圧縮装置および方法

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JPH10307581A
JPH10307581A JP9118497A JP11849797A JPH10307581A JP H10307581 A JPH10307581 A JP H10307581A JP 9118497 A JP9118497 A JP 9118497A JP 11849797 A JP11849797 A JP 11849797A JP H10307581 A JPH10307581 A JP H10307581A
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JP
Japan
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data
waveform
extraction
periodic wave
coefficient
Prior art date
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Pending
Application number
JP9118497A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Majima
良行 馬島
Shinobu Katayama
忍 片山
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FUEISU KK
Original Assignee
FUEISU KK
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Filing date
Publication date
Application filed by FUEISU KK filed Critical FUEISU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高品質、高圧縮率を実現できる圧縮技術
を提供することを目的とする。また、状況に応じて、圧
縮率を適切に変えることのできる圧縮技術を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 区分手段2は、与えられた波形データを
所定長の区分に区分けする。これにより得られた区分デ
ータは、第1の対象波形決定手段4に与えられ、当該区
分波形が対象波形として抽出係数演算手段6に与えられ
る。抽出係数演算手段6は、与えられた対象波形からの
残差成分が最小となる周期波を抽出し、当該周期波の係
数を抽出係数として出力する。また、第2の対象波形決
定手段8は、上記残差成分を対象波形として、抽出係数
演算手段6に与える。したがって、抽出係数演算手段6
は、この残差成分についても周期波を抽出して、抽出係
数を出力するという動作を繰り返す。出力手段10は、
抽出係数演算手段6からの複数の抽出係数を、当該区分
の圧縮データとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】この発明は、一般調和解析を用いた
波形データの圧縮に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】波形データの圧縮方法と
して、たとえばMPEGやMDにおけるデータ圧縮が知られ
ている。これらににおいても、かなりの高品質で、かつ
高圧縮率を実現しているが、さらなる向上が望まれてい
る。また、MPEGにおいては、圧縮率および品質をダイナ
ミックに変動させることが困難であった。このため、通
信等の使用状況に即応して適正な圧縮率、品質を実現す
ることが容易ではなかった。
【0003】この発明は、上記のような問題点を解決し
て、より高品質、高圧縮率を実現できる圧縮技術を提供
することを目的とする。また、状況に応じて、圧縮率を
適切に変えることのできる圧縮技術を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の波形データ圧
縮装置は、波形を表すデータを受けて、これを所定区分
に区分けして複数の区分データを得る区分手段、区分デ
ータによって表される区分波形を対象波形として、当該
対象波形からの残差成分が最小となる周期波を抽出する
周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理によって得られ
た残差成分を対象波形としてさらに周期波抽出処理を所
定回数繰り返して行い、抽出した各周期波に関する係数
を抽出係数データとして得る周期波抽出処理手段、周期
波抽出処理手段によって得られた各区分ごとの抽出係数
データを圧縮データとして出力する出力手段、を備えて
いる。
【0005】請求項2の波形データ圧縮装置は、周期波
抽出処理手段が、下記を備えたものであることを特徴と
している: (a)区分データによって表される区分波形を対象波形と
して抽出係数演算手段に与える第1の対象波形決定手
段、(b)対象波形x0(t)から、下式によって表される周期
波z(t,f)を引いた残差成分εのエネルギーEが最小とな
るような係数f、S、Cを抽出係数として得る抽出係数
演算手段、
【0006】
【数25】
【0007】
【数26】
【0008】ここで、S(f)、C(f)は下式で表される、
【0009】
【数27】
【0010】
【数28】
【0011】ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波
形、T=1/f(s)、n、nTは整数である、(c)残差成分Eを対
象波形として抽出係数演算手段に与える第2の対象波形
決定手段。請求項3の波形データ圧縮装置は、正弦波抽
出処理手段が、下記を備えたものであることを特徴とし
ている: (a)区分データによって表される区分波形を対象波形と
して抽出係数演算手段に与える第1の対象波形決定手
段、(b)対象波形x0(t)から、下式によって表される周期
波z(t,f)を引いた残差成分εのエネルギーEが最小とな
るような係数f、A、θを抽出係数として得る抽出係数
演算手段、
【0012】
【数29】
【0013】
【数30】
【0014】ここで、A、θは下式で表される、
【0015】
【数31】
【0016】
【数32】
【0017】ここで、S、Cは下式で表される、
【0018】
【数33】
【0019】
【数34】
【0020】ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波
形、T=1/f(s)、n、nTは整数である、(c)残差成分Eを対
象波形として抽出係数演算手段に与える第2の対象波形
決定手段。
【0021】請求項4のデータ圧縮装置は、抽出係数演
算手段が、周波数fを段階的に変化させて、残差成分ε
のエネルギーEが最小となるような抽出係数を得るもの
であることを特徴としている。
【0022】請求項5のデータ圧縮装置は、同一区分に
対する複数の抽出係数のうち、聴覚の周波数特性によっ
てマスクされる抽出係数を削除して圧縮データとするこ
とを特徴としている。
【0023】請求項7の波形データ符号化方法は、波形
を表すデータを受けて、これを所定区間に区分して複数
の区分データを得て、区分データによって表される区分
波形を対象波形として、当該対象波形からの残差成分が
最小となる周期波を抽出する周期波抽出処理を行い、周
期波抽出処理によって得られた残差成分を対象波形とし
てさらに周期波抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽
出した各周期波に関する係数を抽出係数データとして得
て、周期波抽出処理によって得られた各区分ごとの抽出
係数データを符号化データとすることを特徴としてい
る。
【0024】請求項9の波形データ解凍装置は、所定区
分に区分けされた圧縮データを受けて、各区分ごとの圧
縮データを得るデータ取得手段、各区分の圧縮データに
含まれる抽出係数データに基づいて、各抽出係数に対応
する周期波を特定する周期波特定手段、周期波特定手段
によって特定された複数の周期波を合成して、各区分ご
との区分波形を再現して接続する波形再現手段、を備え
ている。
【0025】請求項10の波形データ解凍装置において
は、周期波特定手段は、下式にしたがって周期波z(t,f)
を特定し、
【0026】
【数35】
【0027】波形再現手段は、下式にしたがって波形x
(t)を合成することを特徴としている。
【0028】
【数36】
【0029】請求項11の波形データ解凍装置において
は、周期波特定手段は、下式にしたがって周期波z(t,f)
を特定し、
【0030】
【数37】
【0031】波形再現手段は、下式にしたがって波形x
(t)を合成することを特徴としている。
【0032】
【数38】
【0033】請求項12のデータ解凍装置は、波形再現
手段が、各区分における各周期波を、当該区分の前の区
分中の所定時点から開始してその成分を徐々に大きく
し、当該区分の後ろの区分中の所定時点にて終了するよ
うにその成分を徐々に小さくするようにして、各区分の
区分波形を接続するものであることを特徴としている。
【0034】請求項14の波形データ解凍方法は、所定
区分に区分けされた圧縮データを受けて、各区分ごとの
圧縮データを得て、 各区分の圧縮データに含まれる抽
出係数データに基づいて、各抽出係数に対応する周期波
を特定し、特定された複数の周期波を合成して、各区分
ごとの区分波形を再現して接続することにより波形を再
現することを特徴としている。
【0035】請求項16の圧縮データを記録した記録媒
体は、当該圧縮データが下記のデータ構造を備えてい
る:元の波形を区分けした各区分のための領域のそれぞ
れに下記の抽出係数データを記憶している、前記抽出係
数データは、元の波形を区分けした区分波形を対象波形
として、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期
波を抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理に
よって得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波
抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波
に関する係数を備えている。
【0036】請求項17の圧縮データを記録した記録媒
体は、抽出係数データが、対象波形x0(t)から、下式に
よって表される周期波z(t,f)を引いた残差成分εのエネ
ルギーEが最小となるような係数f、S、Cである:
【0037】
【数39】
【0038】
【数40】
【0039】ここで、S(f)、C(f)は下式で表される、
【0040】
【数41】
【0041】
【数42】
【0042】ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波
形、T=1/f(s)、n、nTは整数である。
【0043】請求項18の圧縮データを記録した記録媒
体は、抽出係数データが、対象波形x0(t)から、下式に
よって表される周期波z(t,f)を引いた残差成分εのエネ
ルギーEが最小となるような係数f、A、θである:
【0044】
【数43】
【0045】
【数44】
【0046】ここで、A、θは下式で表される、
【0047】
【数45】
【0048】
【数46】
【0049】ここで、S、Cは下式で表される、
【0050】
【数47】
【0051】
【数48】
【0052】ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波
形、T=1/f(s)、n、nTは整数である。
【0053】請求項19の波形データ記録方法は、波形
を表すデータを受けて、これを所定区間に区分して複数
の区分データを得て、区分データによって表される区分
波形を対象波形として、当該対象波形からの残差成分が
最小となる周期波を抽出する周期波抽出処理を行い、周
期波抽出処理によって得られた残差成分を対象波形とし
てさらに周期波抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽
出した各周期波に関する係数を抽出係数データとして得
て、周期波抽出処理によって得られた各区分ごとの抽出
係数データを記録することを特徴としている。
【0054】請求項20の波形データ伝送方法は、波形
を表すデータを受けて、これを所定区間に区分して複数
の区分データを得て、区分データによって表される区分
波形を対象波形として、当該対象波形からの残差成分が
最小となる周期波を抽出する周期波抽出処理を行い、周
期波抽出処理によって得られた残差成分を対象波形とし
てさらに周期波抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽
出した各周期波に関する係数を抽出係数データとして得
て、周期波抽出処理によって得られた各区分ごとの抽出
係数データを伝送することを特徴としている。
【0055】請求項21の波形データ伝送方法は、伝送
が迅速に行われている場合には、前記抽出処理の繰り返
し回数を多くし、伝送が迅速に行われいない場合には、
前記抽出処理の繰り返し回数を少なくするようにしたこ
とを特徴としている。
【0056】請求項22の波形データ伝送方法は、伝送
が迅速に行われている場合には、前記抽出係数の全てを
伝送し、伝送が迅速に行わていない場合には、前記繰り
返し回数の少ない段階で得られた抽出係数ほど伝送の優
先順位を高くして、前記抽出係数の伝送数を少なくする
ようにしたことを特徴としている。
【0057】請求項23の波形データ伝送方法は、サン
プルデータ伝送時には、繰り返し回数の少ない段階で得
られた抽出係数ほど伝送の優先順位を高くして、少ない
数の抽出係数を伝送し、正式データ伝送時には残りの抽
出係数を伝送することを特徴としている。
【0058】請求項24の音楽データ記録方法は、楽器
の演奏データをMIDIデータとして記録し、MIDI
データ以外の音楽データを、請求項1〜5のいずれかの
波形データ圧縮装置または請求項7の波形データ符号方
法によって圧縮ないし符号化したデータとして記録する
ものである。
【0059】請求項25の音楽データ伝送方法は、楽器
の演奏データをMIDIデータとして伝送し、MIDI
データ以外の音楽データを、請求項1〜5のいずれかの
波形データ圧縮装置または請求項7の圧縮符号化によっ
て圧縮ないし符号化したデータとして伝送するものであ
る。
【0060】請求項26の音楽データ伝送方法は、コー
ラスデータ、音声データまたは演奏データを楽器の演奏
以外の音楽データとするものであることを特徴としてい
る。
【0061】請求項27の音楽データ伝送方法または記
録方法は、楽器の演奏以外の音楽データを、MIDIデ
ータのチャンクとして、MIDIデータと一緒に記録ま
たは伝送するようにしたことを特徴としている。
【0062】請求項28の音楽データ再生方法は、楽器
の演奏データはMIDIデータとして復元し、楽器の演
奏データ以外の音楽データは、請求項9〜12のいずれ
かの波形データ解凍装置または請求項14の波形データ
解凍方法によって解凍したデータとして再生するもので
ある。
【0063】請求項29の音楽データ受信方法は、楽器
の演奏データはMIDIデータとして受信し、楽器の演
奏データ以外の音楽データは、請求項9〜12のいずれ
かの波形データ解凍装置または請求項14の波形データ
解凍方法によって解凍したデータとして受信するもので
ある。
【0064】請求項30の音楽データ再生方法または音
楽データ受信方法は、全ての係数fに修正係数を乗じる
ことにより、解凍した波形のピッチを変更するようにし
たことを特徴としている。
【0065】請求項31の音楽データ再生方法または音
楽データ受信方法は、全ての区分長に修正係数を乗じる
ことにより、解凍した波形のテンポを変更するようにし
たことを特徴としている。
【0066】
【発明の効果】請求項1の波形データ圧縮装置および請
求項7の波形データ符号化方法は、区分波形を対象波形
として、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期
波を抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理に
よって得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波
抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波
に関する係数を抽出係数データとして得て、各区分ごと
の抽出係数データを圧縮(符号化)データとしている。
【0067】したがって、周期波抽出処理を何回繰り返
して行うかによって、所望の圧縮率と再現品質を得るこ
とができる。また、1回目の周波数抽出処理によって得
られた周期波が再現の際の最も重要な成分となり、繰り
返し回数が増加するにしたがって得られる周期波の重要
性が低下する。したがって、高い圧縮率においても比較
的高品質な再現波形を得ることができる。また、繰り返
し回数の大きい部分の周期波の抽出係数を取り除くこと
により、使用状況に応じて、圧縮率を高くすることが容
易である。
【0068】請求項5のデータ圧縮装置は、同一区分に
対する複数の抽出係数のうち、聴覚の周波数特性によっ
てマスクされる抽出係数を削除して圧縮データとするこ
とを特徴としている。したがって、再現された波形の聴
覚を損なうことなく、圧縮率を向上させることができ
る。
【0069】請求項9の波形データ解凍装置および請求
項14の波形データ解凍方法は、各区分の圧縮データに
含まれる抽出係数データに基づいて、各抽出係数に対応
する周期波を特定し、特定された複数の周期波を合成し
て、各区分ごとの区分波形を再現して接続することによ
り波形を再現するようにしている。したがって、精度よ
く波形を復元することができる。
【0070】請求項12のデータ解凍装置は、各区分に
おける各周期波を、当該区分の前の区分中の所定時点か
ら開始してその成分を徐々に大きくし、当該区分の後ろ
の区分中の所定時点にて終了するようにその成分を徐々
に小さくするようにして、各区分の区分波形を接続する
ようにしている。したがって、各区分の接続点における
再現波形の不連続性をなくすことができる。
【0071】請求項19の波形データ記録方法および請
求項20の波形データ伝送方法は、区分波形を対象波形
として、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期
波を抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理に
よって得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波
抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波
に関する係数を抽出係数データとして得て、各区分ごと
の抽出係数データを記録または伝送するようにしてい
る。
【0072】したがって、周期波抽出処理を何回繰り返
して行うかによって、所望の圧縮率と再現品質を得るこ
とができる。また、1回目の周波数抽出処理によって得
られた周期波が再現の際の最も重要な成分となり、繰り
返し回数が増加するにしたがって得られる周期波の重要
性が低下する。したがって、高い圧縮率においても比較
的高品質な再現波形を得ることができる。また、繰り返
し回数の大きい部分の周期波の抽出係数を取り除くこと
により、使用状況に応じて、圧縮率を高くすることが容
易である。
【0073】請求項21の波形データ伝送方法は、伝送
が迅速に行われている場合には、前記抽出処理の繰り返
し回数を多くし、伝送が迅速に行われいない場合には、
前記抽出処理の繰り返し回数を少なくするようにしてい
る。抽出処理の繰り返し回数が多くなれば圧縮誤差は小
さくなるが、圧縮処理に時間を要する。一方、抽出処理
の繰り返し回数が少なくなれば圧縮誤差は大きくなる
が、圧縮処理の時間は短くなる。請求項21の方法によ
れば、伝送回路や伝送路等の伝送の状況に応じて、ダイ
ナミックに繰り返し回数を変化させることにより、品
質、処理時間の双方において最適な圧縮率を得ることが
できる。また、抽出処理の繰り返し回数が大きくなるほ
ど、抽出結果の重要度が急激に低下するので、繰り返し
回数を少なくすることによる圧縮誤差の低下は、最小限
に免れる。
【0074】請求項22の波形データ伝送方法は、伝送
が迅速に行われている場合には、前記抽出係数の全てを
伝送し、伝送が迅速に行わていない場合には、前記繰り
返し回数の少ない段階で得られた抽出係数ほど伝送の優
先順位を高くして、前記抽出係数の伝送数を少なくする
ようにしたことを特徴としている。したがって、請求項
21と同じように、抽出係数の伝送数をダイナミックに
変化させて、品質と伝送データ量の双方において最適化
を図ることができる。
【0075】請求項23の波形データ伝送方法は、サン
プルデータ伝送時には、記繰り返し回数の少ない段階で
得られた抽出係数ほど伝送の優先順位を高くして、少な
い数の抽出係数を伝送し、正式データ伝送時には残りの
抽出係数を伝送することを特徴としている。したがっ
て、サンプルデータを無駄にすることなく、これを正式
データの一部として用いることができる。このため、正
式データ伝送時の伝送時間を短くすることができる。
【0076】請求項24、26の音楽データ記録方法
は、楽器の演奏データをMIDIデータとして記録し、
MIDIデータ以外の音楽データを、請求項1〜5のい
ずれかの波形データ圧縮装置または請求項7の波形デー
タ符号化方法によって圧縮ないし符号化したデータとし
て記録するものである。したがって、カラオケ演奏デー
タ等のMIDIデータとともに、コーラス等の波形デー
タを記録することができる。
【0077】請求項25、26の音楽データ伝送方法は
楽器の演奏データをMIDIデータとして伝送し、MI
DIデータ以外の音楽データは、請求項1〜5のいずれ
かの波形データ圧縮装置または請求項7の符号化方法に
よって符号化したデータとして伝送するものである。し
たがって、カラオケ演奏データ等のMIDIデータとと
もに、コーラス等の波形データを伝送することができ
る。
【0078】請求項27の音楽データ伝送方法または記
録方法は、楽器の演奏以外の音楽データを、MIDIデ
ータのチャンクとして、MIDIデータと一緒に記録ま
たは伝送するようにしたことを特徴としている。したが
って、MIDIデータによる演奏と、コーラス等の音楽
データによる音とを、同期をとって再生することが容易
である。
【0079】請求項28の音楽データ再生方法は、楽器
の演奏データをMIDIデータとして復元し、MIDI
データ以外の音楽データを、請求項9〜12のいずれか
の波形データ解凍装置または請求項14の波形データ解
凍方法によって解凍したデータとして再生するものであ
る。したがって、カラオケ演奏データ等のMIDIデー
タとともに、コーラス等の波形データを再生することが
できる。
【0080】請求項29の音楽データ受信方法は、楽器
の演奏データをMIDIデータとして受信し、MIDI
データ以外の音楽データを、請求項9〜12のいずれか
の波形データ解凍装置または請求項14の波形データ解
凍方法によって解凍したデータとして受信するものであ
る。したがって、カラオケ演奏データ等のMIDIデー
タとともに、コーラス等の波形データを受信することが
できる。
【0081】請求項30の音楽データ再生方法または音
楽データ受信方法は、全ての係数fに修正係数を乗じる
ことにより、解凍した波形のピッチを変更するようにし
たことを特徴としている。したがって、簡易かつ正確に
ピッチを変更することができる。
【0082】請求項31の音楽データ再生方法または音
楽データ受信方法は、全ての区分長に修正係数を乗じる
ことにより、解凍した波形のテンポを変更するようにし
たことを特徴としている。したがって、簡易かつ正確に
テンポを変更することができる。
【0083】
【発明の実施形態】
1.全体構成 図1に、この発明の一実施形態による波形データ圧縮装
置の全体構成を示す。区分手段2は、与えられた波形デ
ータを所定長の区分に区分けする。これにより得られた
区分データは、第1の対象波形決定手段4に与えられ、
当該区分波形が対象波形として抽出係数演算手段6に与
えられる。抽出係数演算手段6は、与えられた対象波形
からの残差成分が最小となる周期波を抽出し、当該周期
波の係数を抽出係数として出力する。また、第2の対象
波形決定手段8は、上記残差成分を対象波形として、抽
出係数演算手段6に与える。したがって、抽出係数演算
手段6は、この残差成分についても周期波を抽出して、
抽出係数を出力するという動作を繰り返す。出力手段1
0は、抽出係数演算手段6からの複数の抽出係数を、当
該区分の圧縮データとして出力する。なお、この実施形
態においては、第1の対象波形決定手段4、抽出係数演
算手段6、第2の対象波形決定手段8によって、周期抽
出処理手段11が構成されている。
【0084】図2に、この発明の一実施形態による波形
データ解凍装置の全体構成を示す。データ取得手段12
は、圧縮データを受けて、区分ごとの圧縮データとして
周期波特定手段14に与える。周期波特定手段14は、
圧縮データに含まれる抽出係数に基づいて、周期波を特
定する。当該区分の圧縮データには、抽出係数が複数組
含まれているので、複数の周期波を特定することとな
る。それぞれの周期波は、スムース手段161〜16Nに
与えられ、端部がスムースに他の区分と接合できるよう
にスムース処理がされる。合成・接続手段18は、スム
ース処理された複数の周期波を合成し、当該区分の波形
データを再現する。合成・接続手段18は、さらに、合
成して得た各区分の波形データを接続し、波形データを
再現する。
【0085】この実施形態においては、波形データとし
て演奏、歌等の楽音データを扱っているが、画像等の波
形データについても同様に適用することができる。
【0086】2.ハードウエア構成 図3に、図1、図2の各手段をCPU50を用いて実現
した場合のハードウエア構成を示す。CPU50には、
A/D変換器78、D/A変換器80、ハードディスク
52、ディスプレイ54、通信回路56、メモリ58、
フロッピーディスクドライブ(FDD)60、キーボー
ドおよびマウス62、DMAコントローラ63が接続さ
れている。ハードディスク52には、圧縮プログラム6
8、解凍プログラム70が記録されている。
【0087】音声等のアナログ波形信号は、A/D変換
器78においてディジタルデータに変換される。このデ
ィジタル波形データは、メモリ58のオーディオ・スト
リーム・バッファ76に順次格納される。CPU50
は、圧縮プログラム68にしたがって、オーディオ・ス
トリーム・バッファ76に格納されたディジタル波形デ
ータを圧縮処理する。さらに、圧縮した波形データを、
ハードディスク52中に圧縮波形データファイル74と
して記録したり、FDD60を介してフロッピーディス
ク67に記録したり、通信回路56を介して伝送したり
する。
【0088】なお、上記実施形態では、圧縮対象データ
として、A/D変換器78を介して波形データを取り込
んでいるが、フロッピーディスク66や通信回線等から
直接、ディジタルデータを取り込んでもよい。
【0089】また、CPU50は、解凍プログラム70
にしたがって、圧縮波形データファイル74中の圧縮波
形データを解凍して、元の波形データを再現する。再現
した波形データは、オーディオ・ストリーム・バッファ
76に順次書き込まれる。バッファ76の波形データ
は、順次読み出されて、D/A変換器80において再現
アナログ波形信号に変換される。
【0090】なお、この実施形態では、ハードディスク
52に記憶された圧縮波形データを解凍したが、フロッ
ピーディスク67に記憶されものや、通信回線を介して
送られてきたものを解凍対象としてもよい。
【0091】ここで、圧縮プログラム68、解凍プログ
ラム70は、フロッピーディスク64からFDD60を
介してインストールされたものである。なお、この圧縮
プログラム68は、他の記録媒体(CD−ROM、メモ
リカード等)からインストールされたものであってもよ
く、通信回線(通信媒体)を介してダウンロードされた
ものであってもよい。
【0092】なお、この実施形態においては、図1、図
2に示す各機能をCPUを用いて実現しているが、その
一部または全部をハードウエアロジックによって実現し
てもよい。
【0093】3.圧縮処理プログラム 図4および図6に、圧縮処理をフローチャートにて示
す。この実施形態では、図6の圧縮処理のプログラムに
よって圧縮プログラム68が構成されている。
【0094】図4のオーディオストリーム処理は、A/
D変換器78が、1サンプルをディジタルデータに変換
するごとに、DMAコントローラ63の制御により、処
理開始がなされる。この実施形態では、A/D変換器7
8のサンプリング周波数を44.1KHzとした。割り込みが
生じると、DMAコントローラ63は、オーディオ・ス
トリーム・バッファ76の書き込みポインタWpの位置か
ら、ディジタル波形データ(1サンプル分)を書き込む
(ステップS1)。
【0095】オーディオ・ストリーム・バッファ76
は、図5に示すように、エンドレスバッファとなってい
る。アドレスは右回りに増加するように設定されてお
り、書込ポインタWpと読出ポインタRpが付与されてい
る。
【0096】DMAコントローラ63は、書込ポインタ
Wpを更新して次回の書込に備え、終了する(ステップS
2)。以上のようにして、オーディオ・ストリーム・バ
ッファ76には、ディジタル波形データが蓄積されてい
く。このようなエンドレスバッファを用いることによ
り、小さな容量のバッファにて、次々と送られてくるA
/D変換されたデータをリアルタイムに扱うことができ
る。
【0097】なお、予めハードディスク52等に記憶さ
れたディジタル波形データを圧縮する場合には、図4の
処理は不要である。
【0098】一方、図6の圧縮処理は、所定時間経過ご
とにタイマ割り込みによって実行される。割り込みが生
じると、CPU50は、バッファ76に、所定区分長の
波形データが蓄積されているか否かを判断する(ステッ
プS10)。この実施形態では、10msec時間分の波形デ
ータを所定区分長の波形データとした。所定区分長の波
形データがバッファ76に蓄積されていなければ、実質
的な圧縮処理を行わず、今回の割り込み処理を終了す
る。
【0099】所定区分長以上のの波形データがバッファ
76に蓄積されていれば、CPU50は、読出ポインタ
Rpから、所定区分長の波形データを読み出す(ステップ
S11)。その後、次の読み出しに備えるため、読み出
しポインタRpを更新する(ステップS12)。
【0100】なお、この実施形態では、区分長を固定し
ているが、周波数の高い部分の区分長は短く、低い部分
の区分長は長くするようにしてもよい。たとえば、波形
が所定回数ゼロクロスした時点で区分けすればこれを実
現できる。なお、このように区分長が変化する場合に
は、後述のように、当該区分の開始時刻と継続時間とを
記憶しておく必要がある。
【0101】次に、CPU50は、読み出した区分波形
データを、対象波形データとする(ステップS13)。
さらに、この対象波形からの残差成分が最小となるよう
な周期波を抽出し、当該周期波の係数を抽出係数データ
として得る(ステップS14)。次に、CPU50は、
上記の抽出処理をN回繰り返したか否かを判断する(ス
テップS15)。
【0102】N回繰り返していなければ、CPU50
は、周期波抽出時の残差成分を新たな対象波形とし(ス
テップS16)、ステップS14の周期波の抽出を行
う。この処理をN回繰り返し、周期波z1,z2,...,zNを得
て、その周期波を特定するための係数f1,f2,...,f
N、A1,A2,...,AN、θ1,θ2,...,θN(これら係数に
ついては後述)を得る。
【0103】ここで、最初に抽出した周期波z1(つま
り区分波形から抽出した周期波)から、最後に抽出した
周期波zN(残差成分から抽出した周期波)まで、後に
抽出した周期波ほど、波形再現のための重要度が低い。
つまり、重要度の高い順に、係数が並んでいることとな
る。
【0104】以上のようにして、N個の周期波を抽出し
終えると、次に、ステップS17に進む。ステップS1
7においては、後述する聴感に基づくマスキング処理を
行って、削除可能な抽出係数を取り除き、データ圧縮率
を高める。その後、CPU50は、残った抽出係数デー
タを圧縮データとして圧縮波形データファイル74に記
憶する(ステップS18)。
【0105】上記のようにして、所定区分ごとの波形デ
ータに対する圧縮データを、圧縮波形データファイル7
4に蓄積することができる。また、ステップS18で得
られた圧縮データを、通信回路56を介して伝送するこ
ともできる。
【0106】図7に、ステップS14の周期波の抽出処
理の詳細を示す。まず、ステップS20において、周波
数fをhf1に設定する。次に、周期波形z(t,f)と対象波形
x0(t)との誤差ε(t,f)を算出する(ステップS21)。
【0107】
【数49】
【0108】ここで、
【0109】
【数50】
【0110】
【数51】
【0111】
【数52】
【0112】
【数53】
【0113】ここで、T=1/fであり、n、nTは整数であ
る。
【0114】上記各式において、tは時間を示す。ここ
では、ディジタルデータを扱っているので、このtは離
散値となる。
【0115】次に、下式に従って、誤差εの区分におけ
るエネルギーEを算出する(ステップS22)。
【0116】
【数54】
【0117】ここでは、ディジタルデータとして扱って
いるので、上記演算は、各サンプリングタイムにおける
誤差の2乗を、区分全体にわたって合計したものとな
る。
【0118】次に、周波数を次の周波数hf2に設定する
(ステップS24)。この実施例では、最初の周波数h
f1を20Hzとし、最高周波数hfMを20KHzとして、その間
を、5セント間隔に区切って検討用周波数fを設定して
いる。ここで、セントとは、1オクターブを1200に
分割した単位である。周波数hf2を設定した後、再び、
ステップS21以下を実行し、誤差およびそのエネルギ
ーを算出する。
【0119】上記の処理を繰り返し、最高周波数hfMま
で、誤差およびそのエネルギーを求めると、ステップS
25に分岐する(ステップS23)。ステップS25で
は、上記の処理で用いた周期波形z(t,f)のうち、誤差エ
ネルギーE(t,f)の最も小さいものを選び出す。さら
に、抽出した周期波形z(t,f)を特定するための係数f、
A、θを抽出係数とする(ステップS26)。
【0120】次に、上記で抽出した周期波形z(t,f)に対
応する誤差ε(t,f)を、残差成分として(ステップS2
7)、抽出処理を終了する。
【0121】なお、この実施形態では、数式49〜数式
51に示すf、A、θによって周期波形z(t,f)を表した
が、下式に示すf、S、Cによって周期波形z(t,f)を表
してもよい。
【0122】
【数55】
【0123】また、周期波としては、正弦波(余弦波)
に限らず、三角波、方形波等、周期を有する波を用いる
ことができる。
【0124】次に、図6のステップS17におけるマス
キング処理について説明する。たとえば、ある区分に対
する周期波形の抽出が、図8Aに示すような結果になっ
たとする。横軸は、周波数fであり、縦軸は抽出係数A
(つまり振幅)である。曲線αは、人間の聴覚による最
小可聴限特性(ヒアリング・スレッショルド)と、マス
キング効果とを合成して示すものである。したがって、
この曲線αより下回る振幅Aしか持たない成分は削除し
てもよいこととなる。その結果、データ量を減らすこと
ができ、聴感を損ねることなく圧縮率を高めることがで
きる(図8B参照)。
【0125】なお、圧縮率は低下するが、曲線αとして
最小可聴限特性(ヒアリング・スレッショルド)のみを
用いてもよい。最小可聴限特性(ヒアリング・スレッシ
ョルド)は、各周波数成分の振幅Aによらず一定である
から、迅速な処理を行うことができる。
【0126】なお、圧縮時に、係数fに所望の修正係数
を乗じることにより、容易かつ正確にピッチの変更を行
うことができる。また、区分長に所望の修正係数を乗じ
ることにより、容易かつ正確にテンポの変更を行うこと
ができる。
【0127】4.圧縮データの構造 図9に、圧縮データの全体構造を示す。最初に、圧縮デ
ータ全体に関わるパラメータ等を記憶するメインヘッダ
ー部が設けられている。これに続いて、各区分ごとのデ
ータを記憶したデータ部が設けられている。1つのデー
タ部は、1つの区分に対応している。
【0128】図10に、メインヘッダー部の詳細を示
す。"formatType"には、圧縮に用いたプログラムのバー
ジョン情報等が記録される。"samplingFreq"には、A/
D変換器78のサンプリング周波数が記録される。"dat
aType"には、周期波形の係数の表現方法(たとえば、上
記のf、A、θとするのか、f、S、Cとするのか)が
記録される。"dataFormat"には、上記各データを浮動小
数点とするのか固定小数点とするのかが記録される。"m
ode"には、モノラル、ステレオ、4チャネル等の区別が
記録される。
【0129】図11に、データ部の詳細を示す。"char
status"には、ステレオの場合の右chか左chかが記録さ
れる。"eventTime"には、その音の生成時刻が記録され
る。"lifeTime"には、その音の持続時間が記録され
る。"eventTime""lifeTime"を記録しておくことによ
り、区分の長さを可変長にすることができる。また、他
の音との同期をとりやすくなる。なお、区分長さが固定
の場合には、この"eventTime""lifeTime"は、記録しな
くともよい。
【0130】"freq"には、当該区分において抽出した周
期波の周波数fが記録される。上記で説明した実施形態
であれば、マスキング処理がなければ、N個の周波数f
1,f2,....fNが記録されることとなる。"level"には、
当該区分において抽出した周期波の振幅Aが記録され
る。上記で説明した実施形態であれば、マスキング処理
がなければ、N個の振幅A1,A2,....ANが記録される
こととなる。"angle"には、当該区分において抽出した
周期波の位相θが記録される。上記で説明した実施形態
であれば、マスキング処理がなければ、N個の位相θ1,
θ2,....θNが記録されることとなる。実際には、マス
キング処理によって、不要な周期波の周波数、振幅、位
相が削除される。
【0131】なお、これらの係数f、A、θは、重要度
の高い順に並んでいる。したがって、伝送速度の限界
で、すべての係数データを伝送できない場合には、先頭
のものから順に(サフィックスの小さい順に)伝送可能
なものまでを選択して送ればよい。これにより、波形の
再現性(圧縮誤差)を極端に劣化させることなく、容易
に伝送速度を向上させることができる。
【0132】なお、図11の例では、f1,f2,....f
N、A1,A2,....AN、θ1,θ2,....θNの順にデータが
記憶されているが、f1,A1,θ1,f2,A2,θ2,....fN,
AN,θNの順に記憶してもよい。
【0133】5.解凍処理プログラム 次に、圧縮波形データの解凍について説明する。図1
2、図13に、解凍プログラムを示す。図12がオーデ
ィオストリーム処理であり、図13が解凍処理である。
ここでは、ハードディスク52に記憶された圧縮波形デ
ータファイル74を解凍するものとして説明を進める。
なお、フロッピーディスク67に記憶された圧縮波形デ
ータや通信回線を介して伝送されてくる圧縮波形データ
を解凍する場合も、同様である。また、区分長Lは固定
であり、図11に示す生成時刻のデータ"eventTime"
と、継続時間のデータ"lifeTime"が、圧縮データとして
記録されていない場合について説明する。
【0134】まず、CPU50は、圧縮データのメイン
ヘッダー部のデータを取り込んで、これらのパラメータ
により初期設定を行う。たとえば、サンプリング周波数
をD/Aコンバータに与え、正しい時間レートでアナロ
グ変換がなされるようにする。
【0135】解凍においても、図14に示すように、オ
ーディオ・ストリーム・バッファ76を用いる。オーデ
ィオ・ストリーム・バッファ76に、解凍後の再現波形
データが蓄積されているものとして、オーディオストリ
ーム処理を説明する(図12、図14参照)。このオー
ディオストリーム処理は、1サンプル分のD/A変換が
終了するごとに、DMAコントローラ63によって実行
される。DMAコントローラ63は、読出ポインタRpの
位置から、1サンプル分の再現波形データを読み出し
て、D/A変換器80に与える(ステップS30)。D
MAコントローラ63は、読出ポインタRpを次の読み出
しに備えて、次のサンプル分の番地に更新する(ステッ
プS31)。
【0136】上記の処理が、D/A変換器80の1サン
プルの変換処理終了ごとに実行される。したがって、D
/A変換器80には、順次、再現波形データが与えられ
ることとなる。D/A変換器80は、これをアナログ波
形信号に変換して、オーディオアンプ、スピーカ等(図
示せず)に出力する。これにより、音楽等の演奏がなさ
れる。
【0137】次に、解凍処理について、図13のフロー
チャートを参照して説明する。この解凍処理は、所定時
間ごとのタイマ割り込みにより実行される。割り込みが
あると、CPU50は、区分長Lの再現波形データを記
録するだけの余裕が、オーディオ・ストリーム・バッフ
ァ76にあるか否かを判断する(ステップS40)。つ
まり、1週遅れの読出ポインタRp(現在演奏中の部分)
が、書込ポインタWpより、区分長L以上先にあれば、余
裕があると判断できる(図14の場合)。区分長Lより
小さいアドレスしか読出ポインタRpが先行していないよ
うであれば、余裕がないと判断できる。この場合、新た
に区分長Lの再現波形データを書き込むと、まだ演奏さ
れていない再現波形データを消去することになるからで
ある。
【0138】なお、区分長Lが固定ではなく、生成時
刻"eventTime"、継続時間"lifeTime"が定義されている
場合には(図11参照)、書込ポインタWpを生成時刻"e
ventTime"によって決定し、区分長Lを継続時間"lifeTi
me"によって決定して、上記の判断を行えばよい。
【0139】ステップS40において、余裕がないと判
断した場合には、実質的な解凍処理を行わず、今回の割
り込み処理を終了する。
【0140】一方、余裕があると判断した場合には、ま
だ解凍されていないデータ部(1区文長)の内容を読み
出す(ステップS41)。そして、係数f1,A1,θ1を
取得する(ステップS42)。次に、CPU50は、係
数f1,A1,θ1に基づいて、下式にしたがって、周期波
z1を得る(ステップS43)。
【0141】
【数56】
【0142】続いて、次の係数f2,A2,θ2のデータが
あるか否かを判断する(ステップS44)。あれば、次
の係数f2,A2,θ2を取得し(ステップS45)、これ
に基づいて周期波z2を得る(ステップS43)。この
処理を、最後の係数まで繰り返し実行する。処理すべき
係数がなくなると、合成処理を行う。
【0143】上記で得られた周期波形z1〜zmを下式に
したがって合成すれば、当該区分の波形データを再現す
ることができる。
【0144】
【数57】
【0145】しかしながら、このようにして再現した各
区分ごとの波形データを連結すると、図15のβ部分に
示すように、区分の接続点において、波形の不連続が生
じることがある。このような不連続は、原波形データが
音楽や歌などである場合には、再生時に好ましくない影
響(不快音)をもたらす。この不連続は、誤差に起因す
るものであり、圧縮処理時に抽出する周期波の数Nを大
きくすることによって、減少させることができる。
【0146】この実施形態では、この不連続を以下の処
理によって、解凍時に解消するようにしている。まず、
ステップS46において、上記で得られた周期波z1〜
znに対して、スムース処理を施す。図16に、スムー
ス処理の内容を模式的に示す。まず、図16Aに示すよ
うに、得られた周期波z1の区分長L1を、前後にLa、
Lbだけ延長する(La=Lb)。次に、図16Bに示す
ようなスムース関数にて、延長した周期波z1を切り出
す(スムース関数を乗じる)。これにより、図16Cに
示すような、スムース処理された周期波z1を得る。そ
の他の周期波z2〜znに対しても、同じスムース関数
を用いて切り出しを行い、スムース処理された周期波を
得る。
【0147】なお、他の区分においても、同様のスムー
ス関数を用いてスムース処理がなされる。図16Dに、
当該区分の前の区分におけるスムース関数γ、当該区分
の次の区分におけるスムース関数δを一部分示す。つま
り、各区分のスムース関数の位相関係を示すと、図17
に示すようになり、いずれの時点においても、各区分の
スムース関数の値を合計すれば”1”となる。
【0148】次に、スムース処理された周期波z1〜zn
を足しあわせて合成する(ステップS47)。続いて、
前の区分のスムース関数のEND0(図17参照)によって
フェードアウトされた部分の合成周期波を、今回の区分
のスムース関数のFR1によってフェードインされた部分
の合成周期波に足し合わせる(ステップS48)。この
ようにすることにより、図15に示すような不連続を解
消することができる。
【0149】なお、次の区分の先頭部分に足し合わせる
ために、END1によってフェードアウトされた部分の合
成周期波を保持しておく(ステップS49)。
【0150】次に、合成された波形データの完成部分
(図17のLL1のに対応する部分)を、バッファ76
の書込ポインタWpから書き込む(ステップS50)。さ
らに、書込ポインタWpの位置を更新して(ステップS5
1)、今回の割り込み処理を終了する。以上のようにし
て、バッファ76に再現波形データが蓄積されていく。
【0151】なお、解凍時に、係数fに所望の修正係数
を乗じることにより、容易かつ正確にピッチの変更を行
うことができる。また、区分長に所望の修正係数を乗じ
ることにより、容易かつ正確にテンポの変更を行うこと
ができる。
【0152】6.圧縮率のダイナミックな変化 上記の圧縮・解凍方法を用いた伝送・受信方法におい
て、伝送路や伝送回路等の状況に応じて圧縮率をダイナ
ミックに変化させることができる。たとえば、伝送路の
状況が悪く、大きな通信速度を確立できない場合には、
図6のステップS15における繰り返し回数Nを小さく
して、圧縮率を高くすることができる。また、伝送路の
状況がよく、通信速度を大きくできる場合には、繰り返
し回数Nを大きくして、圧縮誤差を小さくすることがで
きる。
【0153】なお、繰り返し回数Nは変えずに、伝送す
る抽出係数の数を変化させて、伝送路や伝送回路等の状
況に対応するようにしてもよい。
【0154】これらいずれの場合においても、繰り返し
回数の小さい処理において得た抽出係数ほど重要度が高
いので、これらダイナミックな制御を簡単に行うことが
できる。
【0155】7.MIDIへの応用 次に、この圧縮・解凍方法を、MIDI(Musical Instr
ument Digital Interface)に応用した実施形態について
説明する。この実施形態においては、MIDIのデータ
に、上述の圧縮データ(ここではGHA(Generalized H
armonic Analysis)データと呼ぶ)を付加している。こ
れにより、楽器の演奏だけであるMIDIのデータに、
歌等を付加することが可能となる。したがって、たとえ
ば、通信カラオケへの応用において、カラオケ演奏だけ
でなく、コーラスも同時に伝送・再生可能となる。
【0156】一般的に、MIDIデータは、ヘッダチャ
ンクとトラックチャンクを有している。ヘッダチャンク
は、そのMIDIファイルについての基本的な情報(時
間情報の持ち方等)が格納されている。トラックチャン
クには、実際の演奏データ等が格納されている。トラッ
クチャンクにはデータセクションがあり、このデータセ
クションにイベントと呼ばれる演奏内容等を示すデータ
が格納されている。データセクションに格納されるイベ
ントには、図18に示すように、MIDIイベント、Sy
sExイベント、メタ・イベントの3種類がある。なお、
各イベントの前に格納されているデルタタイムは、直前
のイベントからの時間を示している。つまり、直前のイ
ベントが開始されてから、どれだけの時間が経過すれ
ば、当該イベントを開始するかが、デルタタイムとして
格納されている。
【0157】MIDIイベントは、演奏データを格納し
たイベントである。SysExイベントは、主にMIDIの
システム・エクスクルーシブ・メッセージを格納したイ
ベントである。メタ・イベントは、テンポや拍子、歌詞
等の情報を格納したイベントである。
【0158】この実施形態においては、ヘッダチャン
ク、トラックチャンクとは別に、図19に示すようなG
HAチャンクを設けている。このGHAチャンクは、最
初に、GHAチャンクであることを示す識別子"MTgh"を
有している。これに続き、当該チャンクの長さを示すle
ngthを有している。これに続いて、図9に示した、メイ
ンヘッダー部とデータ部を有している。この実施形態で
は、GHAチャンクに、コーラスのGHAデータを格納
した。再生時には、GHAチャンクは、メタイベントに
よって起動させるようにする。
【0159】上記のようにすれば、MIDIデータにG
HAデータを拡張的に含ませて、記録、伝送等をするこ
とができ、再生時に、GHAデータによるコーラス等の
音と、MIDIデータによる演奏との同期をとることが
できる。
【0160】また、GHAデータは、先に説明したよう
に、係数f、区分長を修正することにより、ピッチ、テ
ンポの変更が容易である。したがって、MIDIデータ
による演奏のピッチ変更、テンポ変更にあわせて、容易
にGHAデータによるコーラス等のピッチ、テンポを変
更することができる。
【0161】図20に、GHAデータを含むMIDIデ
ータを再生する装置のブロック図を示す。SMF(Stand
ard MIDI File)プレーヤ100は、MIDIのシーケン
サであり、コンピュータとシーケンサ・ソフトウエ等に
よって構成される。MIDIデータはMIDI用の音源
モジュール102に与えられ、GHAデータはGHAデ
コーダ104に与えられる。
【0162】MIDIデータによる演奏は、音源モジュ
ール102において再現され、アンプ106を介して、
ミキサー110に与えられる。GHAデータによるコー
ラスは、GHAデコーダ104(図2と同様の構成を持
つ)において再現され、アンプ108を介して、ミキサ
ー110に与えられる。ミキサー110において、演奏
とコーラスがミックスされて出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による波形データ圧縮装
置の全体構成を示す図である。
【図2】この発明の一実施形態による波形データ解凍装
置の全体構成を示す図である。
【図3】図1および図2の装置を、CPUを用いて実現
した場合のハードウエア構成を示す図である。
【図4】オーディオストリーム処理のフローチャートで
ある。
【図5】オーディオストリーム・バッファの動作を示す
概念図である。
【図6】圧縮処理のフローチャートである。
【図7】周期波の抽出処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】マスキング処理を示すための図である。
【図9】圧縮データの構造を示す図である。
【図10】圧縮データ(メインヘッダー部)の構造を示
す図である。
【図11】圧縮データ(データ部)の構造を示す図であ
る。
【図12】オーディオストリーム処理を示すフローチャ
ートである。
【図13】解凍処理を示すフローチャートである。
【図14】オーディオストリーム・バッファの動作を示
す概念図である。
【図15】区分間における波形のずれを示す図である。
【図16】スムース処理を示す図である。
【図17】スムース処理を示す図である。
【図18】MIDIデータの構造を示す図である。
【図19】GHAチャンクの構造を示す図である。
【図20】MIDIデータおよびGHAデータを再生す
る装置のブロック図である。
【符号の説明】
2・・・区分手段 4・・・第1の対象波形決定手段 6・・・抽出係数演算手段 8・・・第2の対象波形決定手段 10・・・出力手段 11・・・周期波抽出処理手段 12・・・データ取得手段 14・・・周期波特定手段14 16・・・スムース手段 18・・・合成接続手段 20・・・波形再現手段

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波形を表すデータを受けて、これを所定区
    分に区分けして複数の区分データを得る区分手段、 区分データによって表される区分波形を対象波形とし
    て、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期波を
    抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理によっ
    て得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波抽出
    処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波に関
    する係数を抽出係数データとして得る周期波抽出処理手
    段、 周期波抽出処理手段によって得られた各区分ごとの抽出
    係数データを圧縮データとして出力する出力手段、 を備えた波形データ圧縮装置。
  2. 【請求項2】請求項1の波形データ圧縮装置において、 周期波抽出処理手段は、下記を備えたものであることを
    特徴とするもの: (a)区分データによって表される区分波形を対象波形と
    して抽出係数演算手段に与える第1の対象波形決定手
    段、 (b)対象波形x0(t)から、下式によって表される周期波z
    (t,f)を引いた残差成分εのエネルギーEが最小となる
    ような係数f、S、Cを抽出係数として得る抽出係数演
    算手段、 【数1】 【数2】 ここで、S(f)、C(f)は下式で表される、 【数3】 【数4】 ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波形、T=1/f
    (s)、n、nTは整数である、 (c)残差成分Eを対象波形として抽出係数演算手段に与
    える第2の対象波形決定手段。
  3. 【請求項3】請求項1の波形データ圧縮装置において、 正弦波抽出処理手段は、下記を備えたものであることを
    特徴とするもの: (a)区分データによって表される区分波形を対象波形と
    して抽出係数演算手段に与える第1の対象波形決定手
    段、 (b)対象波形x0(t)から、下式によって表される周期波z
    (t,f)を引いた残差成分εのエネルギーEが最小となる
    ような係数f、A、θを抽出係数として得る抽出係数演
    算手段、 【数5】 【数6】 ここで、A、θは下式で表される、 【数7】 【数8】 ここで、S、Cは下式で表される、 【数9】 【数10】 ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波形、T=1/f
    (s)、n、nTは整数である、 (c)残差成分Eを対象波形として抽出係数演算手段に与
    える第2の対象波形決定手段。
  4. 【請求項4】請求項2または3のデータ圧縮装置におい
    て、 抽出係数演算手段は、周波数fを段階的に変化させて、
    残差成分εのエネルギーEが最小となるような抽出係数
    を得るものであることを特徴とするもの。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4のデータ圧縮装
    置において、 同一区分に対する複数の抽出係数のうち、聴覚の周波数
    特性によってマスクされる抽出係数を削除して圧縮デー
    タとすることを特徴とする波形データ圧縮装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5のデータ圧
    縮装置をコンピュータによって実現するためのプログラ
    ムを記録した記録媒体。
  7. 【請求項7】波形データを符号化する方法であって、 波形を表すデータを受けて、これを所定区間に区分して
    複数の区分データを得て、 区分データによって表される区分波形を対象波形とし
    て、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期波を
    抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理によっ
    て得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波抽出
    処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波に関
    する係数を抽出係数データとして得て、 周期波抽出処理によって得られた各区分ごとの抽出係数
    データを符号化データとすることを特徴とする波形デー
    タ符号化方法。
  8. 【請求項8】請求項7の波形データ圧縮方法をコンピュ
    ータによって実現するためのプログラムを記録した記録
    媒体。
  9. 【請求項9】所定区分に区分けされた圧縮データを受け
    て、各区分ごとの圧縮データを得るデータ取得手段、 各区分の圧縮データに含まれる抽出係数データに基づい
    て、各抽出係数に対応する周期波を特定する周期波特定
    手段、 周期波特定手段によって特定された複数の周期波を合成
    して、各区分ごとの区分波形を再現して接続する波形再
    現手段、 を備えた波形データ解凍装置。
  10. 【請求項10】請求項9の波形データ解凍装置におい
    て、 周期波特定手段は、下式にしたがって周期波z(t,f)を特
    定し、 【数11】 波形再現手段は、下式にしたがって波形x(t)を合成する
    ことを特徴とするもの、 【数12】
  11. 【請求項11】請求項9の波形データ解凍装置におい
    て、 周期波特定手段は、下式にしたがって周期波z(t,f)を特
    定し、 【数13】 波形再現手段は、下式にしたがって波形x(t)を合成する
    ことを特徴とするもの、 【数14】
  12. 【請求項12】請求項9、10または11のデータ解凍
    装置において、 波形再現手段は、各区分における各周期波を、当該区分
    の前の区分中の所定時点から開始してその成分を徐々に
    大きくし、当該区分の後ろの区分中の所定時点にて終了
    するようにその成分を徐々に小さくするようにして、各
    区分の区分波形を接続するものであることを特徴とする
    もの。
  13. 【請求項13】請求項9、10、11または12のデー
    タ解凍装置をコンピュータによって実現するためのプロ
    グラムを記録した記録媒体。
  14. 【請求項14】所定区分に区分けされた圧縮データを受
    けて、各区分ごとの圧縮データを得て、 各区分の圧縮
    データに含まれる抽出係数データに基づいて、各抽出係
    数に対応する周期波を特定し、 特定された複数の周期波を合成して、各区分ごとの区分
    波形を再現して接続することにより波形を再現すること
    を特徴とする波形データ解凍方法。
  15. 【請求項15】請求項14のデータ解凍方法をコンピュ
    ータによって実現するためのプログラムを記録した記録
    媒体。
  16. 【請求項16】圧縮データを記録した記録媒体であっ
    て、当該圧縮データは下記のデータ構造を備えている:
    元の波形を区分けした各区分のための領域のそれぞれに
    下記の抽出係数データを記憶している、 前記抽出係数データは、元の波形を区分けした区分波形
    を対象波形として、当該対象波形からの残差成分が最小
    となる周期波を抽出する周期波抽出処理を行い、周期波
    抽出処理によって得られた残差成分を対象波形としてさ
    らに周期波抽出処理を所定回数繰り返して行い、抽出し
    た各周期波に関する係数を備えている。
  17. 【請求項17】請求項16の圧縮データを記録した記録
    媒体において、 前記抽出係数データは、対象波形x0(t)から、下式によ
    って表される周期波z(t,f)を引いた残差成分εのエネル
    ギーEが最小となるような係数f、S、Cであるもの: 【数15】 【数16】 ここで、S(f)、C(f)は下式で表される、 【数17】 【数18】 ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波形、T=1/f
    (s)、n、nTは整数である。
  18. 【請求項18】請求項16の圧縮データを記録した記録
    媒体において、 前記抽出係数データは、対象波形x0(t)から、下式によ
    って表される周期波z(t,f)を引いた残差成分εのエネル
    ギーEが最小となるような係数f、A、θであるもの: 【数19】 【数20】 ここで、A、θは下式で表される、 【数21】 【数22】 ここで、S、Cは下式で表される、 【数23】 【数24】 ここでfは任意の周波数、x0(t)は対象波形、T=1/f
    (s)、n、nTは整数である。
  19. 【請求項19】波形データを記録する方法であって、 波形を表すデータを受けて、これを所定区間に区分して
    複数の区分データを得て、 区分データによって表される区分波形を対象波形とし
    て、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期波を
    抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理によっ
    て得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波抽出
    処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波に関
    する係数を抽出係数データとして得て、 周期波抽出処理によって得られた各区分ごとの抽出係数
    データを記録することを特徴とする波形データ記録方
    法。
  20. 【請求項20】波形データを伝送する方法であって、 波形を表すデータを受けて、これを所定区間に区分して
    複数の区分データを得て、 区分データによって表される区分波形を対象波形とし
    て、当該対象波形からの残差成分が最小となる周期波を
    抽出する周期波抽出処理を行い、周期波抽出処理によっ
    て得られた残差成分を対象波形としてさらに周期波抽出
    処理を所定回数繰り返して行い、抽出した各周期波に関
    する係数を抽出係数データとして得て、 周期波抽出処理によって得られた各区分ごとの抽出係数
    データを伝送することを特徴とする波形データ伝送方
    法。
  21. 【請求項21】請求項20の波形データ伝送方法におい
    て、 伝送が迅速に行われている場合には、前記抽出処理の繰
    り返し回数を多くし、 伝送が迅速に行われいない場合には、前記抽出処理の繰
    り返し回数を少なくするようにしたことを特徴とするも
    の。
  22. 【請求項22】請求項20の波形データ伝送方法におい
    て、 伝送が迅速に行われている場合には、前記抽出係数の全
    てを伝送し、伝送が迅速に行わていない場合には、前記
    繰り返し回数の少ない段階で得られた抽出係数ほど伝送
    の優先順位を高くして、前記抽出係数の伝送数を少なく
    するようにしたことを特徴とするもの。
  23. 【請求項23】請求項20の波形データ伝送方法におい
    て、 サンプルデータ伝送時には、記繰り返し回数の少ない段
    階で得られた抽出係数ほど伝送の優先順位を高くして、
    少ない数の抽出係数を伝送し、正式データ伝送時には残
    りの抽出係数を伝送することを特徴とするもの。
  24. 【請求項24】楽器の演奏データをMIDIデータとし
    て記録し、MIDIデータ以外の音楽データを、請求項
    1〜5のいずれかの波形データ圧縮装置または請求項7
    の波形データ符号化方法によって圧縮もしくは符号化し
    たデータとして記録する音楽データ記録方法。
  25. 【請求項25】楽器の演奏データをMIDIデータとし
    て伝送し、MIDIデータ以外の音楽データを、請求項
    1〜5のいずれかの波形データ圧縮装置または請求項7
    の符号化方法によって圧縮もしくは符号化したデータと
    して伝送する音楽データ伝送方法。
  26. 【請求項26】請求項24の音楽データ記録方法または
    請求項25の音楽データ伝送方法において、 前記MIDIデータ以外の音楽データは、コーラスデー
    タ、音声データまたは楽器の演奏データであることを特
    徴とするもの。
  27. 【請求項27】請求項24の音楽データ記録方法または
    請求項25の音楽データ伝送方法において、 前記楽器の演奏以外の音楽データを、MIDIデータの
    チャンクとして、MIDIデータと一緒に記録または伝
    送するようにしたことを特徴とするもの。
  28. 【請求項28】楽器の演奏データはMIDIデータとし
    て復元し、楽器の演奏データ以外の音楽データは、請求
    項9〜12のいずれかの波形データ解凍装置または請求
    項14の波形データ解凍方法によって解凍したデータと
    して再生する音楽データ再生方法。
  29. 【請求項29】楽器の演奏データはMIDIデータとし
    て受信し、楽器の演奏データ以外の音楽データは、請求
    項9〜12のいずれかの波形データ解凍装置または請求
    項14の波形データ解凍方法によって解凍したデータと
    して受信する音楽データ受信方法。
  30. 【請求項30】請求項28の音楽データ再生方法または
    請求項29の音楽データ受信方法において、 全ての係数fに修正係数を乗じることにより、解凍した
    波形のピッチを変更するようにしたことを特徴とするも
    の。
  31. 【請求項31】請求項28の音楽データ再生方法または
    請求項29の音楽データ受信方法において、 全ての区分長に修正係数を乗じることにより、解凍した
    波形のテンポを変更するようにしたことを特徴とするも
    の。
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US6928408B1 (en) 1999-12-03 2005-08-09 Fujitsu Limited Speech data compression/expansion apparatus and method

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