JPH10300399A - 銃 弾 - Google Patents

銃 弾

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JPH10300399A
JPH10300399A JP10897597A JP10897597A JPH10300399A JP H10300399 A JPH10300399 A JP H10300399A JP 10897597 A JP10897597 A JP 10897597A JP 10897597 A JP10897597 A JP 10897597A JP H10300399 A JPH10300399 A JP H10300399A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在使用している銃に装填可能な外観形状
(小火器の場合は薬莢との嵌合状態時の形状)を維持し
つつ、弾道性能を向上させた銃弾を提供する。 【解決手段】 銃弾1の後部12を銃弾前部11と連続、ま
たは、銃弾前部の径よりも所定長さ小径の半球面状に形
成し、空気中を整流させながら飛翔させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピストルやライ
フル銃、またはガス銃、空気銃に使用される銃弾に関す
るものであり、さらに詳しくは銃弾形状の改良に関す
る。
【0002】
【背景技術】ピストルやライフル銃などの小火器に使用
される銃弾3aは、図5に示すように銃弾後部32が平面状
を呈した円錐状に形成されている。また、ガス銃、空気
銃に使用される一般的な銃弾3bは、図6に示すように開
口部 31bが開口された銃弾後部32と銃弾前部31とが平行
状を呈し、その中途部の外周には環状の溝部 31aが形成
されている共にその溝部 31aと銃弾後部32とをくびれ状
に連絡した円柱状に形成されている。
【0003】ところで飛翔している銃弾には、大別して
銃弾の表面付近における空気の剪断流れに基づく力、す
なわち摩擦抗力と、上流側に面した銃弾表面に作用する
圧力と下流側に面した銃弾表面に作用する圧力との差に
基づく力、すなわち圧力抗力(又は形状抗力ともいう)
とが作用しており、弾道距離及び飛翔している銃弾の安
定性に影響を与えている。このうち後者の圧力抗力は、
上記したように上流側と下流側との圧力差に比例してい
るもので、換言すれば、境界層の剥離点によって決定さ
れる後流の幅が狭いほどその抗力は小さいと言え、物体
(銃弾)の形状によって支配されている。
【0004】このことを上記した前者の銃弾3aに当ては
めてみると、図5に示したように銃弾後部32が平面状を
呈しているため、銃弾前部31から整流された空気は銃弾
後部32の周縁部より内側に少しまわりこんだ位置から剥
離して、銃弾後部32の下流側には銃弾径にほぼ近い幅で
もって後流33が形成される。すなわち、飛翔中の銃弾3a
には、この銃弾径にほぼ近い幅でもって形成された後流
33に基づいた圧力抗力が作用し、弾速の低下と飛行弾道
のばらつきを生じさせている原因になっている。したが
って、仮に、銃弾後部を銃弾前部とほぼ対称形にして銃
弾を流線形状に形成すれば、後流の幅が極端に狭まり圧
力抗力が極端に減少して、銃弾が安定して飛翔するとと
もに弾道距離の向上が期待できることになる。
【0005】なお、発射された銃弾は高速で飛翔してい
るため上記した境界層は乱流境界層であり、この乱流境
界層はカルマン渦列が認められる層流境界層より剥離し
にくいといった物理的特性を有しているため、上記した
ように渦を発生せずに銃弾後部の周縁部より内側にまわ
りこんでから剥離する。因みに同一形状の物体において
は層流境界層よりも乱流境界層の後流の幅の方が狭くな
るため圧力抗力は小さい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ルやライフル銃などの小火器に使用される前者の銃弾は
銃弾を飛翔させるための炸薬量を銃弾と嵌合した状態で
薬莢内に確保する必要があり、しかも、銃弾を発射させ
る銃との関係から銃弾の形状には制限がある。すなわ
ち、上記したように流線形状の銃弾にしておけば弾道距
離が向上することは認識していても、銃弾を飛翔させる
ための炸薬量を確保するために、その流線形状は現実的
に採用できるものではない。しかも、銃弾後部は炸薬が
爆発した際に直接圧力を受ける部位であり、円錐状を呈
した従来の銃弾や、流線形状をした上記の仮想銃弾の後
部は、圧力(微小単位面積に垂直にかかる力)の向きが
散在しているため、銃弾が銃口から発射した直後に銃弾
後部が急激に塑性変形(熱応力による変形も内包してい
るもので、図5(2)において二点鎖線で図示)を生じ
やすく銃弾の直進性を低下させる虞がある。
【0007】また、ガス銃、空気銃に使用される銃弾
は、上述したように銃弾後部32と銃弾前部31とが平行状
を呈しているため、流れに対して直角におかれた平板の
ごとく大きい圧力抗力が作用しているため、著しい弾速
の低下と飛行弾道のばらつきを生じさせていた。そこで
本発明は、現在使用している銃に装填可能な外観形状
(小火器の場合は薬莢との嵌合状態時の形状)を維持し
つつ、弾道性能を向上させた銃弾を提供することを目的
したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に講じた技術的手段は、銃弾の後部を銃弾前部と連続す
る半球面状に形成したことを特徴とする。ここで連続す
る半球面状とは、銃弾後部が銃弾前部と段差のないよう
に形成されていることをいう。この上記技術的手段によ
れば、炸薬の爆発力または圧搾空気、圧搾ガスの圧力に
よって銃弾後部に付与される方線方向の圧縮応力を半径
中心一点に集中し相殺して、特に炸薬による爆発力を受
けても銃弾後部の形状を維持するとともに、任意の曲面
に作用する圧力(微小単位面積に垂直にかかる力)のX
軸方向(発射方向)の分解ベクトルが銃弾後部中心を最
大値とした正規分布状に形成され、銃弾は銃弾後部中心
が突かれたような推進力を受けて銃口から離脱する。そ
して、銃弾前部と連続した半球面状の銃弾後部が銃弾前
部から整流されてきた空気の剥離をしにくくさせて後流
の幅を狭め圧力抗力を低減させながら自由空間を飛翔す
る。また、ピストルやライフル銃などの小火器に使用さ
れる場合、銃弾前部と連続した半球面状の銃弾後部が、
薬莢と嵌合した状態時において外観形状(寸法)に変化
を来すことなく炸薬を必要量充填する空間を形成する
(請求項1)。
【0009】また、銃弾の後部を銃弾前部の径よりも所
定長さ小径の半球面状に形成したことを特徴とする。こ
こで、所定長さ小径の半球面状を呈するとは、乱流境界
層において半球面状を呈した銃弾後部上に剥離点が生じ
得る程度の小径のことをいうもので、銃弾前部と銃弾後
部とで形成される段差部における端面に剥離点が生じる
ような比率(小径)の半球面状は包含しない。この上記
技術的手段によれば、ピストルやライフル銃などの小火
器に使用される場合、銃弾前部よりも所定長さ小径の半
球面状に形成された銃弾後部が、薬莢と嵌合した状態時
において請求項1記載の銃弾よりも多くの炸薬を充填す
る間隙を形成する(請求項2)。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明をする。図1及び図2は第1の実施形態
を、図3は第2の実施形態を例示しており、図中、符号
1は銃弾である。第1の実施形態の銃弾1は、図1示す
ように緩やかな放物線で形成された円錐状を呈した銃弾
前部11とその銃弾前部11と連続した半球状を呈した銃弾
後部12とで卵状に形成されており、銃弾1は炸薬21が必
要量充填された周知形状の薬莢2に嵌合されている。
【0011】この薬莢2と嵌合状態の銃弾1は、所望す
る銃(図示せず)に装填して着火薬22が充填された薬莢
後部を封止したキャップ23を銃のハンマーで打動するこ
とにより、着火薬22が着火し炸薬21に引火、爆発するこ
とで半球状を呈した銃弾後部12の半径中心Pに向かって
圧力(ベクトルによって図示)が作用し、相殺するとと
もに、夫々のベクトルのX軸方向(図面横方向)成分同
士の総和に基づいた運動エネルギによって銃弾1が薬莢
2から離脱して銃口から発射される。
【0012】このように発射された第1の実施形態の銃
弾1の飛翔状態を図2を参照しながら説明すると、銃弾
1表面より少し離間した位置の空気(流線で図示)は、
緩やかな放物線で形成された円錐状を呈した銃弾前部11
上方に沿って流れると共に、銃弾前部11表面に流れた空
気は、半球面状を呈した銃弾後部12にまわりこんで最大
径部13(半球面状部の基端部)よりも後部側にずれた位
置を剥離点14として後流15を狭めながら流れ、圧力抗力
を低減させている。
【0013】次に第2の実施形態を説明をすると、第2
の実施形態の銃弾1’は図3示すように、緩やかな放物
線で形成された円錐状を呈した銃弾前部11’とその銃弾
前部11’の径よりも小径の半球面状を呈した銃弾後部1
2’とで中心線Xに対し軸対称に形成されている。この
銃弾後部12’は、銃弾前部11’表面から流れてきた空気
が半球面状を呈した銃弾後部12’にまわりこんで銃弾後
部12’上を剥離点14’とするような径でもって形成され
ており、第1の実施形態と同幅の後流15’を形成して圧
力抗力を低減させている。なお、周知形状の薬莢との嵌
合状態の図示と発射プロセスの説明は第1の実施の形態
と同様なため省略するが、この第2の実施形態の銃弾は
上記したように、銃弾後部12’が銃弾前部11’の径より
も小径の半球面状であるため第1の実施形態の銃弾1よ
り多くの炸薬21が充填可能である。
【0014】また、他の態様として図4(1)に示した
ように、銃弾1を、ストレート部 11aが形成され緩やか
な放物線で形成された円錐状を呈した銃弾前部11とその
銃弾前部11と連続した半球状を呈した銃弾後部12とで形
成しても任意である。なお、このストレート部 11aは銃
身内での銃弾の方向性を維持・安定させるものである
が、摩擦損失を生じさせないように必要最小限にするこ
とが好ましい。また、前記したガス銃、空気銃に使用さ
れる一般的な銃弾形状の後部を銃弾前部と連続する半球
面状に形成したり、あるいは図4(2)に示したように
銃弾後部12を銃弾前部11の径よりも所定長さ小径の半球
面状に形成しても良いもので、この場合において、銃弾
前部11と銃弾後部12とを一体成形したり、往来の銃弾の
後部に開口されている開口部を利用してその開口部に所
定径の鋼球を固着させて別部材で構成することは任意で
ある。
【0015】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したから下
記の有利な効果を奏する。請求項1によれば、銃弾の後
部を銃弾前部と連続する半球面状に形成したことで、炸
薬の爆発力または圧搾空気、圧搾ガスの圧力(微小単位
面積に垂直にかかる力)のX軸方向(発射方向)の分解
ベクトルが銃弾後部中心を最大値とした正規分布状に形
成され、銃弾は銃弾後部中心が突かれたような推進力を
受けて飛翔するから直進性を向上させることができ、し
かも、銃弾前部と連続した半球面状の銃弾後部が、銃弾
前部から整流されてきた空気の剥離をしにくくさせて後
流の幅を狭め圧力抗力を低減するから、銃弾が安定した
姿勢で飛翔するとともに弾道距離が向上する。したがっ
て、目標物への命中率を向上させることができる。しか
も、銃弾前部と連続した半球面状の銃弾後部が、薬莢と
嵌合した状態時において外観形状(寸法)に変化を来た
すことなく炸薬を必要量充填する空間を形成するから、
現在使用している銃にそのまま対応できる。さらに、銃
弾後部を耐圧に強い半球面状としたことで、炸薬による
爆発力を受けても銃弾後部の形状を維持するから、発射
された銃弾には確実に整流効果が期待できる。請求項2
によれば、ピストルやライフル銃などの小火器に使用さ
れる場合、銃弾前部よりも所定長さ小径の半球面状に形
成された銃弾後部が、薬莢と嵌合した状態時において請
求項1記載の銃弾よりも多くの炸薬を充填する間隙を形
成するから、請求項1記載の銃弾よりも多くの炸薬が充
填でき爆発力が増加して弾道距離を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬莢との嵌合状態の第1の実施形態の銃弾の正
面図
【図2】同、銃弾の飛翔状態を示す説明図
【図3】第2の実施形態の銃弾の飛翔状態を示す説明図
【図4】他の態様の銃弾を例示し、 (1)銃弾前部にストレート部が形成された銃弾の正面
図 (2)ガス銃、空気銃に使用される銃弾に適用した場合
の正面図
【図5】従来の小火器に使用される銃弾を例示し、 (1)薬莢との嵌合状態の銃弾の正面図 (2)同、飛翔状態を示す説明図
【図6】従来のガス銃、空気銃に使用される銃弾の正面
【符号の説明】
1…銃弾 11…銃弾前部 12…銃弾後部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銃弾の後部を銃弾前部と連続する半球面
    状に形成したことを特徴とする銃弾。
  2. 【請求項2】 銃弾の後部を銃弾前部の径よりも所定長
    さ小径の半球面状に形成したことを特徴とする銃弾。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100843573B1 (ko) 2008-03-13 2008-07-03 (주)한국원자력 엔지니어링 탄약
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