JPH10300741A - 糖化ヘモグロビンの測定方法 - Google Patents

糖化ヘモグロビンの測定方法

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JPH10300741A
JPH10300741A JP10488397A JP10488397A JPH10300741A JP H10300741 A JPH10300741 A JP H10300741A JP 10488397 A JP10488397 A JP 10488397A JP 10488397 A JP10488397 A JP 10488397A JP H10300741 A JPH10300741 A JP H10300741A
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JP
Japan
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peak
chromatogram
hemoglobin
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hba0
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JP10488397A
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English (en)
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Kazuyuki Oishi
和之 大石
Kazuhiko Shimada
一彦 嶋田
Norihito Horii
則人 堀井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘモグロビンA1cピークを従来と同様にシ
ャープに表示するとともに、ヘモグロビンA0およびそ
の近辺のピークの形状も表示できる糖化ヘモグロビンの
測定方法を提供する。 【解決手段】 液体クロマトグラフィーによる糖化ヘモ
グロビンの測定方法であって、液体クロマトグラフィー
操作により得られるクロマトグラムの表示に際して、全
てのピークの頂点が一つのクロマトグラム内に納まるよ
うに、液体クロマトグラフィー操作中に表示レンジを切
り替えることを特徴とする糖化ヘモグロビンの測定方
法。表示レンジを切り替える時期の例としては、ヘモグ
ロビンA1cピークとヘモグロビンA0ピークの間で行
われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィーによる糖化ヘモグロビンの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】糖化ヘモグロビンとは血液中の糖がその
濃度に比例して赤血球に入った後に、ヘモグロビンと結
合して生成したものであり、溶血血液試料中の糖化ヘモ
グロビンと非糖化ヘモグロビンの合計に対する糖化ヘモ
グロビンの割合(%)(以下、糖化ヘモグロビン値とい
う)は、過去1〜2カ月間の血液中の平均的な糖濃度を
反映すると言われている。そして血糖値や尿糖値に比べ
生理的要因に左右されにくいので、血液中の糖化ヘモグ
ロビン値は、糖尿病の診断の指標とされ、特に、糖化ヘ
モグロビンのうち、糖化ヘモグロビンA1c(以下、H
bA1cという)分画を用いたHbA1c値〔糖化ヘモ
グロビンと非糖化ヘモグロビンの合計に対するHbA1
cの割合(%)〕が、糖尿病の診断の最適な指標として
広く使用されている。
【0003】血液中の糖化ヘモグロビン値の測定は、主
にカチオン交換液体クロマトグラフィー法により行われ
ている(特公平8−7198号公報参照)。図1は、血
液試料をカチオン交換液体クロマトグラフィーにより測
定して得られた典型的なクロマトグラムである。ピーク
11はヘモグロビンA1a(以下、HbA1aという)
およびヘモグロビンA1b(以下、HbA1bとい
う)、ピーク12はヘモグロビンF(以下、HbFとい
う)、ピーク13はHbA1cおよびピーク14はヘモ
グロビンA0(以下、HbA0という)である。これら
のピークのうち、HbA1a、HbA1b、HbFおよ
びHbA1cは糖化ヘモグロビンであり、HbA0は非
糖化ヘモグロビンである。
【0004】血液中のHbA1c値は、上記のクロマト
グラムにおける全ヘモグロビンピーク(糖化ヘモグロビ
ンピーク+非糖化ヘモグロビンピーク)面積に対するH
bA1cピーク面積の割合(%)として表される。血液
中のHbA1c値測定装置は従来より市販されており、
市販のHbA1c値測定装置においては、測定結果を表
わすに際して、一般に、HbA1c値の他にクロマトグ
ラムも表示されるようにされている。クロマトグラムも
表示する理由は、HbA1c以外の情報、例えば、Hb
A1a、HbA1bおよびHbF等の情報や異常なヘモ
グロビンの情報を提供するためと、クロマトグラフ装置
の管理に影響する重要な情報を提供するためである。
【0005】また、液体クロマトグラフィーによる血液
中の糖化ヘモグロビン値測定において、非糖化ヘモグロ
ビンはHbA0ピークとして表されるが、このピークは
全ヘモグロビンピークの大部分を占め、健常人において
は全ヘモグロビンピークの約90%となる。従って、ク
ロマトグラム上ではHbA0ピーク面積は、HbA1c
ピーク面積の10倍以上の巨大なピークとなる。
【0006】ところで、HbA1c測定は、測定時間の
短縮化が進み、1検体あたり数分間で測定が可能となっ
ている。測定時間の短縮のためには、HbA0の巨大な
ピークをより短時間で溶出させる必要があるため、Hb
A0の溶出にはHbA1cを溶出させる溶離液よりも溶
出力の大きい溶離液を使用して一気に溶出させる方法が
用いられており、そのためクロマトグラムにおいてはH
bA0ピークのピーク高さは高くなっている。
【0007】糖化ヘモグロビン値測定の液体クロマトグ
ラフィーにおいて、測定結果のクロマトグラムの表示で
は、通常、HbA0より先に溶出する各ピークの中で最
大のピーク(健常人ではHbA1c)の頂点が納まるよ
うに、表示レンジが調節されている。このため、HbA
1cピークよりも遙に大きいHbA0ピークは、クロマ
トグラム上では、ピークの頂点は振り切れており、ピー
クの下部のみが表示されている(図1参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、糖尿病
診断のための血液中のHbA1c測定において、HbA
0ピーク測定の意義は、第一義的にはHbA1c値算出
のために必要な全ヘモグロビンピーク(糖化ヘモグロビ
ンピーク+非糖化ヘモグロビンピーク)面積を算出する
ためである。
【0009】しかし、HbA0ピークの役割は、これに
とどまらず、特にHbA0ピークが異常を示す場合は、
以下のことが考えられ、そのピーク形状の認識は重要な
意味をもっている。 HbA0ピークの溶出する位置には、被験者によって
は異常ヘモグロビンが溶出する場合がある。上記異常ヘ
モグロビンは、重大な疾病の存在を示唆することがあ
る。 HbA0ピークの形状が装置上のトラブル等を示唆す
る兆候を示す場合がある。
【0010】従来のクロマトグラムの表示方法において
は、前述のようにHbA0ピーク形状の表示はできなか
った(なお、このことは、クロマトグラムにHbA0ピ
ーク形状をピークの頂点まで表示できないという意味で
あり、従来の測定方法でもHbA0ピークのピーク面積
は正確に測定されていた)。本発明の目的は、HbA1
cピークを従来と同様にシャープに表示するとともに、
HbA0およびその近辺のピークの形状も表示できる糖
化ヘモグロビンの測定方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の糖化ヘモグロビ
ンの測定方法は、液体クロマトグラフィーによる糖化ヘ
モグロビンの測定方法であって、液体クロマトグラフィ
ー操作により得られるクロマトグラムの表示に際して、
全てのピークの頂点が一つのクロマトグラム内に納まる
ように、液体クロマトグラフィー操作中に表示レンジを
切り替えることを特徴とする。
【0012】本発明の方法において用いられる液体クロ
マトグラフのシステムの一例を図2に示した。溶離液1
aおよび1bが溶離液切り替えバルブ2aおよび2bに
よりどちらかに切り替えられて、送液ポンプ3により試
料導入装置4を経由して、カラム恒温槽5中に納められ
た、充填剤入り分離カラム6に入り、この分離カラム6
により試料中の各成分が分離される。分離された各成分
は検出器7によって、例えば、吸光度を測定する等によ
って検出され、検出された各ピークはコントローラ9内
においてデータ処理され、ピーク面積などが計算され
る。計算結果およびクロマトグラムは、プリンタ8によ
りプリントアウトされる。また、コントローラ9は図2
において破線で示したように、検出器7およびプリンタ
8に接続するだけでなく、溶離液切り替えバルブ2aお
よび2b、送液ポンプ3、試料導入装置4およびカラム
恒温槽5に接続されて、それぞれの装置の動作も制御し
ている。
【0013】本発明の方法において用いられる充填剤と
しては、公知のカチオン交換充填剤が用いられる。例え
ば、基材となる粒子に、カルボキシル基、スルホン酸基
などのカチオン交換能を有する官能基が導入された充填
剤が挙げられる。上記基材としては、ポリマー系基材
(例えば、ポリスチレン、ポリアクリレート等の合成高
分子微粒子;ポリアミノ酸、多糖類等の天然高分子微粒
子など)、無機系基材(例えば、シリカ粒子など)など
が挙げられる。上記官能基を導入する方法としては、例
えば、上記の官能基を有するモノマーを材料として重合
する;基材となる粒子を調製した後、官能基を有する低
分子化合物を化学反応によって結合させるなどの方法が
挙げられる。充填剤の平均粒径としては、1〜20μm
が好ましい。
【0014】本発明の方法において用いられる溶離液
は、一般のカチオン交換液体クロマトグラフィー用の緩
衝液などが用いられる。例えば、リン酸、塩酸、酢酸、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機酸や無機
塩基またはその塩;クエン酸、フタル酸などの有機酸ま
たはその塩など;これらの混合物が挙げられる。また、
複数の溶離液を切り替えて用いて測定時間の短縮化を図
ることも可能である。
【0015】本発明の方法によって測定される試料は、
溶血された血液であり、例えば、血液抗凝固剤(例え
ば、フッ化ナトリウムなど)が収容された採血管により
採血された全血血液を、溶血剤(トリトンX−100な
どの界面活性剤を含む緩衝液など)で50〜300倍程
度に溶血・希釈したものが挙げられる。測定試料の液体
クロマトグラフへの注入量は10〜300μl程度が適
当である。
【0016】図3は、本発明の方法を用いて、試料とし
て健常人血液を測定した場合のクロマトグラムである。
図3において、ピーク11はHbA1aおよびHbA1
b、ピーク12はHbF、ピーク13はHbA1cおよ
びピーク14はHbA0である。このクロマトグラム
は、ピーク14のHbA0の溶出直前で表示レンジを切
り替えHbA0のピークの頂点がクロマトグラムのフル
スケールに入るように調整することにより得られたもの
である。
【0017】本発明の方法は、具体的には、例えば、以
下のような作業により行う。 まず、ピーク13(HbA1c)およびピーク14
(HbA0)の間の谷15を検出する。 次に、谷15以前に溶出した各ピークの頂点の高さを
検出し、最大のピークを検出する。 上記の最大のピークがおさまるように、谷15以前の
フルスケールを決定する。 次に、谷15より後に溶出した各ピーク(例えば、通
常は、HbA0ピークのみであるが、異常ヘモグロビン
が存在する場合は複数のピークがある)の頂点の高さを
検出し、最大のピークを検出する。 上記の最大のピークがおさまるように、谷15より後
のフルスケールを決定し、表示レンジを切り替える。こ
れにより、谷15より後のクロマトグラムが縮小され
る。
【0018】上記の〜までの作業は、これらの作業
をプログラムしたコンピュータを用いたデータ処理によ
り、自動的に行うことができる。
【0019】また、予め谷15の出現する時間が分かっ
ていれば、予め表示レンジ切り替えを行う時間を設定し
ておくことも可能である。
【0020】また、表示レンジの切り替えはマニュアル
操作により行われてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を詳細に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0022】実施例1 液体クロマトグラフシステムとして図2のシステムとし
た。送液ポンプ3としては、島津製作所社製、LC−9
Aとし、試料導入装置4としては、積水化学工業社製、
ASU−420とし、カラム6としては、カチオン交換
充填剤入りカラムである、積水化学工業社製、Micr
onex A1c HS−II(φ6×75mm)とし、
検出器7としては、島津製作所社製、SPD−6AVと
し、コントローラ9内のデータ処理装置としては、島津
製作所社製、クロマトパックC−R16Aとした。
【0023】液体クロマトグラフィーの測定条件は、以
下のようにした。 溶離液:溶離液A(100mMリン酸緩衝液:pH6)
と溶離液B(300mMリン酸緩衝液:pH7)とし、
測定開始(測定試料の液体クロマトグラフへの注入終了
時)より0〜3分まで溶離液A100%を流し、3〜6
分まで溶離液B100%を流し、6〜10分まで溶離液
A100%を流した。流速は1.5ml/分とし、検出
は波長415nmの吸光度を測定することにより行っ
た。測定試料としては、Bio−Rad社製、Lyph
ocheck HemoglobinA2 Contr
lを、溶血液(0.1重量%濃度でTriton−X1
00を含むリン酸緩衝液:pH7)で100倍に希釈し
たものを用いた。
【0024】表示レンジの切り替えは時間設定により行
った。すなわち、測定開始(測定試料の液体クロマトグ
ラフへの注入終了時)から5分後にレンジを1/5に縮
小した。得られたクロマトグラムを図4に示した。図4
において、ピーク11はHbA1aおよびHbA1b、
ピーク12はHbF、ピーク13はHbA1c、ピーク
16はHbA0およびヘモグロビンA2、ピーク17は
ヘモグロビンSおよびヘモグロビンCをそれぞれ表す。
図4から分かるように、表示レンジが切り替えられたこ
とにより、HbA0ピークの形状が表示されるととも
に、異常ヘモグロビンであるヘモグロビンA2、ヘモグ
ロビンSおよびヘモグロビンCの形状が表示された。
【0025】比較例1 実施例1における、表示レンジの切り替えを行わなかっ
たことの他は、実施例1と同様に操作した。得られたク
ロマトグラムを図5に示した。図5において、ピーク1
1はHbA1aおよびHbA1b、ピーク12はHb
F、ピーク13はHbA1c、ピーク18はHbA0、
ヘモグロビンA2、ヘモグロビンSおよびヘモグロビン
Cからなる未分離のピークである。図5より表示レンジ
が切り替えられないと、HbA0近辺のピークの分離状
態が確認できないことが分かる。
【0026】
【発明の効果】本発明の糖化ヘモグロビンの測定方法の
構成は、上記の通りであり、この方法を用いると、Hb
A1cピークを従来と同様にシャープに表示するととも
に、HbA0およびその近辺のピークの形状も表示でき
る糖化ヘモグロビンの測定方法を提供する。従って、本
発明で得られたクロマトグラムより、糖尿病の診断が可
能であるとともに、異常ヘモグロビンの関連する疾病の
診断等が容易となる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の糖化ヘモグロビンの測定方法で得られた
クロマトグラムである。
【図2】本発明で用いられる液体クロマトグラフのシス
テムの一例を示す説明図である。
【図3】本発明の糖化ヘモグロビンの測定方法で得られ
たクロマトグラムである。
【図4】実施例1で得られたクロマトグラムである。
【図5】比較例1で得られたクロマトグラムである。
【符号の説明】
1a、1b 溶離液 2a、2b 溶離液切り替えバルブ 3 送液ポンプ 4 試料導入装置 5 カラム恒温槽 6 分離カラム 7 検出器 8 プリンタ 9 コントローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体クロマトグラフィーによる糖化ヘモ
    グロビンの測定方法であって、液体クロマトグラフィー
    操作により得られるクロマトグラムの表示に際して、全
    てのピークの頂点が一つのクロマトグラム内に納まるよ
    うに、液体クロマトグラフィー操作中に表示レンジを切
    り替えることを特徴とする糖化ヘモグロビンの測定方
    法。
JP10488397A 1997-04-22 1997-04-22 糖化ヘモグロビンの測定方法 Pending JPH10300741A (ja)

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Cited By (4)

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