JPH10304790A - トランスジェニック動物の作成方法 - Google Patents

トランスジェニック動物の作成方法

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JPH10304790A
JPH10304790A JP7275110A JP27511095A JPH10304790A JP H10304790 A JPH10304790 A JP H10304790A JP 7275110 A JP7275110 A JP 7275110A JP 27511095 A JP27511095 A JP 27511095A JP H10304790 A JPH10304790 A JP H10304790A
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dna
exogenous dna
male
testis
injection
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Masahiro Sato
正宏 佐藤
Nobuhiro Tada
昇弘 多田
Shozo Ogawa
昭三 尾川
Makoto Iwatani
誠 岩谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 成熟動物雄の精巣へ直接外来性DNAとリポ
ゾームからなるDNA導入用試薬を3回以上反復して注
入し、注入後該雄を雌と自然交配に付すか、または該雄
の精巣から得られた精子を用いて人工受精または体外受
精させることにより、トランスジェニック動物を作成す
る方法に関する。 【効果】 上記方法により簡便かつ効率的にトランスジ
ェニック動物を作成することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランスジェニック動
物を簡便に且つ効率的に作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、トランスジェニック動物の作成技
術は、様々な分野で応用されている。例えば、遺伝子発
現の組織特異性及び時期特異性の解析、遺伝子の生理機
能の解析、ヒト疾患モデルの作成とその病態解析、及
び、医学的に有用な遺伝子産物を家畜乳汁中に分泌させ
る生産系として、頗る重要となっている。その作成のた
めの最も確立された方法としては、受精卵前核への外来
性DNAのマイクロマニュピュレーター(micromanipul
ator)を用いた顕微注入法がある(Palmiter and Brins
ter, Annu Rev Genet 20: 465-499, 1986)。外来性D
NAとは本明細書ではプラスミドDNAを意味する。外
来性DNAは目的とするトランスジェニック動物の作成
のためには、その導入遺伝子の種類を変えることができ
る。いくつかの研究室では、この方法がルーチンに使わ
れているが、一般的に、顕微注入法によるトランスジェ
ニック動物の作成は、様々な問題を伴っている。例え
ば、外来性DNAの顕微注入には、時間がかかり、その
操作も特殊な技量を要求される。また、顕微注入のため
の高価なマイクロマニュピュレーターを用意する必要も
ある。更に、ある種の動物卵では、注入すべき核が、顕
微鏡下では見えないので、注入する前に、予め卵に遠心
処置を施す必要がある等、極めて煩雑な方法である。さ
らに目的とするトランスジェニック動物の生産の成否に
ついてもバラツキが大きい。
【0003】一方、上記顕微注入法によらないトランス
ジェニック動物の作成方法も開発されている。例えば、
マウス精子と外来性DNAとを試験管の中で混合させた
後、この精子を未受精卵と受精させることにより、トラ
ンスジェニック動物を得る方法がある。ラビトラーノ
(Lavitrano et al., Cell 57: 717-723, 1989)は、こ
の方法による成功を報じたが、その結果には、今のとこ
ろ再現性が確認されていない(Brinster et al., Cell
59:239-241, 1989)。
【0004】一方、バチラー(Bachiller)らは、上述
のラビトラーノ(Lavitrano)らの手法を更に進めて、
単離された精子内に外来性DNAを効率的に取り込ませ
るため、外来性DNAと脂質の一種であるリポゾーム
(liposome)との複合体をマウス精子と共に培養した
後、マウス未受精卵と受精させたが、受精卵には外来性
DNAを検出できなかった(Mol Reprod Develop 30, 1
94-200, 1991)。即ち、トランスジェニック動物作成に
は、失敗した。従って、この手法は、未だ実用性の域に
達していないが、顕微注入という特殊な操作を必要とし
ないこと、高価なマイクロマニュピュレーターを用意す
る必要もないこと、等の上述の顕微注入法にはない利点
がある。
【0005】我々も従来より、別の視点から、精子を通
じて、外来性DNAを卵側へ伝達するという、いわゆ
る、精子を介した遺伝子導入法(sperm-mediated gene
transfer)の開発を試みて来た。例えば、カルシウムリ
ン酸(Ca-phosphate)で沈殿させた外来性DNAを注射
針で直接雄動物の精巣へ注入するという方法である(Sa
to et al., Animal Biotech 5, 19-31, 1994)。精巣に
は、精子の元となる未分化な精祖細胞(spermatogoni
a)と呼ばれる細胞から、分化の進んだ精原細胞(sperm
atocyte)、更に分化した精巣内精子(testicular sper
matozoa)等の様々なタイプの精子細胞が存在する。精
巣内精子は、精子特有の活発な動きはないが、精巣から
精巣上体へ輸送されるに伴い活発な動きを示すようにな
る。一般的に、カルシウムリン酸で沈殿させた外来性D
NAは、哺乳動物由来の培養細胞等と共存させるとその
細胞へ容易に入り込む性質がある。その結果として、そ
の細胞は外来性DNAにより形質転換されることが知ら
れている(Wigler et al., Cell 11, 223-232, 197
7)。従って、このカルシウムリン酸で沈殿させた外来
性DNAを精巣へ注入すれば、精巣内精子細胞は、その
外来性DNA導入によって、形質転換されると考えられ
る。もし、このような形質転換された精子(外来性DN
Aを有する)が、放出され、雌動物卵管内で卵と受精す
れば、精子内に存在する外来性DNAは、受精卵の染色
体へ伝達されるものと想像される。即ち、トランスジェ
ニック受精卵の誕生である。もし、この方法によりトラ
ンスジェニック動物が作成出来れば、10万匹以上の精
子へ一度に外来性DNAを導入出来ると共に、家畜の場
合のように、受精卵への外来性DNAの顕微注入が難し
い場合には、極めて有用な手段となり得る。また、外来
性DNAを導入された多数の精子を凍結保存しておき、
適時融解して、人工受精あるいは体外受精を施すことに
より、トランスジェニック動物を容易に得ることも可能
である。
【0006】我々は、この仮説に基づき、上述のよう
に、カルシウムリン酸で沈殿させた外来性DNAを注射
針で直接雄マウスの精巣へ注入する実験を行った。その
結果、外来性DNAは、射精された精子内に存在するこ
とが確認出来たが、受精後の卵には、外来性DNAを検
出することは出来なかった(Sato et al., Animal Biot
ech 5, 19-31, 1994)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、従来の顕微注入法によらないトランスジェニック動
物の簡便且つ効率的作成法を提供し、これにより、短期
間に大量のトランスジェニック動物を得ることである。
このことにより、従来、牛等の大型家畜のトランスジェ
ニック化が難しいとされてきた問題も解消出来るものと
期待される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために検討を重ねた結果、カルシウムリン酸
を用いる代わりに、DNA導入用試薬として用いられて
いるリポゾーム(liposome)を外来性DNAと混ぜ合わ
せ、これを最低3回、継続して精巣へ直接注入する。詳
しくは、リポゾームと外来性DNAを混合し、リポゾー
ム−外来性DNA複合体を調製した後、この複合体を成
熟動物雄の精巣へ注射針を用いて直接注入し、注入され
た雄動物を、正常な発情期雌と自然交配に付することに
より、高頻度に外来性DNAを自らの染色体に含有する
トランスジェニック動物を簡便に且つ効率的に得ること
が出来、本発明を完成した。
【0009】本発明は、非ヒト成熟脊椎動物雄の精巣へ
外来性DNAを注入し、該雄の精巣で産生された精子に
より受精させることによりトランスジェニック非ヒト脊
椎動物を作成する方法に関する。本発明は、非ヒト成熟
脊椎動物雄の精巣へ外来性DNAを注入し、該雄を雌と
自然交配に付することによりトランスジェニック非ヒト
脊椎動物を作成する方法に関する。本発明は、非ヒト成
熟脊椎動物雄の精巣へ外来性DNAを注入し、該雄の精
巣で生産された精子を用いて人工受精または体外受精に
より受精させることによりトランスジェニック非ヒト脊
椎動物を作成する方法に関する。
【0010】本発明の方法を用いれば、小型動物のみな
らず、大型動物たとえば牛、豚、山羊等のトランスジェ
ニック動物の効率的生産へ応用できる。
【0011】本発明は、外来性DNAを、DNA導入用
試薬と混ぜ複合体を形成した後注入することを特徴とす
るトランスジェニック動物を作成する方法に関する。さ
らに本発明は外来性DNAをリポゾームと混ぜ複合体を
形成した後注入することを特徴とするトランスジェニッ
ク動物を作成する方法に関する。
【0012】本発明の重要な点は、外来性DNAとDN
A導入試薬としてのリポゾームとを精巣内へ注入する前
に試験管内で混合させることにより、リポゾーム−外来
性DNA複合体を作製することにある。これにより、精
巣内精子への外来性DNAの導入効率が高まると考えら
れる。リポゾームは、哺乳動物細胞へのDNA導入のた
めの試薬として市販されているもので、特に種類は問わ
ないが、例えばリポフェクチン(LIPOFECTINTM試薬:N
−〔1−(2,3−dioleyloxy)propyl〕−N,N,N,−
trimethylammonium chloride(DOTMA)とdioleoyl
phosphatidylethanolamine (DOPE)とを1:1(w
/w)の割合で含むリポゾーム、GIBCO-BRL社)等を用い
ることが出来る。
【0013】本発明はさらに成熟動物雄の精巣への直接
外来性DNA注入が3回以上反復して行われることを特
徴とするトランスジェニック動物を作成する方法に関す
る。詳しくはDNA混合液を1/6ゲージ注射針にて、麻
酔処理された成熟雄動物の両方の精巣へ精巣を包む陰嚢
(scrotum)から、直接挿入し注入する。この注入操作
を4日置きに最低三回行う。
【0014】本発明においては、外来性DNAを注入さ
れた雄は、最終注入後2日目に、性腺刺激ホルモンで誘
起された発情期雌動物と交配に付される。一部の雌は、
交配が確認された日(妊娠1日目と規定)に屠殺され、
子宮内精子及び卵管内に存在する受精卵(1細胞期胚)
を採取する。これらサンプルは、外来性DNAの存在を
解析するために付される。その他の雌は、妊娠中期、ま
たは、出産まで生存させる。妊娠中期では、胎児を摘出
した後、そのDNAを抽出し、サザンブロッティング
(Southern blotting)(Southern, J Mol Biol 98, 50
3-517, 1975)またはPCR法(Saiki et al., Science
239, 487-491, 1988)により、外来性DNAの胎児染
色体への組み込み率を確認する。同様に、出産した個体
に対しても、生後5日目に尾部DNAを抽出し、外来性
DNAの存在を調べる。
【0015】出産したトランスジェニック個体{これを
初代トランスジェニック動物(founder)あるいはF0
と呼ぶ}は、正常動物と交配させ、その子孫を得る。F
0の次の世代であるF1個体についてサザンブロッティ
ングまたはPCR法によるDNA解析を行い、F0から
F1へ外来性DNAが伝達されているかどうかを検討す
る。本発明の最重要点は、下記の通りである。
【0016】1) リポゾーム−DNA複合体の精巣への
複数回注入、続く雌との交配後、子宮内に放出された、
所請、射精精子(ejaculated spermatozoa)には、外来
性DNAの存在が認められた。 2) リポゾーム−DNA複合体の注入回数が増すにつ
れ、胚盤胞(blastocyst;着床直前の胚)において外来
性DNAの検出される頻度は高まる。この胚盤胞に外来
性DNAが検出された、ということは、精巣に導入され
た外来性DNAが精子を通じて卵側に伝達されたことを
裏付ける。 3) 胚盤胞における外来性DNAの存在は、別方法、例
えばβ−ガラクトシダーゼ (β−galactosidase, β−g
alと略す) 活性を捉える組織化学的解析によっても証明
される。即ち、リポゾーム−DNA複合体の注入回数が
増すにつれ、β−gal活性を示す胚盤胞の割合が高まる
ことが判明した。
【0017】本発明は成熟脊椎動物雄がマウスであるこ
とを特徴とするトランスジェニック動物を作成する方法
に関する。従って、本発明は成熟脊椎動物雄の精巣へ直
接外来性DNAを複数回注入し、精巣内精子(testicul
ar spermatozoa)を外来性DNAで形質転換することに
より、顕微注入という従来法に比べ効率よくトランスジ
ェニック動物を作成する方法に関するものである。な
お、本法で得られたトランスジェニック動物は通常の飼
育条件、通常の餌にて飼育繁殖することができる。
【0018】
【実施例】次に、実施例を示して本発明の効果を具体的
に説明する。尚、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。
【0019】実施例1 導入DNA用プラスミドpMT−neo/MT−β−galの構築 マウスメタロチオネイン−Iプロモーター{metallothi
onein−I promoter(MT)}断片(約1.9kb)をpMGH
(Palmiter et al., Nature 300, 611-615, 1982)から
EcoRI/Bgl II消化により、切断することにより、単離
し、これをpHSG396プラスミド(約2.3kb; Takeshita
et al., Gene 71, 9-18, 1988)のEcoRI/Bgl II制限酵
素部位へ導入した。これをpMT/1と称する。次いで、ネ
オマイシン(neomycin)耐性遺伝子(約1.5kb; neo)
をpHSG294プラスミド(Brady etal., Gene 27, 223-23
2, 1984)よりBgl II/Hind III制限酵素消化により単
離し、pMT/1のBgl II/Hind III制限酵素部位へ挿入
し、pMT/neo−1を構築した。これにより、neoをMTの
制御下で発現させることにより、neo発現ユニット(MT
−neo)を含むベクターが構築された。発現ユニットと
は遺伝子を発現するための構築体、通常、プロモーター
+遺伝子(cDNAやゲノムDNA)から成る。
【0020】一方、MTと大腸菌由来のβ−gal遺伝子
(約3kb、SV40 ポリA付加部位をその3′末端側に含
む)とを融合させた約5kbのβ−gal発現ユニット(MT
−β−gal)をpMT/β−gal−1(Sato et al., Mol Re
prod Develop, 34, 349-356, 1993)から単離し、これ
をpMT/neo−1のHind III制限酵素部位(MT−neoの下
流側)へ挿入した。この際、MT−β−galの3′末端側
には、NotIリンカー(ベーリンガーマンハイム社)を
設置してある。この操作によって得られた構築体は、pM
T−neo/MT−β−gal(約10kb; 図1参照)と称され
る。このプラスミドの中には、即ち、MT−neoとMT−β
−galが直列に連結された形のneo発現ユニット及び、β
−gal発現ユニットが含まれる。なお、導入DNA用プ
ラスミドとしては、今回、pMT−neo/MT−β−galを用
いているが、MT−neoやMT−β−galの代わりに別の興味
ある遺伝子の発現ユニットを用いることもできる。
【0021】実施例2 成熟雄マウス精巣へのリポゾーム−外来性DNA(pMT
−neo/MT−β−gal)複合体の注入及び注入後の精巣か
ら交配によって得られた子宮内精子(intrauterine spe
rmatozoa)並びに胚盤胞における外来性DNAの検出 精巣へのリポゾーム−外来性DNA複合体の注入によっ
て、精巣内精子が形質転換を受け、これら精子が雌との
交配によって、精巣から放出された結果、雌子宮内に存
在する精子に外来性DNAが存在するかどうか、また、
これら精子と受精した受精卵にも外来性DNAが存在す
るかどうかの検討を試みた。先ず、プラスミドpMT−neo
/MT−β−gal DNAを制限酵素NotIで切断し、直鎖
化とする。この直鎖状DNA約5μgとLIPOFECTIN
TM(GIBCO-BRL社;リン酸緩衝液PBS, pH7.2に溶
解)とを室温下にて、1:1の割合で混合し15分間静
置した。この方法は、製造元の指針に基づいた。この過
程で、外来性DNA(pMT−neo/MT−β−gal)は、リ
ポゾームの脂質層に囲まれることとなり、いわゆる、リ
ポゾーム−外来性DNA複合体が形成される。対照とし
ては、PBSでリポゾームを1:1の割合で混合したも
のを作成しコントロールとした。
【0022】このリポゾーム−外来性DNA複合体、ま
たは、コントロール溶液は、1/6ゲージ注射針にて吸引
され、おおよそ20μl量を麻酔下の成熟ICR雄マウ
ス(8〜10週齢、日本クレア社)の両方の精巣へ向け
て、陰嚢から直接注入される。注入の過程を模式化し、
図2に表した。リポゾーム−外来性DNA複合体注入
後、2日目に発情期ICR雌(8〜10週齢、日本クレ
ア社;性腺刺激ホルモンにより、発情期を誘発)と交配
し、卵管内より受精卵(1細胞期胚)及び子宮内精子を
回収した。回収された受精卵は、ヒアルロニダーゼで卵
丘細胞を除去した後、1μM CdCl2(MT活性を上
げるのが目的)を含む100μlのM16培養液(Whitt
ingham, J Reprod Fert 14 (Suppl), 7-21, 1971)(パ
ラフィンで覆われる)にて37℃、5%CO2/95%
空気の気相下、3日間培養することにより、胚盤胞まで
発生させた。発生した胚盤胞は、PCR法によるDNA
解析を行い、外来性DNAの有無の検索を試みた。更
に、一部の胚盤胞については、導入遺伝子の発現を調べ
るためにβ−gal活性を組織化学的に解析した。PCR
法によるDNA解析は、サイキらの方法(Saiki et a
l., Science 239, 487-491, 1988)に準じた。この際、
用いたプライマーセットは2種あり、一つは、β−gal
遺伝子の3′側の領域を認識するプライマーMI499β−g
al(配列表配列番号1)およびプライマーMI500β−gal
(配列表配列番号2)(Molecular Cloning-A Laborato
ry Manual, CSH, NY, 1982)、もう一つは、neo遺伝子
の5′側の領域を認識するプライマーMI1511 neo(配列
表配列番号3)およびプライマーMI1512 neo(配列表配
列番号4)(Gene 19, 327-336, 1982)を用いた。PC
R反応の条件は、9μlの反応液〔10mM Tris−Cl,
pH8.3, 1.5mM MgCl2, 50mM KCl,0.01
%(w/v)ゲラチン, 200μM dATP, dTTP, dGTP, dCTP,
50pMの各種プライマー, 0.1μlのTaqポリメラー
ゼ〕に1μl(約1μgに相当)のゲノム(genomic)D
NAもしくは、胚盤胞を含む溶液を加えたものを、36
サイクルのPCR反応に付した。反応は、1分間95℃
にて変性(denaturation)させた後、1分間58℃にて
アニーリング(annealing)、更に、4分間75℃にて
伸長反応(extension)を行った。次いで、反応液は4
%アガロースゲルによる電気泳動に付され、ゲルは、臭
化エチジュウム(ethidium bromide)染色に付された。
染色後、ゲルを紫外線照射することにより増幅された外
来性DNAの存在を確認する。
【0023】β−galに対する組織化学的解析は、次の
ように行った。即ち、検体(胚盤胞)をPBSに混和し
た1.25%グルタールアルデヒド(glutaraldehyde)
にて5分間、室温にて固定後、0.05%牛血清アルブ
ミン(bovine serum albumin、BSAと略す)を含むP
BS 50μlの小滴の中で三回洗浄した。その後、検体
を1.2mM 5−bromo−4−chloro−3−indolyl−β−
D−galactopyranoside(X−Gal)、1mM MgCl2
0.1%トリトンX−100(Triton X-100)、3mM K4
Fe〔CN〕6・3H2O(P3289;Sigma社)、3m
M K3Fe〔CN〕6(P3667;Sigma社)を含むP
BS(50μl)中にて、約24時間、37℃下で反応
させた。この操作により、β−gal活性を示す検体の細
胞質内は青く染色される。一方、β−gal活性を示さな
い検体の細胞質は、全く染色されない。
【0024】回収された子宮内精子はゲノムDNAの単
離に付された。ゲノムDNAの単離は、佐藤らの方法
(Sato et al., Animal Biotech 5, 19-31, 1994)に準
じて行った。即ち、軽い遠心で沈殿させた子宮内精子を
700μlの溶解用バッファー(lysis buffer) 〔15
0μg/ml proteinase K(No. 24568; メルク社)、0.
5mg/mlプロナーゼE(Pronase E)(化研科学社)、1
00mM NaCl、0.4% SDS、10mM Tris buffe
r、10mM EDTA、pH8.0〕の中に投じ、37℃、24
〜48時間融解させた。100μlフェノールをその融
解液に加え、その上清を抽出した。次いで、この上清を
80μg/mlのリボヌクレアーゼA(RNase A)にて3
7℃、30分間処理した後、混在するRNAを分解し
た。そして、この上清から700μlのイソプロパノー
ル(isopropanol)を処理することによってDNAの沈
殿物を得た。このDNA沈殿物をギルソン社のイエロー
チップ(Gilson Yellow tip)にて拾い上げ、70%エ
タノール(ethanol)にて洗浄後、70μlのTEバッフ
ァー(10mM Tris buffer、1mM EDTA、pH7)に融解
した。この子宮内精子由来ゲノムDNAは、2種類のプ
ライマーセットを用いたPCR解析に付され、外来性D
NAの有無の検索が試みられた。
【0025】リポゾーム−外来性DNA(pMT−neo/MT
−β−gal)または、コントロール溶液を精巣内へ注入
後、2日目に発情期雌と交配させ、受精卵を単離した。
それから、β−galを指標とした外来性DNAの発現解
析を行った(1回目の注入)。1回目のリポゾーム−外
来性DNAを注入後、4日目に再びリポゾーム−外来性
DNAまたは、コントロール溶液を精巣内へ注入した。
2回目のリポゾーム−外来性DNA注入を終了した雄
は、注入後2日目に、発情期雌と交配させ、受精卵を単
離した後、一回目の注入と同様に、DNA解析及び発現
解析を行った。更に、2回目のDNAを精巣へ注入後、
4日目に再びリポゾーム−DNAまたは、コントロール
溶液を注入した(3回目の注入)。通常、1回目の注入
は、図2中のA方向から行い、陰嚢表面から約4mmの深
さまで注射針を刺し、複合体を注入する。2回目の注入
は、B方向から行い、陰嚢表面から約4mmの深さまで注
射針を刺し、複合体を注入する。3回目の注入は、C方
向から行い、陰嚢表面から約3mmの深さまで注射針を刺
し、複合体を注入する。3回目のリポゾーム−外来性D
NA注入を終了した雄は、注入後、2日目に、発情期雌
と交配させ、受精卵、子宮内精子を単離した後、PCR
法による外来性DNAの検出及びβ−galを指標とした
外来性DNAの発現解析を行った。以上の成績は、表1
にまとめられている。また、図3には、3回目の注入
後、得られた子宮内精子に外来性DNAが検出される、
という結果が示されている。図3中、レーン1は、3回
目のリポゾーム−外来性DNA複合体を注入後4日目に
精巣から得たゲノムDNAのPCR解析の結果を示すも
ので、外来性DNA由来の264bpのサイズの期待され
るバンドの生成が認められる。レーン2は、正常マウス
尾から得たゲノムDNAのPCR解析の結果を示すもの
で、外来性DNA由来の264bpのサイズの期待される
バンドの生成は認められない。レーン3は、精製された
外来性DNA(pMT−neo/MT−β−gal)10pgのPC
R解析の結果を示すもので、外来性DNA由来の264
bpのサイズの期待されるバンドの生成が認められる。レ
ーン4、5は、3回目のDNA−リポゾーム複合体を注
入後2日目に雌と自然交配後、翌日得られた子宮内射精
精子から得たゲノムDNAのPCR解析の結果を示すも
ので、外来性DNA由来の264bpのサイズの期待され
るバンドの生成が認められる。尚、レーン4、5のサン
プルは、それぞれ異なる雄から得られたものである。図
4(a,b)には、3回目の注入後、得られた胚盤胞のβ
−gal活性に対する組織化学的解析の結果が示されてい
る。図4中、aは、3回目のDNA−リポゾーム複合体
を注入後2日目に雌と自然交配させ、得られた胚盤胞を
X-Gal存在下、反応させたもので、ほとんどの胚が染色
されている。矢印で示した胚は、不染の胚である。b
は、コントロール液を注入後2日目に雌と自然交配さ
せ、得られた胚盤胞をX-Gal存在下、反応させたもの
で、全ての胚は不染である。図4中のcは、3回目のD
NA−リポゾーム複合体を注入後2日目に雌と自然交配
させ、得られた妊娠13日目胚をX-Gal存在下、反応さ
せたもので、2匹が染色されており〔これは、Tg(トラ
ンスジェニック)と見なされる〕、1匹は不染である
〔これは、non-Tg(非トランスジェニック)と見なされ
る〕。図5には、3回目のリポゾーム−外来性DNA複
合体を注入後、得られた胚盤胞由来ゲノムDNAのPC
R解析図(プライマーは、MI499β−gal、MI500β−gal
を使用)が示されている。図5中、レーン1、2は、そ
れぞれ、3回目のDNA−リポゾーム複合体を注入後2
日目に雌と自然交配させ、得られた10個及び5個の胚
盤胞ゲノムDNAのPCR解析の結果を示すもので、外
来性DNA由来の264bpのサイズの期待されるバンド
の生成が認められる。レーン3は、正常マウスから得た
胚盤胞10個のゲノムDNAのPCR解析の結果を示すも
ので、外来性DNA由来の264bpのサイズの期待され
るバンドの生成は、認められない。以上の結果のまとめ
を以下に示す。
【0026】1) リポゾーム−外来性DNA複合体の精
巣への注入及び雌との自然交配後、採取された子宮内の
射精精子には、外来性DNAの存在が認められた。 2) リポゾーム−外来性DNA複合体の精巣への注入及
び雌との自然交配後、採取された受精卵由来の胚盤胞に
外来性DNAが検出された。このことから、精子を介し
て精巣に導入された外来性DNAが卵側に伝達されたこ
とが考えられる。 3) 胚盤胞における外来性DNAの存在は、β−gal活
性を指標とした組織化学的解析によっても証明された。
即ち、リポゾーム−外来性DNA複合体の精巣への注入
回数が増すにつれ、β−gal活性を示す胚盤胞の割合が
高まることが判明した。
【0027】実施例3 成熟雄マウス精巣へのリポゾーム−外来性DNA複合体
の注入及び注入後の雄動物から交配によって得られた胎
児(F0)における外来性DNAの検出 精巣へのリポゾーム−外来性DNA複合体の注入によっ
て、精巣内精子が形質転換を受け、これらによって受精
した受精卵由来の胎児(妊娠13日目)にも外来性DN
Aが存在するかどうかの試験を試みた。
【0028】先ず、リポゾーム−外来性DNA複合体、
または、コントロールとしての溶液を3回繰り返し注入
を受けたICR雄マウスと発情期ICR雌(8〜10週
齢、性腺刺激ホルモンにより、発情期を誘発)とを交配
させた。妊娠中期に相当する妊娠13日目に、発生した
胎児を子宮から摘出し、その尾からゲノムDNAを単離
した。ゲノムDNAは、実施例2に記載される方法にて
PCR解析を行った。その結果は、表2及び図6に示さ
れる。図6中、レーン1、2、4、6、8は、外来性D
NA由来の264bpのサイズの期待されるバンドの生成
が認められず、非トランスジェニックと見なされる。レ
ーン3、5、7、9、10は、外来性DNA由来の26
4bpのサイズの期待されるバンドの生成が認められ、ト
ランスジェニックと見なされる。レーンCは、正常マウ
ス尾から得たゲノムDNAのPCR解析の結果を示すも
ので、外来性DNA由来の264bpのサイズの期待され
るバンドの生成は、認められない。結果をまとめると、
以下のようになる。
【0029】1) ゲノムDNAのPCR解析の結果、実
験群では、調べた胎児14匹中、4匹(28.6%)に外
来性DNAの存在が確認された。この結果は、neo遺伝
子を認識するプライマーセットを用いたPCR解析の場
合でも同様であった。 2) 実験群では、調べた胎児53匹中、18匹(34.0
%)にβ−gal活性を示す胎児が確認された。 3) 対照群では、調べた胎児10匹中全てにおいて、外
来性DNAは存在していなかった。また、調べた胎児2
1匹中全てにおいて、β−gal活性を示す胎児は見られ
なかった。 以上から、本法によって外来性DNAを保有するトラン
スジェニック胎児が得られることが明らかとなった。
【0030】実施例4 成熟雄マウス精巣へのリポゾーム−外来性DNA複合体
の注入及び注入後の精巣から交配によって得られたトラ
ンスジェニック個体(F0)からの次世代(F1)への外
来性DNAの伝達 精巣へのリポゾーム−外来性DNA複合体の注入によっ
て、精巣内精子が形質転換を受け、これら精子が雌との
交配によって、精巣から放出された結果、これら精子と
受精した受精卵由来の個体にも外来性DNAが存在し、
且つ、その外来性DNAを持つ個体が、その子孫へ外来
性DNAを伝達し得るかどうかの試験を試みた。
【0031】先ず、リポゾーム−外来性DNA複合体、
または、コントロールとしての溶液を3回繰り返し注入
を受けたICR雄マウスと発情期ICR雌マウス(8〜
10週齢、性腺刺激ホルモンにより、発情期を誘発)と
を最終注入後2日目に交配させた。出産後、得られたマ
ウス(F0)は生後4週目にその尾の一部を採取し、P
CR法によるDNA解析、または、サザンブロッティン
グ解析を行なった。尾からのゲノムDNAの単離及びP
CRによるDNA解析等の方法は、実施例2に記載され
る方法に従った。サザンブロッティング解析は、基本的
に佐藤らの方法(Mol Reprod Develop 34, 349-356, 19
93)に準じた。即ち、10μgのゲノムDNAをEcoRI
及びBamHI制限酵素を用い消化後これを0.8%アガロ
ースゲルにて展開した後、ゲル内のDNAをナイロン膜
フィルター(Gene Screen PlusTM;NEN社, 米国)へア
ルカリ条件下、転写させた。このナイロン膜フィルター
は、次いで、放射性アイソトープである32Pで標識され
たプローブ(β−gal遺伝子、または、neo遺伝子の一部
のDNA断片)を用いたサザンハイブリダイゼーション
(Southern hybridization)に付された。サザンハイブ
リダイゼーション後、フィルターは、0.1 X SSC/0.
01%SDSにて1回、56℃、30分間洗浄に付され
た後、コダック社XAR-5フィルムに感光された。その結
果は、表2に示される。実験群では、調べた出産個体、
即ち、F0個体47匹中、25匹(53.2%)に外来
性DNAの存在が確認された。このことは、精巣へ注入
された外来性DNAが精子を介し、出産後の個体まで伝
達されたことを物語る。
【0032】次に、これらF0トランスジェニック動物
から得られた次世代子孫(F1)において、外来性DNA
が検出されるかどうかを検討した。F1マウスの尾の一
部から実施例2に示される方法にてそのゲノムDNAを
抽出した。このゲノムDNAは、実施例2及び実施例4
に示される方法にてPCR解析、または、サザンブロッ
ティング解析に付された。その結果の一部は、図7に示
される。図7中、F0、F1とも生後4週目の尾のゲノ
ムDNAをPCR法による解析を行い、外来性DNAを
持つ個体を調べた。F0子孫のDNA解析の結果では、
F0子孫の約40%が、トランスジェニックであること
が判明した。また、F1子孫のDNA解析の結果では、
F1子孫の約38%が、トランスジェニックであること
が判明した。この割合は、まさに、メンデル方式で外来
性DNAが子孫に伝達されたことを物語るもので、従来
の方法(顕微注入法)で得られたトランスジェニック個
体の外来性遺伝子の伝達様式と全く同じである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の方法により、従来の煩雑な顕微
注入法と比較して簡便に且つ効率的にトランスジェニッ
ク動物を作成するものである。さらに、この方法を用い
て、小型動物のみならず、大型の動物、たとえば牛等の
トランスジェニック動物の効率的生産へ応用できる。
【0036】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 起源:なし 生物名:なし 株名:なし 配列の特徴:β−gal遺伝子の4035から4055番
目のヌクレオチドを認識するプライマー、MI499β−gal
と名付けた。 配列: GACCGCTGGG ATCTGCCATT G
【0037】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 起源:なし 生物名:なし 株名:なし 配列の特徴:β−gal遺伝子の4278から4298番
目のヌクレオチドを認識するプライマー、MI500β−gal
と名付けた。 配列: TACTGACGGG CTCCAGGAGT C
【0038】配列番号:3 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 起源:なし 生物名:なし 株名:なし 配列の特徴:neo遺伝子の1752から1767番目の
ヌクレオチドを認識するプライマー、MI1511 neoと名付
けた。 配列: TCGTGGCTGG CCACGACGGG CGTTCC
【0039】配列番号:4 配列の長さ:16 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 起源:なし 生物名:なし 株名:なし 配列の特徴:neo遺伝子の1846から1861番目の
ヌクレオチドを認識するプライマー、MI1512 neoと名付
けた。 配列: GACAGGAGAT CCTGCC
【図面の簡単な説明】
【図1】導入DNA用プラスミドpMT−neo/MT−β−ga
lのプラスミドマップを表した図である。マウスメタロ
チオネイン−Iプロモーター(MT)のDNA配列、ネオ
マイシン耐性遺伝子(neo)をコードするDNA配列およ
び繰り返されたマウスメタロチオネイン−Iプロモータ
ーのDNA配列の下流にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子
(β−gal)をコードするDNA配列を有する。 図中の記号の説明:H, Hind III制限酵素部位;E, Ec
oRI制限酵素部位;K, KpnI制限酵素部位;Xh, XhoI
制限酵素部位;B, BamHI制限酵素部位;Xb,XbaI制限
酵素部位;S, SalI制限酵素部位;P, PstI制限酵素
部位;B II, Bgl II制限酵素部位;Sm, SmaI制限酵素
部位;ATG, 蛋白翻訳開始部位;SV pA,SV40ポリ付加シ
グナル部位;N, NotI制限酵素部位;CmR, クロラムフ
ェニコール耐性遺伝子;ori, 複製開始点を示す。
【図2】リポゾーム−外来性DNA複合体を成熟ICR
雄マウスの両方の精巣へ向けて直接注入する操作の模式
図である。
【図3】3回目のリポゾーム−外来性DNA複合体を注
入後、得られた子宮内射精精子由来ゲノムDNAのPC
R解析の写真(プライマーは、MI499β−gal、MI500β
−galを使用)である。mは、分子量マーカーを示す。
【図4】図(a)および(b)は3回目のリポゾーム−外来
性DNA複合体を注入後、得られた胚盤胞の顕微鏡写真
であり、図(c)は妊娠13日目胚の写真である。(a)に
おける矢印はβ−gal酵素活性を示さない胚盤胞、(c)
におけるTgは外来性DNAを有し、β−gal酵素活性
を示す胚、そしてNon−Tgはβ−gal酵素活性を示
さない非トランスジェニック胚である。
【図5】3回目のリポゾーム−外来性DNA複合体を注
入後、得られた胚盤胞由来ゲノムDNAのPCR解析の
写真(プライマーは、MI499β−gal、MI500β−galを使
用)である。mは、分子量マーカーを示す。
【図6】3回目のリポゾーム−外来性DNA複合体を注
入後、得られた妊娠13日目の胎児の尾由来ゲノムDN
AのPCR解析の写真(プライマーは、MI499β−gal、
MI500β−galを使用)である。Mは、分子量マーカーを
示す。
【図7】精巣へ外来性DNAの注入を受けた雄No.7由
来の子孫の系図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非ヒト成熟脊椎動物雄の精巣へ外来性D
    NAを注入し、該雄の精巣で産生された精子により受精
    させることを特徴とするトランスジェニック非ヒト脊椎
    動物の作成方法。
  2. 【請求項2】 非ヒト成熟脊椎動物雄の精巣へ外来性D
    NAを注入し、該雄を雌と自然交配に付することを特徴
    とするトランスジェニック非ヒト脊椎動物の作成方法。
  3. 【請求項3】 非ヒト成熟脊椎動物雄の精巣へ外来性D
    NAを注入し、該雄の精巣で産生された精子を用いて人
    工受精または体外受精により受精させることを特徴とす
    るトランスジェニック非ヒト脊椎動物の作成方法。
  4. 【請求項4】 外来性DNAを、DNA導入用試薬と混
    ぜ複合体を形成した後注入することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかの項の方法。
  5. 【請求項5】 DNA導入用試薬が、リポゾームである
    ことを特徴とする請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 注入が3回以上反復して行われることを
    特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項の方法。
  7. 【請求項7】 成熟脊椎動物がマウスであることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかの項の方法。
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