JPH10304872A - 光誘導・拡散型フォトバイオリアクター - Google Patents

光誘導・拡散型フォトバイオリアクター

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JPH10304872A
JPH10304872A JP11587997A JP11587997A JPH10304872A JP H10304872 A JPH10304872 A JP H10304872A JP 11587997 A JP11587997 A JP 11587997A JP 11587997 A JP11587997 A JP 11587997A JP H10304872 A JPH10304872 A JP H10304872A
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light
photobioreactor
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JP11587997A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Morimoto
昌義 森本
M A L Shishitaaui Reda
レダ・エム・エー・エル−シシタァウィ
Shozo Kawasaki
昭三 川崎
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Kajima Corp
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入射光を強度希釈しながら深部まで誘導する光
誘導・拡散型フォトバイオリアクターの提供。 【解決手段】深いフォトバイオリアクター10の頂面11で
受光する。その頂面11に接する狭い受光端面2とフォト
バイオリアクター10の深さ方向に延びて受光端面2から
の光を拡散させる拡散面3と拡散された光をフォトバイ
オリアクター10内へ出光させる広い出光面4とを有する
透光材料製の光拡散素子1を、フォトバイオリアクター
10内に設ける。光拡散素子1の出光面4に接するフォト
バイオリアクター10内部を反応室7とする。光拡散素子
1の狭い受光端面2で受光した光を、拡散面3で拡散の
上広い出光面4を介して出光することにより、受光端面
2からの光を強度希釈しながらフォトバイオリアクター
10の深部まで誘導する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光誘導・拡散型フォト
バイオリアクターに関し、とくに太陽光又は人工光の照
射により生物光化学反応を行わせる深い反応槽等におい
て照射光の強度を希釈しながら反応槽の深部まで誘導す
る光誘導・拡散型フォトバイオリアクターに関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光又は人工光を微生物等の生物に照
射し生物に光化学反応を起こさせてその反応生成物を取
得すること、又はその反応により特定の対象物質を除去
又は変成させることが生命工学等において注目されてい
る。現在の所、スピルリナやカロチンの製造を、微生物
の光化学作用を利用する技術によって製造することが試
みられている。それを実施するフォトバイオリアクター
としては、一般的なものの他に、光ファイバーと発光板
又は発光体とを組合わせた光化学バイオリアクターの提
案もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの試み
又は提案はコストや効率の面で未だ満足すべきものとは
なっていない。例えば、生物の光化学反応を利用して太
陽光の照射により水素を生成させる場合のエネルギー転
換効率は、(生成水素の燃焼熱/入射太陽光のエネルギ
ー)として与えられるが、その値は現在の技術レベルで
はあまり高くない。これらの光化学反応利用の技術で
は、光源が太陽である場合は限られた期間内に十分な生
成量を得ることが必ずしも容易ではなく、人工光源の場
合は人工光源駆動のためのコストが嵩む等の諸問題が指
摘されている。
【0004】コスト高の原因の一つは、入射光が弱過ぎ
る場合の暗反応にある。即ち、生物の光化学反応は光の
存在下で進むが、光の存在しない暗所の場合、逆反応等
の副反応等が起こって目的生成物が消費されたり、不要
な物質の生成が起こったりするケースがあり、暗反応と
呼ばれる。このような場合、深いフォトバイオリアクタ
ーを用いると、その底面付近では入射光が届かないため
に、暗反応が起こり、目的生成物の収量が著しく悪化し
たり、副生成物が増加したりして、所期の意図達成が阻
害される。これを避けようとすると、入射光がフォトバ
イオリアクターの底面まで十分な強度で届くようにする
ため、極めて浅いフォトバイオリアクターを設計せざる
を得ない。その結果、フォトバイオリアクターは浅く且
つ広大なものとなり、尨大な設備面積を必要とすること
になる。この場合、光源としては太陽光に限られるもの
ではなく、人工光の光源でも暗反応は起こる。
【0005】他方、生物の光化学反応におけるエネルギ
ー転換効率の改善について検討の結果、本発明者は入射
光の強度に注目した。反応液の受光面における単位面積
当りの入射光の強度(以下、「実効受光強度」とい
う。)がある一定値においてエネルギー転換効率が最大
となり、入射光が強過ぎてその強度が前記一定値以上に
高くなるとエネルギー転換効率が低下することが一般に
知られている。このような場合に対して、実効受光強度
を前記一定値まで下げること即ち強度希釈することがエ
ネルギー転換効率改善のために有効である。即ち一般
に、菌体にはその活性に適する受光強度に上限値があり
太陽光の強い直射はその上限値を超え、菌体の活動が飽
和ないし阻害される場合がある(光飽和と光阻害)。こ
のような場合に対して入射光の強度希釈は極めて有効に
作用するものと見込まれる。
【0006】従って、本発明の目的は、入射光を強度希
釈しながらフォトバイオリアクターの深部まで誘導する
光誘導・拡散型フォトバイオリアクターを提供するにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、実効受光強
度を低くする手段として、コンピュータ・ディスプレイ
に取付けられるバックライト板に注目した。このバック
ライト板においては狭い入光面から光を入射し、広い出
光面まで誘導し且つその広い出光面から光を均一に出光
させている。本発明においては、フォトバイオリアクタ
ーの光入射面から、反応物質又は菌体培養液が装填され
る反応室の深部までの間に、光入射面の面積に比して広
い面積の出光面をもった光拡散素子を介在させることに
より、該光拡散素子により光をフォトバイオリアクター
の深部まで誘導すると共に入射光の強度を希釈して反応
室へ出光させて光エネルギー利用効率の改善を図る。深
部までの光の誘導は、深度の一層大きなフォトバイオリ
アクターの実用化を可能にし、設置面積効率の改善をも
たらし得るものである。
【0008】図1(A)の実施例を参照するに本発明によ
る光誘導・拡散型フォトバイオリアクターは、頂面11で
受光する深いフォトバイオリアクター(又は反応槽)1
0、頂面11に接する狭い受光端面2とフォトバイオリア
クター10の深さ方向に延び受光端面2からの光を拡散さ
せる拡散面3(面イロハニ)と拡散された光をフォトバ
イオリアクター10内へ出光させる広い出光面4(面ホヘ
トチ)とを有する透光材料製の光拡散素子1、及び光拡
散素子1の出光面4に接するフォトバイオリアクター10
内の反応室7を備え、光拡散素子1の狭い受光端面2で
受光した光を、拡散面3で拡散の上広い出光面4を介し
てフォトバイオリアクター10の深部まで誘導するもので
ある。図1の実施例では光誘導・拡散型フォトバイオリ
アクターの反応槽をフォトバイオリアクター10としてお
り、同図において光拡散素子1の受光端面2を明示する
ため、これをフォトバイオリアクター10の頂面11から離
して図示したが、実際には受光端面2を頂面11に密接し
て設ける。拡散面3は、光拡散素子1の透光材料の表面
上の当該部分に、例えば光を乱反射する性質のドットを
多数印刷することによって形成することができる。
【0009】好ましくは、光拡散素子1の拡散面3の外
側に反射板6を設け、拡散面3から光拡散素子1の外へ
向う拡散光を光拡散素子1内へ、とくに出光面4へ向け
て反射させる。
【0010】図2を参照するに、好ましくは、それぞれ
狭い受光端面2と受光端面2からの光を拡散する拡散面
3と拡散された光を出光させる広い出光面4とを有する
一対の透光材料製の光拡散素子1を、反射板6を介して
拡散面3で背中合わせにして光拡散素子対1aとして使
う。図2の例では、各光拡散素子1を受光端面2にそれ
ぞれ直角で大きさが異なる拡散面3と出光面4とを有す
る断面台形の矩形状のものとし、一対の矩形状光拡散素
子1を反射板6により拡散面3で背中合わせに結合して
光拡散素子対1aとしている。ただし、光拡散素子対1aの
断面及び外形の形状は図示例のものに限定されない。一
層好ましくは、光拡散素子対1a内の各光拡散素子1の受
光端面2に対向する浸漬端面5(面イロヘホ)相互間の
角θを約120゜とする。
【0011】
【発明の実施の形態】図1の実施例により、光拡散素子
1の作用について説明する。本発明における光拡散素子
1は、光強度の希釈と光の誘導との二つの作用をもつ。
先ず光強度希釈について、受光端面2へ入射した光の光
量に比し、面積cの浸漬端面5から出る伝導光T(図1
(B)参照;図1(B)は図1(A)の側面図)の光量が無視
できる場合には、光拡散素子1による光強度の希釈率
は、受光端面2の面積a・Dと出光面4の面積b・Dの比
(a/b)で与えられる。ただし、前記面積比(a/b)は受
光端面2の幅aと出光面4の深さbとの比であり、図1
(A)の場合には受光端面2及び出光面4が矩形であり同
図におけるそれらの奥行Dが等しいので、この関係が成
立する。
【0012】次に光の誘導について、反応液8が例えば
菌体培養液である場合には一般に光の透過が極めて困難
で、フォトバイオリアクター10の深部に光が届き難い。
透光材料製の光拡散素子1を図1(B)のようにフォトバ
イオリアクター10内に設置すると、受光端面2に入った
光は透明な光拡散素子1の中を通りながら拡散面3で拡
散され出光面4から出光して、容易にフォトバイオリア
クター10の深部へ到達できる。これにより、深さ13の大
きいフォトバイオリアクター10の深部においても所期の
光化学反応を起こさせ、暗反応を抑制することができ
る。
【0013】反応液8が入った反応室7を有する断面矩
形のフォトバイオリアクター10の対向側壁の内側表面に
それぞれ光拡散素子1を図1(B)のように配置した場合
の照射光の進行を考察する。フォトバイオリアクター10
の頂面11へ入射した光は、光拡散素子1の受光端面2を
通って出光面4から出る拡散光E、光拡散素子1を通ら
ずに直接に反応液8へ入る直達光I、及び光拡散素子1
の受光端面2に対向する浸漬端面5を通って出光する伝
導光Tの三成分に分けられて、反応液8をその深さ全体
にわたって照射することになる。ただし、本発明におい
て直達光I及び伝導光Tの存在は必須ではない。本発明
におけるこの照射光の進行を、光拡散素子1がない図5
の普通のフォトバイオリアクター10と比較すると、反応
室7内へ進入して反応液8を照射する光の分布が本発明
によって著しく改善されることが明らかになる。特に、
反応液8が菌体培養液で吸光度が大きい場合には、光拡
散素子1の有無による違いが顕著となる。
【0014】従って、本発明の目的である「入射光を強
度希釈しながらフォトバイオリアクターの深部まで誘導
する光誘導・拡散型フォトバイオリアクター」の提供が
達成される。
【0015】図1(B)の断面方形のフォトバイオリアク
ター10の場合に二つの光拡散素子1の間の間隔をdとす
ると、フォトバイオリアクター10の頂面11へ向う照射光
Lのうち、光拡散素子1へ入る部分の割合は2a/(2a+d)
であり、反応室7内へ直接に入る部分の割合はd/(2a+d)
である。光拡散素子1へ入る部分の割合を上げること
が、フォトバイオリアクター10内の光の弱光化及び均一
化の観点からは好ましいが、光拡散素子1間の間隔dを
小さくし過ぎると反応室7内に十分な菌体量を確保する
ことができなくなる。即ち、全ての光拡散素子1の受光
端面の幅2aと光拡散素子1相互間の間隔dとの間には最
適な関係が存在する。これについては、個々のケースに
ついて実験により容易に最適値を求めることができる。
【0016】[実験結果]以下の実施例1に示すよう
に、同じ底面積をもつ2個のフォトバイオリアクター10
の一方には光拡散素子1を挿入し、他方には比較のため
光拡散素子1を入れずに、人工光により水素発生実験を
並行して行なった。光拡散素子1を挿入したものは、光
拡散素子1の体積のために反応液8の量従って菌体量が
約6割に低下したが、水素発生量は逆にほぼ2倍になっ
た。設置面積効率は、以下に説明する実施例2の結果も
勘案すると2〜5倍に達した。
【0017】さらに注目すべきことに、光拡散素子1が
設けられた光誘導・拡散型フォトバイオリアクター10で
は、反応液8として菌体培養液を用いた場合、拡散光E
の照射により菌体中のクロロフィル含有量が増加すると
いう現象が認められた。これは、光強度希釈による別の
効果である。文献によれば、弱光の照射によってクロロ
フィルのみならず菌体中のカロチノイド含量の増加も報
じられており、有用物質の収量増にも寄与することが判
ってきている。
【0018】
【実施例】
[実施例1] 光合成バクテリアRhodobactor sphaeroi
des RV菌(0.1%イースト抽出物、10mMの硫酸アンモニ
ウム、60mMのコハク酸ナトリウムを含む基礎培地中で前
培養したもの)を、幅6cm、受光面積272cm2のルーびん
(図示せず)に入れ、43W/m2のタングステンランプによ
り嫌気条件下、30℃で3日間照射した。かくして生成し
た培地(A)と、71.8mMのD.L乳酸ナトリウムと10mMのグ
ルタミンナトリウムを含む新しい基礎培地(B)とを、
(A):(B)=1:2の割合で混合した。その混合したもの
を、図2に示す容積10リットル、深さ20cm、受光面積50
0cm2の円筒型のフォトバイオリアクター10に移し、嫌気
条件下、30℃において300W/m2のハロゲン光で照射する
ことにより水素発生実験を行なった。
【0019】図2のフォトバイオリアクター10では、2
枚の光拡散素子1が反射板6を介して拡散面3で背中合
せに貼り合わされた光拡散素子対1aの8個を、八角形に
接続して環状に接続したものを使った。それぞれ8個の
光拡散素子対1aを異なる半径の八角形環状体としたもの
3連を、円筒型フォトバイオリアクター10内に同心円状
に三重に並べた。リアクター10の頂面11又は蓋の内側に
各光拡散素子1の受光端面2を接着させることにより、
合計24個の光拡散素子対1aをフォトバイオリアクター10
内に懸垂状態に設置した。各光拡散素子対1a内の隣接光
拡散素子1の下端の浸漬端面5の間には、図2(B)に示
すように、全反射による拡散効果を上げるための鈍い角
度θ=120゜をつけた。ただし、光拡散素子1を透光材料
製とし、その中を透過する光が浸漬端面5(図1(A)参
照)から伝導光Tとして出光してフォトバイオリアクタ
ー10の底面12近傍にも光が照射されるようにした。
【0020】この実施例で用いた光拡散素子1の体積の
合計は4リットルであったので、容積10リットルのフォ
トバイオリアクター10内の反応室7の容積は6リットル
となった。上記の照射による水素発生の状況を図3のカ
ーブAに示したが、10日で22リットル、21日で31リット
ルであった。
【0021】[比較例] 比較のため、光拡散素子1を
欠くことの他は全て実施例1と同一の条件で水素発生実
験を行なった。この場合、光拡散素子1がないので、反
応室7の容積はフォトバイオリアクター10の容積と同じ
10リットルである。水素発生の状況を図3のカーブBに
示したが、10日で12リットル、21日で17リットルと、実
施例1に較べ菌体量が多いにも拘らず、水素発生量はほ
ぼ半分に留った。
【0022】[実施例2] 図4に示す構造のフォトバ
イオリアクター10を用いた他は、すべて実施例1と同じ
条件で水素発生実験を行ない、基質濃度が実質的に零と
なり、水素発生が実質的に止った時を以て実験終了と
し、実験終了後の菌体中のクロロフィルの分析を行なっ
た。図4のフォトバイオリアクター10は、反応室7の頂
部に遮光カバー9を設けて直達光I(図5参照)を無く
し、深さ全体に亘って光拡散素子1の出光面4を臨ませ
て浸漬端面5(図1(A)参照)及び伝導光Tを無くし、
拡散光Eのみが反応液8へ入射するような構造をもつ。
【0023】図4のフォトバイオリアクター10による実
験で得られた光合成菌体中のクロロフィル含有量は、通
常の平板形フォトバイオリアクター(図示せず。)を用
いた場合の菌体中のクロロフィル含有量に較べて高かっ
た。
【0024】分析結果を表1に示す。表1の数値は、光
誘導・拡散型フォトバイオリアクターの場合におけるク
ロロフィル含有量の方が、平板形フォトバイオリアクタ
ーの場合より約2割アップしていることを示している。
【0025】
【表1】
【0026】表1の数値は、光誘導・拡散型フォトバイ
オリアクターの場合におけるクロロフィル含有量の方
が、平板形フォトバイオリアクターの場合より約2割ア
ップしていることを示している。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光誘導・拡
散型フォトバイオリアクターは、反応室の深部に達する
入射光の誘導と光強度の希釈とを併用するので、次の顕
著な効果を奏する。
【0028】(イ)深いフォトバイオリアクターの場合に
も入射光をフォトバイオリアクターの深部まで低損失で
導き、深部まで光照射を確保するので、フォトバイオリ
アクターの深槽化を可能にし単位設置床面積当りの処理
量を大きくし、設置面積効率の高いフォトバイオリアク
ターを提供することができる。 (ロ)光拡散素子の配置間隔を適切に選択することによっ
て、フォトバイオリアクター内の光の強度を調節するこ
とが可能になり、これにより反応物質の処理量を増やす
ことができる。
【0029】(ハ)菌体培養液を使用する場合に、その培
養液への照射光を弱光化することにより、菌体中のクロ
ロフィル等の有用物質の含有量を高めることができる。 (ニ)極めて高い強度の直射日光等の入射光の全エネルギ
ーを強度希釈しながら利用することにより、最適レベル
の光強度で入射光を無駄なく使用し、同一の入射光エネ
ルギーで処理できる反応物質の量を増やすことができ
る。 (ホ)光拡散素子を透明性樹脂又はガラス等を用いて製造
し、比較的安価に提供することができる。
【0030】(ヘ)フォトバイオリアクターの光照射面に
入射する全光エネルギーを、(i)反応室へ直接に到達す
る直達光と、(ii)光拡散素子で拡散され弱光化されて反
応室へ出光する拡散光と、(iii)光拡散素子の受光端面
から透光性の該素子内を通って対向端の浸漬端面から出
光する伝導光の三者に分離し、それら三者の割合を適正
化することにより、生物光化学反応を高効率で行なわせ
ることができる。
【0031】(ト)例えば微生物の光化学反応により太陽
光エネルギーを水素ガスに変換する技術等の微生物の光
化学作用を利用する反応系で、単位量の微生物が処理で
きる光エネルギーの量が比較的僅かであってしかも処理
液中の微生物濃度にも限度がある場合、直射日光等の高
強度又は高密度の入射エネルギーを如何に効率よく微生
物の光化学反応系に導くかが問題になる。光強度希釈が
可能なフォトバイオリアクターは、この様な微生物の光
化学反応系に有効に利用されるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の原理的構成を示す説明図である。
【図2】は、本発明の一実施例の図式的平面図及び側面
図である。
【図3】は、実験結果を示すグラフである。
【図4】は、本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】は、光拡散素子のないフォトバイオリアクター
の説明図である。
【符号の説明】
1…光拡散素子 2…受光端面 3…拡散面 4…出光面 5…浸漬端面 6…反射板 7…反応室 8…反応液 9…遮光カバー 10…フォトバイオリアクター 11…頂面 12…底面 13…深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レダ・エム・エー・エル−シシタァウィ 東京都港区西新橋二丁目8番11号 財団法 人地球環境 産業技術研究機構 CO2固 定化等プロジェクト室内 (72)発明者 川崎 昭三 東京都港区西新橋二丁目8番11号 財団法 人地球環境 産業技術研究機構 CO2固 定化等プロジェクト室内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】頂面で受光する深い反応槽、前記頂面に接
    する狭い受光端面と反応槽の深さ方向に延び前記受光面
    からの光を拡散させる拡散面と拡散された光を反応槽内
    へ出光させる広い出光面とを有する透光材料製の光拡散
    素子、及び前記光拡散素子の出光面に接する前記反応槽
    内の反応室を備えてなる光誘導・拡散型フォトバイオリ
    アクター。
  2. 【請求項2】請求項1のフォトバイオリアクターにおい
    て、前記光拡散素子の拡散面に多数の光乱反射性ドット
    を印刷してなる光誘導・拡散型フォトバイオリアクタ
    ー。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のフォトバイオリアクター
    において、前記光拡散素子に前記受光端面と対向する透
    光性浸漬端面を設けてなる光誘導・拡散型フォトバイオ
    リアクター。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかのフォトバイオリ
    アクターにおいて、前記反応槽の頂面の前記光拡散素子
    の受光端面に接しない部分を前記反応室への透光面とし
    てなる光誘導・拡散型フォトバイオリアクター。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかのフォトバイオリ
    アクターにおいて、2個の前記光拡散素子を反射板を介
    しそれぞれの拡散面で背中合わせに結合して光拡散素子
    対としてなる光誘導・拡散型フォトバイオリアクター。
  6. 【請求項6】請求項5のフォトバイオリアクターにおい
    て、前記光拡散素子対内の各光拡散素子に前記受光端面
    と対向する透光性浸漬端面を設け且つ前記背中合わせに
    結合される部位で隣接する前記浸漬端面間の角度θを約
    120゜としてなる光誘導・拡散型フォトバイオリアクタ
    ー。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかのフォトバイオリ
    アクターにおいて、前記光拡散素子の拡散面の外側に反
    射板を設けてなる光誘導・拡散型フォトバイオリアクタ
    ー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010068288A3 (en) * 2008-12-11 2010-10-07 Joule Unlimited, Inc. Solar biofactory, photobioreactors, passive thermal regulation systems and methods for producing products
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