JPH102977A - 中性粒子入射装置 - Google Patents

中性粒子入射装置

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JPH102977A
JPH102977A JP8155179A JP15517996A JPH102977A JP H102977 A JPH102977 A JP H102977A JP 8155179 A JP8155179 A JP 8155179A JP 15517996 A JP15517996 A JP 15517996A JP H102977 A JPH102977 A JP H102977A
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Japan
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vacuum vessel
ion source
magnetic shield
neutral
particle injector
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JP8155179A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Shibata
圭一郎 柴田
Koichi Maki
紘一 真木
Michio Otsuka
道夫 大塚
Yasuo Yamashita
泰郎 山下
Takashi Inoue
多加志 井上
Yoshihiro Obara
祥裕 小原
Yoshikazu Okumura
義和 奥村
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Hitachi Ltd
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Hitachi Ltd
Japan Atomic Energy Research Institute
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】核融合炉の中性粒子入射装置において、中性粒
子入射装置室内の線量当量率を低減し、個々の部品を単
独で交換することを可能にして保守作業の費用を削減
し、保守作業の期間を短縮する。 【構成】アルミニウム合金等の低放射化材で中性化セル
103,ビームダンプ104,真空容器113,11
4,クライオポンプ106を製作し、真空容器とその外
側に設置された磁気シールド107との間にポリエチレ
ン若しくはポリエチレン化合物で構成した中性子遮蔽体
121を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核融合炉の中性粒子入
射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核融合炉において、中性粒子入射装置
は、プラズマ加熱,プラズマ電流駆動,核融合燃料供給
に使用される周辺装置の一つである。この装置は重水素
イオンを発生し、高電圧で加速した後に重水素イオンを
中性化し、磁場により閉じ込められているプラズマ中に
入射する装置である。現在、国際協力により設計が進め
られている国際熱核融合実験炉を例にとり、中性粒子入
射装置について説明する。国際熱核融合実験炉の中性粒
子入射装置については、アイ・エー・イー・エー,イー
ター カレント ドライブ アンド ヒーティング シ
ステム(1991年)第21頁から第51頁(IAEA,ITER C
URRENT DRIVE AND HEATING SYSTEM(1991)P.P.2
1−51)において詳しく論じられている。
【0003】国際熱核融合実験炉の炉心部及び中性粒子
入射装置の立面図を図2に示す。炉本体のクライオスタ
ット401内部に設置されているトロイダルコイル40
2,ポロイダルコイル403,センタソレノイドコイル
404等で発生する磁場を避け、中性粒子入射装置の充
分な設置スペースを確保するため、中性粒子入射装置の
各モジュール201は炉心部から30m以上離れた場所
にある中性粒子入射装置室202内に設置される。中性
粒子入射装置室内には保守作業のため天井クレーン20
3が設置されている。中性粒子入射装置室の外側には中
性粒子入射装置に電力を供給するため電源204が設置
されている。国際熱核融合実験炉では、プラズマ加熱に
必要な約75MWの中性粒子入射出力を得るため、三系
統の中性粒子入射系を設けており、一系統は各々三個の
モジュールから構成され、合計九個のモジュールから構
成されている。各モジュールにおいて生成された重水素
粒子はビームライン301を通過し、クライオスタット
内部の真空容器の水平ポート405からブランケット4
07で囲まれたプラズマ406に入射される。
【0004】中性粒子入射装置の1モジュールの断面図
を図3に示す。イオン源室101内で発生した重水素イ
オンはイオン源電極102で加熱され引き出された後、
中性ガスを充填した中性化セル103で荷電交換により
中性化される。一部の中性化されなかった重水素イオン
は中性化セルを出た後に、軌道を曲げられ、ビームダン
プ104に吸収される。中性粒子入射装置の真空容器1
05内には真空排気用の、クライオポンプ106が設置
されている。又、中性粒子入射装置には炉本体からの漏
洩磁場の影響を低減するため、磁気シールド107が設
置される。図3に示した例では磁気シールドは真空容器
内部に設置されているが、磁気シールドを真空容器の外
側に設置した構造も検討されている。中性化セルにおい
て中性化された重水素は出力測定用のカロリーメータ1
08,ゲートバルブ109を通過しビームダクトに導か
れる。イオン源室の付近の真空容器の外側にはイオン源
室,イオン源電極等の部品から成るイオン源部に電力,
冷却材を供給するための接合部110が設けられてい
る。又、中性化セルの付近の真空容器外側に中性化セ
ル,ビームダンプ等の部品から成るビームライン部に冷
却材を供給するための接合部111が、クライオポンプ
付近の真空容器外側にクライオポンプに冷却材を供給す
るための接合部112が設けられている。
【0005】中性粒子入射装置はプラズマを直接見込む
ため、運転中のプラズマからの中性子により放射化さ
れ、1MWa/m2 の第一壁中性子フルエンスまで運転
した後、炉停止後の中性粒子入射装置室内の線量当量率
は人間が作業できる環境よりも三桁程度高い。中性粒子
入射装置の部品のうち、真空容器,クライオポンプはア
ルミニウム合金等の低放射化材で製作することにより、
誘導放射能を低減することは容易に可能であると考えら
れる。又、ビームダンプ等のビームライン部の部品は重
水素粒子の高熱流束にさらされるが、受熱面積を広げる
ことにより、使用温度が低く制限されているアルミニウ
ム合金を適用することは可能と考えられる。一方、重水
素イオンを閉じ込めるためにイオン源室及びイオン源電
極に使用されるサマリウム−コバルト系の永久磁石及び
磁気シールドに使用されるパーマロイ,電磁軟鉄は中性
子照射を受けて放射化され、これらの部品はその性格上
アルミニウム合金等の低放射化材で置き換えることが困
難である。現設計では、炉停止後の中性粒子入射装置室
内の線量当量率を人間が作業できる環境まで低減するこ
とは困難であり、このため中性粒子入射装置の保守作業
は全て遠隔操作で実施することとしている。
【0006】国際熱核融合実験炉の中性粒子入射装置の
保守作業については、アイ・エー・イー・エー,イータ
ー アセンブリ アンド メンテナンス(1991年)
第59頁から第64頁(IAEA,ITER ASSEMBLY AND MAINT
ENANCE(1991)P.P.59−64)において論じら
れている。イオン源部の交換時には交換用のキャスクを
真空容器の底の部分に接合し、遠隔操作によりイオン源
部を交換キャスクに収納する。イオン源部はキャスクご
と放射線作業用のホットセル内に移動してホットセル内
で修理することになっている。修理を終えたイオン源部
はキャスクを用いて再び元の位置まで移動して設置され
る。一方、ビームライン部の部品を保守する場合には、
ビームライン部をビームダクトから切り離し、放射線作
業用のホットセル内に移動して、ホットセル内で修理す
ることになっている。修理を終えたビームライン部は再
び元の位置まで移動して設置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の中性粒子入射装
置の保守方法では、保守作業は全て遠隔操作で実施する
ことになっている。遠隔操作は近年急速に発達したとは
いえ、限られた作業にしか適用できず、全ての作業を遠
隔操作で実施することは数年先を考えても困難である。
イオン源部,ビームライン部の部品をそれらの部品が設
置されている真空容器から切り放したり、イオン源部,
ビームライン部の部品と電源及び冷却材循環系との接続
を切り放す作業は遠隔操作で実施できる可能性はある
が、再接続及び軸合わせ等の作業は人間による作業が必
要と考えられる。又、ホットセル内で修理を終えたイオ
ン源部,ビームライン部を元の位置に設置する際には軸
合わせ等の作業が必要となり、この作業には人間による
作業が必要である。
【0008】従来の保守方法では、イオン源部を放射化
されていない部品に交換しても、ビームライン部の部品
が放射化されているため、人間による軸合わせ作業が困
難である。人間による作業を実施するためには、保守作
業の度に、全ての放射化した部品を放射化していない部
品に取り替えて中性粒子入射装置室内の線量当量率を低
減する必要がある。このため、故障した部品のみを交換
する場合に比べて保守に要する費用が高くなる。本発明
が解決しようとする課題は、放射化した部品から放射化
していない部品への取り替えを不要にし、保守作業に要
する費用を削減することである。
【0009】従来の中性粒子入射装置の保守方法では、
ビームライン部の一つの部品が故障するたびにビームラ
イン部全体をビームダクトから切り離し、ホットセル内
に移動する必要があり、修理したビームライン部をビー
ムダクトに接続する際には軸合わせ等の作業が必要とな
る。中性粒子入射装置の稼働率を向上するためには保守
期間の短縮が必要であり、このためには、ビームライン
部をビームダクトから切り放すことなく保守作業を可能
にすることが有効である。本発明が解決しようとするも
う一つの課題は、ビームライン部の切り離し,移動,再
接続,軸合わせ等の作業を不要にし、保守に要する期間
の短縮をはかることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】中性粒子入射装置の誘導
放射能を低減するために、本発明では中性粒子入射装置
の真空容器,クライオポンプ,中性化セル,ビームダン
プ等をアルミニウム合金等の低放射化材で製作し、磁気
シールドの内側に6.6×1022cm-3 以上の水素の原子
数密度を有する低放射化材からなる中性子遮蔽体を設置
する。一方、イオン源部,ビームライン部の部品の誘導
放射能によるガンマ線を遮蔽するため、真空容器の外側
にガンマ線遮蔽体を設置する。この中性子遮蔽体及びガ
ンマ線遮蔽体は具体的にはポリエチレン若しくはポリエ
チレン化合物で実現できる。
【0011】中性粒子入射装置の真空容器を、イオン源
部を設置した真空容器と中性化セル,ビームダンプ等の
ビームライン部の部品を設置した真空容器とに分割す
る。イオン源部を設置した真空容器の開口部には炉心部
からの放射化ダストを密封するためのシャッタを、ビー
ムライン部の部品を設置した真空容器の開口部には真空
容器内の部品の放射化によるガンマ線を遮蔽するための
シャッタをそれぞれ設置し、各真空容器を分離可能な構
造とする。分離した際、各真空容器の開口部にガンマ線
を遮蔽し及び放射化ダストを密封するためのシャッタを
設ける。各真空容器とその外側に設置された磁気シール
ドとの間には中性子遮蔽体を設け、イオン源部あるいは
ビームライン部に電力,冷却材を供給するための接続部
を磁気シールドの外側に設置する。
【0012】
【作用】真空容器,クライオポンプ,中性化セル,ビー
ムダンプをアルミニウム合金等の低放射化材で製作する
ことにより、部品の誘導放射能を低減することができ
る。中性子束を低減するためには遮蔽体中の中性子の運
動エネルギを低減し、低エネルギ領域で反応断面積が増
大する吸収反応で中性子を吸収させることが有効であ
る。低エネルギ領域で中性子の運動エネルギの低減に有
効な弾性散乱では、散乱後の中性子と遮蔽体中の元素の
運動エネルギは中性子と散乱元素との質量の逆比で分配
される。このため、中性子の運動エネルギの低減には軽
い元素が有効である。又、遮蔽体は低放射化材であるこ
とが必要である。この条件を満足する元素には水素があ
り、水素を多く含む遮蔽体の候補としてポリエチレン,
水等がある。この条件を満足する遮蔽体を磁気シールド
の内側に設置することにより、磁気シールドに到達する
中性子束を低減し、磁気シールドの誘導放射能を低減す
ることができる。中性子及びガンマ線遮蔽体を設置する
ことにより磁気シールドの誘導放射能を低減し、かつイ
オン源部,ビームライン部の部品の誘導放射能によるガ
ンマ線を低減すれば、中性粒子入射装置室内の線量当量
率を人間が作業できる環境にまで低減することができ
る。
【0013】二次元放射線輸送コード及び放射化計算コ
ードにより中性粒子入射装置室内の誘導放射能及び線量
当量率を計算した際の中性粒子入射装置の二次元円柱モ
デルを図4に示す。真空容器105及びクライオポンプ
106には低放射化材であるアルミニウム合金を用い、
ヒートダンプ104,中性化セル103,イオン源電極
102には銅を用い、イオン源電極にはサマリウム−コ
バルト系の永久磁石が含まれている。真空容器と磁気シ
ールド107との間には厚さ60cmのポリエチレンから
なる中性子及びガンマ線遮蔽体121が設置されてい
る。中性粒子入射装置室内の線量当量率の径方向分布を
図5に示す。中性子及びガンマ線遮蔽体により磁気シー
ルドの誘導放射能を低減し、かつイオン源部の誘導放射
能によるガンマ線を低減しているため、磁気シールドの
外側では最も線量当量率の高い場所(図4におけるA−
A′断面)でも28μSv/hである。この値は人間に
よる作業環境の目標値の25μSv/hとほぼ同程度で
あり、中性粒子入射装置室内での人間による直接作業は
可能である。
【0014】イオン源部交換時には、イオン源部の部品
を収納する真空容器とビームライン部の部品を収納する
真空容器に設けたシャッタを閉じ、イオン源部と電源,
冷却材循環系の接合部を切断する。その後にイオン源部
を収納した真空容器をビームライン部を収納した真空容
器から分離し、ホットセルまで移動する。中性子遮蔽体
を設置することにより磁気シールドの誘導放射能を低減
すれば、上記の作業は全て人間による作業が可能であ
る。中性化セル,ビームダンプ等ビームライン部の部品
をアルミニウム合金等の低放射化材で製作することによ
り、軸合わせ等の作業は人間による作業が可能である。
このような方法を用いることにより、保守作業の度に、
全ての放射化した部品を放射化していない部品に取り替
えて中性粒子入射装置室内の線量当量率を低減する必要
がなく、個々の部品を単独で交換できるため、保守に要
する費用を低減することができる。
【0015】ビームラインの部品の交換時には上記の手
順でイオン源部を分離する。ビームライン部の真空容器
内を放射化ダスト等を除去すれば、ビームライン部には
直接人間が入って作業することができる。このような方
法を用いれば、ビームライン部全体をホットセル内に移
動して交換する方法に比べて、ビームライン部の切り離
し,移動,再接続,軸合わせ等の作業が不要になるた
め、保守に要する期間を短縮することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1を用いて説明
する。アルミニウム合金等の低放射化材で中性化セル1
03,ビームダンプ104,真空容器113,114,
クライオポンプ106を製作し、真空容器とその外側に
設置された磁気シールド107との間にポリエチレン若
しくはポリエチレン化合物で構成した中性子遮蔽体12
1を設置する。この中性子遮蔽体により、磁気シールド
の放射化は防止され、中性粒子入射装置の部品の内、放
射化が問題となるのは、永久磁石,銅製品を使用したイ
オン源室101及びイオン源電極102のみである。ビ
ームライン部の部品を真空容器113内に設置し、イオ
ン源部の部品を真空容器114内に設置する。真空容器
113の開口部には炉心部からの放射化ダストを密封す
るためのシャッタ122を、真空容器114の開口部に
は真空容器内の部品の放射化によるガンマ線を遮蔽する
ためのシャッタ123をそれぞれ設置し、真空容器11
3と真空容器114は分離可能な構造とする。中性粒子
入射装置の運転中はこのシャッタを真空容器に設けられ
た収納部に収納し、イオン源部から引き出された重水素
イオンがビームライン部を通過できるようにする。イオ
ン源部交換時には、シャッタ122とシャッタ123と
を閉じ、イオン源部と電源,冷却材循環系の接続部11
0を磁気シールドの外側で切断する。その後にイオン源
部を収納した真空容器をビームライン部を収納した真空
容器から分離し、ホットセルまで移動する。上記の作業
は全て人間による作業が可能である。ビームライン部の
部品に低放射化材を用いれば、イオン源部を交換した後
ビームライン部と結合する際、ビームライン部の放射化
量は少ないので軸合わせ等の作業は人間による作業が可
能である。ビームラインの部品の交換時には上記の手順
でイオン源部を分離する。ビームライン部の真空容器内
における炉心部からの放射化ダスト等を除去すれば、ビ
ームライン部には直接人間が入って作業することができ
る。このような方法を用いることにより、保守作業の度
に、全ての放射化した部品を放射化していない部品に取
り替えて中性粒子入射装置室内の線量当量率を低減する
必要がなく、個々の部品を単独で交換できるため、保守
に要する費用を低減することができる。又、このような
方法を用いれば、ビームライン部全体をホットセル内に
移動して交換する方法に比べて、ビームライン部の切り
離し,移動,再接続,軸合わせ等の作業が不要になるた
め、保守に要する期間を短縮することができる。
【0017】図6に本発明の他の実施例を示す。図1に
示した実施例と同様にアルミニウム合金等の低放射化材
で中性化セル103,ビームダンプ104,真空容器1
05,クライオポンプ106を製作し、真空容器とその
外側に設置された磁気シールド107との間にポリエチ
レン若しくはポリエチレン化合物で構成した中性子遮蔽
体121を設置する。中性子遮蔽体の効果は図1で示し
た効果と同じである。本実施例では、イオン源部をビー
ムライン部の近接した位置に設置して、イオンビームの
広がりによる損失を低減するため、イオン源部とビーム
ライン部を同一の真空容器105内に設置している。中
性粒子入射装置のビーム出口と反対側の真空容器の底の
部分には真空容器内部を密閉するためのシャッタ124
を設置する。シャッタには真空容器内に磁場が漏洩しな
いように、磁気シールドを設置する必要が有り、磁気シ
ールドの誘導放射能を低減するため、真空容器の他の部
分と同様にシャッタと磁気シールドとの間にポリエチレ
ン若しくはポリエチレン化合物で構成した中性子遮蔽体
を設置する。保守時には、遠隔操作により交換用のキャ
スク125を真空容器の底の部分に接合し、イオン源部
をキャスク内に収納する。イオン源部を中性粒子入射装
置本体から切り離しキャスク内に収納するためにキャス
ク内には移動用のレール126、及び作業用のマニピュ
レータ127が設置されている。イオン源部を切り放す
際には遠隔操作が必要となるが、切り離し作業は溶接を
伴う接合作業,軸合わせ作業と異なり遠隔操作で実施可
能と考えられる。マニピュレータにより電源,冷却材循
環系との接続を切断されたイオン源部は、レール上を移
動してキャスクに収納される。放射化されたイオン源部
からのガンマ線を遮蔽するため、交換用のキャスクには
シャッタ123が設置されており、シャッタを閉めた後
にキャスクはホットセルまで移動される。交換したイオ
ン源部を中性粒子入射装置に設置する際には、このイオ
ン源部はまだ放射化されていないため、中性粒子入射装
置に人間が近接し、イオン源部の接合及び軸合わせ作業
をすることが可能である。ビームライン部の部品を交換
する際には、まず上記の方法でイオン源部を取り除け
ば、中性粒子入射装置に人間が近接して部品の交換作業
を行うことができる。このような方法を用いることによ
り、保守作業の度に、全ての放射化した部品を放射化し
ていない舞品に取り替えて中性粒子入射装置室内の線量
当量率を低減する必要がなく、個々の部品を単独で交換
できるため、保守に要する費用を低減することができ
る。又、このような方法を用いれば、ビームライン部全
体をホットセル内に移動して交換する方法に比べて、ビ
ームライン部の切り離し,移動,再接続,軸合わせ等の
作業が不要になるため、保守に要する期間を短縮するこ
とができる。本実施例では、イオン源部をビームライン
部の近接した位置に設置して、イオンビームの広がりに
よる損失を低減し、中性粒子入射装置の入射効率を向上
することができる。
【0018】図7に本発明の他の実施例を示す。アルミ
ニウム合金等の低放射化材で中性化セル103,ビーム
ダンプ104,真空容器113,114,クライオポン
プ106を製作し、真空容器の内部にポリエチレン若し
くはポリエチレン化合物で構成した中性子遮蔽体121
を設置する。この中性子遮蔽体により、磁気シールドの
放射化は防止され、中性粒子入射装置の部品の内、放射
化が問題となるのは、永久磁石,銅製品を使用したイオ
ン源室101及びイオン源電極102のみである。ビー
ムライン部の部品を真空容器113内に設置し、イオン
源部の部品を真空容器114内に設置する。真空容器1
13の開口部には炉心部からの放射化ダストを密封する
ためのシャッタ122を、真空容器114の開口部には
真空容器内の部品の放射化によるガンマ線を遮蔽するた
めのシャッタ123をそれぞれ設置し、真空容器113
と真空容器114は分離可能な構造とする。中性粒子入
射装置の運転中はこのシャッタを真空容器に設けられた
収納部に収納し、イオン源部から引き出された重水素イ
オンがビームライン部を通過できるようにする。イオン
源部交換時には、シャッタ122とシャッタ123とを
閉じ、イオン源部と電源,冷却材循環系の接続部110
を磁気シールドの外側で切断する。その後にイオン源部
を収納した真空容器をビームライン部を収納した真空容
器から分離し、ホットセルまで移動する。上記の作業は
全て人間による作業が可能である。イオン源部を交換し
た後ビームライン部と結合する際、ビームライン部の部
品は放射化されていないので軸合わせ等の作業は人間に
よる作業が可能である。ビームラインの部品の交換時に
は上記の手順でイオン源部を分離する。ビームライン部
の真空容器内における炉心部からの放射化ダスト等を除
去すれば、ビームライン部には直接人間が入って作業す
ることができる。このような方法を用いることにより、
保守作業の度に、全ての放射化した部品を放射化してい
ない部品に取り替えて中性粒子入射装置室内の線量当量
率を低減する必要がなく、個々の部品を単独で交換でき
るため、保守に要する費用を低減することができる。
又、このような方法を用いれば、ビームライン部全体を
ホットセル内に移動して交換する方法に比べて、ビーム
ライン部の切り離し,移動,再接続,軸合わせ等の作業
が不要になるため、保守に要する期間を短縮することが
できる。本実施例では中性子遮蔽体と真空容器とを一体
で構成することにより、真空容器を磁気シールドの設置
の際の支えに使用できるため磁気シールドの設置が容易
となる。
【0019】
【発明の効果】本発明による中性子遮蔽体を設置すれ
ば、磁気シールドの放射化量を低減し、中性粒子入射装
置室内の線量当量率を低減することができ、人間による
直接作業が可能となる。このような方法を用いることに
より、保守作成の度に、全ての放射化した部品を放射化
していない部品に取り替えて中性粒子入射装置室内の線
量当量率を低減する必要がなく、個々の部品を単独で交
換できるため、保守に要する費用を低減することができ
る。又、このような方法を用いれば、ビームライン部全
体をホットセル内に移動して交換する方法に比べて、ビ
ームライン部の切り離し,移動,再接続,軸合わせ等の
作業が不要になるため、保守に要する期間を短縮するこ
とができる。
【0020】一方、磁気シールドの誘導放射能を低減す
ることにより、放射性廃棄物量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中性子遮蔽体を設置した中性粒子
入射装置の断面図。
【図2】国際熱核融合実験炉の炉心部及び中性粒子入射
装置の立面図。
【図3】国際熱核融合実験炉の中性粒子入射装置の断面
図。
【図4】中性粒子入射装置の二次元円柱モデルの断面
図。
【図5】中性粒子入射装置室内の線量当量率の径方向分
布図。
【図6】本発明による中性子遮蔽体を設置した中性粒子
入射装置の断面図。
【図7】本発明による中性子遮蔽体を設置した中性粒子
入射装置の断面図。
【符号の説明】
101…イオン源室、102…イオン源電極、103…
中性化セル、104…ビームダンプ、106…クライオ
ポンプ、107…磁気シールド、110,111,112…
接合部、113,114…真空容器、121…中性子遮
蔽体、122…放射化ダストシャッタ、123…ガンマ
線シャッタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 道夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 山下 泰郎 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 井上 多加志 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内 (72)発明者 小原 祥裕 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内 (72)発明者 奥村 義和 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器,クライオポンプ,中性化セル,
    ビームダンプ,イオン源,磁気シールドを含む核融合炉
    の中性粒子入射装置において、前記磁気シールドと前記
    真空容器との間に6.6×1022cm-3 以上の水素の原子
    数密度を有する低放射化材からなる中性子遮蔽体を設置
    したことを特徴とする中性粒子入射装置。
  2. 【請求項2】真空容器,クライオポンプ,中性化セル,
    ビームダンプ,イオン源,磁気シールドを含む核融合炉
    の中性粒子入射装置において、前記磁気シールドと前記
    真空容器との間にポリエチレン若しくはポリエチレン化
    合物等の中性子遮蔽体を設置したことを特徴とする中性
    粒子入射装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記真空容器
    を前記クライオポンプ,前記中性化セル,前記ビームダ
    ンプを収納した真空容器と、前記イオン源を収納した真
    空容器とに分割し、前記各真空容器の開口部に炉心部か
    らの放射化ダストを密封し、前記真空容器内の部品の放
    射化によるガンマ線を遮蔽するためのシャッタを設置
    し、前記真空容器を分離可能な構造とした中性子粒子入
    射装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記イオン源に電力,
    冷却材を供給するための前記イオン源と電源,冷却材循
    環系との接合部を前記磁気シールドの外側に設置した中
    性粒子入射装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記クライオポンプ,
    前記中性化セル,前記ビームダンプを収納した真空容器
    及び前記イオン源を収納した真空容器の前記開口部を前
    記ガンマ線遮蔽体で閉塞し、前記イオン源に電力,冷却
    材を供給するための前記イオン源と電源,冷却材循環系
    との接合部を前記磁気シールドの外側で切断し、前記イ
    オン源を収納した前記真空容器と共に、前記イオン源を
    移動する中性粒子入射装置の保守方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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