JPH10306748A - 超音速空気取入口及び超音速航空機 - Google Patents

超音速空気取入口及び超音速航空機

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JPH10306748A
JPH10306748A JP11470597A JP11470597A JPH10306748A JP H10306748 A JPH10306748 A JP H10306748A JP 11470597 A JP11470597 A JP 11470597A JP 11470597 A JP11470597 A JP 11470597A JP H10306748 A JPH10306748 A JP H10306748A
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JP
Japan
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supersonic
side wall
air intake
aircraft
cowl
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JP11470597A
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Yuji Taneda
裕司 種子田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 航空機用エンジンの超音速空気取入口、及び
この超音速空気取入口を具えた超音速航空機に関する。
従来の空気取入口のもつ設計飛行マッハ数以外の飛行で
圧縮面での適切な圧縮ができず、さらには空気取入口内
の流れに乱が生じる等の不具合を解消する。 【解決手段】 ランプ2およびカウル3の両側部間に、
両側部間を閉鎖して空気の流路の側部を形成するととも
に、前縁が機体の外周上の先端から後方に向かうにつれ
て離隔する方向に傾斜して、面内移動が自在にされた側
壁4を設け、側壁4の先端部の側壁面と垂直方向に設置
された回転軸5を中心にして側壁4を回転させて、前縁
の傾斜角が超音速飛行体の飛行速度に対応して変動し、
超音速気流の前縁に対する直角速度成分が音速を僅かに
越す超音速になるように側壁4を回動させる駆動手段
6,7とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の空気と機
体内から供給された燃料とを燃焼させ、発生する燃焼ガ
スで推進力を発生させ、超音速で飛行する航空機、宇宙
機器もしくは飛しょう体等の超音速飛行体に用いられる
超音速空気取入口、および超音速空気取入口を設けた旅
客機、戦闘機、スクラムジェットエンジン航空機もしく
はLACEエンジン航空機等の超音速航空機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音速航空機等の超音速で飛行す
る超音速飛行体では、大気中の空気を燃焼空気として取
入れるために設けられる超音速空気取入口は、図4ない
し図6に示すように、両側部および上部から外方へ展張
され、飛行時の揚力および制御力を発生させる翼02を
装着し、移送するぺイロードを収容する区画を設けた機
体01の底部、又は側部、又は上部に装着され、機体0
1の進行方向の大気に向けて開口させた開口部から取り
入れた空気を、開口部後方に設けたランプ05及びカウ
ル06の対向面に形成された圧縮面で圧縮して、機体0
1の後部に設けられたジェットエンジン03等の推進力
を発生させるエンジンに供給するようにしている。
【0003】また、この超音速空気取入口04では、開
口部の後方に配設され、圧縮面を形成する前述したラン
プ05及びカウル06とこれらの対向して配設された圧
縮面の側方を覆い、内部に開口部に連通する流路08を
形成する側壁07で構成され、この側壁07はランプ0
5及びカウル06を含む機体01に固定されるものとな
っていた。
【0004】また、側壁07の先端に形成される前縁0
9は、機体01外面に接した先端から後方に向うにつれ
て機体01外面から離隔する方向の傾斜角θをつけるよ
うにしている。そして、この前縁09の傾斜角θは、通
常、この超音速空気取入口04を装着した超音速航空機
が飛行する、代表的な飛行マッハ数(以下設計飛行マッ
ハ数という)において、超音速空気取入口04の周辺を
流れる超音速気流SFの前縁に直角な速度成分(以下直
角速度成分TFという)が少くとも超音速になるように
設定され、側壁07の外面で発生する攪乱が、整流され
て流れる流路08内の内部流IFの流れを乱さないよう
にしている。
【0005】一方、超音速気流SFが流路08内に流入
して流れる内部流IFにより、側壁07内面上で成長す
る境界層の厚みの肥大化は、ランプ05及びカウル06
の圧縮面による内部流IFの適切な圧縮に悪影響を与え
るため、側壁07の内部流IFに晒される面積はできる
だけ小さくすることが望ましく、一般的に側壁07の前
縁09に設けられる傾斜角θは、超音速航空機が設計飛
行マッハ数において飛行しているときに、直角速度成分
TFが僅かに音速を越えるような傾斜角θに設定するよ
うにしている。
【0006】このため、従来の超音速航空機に装着され
ている超音速空気取入口04では、前述したように、側
壁07が機体01に固定されたものとなっているため、
超音速航空機が設計飛行マッハ数以下の飛行マッハ数で
飛行するような場合には、図6に示すように、超音速気
流SFの流速が低減し、直角成分流速TFが音速以下の
亜音速となり、側壁07外面で発生する超音速気流SF
の乱れが超音速空気取入口04の内部にまで伝播するよ
うになり、整流された内部流IFに局所的な流速変動が
生じる等、流れが乱され内部流IFの適切な圧縮が阻害
されるという不具合があった。
【0007】また、従来の超音速空気取入口04では、
側壁07が機体01に固定され、前縁が常に一定の傾斜
角θとなっているため、超音速航空機が設計飛行マッハ
数より大きい速度で飛行する場合は、側壁07の内部流
IFに晒される面積が必要以上に大きくなり、側壁07
内面での内部流IFの境界層の肥大化により、内部流I
Fの適切な圧縮が阻害されることになり、この場合にお
いても、内部流IFの適切な圧縮が阻害されるという不
具合があった。
【0008】従って、このような機体に固着される超音
速空気取入口を装着した超音速航空機においては、この
ような不具合を回避するためには、飛行速度の制御を頻
繁に行い、設計飛行マッハ数を維持して飛行する必要が
あり、操縦が繁雑になるとともに、設計飛行マッハ数以
外での飛行時には、適切な燃焼空気の圧縮が阻害される
ことから、ジェットエンジンの制御が複雑になるという
不具合が生じていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の超音
速空気取入口、および従来の超音速空気取入口を装着し
た超音速航空機の上述した不具合を解消するため、超音
速空気取入口を構成する側壁の前縁傾斜角を、超音速空
気取入口を装着した超音速飛行体および超音速航空機の
飛行速度に対応させて、変動できるようにした超音速空
気取入口、および超音速航空機を提供することを課題と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の超音
速空気取入口は、次の手段とした。
【0011】(1) 大気に開口させた開口部の後方に
設置されて、開口部から導入した空気を圧縮する圧縮面
が対向させて形成されたランプおよびカウルの両側部間
にそれぞれ張設され、両側部間を閉鎖して、超音速飛行
体のエンジン内に供給する空気の流路の側部を形成する
とともに、先端を形成する前縁が機体の外周上の先端か
ら後方に向かうにつれて、機体の外周から離隔する方向
に傾斜させて設けられ、面内方向の移動が自在にされた
側壁を設けた。
【0012】なお、側壁は、前縁が設けられると共に、
ランプおよびカウルの両側部間を閉鎖し、面内方向に移
動自在にされ、半径部と円弧部とが設けられた扇形の平
面形状にされた前方の可動側壁と、可動側壁の後端に位
置する円弧部と先端を摺動させ、気密が保持されるよう
にして可動側壁の後方に配設され、ランプおよびカウル
の両側部間を閉鎖して、ランプおよびカウルを含む機体
に固着される固定側壁とに分割して設けるようにするこ
とが好ましい。
【0013】(2) 機体の外周部で、側壁の先端部に
側壁面と垂直方向に設置された回転軸の回りに回動す
る、面内移動が自在にされた側壁を回転させて、側壁の
先端を形成する前縁の傾斜角が、超音速飛行体の飛行速
度に対応して変動させることができ、超音速気流の直角
速度成分が、音速を僅かに越える超音速になるように側
壁を回動させて、前縁の傾斜角を変動させる駆動手段を
設けた。なお、駆動手段は可動側壁の扇形の要付近に設
置され、側壁面と鉛直方向に配設した回転軸を駆動手段
からの駆動により、回転させることによって可動側壁を
面内方向に回動させるようにしたものが好ましい。
【0014】本発明の超音速空気取入口は、上述
(1),(2)の手段により、 (a)超音速飛行体が設計飛行マッハ数と異るマッハ数
で飛行する場合には、駆動手段により側壁を機体外周面
近傍の先端部まわりに回動させることにより、超音速空
気取入口の周辺を流れる超音速気流の方向と側壁の前縁
とのなす角度を変え、超音速気流の前縁と直交する方向
の直角速度成分を、常に音速を僅かに越える程度の超音
速流に保持することができる。
【0015】これにより、超音速飛行体が設計飛行マッ
ハ数より大きい速度で飛行する場合においても、超音速
空気取入口内部の流路を流れる内部流に晒される側壁の
内壁面の面積が、必要以上に大きくなることもなくな
り、側壁07内壁面で発達する内部流の境界層の肥大化
を防止することができ、超音速空気取入口の流路、ラン
プおよびカウルの圧縮面で行われる内部流の適切な圧縮
ができるようになり、エンジン性能を、設計飛行マッハ
数での飛行時と同様に良好に維持できる。
【0016】また、超音速飛行体が設計飛行マッハ数よ
り小さい速度で飛行する場合においても、側壁の外壁面
1で発生する超音速気流の乱れが内部流に伝播して、流
路内を整流されて流れる内部流に局所的な流速変動、い
わゆるディストーションを発生させるようなことが少な
くなり、また、内部流IFの適切な圧縮ができるように
なり、エンジン性能を設計飛行マッハ数での飛行時と同
様に良好なものにすることができる。
【0017】また、本発明の超音速航空機は、次の手段
とした。 (3) 移送を行う乗客の客室、および/又は移送する
貨物を搭載する貨物室等、いわゆる超音速航空機のぺイ
ロードを収容する区画を設けた機体、機体の両側部から
側方に展張され、あるいは機体の上部から上方に展張さ
れ、飛行時の超音速航空機を空中に浮揚させる揚力、お
よび超音速航空機の飛行姿勢等を制御する制御力を発生
させる翼、および機体の後部に設置され、超音速航空機
を飛行させるに充分な推進力を発生させるジェットエン
ジンを設けて、超音速で飛行する超音速航空機のジェッ
トエンジンに、飛行速度を利用して大気中の空気を流入
させて、供給するようにした超音速空気取入口を、上述
(1)および上述(2)の手段にした超音速空気取入口
を設けるものとした。
【0018】本発明の超音速航空機は、上述(3)の手
段により、 (b)超音速空気取入口が上述(a)の作用、効果を奏
するために、設計飛行マッハ数以外における飛行時にお
いても、ジェットエンジンの性能は、側壁の前縁傾斜角
を飛行速度に対応させて変動させることにより、超音速
気流の直角速度成分を常に音速を僅かに越える超音速流
にして、設計飛行マッハ数における飛行時と同様に設計
性能に維持できる。これにより、この超音速空気取入口
を設けた超音速航空機は、飛行速度の制約が少なくな
り、操縦が容易になる。
【0019】また、ジェットエンジンに供給される空気
(内部流)の圧縮が適切になり、さらには、内部流に発
生するディストーションが少なくなり、設計飛行マッハ
数以外の飛行マッハ数で飛行する場合においても、ジェ
ットエンジンの制御が容易になる。これにより、超音速
航空機を操縦、制御するパイロットの負担を軽減するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の超音速空気取入口
及び超音速航空機の実施の一形態を図面にもとづき説明
する。図1,図2は、本発明の超音速空気取入口の実施
の第1形態を示す図である。
【0021】図において、例えば、図3に示すように、
機体01の底部に設置され、大気中の空気を機体01内
部に取入れ、後方に設けたエンジン03に供給する超音
速空気取入口1は、ランプ2、カウル3、側壁4、回転
軸5、ギァ6、モータ7により構成されている。このう
ち、超音速空気取入口1の内部に流路8を形成すると共
に、超音速空気取入口1の周辺を流れる超音速気流SF
が取り入れられ、流路8を流れる内部流IFを圧縮する
圧縮面を形成するランプ2およびカウル3は、従来のラ
ンプ05およびカウル06と同様に、対向する曲面に圧
縮面を形成する構造にされている。
【0022】また、ランプ2およびカウル3の両側部の
間に張設され、両側部の間を塞ぎ、ランプ2およびカウ
ル3とともに、超音速空気取入口1の内部に流路8を形
成する側壁4は、円弧ABに沿って設けられた分割線に
よって前後に分離された構造にされている。この分割さ
れて形成される側壁4のうち、前方に配置される可動側
壁41は、平面形状が中心角αを持つ扇形にされ、扇形
の要(かなめ)の部分に平面と直交する方向に配設され
た回転軸5が固着されている。
【0023】この回転軸5の回動により、側壁4の可動
側壁41は回転軸5を中心として回転し、すなわち側壁
4の面内方向に自在に回転する。また、可動側壁41の
扇形の半径部(辺)のうち、下方の辺は、側壁4の前縁
43を形成し、上方の辺は、常時機体01内部に収容さ
れ、可動側壁41の回動量に対応して、機体01内部へ
の挿入量が変動する。
【0024】側壁4のうち、後方に配置される固定側壁
41は、ランプ2およびカウル3の側面と気密状態にし
て固着され、また、その先端は扇形の可動側壁41の後
端に形成される円弧ABと合致する円弧にされ、可動側
壁41の回転軸5を中心とした回動を自在にするととも
に、回動時に円弧ABに沿って形成される摺動部を気密
にするシール装置が設けられている。
【0025】また、可動側壁41の要の部分に一端が固
着され、可動側壁41面と直交する方向に配置され、側
壁4を回動させる回転軸5の他端には、被駆動ギァ61
が固着されている。この被駆動ギァ61には、モータ7
の出力軸に固着された駆動ギァ62が噛み合っている。
このように、回転軸5を回動するために配設された被駆
動ギァ61、駆動ギァおよびモータ7は、本実施の形態
における駆動手段を構成する。
【0026】本実施の形態の超音速空気取入口1は、上
述したように構成されているので、モータ7の駆動によ
り、回転軸5が回転し、この回転軸5の回動により可動
側壁41は、回転軸5を中心として回転する。これによ
り、超音速空気取入口1に流入する超音速気流SFと可
動側壁41に設けられた前縁43とのなす角θが変動
し、飛行マッハ数が一定値のときでも、超音速気流SF
の前縁43方向と直角方向の速度成分である直角速度成
分TFは変動する。
【0027】このように、モータ7の駆動により可動側
壁41の回転軸5まわりの回動を制御することにより、
側壁4の前縁43の超音速気流SF方向に対する傾斜角
θを変え、直角速度成分TFを、常に音速を僅かに越す
超音速の流れとなるように設定することができる。
【0028】従って、このような超音速空気取入口1を
装着した超音速航空機では、飛行マッハ数が低下して、
超音速航空機を通常飛行させるようにした設計飛行マッ
ハ数以下の飛行マッハ数になり、超音速気流SFの側壁
4の前縁43に直交する方向の流れである直角速度成分
TFが減少する場合には、モータ7を駆動し、ギァ6を
介して回転軸5を回転させ、可動側壁41を面内移動さ
せることにより、図3に示すように、前縁43と超音速
気流SFとのなす角θを大きくすることにより、直角速
度成分TFが音速を僅かに越す適切な値の超音速流にな
るようにすることができる。
【0029】これにより、側壁4の外壁面で発生する超
音速気流SFの乱れが内部流IFに伝播して、開口部か
ら流入して、流路8内を整流されて流れる内部流IFに
ディストーションを発生させるようなことが少なくな
り、また、ランプ2およびカウル3による内部流IFの
適切な圧縮ができるようになり、エンジン性能は設計飛
行マッハ数での飛行時と同様に良好なものにすることが
できる。
【0030】さらに、このような超音速空気取入口1を
装着した超音速航空機の飛行マッハ数が増大して、超音
速航空機を通常飛行させるようにした設計飛行マッハ数
以上になり、直角速度成分TFが増大した場合には、モ
ータ7を駆動し、ギァ6を介して回転軸5を回転させ
る。
【0031】これにより、前縁43と超音速気流SFと
のなす角θを小さくなり、直角速度成分TFが音速を僅
かに越す超音速の適切な値になるように、可動側壁41
の前縁43が形成された辺と反対側の辺を機体01内へ
面内移動し、超音速空気取入口1の流路8を流れる内部
流に晒される側壁4の内壁面の面積を小さくすることが
でき、側壁4内面で発達する内部流IF境界層の肥大化
を防止することができる。従って、超音速空気取入口1
の流路8、ランプ2およびカウル3の圧縮面で行われる
内部流の適切な圧縮ができるようになり、エンジン性能
を設計飛行マッハ数での飛行時と同様に維持できる。
【0032】さらに、このような超音速空気取入口1を
設けた超音速航空機にすれば、設計飛行マッハ数以外に
おける飛行時においても、ジェットエンジンの性能は、
設計飛行マッハ数における飛行時と同様に設計性能を維
持でき、飛行速度の制約が少なくなり、超音速航空機の
操縦が容易になるとともに、ジェットエンジンに供給さ
れる空気の圧縮が適切になり、さらには、ディストーシ
ョンの発生が少なくなり、ジェットエンジンの制御も容
易になる。これにより、パイロットの負担を軽減できる
ようになる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音速空
気取入口によれば、ランプおよびカウルの両側部間にそ
れぞれ張設され、両側部間を閉鎖して、超音速飛行体の
エンジン内に供給する空気が流れる流路の側部を形成す
るとともに、前縁が機体の外周上の先端から後方に向か
うにつれて機体の外周から離隔する方向に傾斜させて設
けられ、面内移動が自在にされた側壁と、側壁の先端部
に側壁面と垂直方向に設置された回転軸の回りに側壁を
回転させて、側壁の前縁の傾斜角が超音速飛行体の飛行
速度に対応して変動し、超音速気流の前縁に対する直角
速度成分が音速を僅かに越す超音速になるように側壁を
回動させる駆動手段とを設けたことにより、超音速飛行
体が設計飛行マッハ数より大きい速度で飛行する場合に
おいても、超音速空気取入口の流路を流れる内部流に晒
される側壁07の内壁面の面積が必要以上に大きくなら
ず、側壁内面で発達する内部流の境界層の肥大化を防止
できる。
【0034】また、超音速飛行体が設計飛行マッハ数よ
り小さい速度で飛行する場合においても、側壁の外壁面
1で発生する超音速気流の乱れが内部流に伝播すること
がなくなり、超音速空気取入口の圧縮面で行われる内部
流の適切な圧縮ができるようになり、また、流路内を整
流されて流れる内部流にディストーションと発生させる
ようなことが少なくなり、エンジン性能を設計飛行マッ
ハ数での飛行時と同様に良好に維持できる。
【0035】さらに、本発明の超音速航空機によれば、
ぺイロードを収容する区画を設けた機体、揚力および制
御力を発生させる翼、および推進力を発生させるジェッ
トエンジンを設けて超音速で飛行する超音速航空機に設
ける超音速空気取入口を、前述した超音速空気取入口に
したことにより、設計飛行マッハ数以外における飛行時
においても、ジェットエンジンの性能は、設計飛行マッ
ハ数における飛行時と同様に設計性能を維持できる。こ
れにより、飛行速度の制約が少なくなり、超音速航空機
の操縦が容易になる。
【0036】また、ジェットエンジンに供給される空気
(内部流)の圧縮が適切になり、さらには、内部流に発
生するディストーションが少なくなり、ジェットエンジ
ンの制御が容易になる。これにより、超音速航空機を操
縦、制御するパイロットの負担を軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音速空気取入口の実施の第1形態を
示す正面図。
【図2】図1に示す実施の形態の側面図。
【図3】図1に示す実施の形態の超音速空気取入口にお
いて、飛行マッハ数が低下した場合における側面図。
【図4】従来の超音速空気取入口を設けた超音速飛行体
の側面図。
【図5】図4に示すA部詳細側面図で、設計飛行マッハ
数での飛行時を示す図。
【図6】図4に示すA部詳細側面図で、設計飛行マッハ
数以下での飛行時を示す図である。
【符号の説明】
1 超音速空気取入口 2 ランプ 3 カウル 4 側壁 41 可動側壁 42 固定側壁 43 前縁 5 回転軸 6 ギァ 61 被駆動ギァ 62 駆動ギァ 7 モータ 8 流路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音速飛行体のエンジン内に燃焼用空気
    を導入するため、大気に開口する開口部を設け、導入す
    る前記燃焼用空気の圧縮面を対向して形成するランプお
    よびカウルを前記開口部の後方に設けて、機体に装着さ
    れる超音速空気取入口において、前記ランプおよびカウ
    ルの両側部間にそれぞれ張設され、後方に向け前記機体
    の外周から離隔する方向に傾斜する前縁が設けられ、面
    内方向に移動自在にされた側壁と、前記側壁と垂直に前
    記側壁の先端に配置され、前記側壁を回動させる回転軸
    と、飛行速度に対応させて前記側壁を前記回転軸まわり
    に回動させ、前記前縁の傾斜角を変動させる駆動手段と
    を設けたことを特徴とする超音速空気取入口。
  2. 【請求項2】 移送するぺイロードを収容する区画を設
    けた機体、前記機体の両側部および上部から外方へそれ
    ぞれ展張され、飛行時の揚力および制御力を発生させる
    翼、および前記機体の後部に設置され、超音速空気取入
    口から導入した燃焼用空気で燃焼させた燃焼ガスにより
    推進力を発生させるジェットエンジンからなり、超音速
    で飛行する超音速航空機において、前記超音速空気取入
    口に請求項1記載の超音速空気取入口が設けられている
    ことを特徴とする超音速航空機。
JP11470597A 1997-05-02 1997-05-02 超音速空気取入口及び超音速航空機 Withdrawn JPH10306748A (ja)

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